JP3770966B2 - 酸窒化膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸窒化膜製造用ランプ加熱炉に係り、例えば、半導体不揮発性メモリの酸窒化膜製造用ランプ加熱炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、例えば、第35回 VLSI FORUM「極薄酸化膜の新しい形成法と信頼性」(94年2月25日(株)プレスジャーナル主催)に開示されるものがあった。
上記文献に示されるメモリのトンネル酸化膜は、浮遊ゲートの電荷を保持するための絶縁膜として機能している。
【0003】
一般に、従来のメモリのトンネル酸化膜は書き込みの際、電荷が貫通することと、消去時トンネル電流に電荷を引き込むため、膜厚は80〜120Åと極薄膜で、高い信頼性が必要とされており、上記文献に開示されているように、酸化膜の窒化による酸窒化膜が使用されている。
図7はかかる従来のメモリのトンネル酸窒化膜の製造工程図であり、各図は製造段階で得られた構造体の断面を概略的に示している。
【0004】
(1)まず、図7(a)に示すように、基板100の表面にLOCOS技術を用いて分離酸化膜101を形成し、アクティブ領域102を形成する。
(2)次に、図7(b)に示すように、アクティブ領域102に酸化膜103を急速熱処理酸化法(RTO)により形成する。
(3)次に、その酸化膜103を、図7(c)に示すように、急速熱処理窒化法(RTN)により窒化し、酸窒化膜104を形成する。また、一般に窒化においてNH3 雰囲気が用いられることから、膜の信頼性向上を目的として酸窒化膜104の脱水素の処理として、N2 O雰囲気で急速熱処理酸窒化法(RTON)による再酸化処理を行っている。
【0005】
(4)次に、図7(d)に示すように、酸窒化膜104上に浮遊ゲート105と層間絶縁膜106及び制御ゲート107を形成し、ソース領域108とドレイン領域109を形成する。
このようにして、フラッシュEEPROMのセルトランジスタが形成できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のメモリのトンネル酸窒化膜の製造方法では、ウエハ間、つまり処理毎の成膜膜厚がばらつき、再現性に問題点があり、技術的に満足できるものは得られなかった。
その膜厚の再現性について実験したデータをもとに詳細に説明する。
【0007】
従来の製造装置による急速熱処理酸化法(RTO)+急速熱処理窒化法(RTN)+急速熱処理酸窒化法(RTON)による処理である3ステップ処理のシーケンス例を図8に示す。温度シーケンスは急速加熱仕様である。
まず、ウエハを搬入すると、チャンバーに流していたN2 ガスを止め、チャンバー内を真空ポンプで、1E−1Torr以下の真空度まで引く。
【0008】
次に、O2 ガスを流し大気圧まで戻し、ランプ加熱により50〜200℃/秒のレートで昇温させ、1000〜1100℃で所定膜厚の酸化膜を生成する。
次に、ランプを切り600℃以下まで降温させ、再度真空ポンプで、1E−1Torr以下まで真空を引き、O2 ガスを除去し、NH3 ガスを流し大気圧まで戻す。
【0009】
次に、ランプ加熱により酸化工程と同様にウエハ温度を昇温させ、窒化工程を完了させる。
次に、酸化工程と同様に真空ポンプにてNH3 ガスを除去し、N2 Oガスを流し大気圧まで戻し、酸化工程と同様にウエハを昇温させ、再酸化処理を完了させ、3ステップ処理でのトンネル酸窒化膜の生成が終了する。
【0010】
まず、最初の酸化工程であるRTOの再現性つまり、繰り返し精度の実験結果を図9に示す。
25枚連続したRTO(1100℃×40秒)では、25枚の平均値の統計量は110.9±0.7Å(ただし、最初のウエハの値は除く)、再現性σ/Xは0.63%と問題はない。また、ここでは図示していないが、同様に、RTNやRTONの単独での連続処理においても再現性はRTOと同レベルであり、問題は無かった。
【0011】
次に、RTO+RTN+RTONの3ステップ処理での再現性の実験結果を図10に示す。
25枚連続した3ステップ処理では、25枚の平均値の統計量は101.9±1.9Å(最初のウエハの値は除く)であり、再現性は1.86%と激増し、悪化している。また、50枚処理後、再度実施すると膜厚が厚くなり、その差は酸化温度で50℃の差が見られることも判明した。酸窒化膜をトンネル酸化膜として機能させると、トンネル電流は近似的に電界の二乗に比例し、電界は膜厚に反比例するから、膜厚のばらつきはトンネル電流を二次の関係でばらつかせるため、ウエハ間の膜厚ばらつきは少ない程良く、一般に3σで±3Å程度がデバイスの動作上の限界であり、従来の酸窒化成膜炉は限界を越えていた。
【0012】
この再現性の悪化や酸化温度の上昇の原因について図11を用いて説明する。図11は従来の放射温度計の断面図であり、枝管300と放射温度計本体401の気密を取るためのOリング402と、測温赤外線を取り出す窓ガラス403とその気密のためのOリング404および、赤外線光学系405と赤外線検出器406で構成されている。
【0013】
酸化温度の異常上昇が見られた際、窓403を見ると表面に「曇り」があり、分析を行うと窓材の酸化物であった。ここで、窓材はCaF2 であり、「曇り」はミクロンオーダーの粒子の集合体であった。詳細に粒子を分析すると、粒子表面はCaとOであるが、内部はCaとO,N,Fであり、Fの量は母材の数分の一以下であり、粒子の生成メカニズムを次の様に推定した。
【0014】
枝管300の内部空間には真空パージを行っても、前ステップのガスが残留し、この場合はNH3 とN2 Oが反応し、結果として、NH3 塩が窓ガラス403表面に析出し、このNH3 塩が輻射熱で融解し、ガラス材を浸し、脱F反応が進み、最終的には酸化物として表面に付着したと考えている。この「曇り」が赤外線検出器406に到達する測定赤外線を減少させるため、見かけ上のウエハ温度を低く検出し、膜厚の増大(酸化温度の上昇)や「曇り」の形成のばらつきに起因する、連続処理での再現性の悪化が発生しているわけである。
【0015】
一方、窓材は一般にハロゲン塩の結晶体が用いられ、CaF2 やBaF2 、KBrなどが良く知られており、赤外線光学材料として、波長で10μmまで透過しており、放射温度計の窓として十分な光学特性であった。ランプ加熱炉の測温用としての放射温度計の測温波長は通常6〜8μmであり、それは比較的低温≒200℃から精度良く測温できるためであり、窓材はハロゲン塩に限られていた。
【0016】
更に、ランプ加熱炉において、窓材に石英ガラスを用い測温波長を2〜3μmと短波長化した炉もあるが、加熱赤外線の波長は0.5〜4μmに分布しており、加熱赤外線と測温赤外線を構造上分離する必要があるが、測温対象となるシリコンウエハは、波長1μm以上の赤外線において透過することから、完全な光学的分離は不可能であり、それに起因する温度制御精度の不足といった問題があり、単純な窓材変更では済まない技術的問題があった。
【0017】
また、光学系内の光学材料として使用しているハロゲン塩は、素材として軟らかく傷が付きやすい点や、劈開しやすいことから、衝撃に弱く、慎重な取扱いが必要であり、また水溶性でもあることから「曇り」を洗浄により除去することも困難で、維持管理に多大な工数を必要としていた。
本発明は、上記問題点を除去し、測温の精度の確保と、窓表面の反応を防止し、酸窒化膜生成において、再現性を向上させることができる酸窒化膜製造用ランプ加熱炉を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を処理するためになされたものであり、
(1)その代表的なものは、NH 3 ガス及び 2 ガスが導入されるガス導入口が設けられ、NH 3 ガス及び 2 ガスが排気されるガス排気管が接続されたチャンバーと、このチャンバーの外側に設けられ、チャンバー内を加熱するランプと、チャンバー内に設けられ、ウエハを支持するウエハトレイと、チャンバー内に設けられた枝管と、枝管に設けられ、金属酸化物の単結晶体からなる測温用窓を有し、4〜8μmの測温赤外線波長を用いる放射温度計と、測温用窓の表面にパージガスを供給するノズルとを有する装置を用いて酸窒化膜を形成する。そして、本発明では、ガス導入口からチャンバー内にNH 3 ガスを導入し、ランプの加熱によりチャンバー内を昇温させ、ウエハトレイに支持されたウエハに第1の熱処理を施す。そして、ランプの加熱を停止し、かつ、 2 パージガスをノズルから測温用窓の表面に供給し、 2 パージガスを測温用窓の表面から枝管を介してウエハへ導く。その後、 2 パージガスの供給を停止し、NH 3 ガス及び 2 パージガスをガス排気管から排気する。そして、ガス導入口からチャンバー内に 2 ガスを導入し、ランプの加熱によりチャンバー内を昇温させ、ウエハトレイに支持されたウエハに第2の熱処理を施す。
【0019】
したがって、金属酸化物の単結晶体を用いたので、測温用窓の「曇り」の原因である、脱F反応が皆無となり、また、処理ガス切り換えをウエハ温度降温時のN2 パージ後に実施したので、総処理時間の増加なしに処理ガス相互の混入を阻止でき、測温用窓の「曇り」の原因であるNH3 塩の生成を防止できることにより、ウエハ測温の繰り返し精度が維持できる。
【0020】
(2)上記(1)記載の酸窒化膜製造用ランプ加熱炉において、前記測温用窓材は、サファイヤ、MgO、TiO2 である。
したがって、これらの材料は機械的強度も優れているため、扱いやすく、しかも廉価である。
(3)上記(1)記載の酸窒化膜製造用ランプ加熱炉において、前記測温用窓材は、母材をハロゲン塩の結晶体とし、その母材の表面に測温赤外線を透過する膜材がコートされている。
【0021】
このように、測温用窓材のハロゲン塩表面にハロゲンを含まない赤外線透過膜材をコートするようにしたので、より長波長(7〜8μm)の測温赤外線が採用でき、ほぼ室温に近い温度から高精度で測温できることにより、放射温度計が測温できる温度までオープンループ制御するといった、複雑な温度制御が不必要である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す酸窒化膜製造用ランプ加熱炉用放射温度計の構成図である。ここで、従来例と同じ部分はそのままの符号を用い、それらの説明は省略する。
【0023】
この第1実施例では、測温赤外線波長を4〜6μmに限定し、窓材に金属酸化物の単結晶体であるサファイヤ(Al2 3 )を用い、熱処理降温時にランプ加熱炉の放射温度計の測温用窓材の表面をN2 パージすることにより、測温の精度の確保と、窓表面の反応を防止し、酸窒化膜生成において、再現性を改善したものである。
【0024】
図1に示すように、放射温度計600は、放射温度計本体601には測温用窓603として、厚さ0.5〜1mmのサファイヤ板を取り付ける。この測温用窓603の赤外線透過特性を図2に示す。
赤外線測温として使用できる波長は、5〜6μmまで使用可能である。また、放射温度計本体601には、N2 ノズル607が枝管300と測温用窓603の間に配置されており、バルブ608にて測温用窓603の内面と枝管300の内面にN2 ガスを供給できる構造をしている。
【0025】
図3は本発明の半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程を示す図であり、図3の縦軸は上からウエハの測温温度であり、その中央は、プロセスガスの種類と開閉を示しており、その下に本発明の放射温度計本体601に具備しているN2 ノズル607のN2 ガスの供給状態を示しており、一番下はチャンバーの真空度を示している。また、横軸は処理の時間的経過を示している。
【0026】
また、上記した本発明の放射温度計を配置したランプ加熱炉を図4に示す。
図4に示すように、石英ガラス製チャンバー200には反射鏡201が配置されたハロゲンランプ202が十数本から数十本上下に対向して取り付けられている。チャンバー200内にはウエハを支持するウエハトレイ203とウエハ204があり、ハロゲンランプ202により、ウエハ204の温度を1200℃程度まで昇温できる構造であり、チャンバー200の下面には測温のための枝管300とその先端には赤外線放射温度計600が具備されており、ウエハ204の測温を行っている。
【0027】
また、赤外線放射温度計600の測温信号はランプ電力制御器500に送られ、ハロゲンランプ202をクローズドループ制御しており、ウエハ204の温度を設定値に制御している。
更に、チャンバー200には排気管205及び真空バルブとAPC(自動真空度制御器)206と、ターボ分子ポンプ207及びロータリーポンプ208によってチャンバー200の内の真空引きを行っている。
【0028】
また、チャンバー200にはガス導入口209及びバルブ210〜214により、各種ガスの導入が可能となっている。
以下、その動作について説明する。
まず、ウエハ204が搬入されると、チャンバー200に流していたN2 ガスを止め、チャンバー200内を真空ポンプ(207,208)で1E−1Torr以下の真空度まで引く。
【0029】
次いで、O2 ガスを流し、大気圧まで戻し、ランプ加熱により、50〜200℃/秒のレートで昇温させる。この昇温ステップは、放射温度計の測温波長に5〜6μmを採用したので、室温から400℃程度までは測温精度が低いので、ランプ電力制御器500はオープンループ制御とし、ウエハ204の温度が400℃以上となったら、赤外線放射温度計600からの信号によりクローズドループ制御し、1000〜1100℃で所定膜厚の酸化膜を生成する。
【0030】
次に、ハロゲンランプ202を切り800℃まで降温させ、赤外線放射温度計600のバルブ608を開け、測温用窓603の内面と枝管300の内面をN2 パージする。
次に、もう一つの設定温度、冷却完了温度(実施例では500℃)に達したら、バルブ608を閉じ、再度真空ポンプ(207,208)で1E−1Torr以下まで真空を引き、チャンバーのO2 ガスと枝管のN2 ガスを除去し、NH3 ガスを流し大気圧まで戻す。
【0031】
次に、ハロゲンランプ202の加熱により酸化工程と同様にウエハ204の温度を昇温させ、窒化工程を完了させる。また、同様に測温用窓603の内面と枝管300の内面にもN2 パージを実施する。
次に、酸化工程と同様に、真空ポンプ(207,208)にてNH3 ガスを除去し、N2 Oガスを流し大気圧まで戻し、酸化工程と同様に、ウエハを昇温・降温させ再酸化処理を完了させ、3ステップ処理でのトンネル酸窒化膜の生成が終了する。
【0032】
次に、本発明の第1実施例の効果について述べる。
まず、最初に第1実施例の酸化工程であるRTOの再現性つまり、繰り返し精度の実験結果を図5に示す。
図5に示すように、10枚連続してRTO(1100℃×30秒)では、10枚の平均値の統計量は86.1±0.6Å(ただし、最初のウエハの値は除く)、再現性σ/Xは0.70%と従来例とほとんど差が無く問題はない。
【0033】
次に、RTO+RTN+RTONの3ステップ処理での再現性の実験結果を図6に示す。
図6に示すように、50枚連続して3ステップ処理で5枚毎10組(グラフでは45枚までしか表示していない。)の平均値の統計量は90.4±0.7Åであり、再現性は0.77%と従来の1.86%の41%まで改善でき、RTOのみ連続処理の繰り返し精度0.70%に近付けることが可能となった。
【0034】
この実施例では、測温用窓材に金属酸化物の単結晶体を用いたので、測温用窓の「曇り」の原因である、脱F反応が皆無となったことと、処理ガス切り換えをウエハ温度降温時のN2 パージ後に実施したので、総処理時間の増加なしに処理ガス相互の混入を阻止でき、測温用窓の「曇り」の原因であるNH3 塩の生成を防止できることにより、ウエハ測温の繰り返し精度が維持できるようになった。
【0035】
また、今回測温用窓材に使用したサファイヤ(Al2 3 )はヌープ(Knoop)硬度が1370であり、従来使用されていた代表的な材料であるCaF2 のヌープ硬度82と比較すると硬い材料であり、機械的強度も優れているため、扱いやすく、かつ廉価である。
一方、この実施例はウエハ降温時、ウエハ裏面にN2 パージガスが当たるため、その冷却効果からウエハ降温レートが増加し、実際の総処理時間はむしろ減少し、スループットが改善できる。また、枝管300による冷却の効果もあり、測温赤外線の迷光が減少し、測温精度の更なる向上を図ることができた。
【0036】
本発明の第2実施例について説明する。
この実施例では、窓材に酸化マグネシウム(MgO)の単結晶体を用い、熱処理降温時に測温用窓表面をN2 パージすることにより、測温の精度の確保と窓表面での反応を防止し、酸窒化膜生成において、再現性を改善したものである。 以下、本発明の第2実施例の動作について説明する。
【0037】
この実施例では、放射温度計本体601の測温用窓603に、厚さ、0.5〜1mm酸化マグネシウム(MgO)の単結晶体板を取り付けたものであり、測温用窓603の赤外線透過特性を図13に示す。測温として使用できる波長は7〜8μmまでである。
本発明の3ステップ処理でのシーケンス例を図14に示す。ここで、また、動作の説明のために、第1実施例で示した放射温度計を配置したランプ加熱炉(図4参照)を用いる。温度シーケンスは急速加熱仕様である。
【0038】
まず、ウエハ204が搬入されると、チャンバー200に流していたN2 ガスを止め、チャンバー200内を真空ポンプ(207,208)で1E−1Torr以下の真空度まで引く。
次に、O2 ガスを流し大気圧まで戻し、ハロゲンランプ202の加熱により、50〜200℃/秒のレートで昇温させる。ウエハの温度1000〜1100℃で所定膜厚の酸化膜を生成する。
【0039】
次に、ハロゲンランプ202を切り、800℃まで降温させ、放射温度計600のバルブ608を開き、測温用窓603の内面と枝管300の内面をN2 パージする。
次に、もう一つの設定温度、冷却完了温度(実施例では500℃)に達したら、バルブ608を閉じ真空ポンプ(207,208)で、真空度を1E−1Torr以下まで引き、チャンバー200のO2 ガスと枝管300のN2 ガスを除去し、NH3 ガスを流し大気圧まで戻す。
【0040】
次に、ハロゲンランプ202の加熱により、酸化工程と同様にウエハ204の温度を昇温させ、窒化工程を完了させ、また、同様に測温用窓603の内面と枝管300の内面もN2 パージを実施する。
次に、酸化工程と同様に真空ポンプ(207,208)にてNH3 ガスを除去し、N2 Oガスを流し大気圧まで戻し、酸化工程と同様に、ウエハ204を昇温・降温させ、再酸化処理を完了させ、3ステップ処理でのトンネル酸窒化膜の生成が終了する。
【0041】
本発明の第2実施例の効果としては、第1実施例と同様の効果が得られるとともに、第1実施例に比べ、より長波長(7〜8μm)の測温赤外線が採用でき、ほぼ室温に近い温度から高精度で測温できることにより、放射温度計が測温できる温度まで、オープンループ制御するといった、複雑な温度制御が不必要である。
【0042】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
この実施例では、ハロゲン塩母材表面に雰囲気に耐久度を有する赤外線透過膜材をコートし、熱処理降温時に測温用窓材表面をN2 パージすることにより、測温の精度の確保と窓表面での反応を防止し、酸窒化膜生成において、再現性を改善したものである。
【0043】
以下、本発明の第3実施例の動作について説明する。
この実施例の測温用窓材は代表的ハロゲン塩結晶体である。CaF2 の表面にSiNを0.1μm以下の膜厚、公知のCVD技術を用いて成膜したものである。
その他の材質としてSiCも膜厚0.06μmで公知のCVD技術またはプラズマCVDにて成膜したものであり、また、ポリシリコン膜を0.1μm以下公知のCVDにて成膜しても良い。その他は第2実施例と同じである。
【0044】
本発明の第3実施例の効果としては、測温用窓材のハロゲン塩表面にハロゲンを含まない赤外線透過膜材をコートしたので、第1実施例の効果と同様の効果を奏することができるとともに、より長波長(7〜8μm)の測温赤外線が採用でき、ほぼ室温に近い温度から高精度で測温できることから、放射温度計が測温できる温度まで、オープンループ制御するといった複雑な温度制御が不必要である。
【0045】
本発明は、更に以下のような利用形態を有する。
(1)第1実施例では不揮発性メモリのトンネル酸窒化膜に適用したが、DRAM等の他のデバイスの絶縁膜に適用することも当然可能である。
(2)第3実施例では窓材のコートに他の素材として、アルミナ(Al2 3 )をCVD技術で成膜しても良く、また、第1実施例においても他の素材として、酸化チタン(TiO2 )の単結晶体を用いても、同様な改善が得られる。
【0046】
なお、酸化チタン(TiO2 )の単結晶体を測温用窓603として用いる場合の赤外線透過特性を図15に示す。
(3)本発明ではランプ加熱炉にて、RTO+RTN+RTONの3ステップ処理を例示して説明したが、最初のステップであるRTOを通常用いられるFURNACE(ヒーター加熱炉)にて、酸化し、その後、RTN+RTONの2ステップの処理を実施する場合においても、同様の効果が見られることは確認できている。
【0047】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0048】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)請求項1記載の発明によれば、金属酸化物の単結晶体を用いたので、測温用窓の「曇り」の原因である、脱F反応が皆無となり、また、処理ガス切り換えをウエハ温度降温時のN2 パージ後に実施したので、総処理時間の増加なしに処理ガス相互の混入を阻止でき、測温用窓の「曇り」の原因であるNH3 塩の生成を防止できることにより、ウエハ測温の繰り返し精度が維持できる。
【0049】
(2)請求項2記載の発明によれば、測温用窓材として、サファイヤ,MgO,TiO2 の単結晶体を用いるようにしたものであり、これらは機械的強度も優れているため、扱いやすく、しかも廉価である。
(3)請求項3記載の発明によれば、測温用窓材のハロゲン塩表面にハロゲンを含まない赤外線透過膜材をコートするようにしたので、より長波長(7〜8μm)の測温赤外線が採用でき、ほぼ室温に近い温度から高精度で測温できることにより、放射温度計が測温できる温度までオープンループ制御するといった、複雑な温度制御が不必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す酸窒化膜製造用ランプ炉放射温度計の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す放射温度計の測温用窓材の赤外線透過特性を示す図である。
【図3】本発明の半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程を示す図である。
【図4】本発明の放射温度計を配置したランプ加熱炉を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例の酸化工程の繰り返し精度の実験結果を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例の酸窒化膜の形成工程の3ステップ処理での再現性の実験結果を示す図である。
【図7】従来のメモリのトンネル酸窒化膜の製造工程図である。
【図8】従来の半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程の3ステップ処理シーケンス例を示す図である。
【図9】従来の半導体不揮発性メモリの酸化工程の繰り返し精度の実験結果を示す図である。
【図10】従来の半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程の3ステップ処理での再現性の実験結果を示す図である。
【図11】従来の放射温度計の断面図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程の3ステップ処理シーケンス例を示す図である。
【図13】本発明の第3実施例を示す放射温度計の測温用窓材(MgO単結晶)の赤外線透過特性を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例を示す半導体不揮発性メモリの酸窒化膜の形成工程の3ステップ処理シーケンス例を示す図である。
【図15】本発明の第3実施例を示す放射温度計の測温用窓材(TiO2 単結晶)の赤外線透過特性を示す図である。
【符号の説明】
200 チャンバー
201 反射鏡
202 ハロゲンランプ
203 ウエハトレイ
204 ウエハ
205 排気管
206 APC(自動真空度制御器)
207 ターボ分子ポンプ
208 ロータリーポンプ
209 ガス導入口
210〜214,608 バルブ
300 枝管
500 ランプ電力制御器
600 放射温度計
601 放射温度計本体
603 測温用窓
607 N2 ノズル

Claims (7)

  1. NH 3 ガス及び 2 ガスが導入されるガス導入口が設けられ、前記NH 3 ガス及び前記 2 ガスが排気されるガス排気管が接続されたチャンバーと、前記チャンバーの外側に設けられ、前記チャンバー内を加熱するランプと、前記チャンバー内に設けられ、ウエハを支持するウエハトレイと、前記チャンバーに設けられた枝管と、前記枝管に設けられ、金属酸化物の単結晶体からなる測温用窓を有し、4〜8μmの測温赤外線波長を用いる放射温度計と、前記測温用窓の表面に 2 パージガスを供給するノズルとを有する装置を用いた酸窒化膜の形成方法であって、
    前記ガス導入口から前記チャンバー内に前記NH 3 ガスを導入するステップと、
    前記ランプの加熱により前記チャンバー内を昇温させ、前記ウエハトレイに支持された前記ウエハに第1の熱処理を施すステップと、
    前記ランプの加熱を停止し、かつ、前記 2 パージガスを前記ノズルから前記測温用窓の前記表面に供給し、前記 2 パージガスを前記測温用窓の前記表面から前記枝管を介して前記ウエハへ導くステップと、
    前記 2 パージガスの供給を停止し、前記NH 3 ガス及び前記 2 パージガスを前記ガス排気管から排気するステップと、
    前記ガス導入口から前記チャンバー内に前記 2 ガスを導入するステップと、
    前記ランプの加熱により前記チャンバー内を昇温させ、前記ウエハトレイに支持された前記ウエハに第2の熱処理を施すステップとを有することを特徴とする酸窒化膜の形成方法。
  2. 前記測温用窓には、サファイア、若しくは、酸化マグネシウム、若しくは、酸化チタンのいずれかを用いることを特徴とする請求項1記載の酸窒化膜の形成方法。
  3. 前記測温用窓には、表面が赤外線透過膜材で覆われたハロゲン塩結晶体を用いることを特徴とする請求項1記載の酸窒化膜の形成方法
  4. 前記赤外線透過膜は、窒化ケイ素、若しくは、炭化ケイ素、若しくは、アルミナのいずれかを用いることを特徴とする請求項3記載の酸窒化膜の形成方法
  5. 前記ノズルは、前記放射温度計に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸窒化膜の形成方法。
  6. 前記ランプには、ハロゲンランプを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の酸窒化膜の形成方法。
  7. 前記装置には、前記ランプの電力を制御する電力制御器が設けられており、前記電力制御器は、前記放射温度計から出力された測温信号により制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の酸窒化膜の形成方法。
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