JP2000055967A - ケーブルの探知方法及び探知装置 - Google Patents

ケーブルの探知方法及び探知装置

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JP2000055967A
JP2000055967A JP10219085A JP21908598A JP2000055967A JP 2000055967 A JP2000055967 A JP 2000055967A JP 10219085 A JP10219085 A JP 10219085A JP 21908598 A JP21908598 A JP 21908598A JP 2000055967 A JP2000055967 A JP 2000055967A
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Shigeki Isono
重樹 磯野
Katsutoshi Kawasaki
勝利 川崎
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数本のケーブルのうちから特定のケーブル
を、能率良く且つ確実に探知する。 【解決手段】 探知すべきケーブルの導体中に、極性判
別用の波形17を混在した正弦波電流を流す。電磁誘導
或は遠端接地による回り込み電流による磁界を検出した
信号の波形が、本来の波形と逆転する事を利用して、探
知すべきケーブルと他のケーブルとを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るケーブルの探
知方法及び探知装置は、例えば発電所や変電所、或は各
種工場等(以下「発電所等」とする。)で、配線の変更
等を行なう際に、制御ケーブル、電力ケーブル、計装ケ
ーブル等の多数本のケーブルのうちから特定のケーブル
を捜し出す為に利用する。
【0002】
【従来の技術】発電所等の制御室に設けた中央制御盤部
分には、ケーブルが数百本乃至は数千本敷設されてお
り、これら各ケーブルの一端が上記中央制御盤に接続さ
れている。これら各ケーブルは、それぞれの長さが数十
m乃至は数百mにも達し、上記中央制御盤を設けた建屋
や、上記各ケーブルの他端が接続される機械装置等を設
けた建屋の壁面や床面を貫通した状態で敷設されてい
る。この為、上記多数のケーブルのうちの一部のケーブ
ルの中間部を、上記制御室や建屋外で特定する事は困難
である。これに対して、発電所等の改修工事の際には、
上記多数のケーブルのうちの何れかのケーブルを中間部
で切断し、再接続する必要が生じる。
【0003】この為従来から、探知すべきケーブルの芯
線又はシールド線に探知用電流(信号)を送り込むと共
に、この探知用電流の送り込みに伴って上記探知すべき
ケーブルの周囲に発生する磁界又は電界をサーチコイル
装置又は静電結合電極で検出する事により、特定のケー
ブルを探知するケーブルの探知装置が知られている。こ
の様なケーブルの探知装置として従来から、特開平5−
333084号公報、同6−22424号公報、同6−
230057号公報、同6−235747号公報、同7
−270469号公報、同9−281175号公報、同
9−318691号公報、同9−322347号公報等
に記載されたものが知られている。これら各公報等に記
載されて従来から知られているケーブルの探知装置に
は、電磁誘導式のものと静電結合式のものとが存在す
る。又、このうちの静電結合式には、パルス印加型のも
のと正弦波印加型のものとがある。これらを整理する
と、従来から知られているケーブルの探知装置は、〜
の3種類である。
【0004】 電磁誘導式ケーブルの探知装置 この方式のケーブルの探知装置では、探知すべき特定の
ケーブルを構成する芯線或はシールド線等の導体に正弦
波電流を流す。この為に、この導体の一端と大地との間
に正弦波電圧を印加すると共に、この導体の他端を大地
に接続(接地)する。或はそれぞれの両端が近接配置さ
れている2本のケーブルを構成する導体の一端同士の間
に上記正弦波電圧を印加すると共に、これら2本のケー
ブルを構成する導体の他端同士を接続する。尚、特定の
ケーブルを構成する導体の端部を探知する事は、中間部
を探知する場合とは異なり、容易に行なえる。上述の様
にして特定すべきケーブルの芯線或はシールド線等の導
体に正弦波電流を流すと、このケーブルの周囲に磁界が
発生するので、この磁界を探知器により測定する。即
ち、コイル状のアンテナを有する探知器により上記磁界
の有無及び強度を、上記特定すべきケーブルを含む複数
本のケーブル毎に測定し、他のケーブルとの間で有意の
差が存在する(周囲に存在する磁界が他のケーブルに比
べて明らかに強い)ケーブルを、上記特定すべきケーブ
ルとする。
【0005】 正弦波印加型の静電結合式ケーブルの
探知装置 この方式のケーブルの探知装置では、探知すべき特定の
ケーブルを構成するシールド線(最外層導体)の一端と
大地との間に正弦波電圧を印加し、このシールド線の他
端は大地とは絶縁する(接地せず開放状態とする)。こ
の様にして上記シールド線と大地との間に正弦波電圧を
印加すると、上記特定のケーブルの周囲に電界が発生す
るので、上記の場合と同様にしてこの電界を探知器に
より測定し、上記特定すべきケーブルを探知する。
【0006】 パルス印加型の静電結合式ケーブルの
探知装置 この方式のケーブルの探知装置では、探知すべき特定の
ケーブルを構成するシールド線の一端と大地との間に、
コード化したパルス電圧を印加し、このシールド線の他
端は大地とは絶縁する。この様にして上記シールド線と
大地との間にパルス電圧を印加する事で上記特定のケー
ブルの周囲に発生した電界を、上述のの場合と同様
に探知器により測定し、測定値からコードを読み取り、
上記特定すべきケーブルを探知する。パルス印加型の静
電結合式ケーブルの探知装置により特定のケーブルを探
知する基本は、上記正弦波印加型と同様である。特に、
パルス印加型の場合には、複数のケーブルのシールド線
に印加するパルス電圧のコードを異ならせる事により、
一度に複数本のケーブルの探知が可能になり、探知作業
の能率化を図れる。
【0007】多数本のケーブルのうちから特定のケーブ
ルを探知するのに最も好ましいのは、能率上からも探知
作業時の消費エネルギの面からも、パルス印加型の静電
結合式である。但し、パルス印加型及び正弦波印加型を
含めて静電結合式ケーブルの探知装置を使用する場合に
は、特定すべきケーブルのシールド線の一端が探知でき
る事とこのシールド線の他端を大地と絶縁できる事とが
必要である。ところが、上記シールド線は、複数本のケ
ーブルのシールド線をまとめた状態で、制御室の床下
等、中央制御盤よりも下方で接地している場合がある。
この様な場合には、制御室内で上記特定すべきケーブル
のシールド線の一端が探知できない。又、上記シールド
線の他端も、機械装置等を設けた建屋の床下等で接地し
ている場合があり、この様な場合には上記特定すべきケ
ーブルのシールド線の他端を大地と絶縁(開線)する事
が難しい。
【0008】この様に、特定すべきケーブルのシールド
線の一端が探知できなかったり、或はこのシールド線の
他端を大地と絶縁できない場合には、パルス印加型及び
正弦波印加型を含めて静電結合式ケーブルの探知装置を
使用できず、電磁誘導式ケーブルの探知装置を使用せざ
るを得ない。又、特定すべきケーブルのシールド線の一
端が探知でき、しかもこのシールド線の他端を大地と絶
縁できる場合でも、上記特定すべきケーブルを含む各ケ
ーブルを構成する芯線又はシールド層に存在する電圧で
アンプが飽和する様な場合には、やはり静電結合式ケー
ブルの探知装置を使用できず、電磁誘導式ケーブルの探
知装置を使用せざるを得ない。この様に、電磁誘導式ケ
ーブルの探知装置を使用せざるを得なくなる場合の判断
手順を、図7に示す。例えば、運転中のケーブル(活
線)を探知する場合には、上記特定すべきケーブルのシ
ールド線の両端を接地すると共に、このシールド線と大
地により構成されるループに、探知用の正弦波電流を流
す。
【0009】電磁誘導式のケーブルの探知装置を使用し
て特定のケーブルを確実に探知する為には、特定すべき
ケーブルの芯線或はシールド線に正弦波電流を流した場
合にこのケーブルの周囲に発生する磁界を明瞭にし、且
つこの磁界を能率良く検知する必要がある。この為従来
から、上記芯線或はシールド線に流す正弦波電流の周波
数を変換自在とする事が考えられている。
【0010】ところが、従来の電磁誘導式ケーブルの探
知装置の場合には、特定すべきケーブルのインピーダン
スの相違に拘らず一定の電圧で上記正弦波電流を流す様
にしていた為、能率の良い探知作業を行なえない場合が
ある。例えば、上記正弦波電流の周波数を3.5kHz と
した場合に1〜2A程度の電流を流して測定を行なえた
場合でも、この周波数を9.5kHz 或は13.0kHz に
変えると、インピーダンスの増大により電流が全く流れ
なくなって、上記測定作業を行なえなくなる場合があ
る。測定作業を行なえる場合でも、特定すべきケーブル
が変わり、インピーダンスが変化すると、上記正弦波電
流の電流値が変わり、上記磁界或は電界の強さが変化す
る為、この磁界或は電界を検知する為の受信器の感度を
調節しなければならない。特定すべきケーブルと他のケ
ーブルとの区別がつかない状態で上記受信器の感度を調
節する作業は難しく、ケーブルの探知作業の能率化を著
しく阻害する。
【0011】
【先発明の説明】この様な事情に鑑みて、特定のケーブ
ルを確実に且つ容易に探知できて、発電所等の改修工事
の能率化を図れるケーブルの探知装置が考えられている
(特願平10−146816号)。図8〜11は、この
様な事情で考えた、先発明に係るケーブルの探知装置を
示している。このケーブルの探知装置は、図8に示す様
に、送信器1と、サーチコイル装置2と、受信器3とを
備える。図8は、この様なケーブルの探知装置を3組設
け、同時に3本のケーブル4a、4b、4cの探知を行
なえる様にした場合に就いて示している。このうちの送
信器1は、探知すべきケーブル4a、4b、4cの芯線
5或はシールド線6に探知用電流を送り込む。図示の例
では、最上段のケーブル4aに就いては、芯線5を利用
して前述の電磁誘導式のケーブルの探知を行なうべく、
このケーブル4aの芯線5の一端に、探知用電流を送り
込む様にしている。これに対して、中段のケーブル4
b、4cに関しては、シールド線6を利用してやはり上
記電磁誘導式のケーブルの探知を行なうべく、これら各
ケーブル4b、4cのシールド線6、6の一端に、それ
ぞれ探知用電流を送り込む様にしている。従って、図示
の例では、上記最上段のケーブル4aの芯線5の他端、
並びに中段のケーブル4b、4cの他端を接地してい
る。尚、残りのケーブル4d、4dは、探知の対象外の
ものである。
【0012】上記各送信器1は、それぞれ図9のブロッ
ク図に示す様に構成して、互いに非整数倍の関係にある
複数種類の周波数の探知用電流を送信可能としている。
図示の例では、この探知用電流の周波数を、3.5kHz
と6.0kHz と9.5kHz との3通りに切り換え自在と
している。この様に、探知用電流の周波数を互いに非整
数倍とした理由は、上記3組のケーブルの探知装置を同
時に使用する場合に、これら各探知装置の使用周波数を
互いに異ならせて、しかも互いの探知用電流同士の間で
干渉が起きない様にする為である。
【0013】この図9に示す様な送信器1でケーブル4
a、4b、4cの芯線5或はシールド線6に探知用電流
を送り込む際に、この探知用電流は、図9の端子7a、
7b同士の間を流れる。言い換えれば、上記芯線5或は
シールド線6は、これら両端子7a、7b間に存在す
る。この様に端子7a、7b間を流れる電流の値は、検
出トランス8を介して検出する。そして、上記探知すべ
きケーブル4a、4b、4cのインピーダンスの相違に
拘らず、これら各ケーブル4a、4b、4cに流す探知
用電流の値を一定に保つ定電流制御を行なう。この定電
流制御は、検出トランス8の検出信号に基づき、上記端
子7a、7b間に印加する電圧を変える事により行な
う。
【0014】尚、ケーブル4a、4b、4cの探知時に
上記芯線5或はシールド線6に流す探知用電流の値は、
電流設定器9により無段階に調節自在であるが、この探
知用電流の最大値は2A程度とする。又、上記探知すべ
きケーブル4a、4b、4cのインピーダンスが大きい
場合には、上記端子7a、7b間に印加する電圧の値が
大きくなるが、その場合でも30Vを越えて大きくなら
ない様に規制し、構成各部分の保護を図る。又、一端か
ら上記探知用電流を流すべき芯線5或はシールド線6が
無負荷状態(他端を開放した状態)となった場合には、
上記送信器1は出力を停止する。更に、この送信器1を
運転状態としたまま、上記探知すべきケーブル4a、4
b、4cの切り換え時にこれら各ケーブル4a、4b、
4cに過大な突印電流が流れるのを防止する為、上記送
信器1内に突印電流を還流させる、突印電流抑制回路を
設ける。
【0015】又、前記各サーチコイル装置2、2は、上
記探知用電流の送り込みに伴って上記探知すべきケーブ
ル4a、4b、4cの周囲に発生する磁界を検出する為
のものである。この様な各サーチコイル装置2、2はそ
れぞれ、図10に示す様に、バーアンテナ式サーチコイ
ル10とクランプ式サーチコイル11とを備える。これ
ら両サーチコイル10、11は、何れか一方のサーチコ
イル10(又は11)の検知信号を前記受信器3、3に
入力自在とすべく、切換スイッチ或は切換プラグ等の切
換手段を介して、これら各受信器3、3に接続してい
る。又、上記バーアンテナ式サーチコイル10とクラン
プ式サーチコイル11とのうちのバーアンテナ式サーチ
コイル10は、上記ケーブル4a、4b、4cの周囲に
発生する磁界を複数本のケーブルに関して検知自在な
(検知可能な範囲が広い)もので、棒状に構成してい
る。これに対して上記クランプ式サーチコイル11は、
上記磁界を1本のケーブルに関してのみ検知自在な(検
知範囲が狭い)もので、1本のケーブルを内側に挿通自
在としている。この様なクランプ式サーチコイル11に
よる磁界測定を行なう際には、このクランプ式サーチコ
イル11のコイル部12を開いた状態で測定すべきケー
ブルをこのコイル部12内に挿入してから、このコイル
部12を閉じる。磁界の測定作業は、このコイル部12
を図8、10に示す様に閉じた状態で行なう。
【0016】更に、前記受信器3は、上記サーチコイル
装置2を構成するバーアンテナ式サーチコイル10又は
クランプ式サーチコイル11が検知した磁界を表す信号
を入力して処理する。この様な受信器3は、図11に示
す様に、ケーブル4a〜4dの芯線5を流れる商用電源
の正弦波電流周波を含む1kHz 未満の周波数、並びに2
0kHz を越える周波数をカットして、凡そ1〜20kHz
の周波数信号のみを通過させる帯域フィルタ13と、前
記3.5kHz と6.0kHz と9.5kHz との3通りの周
波数を中心とした狭い周波数の信号のみを通過させる狭
帯域フィルタ14、14と、これら各フィルタ13、1
4を通過した信号を増幅する増幅器15と、上記サーチ
コイル装置2が検知した信号のレベルを表示するレベル
表示器16とを備える。
【0017】上述の様に構成する先発明のケーブルの探
知装置により特定のケーブルの探知作業を行なう際に
は、前記送信器1、1により探知すべき特定のケーブル
4a〜4cに、3.5kHz と6.0kHz と9.5kHz と
の3通りの周波数のうちの何れかの周波数の正弦波電流
を流す。そして、上記各サーチコイル装置2、2を構成
するバーアンテナ式サーチコイル10又はクランプ式サ
ーチコイル11により、上記ケーブル4a〜4cの周囲
に発生する磁界を測定する。そして、上記各サーチコイ
ル装置2、2からの検出信号を受けた上記各受信器3、
3のレベル表示器16に表示される検出値を観察する事
により、上記特定のケーブル4a〜4cを探知する。
【0018】特に、先発明のケーブルの探知装置によれ
ば、上記各送信器1、1が上記各特定のケーブル4a〜
4cに流す探知用電流の値を一定に保つ為、これら各特
定のケーブル4a〜4cのインピーダンスの相違に拘ら
ず、これら各特定のケーブル4a〜4cの周囲に存在す
る磁界の強度をほぼ一定にできる。従って、上記各受信
器3、3側の感度の調節作業が不要になり、特定すべき
ケーブル4a〜4cと他のケーブル4d、4dとの区別
がつかない状態で上記各受信器3、3の感度を調節する
様な面倒がなくなる。即ち、上記レベル表示器16に表
示される検出値がどの程度であれば特定のケーブル4a
〜4cの磁界を捕らえているかが分らない状態で上記感
度を調節する必要がない。従って、特定のケーブル4a
〜4cの磁界を捕らえているか否かの判定を容易且つ確
実に行なえる。
【0019】又、上記各サーチコイル装置2、2を、そ
れぞれバーアンテナ式サーチコイル10とクランプ式サ
ーチコイル11とから構成している為、多数本のケーブ
ル4a〜4dの中から、上記特定のケーブル4a〜4c
を含む複数本のケーブルをふるい分けた後、これら複数
本のケーブルの中から上記特定のケーブル4a〜4cを
探知する作業を行なえる。この為、上記多数本のケーブ
ル4a〜4dの周囲に存在する磁界を、多数本のケーブ
ル4a〜4d毎に1本ずつ測定する場合に比べて測定回
数を減らし、その分、上記特定のケーブル4a〜4cを
探知する作業の能率化を図れる。
【0020】更に、上記各送信器1、1が、互いに非整
数倍の関係にある、3.5kHz と6.0kHz と9.5kH
z との3通りの周波数の探知用電流を送信できる為、探
知用電流の周波数を互いに異ならせる事により、同時に
3本までの特定のケーブル4a〜4cの探知作業が可能
になり、探知すべき特定のケーブル4a〜4cが複数本
存在する場合に於ける探知作業の能率化を図れる。
【0021】電磁誘導式のケーブルの探知装置により特
定のケーブルを探知する場合、この特定のケーブルの導
体に探知用の正弦波電流を流し、この特定のケーブルの
周囲に磁界を発生させると、電磁誘導により、或は遠端
接地による回り込み電流により、上記特定のケーブルに
近接した状態で配置された別のケーブルにも、磁界が発
生する場合がある。この様に、探知用の正弦波電流を流
した特定のケーブル以外にも磁界が発生した場合、その
ままではこの特定のケーブルの探知を行なえない。
【0022】この為従来から、特開平9−15287号
公報に記載された様な方法により、探知用の正弦波電流
を流す事により周囲に磁界が発生した特定のケーブル
と、電磁誘導等により周囲に磁界が発生した他のケーブ
ルとを区別する事が考えられている。上記公報に記載さ
れた方法では、周波数2fなる正弦波信号を、周波数f
の正弦波で振幅変調(AM)した合成信号を、上記特定
のケーブルの導体に印加する。そして、サーチコイルが
検出した磁界を表す信号を送り込まれた受信器は、上記
周波数2fなる正弦波信号と周波数fの正弦波とを帯域
通過フィルタで検出する。電磁誘導等により、上記特定
のケーブル以外のケーブルの周囲に発生する磁界の位相
は、この特定のケーブルの周囲に発生する磁界の位相に
対して反転している(180度ずれている)為、上記周
波数2fなる正弦波信号と周波数fの正弦波とを処理す
れば、上記特定のケーブルを探知できる。
【0023】又、探知用の正弦波電流を流す事により周
囲に磁界が発生した特定のケーブルと、電磁誘導等によ
り周囲に磁界が発生した他のケーブルとを区別する為の
別の方法として、上記探知用の正弦波電流を、各周期毎
に断続して発生させる、断続信号方式による探知方法も
知られている。この方法によれば、上記探知用の電流を
直接流された、上記特定のケーブルの周囲に発生する磁
界と、電磁誘導により他のケーブルの周囲に発生する磁
界とでは、各磁界の立ち上がり特性が異なる為、上記特
定のケーブルを探知できる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−15287
号公報に記載された方法の場合には、1本のケーブルを
探知する場合に、f、2fなる2種類の周波数を使用す
る。従って、前述の図8〜11に示す様に、多数本のケ
ーブルの探知を能率良く行なわせる、先発明の探知装置
での実施が難しい。即ち、前述した先発明の説明の様
に、特定のケーブルに流す正弦波電流の周波数として、
3.5kHz と6.0kHz と9.5kHz との3通りの周波
数を使用する場合、この周波数の2倍(又は1/2)の
周波数も必要になり、合計で6種類の周波数が必要にな
る。更に能率を向上させる為、例えば13.0kHz なる
周波数も併せて使用する場合には、8種類の周波数が必
要になる。しかも、これら6種類或は8種類の周波数
は、互いに干渉を防止する必要上、周波数の差を大きく
する必要がある。
【0025】この結果、比較的周波数が高い正弦波電流
の周波数がより高くなり、インピーダンスの増大に基づ
き、上記特定のケーブルに流れる電流がより小さくな
る。しかも、振幅変調(AM)した合成信号は電流制御
ができないので、上記6種類或は8種類の周波数の信号
に関して、同一の電流を流す事ができず、検知すべき電
流の均一化によるケーブルの探知の能率化を図れなくな
る。
【0026】又、断続信号方式による探知方法の場合
も、信号電流である正弦波電流の突印時に大電流が流れ
る為、フィードバックによる電流制御は行なえない。即
ち、前述した先発明の探知装置を実施すべく、探知用電
流の値を一定に保つ為には、上記正弦波電流は連続した
ものでなければならず、上記断続信号方式による探知方
法は採用できない。本発明のケーブルの探知方法及び探
知装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明のケーブルの探知
方法及び探知装置のうち、請求項1に記載したケーブル
の探知方法は、近接した状態で配設された複数本のケー
ブルのうちから特定のケーブルの中間部を探知する為、
この特定のケーブルを構成する導体に探知用の正弦波電
流を流し、この特定のケーブルの周囲に発生する磁界を
測定する事により、この特定のケーブルの中間部を探知
するものである。特に、本発明のケーブルの探知方法に
於いては、上記正弦波電流の特定周期中に、他の周期と
異なる波形を有する極性判別用の波形を混在させると共
に、この極性判別用の波形に基づいて、上記特定のケー
ブルの周囲に発生した磁界と、電磁誘導若しくは遠端接
地による回り込み電流に基づいてこの特定のケーブル以
外のケーブルの周囲に発生した磁界とを識別し、この特
定のケーブルの探知の信頼性を向上させる。
【0028】又、請求項2に記載したケーブルの探知装
置は、探知すべき特定のケーブルを構成する導体に探知
用電流を送り込む為の送信器と、この探知用電流の送り
込みに伴って上記特定のケーブルの周囲に発生する磁界
を検出する為のサーチコイル装置と、このサーチコイル
装置が検知した磁界を表す信号を入力して処理する受信
器とを備える。そして、上記送信器は、特定周期中に他
の周期と異なる波形を有する極性判別用の波形を混在さ
せた正弦波電流を上記導体に送り込み自在であり、上記
受信器は、上記サーチコイル装置が検知した磁界を表す
信号の波形の性状を判定し、この性状が上記特定のケー
ブルの周囲に発生する磁界に見合う性状の場合にのみ、
上記特定のケーブルを探知した旨の処理を行なう機能を
有する。
【0029】
【作用】上述の様に構成する本発明のケーブルの探知方
法及び探知装置によれば、探知すべき特定のケーブルに
流す正弦波電流を、ケーブル毎に1種類の周波数を持つ
ものとし、しかも連続したものとして、電磁誘導等によ
り他のケーブルの周囲に発生する磁界と、上記特定のケ
ーブルの周囲に発生する磁界とを区別できる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1〜3は、請求項3に対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本
発明を実施する場合に、ケーブルの探知装置の全体構成
は、前述の図8に示した先発明に係る探知装置とほぼ同
様である。本発明のケーブルの探知装置が、この先発明
に係る探知装置と異なる点は、送信器1がケーブル4a
〜4dの芯線5又はシールド線6(図8)に流す(送り
込む)探知用の正弦波電流の波形と、サーチコイル装置
2が検知した磁界を表す信号を処理する受信器3(図
8)部分とにある。そこで、以下の説明は、上記探知用
の正弦波電流の波形と、受信器3内の処理回路の構成及
びこの処理回路が上記磁界を表す信号を処理する手順を
中心に説明する。
【0031】尚、前述の先発明を表した図8、11は、
同時に3本のケーブルの探知を行なえる様にすべく、周
波数が互いに異なる3種類の正弦波電流を使用し、その
うちの何れかの周波数の正弦波電流に基づく磁界を検出
する様に構成していた。この為、図11に示した受信器
3のブロック図には、狭帯域フィルタ14、14を3種
類併設している。これに対して、本発明の特徴は、探知
すべき特定のケーブル以外のケーブルに、電磁誘導によ
り、或は遠隔設置による回り込み電流により、磁界が発
生した場合にも、上記特定のケーブルとこれ以外のケー
ブルとを判別可能にする点にある。従って、図示の例で
は、所定の周波数を有する1種類の正弦波電流により、
1本のケーブルの探知を行なう場合に就いて説明する。
本発明を前述した先発明と組み合わせる場合には、各周
波数(例えば3.5kHz と6.0kHz と9.5kHz と1
3.0kHz )の正弦波電流毎に、それぞれ本発明を適用
すべく、次述する様な極性判別用の波形17を混在させ
る。
【0032】上記送信器1は、図1に示す様な波形を有
する正弦波電流を出力し、上記ケーブル4a〜4dを構
成する芯線5又はシールド線6に送り込み自在である。
上記正弦波電流は、特定周期(図1に示した3周期中、
同図にγで示す、最も右の周期)中に、他の周期(図1
に示した3周期中、同図にα、βで示す、最も左の周期
及び中央の周期)と異なる波形を有する極性判別用の波
形17を混在させている。本例の場合、この極性判別用
の波形17は、正弦波の1周期分の波形を、波形の頂部
を境に反転させる事により得たもので、急激に変化する
境界部18を除き、上記1周期分のほぼ全範囲に亙り同
一方向(図1の右上り方向)に変化する。
【0033】周知の様に、電圧が変化する際には、変化
の方向に応じた極性を有する磁界が、変化の速度に応じ
た強さで生じる。従って、例えば探知すべきケーブル4
aの芯線5又はシールド線6に、図1及び図2(A)
に示す様な波形を有する正弦波電流を送り込むと、この
ケーブル4aの周囲に発生する磁界を検知したサーチコ
イル装置2の検出信号が、図2(A)に示す様に変化
する。これに対して、電磁誘導により、或は遠隔接地に
よる回り込み電流により、上記探知すべきケーブル以外
のケーブルに流れる正弦波電流は、前述した様に上記送
信器1からこの探知すべきケーブルに送り込まれる正弦
波電流とは反転した、図2(B)に示す様なものとな
る。そして、この別のケーブルの周囲に発生する磁界を
検知したサーチコイル装置2の検出信号が、図2(B)
に示す様に変化する。本発明は、この様な図2(A)
に表した波形と、図2(B)に表した波形とを判別
する事により、上記別のケーブルに流れる正弦波電流に
拘らず、上記探知すべきケーブルを容易且つ確実に特定
できる様にするものである。
【0034】この為に上記受信器3は、上記サーチコイ
ル装置2が検出した磁界を表す信号の波形中で上記極性
判別用の波形17に対応する部分の極性を判定し、この
極性が上記特定のケーブルの周囲に発生する磁界に見合
う極性の場合にのみ、上記特定のケーブルを探知した旨
の処理を行なう機能を有する。即ち、上記受信器3は、
上記極性判別用の波形17に基づいて発生する磁界が、
特定のケーブルと他のケーブルとの間で正負逆になる事
を利用して、この特定のケーブルの周囲に発生する磁界
に見合う極性の判定を行なう。
【0035】この様な判定機能を有する上記受信器3
は、図3に示す様な構成を有し、上記サーチコイル装置
2から送り込まれる磁界を表す信号の波形を、図2の
〜の様に処理する。この様な受信器3は、ケーブルの
芯線5(図8)を流れる商用電源の正弦波電流周波を含
む1kHz 未満の周波数、並びに20kHz を越える周波数
をカットして、凡そ1〜20kHz の周波数信号のみを通
過させる帯域フィルタ13を備える。そして、この帯域
フィルタ13を通過した信号を、狭帯域フィルタ14と
増幅器19とに送り込む。このうちの狭帯域フィルタ1
4は、上記特定のケーブルを探知する為の正弦波電流の
周波数を中心とした狭い周波数の信号のみを通過させ、
この信号をレベル検出器20を介して、演算処理器(C
PU)21に送り込む。尚、図3中に示した符号「〜
」は、当該部分を送られる信号の波形が、図2の〜
に示した波形である事を表わしている。
【0036】一方、上記増幅器19により増幅され、図
2に示す様に、飽和した波形となった信号は、コンパ
レータ22により、図2に示す様な方形波に波形成形
する。この様な方形波は、正負分離器23によりプラス
成分とマイナス成分とに分離し、このうちのプラス成分
をプラス成分測定器24に、マイナス成分をマイナス成
分測定器25に、それぞれ送り込む。これら両測定器2
4、25のAND回路28a、28bには、それぞれ高
周波発振器26から、例えば100kHz 程度の高周波パ
ルスを送り込む。そして、上記プラス成分測定器24の
カウンタ29aは、上記正負分離器23からプラス成分
が送られてくる間のパルス数を、マイナス成分測定器2
5のカウンタ29bは、上記正負分離器23からマイナ
ス成分が送られてくる間のパルス数を、それぞれカウン
トする。
【0037】上記プラス成分測定器24及びマイナス成
分測定器25が、高周波パルスの数として測定した、上
記方形波のプラス成分及びマイナス成分の長さは、比較
器27により比較する。そして、この比較器27は、プ
ラス成分とマイナス成分との多少を表わす信号を前記演
算処理器21に送る。そして、この演算処理器21は、
プラス成分がマイナス成分よりも多い場合にのみ、前記
レベル検出器20から送り込まれる、前記特定のケーブ
ルを探知する為の正弦波電流の周波数を中心とした狭い
周波数の信号のレベルを、レベル表示器16に表示させ
る。反対に、マイナス成分がプラス成分よりも多い場合
に上記演算処理器21は、上記レベル表示器16に何等
の表示も行なわせない。
【0038】上述の様に構成する本発明のケーブルの探
知装置は、次の様に作用して、探知用の正弦波電流を送
り込んだケーブルのみを確実に検出する。先ず、前記サ
ーチコイル装置2が、探知用の正弦波電流を送り込んだ
ケーブルの周囲に発生した磁界を検出した場合に就い
て、図2(A)〜を参照しつつ説明する。
【0039】探知すべきケーブルの導体に、図2(A)
に示す様な波形を有する、探知用の正弦波電流(図1
に示した正弦波電流と同じ)を送り込み、上記探知すべ
きケーブルの周囲に発生する磁界をサーチコイル装置2
により検知すると、このサーチコイル装置2からは、図
2(A)に示す様な波形を有する検出信号が出され
る。この検出信号を、前記増幅器19により図2(A)
に示す様な飽和波形に変換してから、コンパレータ2
2により図2(A)に示す様な方形波に変換する。そ
して、この方形波のうちのプラス成分を、プラス成分測
定器24のAND回路28aにより処理して図2(A)
に示す様な信号を得、同じくマイナス成分を、マイナ
ス成分測定器25のAND回路28bにより処理して図
2(A)に示す様な信号を得る。
【0040】図2(A)に示したプラス成分に基づく
信号と、図2(A)に示したマイナス成分に基づく信
号とを比較すれば明らかな通り、上記サーチコイル装置
2が、探知用の正弦波電流を送り込んだケーブルの周囲
に発生した磁界を検出した場合には、プラス成分がマイ
ナス成分よりも多い。そこでこの様な場合には、前記比
較器27からの信号に基づいて前記演算処理器21が、
前記レベル検出器20から送り込まれる、前記特定のケ
ーブルを探知する為の正弦波電流の周波数を中心とした
狭い周波数の信号のレベルを、レベル表示器16に表示
させる。作業者は、このレベル表示器16の表示を観察
する事により、探知すべきケーブルを特定できる。
【0041】次に、前記サーチコイル装置2が、探知用
の正弦波電流を送り込んだケーブル以外のケーブルの周
囲に、電磁誘導或は遠端接地からの回り込み電流に基づ
いて発生した磁界を検出した場合に就いて、図2(B)
〜を参照しつつ説明する。電磁誘導或は遠端接地か
らの回り込み電流により探知すべきケーブル以外のケー
ブルの導体に流れる正弦波電流は、図2(B)に示す
様に、上述した探知すべきケーブルの導体に流れる正弦
波電流とは位相が180度異なる(反転した)ものとな
る。
【0042】この様な正弦波電流に基づいて、探知すべ
きケーブル以外のケーブルの周囲に発生する磁界をサー
チコイル装置2により検知すると、このサーチコイル装
置2からは、図2(B)に示す様な波形を有する検出
信号が出される。この検出信号を、前述した探知用の正
弦波電流を送り込んだケーブルの周囲に発生した磁界を
検出した場合と同様の処理をして、図2(B)に示
す様な信号を得る。
【0043】図2(B)に示したプラス成分に基づく
信号と、図2(B)に示したマイナス成分に基づく信
号とを比較すれば明らかな通り、上記サーチコイル装置
2が、探知用の正弦波電流を送り込んだケーブル以外の
ケーブルの周囲に発生した磁界を検出した場合には、マ
イナス成分がプラス成分よりも多い。そこでこの様な場
合には、前記比較器27からの信号に基づいて前記演算
処理器21が、前記レベル検出器20から送り込まれ
る、前記特定のケーブルを探知する為の正弦波電流の周
波数を中心とした狭い周波数の信号のレベルを、レベル
表示器16に表示させない。この為、作業者は、探知用
の正弦波電流を送り込んだケーブル以外のケーブルを、
探知すべきケーブルと間違える事はない。尚、プラス成
分とマイナス成分との割合が逆になる様な、極性判別用
の波形を利用する事もできる。
【0044】次に、図4〜6は、請求項4に対応する、
本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合
には、探知すべきケーブルの導体中に混在させる極性判
別用の波形17aとして、図4に示す様に、正弦波の1
周期分の波形を、波形の高さ方向中間位置(0位置)を
境に反転させる事により得られ、連続する1対の山状
(駱駝の背中状)に変化するものとしている。そして、
図6に示す様な構成を有する受信器3により、上記極性
判別用の波形17aに基づいて発生する磁界が、大きく
変化する位置が、本来の(正常波形の)正弦波電流と電
磁誘導等により生じた(反転波形の)正弦波電流とで異
なる事を利用し、上記探知すべきケーブルの周囲に発生
する磁界に見合う極性の判定を行なう様に構成してい
る。
【0045】上述した第1例と本例とが異なる点は、サ
ーチコイル装置2が検出した磁界が、探知すべきケーブ
ルのものか、その他のケーブルのものかを判定する部分
にある。上記サーチコイル装置2が検出した磁界を表わ
す信号を処理してレベル表示器16に表示する部分の構
成に就いては、上記第1例の場合と同様であるから、同
等部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以
下、本例が上記第1例と異なる部分を中心に説明する。
【0046】帯域フィルタ13を通過し、増幅器19に
より増幅された信号は、コンパレータ22により方形波
に変換してから、エッジ検出器30に送り込む。このエ
ッジ検出器30は、この方形波に存在する複数のエッ
ジ、即ち信号の大きさ(レベル)が急激に変化する点の
うち、特定のエッジの位置を観察して、上記サーチコイ
ル装置2が検出した磁界を表わす信号のレベルを上記レ
ベル表示器16に表示するか否かを判定する為の演算処
理器21に入力する。そして、この演算処理器21は、
上記エッジの位置が、探知すべきケーブルの周囲に発生
する磁界に対応するものである場合にのみ、レベル検出
器20から送り込まれる、ケーブルを探知する為の正弦
波電流の周波数を中心とした狭い周波数の信号のレベル
を、レベル表示器16に表示させる。反対に、上記エッ
ジの位置が、探知すべきケーブルの周囲に発生する磁界
に対応するものでない場合に上記演算処理器21は、上
記レベル表示器16に何等の表示も行なわせない。
【0047】上述の様に構成する本発明のケーブルの探
知装置は、次の様に作用して、探知用の正弦波電流を送
り込んだケーブルのみを確実に検出する。先ず、前記サ
ーチコイル装置2が、探知用の正弦波電流を送り込んだ
ケーブルの周囲に発生した磁界を検出した場合に就い
て、図5(A)〜を参照しつつ説明する。
【0048】探知すべきケーブルの導体に、図5(A)
に示す様な波形を有する、探知用の正弦波電流(図4
に示した正弦波電流と実質的に同じ)を送り込み、上記
探知すべきケーブルの周囲に発生する磁界をサーチコイ
ル装置2により検知すると、このサーチコイル装置2か
らは、図5(A)に示す様な波形を有する検出信号が
出される。この検出信号を、前記増幅器19により図5
(A)に示す様な飽和波形に変換してから、コンパレ
ータ22により図5(A)に示す様な方形波に変換す
る。そして、この方形波に存在する複数のエッジのう
ち、図5(A)(B)の円内のエッジの位置を観察し
て、このエッジの位置を表わす信号を、上記演算処理器
21に送り込む。
【0049】図5(A)の円内のエッジの位置は、上
記探知すべきケーブルの周囲に発生する磁界に対応する
ものである。そこでこの様な場合には、前記エッジ検出
器30からの信号に基づいて前記演算処理器21が、前
記レベル検出器20から送り込まれる、前記特定のケー
ブルを探知する為の正弦波電流の周波数を中心とした狭
い周波数の信号のレベルを、レベル表示器16に表示さ
せる。作業者は、このレベル表示器16の表示を観察す
る事により、探知すべきケーブルを特定できる。
【0050】次に、前記サーチコイル装置2が、探知用
の正弦波電流を送り込んだケーブル以外のケーブルの周
囲に、電磁誘導或は遠端接地からの回り込み電流に基づ
いて発生した磁界を検出した場合に就いて、図5(B)
〜を参照しつつ説明する。電磁誘導或は遠端接地か
らの回り込み電流により探知すべきケーブル以外のケー
ブルの導体に流れる正弦波電流は、図5(B)に示す
様に、上述した探知すべきケーブルの導体に流れる正弦
波電流とは位相が180度異なる(反転した)ものとな
る。
【0051】この様な正弦波電流に基づいて、探知すべ
きケーブル以外のケーブルの周囲に発生する磁界をサー
チコイル装置2により検知すると、このサーチコイル装
置2からは、図5(B)に示す様な波形を有する検出
信号が出される。この検出信号を、前述した探知用の正
弦波電流を送り込んだケーブルの周囲に発生した磁界を
検出した場合と同様の処理をして、図5(B)に示す
様な信号を得る。
【0052】そして、前記エッジ検出器30により、図
5(B)の円内のエッジの位置を観察する。この図5
(B)と前記図5(A)とを比較すれば明らかな通
り、探知すべきケーブル以外のケーブルの周囲に発生す
る磁界に基づく信号を処理した場合に、特定のエッジの
位置がずれる。そこでこの様な場合には、上記エッジ検
出器30からの信号に基づいて前記演算処理器21が、
前記レベル検出器20から送り込まれる、前記特定のケ
ーブルを探知する為の正弦波電流の周波数を中心とした
狭い周波数の信号のレベルを、レベル表示器16に表示
させない。この為、作業者は、探知用の正弦波電流を送
り込んだケーブル以外のケーブルを、探知すべきケーブ
ルと間違える事はない。
【0053】
【発明の効果】本発明のケーブルの探知装置は、以上に
述べた通り構成され作用するので、特定のケーブルを確
実に且つ容易に探知できて、発電所等の改修工事の能率
化に寄与できる。特に、1本のケーブルを探知するのに
2種類の周波数の正弦波電流を使用したり、或は不連続
の正弦波電流を使用する必要がない。この為、必要に応
じて、前述した先発明の様に、一度に複数本のケーブル
の探知を行なう際に、探知用の正弦波電流同士が干渉す
る事を防止できる。又、フィードバック制御により検出
信号の電流値を一定にする事も可能になる。更に、本発
明の場合には、極性判別用の信号の通常波形部分を
「1」とし、波形に対応する信号部分を「0」とする様
に、信号をコード化し、コード化した信号を複数のケー
ブルに時分割で送信する事により、測定時間を更に短縮
する事もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例で、送信器から送
り出される探知用正弦波電流の出力波形を示す線図。
【図2】同第1例で、サーチコイルが検知した磁界を表
す信号を受信器内の処理回路が処理する過程での波形を
示す線図。
【図3】同第1例を構成する受信器のブロック図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例で、送信器から送
り出される探知用正弦波電流の出力波形を示す線図。
【図5】同第2例で、サーチコイルが検知した磁界を表
す信号を受信器内の処理回路が処理する過程での波形を
示す線図。
【図6】同第2例を構成する受信器のブロック図。
【図7】ケーブルの探知方法を選択する手順を示すフロ
ーチャート。
【図8】先発明のケーブルの探知装置の実施の形態の1
例を示すブロック図。
【図9】同じく送信器のブロック図。
【図10】同じくサーチコイル装置の正面図。
【図11】同じく受信器のブロック図。
【符号の説明】
1 送信器 2 サーチコイル装置 3 受信器 4a、4b、4c、4d ケーブル 5 芯線 6 シールド線 7a、7b 端子 8 検出トランス 9 電流設定器 10 バーアンテナ式サーチコイル 11 クランプ式サーチコイル 12 コイル部 13 帯域フィルタ 14 狭帯域フィルタ 15 増幅器 16 レベル表示器 17、17a 極性判別用の波形 18 境界部 19 増幅器 20 レベル検出器 21 演算処理器 22 コンパレータ 23 正負分離器 24 プラス成分測定器 25 マイナス成分測定器 26 高周波発振器 27 比較器 28a、28b AND回路 29a、29b カウンタ 30 エッジ検出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近接した状態で配設された複数本のケー
    ブルのうちから特定のケーブルの中間部を探知する為、
    この特定のケーブルを構成する導体に探知用の正弦波電
    流を流し、この特定のケーブルの周囲に発生する磁界を
    測定する事により、この特定のケーブルの中間部を探知
    するケーブルの探知方法に於いて、上記正弦波電流の特
    定周期中に、他の周期と異なる波形を有する極性判別用
    の波形を混在させると共に、この極性判別用の波形に基
    づいて、上記特定のケーブルの周囲に発生した磁界と、
    電磁誘導若しくは遠端接地による回り込み電流に基づい
    てこの特定のケーブル以外のケーブルの周囲に発生した
    磁界とを識別し、この特定のケーブルの探知の信頼性を
    向上させるケーブルの探知方法。
  2. 【請求項2】 探知すべき特定のケーブルを構成する導
    体に探知用電流を送り込む為の送信器と、この探知用電
    流の送り込みに伴って上記特定のケーブルの周囲に発生
    する磁界を検出する為のサーチコイル装置と、このサー
    チコイル装置が検知した磁界を表す信号を入力して処理
    する受信器とを備え、上記送信器は、特定周期中に他の
    周期と異なる波形を有する極性判別用の波形を混在させ
    た正弦波電流を上記導体に送り込み自在であり、上記受
    信器は、上記サーチコイル装置が検知した磁界を表す信
    号の波形の性状を判定し、この性状が上記特定のケーブ
    ルの周囲に発生する磁界に見合う性状の場合にのみ、上
    記特定のケーブルを探知した旨の処理を行なう機能を有
    するものであるケーブルの探知装置。
  3. 【請求項3】 極性判別用の波形が、正弦波の1周期分
    の波形を、波形の頂部若しくは谷部を境に反転させる事
    により得られ、急激に変化する境界部を除き、上記1周
    期分のほぼ全範囲に亙り同一方向に変化するものであ
    り、受信器は、上記極性判別用の波形に基づいて発生す
    る磁界が、特定のケーブルと他のケーブルとの間で正負
    逆になる事を利用して、この特定のケーブルの周囲に発
    生する磁界に見合う極性の判定を行なう、請求項2に記
    載したケーブルの探知装置。
  4. 【請求項4】 極性判別用の波形が、正弦波の1周期分
    の波形を、波形の高さ方向中間位置を境に反転させる事
    により得られ、連続する1対の山状に変化するものであ
    り、受信器は、上記極性判別用の波形に基づいて発生す
    る磁界が大きく変化する位置が異なる事を利用して、上
    記特定のケーブルの周囲に発生する磁界に見合う極性の
    判定を行なう、請求項2に記載したケーブルの探知装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011127985A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd ケーブル探査方法及びケーブル探査装置
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EP2778695A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-17 BAE Systems PLC Assessment of electromagnetic screening
CN112213583A (zh) * 2020-09-29 2021-01-12 广东电网有限责任公司广州供电局 一种检测电缆信号的y型接收器

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