JP3771404B2 - 配線用遮断器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短絡電流や過電流が流れた際に配線路を遮断する配線用遮断器に関し、特にトラッキングによる放電状の短絡電流も検出して遮断動作する配線用遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配線用遮断器は、短絡電流,過電流の双方に応答するように、短絡電流に対してはダッシュポット型電磁コイルを使用し、過電流に対してはバイメタルを使用し、何れか一方を検出したら遮断動作させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記配線用遮断器は図7(a)に示すような負荷の電源投入時に発生する越流電流或いは突入電流によるの誤動作を避けるために、瞬時遮断の検出電流は想定されるそのような突入電流より大きな値に設定され、通常、遮断器の定格電流の1000%程度に設定してある。住宅用配線遮断器の場合、定格は通常20A(アンペア)であるため瞬時遮断の動作電流は200Aに設定されている。
【0004】
しかし、短絡には上述するような大電流を発生する状態以外に、コンセントに接続しているコードの絶縁皮膜の劣化や加熱による皮膜の溶融等でコード心線短絡やトラッキングによる瞬時の放電状の短絡が生じることもあり、この場合の短絡電流は、数十Aから200A程度であることが知られている。そして、このような短絡電流波形は正弦波ではなく、図7(b)に示すような非連続の放電状電流波形となるため、従来の電磁コイルやバイメタルでは検出できず、このような短絡に対しては遮断動作することはなかった。しかし、このような短絡電流によっても火災の発生があり得ることが確認され、そのような短絡電流に対しても遮断動作する配線遮断器が求められていた。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、越流電流や突入電流では動作する事が無く、コード心線短絡やトラッキング短絡のような放電状の短絡電流に対して瞬時に配線路を切り離す配線用遮断器を提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、異常電流が流れた際に、接点装置を開動作させることで配線路を電力線路から開放する配線用遮断器であって、配線路に流れる商用周波数の電流波形を抽出する商用波形抽出手段と、そのピーク値を検出する第1ピーク検出手段と、配線路に流れる放電状短絡電流を含む電流波形のピーク値を検出する第2ピーク検出手段と、該第2ピーク検出手段の検出値が前記第1ピーク検出手段の検出値を越えた際に信号を出力する比較手段と、該比較手段の出力を受けて前記接点装置を開動作させる作動手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、作動手段が、比較手段の出力を受けて動作するサイリスタ及び、該サイリスタの動作により駆動するトリップコイルを具備することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、比較手段が、第1ピーク検出手段の検出値を閾値として、第2ピーク検出手段の検出値が該閾値を越えている間、信号を出力することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を基に説明する。
図1は本発明に係る配線用遮断器の回路ブロック図を示し、1は配線路に接続された遮断器の主回路、2は主回路1に設けた変流器であり、変流器2で検出した配線路電流はフィルタ回路3、絶対値回路4、積分回路5、ピーク値変換回路6を経て、変流器2の検出電流からそのピーク値を検出する検出回路7の検出値と比較回路8で比較し、その比較結果によりサイリスタ駆動回路9を介してサイリスタ10をオンさせ、トリップコイル11を動作させて、接点開閉機構(図示せず)の作用により、接点装置13の開放を行うよう構成されている。
【0010】
各回路ブロックの動作を図2の波形説明図を基に詳細に説明すると、変流器2が主回路1に流れた例えば図2(a)に示すような放電状の短絡電流が重畳された電流波形を検出すると、フィルタ回路3により放電状短絡電流やノイズ等の高周波成分を削除し、図2(b)に示す商用周波数の波形のみを抽出して通過させる。そして、絶対値回路4が図2(c)に示すように全波整流し、積分回路5で積分すると共に増幅し、ピーク値変換回路6が全波整流波形のピークを直流電圧値に変換する。尚、図2(c)においてLが絶対値回路出力波形、Mが積分回路出力波形、Nがピーク値変換回路出力波形である。
【0011】
ピーク検出回路7は、検出電流波形のピーク値、即ち図2(d)に示すように商用周波数の電流波形上に重畳する放電状の短絡電流波形のピーク値を逐次検出し、図示するようにピーク値を頂点とする三角波を出力する。比較回路8は、ピーク値変換回路6で変換した直流電圧値であるピーク値Nを閾値として、ピーク検出回路7の出力を比較(図2(e))し、閾値以上となったら図2(e)に示すように超えた時間t1,t2・・の間ハイレベルの出力を発生(図2(g))する。そして、サイリスタ駆動回路9は比較回路8の出力電圧がハイレベルであるとサイリスタ10にトリガ信号を送る。
【0012】
サイリスタ10はサイリスタ駆動回路9のトリガ信号が一定値以上になるとアノード−カソード間を短絡させてオン状態となり、トリップコイル11にダイオード12を介し主線路1から電流を流して作動させ、接点装置13の開放操作をする。尚、サイリスタ,トリップコイル,ダイオード、接点開閉機構により接点装置を開動作させる作動手段を形成している。
【0013】
このように、商用波形抽出手段としてフィルタ回路を設け、第1ピーク検出手段として絶対値回路、積分回路、ピーク値変換回路を設け、第2ピーク検出手段であるピーク検出回路と比較して差を検出するので、トラッキング短絡やコード心線短絡のような放電状の短絡電流が発生しても、瞬時にそれを検出して配線路の開放動作をするので、火災の発生を確実に防止することができる。そして、越流電流や突入電流に対しては、フィルタ回路を通過しても波形は変化しないので、ピーク値変換回路6の出力値とピーク検出回路7の出力値に差はなく、比較回路の出力はハイレベルとならず、接点装置が開動作することがない。
また、ピーク検出回路の出力波形を三角波とすることで、放電状の時間幅の狭い短絡電流の検出を更に確実なものとすることができる。
尚、短絡電流や過電流に対しては、公知のダッシュポット型電磁コイルやバイメタルを使用することで、対処させればよい。
【0014】
図3は第2の実施の形態を示し、上記第1の実施の形態とは、絶対値回路,積分回路及びピーク値変換回路を備えていない代わりに、フィルタ回路3により高周波成分を削除して商用周波数の電流波形を出力させ、そのピーク値を検出する商用ピーク検出回路15を備えている点、およびピーク検出回路が異なり、その他の構成は同一となっている。
【0015】
この実施の形態の作用を図4の波形説明図を基に説明する。図4(a)に示すような放電状短絡電流が重畳した回路電流が主回路1に流れると、商用ピーク値検出回路15により図4(b)に示す商用周波数の電流波形のピーク値Pを検出し、比較回路8で上記ピーク検出回路7より出力波形を急峻にした第2ピーク検出回路16により検出した放電状短絡電流を含む波形のピーク値Qと逐次比較し、ピーク値Pを閾値としてピーク値Qがこの閾値を越えれば、その間図4(c)に示すようなハイレベルの出力を発生してサイリスタ駆動回路9に送る。そして、サイリスタ駆動回路9はその信号を受けてサイリスタ駆動信号を出力してサイリスタ10をオンさせる。サイリスタ10がオンすると、トリップコイル11にダイオード12を介し主線路1から電流が流れて作動し、接点装置13の開放操作をする。
【0016】
このように、商用ピーク検出回路によりピークを直接検出するので、絶対値回路、積分回路、ピーク値変換回路を省いても放電状短絡電流を検出して遮断動作させることができ、回路を簡素化することができる。また、第2ピーク検出回路16のごとく、作動手段の動作特性に合わせて放電状短絡電流を含むピーク検出波形を狭くしても良い。
【0017】
図5は第3の実施の形態を示している。第1の実施の形態とは比較回路の後にパルス分別回路18を備えている点が異なり、その他は同一の構成となっている。パルス分別回路18は商用周波数の波形に重畳する恐れのあるノイズや放電波形等、パルス幅の極端に狭い波形を分別除去する回路であり、比較回路8が閾値を越えたノイズや放電状短絡電流波形の幅をパルス幅にして出力するが、パルス分別回路18はこの信号を分別して、ノイズ等パルス幅の極端に狭い波形を除去している。
【0018】
この実施の形態の作用を図6の波形説明図を基に説明する。主回路1に図6(a)に示すような放電状短絡電流やノイズが重畳した電流が発生すると、比較回路8は図6(b)に示すように商用周波数電流のピーク値を閾値として、それを越えた波形に対しては図6(c)に示すようなハイレベル信号を出力する。そして、パルス分別回路によりパルス幅の狭い信号を削除し、図6(d)に示す波形を出力する。
以降の回路動作は第1の実施の形態と同様であり、サイリスタ駆動回路9によりサイリスタ10をオンさせてトリップコイル11を励磁し、接点装置13の開動作をさせる。
【0019】
このように、パルス分別回路を比較回路の後に設けることで、放電状短絡電流より周波数の高いノイズ等により比較回路が動作しても、サイリスタがその信号により動作する事が無く、より精度の高い動作をさせることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、越流電流や突入電流で動作する事が無く、短絡電流値がそれらより小さい放電状の短絡電流が流れた際にはそれを検出し、瞬時に配線路を電力線路から開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す配線用遮断器の回路ブロック図である。
【図2】図1の各部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)はフィルタ回路出力波形、(c)は絶対値回路,積分回路及びピーク値変換回路のそれぞれの出力波形、(d)はピーク検出回路出力波形、(e)は比較回路の比較波形、(f)は閾値を越えた比較結果波形、(g)は比較回路出力波形及びサイリスタ駆動回路出力波形である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す回路ブロック図でる。
【図4】図3の要部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)は商用ピーク検出回路の出力値及び第2ピーク検出回路の出力値、(c)は比較回路の出力波形である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図6】図5の要部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)は比較回路の比較波形、(c)は比較回路の出力波形、(d)はパルス分別回路の出力波形である。
【図7】(a)は越流・突入電流波形の説明図であり、(b)は放電状短絡電流波形の説明図である。
【符号の説明】
1・・主回路、2・・変流器、3・・フィルタ回路、4・・絶対値回路、5・・積分回路、6・・ピーク値変換回路、7・・ピーク検出回路、8・・比較回路、9・・サイリスタ駆動回路、10・・サイリスタ、11・・トリップコイル、13・・接点装置、15・・商用ピーク検出回路、16・・第2ピーク検出回路、18・・パルス分別回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、短絡電流や過電流が流れた際に配線路を遮断する配線用遮断器に関し、特にトラッキングによる放電状の短絡電流も検出して遮断動作する配線用遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配線用遮断器は、短絡電流,過電流の双方に応答するように、短絡電流に対してはダッシュポット型電磁コイルを使用し、過電流に対してはバイメタルを使用し、何れか一方を検出したら遮断動作させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記配線用遮断器は図7(a)に示すような負荷の電源投入時に発生する越流電流或いは突入電流によるの誤動作を避けるために、瞬時遮断の検出電流は想定されるそのような突入電流より大きな値に設定され、通常、遮断器の定格電流の1000%程度に設定してある。住宅用配線遮断器の場合、定格は通常20A(アンペア)であるため瞬時遮断の動作電流は200Aに設定されている。
【0004】
しかし、短絡には上述するような大電流を発生する状態以外に、コンセントに接続しているコードの絶縁皮膜の劣化や加熱による皮膜の溶融等でコード心線短絡やトラッキングによる瞬時の放電状の短絡が生じることもあり、この場合の短絡電流は、数十Aから200A程度であることが知られている。そして、このような短絡電流波形は正弦波ではなく、図7(b)に示すような非連続の放電状電流波形となるため、従来の電磁コイルやバイメタルでは検出できず、このような短絡に対しては遮断動作することはなかった。しかし、このような短絡電流によっても火災の発生があり得ることが確認され、そのような短絡電流に対しても遮断動作する配線遮断器が求められていた。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、越流電流や突入電流では動作する事が無く、コード心線短絡やトラッキング短絡のような放電状の短絡電流に対して瞬時に配線路を切り離す配線用遮断器を提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、異常電流が流れた際に、接点装置を開動作させることで配線路を電力線路から開放する配線用遮断器であって、配線路に流れる商用周波数の電流波形を抽出する商用波形抽出手段と、そのピーク値を検出する第1ピーク検出手段と、配線路に流れる放電状短絡電流を含む電流波形のピーク値を検出する第2ピーク検出手段と、該第2ピーク検出手段の検出値が前記第1ピーク検出手段の検出値を越えた際に信号を出力する比較手段と、該比較手段の出力を受けて前記接点装置を開動作させる作動手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、作動手段が、比較手段の出力を受けて動作するサイリスタ及び、該サイリスタの動作により駆動するトリップコイルを具備することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、比較手段が、第1ピーク検出手段の検出値を閾値として、第2ピーク検出手段の検出値が該閾値を越えている間、信号を出力することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を基に説明する。
図1は本発明に係る配線用遮断器の回路ブロック図を示し、1は配線路に接続された遮断器の主回路、2は主回路1に設けた変流器であり、変流器2で検出した配線路電流はフィルタ回路3、絶対値回路4、積分回路5、ピーク値変換回路6を経て、変流器2の検出電流からそのピーク値を検出する検出回路7の検出値と比較回路8で比較し、その比較結果によりサイリスタ駆動回路9を介してサイリスタ10をオンさせ、トリップコイル11を動作させて、接点開閉機構(図示せず)の作用により、接点装置13の開放を行うよう構成されている。
【0010】
各回路ブロックの動作を図2の波形説明図を基に詳細に説明すると、変流器2が主回路1に流れた例えば図2(a)に示すような放電状の短絡電流が重畳された電流波形を検出すると、フィルタ回路3により放電状短絡電流やノイズ等の高周波成分を削除し、図2(b)に示す商用周波数の波形のみを抽出して通過させる。そして、絶対値回路4が図2(c)に示すように全波整流し、積分回路5で積分すると共に増幅し、ピーク値変換回路6が全波整流波形のピークを直流電圧値に変換する。尚、図2(c)においてLが絶対値回路出力波形、Mが積分回路出力波形、Nがピーク値変換回路出力波形である。
【0011】
ピーク検出回路7は、検出電流波形のピーク値、即ち図2(d)に示すように商用周波数の電流波形上に重畳する放電状の短絡電流波形のピーク値を逐次検出し、図示するようにピーク値を頂点とする三角波を出力する。比較回路8は、ピーク値変換回路6で変換した直流電圧値であるピーク値Nを閾値として、ピーク検出回路7の出力を比較(図2(e))し、閾値以上となったら図2(e)に示すように超えた時間t1,t2・・の間ハイレベルの出力を発生(図2(g))する。そして、サイリスタ駆動回路9は比較回路8の出力電圧がハイレベルであるとサイリスタ10にトリガ信号を送る。
【0012】
サイリスタ10はサイリスタ駆動回路9のトリガ信号が一定値以上になるとアノード−カソード間を短絡させてオン状態となり、トリップコイル11にダイオード12を介し主線路1から電流を流して作動させ、接点装置13の開放操作をする。尚、サイリスタ,トリップコイル,ダイオード、接点開閉機構により接点装置を開動作させる作動手段を形成している。
【0013】
このように、商用波形抽出手段としてフィルタ回路を設け、第1ピーク検出手段として絶対値回路、積分回路、ピーク値変換回路を設け、第2ピーク検出手段であるピーク検出回路と比較して差を検出するので、トラッキング短絡やコード心線短絡のような放電状の短絡電流が発生しても、瞬時にそれを検出して配線路の開放動作をするので、火災の発生を確実に防止することができる。そして、越流電流や突入電流に対しては、フィルタ回路を通過しても波形は変化しないので、ピーク値変換回路6の出力値とピーク検出回路7の出力値に差はなく、比較回路の出力はハイレベルとならず、接点装置が開動作することがない。
また、ピーク検出回路の出力波形を三角波とすることで、放電状の時間幅の狭い短絡電流の検出を更に確実なものとすることができる。
尚、短絡電流や過電流に対しては、公知のダッシュポット型電磁コイルやバイメタルを使用することで、対処させればよい。
【0014】
図3は第2の実施の形態を示し、上記第1の実施の形態とは、絶対値回路,積分回路及びピーク値変換回路を備えていない代わりに、フィルタ回路3により高周波成分を削除して商用周波数の電流波形を出力させ、そのピーク値を検出する商用ピーク検出回路15を備えている点、およびピーク検出回路が異なり、その他の構成は同一となっている。
【0015】
この実施の形態の作用を図4の波形説明図を基に説明する。図4(a)に示すような放電状短絡電流が重畳した回路電流が主回路1に流れると、商用ピーク値検出回路15により図4(b)に示す商用周波数の電流波形のピーク値Pを検出し、比較回路8で上記ピーク検出回路7より出力波形を急峻にした第2ピーク検出回路16により検出した放電状短絡電流を含む波形のピーク値Qと逐次比較し、ピーク値Pを閾値としてピーク値Qがこの閾値を越えれば、その間図4(c)に示すようなハイレベルの出力を発生してサイリスタ駆動回路9に送る。そして、サイリスタ駆動回路9はその信号を受けてサイリスタ駆動信号を出力してサイリスタ10をオンさせる。サイリスタ10がオンすると、トリップコイル11にダイオード12を介し主線路1から電流が流れて作動し、接点装置13の開放操作をする。
【0016】
このように、商用ピーク検出回路によりピークを直接検出するので、絶対値回路、積分回路、ピーク値変換回路を省いても放電状短絡電流を検出して遮断動作させることができ、回路を簡素化することができる。また、第2ピーク検出回路16のごとく、作動手段の動作特性に合わせて放電状短絡電流を含むピーク検出波形を狭くしても良い。
【0017】
図5は第3の実施の形態を示している。第1の実施の形態とは比較回路の後にパルス分別回路18を備えている点が異なり、その他は同一の構成となっている。パルス分別回路18は商用周波数の波形に重畳する恐れのあるノイズや放電波形等、パルス幅の極端に狭い波形を分別除去する回路であり、比較回路8が閾値を越えたノイズや放電状短絡電流波形の幅をパルス幅にして出力するが、パルス分別回路18はこの信号を分別して、ノイズ等パルス幅の極端に狭い波形を除去している。
【0018】
この実施の形態の作用を図6の波形説明図を基に説明する。主回路1に図6(a)に示すような放電状短絡電流やノイズが重畳した電流が発生すると、比較回路8は図6(b)に示すように商用周波数電流のピーク値を閾値として、それを越えた波形に対しては図6(c)に示すようなハイレベル信号を出力する。そして、パルス分別回路によりパルス幅の狭い信号を削除し、図6(d)に示す波形を出力する。
以降の回路動作は第1の実施の形態と同様であり、サイリスタ駆動回路9によりサイリスタ10をオンさせてトリップコイル11を励磁し、接点装置13の開動作をさせる。
【0019】
このように、パルス分別回路を比較回路の後に設けることで、放電状短絡電流より周波数の高いノイズ等により比較回路が動作しても、サイリスタがその信号により動作する事が無く、より精度の高い動作をさせることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、越流電流や突入電流で動作する事が無く、短絡電流値がそれらより小さい放電状の短絡電流が流れた際にはそれを検出し、瞬時に配線路を電力線路から開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す配線用遮断器の回路ブロック図である。
【図2】図1の各部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)はフィルタ回路出力波形、(c)は絶対値回路,積分回路及びピーク値変換回路のそれぞれの出力波形、(d)はピーク検出回路出力波形、(e)は比較回路の比較波形、(f)は閾値を越えた比較結果波形、(g)は比較回路出力波形及びサイリスタ駆動回路出力波形である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す回路ブロック図でる。
【図4】図3の要部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)は商用ピーク検出回路の出力値及び第2ピーク検出回路の出力値、(c)は比較回路の出力波形である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す回路ブロック図である。
【図6】図5の要部の波形を示し、(a)は変流器の検出波形、(b)は比較回路の比較波形、(c)は比較回路の出力波形、(d)はパルス分別回路の出力波形である。
【図7】(a)は越流・突入電流波形の説明図であり、(b)は放電状短絡電流波形の説明図である。
【符号の説明】
1・・主回路、2・・変流器、3・・フィルタ回路、4・・絶対値回路、5・・積分回路、6・・ピーク値変換回路、7・・ピーク検出回路、8・・比較回路、9・・サイリスタ駆動回路、10・・サイリスタ、11・・トリップコイル、13・・接点装置、15・・商用ピーク検出回路、16・・第2ピーク検出回路、18・・パルス分別回路。
Claims (3)
- 異常電流が流れた際に、接点装置を開動作させることで配線路を電力線路から開放する配線用遮断器であって、
配線路に流れる商用周波数の電流波形を抽出する商用波形抽出手段と、
そのピーク値を検出する第1ピーク検出手段と、
配線路に流れる放電状短絡電流を含む電流波形のピーク値を検出する第2ピーク検出手段と、
該第2ピーク検出手段の検出値が前記第1ピーク検出手段の検出値を越えた際に信号を出力する比較手段と、
該比較手段の出力を受けて前記接点装置を開動作させる作動手段とを備えたことを特徴とする配線用遮断器。 - 作動手段が、比較手段の出力を受けて動作するサイリスタ及び、該サイリスタの動作により駆動するトリップコイルを具備する請求項1記載の配線用遮断器。
- 比較手段が、第1ピーク検出手段の検出値を閾値として、第2ピーク検出手段の検出値が該閾値を越えている間、信号を出力する請求項1または2記載の配線用遮断器。
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JP33657399A Expired - Fee Related JP3771404B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | 配線用遮断器 |
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JP4673183B2 (ja) * | 2005-10-18 | 2011-04-20 | 河村電器産業株式会社 | トラッキング検出装置及び検出方法 |
JP6058455B2 (ja) * | 2013-04-09 | 2017-01-11 | 河村電器産業株式会社 | コード短絡検出回路、及びコンセント装置 |
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1999
- 1999-11-26 JP JP33657399A patent/JP3771404B2/ja not_active Expired - Fee Related
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