JP3770994B2 - 限流アークホーン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として配電線路に設置される限流アークホーン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
配電線路を落雷による事故から保護するために、碍子の近傍にアーキングホーンを備えた避雷ユニットを立設し、雷サージにより線路に流れる高電圧をアーキングホーンで捕捉して避雷ユニットに流し、続流を遮断するようにした限流アークホーン装置が用いられている。その一例は実公平2−31938号公報に示す通りであり、図5に示すように碍子1の近傍に立設された避雷ユニット2の頭部に、碍子1の外周を囲むリング状アーキングホーン3を取り付けた構造となっている。
【0003】
このリング状アーキングホーン3は、避雷ユニット2への取り付け基部4とは反対側に開口部5を備えた弾性線材よりなるもので、取り付けに際しては開口部5を開いて碍子1をリング状アーキングホーン3の内部に通したうえ、開口部5、5間に連結リング6を掛ける方法が取られていた。しかしこのような従来の限流アークホーン装置は、碍子1の一方側から取り付ける避雷ユニット2のリング状アーキングホーン3の開口部5を、碍子1の反対側において連結リング6により固定する必要があり、作業員が作業位置を移動せずに取り付け作業を行うことは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決し、既設の配電線路に取り付け作業を、作業位置を移動することなく行うことができる限流アークホーン装置を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、碍子の近傍に立設された避雷ユニットの頭部に、碍子を囲むリング状アーキングホーンを取り付けた限流アークホーン装置において、このリング状アーキングホーンは避雷ユニットへの取り付け基部とは反対側に開口部を備えた弾性線材よりなり、かつ避雷ユニットへの取り付け基部付近に形成した絞り部に、略菱形状をした中心部から細長い腕部を伸ばした形状を有し、絞り部を構成する2本の弾性線材を内部に入れた固定リングを取り付け、この固定リングを回転させることにより、前記開口部を完全なリング状となる閉鎖状態に固定できる構造としたことを特徴とするものである。
【0006】
上記のように構成された本発明の限流アークホーン装置は、リング状アーキングホーンの開口部を開いて碍子の側方から碍子に嵌めたうえ、取り付け基部付近に形成した絞り部を固定リングにより絞ることができる。このため、従来のように碍子1の反対側で作業を行う必要はなくなり、取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は本発明の実施形態を示す正面図であり、1は電柱の腕金7にピン15をナット8によって固定された碍子であって、その頭部に電線9が取り付けられている。2はこの碍子1の近傍に立設された避雷ユニットであり、その下部は腕金7にナット10によってピン15に固定された取り付け金具11に支持されている。避雷ユニット2自体は、内部に避雷素子を備えた公知のものである。
【0008】
3は避雷ユニット2の頭部に取り付けられた碍子1を囲むリング状アーキングホーンである。このリング状アーキングホーン3は、従来と同様に避雷ユニット2への取り付け基部4とは反対側に開口部5を備えた金属等の弾性線材よりなるものである。しかし本発明では、図2、図3に示すようにリング状アーキングホーン3の取り付け基部4の付近に、絞り部12が形成されており、さらにこの絞り部12に固定リング13が取り付けられている。
【0009】
この固定リング13は、図4に示すように略菱形状をした中心部から細長い腕部14を伸ばした形状をしており、リング状アーキングホーン3の絞り部12を構成する2本の弾性線材がその内部に入っている。このため、固定リング13を図4に実線で示した水平位置とすると、2本の弾性線材の一方が腕部14に入り絞り部12が絞られないので、リング状アーキングホーン3はそれ自体の弾性により図2のように開口部5を開く。
【0010】
しかし固定リング13を図4に想像線で示した垂直位置に回転させると、2本の弾性線材は略菱形状をした中心部に入り込み、絞り部12が絞られる。そのため、図3に示すようにリング状アーキングホーン3は開口部5を閉鎖状態となり、外力を加えて固定リング13を回さない限り、そのままの状態で固定される。このように本発明の限流アークホーン装置は、避雷ユニット2への取り付け基部4の側でリング状アーキングホーン3を開閉させることができるので、碍子1の一方側から取り付け作業を行うことができる。
【0011】
実際の取り付けは、上記のリング状アーキングホーン3を備えた避雷ユニット2を予め取り付け金具11にセットしておき、この取り付け金具11をナット10によって碍子1のピン15に取り付ける方法で行われる。この取り付け金具11の先端は図2、図3に示すように二股状となっており、側方から容易に碍子1のピン15に挿入できる工夫がなされている。しかしナット10を締めつける前に避雷ユニット2が落下したり転倒しないように、図示のような碍子1への仮止めリング16を避雷ユニット2の下部または取り付け金具11に設けておくことが好ましい。この仮止めリング16も先端が開いた略円形の弾性線材よりなるもので、碍子の円形のベース金具17に弾性的に嵌合させることにより、取り付け金具11を碍子1の側方に仮止めすることができる。この状態でリング状アーキングホーン3の開口部5の閉鎖を行い、図3の状態とした後にナット10を強く締めればよい。
【0012】
なお、リング状アーキングホーン3の開口部5は側方から碍子1に挿入しやすいように、屈曲部18を形成しておくことが望ましい。また固定リング13により開口部5を閉じた状態では、屈曲部18、18どうしが図3のように重なり合い、完全なリング状となるように寸法設定しておくものとする。
【0013】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の限流アークホーン装置は、リング状アーキングホーンの取り付け基部付近に形成した絞り部に、開口部を閉鎖状態に固定できる固定リングを取り付けたので、作業員は碍子の一方側のみで取り付け作業を行うことが可能である。また、前記のように碍子の一方側から作業位置を移動することなく取り付けできるようにしたので、活線工具かマニピュレータによる取り付け作業が簡単に実施できる。取り付け後は、従来品と全く同様に雷サージにより線路に流れる高電圧をリング状アーキングホーンで捕捉して避雷ユニットに流し、続流を遮断することができる。なお、実施の形態に示したように仮止めリングを設ければ、取り付け作業が更に容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す正面図である。
【図2】リング状アーキングホーンを開いた状態を示す、碍子を省略した平面図である。
【図3】リング状アーキングホーンを閉じた状態を示す、碍子を省略した平面図である。
【図4】固定リングを示す側面図である。
【図5】従来例を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1 碍子、2 避雷ユニット、3 リング状アーキングホーン、4 避雷ユニットへの取り付け基部、5 開口部、6 従来の連結リング、7 電柱の腕金、8 ナット、9 電線、10 ナット、11 取り付け金具、12 絞り部、13 固定リング、14 腕部、15 碍子のピン、16 仮止めリング、17碍子のベース金具、18 屈曲部
Claims (1)
- 碍子の近傍に立設された避雷ユニットの頭部に、碍子を囲むリング状アーキングホーンを取り付けた限流アークホーン装置において、このリング状アーキングホーンは避雷ユニットへの取り付け基部とは反対側に開口部を備えた弾性線材よりなり、かつ避雷ユニットへの取り付け基部付近に形成した絞り部に、略菱形状をした中心部から細長い腕部を伸ばした形状を有し、絞り部を構成する2本の弾性線材を内部に入れた固定リングを取り付け、この固定リングを回転させることにより、前記開口部を完全なリング状となる閉鎖状態に固定できる構造としたことを特徴とする限流アークホーン装置。
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JP06443497A JP3770994B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 限流アークホーン装置 |
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JP06443497A JP3770994B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 限流アークホーン装置 |
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Family Applications (1)
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JP06443497A Expired - Fee Related JP3770994B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 限流アークホーン装置 |
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1997
- 1997-03-18 JP JP06443497A patent/JP3770994B2/ja not_active Expired - Fee Related
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