JP3771064B2 - シミュレーション方法、シミュレータ、シミュレーションプログラムを格納した記録媒体、パターン設計方法、パターン設計装置、パターン設計プログラムを格納した記録媒体、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

シミュレーション方法、シミュレータ、シミュレーションプログラムを格納した記録媒体、パターン設計方法、パターン設計装置、パターン設計プログラムを格納した記録媒体、および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体シミュレーション技術に係わり、特に半導体ウェーハを荷電粒子に晒す半導体製造工程において絶縁膜中に流れるトンネル電流と絶縁膜中にできる荷電トラップや界面準位の密度を計算するシミュレーション方法、このシミュレーション方法を実行するシミュレーショタ、およびこのシミュレーション方法を実行するためのシミュレーションプログラムを格納した記録媒体に関する。また本発明は、このシミュレーションにより得られた結果を考慮して行うパターン設計方法、パターン設計装置、およびパターン設計プログラムを格納した記録媒体に関する。さらに本発明はこれらのシミュレーション方法およびパターン設計方法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、集積度の増大にともないLSI(大規模集積回路)の開発コストが急増し、設計、開発の効率化が求められてきており、半導体装置の設計・開発に際しては定量的な予測能力を持つシミュレーションがますます重要性を増してきている。このような半導体装置の設計・開発におけるシミュレーションとして、半導体装置の製造工程をシミュレーションして、その結果、半導体装置中の不純物の分布、あるいは半導体装置の構成要素の幾何学的な形状等を求めるプロセスシミュレータ(プロセスシミュレーション装置)と、このプロセスシミュレーションの結果を入力として半導体装置の電気的な特性をシミュレーションするデバイスシミュレータ(デバイスシミュレーション装置)とが用いられている。代表的な市販の汎用プロセスシミュレータとして、TSUPREM−4TM(“TSUPREM−4 Users Manual”,Technology Modeling Associates,Inc.,Sunnyvale,CA,USA(1996))が挙げられる。
【0003】
また、近年のLSIはサブクォーターミクロンからナノメータレベルの微細なパターン形成が要求されるようになってきている。かかる微細なパターンを有したLSIを製造するためには製造工程の低温化が必須である。したがって、製造工程の低温化の観点から、反応性イオンエッチング(RIE)、ECRイオンエッチングやプラズマCVD等のプラズマ工程もしくはイオン工程が好んで用いられている。製造工程の低温化の観点からはイオン注入による不純物導入工程も必須である。したがって、近年のLSIはこれらのプラズマエッチング工程、プラズマCVD(プラズマ堆積)工程およびイオン注入工程などの荷電粒子を用いた製造工程が重要な位置を占めつつある。プラズマ工程は、放電を用いて粒子を活性化するために、数万度の高温に匹敵する状態を実現するのは容易であり、従来の熱反応による製造工程に比して多くの利点を有する。
【0004】
図10はRIE等に用いられる平行平板型のプラズマエッチング装置の模式図である。このプラズマエッチング装置57は、真空排気可能なエッチングチャンバー65内に、プラズマを発生させるための平行平板型の上部電極66と下部電極67が対向して配置されている。上部電極66は接地されている。下部電極67の上には半導体ウェーハ42が設置される。下部電極67にはブロッキングコンデンサーCB を介して、高周波電源43が接続されている。高周波電源43から供給される電力により上部電極66と下部電極67との間に所定の高周波電界が形成される。また、エッチングチャンバー65にはチャンバー内を真空排気するための真空ポンプ71が接続されている。さらにエッチングチャンバー65と真空ポンプ71との間には所定のエッチングガス圧を実現するための可変流量バルブ70が接続されている。また、エッチングに必要なガスを貯蔵したボンベ等のガスソース69が、マスフローコントローラ68を介してエッチングチャンバー65に接続されている。すなわち、可変流量バルブ70とマスフローコントローラ68を用いて、エッチングチャンバー65内が所定のエッチング圧力となるようにガスソース69から、エッチングガスが導入される。この所定のエッチングガス圧のもとでの上部電極66と下部電極67間での放電によりプラズマ44が発生する。
【0005】
図11(b)に示すように、一般にプラズマエッチングは被エッチング材113の表面にマスク112を形成し、マスク112の開口部(窓部)に露出した被エッチング材113を選択的に除去する。プラズマエッチングに使用するガスは、主にフッ素や塩素を含んだ化合物ガスである。図11(a)に示すように、プラズマ44中では電界加速された電子110がガス分子に衝突しそれを分解し、反応性の高いフッ素や塩素原子からなるラジカル108を生成する過程が起きる。同時にイオン化してプラスイオン109を作り出す工程、原子・分子内部の電子励起による発光現象などが起きる。ラジカル108やイオン109はマスク112の開口部分に露出した被エッチング材113の表面で被エッチング材113の表面原子111と反応を起こし(図11(b))、反応生成物115を形成する(図11(c))。この反応生成物115は通常気体であるため、被エッチング材113の表面から離脱する。このようにしてプラズマエッチングが行われる。
【0006】
プラズマ発生時においてプラズマ44中の電子電流は高周波に追従する。しかし、イオン109の質量が電子110の質量より大きいため、イオン109が被エッチング材113または基板114の表面に到達しにくい。つまり電子110とイオン109の電場に関する移動度が異なることで、イオン109よりも多くの電子110が被エッチング材113または基板114に到達する。この結果図12に示すように、基板114とプラズマ44との間にイオンシース116が形成される。基板114表面での電荷の総和をゼロにするために、基板114は負に帯電し、いわゆるセルフバイアス効果が生じ、半導体基板114の表面が電子入射の一部を妨げる。このセルフバイアスで表面の電位が下がるまでイオン109よりも電子110のほうがより多く半導体基板114内に流れ込む。
【0007】
しかし、このようなプラズマエッチング工程、プラズマCVD工程およびイオンエッチング工程などの被加工試料を荷電粒子に晒す半導体製造工程(以下において「荷電粒子工程」という)では、過剰のエネルギーによる被加工試料へのダメージが深刻かつ重大な欠点である。すなわち、これらのプラズマやイオンを用いた荷電粒子工程では、イオンや電子等の荷電粒子が半導体ウェーハ等の被加工試料内に出入りする。例えばMOS型トランジスタにおいて、ゲート電極と基板の間に出入りする電荷の差が生じると、ゲート電極と基板との間に電位差が生じる。電位差が大きくなるとゲート酸化膜にトンネル電流が流れる。トンネル電流は、ゲート酸化膜中に固定電荷や界面準位を導入して、MOS型トランジスタのゲート反転閾値電圧を変化させたり、電気特性(Sファクター)を劣化させる。さらに、ゲート酸化膜の誘電特性を劣化させ、甚だしい場合は製造途中に絶縁破壊が起こる。このような絶縁膜や半導体基板等の被加工試料への損傷を「チャージングダメージ」と称する。これを抑えるべく、ゲート電極、およびゲート電極に接続する配線(以下、「ゲート配線」という。)に電荷が蓄積しないように、製造プロセスや回路設計において検討が繰り返されている。しかし、チャージングダメージは例えば、「半導体プロセスにおけるチャージング・ダメージ」(リアライズ社、東京(1996))に示されているように、プラズマエッチング装置、プラズマエッチング工程中の半導体素子の構造、絶縁膜自体の特性などさまざまな要因が組み合わさった結果として起こる。すべての製造プロセスや回路設計に対してこれらの要因を考慮して設計するのは一人の技術者の手に余るものである。 チャージングダメージの入り得る工程は、ゲート配線のエッチング工程のほかにゲート配線へのコンタクトホール形成のためのエッチング工程、層間絶縁膜やパッシベーション膜堆積のためのプラズマCVD工程、フォトレジストのアッシング工程などがある。ゲート配線は、1層だけでなく、3、4層あることが多い。回路自体もますます大規模で複雑になってきた。このため、チャージングダメージを減らそうとしても、どの工程で、どのゲート配線で起きているかを把握するのは、手作業では困難になってきている。また、チャージングダメージの効果を予測するのも同様に手作業では困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシミュレータは半導体装置の不純物分布、膜構造、膜形状、さらには応力分布を計算することはあるが、上述のようなチャージングダメージの効果を定量的に計算することができなかった。
【0009】
一方、従来のマスクパターンの設計方法においては、マスクパターン情報から不適切なパターン箇所を自動的に検出する手段として、回路設計ツールのルールチェッカーが知られている。しかし、この従来のマスクパターンの設計におけるツールで用いられるルールは、マスクパターンのレイアウトに対する幾何学的な制限に対して違反がないかチェックするのであって、チャージングダメージのような製造工程中に起こる物理的不具合をチェックすることができなかった。
【0010】
また、チャージングダメージはいわゆる「アンテナ効果」等に見られるように単一のマスクパターンのみの検討からは不明で、その上層のマスクパターンまで考慮しなくてはならない場合がある(「アンテナ効果」については後述する)。したがって、チャージングダメージを考慮したマスクパターンの設計は一連の製造工程の手順と密接に関係しているのであるが、従来のマスクパターン設計方法においては製造手順の設計と同時にマスクパターンの設計をすることができなかった。
【0011】
上記問題点に鑑み、本発明の目的は、LSIの製造手順と膨大なマスクパターン情報から、製造工程の進行中に起こるチャージングダメージの効果を自動的に推し量り、避けるべきチャージングダメージの発生箇所を検知することのできるシミュレーション方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、チャージングダメージが完成する半導体装置の電気特性に与える影響を定量的に予測するシミュレーション方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造時に発生するチャージングダメージの影響を予測して、プロセス設計の効率が高く、実際に製造する半導体装置の製造歩留まりも高いシミュレータを提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造時に発生するチャージングダメージの影響を予測して、プロセス設計の効率が高く、実際に製造する半導体装置の製造歩留まりも高いシミュレーションを実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造時に発生するチャージングダメージの影響を予測して、チャージングダメージの発生するマスクパターンを有効に回避することにより、実際に製造する半導体装置の製造歩留まりの高いパターン設計方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造手順を考慮しながらマスクパターンを設計して、チャージングダメージの発生を回避できるパターン設計方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造時に発生するチャージングダメージの影響を予測することで、マスクパターン設計の効率が高く、実際に製造する半導体装置の製造歩留まりも高いパターン設計装置を提供することである。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造手順を設計する機能を有したパターン設計装置を提供し、製造手順を考慮しながらパターンを設計し、チャージングダメージを回避することである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、半導体装置の製造時に発生するチャージングダメージの影響を予測して、マスクパターン設計の効率が高く、実際に製造する半導体装置の製造歩留まりも高いパターン作成方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、チャージングダメージを有効に回避することが可能で製造歩留まりの高い半導体装置の製造方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明の第1の特徴は、荷電粒子工程を複数の時間ステップに分割するステップと、時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算するステップと、時間ステップごとに被加工試料の形状変化を計算するステップとを有するシミュレーション方法であることである。
【0022】
本発明の第1の特徴によれば、荷電粒子工程において過大なトンネル電流が流れるか否か、あるいは絶縁膜中を流れるトンネル電流による荷電トラップの密度分布や界面準位の密度分布を計算することができる。具体的にはトンネル電流密度の積算値を計算し、これが既定値を超えるか否か判断すればよい。また、絶縁膜の絶縁破壊があるか否かの判断は生成されたトラップ密度がある既定値を超えるか否かで判断できる。この絶縁膜破壊等のダメージ情報はマスクパターンの設計や、半導体装置製造プロセスの製造手順の設計における基礎データとして使用することができる。その結果、荷電粒子工程に伴うダメージを有効に回避もしくは抑制できる。
【0023】
本発明の第1の特徴において、トンネル電流密度の計算は荷電粒子工程において流れる電流密度をその対象とする。また、この計算は荷電粒子が生成消滅する領域全体における荷電粒子の流れの連続式と荷電粒子の生成消滅式を解き、被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度を考慮した電流連続式を解いて求めることができる。荷電粒子の流れの連続式と荷電粒子の生成消滅式を解く領域は被加工試料を含むある閉領域について行えばより短時間で効率的に計算できる。この場合、この閉領域の境界部における電磁場および荷電粒子の流速を求め、これを境界条件として計算を行う。被加工試料とは主として半導体ウェーハを示す。
【0024】
また、熱酸化工程、熱拡散、熱CVD工程、光CVD工程、光エッチング等の荷電粒子工程以外の製造プロセスのシミュレーションが含まれていてもよいことはもちろんである。すなわち、半導体装置を製造する一連の製造工程の製造手順を入力するステップと、絶縁破壊等のチャージングダメージが発生した場合には、そのチャージングダメージが一連の工程中のどの工程で発生したかを表示するステップをさらに有していてもかまわない。
【0025】
本発明の第2の特徴は、製造手順にしたがって所定の計算部を順次呼び出す計算指示部と、被加工試料の表面の絶縁膜中を荷電粒子工程時に流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部と、被加工試料の形状変化を計算する形状計算部とを少なくとも有するシミュレータであることである。
【0026】
本発明の第2の特徴によれば、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部により、過大なトンネル電流が流れるか否か、あるいは絶縁膜中を流れるトンネル電流による荷電トラップの密度分布や界面準位の密度分布を計算することができる。具体的にはトンネル電流密度の積算値を計算し、これが既定値を超えるか否か判断すればよい。また、絶縁膜の絶縁破壊があるか否かの判断は生成されたトラップ密度がある既定値を超えるか否かで判断できる。この絶縁膜破壊等のダメージ情報はマスクパターンの設計や、半導体装置製造プロセスの製造手順の設計における基礎データとして使用することができる。その結果、荷電粒子工程に伴うダメージを有効に回避もしくは抑制できる。
【0027】
本発明の第2の特徴において、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部が計算する領域は被加工試料を含むある閉領域について行ってもよい。このときの境界条件はプラズマ装置のシミュレーションによって求められた電磁場と荷電粒子の流速密度を用いる。またこれらの境界条件は荷電粒子工程の開始から終了までに渡り時間と境界位置に依存する。本発明の第2の特徴において、計算機上に半導体ウェーハの膜構造や不純物分布などの物理量を格納する手段と、半導体装置を製造する一連の製造工程の製造手順を入力する手段と、この製造手順におけるそれぞれの製造工程による物理的変化を物理量の変化として逐次計算する手段をさらに有してもよいことはもちろんである。
【0028】
さらに、製造手順表示手段と、マスクパターン表示手段と、絶縁膜中のトンネル電流密度の積算値が既定値を超えたか否かを調べる手段と、既定値を超えた場合は、製造手順表示手段による表示中の該当製造工程に印をつける手段と、この該当箇所の上部にある配線でかつウェーハ外部と接している基板以外の配線パターンをマスクパターン表示手段による表示に重ねて表示する手段を持つことが好ましい。このようにすればアンテナ効果等による過大なトンネル電流密度の発生やその発生箇所が明確になる。あるいは、絶縁膜中のホールトラップ密度が既定値を超えたか否か調べる手段と、既定値を超えた場合は製造手順表示手段による表示中の該当製造工程に印をつける手段と、該当箇所の上部にある配線でかつウェーハ外部と接している基板以外の配線パターンをマスクパターン表示手段による表示に重ねて表示する手段を持つようにしてもよい。同様にアンテナ効果等によるチャージングダメージがその発生場所と共に検出できるからである。より好ましくは、絶縁膜中のトンネル電流密度の積算値もしくはホールトラップ密度が既定値を超えたときに、その時間ステップとその前の時間ステップにおける半導体素子の2次元断面図あるいは3次元透過図を表示する手段をさらに具備すればよい。このようにすれば過大なトンネル電流密度の流れる場所やチャージングダメージの発生する場所とその原因が簡単に理解でき、パターンの変更や製造手順の変更が容易となる。
【0029】
本発明の第3の特徴は、荷電粒子工程を複数の時間ステップに分割するステップと、時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を荷電粒子工程時に流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算するステップと、被加工試料の形状変化を時間ステップごとに計算するステップとを少なくとも有するシミュレーションプログラムを格納した記録媒体であることである。
【0030】
本発明の第3の特徴によれば、この記録媒体に格納されたプログラムが読み込まれたコンピュータシステムからなるシミュレーションシステムによってこのプログラム実行することにより、荷電粒子工程において過大なトンネル電流が流れるか否か、あるいは絶縁膜中を流れるトンネル電流による荷電トラップの濃度分布や界面準位の密度分布を計算することができる。具体的にはトンネル電流密度の積算値を計算し、これが既定値を超えるか否か判断する機能を有するプログラムを格納した記録媒体であればよい。また、絶縁膜の絶縁破壊があるか否かの判断は生成されたトラップ密度がある既定値を超えるか否かで判断できる。この絶縁膜破壊等のダメージ情報はマスクパターンの設計や、半導体装置製造プロセスの製造手順の設計における基礎データとして使用することができる。その結果、荷電粒子工程に伴うダメージを有効に回避もしくは抑制できる。
【0031】
本発明の第4の特徴は、所定の回路図を入力するステップと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、ダメージルールにもとづいてマスクパターンのレイアウトの修正を行うステップとを少なくとも有するパターン設計方法であって、ダメージルールを決定するステップは、荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割する行為と、時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する行為と、時間ステップごとに被加工試料の形状変化を計算する行為とを有することである。
【0032】
本発明の第4の特徴によれば、マスクパターンを編集するときに、そのマスクパターンが必要となる製造手順における半導体装置の中でチャージングダメージが深刻になる箇所を確認できる。したがって、本発明に係わるマスクパターンの設計方法は製造手順を編集しながら行うことが望ましい。すなわち、チャージングダメージが深刻になる箇所が確認されたら、マスクパターンの修正、変更だけでなく製造手順を変更することが好ましい。つまり、実効的な製造手順設計を行うことができる。このように製造手順を設計しながらマスクパターンを設計することによって、マスクパターンの設計やプロセス設計の効率が向上する。また、大規模化した高集積LSIを短期間に歩留まりよく開発することができる。
【0033】
本発明の第4の特徴において、入力された回路図に対して所定のルールチェックを行ってからマスクパターンのレイアウトを行ってもよい。また、ダメージルールの決定において請求項2記載のシミュレーション方法の結果を使用してもよい。
【0034】
本発明の第5の特徴は、所定の回路図を入力する図面エディタと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うLSIマスクレイアウト部と、プロセスシミュレータからのダメージ情報を考慮したダメージチェックをレイアウトに対して行うダメージルールチェッカとを少なくとも有するパターン設計装置であって、ダメージルールチェッカは、製造手順にしたがって、所定の計算部を順次呼び出す計算指示部と、荷電粒子に晒す半導体製造工程時に被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部と、被加工試料の形状変化を計算する形状計算部とを有することである。
【0035】
本発明の第5の特徴によれば、マスクパターンを編集するときに、そのマスクパターンが必要となる製造手順における半導体装置の中でチャージングダメージが深刻になる箇所を確認できる。したがって、本発明のマスクパターンの設計装置においては製造手順を編集しながら行う手段を具備することが望ましい。すなわち、チャージングダメージが深刻になる箇所が確認されたら、マスクパターンの修正、変更だけでなく製造手順を変更することができる製造手順設計手段を具備することが好ましい。このように製造手順設計手段を具備するすることによって、マスクパターンの設計やプロセス設計の効率が向上する。また、大規模化した高集積LSIを短期間に歩留まりよく開発することができる。
【0036】
本発明の第6の特徴は、所定の回路図を入力するステップと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、ダメージルールにもとづいてマスクパターンのレイアウトの修正を行うステップとを少なくとも有するパターン設計プログラムを格納した記録媒体であって、ダメージルールを決定するステップは、荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割する行為と、時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する行為と、時間ステップごとに被加工試料の形状変化を計算する行為とを有することである。
【0037】
本発明の第6の特徴によれば、この記録媒体に格納されたプログラムが読み込まれたコンピュータシステムからなるシミュレーションシステムによってこのプログラムを実行することにより、マスクパターンを編集するときに、そのマスクパターンが必要となる製造手順における半導体装置の中でチャージングダメージが深刻になる箇所を確認できる。したがって、本発明に係わるマスクパターン設計プログラムを格納した記録媒体は、製造手順を編集しながらマスクパターンを設計する機能を有するプログラムを格納することが望ましい。すなわち、チャージングダメージが深刻になる箇所が確認されたら、マスクパターンの修正、変更だけでなく製造手順を変更する機能を有するプログラムを格納することが好ましい。このように製造手順を設計しながらマスクパターンを設計する機能を有するプログラムを格納することによって、マスクパターンの設計やプロセス設計の効率が向上する。また、大規模化した高集積LSIを短期間に歩留まりよく開発することができる。
【0038】
本発明の第7の特徴は、半導体装置の絶縁膜中に荷電粒子工程時に流れるトンネル電流密度、絶縁膜中の荷電トラップ密度および絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算し、ダメージ情報を得るステップと、ダメージ情報を考慮して半導体装置のマスクパターンを設計するステップと、設計結果を用いてマスクを製作するステップと、マスクを用いて荷電粒子工程を含む一連のウェーハ工程を行うステップとを少なくとも有する半導体装置の製造方法であることである。
【0039】
本発明の第7の特徴によれば、ダメージ情報を考慮したマスクを使用して半導体装置を製造することで、大規模化した高集積LSIを短期間に歩留まりよく開発することができる。
【0040】
本発明の第7の特徴において、荷電粒子工程におけるチャージングダメージは特定の製造工程のマスクだけでは判断できないことが多い。例えば、アンテナ効果はその上層のマスクパターンをも含めて判断しなければならない。この点から、本発明の第7の特徴において、半導体製造におけるマスクパターンを表示するステップと、マスクパターンを編集するステップと、製造手順を表示するステップと、製造手順を編集するステップとをさらに有することが好ましい。そして、本発明の第7の特徴におけるダメージ情報を得るステップは、製造工程時間を複数の時間ステップに分けた各時間ステップ毎に絶縁膜中のトンネル電流密度の積算値が既定値を超えたか否か調べるステップを有し、既定値を超えた場合は、製造手順を表示するステップにより表示されている該当製造工程に印をつけるステップと、該当箇所の上部にある配線で、かつウェーハ外部と接している基板以外の配線パターンをマスクパターンを表示するステップで表示されているマスクパターンに重ねて表示するステップを有することが好ましい。このようにすれば複数枚のマスクの相互の関係においてダメージルールチェックが可能となり、同時に半導体装置の製造手順の設計も達成できる。このシミュレーション方法における計算は被加工試料を含む閉領域について、一定の境界条件で行えば、短時間で効率的に計算できる。あるいはこのシミュレーション方法は、製造工程時間を複数の時間ステップに分けた各時間ステップ毎に絶縁膜中のホールトラップ密度が既定値を超えたか否かを調べるステップと、該当箇所の上部にある配線で、かつウェーハ外部と接している基板以外の配線パターンをマスクパターンを表示するステップで表示されているマスクパターンに重ねて表示するステップを有していてもよい。このようにすればマスクパターンを設計するステップにおいて、複数枚のマスクの相互の関係においてダメージルールチェックが可能となり、同時に半導体装置の製造手順の設計も達成できる。また、アンテナ効果等を奏する上層のパターンによるチャージングダメージがその原因と共に明確になる。したがって、迅速なマスク変更や製造手順の変更が可能となる。特に、絶縁膜中のトンネル電流密度の積算値もしくはホールトラップ密度が既定値を超えたときに、その時間ステップとその前の時間ステップにおける半導体素子の2次元断面図あるいは3次元透過図を表示するステップを有していれば、チャージングダメージの発生する構造や、その原因が容易に理解できるので好ましい。
本発明の第8の特徴は、所定の回路図を入力するステップと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、ダメージルールにもとづいてマスクパターンのレイアウトの修正を行うステップと、ダメージルールにもとづいて半導体製造工程の実施手順の修正を行うステップとを備えるパターン設計方法であることである。
本発明の第9の特徴は、所定の回路図を入力する図面エディタと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うLSIマスクレイアウト部と、プロセスシミュレータからのダメージ情報を考慮したダメージチェックをレイアウトに対して行うダメージルールチェッカとを有するパターン設計装置であって、LSIマスクレイアウト部は、半導体製造工程の実施手順の修正を行う手段を有することである。
本発明の第10の特徴は、所定の回路図を入力するステップと、レイアウトデータベースを用いて、回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、ダメージルールにもとづいてマスクパターンのレイアウトの修正を行うステップと、ダメージルールにもとづいて半導体製造工程の実施手順の修正を行うステップとを備えるパターン設計プログラムを格納した記録媒体であることである。
【0041】
【発明の実施の形態】
(チャージングダメージに影響を与えるパラメータ)
まず、チャージングダメージに影響を与えるパラメータについてプラズマエッチング工程を例にとり、これに用いるプラズマエッチング装置と半導体素子構造の視点から幾つか述べる。プラズマCVD工程、イオンエッチング工程、あるいはイオン注入工程等の他の荷電粒子工程については述べないが、これらの種々の荷電粒子工程においても同様なチャージングダメージは発生し得るのはもちろんである。
【0042】
チャージングダメージはプラズマエッチング工程の開始時および終了時の過渡的な電位差の発生により起こるものと、プラズマの定常状態においてプラズマが不均一であることによって起こるものがある。
【0043】
まず、プラズマエッチング工程開始時および終了時におけるチャージングダメージの発生原理について説明する。図10に示したようなプラズマエッチング装置において、所定のガスを所定のガス圧力でエッチングチャンバー65中に導入し、高周波電源43により上部電極66と下部電極67間に所定の電界を印加すればプラズマ44が発生する。この時、前述のように半導体ウェーハ等の被加工試料には電子が注入される。半導体ウェーハの構造が図13(a)のようにゲート配線の露出面積(以下において「ゲート露出面積」という)21と基板露出面積22が等しいときは常にゲート配線58と基板59には等量の電子が供給され、ゲート配線58と基板59は等電位になるが、図13(b)のように両者の面積が等しくないときはゲート配線58と基板59に電位差が生じる。この電位差が大きくなると、ゲート酸化膜62中をトンネル電流が流れ、チャージングダメージを引き起こす。
【0044】
プラズマが定常状態であっても、プラズマが放電空間内で不均一であればチャージングダメージは発生し得る。平行平板電極間に均一な電界を得ることが困難である等の理由により、一般に現実のプラズマエッチング装置では完全に均一なプラズマを被加工試料に与えることができない。例えば、半導体ウェーハの表面全体にポリシリコン膜が堆積され、一つの導電体になっているMOS構造の被加工試料をプラズマエッチング工程により多数のゲート配線に分割する場合を考える。ゲート配線が分離する前はポリシリコン膜内を電流が流れるので、半導体ウェーハの表面全体についてその電位は均一である。しかし、ゲート配線が分離した後、各ゲート配線間の相対的な電位差は各地点の相対的なプラズマ電位差と等しい。もし、プラズマが放電空間内で不均一で、プラズマ電位が半導体ウェーハ中央で高ければ、中央のゲート配線と周辺のゲート配線間で電位差が発生し、各ゲート配線間をゲート酸化膜および基板を通じて電流が流れることになる。
【0045】
次に半導体素子の構造の視点から、「アンテナ効果」について述べる。図14(a)に示すようなゲート配線58にアンテナとなる大きな露出面積を持つ導電体(アルミニウム膜)60が接続されているアンテナ構造は、LSIの構造としてよく見られる構造である。「アンテナ効果」とは、このようなアンテナ構造が形成されていることにより、チャージングダメージの程度が大きく変化することを言うのである。具体的には、ゲート配線58の面積に対するアンテナとなるアルミニウム膜60の面積の比(以後「アンテナ比」とよぶ)が大きいと、荷電粒子がゲート配線58にアンテナ比分多く流れ込むので、ゲート配線58の電位も高くなり、アンテナ効果によるダメージも大きくなる。ここで、ゲート配線58の面積とはトンネル電流がゲート酸化膜62を介して基板59に流れ得る部分の面積をいい、アンテナとなるアルミニウム膜60の面積とはプラズマ空間からイオンまたは電子がゲート配線58に出入りすることができる部分のアルミニウム膜60の面積をいう。また、高周波(RF)をかけていることから、RF周期で生じる電位差もある。これはアンテナ比のほか、RF周期、アンテナ構造における厚いゲート酸化膜62の厚さと薄いゲート酸化膜62の厚さとの比によっても変わる。
【0046】
次に、ゲート配線58が基板59に接続しているか否かもアンテナ効果によるチャージングダメージに影響を与える。さらに、接続している場合にどの様に接続しているかが、アンテナ効果によるチャージングダメージの程度を左右する。図14(b)に示すようにアルミニウム膜60が接続部29を介して基板59に接続していれば、ゲート配線58と基板59との間でアルミニウム膜60を介して電荷が移動し、ゲート配線58と基板59間のゲート酸化膜62中にはトンネル電流はほとんど流れない。但し、実際の素子ではアルミニウム膜60と基板59との接続がp/n接合部30を介している場合が多い。この場合、p/n接合部30の順方向に電流が流れる時はゲート酸化膜62中にはトンネル電流はまず流れないが、逆方向でゲート酸化膜62が薄くトンネル電流が流れやすい状態では、ゲート酸化膜62中にトンネル電流が流れる場合がある。つまり、チャージングダメージの程度を知るには、p/n接合部30とゲート酸化膜62の並列接続の状態を考慮して、ゲート酸化膜62中のトンネル電流量を見積もらなくてはならない。
【0047】
基板59のプラズマエッチング装置のステージ(下部電極)63への接続状態も大きな要因である。これまでは、基板59がステージ63に電気的に接続されていると仮定したが、図15に示すように基板59がステージ63から絶縁膜73により完全に絶縁されている場合はチャージングダメージはほとんど入らない。なぜなら、基板59は複数のコンデンサを直列接続したときの浮いた配線部分と見なせ、基板59とゲート配線58とで形成されるコンデンサの容量CG は、ステージ63の先に接続しているブロッキングコンデンサCB やイオンシース部に形成されるプラズマのシース容量CS と比べて非常に大きいから、基板59はゲート配線58に極めて近い電位になっているからである。
【0048】
ゲート配線58の間隔も重要なチャージングダメージのパラメータである。図16(a)はアルミニウム膜60の上にマスク112としてレジストのパターンを形成した状態におけるアルミニウム膜60の初期のエッチングの様子を表している。図16(a)において左側に大きなレジスト開口部121、右側に小さなレジスト開口部120が示されている。エッチング速度は開口部が小さいと遅くなることが多い。この場合、図16(b)に示すように大きなレジスト開口部121に露出したアルミニウム膜60が先にエッチングされ、プラズマ電位が不均一な場合は、局所的なプラズマ電位に従うようにトンネル電流が流れる。次に、狭いレジスト開口部120のエッチングが終わった時も同様にトンネル電流が流れ得る。この結果、配線間隔が異なると分離するタイミングが異なり、発生するチャージングダメージも異なる可能性がある。また、マスク112が負に帯電し、イオン流の軌道が変化することを考慮しないと説明できないこともある。
【0049】
チャージングダメージを受けるゲート酸化膜62自体にも酸化膜厚依存性がある。トンネル電流は、ゲート配線58から基板59に直接トンネリングする「直接トンネリング」と、ゲート配線からゲート酸化膜62の途中までトンネリングする「FN(Fowler−Nordheim)トンネリング」がある。後者による電子が、ゲート酸化膜62中で電子/正孔対やホットホールを形成することで、荷電トラップや界面準位を導入し、ゲート酸化膜62の絶縁性やMOSFETの電気的特性に大きな影響を与える。ゲート酸化膜62が薄くなれば、相対的にチャージングダメージに影響の少ない直接トンネリングが優勢になる。
【0050】
(チャージングダメージのシミュレーション)
以上説明したように、チャージングダメージに影響を与えるパラメータは荷電粒子工程を行う直前の被加工試料の構造に大きく依存している。したがって、本発明においてはこの直前の被加工試料の平面的なパターン配置、および3次元的な構造を考慮して各工程におけるチャージングダメージを検出・評価できるようにしている。さらに、このチャージングダメージの検出・評価を平面的なパターン配置や3次元的構造の設計にフィードバックするようにしている。例えば、図18に示すように計算機の出力画面上で荷電粒子工程の前後での被加工試料を斜め上方から見た直方体の集合で表示することができる。図18ではゲート配線58上に配置されたアルミニウム膜60を反応性イオンエッチング法を用いてエッチングする場合を示している。図18(a)はエッチング中の被加工試料の様子を示し、図18(b)はエッチング後の様子を示している。レジスト112の窓部から入ったイオンがゲート配線58およびゲート酸化膜62を通り、基板114に至る様子を確認することができる。
【0051】
特に、このような絶縁膜のチャージングダメージを効率的なプロセスシミュレーションにより予測するために、本発明においては図17に示すように半導体周辺領域41を定義している。そしてこの半導体周辺領域41と半導体内部領域40について連続の方程式とマクスウェル方程式を同時に解き、荷電粒子および電磁場の分布を計算することが好ましい。半導体内部領域40は被加工試料の内部を示す。半導体周辺領域41は半導体ウェーハがプラズマエッチング装置、イオンエッチング装置、プラズマCVD装置等の荷電粒子プロセス用の製造装置(以下において「荷電粒子装置」と略記する)内の電磁場および荷電粒子の分布に影響を与え得る領域である。この半導体周辺領域41はプラズマエッチング装置ではイオンシース領域を含む程度の領域に選定すればよい。経験則上はこの領域は半導体ウェーハの表面から0.5〜10mm程度の領域、好ましくは表面から1mm程度離れた領域に選べばよい。半導体周辺領域41の外枠の境界条件は、荷電粒子装置内の荷電粒子を測定するか、荷電粒子装置のシミュレーションにより求めた電磁場と荷電粒子の流速を用いることができる。これらの境界条件は工程時間の開始から終了までに渡り時間と境界位置によって変化する。また、被加工試料のステージに対しても時間に依存した電流密度と電磁場を境界条件として与える。また、シミュレーションに要する時間は増えるが、半導体周辺領域41をエッチングチャンバーより大きく設定して、電流連続式とマクスウェル方程式を解いてプラズマ装置内全体の電磁場および荷電粒子の分布を求めてもよい。
【0052】
ウェーハ内部領域40については、導電体、p型の半導体、n型の半導体、絶縁体などすべての物質における拡散電流、ドリフト電流、およびトンネル電流を考慮にいれて計算する。また、ウェーハ内部領域40について、絶縁膜中に流れるFNトンネル電流による電子/ホール対形成、電子トラップ、ホールトラップおよび界面準位の生成量を計算する。この関係式は、MOSデバイスにおける経験式に基ずく。
【0053】
以下の第1乃至第4の実施の形態において本発明に係わるシミュレーション方法、シミュレーションプログラムを格納した記録媒体、シミュレータ、パターン設計方法、パターン設計プログラムを格納した記録媒体、パターン設計装置および半導体装置の製造方法について説明する。
【0054】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態においては、製造工程中のチャージングダメージを加味した被加工試料の構成要素の幾何学的な形状等を予測する機能を有するプロセスシミュレータおよびこれを用いたシミュレーション方法について説明する。
【0055】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わるシミュレータ1は、入出力部14と、処理制御部45と、プログラム記憶部46と、データ記憶部47などから構成されている。入出力部14は製造工程の計算とは関係ないシミュレータ独自の機能で、計算結果であるシミュレーション結果(半導体データ)を表示したり、シミュレーション結果をシミュレータ外部のファイルに保存したり、ファイルに保存した半導体データをシミュレータ内に復元したりする。また、入出力部14では、半導体装置の製造手順をそれが記載されたファイルなどから入力する。処理制御部45は一連の製造工程をシミュレーションする機能手段を備える。プログラム記憶部46はシミュレーションプログラムなどを格納する。データ記憶部47は入力データとしての半導体装置製造プロセスに必要な製造手順や処理制御部45における各計算部の計算に必要な基礎データなどの所定のデータなどを格納する。入力する製造手順はシミュレーションを行うのに必要なすべての条件を含む。
【0056】
ここで、処理制御部45の一連の製造工程をシミュレーションする機能として、計算指示部3と、初期化部4と、不純物再分布計算部5と、酸化速度計算部6と、堆積/エッチング速度計算部7と、応力/応力緩和計算部8と、形状計算部9と、潜像計算部11と、イオン注入分布計算部12と、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13が備えられている。電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13は従来のプロセスシミュレータには存在しない新規な構成要素である。
【0057】
図1の処理制御部45中の電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13は、イオン注入工程、プラズマエッチング工程、イオンエッチング工程、プラズマCVD工程などの被加工試料を荷電粒子に晒す半導体製造工程、つまりチャージングダメージが入る可能性がある荷電粒子工程の計算で呼び出される。電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13は、荷電粒子工程中の被加工試料の形状変化を考慮しながら酸化膜に流れるトンネル電流量とトンネル電流によって生成される酸化膜中の荷電トラップ密度および界面準位を計算する。
【0058】
また、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13では図17に示す半導体内部領域40と半導体周辺領域41について電流連続式とマクスウェル方程式を同時に解き、荷電粒子および電磁場の分布を計算する。ここで、マクスウェル方程式の代わりにポアソン方程式を用いてもよい。
【0059】
計算指示部3では製造手順に記載してある製造工程に適切な計算部4〜9、11〜13を製造手順にしたがって呼び出していく。初期化部4は被加工試料としての生ウェーハを用意するときに呼び出され、平坦な何も加工されていない被加工試料のデータをデータ記憶部47に初期生成する。不純物再分布計算部5は被加工試料を高温処理をする工程の計算で呼び出され、被加工試料中への不純物の拡散、隣接した物質層への移動、被加工試料外への蒸発、被加工試料外からの吸収などの不純物の分布を計算する。酸化速度計算部6は被加工試料を酸化雰囲気に晒す製造工程の計算で呼ばれ、被加工試料の酸化速度を計算する。堆積/エッチング速度計算部7は被加工試料に対するCVD等による堆積工程、エッチング工程、レジストの現像工程などの計算で呼び出され、格子状に構成された被加工試料の各地点での物質層の堆積速度あるいはエッチング速度を計算する。応力/応力緩和計算部8は、被加工試料の温度や構造が変わる工程の計算で呼び出され、被加工試料の各地点での応力を計算すると同時に応力による被加工試料の形状変化の速度を計算する。酸化速度計算部6、堆積/エッチング速度計算部7および応力/応力緩和計算部8によって計算された被加工試料の形状変化量は形状計算部9を経てデータ記憶部47の被加工試料のデータを変化させる。潜像計算部11はレジストの感光工程の計算で呼び出され、被加工試料の表面に塗布されたレジストの感光領域を計算する。イオン注入分布計算部12は被加工試料に対するイオン注入工程の計算で呼び出され、イオン注入工程による不純物や結晶欠陥の密度分布を計算し、計算結果はデータ記憶部47の半導体ウェーハのデータを変化させる。
【0060】
本発明の第1の実施の形態に係わるプロセスシミュレータは、被加工試料の製造手順の記述(以下、「製造手順」という)を入力として、その製造手順で製造された半導体素子中の不純物や欠陥の密度分布や形状等を計算して出力する。これらの密度分布や形状等をデバイスシミュレータの入力としての電気的な特性が計算される。多くの汎用シミュレータでは、計算した結果を一時的にシミュレータ外部にファイルなどの形式で保存したり、保存した計算結果を読み込んで、読みこんだ計算結果に対してさらに計算を行うことができる。したがって、任意の構造について1つの製造工程だけの計算も可能である。つまり、一製造工程だけのシミュレーションに特化した「単一工程シミュレータ」であっても、本発明の第1の実施の形態に含まれる。
【0061】
一般にデバイスシミュレータでは被加工試料の最終構造に対して、端子電流、端子電圧などの境界条件とプロセスシミュレーションの結果を入力して、その電気的特性を計算することを主とする。しかし、本発明においてはこれらの機能に加えて、プラズマエッチングの前の構造、プラズマCVDの前の構造、イオン注入の前の構造などの被加工試料の未完成の構造に対してプラズマを規定するイオン、電子、ラジカル、プラズマ空間の電界などを境界条件として電気的特性を計算することができる。この中間(未完成)段階のデバイスシミュレーションの結果は再びプロセスシミュレーションとしてフィードバック可能である。
【0062】
また、前述したようにチャージングダメージの計算においては、ゲート面積とそのゲートに繋がって電荷が流入される導電体部の面積の比(アンテナ比)、側壁の露出面積、基板への接続の有無等の種々の構造パラメータが重要であるから、計算する対象は3次元構造であることが望ましい。
【0063】
次に、このような構成を有するプロセスシミュレータを用いたシミュレーション方法について、プラズマエッチング工程を例にとり図2を参照して説明する。
【0064】
プラズマエッチング工程を開始すると、まず、
(イ)ステップS15において、プラズマエッチング工程に必要な全時間を十分に小さな時間ステップ△tに分割する。
【0065】
(ロ)次にステップS16において、ステップS15で分割した時間ステップ内について、図17に示した半導体周辺領域の外枠における境界条件をもとに、連続の方程式とマックスウェル方程式を解く。この結果、被加工試料内の絶縁膜中を流れるトンネル電流の電流密度、トンネル電流によって生成される絶縁膜中の荷電トラップ密度あるいは絶縁膜と半導体基板との界面に形成される界面準位の密度等が計算される。
【0066】
(ハ)そしてステップS17において、分割した時間ステップ△t内のプラズマエッチングによる形状変化量を計算する。
【0067】
(ニ)ステップS18において、時間ステップ△tの積算値が工程時間に達したか否かを判断する。ステップS18で時間ステップの積算値が工程時間に達していない場合には、ステップS16に戻り、ステップS16〜S18を繰り返す。また、ステップS18において時間ステップの積算値が工程時間に達した場合には、プラズマエッチング工程のプロセスシミュレーションは終了する。
【0068】
上述したプロセスシミュレータを実現するためのプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に格納することができる。この記録媒体を図1に示したプログラムメモリ46として用いる、もしくはプログラムメモリ46に読み込ませ、このプログラムにより処理制御部45における種々の計算を所定の処理手順にしたがって実行するように制御することにより、上述したプロセスシミュレータを実現することができる。ここで、記録媒体には、例えばROM,RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録できるような記憶媒体が含まれる。
【0069】
図3はこれら記録媒体に格納されたプログラムを読取り、そこに記述された手順にしたがって、プロセスシミュレーションシステムを実現するコンピュータシステムからなるプロセスシミュレータ80の一例を示す外観図である。このプロセスシミュレータ80の本体前面には、フロッピーディスクドライブ81、およびCD−ROMドライブ82が設けられており、磁気ディスクとしてのフロッピーディスク83、または光ディスクとしてのCD−ROM84を各ドライブ入り口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをシステム内にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置87を接続することにより、例えばゲームパックなどに使用されている半導体メモリとしてのROM85や、磁気テープとしてのカセットテープ86を用いることもできる。
【0070】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、製造工程のプロセス条件と膨大なLSIのパターン情報から、チャージングダメージを定量的に推し量り、避けるべきチャージングダメージの発生箇所を検知するプロセスシミュレータおよびこれを用いたシミュレーション方法について説明する。
【0071】
第2の実施の形態に係わる半導体プロセスシミュレータ49は、図4に示すように入出力部14と、処理制御部45と、マスクパターン表示/編集部19と、製造手順表示/編集部20と、計算開始指示部52と、プログラム記憶部46と、データ記憶部47と、検知工程/検知パターン/検知断面図表示部32とからなる。処理制御部45は一連の製造工程をシミュレーションする機能手段を備えている。マスクパターン表示/編集部19では半導体装置製造の一連の工程の内のそれぞれの工程に用いるマスクパターンをモニター端末に表示し、操作者が表示されたパターンを見ながら編集できるようになっている。製造手順表示/編集部20でも同様にして一連の半導体装置製造における一連の製造手順をモニター端末に表示し、操作者が編集できるようになっている。計算開始指示部52では操作者が計算の開始を指示する。入出力部14と、プログラム記憶部46と、データ記憶部47は、本発明の第1の実施の形態と同じであるため、説明は省略する。
【0072】
検知工程/検知パターン/検知断面図表示部32はチャージングダメージを検知したときに呼び出され、ダメージが検知された当該工程を製造手順表示/編集部19で表示している工程に印をつけることができる。さらに、検知工程/検知パターン/検知断面図表示部32はダメージが入る原因となった配線パターンをマスクパターン表示/編集部19で表示しているマスクパターン上に重ね描きする機能、あるいはダメージの原因を分かりやすく表示するため、ダメージが入った部分の断面図を表示する機能を有する。ここで、ダメージが入る原因となった配線パターンは、ダメージ検出部31でダメージが入ったと見なす絶縁膜の上部にある導体層で、かつ真空中に露出している部分を有する膜として求めることができる。また、断面図の表示では、エッチングによって導電体が分割することでダメージが入ったならば、分割前の断面図を同時に表示することによりダメージの原因やその場所の特定を理解しやすくすることができる。さらに図18(a)および(b)に示すように直方体の集合として3次元の鳥瞰図で示してもよい。
【0073】
処理制御部45の一連の製造工程をシミュレーションする機能として、計算指示部3と、初期化部4と、不純物再分布計算部5と、酸化速度計算部6と、堆積/エッチング速度計算部7と、応力/応力緩和計算部8と、潜像計算部11と、イオン注入分布計算部12と、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13と、ダメージ検知部31と、形状計算部9がある。計算指示部3、初期化部4、不純物再分布計算部5、酸化速度計算部6、堆積/エッチング速度計算部7、応力/応力緩和計算部8、潜像計算部11、イオン注入分布計算部12、電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部13および形状計算部9の動作は第1の実施の形態と同じであるため説明は省略する。
【0074】
ダメージ検知部31では絶縁膜中にチャージングダメージが入ったことを検知する。その判断方法は絶縁膜中の電子またはホールのトラップ密度、絶縁膜中のトンネル電流の積算電流量密度、絶縁膜中の電位勾配などの絶縁膜中のある物理量が一定値を超えたときとする。どの物理量を用いるかは操作者が予め定めておくことも可能である。
【0075】
このような構成を有するプロセスシミュレータの動作をプラズマエッチング工程を例にとり図5を参照して説明する。
【0076】
(イ)まず、ステップS33において、プラズマエッチング工程に必要な全時間を十分に小さな時間ステップ△tに分割する。
【0077】
(ロ)そして、ステップS34において、分割した時間ステップにおける半導体ウェーハの表面の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、トンネル電流によって生成される絶縁膜中の荷電トラップ密度あるいは絶縁膜と半導体基板との界面に形成される界面準位の密度を計算する。
【0078】
(ハ)次に、ステップS35において、絶縁膜中のトラップ密度、トンネル電流の積算電流量密度、電位勾配などの物理量がある一定値を超えているかいないかを判断する。ステップS35で物理量が既定値を超えていない場合には、ステップS36に進む。ステップS35で物理量が既定値を超えていれば、ステップS38に進む。
【0079】
(ニ)ステップS36に進んだ場合には、ステップS36においてエッチングによる被加工試料の形状変化を時間ステップごとに計算し、ステップS37に進む。
【0080】
(ホ)ステップS37において、時間ステップ△tの積算値がプラズマエッチング工程に必要な全時間に達したか否かを判断する。達していない場合には、ステップS34に戻り各ステップを繰り返す。時間ステップの積算値がプラズマエッチング工程に必要な全時間に達した場合には、プラズマエッチング工程のシミュレーションは終了する。
【0081】
(ヘ)一方、ステップS38に進んだ場合には、ダメージが発生したと判断した後、ステップS39に進む。そして、ステップS39においてダメージ発生工程、パターン上のダメージ発生箇所、およびダメージ発生箇所の断面図を表示する。ステップS39でダメージ発生工程等を表示した場合に、プラズマエッチング工程のシミュレーションが終了する。
【0082】
このようなプロセスシミュレータの結果を用いて、操作者がマスクパターンおよび製造手順を編集するとき、各工程に対応したマスクパターンと製造手順の中でチャージングダメージが深刻になる箇所を確認できるので、回路設計やプロセス設計の効率が向上する。さらには、微細素子からなる複雑な高集積密度のLSIを短期間に歩留まりよく開発することができる。
【0083】
上述したプロセスシミュレータを実現するためのプログラムも第1の実施の形態と同様に、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存することができる。この記録媒体をコンピュータシステムに読み込ませ、このプログラムを実行してコンピュータを所定の処理手順にしたがって制御することにより、上述したプロセスシミュレータを実現することができる。
【0084】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、半導体装置の製造におけるマスクパターンを作成するマスクパターン設計装置およびこれを用いたマスクパターン設計方法について説明する。すなわち、製造工程のプロセス条件とLSIのパターン情報から、自動的にチャージングダメージを定量的に推し量り、避けるべきチャージングダメージの発生箇所を検知し、検知した結果をもとにマスクパターンを設計する技術について説明する。
【0085】
第3の実施の形態に係わるマスクパターン設計装置50は、図6に示すようにダメージパターン表示部88と、レイアウト表示部89と、入力装置90と、出力装置91と、処理制御部45と、プログラム記憶部46と、データ記憶部47とから構成されている。ダメージパターン表示部88とレイアウト表示部89は同一のハードウェアで構成しても構わない。
【0086】
処理制御部45のマスクパターンを設計する機能として、図面エディタ74と、ダメージルールチェッカ76と、デザインルールチェッカ77と、電気的ルールチェッカ78と、回路/レイアウト一致検査部79と、LSIマスクレイアウト部87などがある。
【0087】
データ記憶部47に登録されたマスクパターンは、図面エディタ74により入力される。そしてLSIマスクレイアウト部87でマスクパターンのレイアウト作業を行うことができる。具体的には、回路シミュレータ72で作成された回路図およびプロセスシミュレータ49により作成されたダメージ情報にもとづいてマスクパターンのレイアウトを自動的に作成する。この作成の途中でマスクパターンのレイアウトは各種のルールチェッカ76〜79により、ダメージ発生箇所の存在、マスクの重なり、短絡箇所の検出およびレイアウトと回路図との一致検査が行われ、誤りはインタラクティブに修正される。
【0088】
このような構成を有するマスク設計装置を用いたマスク設計方法について図7を参照して説明する。
【0089】
(イ)まず、ステップS101において、設計者が回路エディタを用いて回路図を入力する。
【0090】
(ロ)次に、ステップS103において、入力した回路図の中に配線不良や出力端同士の短絡などの回路ルール違反があるかないかの検査を行う。
【0091】
(ハ)そして、ステップS105、S106、S131において、論理誤りやタイミングマージン不足の修正を行い、回路図/結線情報が作成される。
【0092】
(ニ)ステップS95において、ステップS105、S106、S131で求められた回路図/結線情報をもとにLSIのマスクパターンのレイアウトを自動的に作成する。
【0093】
(ホ)ステップS96において、レイアウトと回路図とが一致しているか否かを検査する。一致していない場合にはステップS95に戻る。一致している場合には、ステップS97に進む。
【0094】
(ヘ)ステップS97において、レイアウトの電気的なルールに違反があるか否かを検査する。違反がある場合にはステップS95に戻る。違反がない場合にはステップS129に進む。
【0095】
(ト)ステップS129において、レイアウトのデザインルールに違反があるか否かを検査する。違反がある場合には、ステップS95に戻る。違反がない場合にはステップS98に進む。
【0096】
(チ)ステップS98において、プロセスシミュレーション102によって得られたダメージ情報をもとにして、レイアウトにダメージルール違反があるか否かを検査する。違反がある場合にはステップS95に戻る。違反がない場合にはマスクパターンのレイアウトが完成する。
【0097】
なお、図7のフローチャートは簡素化できることに注意されたい。具体的には各レイアウトの途中でステップS96〜S98、S129のルールチェックがインタラクティブに行われているのが一般的である。
【0098】
また、次に示すパターン設計装置およびパターン設計方法によれば、製造手順を設計しながら、マスクパターンを設計することができる。図6に示すパターン設計装置50内に、半導体製造における製造手順を表示する製造手順表示部をさらに有するようにすればよい。この製造手順表示部は処理制御部45に接続されており、処理制御部45内で作成されたまたは作成途中の製造手順をCRTからなるカラーまたはモノクロの表示装置を用いて表示する。そしてさらに処理制御部45内のLSIマスクレイアウト部87が回路図/結線情報からレイアウトと製造手順を作成する手段を有するように構成することが好ましい。このようなマスクパターン設計装置を用いて、図7に示すステップS98のダメージルールチェックにおいて、ルール違反が発生し、ダメージが発生したと判断された場合、ステップ95に戻りダメージ情報と回路図/結線情報をもとにしてマスクパターンと製造手順を再形成する。そして、引き続き所定のルールチェック(ステップS96〜98、S100)をルール違反がなくなるまで繰り返す。
【0099】
このように、マスクパターンを設計するとき、そのマスクパターンとプロセスの中でチャージングダメージが深刻になる箇所を確認できるので、回路設計やプロセス設計の効率がよいマスク設計が行える。
【0100】
さらに、製造手順を設計しながらマスクパターンの設計ができるので、アンテナ効果等の複数のマスクパターンの相互の関係において発生するチャージングダメージが有効に回避できる。
【0101】
上述したマスクパターン設計方法を実現するためのプログラムも第1の実施の形態と同様に、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存することができる。この記録媒体をコンピュータシステムに読み込ませ、このプログラムを実行してコンピュータを所定の処理手順にしたがって制御することにより、上述したマスクパターン設計方法を実現することができる。
【0102】
現在のLSIは8インチ乃至12インチの半導体ウェーハの全面にステッパを用いて10mm×10mmもしくは15mm×15mm等の所定の露光面積で、同一パターンをステップ・アンド・リピート方式で多数配列して露光することが一般的である。しかし、同一パターンが繰り返して露光されない場合、すなわち異なるパターンをライブラリ露光する要求も現在の多様化したLSIでは時々発生する。図8に示すフローチャートは、本発明の第3の実施の形態の変形例として、このようなライブラリ露光におけるマスクパターン設計方法を示す。すなわち、この変形例においては図8に示すように、
(イ)まずステップS93において、回路図および結線情報を入力する。
【0103】
(ロ)次ステップS95において、回路図および結線情報をもとにして自動レイアウトを行う。
【0104】
(ハ)そしてステップS96〜98において、自動レイアウトとインタラクティブに回路/レイアウト一致検査、電気的ルールチェック、ダメージルールチェックを行い、個別の露光領域(ショット)に対するパターンが完成する。すなわち複数枚のレティクルパターンが完成する。
【0105】
(ニ)ステップS99において、この複数枚のレティクルパターンを用いて、ウェーハ全面に対するライブラリ露光する場合のウェーハ上での各露光領域のレイアウトを行う。
【0106】
(ホ)ステップS100で(ニ)の工程におけるウェーハ全面のマスクパターンのレイアウトに対してダメージルールチェックを行い、ルール違反がなければウェーハ全面のマスクパターンが完成する。ルール違反があればステップS95に戻り、自動レイアウトを行い、引き続き所定のルールチェック(ステップS96〜S98、S100)をルール違反がなくなるまで繰り返す。
【0107】
レイアウトのダメージルールの最も単純な基準は、ゲート露出面積と基板露出面積が等しいか否かである。あるいはアンテナ比が一定の範囲内にあるか否かである。しかし、このような単純な基準もライブラリ露光される場合には、各露光領域(ショット)のみに成立するがウェーハ全面には成立しない。したがって、ウェーハ全面についての面積比やアンテナ比を基準とすることにより、確実なダメージルールチェックが可能となる。このようにして、ウェーハ全体としてのゲート露出面積と基板露出面積が等しいか否か等のルールチェックを含めたマスク設計方法を行うことができる。さらにこのような単純なダメージルール以外の3次元構造等を含めたより詳細なダメージルールチェックがライブラリ露光時に可能であることはもちろんである。
【0108】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、第1乃至3の実施の形態において説明したシミュレーション方法およびマスク設計方法を用いた半導体装置の製造方法について図9を参照して説明する。
【0109】
(イ)まずステップS116において、製造手順を入力として図1に示すような構成を有するプロセスシミュレータによるシミュレーションを実施し、半導体装置の不純物分布、膜形状、膜構成応力分布および半導体装置内の絶縁膜中を流れるトンネル電流、トンネル電流によって生成される絶縁膜中の荷電トラップ密度あるいは絶縁膜と基板との間の界面に形成される界面準位の密度などを求め、チャージングダメージの有無を検査し、ダメージ情報を作成する。
【0110】
(ロ)次にステップS118において、プロセスシミュレーションの結果、得られた不純物密度、形状、ダメージ情報等と共に、所定の端子電圧等をデバイスシミュレータに入力する。すなわち、ステップS118でデバイスシミュレーションを行い、半導体装置の構成要素の電気特性を求める。
【0111】
(ハ)そしてステップS119において、前述の図8に示すような所定のルールチェックに基づいて半導体装置の製造に必要なすべてのマスクを設計する。
【0112】
(ニ)ステップS120において、ダメージルールチェックが完了しているか否かを判断する。ダメージルールチェックが完了していなければ、ステップS119で作成されたマスクパターンの情報と共にステップS116のプロセスシミュレーションに戻る。そして、ステップS116で、ステップS119で形成されたマスクパターン中にダメージ発生箇所があるか否かを判断する。この時、ステップS118におけるデバイスシミュレーションで用いられたプラズマ条件や電界条件などの境界条件もステップS116にフィードバックする。ステップS118ではこれらの境界条件をもとにダメージ発生箇所の特定や、ダメージの有無を判断する。すなわち、ステップS116→S118→S119→S120→S116のフィードバックループを所定のダメージルールチェックが完了するまで繰り返す。ステップS120でダメージルールチェックが完了していると判断されれば、次の工程のマスク設計をステップS116→S118→S119→S120→S116のフィードバックループを繰り返して実行する。そして、目標とする半導体装置の製造に必要なすべてのマスクの設計をする。なお、酸化工程のような荷電粒子を伴わない工程のマスク設計においてはステップS120におけるダメージルールチェックは省略することはもちろんである。所要枚数のマスクの設計が完了すればステップS120に進む。
【0113】
(ホ)ステップS121において、光露光装置や電子ビーム露光装置等を用いて所要枚数のマスクを製作する。
【0114】
(ヘ)ステップS122において、それぞれの工程に必要なそれぞれのマスクを用いて酸化処理工程123、拡散工程124、イオン注入工程125、プラズマエッチング工程126、プラズマCVD工程127などから成る一連の製造工程が行われる。この一連の製造工程の中には半導体ウェーハが荷電粒子に晒され、チャージングダメージの危険性がある荷電粒子工程を含むウェーハ工程が含まれるが、本発明においてはチャージングダメージを考慮したパターンが採用されているので、荷電粒子工程におけるチャージングダメージは有効に回避できる。
(ト)ウェーハ工程が完了すれば、所定の検査を実行し、合格ならばダイヤモンドブレード等のダイシング装置により、所定のチップサイズに分割する。そして、ステップS128において金属もしくはセラミックスなどのパッケージング材料にマウントし、ボンディングや樹脂封止等の所要のパッケージ組み立ての工程を実施し、半導体装置が完成する。
【0115】
本発明の第4の実施の形態に係わる半導体装置の製造方法においては、ステップS116からステップS120に示したフィードバックループの流れを、各個別工程のプロセスシミュレーションが終了する毎に繰り返して行ってもよい。このような繰り返しループを用いることにより、それぞれの工程におけるダメージの発生の防止や、最適なマスクパターンの決定が容易となり、より効率的なシミュレーションおよびマスク設計が可能となる。
【0116】
以上説明したように本発明に係わるプロセスシミュレータを用いて半導体装置を製造することで、チャージングダメージの影響を考慮した大規模かつ複雑な半導体装置を歩留まりが高く製造することができる。なお、本発明の第4の実施の形態ではマスク(レティクル)を用いた半導体装置の製造方法について述べたが、マスク(レティクル)を使わない直接描画(DSW)方式の半導体装置の製造方法にも適用可能であることはもちろんである。この場合はDSW露光機のパターンデータを、ステップS116およびステップS120における手法を用いて作成すればよい。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、半導体装置製造時に発生するチャージングダメージが半導体素子の電気特性に及ぼす影響を予測することできるシミュレーション方法を提供することができる。
【0118】
また本発明によれば、半導体装置製造時に発生するチャージングダメージが半導体素子の電気特性に及ぼす影響を予測することできるシミュレーション装置を提供することができる。
【0119】
さらに本発明によれば、半導体装置製造時に発生するチャージングダメージが半導体素子の電気特性に及ぼす影響を予測することできるシミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0120】
さらに本発明によれば、マスクパターン設計時にチャージングダメージが起こる危険性のあるマスクパターンおよびそのダメージ箇所を簡便に予測することができるパターン設計方法を提供することができる。
【0121】
さらに本発明によれば、製造手順を設計しながらマスクパターンの設計ができるので、アンテナ効果等の複数のマスクパターンの相互の関係において発生するチャージングダメージが有効に回避できるパターン設計方法を提供することができる。
【0122】
さらに本発明によれば、マスクパターン設計時にチャージングダメージが起こる危険性のあるマスクパターンおよびそのダメージ箇所を簡便に予測することができるパターン設計装置を提供することができる。
【0123】
さらに本発明によれば、マスクパターン設計時にチャージングダメージが起こる危険性のあるマスクパターン(ダメージ箇所)を簡便に予測することができるパターン設計プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0124】
さらに本発明によれば、製造歩留まりのよい半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0125】
特に本発明によれば、製造工程の低温化に有効な荷電粒子工程におけるダメージを伴うことなく半導体装置が製造できるので、より微細化され、高集積密度化された半導体装置が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるシミュレータの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わるシミュレーション方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明に第1の実施の形態に係わるシミュレータの概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わるプロセスシミュレータの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わるプロセスシミュレーション方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係わるパターン設計装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係わるパターン設計方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態の変形例に係わるパターン設計方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係わる半導体装置の製造方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】典型的なプラズマエッチング装置の構成を示す断面図である。
【図11】プラズマエッチング装置のエッチングの原理を示す模式図である。
【図12】プラズマエッチング装置内に形成されるイオンシースを示す模式図である。
【図13】ゲート露出面積と基板露出面積の比を示す断面図である。
【図14】図14(a)はMOS構造の半導体ウェーハにおけるアンテナ構造を示す断面図で,図14(b)はMOS構造の半導体ウェーハにおけるゲート配線の接続状況を示す断面図である。
【図15】基板がステージから絶縁されている場合のプラズマエッチングを示す模式図である。
【図16】フォトマスクの開孔部の大きさに違いによるエッチング速度の違いを示す断面図である。
【図17】本発明に係わるプロセスシミュレーション方法において計算する領域を示す模式図である。
【図18】本発明に係わるプロセスシミュレータにより表示される被加工試料の3次元構造を示す鳥瞰図である。
【符号の説明】
1、49 プロセスシミュレータ
3 計算指示部
4 初期化部
5 不純物再分布計算部
6 酸化速度計算部
7 堆積/エッチング速度計算部
8 応力/応力緩和計算部
9 形状計算部
11 潜像計算部
12 イオン注入分布計算部
13 電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部
14 入出力部
19 マスクパターン表示/編集部
20 製造手順表示/編集部
21,23 ゲート露出面積
22、24 基板露出面積
27 ゲート面積
28 アンテナ面積
29 接続部
30 p/n接合部
31 ダメージ検知部
32 検知工程/検知パターン/検知断面図表示部
40 半導体内部領域
41 半導体周辺領域
42 半導体ウェーハ
43 高周波電源
44 プラズマ
45 処理制御部
46 プログラム記憶部
47 データ記憶部
50 マスクパターン設計装置
51 検知パターン/検知箇所断面図表示部
52 計算開始指示部
53 デバイスシミュレータ
54 マスク設計
57 プラズマエッチング装置
58 ゲート配線
59、114 基板
60 アルミニウム膜
61 酸化珪素膜
62 ゲート酸化膜
63 ステージ
72 回路シミュレータ
73 絶縁膜
74 図面エディタ
76 ダメージルールチェック部
77 デザインルールチェック部
78 電気的ルールチェック部
79 回路/レイアウト一致検査部
80 コンピュータシステム(プロセスシミュレータ)
81 フロッピーディスクドライブ
82 CD−ROMドライブ
83 フロッピーディスク
84 CD−ROM
85 ROM
86 カセットテープ
87 ドライブ装置
88 ダメージパターン表示部
89 レイアウト表示部
90 入力装置
91 出力装置
108 ラジカル
109 イオン
110 電子
111 表面原子
112 マスク
113 被エッチング材
114 基板
115 反応生成物
116 イオンシース

Claims (13)

  1. 荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割するステップと、
    前記時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算するステップと、
    前記時間ステップごとに前記被加工試料の形状変化を計算するステップと、
    を有することを特徴とするシミュレーション方法。
  2. 前記トンネル電流密度、前記荷電トラップ密度および前記界面準位密度の少なくとも1つからダメージの発生の有無を判断するステップと、
    前記ダメージの発生があった場合は、前記ダメージの発生箇所を表示するステップと、
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載のシミュレーション方法。
  3. 製造手順にしたがって、所定の計算部を順次呼び出す計算指示部と、
    荷電粒子に晒す半導体製造工程時に被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部と、
    被加工試料の形状変化を計算する形状計算部と、
    を有することを特徴とするシミュレータ。
  4. マスクパターンを表示および編集するマスクパターン表示/編集部と、
    前記製造手順を表示および編集する製造手順表示/編集部と、
    電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部に接続された前記絶縁膜のダメージの有無を判断するダメージ検知部と、
    ダメージ発生箇所を表示する検知工程/検知パターン/検知断面図表示部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項3記載のシミュレータ。
  5. 荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割するステップと、
    前記時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算するステップと、
    前記被加工試料の形状変化を前記時間ステップごとに計算するステップと、
    を有することを特徴とするシミュレーションプログラムを格納した記録媒体。
  6. 前記トンネル電流密度、前記荷電トラップ密度および前記界面準位密度のうち少なくとも1つからダメージの発生の有無を判断するステップと、
    前記ダメージの発生があった場合は、前記ダメージの発生箇所を表示するステップと、
    からなるプログラムをさらに格納したことを特徴とする請求項5記載のシミュレーションプログラムを格納した記録媒体。
  7. 所定の回路図を入力するステップと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、
    該マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、
    該ダメージルールにもとづいて前記マスクパターンのレイアウトの修正を行うステップと
    を有し、
    前記ダメージルールを決定するステップは、
    前記荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割する行為と、
    前記時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する行為と、
    前記時間ステップごとに前記被加工試料の形状変化を計算する行為
    とを有することを特徴とするパターン設計方法。
  8. 所定の回路図を入力する図面エディタと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うLSIマスクレイアウト部と、
    プロセスシミュレータからのダメージ情報を考慮したダメージチェックを前記レイアウトに対して行うダメージルールチェッカと
    を有し、
    前記ダメージルールチェッカは、
    製造手順にしたがって、所定の計算部を順次呼び出す計算指示部と、
    前記荷電粒子に晒す半導体製造工程時に被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する電荷流入/トンネル電流/固定電荷計算部と、
    被加工試料の形状変化を計算する形状計算部と
    を有することを特徴とするパターン設計装置。
  9. 所定の回路図を入力するステップと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、
    該マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、
    該ダメージルールにもとづいて前記マスクパターンのレイアウトの修正を行うステップと
    を有し、
    前記ダメージルールを決定するステップは、
    前記荷電粒子に晒す半導体製造工程を複数の時間ステップに分割する行為と、
    前記時間ステップごとに被加工試料の絶縁膜中を流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算する行為と、
    前記時間ステップごとに前記被加工試料の形状変化を計算する行為
    とを有することを特徴とするパターン設計プログラムを格納した記録媒体。
  10. 荷電粒子に晒す半導体製造工程時に半導体装置の絶縁膜中に流れるトンネル電流密度、該絶縁膜中の荷電トラップ密度および該絶縁膜の界面準位密度の少なくとも1つを計算し、ダメージ情報を得るステップと、
    前記ダメージ情報を考慮して前記半導体装置のマスクパターンを設計するステップと、
    前記設計結果を用いてマスクを製作するステップと、
    前記マスクを用いて、前記荷電粒子に晒す半導体製造工程を含む一連のウェーハ工程を行うステップと、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 所定の回路図を入力するステップと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、
    該マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、
    該ダメージルールにもとづいて前記マスクパターンのレイアウトの修正を行うステップ と、
    該ダメージルールにもとづいて前記半導体製造工程の実施手順の修正を行うステップ
    とを備えることを特徴とするパターン設計方法。
  12. 所定の回路図を入力する図面エディタと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うLSIマスクレイアウト部と、
    プロセスシミュレータからのダメージ情報を考慮したダメージチェックを前記レイアウトに対して行うダメージルールチェッカとを有し、
    前記LSIマスクレイアウト部は、前記半導体製造工程の実施手順の修正を行う手段を有することを特徴とするパターン設計装置。
  13. 所定の回路図を入力するステップと、
    レイアウトデータベースを用いて、前記回路図から荷電粒子に晒す半導体製造工程に用いるマスクパターンのレイアウトを行うステップと、
    該マスクパターンを入力してシミュレーションを行い、得られたダメージ情報をもとにしてダメージルールを決定するステップと、
    該ダメージルールにもとづいて前記マスクパターンのレイアウトの修正を行うステップと、
    該ダメージルールにもとづいて前記半導体製造工程の実施手順の修正を行うステップ
    とを備えることを特徴とするパターン設計プログラムを格納した記録媒体。
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