JP3770110B2 - 直流系統電圧安定化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は直流系統電圧安定化装置に関し、特に直流系統電圧を安定化する電力変換装置として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
直流系統上では、モータの力行、回生時等における負荷電流の発生により電圧降下、上昇が起こり直流系統上の機器の動作に悪影響を与えることがある。従来、回生電力への対策としては、直流系統に接続した抵抗を回生電流に応じて変化させ、その抵抗で消費させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
抵抗により回生電力を消費させた場合には、エネルギーを捨てることになる。また、力行時の直流系統電圧の低下には対応できないという問題を有している。
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑み、回生電力の有効利用を図り、同時に直流系統の電圧の安定化を図り得る直流系統電圧安定化装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は、次の点を特徴とする。
【0007】
1) 直流電源である給電装置から負荷に電力を供給する直流系統に接続され、この直流系統の電圧の安定化を図る直流系統電圧安定化装置において、
電力を貯蔵する電力貯蔵装置と、
この電力貯蔵装置と直流系統との間に接続されて前記直流系統からの電力を前記電力貯蔵装置に導入するとともに、この電力貯蔵装置に貯蔵した電力を前記直流系統に放出させる双方向チョッパと、
この双方向チョッパと直流系統との間に接続されて双方向チョッパのスイッチング動作に起因するリップル電流の直流系統への流出を低減するスイッチング成分除去フィルタと、
前記双方向チョッパのスイッチング動作を制御する制御部とを有し、
この制御部で双方向チョッパのスイッチングタイミングを制御して直流系統から電力貯蔵装置に電流を供給するか、又は電力貯蔵装置から直流系統に電流を供給することにより、直流系統と当該直流系統電圧安定化装置との接続点との電圧である直流系統電圧V1 が一定となるよう調整すること、
直流系統電圧V1 と直流系統電圧指令値V1 * の偏差を変調率mで割った(V1 −V1 * )/mを入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * として電力貯蔵装置側の電流I2 との偏差(I2 * −I2 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力をスイッチング成分除去フィルタの電圧V3 で割ることにより規格化して変調率mを得、この変調率mで制御部により双方向チョッパのスイッチング動作を制御して前記直流系統から当該直流系統電圧安定化装置に流入する補償電流I1 を調整し、直流系統電圧V1 の安定化を図ること。
【0008】
2) 上記1)に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統電圧V1 のループにおけるPI制御器の入力を、(V1 −V1 * )/m の代わりに、電圧V3 と電力貯蔵装置側の電圧V2 との比を偏差(V1 −V1 * )に乗じた(V1 −V1 * )×(V2 /V3 )とすること。
【0009】
3) 上記1)に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統電圧V1 のループにおけるPI制御器の入力を、(V1 −V1 * )/mの代りに、直流系統電圧V1 と電力貯蔵装置側の電圧V2 との比を偏差(V1 −V1 * )に乗じた(V1 −V1 * )×V2 /V1 としたこと。
【0010】
4) 上記1)乃至3)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電流I2 のループにおけるPI制御出力の規格化を、直流系統電圧V1 で割りそれを変調率mとすること。
【0011】
5) 上記1)乃至4)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * の下限値を電力貯蔵装置側の電圧V2 にゲインKV2を乗じて符号を反転した値とすること。
【0012】
6) 上記1)乃至5)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
変調率mの下限値をV2 /2V3 とすることで制御性能の悪くなる領域を回避すること。
【0013】
7) 上記1)乃至6)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電圧V2 が下限値V2LL 以下の時、負値の電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * を0とし、上限値V2UL 以上の時、正値の電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * を0とすることにより、電力貯蔵装置側の電圧V2 を動作範囲内に収めるようにしたこと。
【0014】
8) 上記1)乃至7)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側電圧V2 と電力貯蔵装置側指令電圧V2 * の誤差(V2 −V2 * )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流I2 のループの電力貯蔵装置側電流指令値I2 * に加えることにより、待機時の電力貯蔵装置側の電圧V2 を一定にすること。
【0015】
9) 上記1)乃至8)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
負荷の運用スケジュールに合せて電力貯蔵装置側の電圧V2 のループの電力貯蔵装置側の電圧指令値V2 * を定め、より効果的に直流系統電圧V1 の安定化を行うこと。
【0016】
10) 直流電源である給電装置から負荷に電力を供給する直流系統に接続され、この直流系統の電圧の安定化を図る直流系統電圧安定化装置において、
電力を貯蔵する電力貯蔵装置と、
この電力貯蔵装置と直流系統との間に接続されて前記直流系統からの電力を前記電力貯蔵装置に導入するとともに、この電力貯蔵装置に貯蔵した電力を前記直流系統に放出させる双方向チョッパと、
この双方向チョッパと直流系統との間に接続されて双方向チョッパのスイッチング動作に起因するリップル電流の直流系統への流出を低減するスイッチング成分除去フィルタと、
前記双方向チョッパのスイッチング動作を制御する制御部とを有し、
この制御部で双方向チョッパのスイッチングタイミングを制御して直流系統から電力貯蔵装置に電流を供給するか、又は電力貯蔵装置から直流系統に電流を供給することにより、直流系統と当該直流系統電圧安定化装置との接続点との電圧である直流系統電圧V1 が一定となるよう調整すること、
直流系統側の補償電流I1 とその電流指令値I1 * との偏差を変調率mで割った(I1 * −I1 )/mを入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流I2 のループの電流指令値I2 * として電力貯蔵装置側の電流I2 との偏差(I2 * −I2 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力をスイッチング成分除去フィルタの電圧V3 で割ることにより規格化して変調率mを得、この変調率mで制御部により双方向チョッパのスイッチング動作を制御して補償電流I1 を調整し、直流系統電圧V1 の安定化を図ること。
【0017】
11) 上記10)に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側電流I1 ループのPI制御器への入力に、誤差(I1 * −I1 )の代りに給電装置側の直流系統の電流I01を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化すること。
【0018】
12) 上記10)に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器への入力に、誤差(I1 * −I1 )の代りに負荷側の直流系統の電流I02の符号を反転した値を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化すること。
【0019】
13) 上記10)に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器への入力に、偏差(I1 * −I1 )の代りに直流系統電圧V1 と給電装置の電圧V0 との偏差を線路インピーダンスZ1 で割った(V1 −V0 )/Z1 を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化すること。
【0020】
14) 上記10)乃至13)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器の代りに、P制御器を用いること。
【0021】
15) 上記1)乃至14)の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置を二次電池で構成したこと。
【0022】
16) 上記1)乃至15)に記載する何れか一つの直流系統電圧安定化装置において、
スイッチング成分除去フィルタと双方向チョッパとの間にストッパースイッチを設け、事故等により直流系統電圧V1 が既定値より低下、又はV1 <V2 となった場合、前記ストッパースイッチをOFFさせて電力貯蔵装置側から直流系統側への電流を遮断することにより、大電流発生による機器の破壊を防止するようにしたこと。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置を組み込んだ直流系統を示すブロック線図である。同図に示すように、直流系統1は、給電装置10から出力される電圧V0 の電力を負荷Lに供給するものであり、Z1 は給電装置10と直流系統電圧安定化装置8との間の線路インピーダンス、Z2 は直流系統電圧安定化装置8と負荷Lとの間の線路インピーダンスである。また、負荷Lは、モータ等、その力行、回生のように直流系統1への負荷電流IM が正負の値をとるものを想定する。
【0025】
直流系統電圧安定化装置8は、接続点7で、負荷Lに対して並列に、直流系統1に接続してある。図1では直流系統電圧安定化装置8が、給電装置10と負荷Lとの間にあるが、給電装置10と直流系統電圧安定化装置8との間に負荷Lを接続しても勿論、良い。
【0026】
負荷Lが直流系統1から受電する場合(モータでは力行時)、負荷電流IM は負値をとり、線路インピーダンスZ2 により直流系統電圧V1 は低下する。ここで、直流系統電圧安定化装置8から直流系統電圧V1 の変動を抑えるように、負値の補償電流I1 を流し、直流系統電圧V1 を安定化する。また、負荷Lが直流系統1に放電する場合(モータでは回生時)、負荷電流IM は正値をとり、線路インピーダンスZ2 により直流系統電圧V1 は上昇する。ここで、直流系統電圧安定化装置8から直流系統1の電圧V1 の変動を抑えるように、正値の補償電流I1 を流し、当該電圧V1 を安定化する。
【0027】
かかる機能を実現すべく、図2に示すように、直流系統電圧安定化装置8は、電力変換装置9及び電力貯蔵装置4を有する。ここで、電力変換装置9は、図3にさらに詳細に示すように、スイッチング成分除去フィルタ2、双方向チョッパ3、制御部13で構成してある。図4は、直流系統電圧安定化装置8のさらに具体的な回路図である。同図に示すように、スイッチング成分除去フィルタ2は、リアクトルL1 及びコンデンサC1 で構成し、双方向チョッパ3のスイッチングによるリプル電流の直流系統1への流出を低減するローパスフィルタとしている。双方向チョッパ3は、スイッチSW1 、SW2 及び電流I2 の平滑化リアクトルL2 で構成し、スイッチSW1 の変調率mを操作することにより電流I2 ,I3 を制御する。具体的には、図4の回路において、V1 >V2 となるように双方向チョッパ3を制御し、電流I1 が正値のとき降圧、電流I1 が負値のときに昇圧動作とする。
【0028】
電力貯蔵装置4は、大容量コンデンサを用い、直流系統1の負荷電流IM の充放電を行い直流系統電圧V1 を安定化する。図4に示す回路における電力貯蔵装置4は、コンデンサCC と内部抵抗RC とで表わしている。
【0029】
直流系統1への補償電流I1 は、双方向チョッパ3に用いられているスイッチSW1 の変調率mを操作することにより制御する。スイッチSW1 は、図5に示すように、一定の周期で0〜1の大きさをとる三角波であるキャリア信号S1 と変調率mとを比較し、キャリア信号S1 が変調率mより小さい間はON、大きい間はOFFとする。このときスイッチSW2 は、スイッチSW1 と逆の動作とする。ここで、変調率mとキャリア信号の1周期中のスイッチSW1 がONとなる時間t1 とOFFとなる時間t2 の関係は次式(1)となる。
【0030】
【数1】
【0031】
ここで、スイッチング時にスイッチSW1 、SW2 が同時にONとなりフィルタコンデンサC1 が短絡する危険がある為、通常デッドタイムを設ける。ターンONのタイミングをデッドタイム分だけ遅らせて、一方のスイッチSW1 又はSW2 がOFFした後、デッドタイム経過後にもう一方のスイッチSW2 又はSW1 がONになるようにすることで、フィルタコンデンサC1 の短絡を回避する。
【0032】
双方向チョッパ3での電力変換による損失が無い場合、直流系統1側の電圧V3 、電流I3 と電力貯蔵装置4側の電圧V4 、電流I2 のキャリア信号S1 の1周期中の平均値は、変調率mを用いて次式(2)で表される。
【0033】
【数2】
【0034】
図5に示すキャリア信号S1 の1周期中の平均値についての直流系統1側から見た等価回路は、図6となり次式(3)の関係が成り立つ。
【0035】
【数3】
上式(3)中のsはラプラス変換の演算子を示す。式(3)より電力貯蔵装置4側の電流I2 、電流I3 と変調率mの関係は式(4)、式(5)となる。
【0036】
【数4】
【0037】
【数5】
【0038】
式(4)に示すように、電力貯蔵装置4側の電流I2 の微分値は、変調率mの1次式となり線形な為、比較的簡単に制御できる。式(5)に示すように、直流系統1側にある電流I3 の微分値と変調率mとの関係は非線型性が強く制御は難しい。そこで、本形態に係る直流系統電圧安定化装置8は、電力貯蔵装置4側の電流I2 を変調率mにより制御するループを形成して制御性能を良好に保持している。
【0039】
本形態に係る直流系統電圧安定化装置8の制御系のブロック線図を図7に示す。同図に示すように、当該制御系は、直流系統1の電圧V1 を指令値V1 * に近づけるように、操作量となる双方向チョッパ3のスイッチSW1 の変調率mを計算し、直流系統電圧安定化装置8の補償電流I1 の制御を行う。当該制御系は直流系統1の電圧V1 のループ、電力貯蔵装置4側の電流I2 のループからなる。
【0040】
電圧V1 のループでは、次式(6)に示すように、直流系統1の電圧V1 と直流系統電圧指令値V1 * の誤差(V1 −V1 * )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置4側の電流I2 のループの電流指令値I2 *'とする。その際、線形性を確保する為にPI変換器への入力を1/m倍しておく。
【0041】
【数6】
ここで、PV1は、直流系統1の電圧V1 のループのPI制御器の比例ゲイン、IV1は同積分ゲインである。
【0042】
なお、式(2)を考慮して変調率mの代りにフィルタ2のコンデンサC1 の電圧V3 と電力貯蔵装置4側の電圧V2 の測定値の比を用い、式(6)の1/mをV2 /V3 に置き換えても良い。この場合の計算式が式(7)である。
【0043】
【数7】
【0044】
フィルタ2のコンデンサC1 の電圧V3 にはスイッチングリプルが含まれているので、より安定化した制御を行う為に、この電圧V3 の代りに、ほぼ同じ値となる直流系統の電圧V1 の測定値を用いることも可能である。この場合の計算式が式(8)である。
【0045】
【数8】
【0046】
上記式(6)〜(8)の何れかにより電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'を求める。
【0047】
電力貯蔵装置4側の電流I2 は、電力貯蔵装置4の定格電流I2Lにより制限されるので、前記電流指令値I2 *'はリミッタ5でリミット処理を行い電流指令値I2 * とする。ここで、図4に示すように、電力貯蔵装置4をコンデンサCC と直列に接続された抵抗RC でモデル化し、抵抗RC の電圧降下による影響を考える。この場合、電力貯蔵装置4側の電圧V2 は次式(9)となる。
【0048】
【数9】
【0049】
電力貯蔵装置4側の電流I2 が負値を取る時、電力貯蔵装置4側の電圧V2 は抵抗RC により低下する。同じ大きさの直流系統側電流I1 を出力しようとしたとき、この電圧降下により電力貯蔵装置4側の電流I2 を大きくしなければならなくなり、電力貯蔵装置4側から直流系統1側への電力の変換効率が低下する。このとき、電力貯蔵装置4側の電圧V2 が低いほど変換効率の低下が大きい。そこで、電力貯蔵装置4側の電流I2 が負値の時の変換効率低下を避ける為、電力貯蔵装置4側の電圧V2 にゲインKV2を乗じて符号を反転した値を電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'の下限値とする。ここでゲインKV2、電力貯蔵装置4の定格電流I2Lは正値とする。電圧V1 のループのPI制御器の出力I2 *'を、図7に示すように、電力貯蔵装置4側の電流指令値リミッタ5を通して、式(10)に示す電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 * とする。
【0050】
【数10】
【0051】
電流I2 のループでは、変調率mを操作して電力貯蔵装置4側の電流I2 の制御を行う。ここで、電力貯蔵装置4側の電流I2 の指令値I2 * との誤差(I2 * −I2 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力をdI2 とする。これは次式(11)で求まる。
【0052】
【数11】
ここで、電流I2 ループのPI制御器の比例ゲインPI2、積分ゲインII2としている。
【0053】
次に、式(12)で示すように、dI2 を、電力貯蔵装置4側の電圧V2 相当の値としてのコンデンサC1 の電圧V3 で割り、規格化を行い変調率m’を得る。
【0054】
【数12】
【0055】
また、フィルタ2のコンデンサC1 の電圧V3 の代りに、ほぼ同じ値でより安定した値となる直流系統1の電圧V1 の測定値を用いることも可能である。この場合の演算式を次式(13)に示す。
【0056】
【数13】
【0057】
上記式(12)、式(13)のいずれかにより変調率m’を求める。ここで、変調率m’の初期値を考える。変調率m’と電力貯蔵装置4側の電流I2 との関係は、式(4)を変形して次式(14)で求まる。
【0058】
【数14】
【0059】
上式(14)で微分の項を0とするとm’=V2 /V3 となる。そこで電流I2 のループのPI制御器の積分バッファの初期値をV2 とすることで、本形態に係る直流系統電圧安定化装置8の初期動作を安定化することができる。さらに、変量率mには、式(1)から物理的な制約として、0<m’<1になるようにリミッタ6でリミット処理をする。通常、チョッパでは、スイッチSW1 、SW2 のON,OFF時間が短くなりすぎないように、正値となる微小量δを用いてδ<m’<1・δとする。ここで、直流系統1側の電流I3 の微分値は、変調率mに関して式(5)を変形した式(15)のようになる。
【0060】
【数15】
【0061】
上式(15)よりsI3 が極小値をとるときの変調率mLLを式(16)に示す。
【0062】
【数16】
【0063】
上式(15)で求まる変調率m’とsI3 との関係の一例を図8に示す。同図に示すように、変調率m’がmLL以下では、変調率m’が増加してもsI3 が減少する。電流I3 をより減少させる為に変調率m’を下げてもmLL以下になると、電流I3 の減少率となるsI3 が減少していき、制御性能が悪化する。変調率mの下限値をmLLとすることにより、制御性能の悪化を回避することができる。操作量となる変調率mは、電流I2 のループのPI制御器の出力を規格化したm’をリミッタ6に通して求める。これを次式(17)に示す。
【0064】
【数17】
【0065】
導き出された操作量である変調率mによりスイッチSW1 ,SW2 のON、OFF時間比を操作し、電力貯蔵装置4が充電又は放電を行い、それにより補償電流I1 が定まり、この補償電流I1 により負荷電流IM が補償され、直流系統1の電圧V1 が安定化する。
【0066】
なお、図4では電力貯蔵装置4にコンデンサCc を用いているが、コンデンサCc の代りに各種二次電池を用いることもできる。また、チョッパ3で使用しているスイッチSW1 ,SW2 は、図9のように各種半導体スイッチで好適に構成することができる。半導体スイッチとしては、図9に示すようなIGBT等の自己消孤型素子とダイオードとを組み合わせたものが最適である。
【0067】
スイッチSW1 に、図9のようにダイオードを用いた場合、事故等により直流系統1の電圧V1 が電力貯蔵装置4側の電圧V2 より低下してスイッチSW1 のダイオードを通して電力貯蔵装置4側から直流系統1側へ大電流が流れ機器が破壊される虞れがある。そこで、図10に示すように、スイッチング成分除去フィルタ2、双方向チョッパ3の間にストッパースイッチ11を設けても良い。ストッパースイッチ11は、通常ON状態にあり双方向に電流を流すが、OFFすることにより双方向チョッパ3からスイッチング成分除去フィルタ2への電流を遮断する機能をもつ。直流系統1の電圧V1 を監視し、ある既定値以下に下がるか、又はV1 <V2 となったときに、ストッパースイッチ11をOFFさせて電力貯蔵装置4側から直流系統1側への電流を遮断することにより機器の破壊を防ぐ。かかる制御はストッパースイッチ制御部17で行う。
【0068】
電力貯蔵装置4側の電圧V2 の動作範囲を定格電圧や、電力変換効率等により式(18)と定めたとき、電力貯蔵装置4側の電圧V2 のリミッタ処理を電力貯蔵装置4側の電流指令値のリミッタ処理の後に行う。
【0069】
【数18】
ここで、電力貯蔵装置側電圧V2 の下限値V2LL 、上限値V2UL である。
【0070】
リミッタ5の出力を電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *"として、電力貯蔵装置4側の電圧V2 が式(18)の動作範囲をはずれた場合、それ以上動作範囲から電圧V2 がはなれる方向の電流指令値I2 *"を0とするようなリミッタをかける。式(19)のように電力貯蔵装置側電圧V2 が下限値V2LL 以下の時、電力貯蔵装置4からの放電となる負極の電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *"を0として、これ以上の電力貯蔵装置4側の電圧V2 の低下を防ぐ。電力貯蔵装置4側の電圧V2 が上限値V2UL 以上の時、電力貯蔵装置4への充電となる正値の電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *"を0として、これ以上の電力貯蔵装置4側の電圧V2 の上昇を防ぐ。
【0071】
【数19】
この電力貯蔵装置側電圧リミッタの出力を、電力貯蔵装置4側の電流I2 ループの入力である電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 * とする。
【0072】
一方、図11に示すように、待機時の電力貯蔵装置4側の電圧V2 を、ある一定値に保つために、図7に示す制御系の電圧V1 を安定化する制御系に、電力貯蔵装置4側の電圧V2 のループを追加しても良い。当該電圧V2 のループは、負荷電流IM の発生時に十分な補償電流I1 を得られるように電力貯蔵装置4側の電圧V2 を制御する。電力貯蔵装置4側の電圧指令電圧V2 * の例としては、負荷がモータの場合、回生、力行のどちらがおこっても補償できるように、式(18)の電力貯蔵装置4側の電圧V2 の動作範囲のなかで、電力貯蔵コンデンサCC に貯えられているエネルギーが中央値となる式(20)の値にする。
【0073】
【数20】
【0074】
回生、力行時の負荷の大きさが異なる場合は、電圧指令電圧V2 * を式(20)の値からより適した値に変更する。回生時の負荷が大きい場合は、電圧指令電圧V2 * を下げ、力行時の負荷が大きい場合は電圧指令電圧V2 * を上げる。電力貯蔵装置4側の電圧V2 のループでは、式(21)に示すように電力貯蔵装置4側の電圧V2 と電力貯蔵装置4側の電圧指令電圧V2 * の誤差(V2 −V2 * )を入力としたPI制御を行う。
【0075】
【数21】
ここで、電圧V2 の制御系のPI制御器の比例ゲインをPV2、積分ゲインをIV2としている。
【0076】
上記PI制御器のゲインは、電力貯蔵装置4側の電圧V2 のループにより直流系統1の電圧V1 を大きく変動させないように、また負荷電流補償時に直流系統1の電圧V1 を安定化する制御ループに大きな影響を与えないようにするため、PI制御器の時定数が大きくなるよう低めに設定する。このPI制御器の積分バッファの初期値をV2 とすることで、本発明の直流系統電圧安定化装置8の初期動作を安定化することができる。
【0077】
式(21)のPI制御器の出力I2V2 *'を式(22)に係わる電圧V2 のループのリミッタ12を通して電力貯蔵装置4側の電流I2 のループの電流指令値I2 * に加える。
【0078】
【数22】
ここで、I2V2Lは、電力貯蔵装置側電圧V2 のループ電流リミッタである。電力貯蔵装置4側の電圧V2 のループ電流リミッタI2V2Lは、直流系統1の電圧V1 を安定化する制御ループに大きな影響を与えないように、直流系統電圧安定化装置8の補償電流I1 の最大値に対して低めに設定する。
【0079】
また、例えば電車のダイヤのような、負荷の運用スケジュールを予め知ることのできる場合、その運用スケジュールに合わせて予め予備充放電を行い、待機時の電力貯蔵装置4側の電圧V2 を最適な値にしておくことで、より効果的に直流系統1の電圧V1 の安定化を行うことができる。例えば負荷がモータの場合、力行の前にあらかじめ予備充電を行う。モータの負荷電流を電力貯蔵装置4の放電により十分補償できるような高い電圧指令値V2 * 、例えば上限値のV2UL に設定する。また、モータの回生の前に予め予備放電を行う。例えば、回生電流により電力貯蔵装置側電圧V2 が上限値V2UL を超えそうなときは、その回生電流によるエネルギーをPIMとすると、電力貯蔵装置4で十分に吸収できるように、式(23)を満たす低い電力貯蔵装置4側の電圧指令値V2 * を設定する。
【0080】
【数23】
【0081】
<第2の実施の形態>
本実施の形態も、上記第1の実施の形態と同様に、図1及び図2に示すように、直流系統1に接続した電力貯蔵装置4を含む直流系統電圧安定化装置8であって、電力貯蔵装置4から充放電することにより補償電流I1 を制御するものである。この点は、上記第1の実施の形態と同様である。そこで、図中、第1の実施の形態と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0082】
本形態は、図12に示すように、双方向チョッパ3のスイッチングタイミングを制御する制御部21の構成が、第1の実施の形態に対して異なる。すなわち、直流系統1側の補償電流I1 、直流系統1側の電流指令値I1 * 及び電力貯蔵装置4側の電流I2 とに基づき変調率mを決定するものである。
【0083】
本実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置8の制御系のブロック線図を図13に示す。同図に示すように、当該制御系は、補償電流I1 を直流系統1側の電流指令値I1 * に近づけるように、操作量となる双方向チョッパ3のスイッチSW1 の変調率mを計算し、直流系統1側の補償電流I1 の制御を行うものである。すなわち、直流系統1側の補償電流I1 のループ、電力貯蔵装置4側の電流I2 のループを有しており、これにより変調率mによる直流系統1側の補償電流I1 の制御を行う。
【0084】
直流系統1側の補償電流I1 のループは、式(24)のように直流系統1側の補償電流I1 の電流指令値I1 * との偏差(I1 * −I1 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置4側の電流I2 のループの電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'とする。その際、線形性を確保する為にPI変換器への入力を1/m倍する。
【0085】
【数24】
ここで、PI1は、直流系統1側の補償電流I1 のループのPI制御器の比例ゲイン、II1は積分ゲインである。また、直流系統1側の補償電流I1 のループのPI制御の代りにP制御に置き換えても良い。このときの関係式は、次式(25)の通りとなる。
【0086】
【数25】
【0087】
上式(24)、式(25)のいずれかにより電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'を求める。
【0088】
図13に示す制御系におけるリミッタ5以降の制御は、上記第1の実施の形態における制御系(図7参照。)と同様である。当該制御系で得る操作量である変調率mによりスイッチSW1 ,SW2 のON,OFF時間比を操作し、電力貯蔵装置4が充電または放電を行う。この動作ににより補償電流I1 が定まる。
【0089】
図13に示す制御系における直流系統1側の補償電流I1 のループのPI制御器またはP制御器への入力を、偏差(I1 * −I1 )の代りに給電装置10側の直流系統1の電流I01(図1参照。)を与えることにより、負荷電流IM による給電装置10側の直流系統1の電流I01の変動を抑えるように補償電流I1 を制御して、直流系統電圧V1 を安定化するようにしても良い。この制御系を図14に示す。ここで、直流系統1側の補償電流I1 のループでPI制御器を用いている場合は式(26)、P制御器を用いている場合は式(27)の演算を行う。
【0090】
【数26】
【0091】
【数27】
【0092】
上式(26)、(27)のいずれかにより電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'を求める。また、直流系統1側の補償電流I1 のループのPI制御器又はP制御器への入力を、給電装置10側の直流系統1の電流I01の代りに負荷L側の直流系統1の電流I02を与える場合、上式(26)、(27)においてI01をI02と置き換えれば良い。
【0093】
図14に示す制御系において、直流系統1側の補償電流I1 のループのPI制御器またはP制御器への入力の給電装置10側の直流系統1の電流I01を、直流系統電圧V1 から求めることにより与え、負荷電流IM による給電装置10側の直流系統1の電流I01の変動をおさえるように直流系統1側の補償電流I1 を制御して、直流系統電圧V1 を安定化するようにしても良い。この制御系を図15に示す。当該制御系において、負荷電流IM =0の時、給電装置10側の直流系統1の電流I01=0となり、直流系統電圧V1 は給電装置10の電圧V0 に等しくなっている。給電装置10側の直流系統1の電流I01と直流系統電圧V1 の関係式は、次式(28)で求まる。
【0094】
【数28】
ここで、Z1 は給電装置10と直流系統安定化装置8の間の線路インピーダンスである。
【0095】
上式(28)により直流系統電圧V1 を入力とした直流系統1側の電流I1 のループを、直流系統1側の電流I1 のループでPI制御器を用いている場合は式(29)、P制御器を用いている場合は式(30)とする。
【0096】
【数29】
【0097】
【数30】
上式(29)、式(30)の何れかにより電力貯蔵装置4側の電流指令値I2 *'を求める。
【0098】
【発明の効果】
以上、実施の形態とともに詳細に説明した通り、本願発明によれば、次の様な効果を得る。
1) 回生電流を電力貯蔵装置に充電し、力行時に放電することによりエネルギーを有効利用できる。また、接続した直流系統の電圧を安定化できる。
2) 電力貯蔵装置側の電流I2 のループでは、式(4)に示すように、変調率mによる前記電流I2 の制御を容易に行うことができ、高い制御性能が得られる。さらに、直流系統電圧V1 のループの出力値を電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * として電力貯蔵装置側の電流I2 のループに与えることで直流系統電圧V1 の安定化制御を行うことができる。
3) 制御中のスイッチング成分除去フィルタの電圧V3 の測定値を使用している箇所で、スイッチングリプルの除去されていない前記電圧V3 の代りに、平均値としてはほぼ同じ大きさとなる直流系統電圧V1 を用いることにより制御系がより安定することを期待できる。
4) 電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * の下限値を電力貯蔵装置側の電圧V2 により変化させることで、補償電流I1 が負値の時の電力変換効率の低下を避けることができる。
5) 変調率mの下限値を設定することにより、制御性能が悪化する領域を回避できる。
6) ストッパースイッチを設けることにより、事故等により直流系統V1 が既定値より低下もしくは、V1 <V2 となった場合の大電流発生による機器の破壊を防ぐことができる。
7) 電力貯蔵装置側の制御系により電力貯蔵装置の予備充放電を行い、負荷電流IL の発生時に十分な補償電流I1 を得るようにすることができる。
9) 補償電流I1 のループのPI制御器またはP制御器への入力に、直流系統における給電装置側の電流I01又は負荷側の電流I02を与えることにより、直流系統電圧V1 を安定化することができる。
10) 補償電流I1 のループのPI制御器又はP制御器への入力に、直流系統電圧V1 と給電装置の電圧V0 の偏差を線路インピーダンスZ1 で割った(V1 −V0 )/Z1 を与えることにより、直流系統電圧V1 を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置を組み込んだ直流系統を示すブロック線図である。
【図2】図1における直流系統電圧安定化装置をさらに詳細に示すブロック線図である。
【図3】図2における直流系統電圧安定化装置をさらに詳細に示すブロック線図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置の具体的な回路図である。
【図5】図4に示す双方向チョッパ3のスイッチSW1 、SW2 のタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置をその直流系統側から見た等価回路を示す回路図である。
【図7】図4に示す双方向チョッパ3の制御系を示すブロック線図である。
【図8】図7に示す制御系における変調率m’とsI3 (電流I3の微分値)との関係を示すグラフである。
【図9】図4に示す双方向チョッパ3のスイッチSW1 、SW2 の具体的構成を示す回路図である。
【図10】図4に示すスイッチング成分除去フィルタと双方向チョッパとの間にストッパースイッチを設けた場合の直流系統電圧安定化装置を示すブロック線図である。
【図11】図4に示す双方向チョッパ3の他の制御系を示すブロック線図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る直流系統電圧安定化装置の具体的な回路図である。
【図13】図12に示す双方向チョッパ3の第1の制御系を示すブロック線図である。
【図14】図12に示す双方向チョッパ3の第2の制御系を示すブロック線図である。
【図15】図12に示す双方向チョッパ3の第3の制御系を示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 直流系統
2 スイッチング成分除去フィルタ
3 双方向チョッパ
4 電力貯蔵装置
5 リミッタ
6 リミッタ
7 接続点
8 直流系統電圧安定化装置
9 電力変換装置
10 給電装置
11 ストッパースイッチ
12 リミッタ
13 制御部
14 ストッパスイッチ制御部
21 制御部
Claims (16)
- 直流電源である給電装置から負荷に電力を供給する直流系統に接続され、この直流系統の電圧の安定化を図る直流系統電圧安定化装置において、
電力を貯蔵する電力貯蔵装置と、
この電力貯蔵装置と直流系統との間に接続されて前記直流系統からの電力を前記電力貯蔵装置に導入するとともに、この電力貯蔵装置に貯蔵した電力を前記直流系統に放出させる双方向チョッパと、
この双方向チョッパと直流系統との間に接続されて双方向チョッパのスイッチング動作に起因するリップル電流の直流系統への流出を低減するスイッチング成分除去フィルタと、
前記双方向チョッパのスイッチング動作を制御する制御部とを有し、
この制御部で双方向チョッパのスイッチングタイミングを制御して直流系統から電力貯蔵装置に電流を供給するか、又は電力貯蔵装置から直流系統に電流を供給することにより、直流系統と当該直流系統電圧安定化装置との接続点との電圧である直流系統電圧V1 が一定となるよう調整すること、
直流系統電圧V1 と直流系統電圧指令値V1 * の偏差を変調率mで割った(V1 −V1 * )/mを入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * として電力貯蔵装置側の電流I2 との偏差(I2 * −I2 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力をスイッチング成分除去フィルタの電圧V3 で割ることにより規格化して変調率mを得、この変調率mで制御部により双方向チョッパのスイッチング動作を制御して前記直流系統から当該直流系統電圧安定化装置に流入する補償電流I1 を調整し、直流系統電圧V1 の安定化を図ることを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕に記載する直流系統電圧安定化装置において、 直流系統電圧V1 のループにおけるPI制御器の入力を、(V1 −V1 * )/m の代わりに、電圧V3 と電力貯蔵装置側の電圧V2 との比を偏差(V1 −V1 * )に乗じた(V1 −V1 * )×(V2 /V3 )とすることを特徴とする直流系統電圧安定化装置。
- 〔請求項1〕に記載する直流系統電圧安定化装置において、 直流系統電圧V1 のループにおけるPI制御器の入力を、(V1 −V1 * )/mの代りに、直流系統電圧V1 と電力貯蔵装置側の電圧V2 との比を偏差(V1 −V1 * )に乗じた(V1 −V1 * )×V2 /V1 としたことを特徴としたことを特徴とする直流系統電圧安定化装置。
- 〔請求項1〕乃至〔請求項3〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電流I2 のループにおけるPI制御出力の規格化を、直流系統電圧V1 で割りそれを変調率mとすることを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項4〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * の下限値を電力貯蔵装置側の電圧V2 にゲインKV2を乗じて符号を反転した値とすることを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項5〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
変調率mの下限値をV2 /2V3 とすることで制御性能の悪くなる領域を回避することを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項6〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側の電圧V2 が下限値V2LL 以下の時、負値の電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * を0とし、上限値V2UL 以上の時、正値の電力貯蔵装置側の電流指令値I2 * を0とすることにより、電力貯蔵装置側の電圧V2 を動作範囲内に収めるようにしたことを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項7〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置側電圧V2 と電力貯蔵装置側指令電圧V2 * の誤差(V2 −V2 * )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流I2 のループの電力貯蔵装置側電流指令値I2 * に加えることにより、待機時の電力貯蔵装置側の電圧V2 を一定にすることを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項8〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
負荷の運用スケジュールに合せて電力貯蔵装置側の電圧V2 のループの電力貯蔵装置側の電圧指令値V2 * を定め、より効果的に直流系統電圧V1 の安定化を行うことを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 直流電源である給電装置から負荷に電力を供給する直流系統に接続され、この直流系統の電圧の安定化を図る直流系統電圧安定化装置において、
電力を貯蔵する電力貯蔵装置と、
この電力貯蔵装置と直流系統との間に接続されて前記直流系統からの電力を前記電力貯蔵装置に導入するとともに、この電力貯蔵装置に貯蔵した電力を前記直流系統に放出させる双方向チョッパと、
この双方向チョッパと直流系統との間に接続されて双方向チョッパのスイッチング動作に起因するリップル電流の直流系統への流出を低減するスイッチング成分除去フィルタと、
前記双方向チョッパのスイッチング動作を制御する制御部とを有し、
この制御部で双方向チョッパのスイッチングタイミングを制御して直流系統から電力貯蔵装置に電流を供給するか、又は電力貯蔵装置から直流系統に電流を供給することにより、直流系統と当該直流系統電圧安定化装置との接続点との電圧である直流系統電圧V1 が一定となるよう調整すること、
直流系統側の補償電流I1 とその電流指令値I1 * との偏差を変調率mで割った(I1 * −I1 )/mを入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力を電力貯蔵装置側の電流I2 のループの電流指令値I2 * として電力貯蔵装置側の電流I2 との偏差(I2 * −I2 )を入力としたPI制御を行い、そのPI制御器の出力をスイッチング成分除去フィルタの電圧V3 で割ることにより規格化して変調率mを得、この変調率mで制御部により双方向チョッパのスイッチング動作を制御して補償電流I1 を調整し、直流系統電圧V1 の安定化を図ることを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項10〕に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側電流I1 ループのPI制御器への入力に、誤差(I1 * −I1 )の代りに給電装置側の直流系統の電流I01を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化することを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項10〕に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器への入力に、誤差(I1 * −I1 )の代りに負荷側の直流系統の電流I02の符号を反転した値を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化することを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項10〕に記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器への入力に、偏差(I1 * −I1 )の代りに直流系統電圧V1 と給電装置の電圧V0 との偏差を線路インピーダンスZ1 で割った(V1 −V0 )/Z1 を与えることにより直流系統電圧V1 を安定化することを特徴する直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項10〕乃至〔請求項13〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
直流系統側の補償電流I1 のループのPI制御器の代りに、P制御器を用いることを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項14〕の何れか一つに記載する直流系統電圧安定化装置において、
電力貯蔵装置を二次電池で構成したことを特徴とする直流系統電圧安定化装置。 - 〔請求項1〕乃至〔請求項15〕に記載する何れか一つの直流系統電圧安定化装置において、
スイッチング成分除去フィルタと双方向チョッパとの間にストッパースイッチを設け、事故等により直流系統電圧V1 が既定値より低下、又はV1 <V2 となった場合、前記ストッパースイッチをOFFさせて電力貯蔵装置側から直流系統側への電流を遮断することにより、大電流発生による機器の破壊を防止するようにしたことを特徴とする直流系統電圧安定化装置。
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