JP3769733B2 - 漏電箇所探査装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低圧電路の漏電箇所を探査する漏電箇所探査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電源側電路に特定周波数の高周波探査信号を印加し、当該探査信号を負荷側電路で検出することによって漏電箇所を特定する漏電箇所探査手段がある。この漏電箇所探査手段は、一系統の負荷側電路が漏電しているにもかかわらず、探査信号が複数の負荷側電路で検出されたとき、もしくは探査信号がどの負荷側電路でも検出されなかった場合、探査信号の出力レベルを調整することによって漏電している負荷側電路でのみ、探査信号を検出することができるように構成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−74979号公報(3頁〜4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の漏電箇所探査手段によれば、特定周波数の高周波探査信号を使用しているため、漏電探査対象となる電路に、高周波探査信号と同一あるいは近似周波数のノイズ電流が流れている場合、探査信号とノイズ電流の区別がつかないことがある。そのため、ノイズ電流を探査信号と誤って検出した場合には、漏電箇所の特定が困難であるという問題がある。
【0005】
そこで本発明では、電路のノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査することができる漏電箇所探査装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載した漏電箇所探査装置により解決することができる。
【0007】
請求項1に記載の漏電箇所探査装置によれば、探査信号送信手段のコード化探査信号生成部がコード化探査信号を生成すると、このコード化探査信号は変調部で変調される。変調部で変調されたコード化探査信号が出力調整部を介して送信部に送られると、送信部は、この変調コード化探査信号を電源側電路に送信する。送信部から変調コード化探査信号が電源側電路に送信されると、探査信号受信手段の受信部は、変調コード化探査信号を負荷側電路で受信する。受信部で受信された信号が復調部で復調されると、探査信号解析部は、復調されたコード化探査信号が前記コード化探査信号生成部で生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であるか否かを解析する。この解析により、同一コードの信号であると判断した場合は、表示部にその旨を表示する。この状態で、受信部の受信位置を、順次、当該負荷側電路に沿って反電源側の方向に移動することにより、上記同様の動作を行なわせ、受信部が最終的に変調コード化探査信号を受信した位置を漏電箇所として特定し、それを表示部に表示する。
上記動作の過程で、一つの系統の負荷側電路でのみ、漏電しているにもかかわらず、探査信号受信手段の受信部が複数の負荷側電路において変調コード化探査信号を受信した場合、もしくは、どの負荷側電路においても変調コード化探査信号を受信しない場合、漏電している負荷側電路においてのみ、変調コード化探査信号を受信するように、変調コード化探査信号の出力を出力調整部で調整する。このように、本発明では、探査信号がコード化された信号であり、それを変調した状態で電源側電路に送信するため、電路に流れているノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査し、特定することができる。
【0008】
請求項2に記載の漏電箇所探査装置によれば、受信部が変調コード化探査信号を負荷側電路で受信する場合の感度調整手段を探査信号受信手段に設けたため、探査信号送信手段の出力調整部を調整することなく、漏電している負荷側電路においてのみ、変調コード化探査信号を受信するように、探査担当者の手元にある探査信号受信手段で感度調整をすることができる。これにより、漏電箇所探査作業が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、低圧電路の漏電箇所を探査する漏電箇所探査装置1の全体的な構成を示したシステムブロック図である。
図1に示すように、漏電箇所探査装置1は、コード化した探査信号を生成するとともにこのコード化探査信号を変調した変調コード化探査信号を電源側電路に送信する探査信号送信手段2を備えるとともに、変調コード化探査信号を負荷側電路で受信し、受信した変調コード化探査信号を復調したコード化探査信号を解析することによって、漏電箇所を特定する探査信号受信手段3を備えたものである。
【0010】
探査信号送信手段2は、コード化した探査信号を生成するコード化探査信号生成部2aと、コード化探査信号を、ノイズ電流の影響を受けない変調方式である例えばスペクトラム拡散変調方式で変調する変調部2bと、変調部2bで変調された変調コード化探査信号の出力レベルを調整する出力調整部2cと、変調コード化探査信号を電源側電路PLに送信する送信部2dとを有する。尚、この送信部2dは、電路への着脱が容易なクランプ式変成器を用いる。
【0011】
探査信号受信手段3は、電源側電路PLから送信された変調コード化探査信号を負荷側電路LLで受信する受信部3aと、受信部3aが変調コード化探査信号を受信する場合の受信感度を調整する感度調整部3bと、受信部3aにより受信された変調コード化探査信号を復調する復調部3cと、復調部3cで復調されたコード化探査信号が前記コード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であるか否かを解析する探査信号解析部3dと、探査信号解析部3dによる解析結果に対応した表示をする表示部3eとを有する。
尚、受信部3aは、電源側電路PLから負荷側電路LLに送信された変調コード化探査信号を非接触で受信するため、受信センサとして例えばコイルセンサを有している。
【0012】
前述したように、探査信号送信手段2の送信部2dに、電路への着脱が容易なクランプ式変成器を用いる場合、このクランプ式変成器から変調コード化探査信号の磁束が空間に漏れる可能性がある。このため、このクランプ式変成器の近くで漏電箇所探査作業を行なう場合、上記漏れ磁束を直接的に探査信号受信手段3の受信部3aが受信すると、この探査作業が困難になる。従って、上記クランプ式変成器は、十分に磁気シールド対策をした漏れ磁束の極めて小さなものを用いる。
【0013】
図2は、ビルや工場などで一般的に用いられる低圧配電設備の配電系統図である。図2に示した電気室20に設置されている高低圧変圧器Trは、受電した6.6kVを単相3線式200−100Vの低圧に降圧するものであり、降圧した単相3線式200−100Vの低圧電源を、電源側電路PLから、それぞれの過電流遮断器21を介して、それぞれの分電盤22に供給する。尚、高低圧変圧器Trの中性線はB種接地線EBLによりB種接地極EBと接続されている。
【0014】
図2では、電路として単相3線式200−100Vの例を示したが、3相200V電路や3相400V電路などでも同様の構成で電源が供給される。また、変圧器が複数台設置されている場合、各変圧器の例えば中性線に接続されるそれぞれのB種接地線EBLは連接された状態で、B種接地母線(B種接地極EBに直接接続されているB種接地線)に接続される。
【0015】
それぞれの分電盤22に供給された低圧電源は、それぞれの分電盤22に設けられた主ブレーカー23と、それぞれの分岐ブレーカー24とを介して各負荷側電路LLに供給されており、それぞれの負荷側電路LLには図示していない負荷が接続されている。また、図示はしていないが、高低圧変圧器Trの2次側には漏電警報器が設けられており、負荷側電路LLのいずれかで漏電が発生した場合、その漏電警報器が漏電の発生を警報する。尚、図2では、探査信号送信手段2の送信部2dと、探査信号受信手段3の受信部3aとを図示しており、他の部分は省略している。
【0016】
次に、図2を参照しながら、漏電箇所探査装置1の漏電箇所探査動作について説明する。
上記漏電警報器が漏電の発生を警報した場合、前述の探査信号送信手段2の送信部2dから出力される変調コード化探査信号の出力レベルを出力調整部2cで中間値に調整した状態で、送信部2dをB種接地線EBLにセットする。尚、電気室20に複数の変圧器が設置されている場合は、送信部2dを前述のB種接地母線にセットする。送信部2dから変調コード化探査信号がB種接地線EBLに送信されると、この信号は、B種接地線EBLから、電源側電路PL−負荷側電路LL−漏電箇所−大地−B種接地極EB−B種接地線EBLで構成される閉回路を流れる。
【0017】
この状態で、探査信号受信手段3の受信部3aを図2の(a),(b)に示すように電路に近づけると、探査信号受信手段3は前述の変調コード化探査信号を受信する。このとき、送信部2dから送信された変調コード化探査信号の出力レベルが大き過ぎて、複数の電路、例えば図2の(a),(b)の両方で変調コード化探査信号が受信された場合、前述の探査信号送信手段2の出力調整部2cで変調コード化探査信号の出力レベルを下げるか、探査信号受信手段3の感度調整部3bで受信感度を下げることによって、漏電が発生している負荷側電路LLの(a)に受信部3aを近づけたときのみ、変調コード化探査信号を受信するように調整する。もしくは、送信部2dから送信された変調コード化探査信号の出力レベルが小さいため、図2の(a),(b)両方の電路で変調コード化探査信号が受信されない場合、探査信号送信手段2の出力調整部2cで変調コード化探査信号の出力レベルを上げるか、探査信号受信手段3の感度調整部3bで受信感度を上げることによって、漏電が発生している負荷側電路LLに受信部3aを近づけたときのみ、変調コード化探査信号を受信するように調整する。
【0018】
図2の(a)で変調コード化探査信号が受信部3aで受信されると、探査信号受信手段3の復調部3cは、変調コード化探査信号をコード化探査信号に復調するため、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号を解析する。この場合、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号が、前記探査信号送信手段2のコード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であると判断した場合、それを表示部3eに表示する。
【0019】
上記のように(a)の位置の電路に接続されている分電盤22が特定されると、分電盤22において、受信部3aを(c),(d)のように各負荷側電路LLに近づけ、変調コード化探査信号を受信することによって、漏電の発生している負荷側電路LLを特定する。この場合、(ア)の点で漏電しているとすれば、(d)の位置で負荷側電路LLに受信部3aを近づけたときに変調コード化探査信号を受信する。(d)の位置で受信部3aにより変調コード化探査信号が受信され、復調部3cで復調されると、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号が、前記探査信号送信手段2のコード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であると判断し、それを表示部3eに表示する。このように、(d)において漏電の発生している負荷側電路LLを特定すると、この負荷側電路LLに沿って受信部3aを反電源側に移動させ、漏電箇所(ア)を特定する。
尚、この場合、漏電箇所(ア)を越えて受信部3aを反電源側に移動させると、受信部3aは変調コード化探査信号を受信しなくなる。
【0020】
以上説明したように、コード化した探査信号を生成するとともに、このコード化探査信号を変調した変調コード化探査信号を電源側電路に送信すると、変調コード化探査信号は負荷側電路で受信されるため、受信した変調コード化探査信号を復調したコード化探査信号を解析する動作を繰り返すことによって漏電箇所を特定する。これにより、電路に流れるノイズ電流の影響を受けずに漏電箇所を探査することができる。
【0021】
尚、探査信号送信手段2の変調部2bでコード化探査信号を変調する場合、前述のスペクトラム拡散変調方式に限らず、電路に流れるノイズ電流の影響を受けない変調方式であればよい。
【0022】
以上の説明では、高低圧変圧器Trの中性線がB種接地線EBLによりB種接地極EBと接続されている電路における漏電箇所探査装置1の使用例を説明したが、コンデンサ接地など、インピーダンスを介して接地した電路にも適用が可能である。この場合、図3に示すようにコンデンサ等のインピーダンスの接地線EDLに探査信号送信手段2の送信部2dをセットする。また、接地線EDLに送信部2dをセットするのではなく、3相電路の場合は電路の3線を一括、単相電路の場合は電路の2線を一括して探査信号送信手段2の送信部2dをセットしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、電路のノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】漏電箇所探査装置の全体的な構成を示したシステムブロック図である。
【図2】漏電箇所探査作業の実施説明図である。
【図3】漏電箇所探査作業の別の実施説明図である。
【符号の説明】
1 漏電箇所探査装置
2 探査信号送信手段
2a コード化探査信号生成部
2b 変調部
2c 出力調整部
2d 送信部
3 探査信号受信手段
3a 受信部
3b 感度調整部
3c 復調部
3d 探査信号解析部
3e 表示部
PL 電源側電路
LL 負荷側電路
Tr 高低圧変圧器
EBL B種接地線
EB B種接地極
【発明の属する技術分野】
本発明は、低圧電路の漏電箇所を探査する漏電箇所探査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電源側電路に特定周波数の高周波探査信号を印加し、当該探査信号を負荷側電路で検出することによって漏電箇所を特定する漏電箇所探査手段がある。この漏電箇所探査手段は、一系統の負荷側電路が漏電しているにもかかわらず、探査信号が複数の負荷側電路で検出されたとき、もしくは探査信号がどの負荷側電路でも検出されなかった場合、探査信号の出力レベルを調整することによって漏電している負荷側電路でのみ、探査信号を検出することができるように構成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−74979号公報(3頁〜4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の漏電箇所探査手段によれば、特定周波数の高周波探査信号を使用しているため、漏電探査対象となる電路に、高周波探査信号と同一あるいは近似周波数のノイズ電流が流れている場合、探査信号とノイズ電流の区別がつかないことがある。そのため、ノイズ電流を探査信号と誤って検出した場合には、漏電箇所の特定が困難であるという問題がある。
【0005】
そこで本発明では、電路のノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査することができる漏電箇所探査装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載した漏電箇所探査装置により解決することができる。
【0007】
請求項1に記載の漏電箇所探査装置によれば、探査信号送信手段のコード化探査信号生成部がコード化探査信号を生成すると、このコード化探査信号は変調部で変調される。変調部で変調されたコード化探査信号が出力調整部を介して送信部に送られると、送信部は、この変調コード化探査信号を電源側電路に送信する。送信部から変調コード化探査信号が電源側電路に送信されると、探査信号受信手段の受信部は、変調コード化探査信号を負荷側電路で受信する。受信部で受信された信号が復調部で復調されると、探査信号解析部は、復調されたコード化探査信号が前記コード化探査信号生成部で生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であるか否かを解析する。この解析により、同一コードの信号であると判断した場合は、表示部にその旨を表示する。この状態で、受信部の受信位置を、順次、当該負荷側電路に沿って反電源側の方向に移動することにより、上記同様の動作を行なわせ、受信部が最終的に変調コード化探査信号を受信した位置を漏電箇所として特定し、それを表示部に表示する。
上記動作の過程で、一つの系統の負荷側電路でのみ、漏電しているにもかかわらず、探査信号受信手段の受信部が複数の負荷側電路において変調コード化探査信号を受信した場合、もしくは、どの負荷側電路においても変調コード化探査信号を受信しない場合、漏電している負荷側電路においてのみ、変調コード化探査信号を受信するように、変調コード化探査信号の出力を出力調整部で調整する。このように、本発明では、探査信号がコード化された信号であり、それを変調した状態で電源側電路に送信するため、電路に流れているノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査し、特定することができる。
【0008】
請求項2に記載の漏電箇所探査装置によれば、受信部が変調コード化探査信号を負荷側電路で受信する場合の感度調整手段を探査信号受信手段に設けたため、探査信号送信手段の出力調整部を調整することなく、漏電している負荷側電路においてのみ、変調コード化探査信号を受信するように、探査担当者の手元にある探査信号受信手段で感度調整をすることができる。これにより、漏電箇所探査作業が容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、低圧電路の漏電箇所を探査する漏電箇所探査装置1の全体的な構成を示したシステムブロック図である。
図1に示すように、漏電箇所探査装置1は、コード化した探査信号を生成するとともにこのコード化探査信号を変調した変調コード化探査信号を電源側電路に送信する探査信号送信手段2を備えるとともに、変調コード化探査信号を負荷側電路で受信し、受信した変調コード化探査信号を復調したコード化探査信号を解析することによって、漏電箇所を特定する探査信号受信手段3を備えたものである。
【0010】
探査信号送信手段2は、コード化した探査信号を生成するコード化探査信号生成部2aと、コード化探査信号を、ノイズ電流の影響を受けない変調方式である例えばスペクトラム拡散変調方式で変調する変調部2bと、変調部2bで変調された変調コード化探査信号の出力レベルを調整する出力調整部2cと、変調コード化探査信号を電源側電路PLに送信する送信部2dとを有する。尚、この送信部2dは、電路への着脱が容易なクランプ式変成器を用いる。
【0011】
探査信号受信手段3は、電源側電路PLから送信された変調コード化探査信号を負荷側電路LLで受信する受信部3aと、受信部3aが変調コード化探査信号を受信する場合の受信感度を調整する感度調整部3bと、受信部3aにより受信された変調コード化探査信号を復調する復調部3cと、復調部3cで復調されたコード化探査信号が前記コード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であるか否かを解析する探査信号解析部3dと、探査信号解析部3dによる解析結果に対応した表示をする表示部3eとを有する。
尚、受信部3aは、電源側電路PLから負荷側電路LLに送信された変調コード化探査信号を非接触で受信するため、受信センサとして例えばコイルセンサを有している。
【0012】
前述したように、探査信号送信手段2の送信部2dに、電路への着脱が容易なクランプ式変成器を用いる場合、このクランプ式変成器から変調コード化探査信号の磁束が空間に漏れる可能性がある。このため、このクランプ式変成器の近くで漏電箇所探査作業を行なう場合、上記漏れ磁束を直接的に探査信号受信手段3の受信部3aが受信すると、この探査作業が困難になる。従って、上記クランプ式変成器は、十分に磁気シールド対策をした漏れ磁束の極めて小さなものを用いる。
【0013】
図2は、ビルや工場などで一般的に用いられる低圧配電設備の配電系統図である。図2に示した電気室20に設置されている高低圧変圧器Trは、受電した6.6kVを単相3線式200−100Vの低圧に降圧するものであり、降圧した単相3線式200−100Vの低圧電源を、電源側電路PLから、それぞれの過電流遮断器21を介して、それぞれの分電盤22に供給する。尚、高低圧変圧器Trの中性線はB種接地線EBLによりB種接地極EBと接続されている。
【0014】
図2では、電路として単相3線式200−100Vの例を示したが、3相200V電路や3相400V電路などでも同様の構成で電源が供給される。また、変圧器が複数台設置されている場合、各変圧器の例えば中性線に接続されるそれぞれのB種接地線EBLは連接された状態で、B種接地母線(B種接地極EBに直接接続されているB種接地線)に接続される。
【0015】
それぞれの分電盤22に供給された低圧電源は、それぞれの分電盤22に設けられた主ブレーカー23と、それぞれの分岐ブレーカー24とを介して各負荷側電路LLに供給されており、それぞれの負荷側電路LLには図示していない負荷が接続されている。また、図示はしていないが、高低圧変圧器Trの2次側には漏電警報器が設けられており、負荷側電路LLのいずれかで漏電が発生した場合、その漏電警報器が漏電の発生を警報する。尚、図2では、探査信号送信手段2の送信部2dと、探査信号受信手段3の受信部3aとを図示しており、他の部分は省略している。
【0016】
次に、図2を参照しながら、漏電箇所探査装置1の漏電箇所探査動作について説明する。
上記漏電警報器が漏電の発生を警報した場合、前述の探査信号送信手段2の送信部2dから出力される変調コード化探査信号の出力レベルを出力調整部2cで中間値に調整した状態で、送信部2dをB種接地線EBLにセットする。尚、電気室20に複数の変圧器が設置されている場合は、送信部2dを前述のB種接地母線にセットする。送信部2dから変調コード化探査信号がB種接地線EBLに送信されると、この信号は、B種接地線EBLから、電源側電路PL−負荷側電路LL−漏電箇所−大地−B種接地極EB−B種接地線EBLで構成される閉回路を流れる。
【0017】
この状態で、探査信号受信手段3の受信部3aを図2の(a),(b)に示すように電路に近づけると、探査信号受信手段3は前述の変調コード化探査信号を受信する。このとき、送信部2dから送信された変調コード化探査信号の出力レベルが大き過ぎて、複数の電路、例えば図2の(a),(b)の両方で変調コード化探査信号が受信された場合、前述の探査信号送信手段2の出力調整部2cで変調コード化探査信号の出力レベルを下げるか、探査信号受信手段3の感度調整部3bで受信感度を下げることによって、漏電が発生している負荷側電路LLの(a)に受信部3aを近づけたときのみ、変調コード化探査信号を受信するように調整する。もしくは、送信部2dから送信された変調コード化探査信号の出力レベルが小さいため、図2の(a),(b)両方の電路で変調コード化探査信号が受信されない場合、探査信号送信手段2の出力調整部2cで変調コード化探査信号の出力レベルを上げるか、探査信号受信手段3の感度調整部3bで受信感度を上げることによって、漏電が発生している負荷側電路LLに受信部3aを近づけたときのみ、変調コード化探査信号を受信するように調整する。
【0018】
図2の(a)で変調コード化探査信号が受信部3aで受信されると、探査信号受信手段3の復調部3cは、変調コード化探査信号をコード化探査信号に復調するため、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号を解析する。この場合、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号が、前記探査信号送信手段2のコード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であると判断した場合、それを表示部3eに表示する。
【0019】
上記のように(a)の位置の電路に接続されている分電盤22が特定されると、分電盤22において、受信部3aを(c),(d)のように各負荷側電路LLに近づけ、変調コード化探査信号を受信することによって、漏電の発生している負荷側電路LLを特定する。この場合、(ア)の点で漏電しているとすれば、(d)の位置で負荷側電路LLに受信部3aを近づけたときに変調コード化探査信号を受信する。(d)の位置で受信部3aにより変調コード化探査信号が受信され、復調部3cで復調されると、探査信号解析部3dは、復調されたコード化探査信号が、前記探査信号送信手段2のコード化探査信号生成部2aで生成されたコード化探査信号と同一コードの信号であると判断し、それを表示部3eに表示する。このように、(d)において漏電の発生している負荷側電路LLを特定すると、この負荷側電路LLに沿って受信部3aを反電源側に移動させ、漏電箇所(ア)を特定する。
尚、この場合、漏電箇所(ア)を越えて受信部3aを反電源側に移動させると、受信部3aは変調コード化探査信号を受信しなくなる。
【0020】
以上説明したように、コード化した探査信号を生成するとともに、このコード化探査信号を変調した変調コード化探査信号を電源側電路に送信すると、変調コード化探査信号は負荷側電路で受信されるため、受信した変調コード化探査信号を復調したコード化探査信号を解析する動作を繰り返すことによって漏電箇所を特定する。これにより、電路に流れるノイズ電流の影響を受けずに漏電箇所を探査することができる。
【0021】
尚、探査信号送信手段2の変調部2bでコード化探査信号を変調する場合、前述のスペクトラム拡散変調方式に限らず、電路に流れるノイズ電流の影響を受けない変調方式であればよい。
【0022】
以上の説明では、高低圧変圧器Trの中性線がB種接地線EBLによりB種接地極EBと接続されている電路における漏電箇所探査装置1の使用例を説明したが、コンデンサ接地など、インピーダンスを介して接地した電路にも適用が可能である。この場合、図3に示すようにコンデンサ等のインピーダンスの接地線EDLに探査信号送信手段2の送信部2dをセットする。また、接地線EDLに送信部2dをセットするのではなく、3相電路の場合は電路の3線を一括、単相電路の場合は電路の2線を一括して探査信号送信手段2の送信部2dをセットしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、電路のノイズ電流に無関係に漏電箇所を探査することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】漏電箇所探査装置の全体的な構成を示したシステムブロック図である。
【図2】漏電箇所探査作業の実施説明図である。
【図3】漏電箇所探査作業の別の実施説明図である。
【符号の説明】
1 漏電箇所探査装置
2 探査信号送信手段
2a コード化探査信号生成部
2b 変調部
2c 出力調整部
2d 送信部
3 探査信号受信手段
3a 受信部
3b 感度調整部
3c 復調部
3d 探査信号解析部
3e 表示部
PL 電源側電路
LL 負荷側電路
Tr 高低圧変圧器
EBL B種接地線
EB B種接地極
Claims (2)
- 漏電箇所を探査するための探査信号を生成して電源側電路に送信する探査信号送信手段と、前記電源側電路から電力が供給される負荷側電路で前記探査信号を受信することによって漏電箇所を探査するための探査信号受信手段とを備えた漏電箇所探査装置であって、
前記探査信号送信手段は、コード化した探査信号を生成するコード化探査信号生成部と、前記コード化探査信号を変調する変調部と、前記変調部で変調された前記コード化探査信号の出力を調整する出力調整部と、前記出力調整部から出力された前記変調コード化探査信号を前記電源側電路に送信する送信部とを有し、前記探査信号受信手段は、前記変調コード化探査信号を前記負荷側電路で受信する受信部と、前記受信部で受信された変調コード化探査信号を復調する復調部と、前記復調部で復調されたコード化探査信号が前記コード化探査信号生成部で生成された信号と同一コードの信号であるか否かを解析する探査信号解析部と、前記探査信号解析部による解析結果に対応した表示をする表示部とを有することを特徴とする漏電箇所探査装置。 - 前記受信部が前記変調コード化探査信号を前記負荷側電路で受信する場合の感度調整手段を前記探査信号受信手段に設けたことを特徴とする請求項1に記載の漏電箇所探査装置。
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