JP3769644B2 - グループ学習教材編成方法及びシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グループ学習教材編成方法及びシステムに係り、教育や研修を企画する機関において、グループ学習教材を作成するシステム、コンピュータのソフトウェアに附属するオンラインヘルプやチュートリアルを作成するシステム、及びネットワーク型のハイパーメディアを通じてその素材を利用しながらグループ学習を進めるシステムに関し、特に、利用者の共同作業によってグループ学習教材の作成・利用・議論・改訂を繰り返すことで、対象となるテーマについての学習を行いながら、教材を改良していくグループ学習教材編成方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータを利用して教科書や研修テキストを著すためのシステムとして、ワードプロセッサ等の文書処理システムやマルチメディア編集システムが知られている。また、ソフトウェアのオンラインヘルプを記述するシステムとして、ハイパーメディア型の編集システムが利用されている。
【0003】
これらのシステムでは、コンピュータ端末からの入力操作によって、教示内容について専門知識を有する専門家が学習カリキュラムを考慮し、章立てを設計し、各章各節の内容を執筆し、編集作業を行うことで、教科書や研修テキストを作成する。
【0004】
そうして出来上がった教科書や研修テキストを利用する時は、印刷された書籍として読んで理解する他に、ハイパーメディア表示システムによって閲覧して理解することで、利用者は電子メディアを通じて学習を進めることが可能になっている。
【0005】
また、一方で、コンピュータによる学習支援の技術として、個々の学習者の習熟度や条件に応じた教示を行う知的CAIシステムが知られている。そこでは主に独学を支援する立場から、例えば、ハイパーメディア型に表現された教材が、個々の学習者の状況に応じて表示内容を動的に変更する機能を有したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の編集システムを用いて教科書を作成し、利用するシステムには、次のような問題点がある。
(1)知識やスキルの異なる多様な学習者のあらゆる状況を考慮に入れて、教材を網羅的に設計し著すことは、その対象分野の専門家であっても容易な作業ではない。
【0007】
(2) 近年のコンピュータ技術研修など内容の更新サイクルが急速な学習対象について、迅速に教材を提供することが困難である。
(3) ハイパーメディアの閲覧条件は、多種多様な情報に自由にアクセスできる反面、冗長な経路を辿ったり、自分の現在位置や当初の目的を見失いやすく、目的意識と集中力を持って望むための学習教材としては好ましくない。
【0008】
(4) 独学を基本とする学習方法も、他人から教わる、他人へ教える、他人の上手な学習方法(ノート、メモの書き方など)を真似する、他人から良い刺激を受けるといった学習者間の相互作用を利用する方が、より迅速で深い理解が得られることが多い。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、共通の学習対象をもつ複数の学習者の協調的な振る舞いから得られるデータを基本とし、選考する学習者の学習履歴を記録し、後進の学習者に対し目的状態(ある対象の理解)へ至る手順を表示する機能を持ったグループ学習教材を自動的に編集し、そのようにして編成された教材を他の学習者が共有、利用しながら、学習対象について仲間同士で議論し、教え合うことで、学習者間の相互作用を活性化し、しかも自分や他人のノート/メモを取込みながら、教材自体を容易に改訂することが可能なグループ学習教材編成方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の原理を説明するための図である。
本発明は、利用者の共同作業によってグループ学習を繰り返すことで、学習対象となる教材を改良していくグループ学習教材編成方法であって、
双方向データ伝送ネットワーク上に相互接続された不特定多数の教材関連情報発信装置、サーバ、複数の学習者端末が存在するシステムにおいて、
学習者端末は、
教材関連情報発信装置から提供される、一意に特定されるアドレス情報によって参照できる情報である教材関連情報を閲覧して学習する学習行為により得られる学習者の閲覧目的を含む学習履歴を、個人学習データ管理手段に記録し(ステップ1)
サーバは、
学習者端末から学習履歴を取得し、教材関連情報を閲覧目的毎に分類し、整列した学習進路情報を含むグループ学習教材を、グループ教材データ管理手段に格納し(ステップ2)、
学習者端末は、
編集されたグループ学習教材をサーバから呼び出して、学習進路情報を学習者に対して表示する(ステップ3)という上記の処理を繰り返す。
【0011】
また、本発明は、学習者端末において、
学習対象に関連する教材関連情報の検索を行うことにより閲覧し、その閲覧履歴を個人学習データ管理手段に記録し、
学習対象に関連する教材関連情報の提供元を示すアドレス情報を加えて、学習者が閲覧した目的、その閲覧行為が意図する学習活動としての上位の目的、閲覧した効果、及びキーワードを簡易な操作により入力可能とし、
サーバは、
学習者データ管理手段に格納されている学習活動の履歴を閲覧目的毎に、閲覧時刻順にソートし、
複数の学習者端末から得られた全ての学習活動情報を一元的に収集し、学習目的の上位−下位関係に従って、階層的に構造化し学習進路情報を編成し、学習者端末に送信し、
学習者の学習者端末は、学習進路情報を表示する。
【0012】
また、本発明は、学習者の学習者端末において、
学習者が自らの知識を整理・作成したノート情報を自らの学習対象に関連する教材関連情報として他の学習者端末に発信し、
ノート情報が含まれる教材関連情報を受信した学習者端末において、
ノート情報が含まれる教材関連情報を表示し、該ノート情報を含むグループ学習教材を編集し、該ノート情報を双方向データ伝送ネットワークを介して発信する。
また、本発明は、学習者端末において、学習進路情報を共有し、
学習グループの学習者端末は、
学習者に対して、選択・利用されている学習進路情報を、該学習進路情報の階層的な構造に従って、視覚的なコースマップ情報として表示し、
表示されている学習コースマップ情報と同一の学習進路を選択・利用している他の学習者の情報を表示する。
【0019】
図2は、本発明の原理構成図である。
本発明は、双方向データ伝送ネットワーク上に相互接続された複数のコンピュータと、分散配置されたネットワーク型のハイパーメディアと、学習対象に関連する教材関連情報と、電子コミュニケーションメディアを用いてグループ学習教材を編成するグループ学習教材編成システムであって、
学習対象に関連する教材関連情報を検索しながら、連鎖的に繰り返し閲覧する閲覧手段10と、
先行する学習者が自らの知識を整理・作成したノート情報を自ら学習対象に関連する教材関連情報として発信する教材関連情報発信手段30と、
先行する学習者による情報のうち、閲覧目的、上位の目的、閲覧効果、難易度、参照頻度、質問・回答リスト情報の少なくとも何れかの情報を表示する表示手段80と
教材関連情報の提供元を示すアドレス情報に加えて、閲覧した目的、その閲覧行為が意図する学習活動としての上位の目的、閲覧した効果、及びキーワードを簡易な操作により入力可能とし、閲覧した時刻を自動的に記録する閲覧記録手段20と、
を有する学習者端末200と、
学習者端末200の情報発信手段を繰り返した学習活動の履歴を自動的に取得し、記録する履歴記憶手段40と、
学習活動の履歴を閲覧目的、上位の目的、閲覧時刻順に整列する記録整列手段50と、
記録整列手段50で整列させた情報について、上位の目的に示された閲覧目的間の親子関係に従って、学習目的別の関係を階層的に構造化し、学習進路情報を編成する学習進路情報編成手段60と、
学習進路編成手段60により編成されたグループ教材を後に利用する後進学習者に対して複数の先行学習者によって残された学習活動の全ての目的情報と、それぞれの学習対象について学習の進行順序情報と学習の進行順序に従って閲覧される教材関連情報と、先行学習者が作成・発信したノート情報を記録する先行学習者情報記録手段70と、を有するサーバ100と、から構成される。
【0020】
また、本発明は、学習者端末200において、
サーバ100にアクセスすることにより、学習進路情報編成手段60により編成された学習進路情報を、複数の学習者から構成される学習グループの学習者端末200にて共有する共有手段と、
学習進路を構成する個々の教材関連情報を参照して、学習を進めるために、学習進路情報を選択・利用して、学習進路情報の一覧を閲覧可能とする学習進路情報表示手段と、
学習者に対して、選択・利用されている学習進路情報を、該学習進路情報の階層的な構造に従って、視覚的な学習コースマップ情報として表示する学習コースマップ情報表示手段と、
学習コースマップ情報表示手段において、表示されている学習コースマップ情報と同一の学習進路を選択・利用している他の学習者の情報を表示する他学習者情報表示手段を更に有する。
【0021】
また、上記の学習コースマップ情報表示手段は、
先行学習者による閲覧効果に従って、教材関連情報の価値を色分け表示する色分け表示手段と、
頻繁に利用される学習コースの線の太さを他と区別できるように変化をつけて表示する頻度別表示手段と、を含む。
【0022】
また、本発明は、学習者端末200において、
学習グループを構成するそれぞれの学習者端末が、他のメンバの学習状況を参照する他メンバ情報参照手段と、
現在学習している関連教材情報について、他の学習者端末に質問を発行する質問発行手段と、
質問発行手段により発行された質問に対して、既に学習済の教材関連情報について、回答を行う回答手段と、
共有手段で共有している学習進路情報に関して、学習グループの学習者端末間で質問・回答についての意見・議論の通信を繰り返す意見交換通信手段と、
関心のない話題や議論についてコミュニケーション情報の配信の停止/再開の指示を許容する停止/再開指示手段と、を更に有し、
サーバは、
質問、回答、意見、議論のコミュニケーション情報を、学習グループ中の適切なメンバのみに絞り込んで配送するコミュニケーション情報配送手段を更に有する。
【0023】
また、本発明は、サーバにおいて、
当初から議論に参加せず、将来において、ある話題に興味を持った学習メンバから教材関連情報にアクセスされた時点で、該学習メンバの学習者端末に過去に行われた質問・回答・意見・議論の情報を配信する手段を更に有する。
また、本発明は、学習者端末において、
他の学習者との質問・回答・意見交換・議論を行うための情報送信、情報受信を行い、学習する、教える、教わるという各状況における通信を行う通信契機設定手段を更に有する。
【0024】
また、本発明は、学習者端末において、学習グループの学習者間で交わされた質問・回答・意見・議論が全て対象となる学習進路情報に連結する付随情報として保持する付随情報保持手段と、
付随情報保持手段に保持されている付随情報を教材関連情報として、拡張する教材関連情報拡張手段を、更に有する。
【0025】
また、本発明は、意見交換通信手段において、共有で利用している学習進路情報自体を改訂するための編集手段を、更に有する。
また、上記の編集手段は、学習進路情報を改訂・編集する権限について許可・不許可を指定する許可指定手段を、更に有する。
【0026】
また、本発明は、上記の編集手段により編集された学習進路情報を学習グループの全学習者端末に配送する改訂済情報送信手段を、更に有する。
【0027】
このように、本発明では、ネットワーク接続された複数のコンピュータと、その上に分散配置されたネットワーク型のハイパーメディア(WWW:World Wide Web)と、素材としてのWWW上に表現された学習対象に関連する断片的情報と、電子メール等の電子コミュニケーションメディアを用いて、グループ学習教材編成システムを構築する。
【0028】
また、各々の学習メンバは、このグループ学習教材編集システムを用いて、共通の学習対象の一部を理解するまでの過程について学習履歴を残す先行学習者という役割と、先行学習者が残した学習履歴を再利用する後進学習者という役割を学習対象の部分毎に相互に演じ、また、利用している教材に対して質問する、回答する、議論する、教える、教わる行為を繰り返し、協調的にグループ学習を進める。
【0029】
即ち、この発明は、WWW上に断片的に散在する関連情報に対する先行学習者たちの学習行為(WWW上の関連情報閲覧の繰り返し)を自動的に抽出・記録し、WWW上の関連情報のインデックス(URL)と閲覧した目的/意図/効果を入力・記録し、自作のノート/メモ/レジュメをWWW上に登録する行為を当該先行学習者が対象とする内容を習得するまで繰り返し、その結果について目的・意図別にURLとその内容を整理したものを、更に複数人の学習テーマについて収集し、合成・体系化することで、グループ学習教材を自動的に編成することが可能となる。
【0030】
それによって編集されたグループ学習教材を利用する学習者は、複数の先行学習者による学習の大まかな方向付けを与えた全体的な学習進路情報、個々の学習のテーマについてのカリキュラムを示した目的別インデックス、学習テーマのコンテンツ(WWWホームページ、自作のノート、メモ、レジュメ)、学習テーマのコンテンツに対する付加情報(ID/アドレス/目的/意図/効果/難易度/参照頻度/案内人/質問・回答リスト/バージョン)という情報を読み取ることができる。
【0031】
また、任意のユーザがグループ学習教材を利用する学習グループのメンバに参画・離脱する機会を与え、当該学習グループメンバ全員で当該グループ学習教材をリアルタイムで共有する。
さらに、学習グループメンバ全員に対して、全体的な学習進路情報を参照する、希望する学習トピックと目的の検索を行う、各トピックに相当するページを参照し、学習を進める、他のメンバの学習状況を参照する、各トピックについて他のメンバへ質問を行ったり、他のメンバからの質問に答える、他のメンバの質問・回答について意見し、議論を行う、学習する/教える/教わる行為を繰り返す機会を与え、学習の過程で交わされた質問・回答・意見・議論は全て当該教材に付随するハイパーメディア情報として記録に残し、質問・回答・議論の情報は、常にメンバー全員へ配送されるのではなく、システムが自動的に適切なメンバに絞り込んで配送することが可能となる。
【0032】
また、学習の過程において、グループのメンバがグループ学習教材を改訂するための編集機能を提供し、その際に編集する権限を有するメンバを指定することができ、改訂された情報は即時にメンバ全員で共有することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明のグループ学習教材編成システムの概念図である。
同図において、当該グループ学習教材編成システムは、複数の学習者の共同活動に利用されるものである。
【0034】
学習者は、グループ教材サービス利用装置200を具備したグループ教材利用端末を一人一台ずつ利用し、それらのグループ教材サービス利用装置200は、インターネット等の双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300に接続することで、グループ教材サービス提供装置100を具備したグループ教材管理コンピュータ装置との間で双方向にディジタル信号のやりとりを行っている。
【0035】
つまり、本発明のシステムは、グループ教材サービス提供装置100を一つ存在するのに対し、グループ教材サービス利用装置(端末)200の数はシステムが稼働している最中にも増減することを許す。
同図に示すグループ学習教材編成システムは、双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300に、サーバであるグループ教材サービス提供装置100、クライアントであるグループ教材サービス利用装置200、教材関連情報発信部400が接続されている。
【0036】
グループ教材サービス提供装置100は、先行学習履歴受信部101、学習進路合成・体系化部102、学習進路編集部103、グループ学習教材共有部104、質問・回答・議論情報体系化部105、学習者コミュニケーション制御部106、学習者情報送受信部107、グループ教材サービス情報通信部110、グループ教材データ管理部120、学習者データ管理部130から構成され、グループ教材データ管理部120は、学習進路グローバルテーブル121、学習進路詳細情報122、質問・回答・議論・ログ詳細情報123を管理する。また、学習者データ管理部130は、学習者テーブル131、学習者教材履修情報132、学習グループ一時ファイル133から構成される。
【0037】
グループ教材サービス利用装置200は、関連情報検索・閲覧部201、学習履歴取得部202、付加情報入力・編集部203、学習進路表示操作部204、学習者間コミュニケーション部205、学習者情報取得部206、自作ノート編集部207、自作ノート情報発信部208、グループ教材ユーザ情報通信部210、個人学習データ管理部220を有する。個人学習データ管理部220は、個人情報221、先行学習履歴一時ファイル222、コミュニケーション情報223、自作ノート・メモ224、学習進行状況225を管理する。
【0038】
教材関連情報発信部400は、関連情報発信部401、教材関連情報通信部410及び、関連情報データ管理部420を有する。関連情報データ管理部420は、関連情報421を管理する。
【0039】
【実施例】
以下、図面と共に本発明の実施例を詳細に説明する。
グループ教材サービス利用装置200において、関連情報検索・閲覧部201は、インターネット上のWWWブラウザのように、双方向ディジタルデータ伝送部ネットワークに接続された世界中のコンピュータに向け(不特定多数の関連情報発信者1〜∞によって)発信された関連情報を簡単なコンピュータ操作によって、簡単に検索し、表示・閲覧する部分である。
【0040】
学習グループを形成するメンバ(学習者1〜学習者n,n>1)は、関連情報検索・閲覧部201が表示する画面インターフェースの簡単な操作によって、インターネット接続された世界中のコンピュータから発信される情報を閲覧、参照することで理解を深めながら学習を進めることができる。
【0041】
学習履歴取得部202は、学習グループのメンバがそれぞれ興味をもつ学習テーマについて先行学習者として学習を行う時に、関連情報検索・閲覧部201を操作して参照した関連情報へのアドレスとその参照順序を自動的に記録する。
関連情報へのアドレスとは、WWWにおけるURLのようにインターネット接続された世界中のコンピュータのネットワークアドレスと、そのコンピュータ上に格納されているディレクトリ・ファイルによって参照する関連情報を一意に特定するものである。
【0042】
教材関連情報発信部400は、インターネット接続された世界中のコンピュータ上に存在し、世界中の情報発信者によって任意の情報が発信できるものであり、特に、教材関連情報通信部410と関連情報発信部401、関連情報データ管理部420及び当該管理部420中の関連情報421として教材に関係するマルチメディア情報(文字列、音声、画像、映像、及びプログラム)から構成される。
【0043】
教材関連情報発信部400から発信される関連情報421は、HTML言語等のように予め定められた言語使用と文法に則した形式で書かれており、WWWにおけるURLのように一意に特定されるアドレス情報によって関連情報検索・閲覧部201から参照、解釈、表示される。
【0044】
学習履歴取得部202は、グループ教材サービス利用装置200から双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300への関連情報リクエストが送出される前段に位置するグループ教材ユーザ情報通信部210において、先行学習者の操作によって、関連情報検索・閲覧部201から発せられる関連情報へのアドレスを自動的にコピーし、先行学習履歴一時ファイル222の一つとしてその先行学習者の学習対象別に個人学習データ管理部220へ記録する。
【0045】
例えば、学習テーマTについて先行学習者Pが閲覧した関連情報へのアドレス情報がその参照時刻(先行学習者Pの使用するコンピュータの内蔵時計によるローカルクロック時)と共に、当該学習対象について学習を開始した時点から、学習対象を習得した時点まで、時系列に自動的に一つのファイルFTPへ記録される。図4は、本発明の学習目的Zを達成するために先行学習者が残した学習進路情報の例を示す。同図は、ある先行学習者1が記録に残した学習進路情報のヘッダ情報部(A)とボディ部(B)から構成され、ヘッダ情報部(A)とボディ部(B)は、学習進路詳細情報122に格納され、ボディ部(B)は、先行学習履歴一時ファイル222に格納されている。
【0046】
同図(B)の情報アドレス欄とタイムスタンプ欄は、この時点で値が設定される。異なる学習対象、若しくは、異なる先行学習者による学習行為は、先行学習履歴一次ファイル222の別のファイルへ記録される。
これにより、先行学習者は自らの情報参照の経歴、つまり、学習行為を意識的に記録する作業が不要となる。
【0047】
付加情報入力・編集部203は、先行学習者から自らの学習行為を振り返り、先行学習履歴一時ファイル222、学習履歴取得部202で取得された学習履歴、即ち、閲覧した関連情報アドレスの部分系列に対して、明示的な目的/意図/効果を付加し、その順序で関連情報を閲覧した解釈を与えることを可能にする。
【0048】
図4に示す内容は、付加情報入力・編集部203において、付加される先行学習者の学習テーマ関連情報の閲覧順序及びそれに対する付加情報の項目とデータの例であり、例えば、学習者1が学習目的Zを達成するため(ある学習対象Zを習得するため)に残した学習進路の足跡であり、一単位の関連情報につき、「情報ID」「情報アドレス」「閲覧目的」「上位目的」「閲覧効果」「キーワード」「タイムスタンプ」等の付随する情報を保持する。
【0049】
例えば、図4(B)のボディ部において、「情報ID」は当該先行学習者(例では、学習者1)が関連情報を閲覧した順番に従って割当てられる識別子情報であり、例えば図4中では、“関連情報+自然数”という文字列で表記している。
また、図4(B)のボディ部において、「情報アドレス」はインターネット上のWWWにおけるURLのようにネットワーク接続された世界中のコンピュータを一意に特定し、そこから発信されている情報のディレクトリ・ファイルを特定するアドレス情報である。「異なる情報IDを持ちながら同一の情報アドレスを有する関連情報」も存在し得る。これは、情報の内容毎にIDを与えるのではなく、閲覧した情報系列(コンテキスト)の中でその関連情報の位置付けで区別しているためである。
【0050】
さらに、図4(B)のボディ部において、「閲覧目的」は当該先行学習者がその情報を参照した学習目的を示す文字列情報であり、「上位目的」は、複数の学習目的間の親子関係、つまり「全体−部分」の構造関係を明示するための情報で、その関連情報の「閲覧目的」の上位目的を指す情報である。
【0051】
そして、図4(B)のボディ部において、「閲覧効果」はその情報を参照して「閲覧目的が達成されたか」「満足のいく情報か」などを評価するための(例えば、「優」「良」「可」「不可」等の段階的な)情報であり、「キーワード」は将来の検索キーとして学習テーマに関連してその情報アドレスを参照して得られる情報の要点を簡潔に特徴付ける文字列情報であり、「タイムスタンプ」は情報アドレスと共に自動的に取得されたその情報アドレスの参照時刻(先行学習者の使用するコンピュータの内蔵設計によるローカルクロック時)である。
【0052】
なお、「閲覧効果」と「キーワード」情報については、必須入力項目ではなく、任意の時刻で先行学習者が入力できる。
それと同時に図4(B)は、先行学習履歴一時ファイル222中の一時的な学習進行状況ファイルとして記録された学習テーマ関連情報の閲覧順序を読み込み、表形式で示した付加情報入力・編集部203のコンピュータ操作画面インタフェースであり、表形式のデータ編集機能を有し、表中の各項目間でデータの移動、削除、追加、変更を行うことができる。
【0053】
また、閲覧目的の入力方法は、新規に閲覧目的を入力するか、それまでに入力された既存の閲覧目的の一覧をメニュー形式で提示し、選択できる。新規の入力の場合、閲覧目的の一覧リストに追加されて、以降、簡単な選択操作だけで入力することが可能となる。
【0054】
同様の方式で、上位目的を指定することが可能であるが、通常、閲覧目的とその上位目的は、1対1で対応しているので、一度閲覧目的と上位目的の対応を指定すれば、以降は対応を登録済の閲覧目的については自動的に上位目的が入力される。
【0055】
また、先行学習者は、関連情報−閲覧目的−上位目的間の関係を任意の時点で編集操作によって定義しなおすことが可能である。
このように、先行学習者は自らの学習行為を後進学習者に公開する前に学習対象の理解に至った過程に合理的な解釈を与えるべく、付加情報入力・編集部203の機能を用いて、後進学習者に有益な「閲覧目的」「閲覧効果」の情報を与えると同時に、冗長な閲覧情報や、閲覧意図が不明な関連情報を削除し、編集を行うことが可能である。
【0056】
付加情報入力・編集部203は、先行学習者の余計な操作や作業を軽減し、先行学習者が自らの学友及び進路開拓に集中して臨める操作環境を提供すると同時に、後進学習者にとって有益な情報を先行学習者から効率よく引き出すことに貢献する。
【0057】
図4(B)に示すボディ部の編集結果は、先行学習履歴一時ファイル222の学習情報進行状況に一時的に記録されるが、当該先行学習者の公開許可指示に基づき、付加情報入力・編集部203で提供する「グループ教材サービス提供装置100への登録」操作によって、グループ教材ユーザ情報通信部210、双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300を経由して、グループ教材サービス提供装置100へ送信され、先行学習履歴受信部101によって受信される。
【0058】
先行学習者が登録して公開した学習履歴情報は、グループ教材サービス提供装置100へ送られ、先行学習履歴受信部101によって受信された後、学習進路合成・体系化部102で学習進路情報として、体系化され、グループ教材データ管理部120に学習進路詳細情報122の一つの要素として記録され、その進路ID情報を与えられ学習進路グローバルテーブル121に新規登録される。
【0059】
その段階で図4(B)に示すボディ部の学習履歴情報には、図4(A)に示すヘッダ部にある進路IDと作成学習者IDと学習対象が与えられる。同図の例では、進路ID=進路1、作成学習者ID=学習者1、学習対象=「Zを習得すること」である。
【0060】
学習進路合成・体系化部102では、学習履歴情報中の「閲覧目的」毎に各閲覧情報を分類することで、学習目的を同一にする関連情報の系列を抽出し、それぞれの系列の中では、タイムスタンプによって得られる閲覧順序に従って時間的に古い順に関連情報を整列し、「上位目的」に示された「閲覧目的」間の親子関係(部分−全体関係)に従って、学習目的別系列の関係を木構造として構成する。この木構造が図5に示されるような「学習進路情報」であり、学習進路表示操作部203において、後進学習者に対して先行学習者が達成した学習目的に至る関連情報の地図「学習コースマップ」を表現するための情報になる。同図に示す学習コースマップは、図4に示す学習進路情報からその木構造を視覚的に表現した学習コースマップであり、学習進路合成・体系化部102及び学習進路編集部103によって生成され、クライアント200の付加情報入力・編集部203によって表示される。
【0061】
図6は、本発明の学習進路グローバルテーブルの詳細なデータ項目を示したものである。同図に示す学習進路グローバルテーブル121は、グループ教材データ管理部120で全ての学習進路をリストとして集中的に保持している。これは、複数の先行学習者によって登録された学習進路情報のボディ部(図4(B))をリスト形式に登録したものであり、付随する情報として、その進路が有する関連情報ノードの総数である。「閲覧情報総数」と、登録した時刻「タイムスタンプ」が自動的に記録される。また、その後の学習グループによる利用に応じて任意の学習者から参照された回数を「利用者累積総数」として保持している。
【0062】
閲覧情報総数は、その学習進路を履修し、習得する際の大まかな課程の規模を、また利用者累積総数は、その学習進路が他の学習者にとって頻繁に参照されるほど「品質の高い」「人気のある」学習進路であるとの判断材料を学習者に与える。
【0063】
グループ教材データ管理部120において、学習進路グローバルテーブル1221では、全ての先行学習者が残した学習進路詳細情報のリストのエントリポイントが登録されているので、「学習対象」や「先行学習者」をキーとして、所望の学習進路情報の検索などデータベース操作が可能となる。
【0064】
学習進路情報は、登録されても変更・削除などの編集操作が一切不可能になるわけではなく、先行学習者による学習進路情報の生成段階の後、当該情報を題材とした学習グループ(後進学習者だけでなく、先行学習者を含む場合もある)による協調的な学習活動において、改訂を繰り返しながら積極的に活用される。
【0065】
学習進路編集部103は、学習進路合成・体系化部102で自動生成された後、学習グループのメンバーによる協調的な学習活動における学習進路情報の編集機能を提供する。
このように、学習進路情報は、グループ学習教材として用いられる段階で頻繁に編集される可能性がある。従って、複数の学習メンバが同時に同じ学習進路情報を参照している時に、編集操作のタイミングによって違う情報がそれぞれに送信されないような仕掛けが必要となる。
【0066】
グループ教材データ管理部120は、格納している学習進路詳細情報122への編集操作について、複数の学習者が同時に操作した場合には一人の学習者の操作を反映させるロック機構によって排他制御を行うことで、学習グループのメンバに同一の状態で整合性を維持する機能を有する。
【0067】
なお、学習進路編集部103は、学習進路詳細情報122と学習者データ管理部130における学習グループ一時ファイルの情報と照合し、当該学習進路詳細情報に編集操作を行える権利を有する学習者を検索することで、編集操作を許可/不許可を制御する機能を有する。
【0068】
グループ教材の利用にあたって、学習グループの学習者1〜学習者nまでの学習者全てが同時に一つの学習進路詳細情報を参照する必要はなく、それぞれ異なる時間帯に異なる学習進路詳細情報を参照していることが有り得る。つまり本発明は、学習者に任意の学習ベースを許可している。
【0069】
学習進路表示操作部204は、グループ学習教材共有部104経由でグループ教材データ管理部120における学習進路グローバルテーブル121を取得し、学習進路の全リストを学習者に提示することで、個々の学習者に希望する学習進路を選択させ、選ばれた学習進路詳細情報がグループ学習教材共有部104により、学習進路表示操作部204に届けられる。
【0070】
グループ学習教材共有部104からグループ教材サービス情報通信部110と双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300を経由して送信された教材進路詳細情報は、グループ教材ユーザ情報通信部210を経由して学習進路表示操作部204まで届き、そこで学習者にとって視覚的に認識し易い「学習コースマップ」として表示される。
【0071】
図5は、その例を示したものである。この学習コースマップとは、学習進路情報の基本データである学習履歴情報をその木構造に忠実に従って視覚的に表現したものである。
学習進路情報における木構造とは、学習履歴情報に含まれる関連情報とその属性情報を一つの基本単位をノードとし、複数のノードの間の親子関係をリンクとするものであり、その親子関係は、ノードの属性情報である閲覧目的の親子(部分−全体)関係によって決定する。
【0072】
学習コースマップには、情報アドレス、キーワード、タイムスタンプなどの一部の付随情報は、直接明示されないが、ノードの上にマウスポインタを重ねる、クリックするなどのアクションに応じて、それらの付随情報を明示するサブウィンドウが生成されて間接的に情報を表示できる。
【0073】
また、そのノードの表示色を動的に区別する(例えば、優=赤、良=橙、可=黄、不可=灰色等)ことで、その関連情報の閲覧効果を示すことが可能になる。同様にリンクの太さや表示色を動的に変化させることにってその関連情報の系列(コースの一部)の利用頻度、評価を反映することも可能である。
【0074】
さらに、もっとも最近に学習コースマップ上のあるノードの横にアイコンとして表示される。ノードと同様に、そのアイコンにマウスカーソルを重ねるかクリックすることで、その学習者の詳細な情報が表示される。
他の学習者のアイコンは、各学習者が新たなノードに移動するアクションに応じて、当該学習者情報取得部206から学習者情報送受信部107を介して、グループ教材サービス提供装置100へアップロードされた後、同じ学習進路を参照している学習者へ学習者情報送受信部107から配信され、学習者情報取得部206で受信された後、学習進路表示操作部204へ転送されて表示が更新される。
【0075】
グループ教材を利用する学習者は、学習進路表示操作部204によって表示された「学習コースマップ」によって、自分がこれからどういう道程で学習目的に至るかの概観を一望できる。このように、「学習コースマップ」は、表示形態において、部分的なビューや表示モードの切替操作を行うことなく、一度に学習コースの全体像を見渡すことが可能である。
【0076】
学習者はまた、学習進路表示操作部204によって表示された「学習コースマッップ」上の関連情報ノードに対して、マウス等のポインティング装置を使ったクリック操作だけで、自動的にそのノードが有する関連情報のアドレスを関連情報検索・閲覧部201へ渡し、対応する関連情報を閲覧することができる。
【0077】
このように、先行学習者によってつくられた学習進路情報から、それを利用する後進学習者は、簡単なマウス操作だけで、先行学習者の行った関連情報の閲覧行為を再現することが可能になる。
双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300を利用して、得られる世界中の不特定多数の関連情報発信者からの情報だけでは十分な学習情報が得られなかった、もしくは、満足ゆく整理ができなかった場合に、先行学習者は、自作ノート編集部207によってみずからの学習内容を整理する自作のノート/メモ/レジュメを作成し、編集することができる。
【0078】
この自作のノート情報は、WWWにおけるHTML言語のように、関連情報発信者や教材進路詳細情報と同様な予め定められた文法に則して生成される。
ノートの情報には、文字列情報に限らず、図、写真、音声、映像などの様々な情報メディアを組み込んだ編集作業が可能である。
【0079】
自作ノート編集部207は、当該先行学習者が利用するグループ教材サービス利用装置200中の個人学習データ管理部220へ、自作ノート・メモ224として記録すると同時に、先行学習者の判断に基づき、学習履歴取得部202にそのアドレス情報を渡すことで、自作ノートも関連情報の一つとして学習履歴に組み込むことが可能となる。
【0080】
自作ノート情報発信部208は、HTML形式などの標準言語仕様に基づいて記述された自作ノート・メモ224を個人データ管理部220から取得して、グループ教材ユーザ情報通信部210、双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部300を経由して、世界に向けて情報発信を行う。
【0081】
先行学習者に限らず、グループ教材データ管理部120中に既存するグループ教材を利用する後進学習者も、自らの知識の整理のために自作ノート編集部207を利用して、ノート/メモ/レジュメを作成し、編集することができる。
後進学習者の自作ノート情報を新たに既存の学習進路詳細情報に追加するかについては、その学習進路を作成した先行学習者や当該学習グループの他のメンバとコミュニケーションを行い、同意を得ることで編集権利を獲得するなどの手続きが必要となる。
【0082】
あるいは、学習者間のコミュニケーションを行う過程で質問・回答・議論情報体系化部105へ自作のノートを学習仲間に送信することで新たに教材に情報提供することが可能である(詳細は後述する)。
個人学習データ管理部220では、学習者の個人情報221、学習進行状況225、コミュニケーション情報223が格納されている。
【0083】
図7は、本発明の個人情報の例を示し、各学習者が使用するグループ教材サービス利用装置200において、各人の個人情報を分散的に保持しており、個人学習データ管理部220において保持される。当該個人情報221には、当該学習者のID、氏名、使用コンピュータのネットワークアドレス、電子メールアドレス、自作の情報を発信する際の情報アドレスであるホームページアドレス、自分の作業ファイル空間を表すホームディレクトリなどの学習者を特定し、その個人に付随する情報が格納されている。
【0084】
これは、学習者がシステムを利用する際に新規登録することで与えられる情報である。学習者IDについては、学習者データ管理部130へ学習者情報を登録する時点で初めて割り振られる識別情報で、学習者テーブル131に登録されたものと同じ値が返される。
【0085】
ホームページアドレスなど一部の個人情報に変更がある場合は、個人学習データ管理部220の学習者情報変更機能を用いて個人情報を更新した後、学習者情報取得部206から学習者情報送受信部107経由で学習者データ管理部130の中の学習者テーブル131を更新する。図8に本発明の学習者テーブルの例を示す。
【0086】
このように、個人学習データ管理部220、学習者情報取得部206、学習者情報送受信部107、学習者データ管理部130の連携作用と双方向データ通信によって、それぞれの学習者の個人情報221とグループ教材サービス提供装置100中の学習者テーブル131のデータは常に整合性を保つように管理されている。
【0087】
この個人学習情報は、学習グループのメンバとグループ教材を共有した共同学習において、他の学習者の存在を明示する時に、その学習者の属性情報として学習進路表示操作部204から参照されて、表示されたり、学習者の任意のコミュニケーションにおいて参照される。
【0088】
学習進行状況225には、当該学習者がグループ教材を利用した履歴が随時記録される。図9は、本発明の一実施例の学習者教材履修情報の例であり、全ての学習者について、それぞれがグループ学習教材を履修した記録を集中的に保持している学習者教材履修情報132の内容である。当該学習者教材履修情報132は、学習進路グローバルテーブル121に登録され、進路IDで特定される学習進路詳細情報122のすべての要素に関して、それぞれの構成要素であり、情報IDで特定されるすべての関連情報について閲覧したタイムスタンプが記録される。まだ、閲覧していない関連情報のタイムスタンプは「00/00/00 00:00:00」で表される。
【0089】
学習進行状況225は、個人学習データ管理部220と学習者情報取得部206の連携作用によってグループ教材サーバ100へ送出され、学習者情報送受信部107と学習者データ管理部130の連携操作によりすべての学習者についての学習者教材履修情報132が集められる。
【0090】
このように、個人学習データ管理部220、学習進行状況225、学習者情報取得部206、学習者情報送受信部107、学習者データ管理部130、学習者教材履修情報132、グループ教材データ管理部120、学習進路詳細情報122の連携作用と双方向データ通信によって、それぞれの学習者の学習進行状況225とグループ教材サービス提供装置100中の学習者教材履修情報132のデータは常に整合性を保つように管理される。
【0091】
また、図9において、各学習進路IDの各情報IDに対して、その学習者が先行学習者として作成したものか、更新学習者として参照するものかの区別が記録されている。これは、付加情報入力・編集部203を通じて先行学習者が作成した学習履歴を登録・公開する際に、自動的に決定する。
【0092】
また、各学習進路IDの各情報IDに対してその学習者が編集する権利を有しているか否かの情報が記録されている。既定値として、先行学習者として作成した学習進路については、それに含まれる全ての情報IDについて編集する権利を有する。その他の学習進路については、他の学習者(特にその学習進路を作成した先行学習者)との協議によって編集権利の許可/不許可が決定する。
【0093】
当該学習者が先行学習者として作成した学習進路情報は、先行学習履歴一時ファイル222に記録されている。
学習進行状況225に記録されている閲覧した関連情報に付随して他の学習仲間と交わした電子メール等の会話情報がコミュニケーション情報223として記録される。
【0094】
図10は、本発明の一実施例の個人学習データ管理部におけるコミュニケーション情報のヘッダ情報の例である。
それぞれの学習者が発信するコミュニケーション情報は、図10に示したヘッダ情報+本文情報から構成される。本文情報は任意の文字列情報であり、これには、文字列に符号化された(音声、画像、映像、プログラム等)マルチメディア情報も含まれる。
【0095】
コミュニケーション情報のやりとりは電子メールに似ているが、協調的なグループ学習に特定したコミュニケーションのサポートのため、学習者がヘッダ情報に必ず、「学習進路ID」「情報ID」「サブジェクト」「リクエストカテゴリ」を明示しなくてはならない。いずれかの情報が不足している場合は、システムからエラー情報が返される。
【0096】
この操作のため、画面インターフェースは、学習進路表示操作部204によって提供され、学習者は視覚的に表現された学習コースマップの一つのノードをマウスでクリックすることで「学習進路ID」「情報ID」が自動的に決定し、「サブジェクト」については既存のものがメニューで一覧表示されるので、その中から選択するか、新規のものはキーボードで入力することで与える。
【0097】
この情報は、またサブジェクトメニューへ自動的に新規登録される。また、既存の情報に対する返信を指定する場合は、その情報のサブジェクトが自動的に引用される。
「リクエストカテゴリ」については、「質問」「回答」「意見」「議論」などの既定値のうちメニューから一つ選択指定できる。
【0098】
また、「発信者電子メールアドレス」は個人情報から得られた情報が「発信タイムスタンプ」は、発信時に自動的にその使用コンピュータのローカルな時刻が記録される。
電子メールと異なる特徴として、本発明における学習者間のコミュニケーション情報は、送信先がグループ教材サービス提供装置100に固定されている。従って、全てのコミュニケーション情報は必ず最初にグループ教材サービス提供装置100に送り届けられ、学習者は明示的に送信先を指定する必要はない。
【0099】
個々の学習者は、学習進路表示操作部204と対話しながら、学習を進める過程で、質問/回答/意見/議論など他の学習者とのコミュニケーションの必要性が生じた時に、学習進路表示操作部204の操作インタフェースから関連情報ノードをマウスクリックすることで、電子メールのメイラソフトウェア等のコミュニケーション情報編集システムを起動させ、それに対し、上記コミュニケーション情報ヘッダを渡し、本文を作成・編集する。
【0100】
こうして作成されたコミュニケーション情報(ヘッダ+本文)223は、個人学習データ管理部220に登録される時点で、図10に示すヘッダ情報中にメールIDを割り当てられると同時に、学習者間コミュニケーション部205に渡されてグループ教材サービス提供装置100に送信される。
【0101】
その後、グループ教材サービス提供装置100における学習者コミュニケーション制御部106で受け取られたコミュニケーション情報は、質問・回答・議論情報体系化部105によって、図11に示すような(タイムスタンプの古い順に整列された)ログのリストが作成されると同時に、ヘッダ情報中の「学習進路ID」「情報ID」「サブジェクト」「リクエストカテゴリ」「タイムスタンプ」をキーとして分類・整理されて、ヘッダ+本文情報と併せてグループ教材データ管理部120中の質問・回答・議論・ログ詳細情報123として記録される。
【0102】
この情報123は、「学習進路ID」「情報ID」で指定される関連情報に付随する情報として、グループ教材の重要な構成要素になる。従って、このグループ教材の情報は、「学習進路ID」「情報ID」別に整理された枠組の中で、それを題材に複数の学習者がコミュニケーションを行うことで、常に情報拡張してゆく機構とその可能性を有するものである。
【0103】
これによって、後進学習者は、ある「学習進路ID」「情報ID」で指定される関連情報を参照する際に、当該関連情報の情報アドレスで参照できる情報の他に、その時点までにグループ学習メンバ間のやりとりされた当該関連情報に関する質問・回答・意見・議論情報も同時に参照できる。これは、頻出する質問や意見を「学習進路ID」「情報ID」で指定される関連情報毎に自動的に整理・体系化・公開する機能である。
【0104】
異なる時間に異なる学習ペースで振る舞う学習者によって、過去にやりとりされた議論が自動的に参照できることで、何度も同じような質問を繰り返すことがなくなり、質問をする学習者/質問を受けて回答する学習者の負担を軽減すると同時に、頻出質問/回答を定期的に整理し、管理するメインテナンス作業を不要にすることが可能となる。
【0105】
学習コミュニケーション情報の学習メンバへの配信に関しては、学習者コミュニケーション制御部106において、それぞれの学習者から発信された(コミュニケーション情報223の一つの要素として記録されたものと同一の)コミュニケーション情報を受信すると、そのヘッダ情報から「学習進路ID」と「情報ID」を読み取り、学習者データ管理部130中の学習者テーブル131に登録されているすべての「学習者ID」について、学習者教材履修情報132から「学習進路ID」「情報ID」「学習者ID」で検索されるレコードのタイムスタンプ欄を読み取り、その情報が「00/00/00 00:00:00」でない学習者を順次(事前に空リストに初期化済の)送信対象学習者リストに追加していく。
【0106】
即ち、コミュニケーション情報のヘッダに示された「学習進路ID」「情報ID」をその時点までに閲覧したことのある学習者だけが送信対象学習者のリストに含まれる。この送信対象学習者からなる仮想的グループは、学習グループ一時ファイル133の一つとして学習者データ管理部130に一時的に記録される。
【0107】
その後、学習者コミュニケーション制御部106は、送信対象学習者リストに含まれるすべての学習者に対し、学習者テーブル131から学習者IDをキーにそれぞれの電子メールアドレスを得て、コミュニケーション情報のヘッダ+本文を配信する。
【0108】
もしも、送信対象学習者リストに含まれる学習者がその情報の送信者のみで他にいなかった場合は、学習者コミュニケーション制御部106は、「送信対象者がいません」という旨のメッセージを送信者に送り返す。また、同様に送信対象学習者が(自分を除いて)n名いた場合は、「n名の学習者へ送信されました」というメッセージを送り返す。
【0109】
送信対象学習者リストの情報は、図11に示すように、質問・回答・意見・議論ログ詳細情報123のうち、対応する「学習進路ID」「情報ID」レコードの「受信学習者IDリスト」欄に記録される。それと同時にこのレコードには、送信対象学習者へ配信された時刻が「発信タイムスタンプ」として記録される。
【0110】
これによって当該関連情報をその時点までに閲覧していない、つまり、まだ、その段階まで学習が進んでいない学習者に対して、その内容に触れるコミュニケーション情報(まだ、知りたくない情報、不要な情報)が配送されることを防ぎ、同時にコミュニケーション情報の送信者にとって少なからず関心のありそうな学習者へ対象を絞り込んだ情報提示が可能になる。
【0111】
図5を例に、学習者間のコミュニケーション情報配信の様子を説明すると、例えば、ある学習者aが学習目的Gに属する関連情報15を閲覧している時に、現在の位置「学習進路ID=進路1」「情報ID=関連情報15」に対してあるメッセージを発信したとする。その時点で、学習者bとcは、「学習進路ID=進路1」「情報ID=関連情報15」を閲覧済、学習者eとfは未閲覧だった場合、aからのメッセージはbとcへは配信されるが、eとfには配信されない。即ち、メッセージ発信者より先に学習が進んでいる者へ対象を絞り込んだ情報発信と等価である。
【0112】
一方、コミュニケーション情報のヘッダに指定する「学習進路ID」「情報ID」は必ずしも現在自分が参照しているノードである必要はない。例えば、図5において、コミュニケーション情報発信者が「関連情報12」に位置し、コミュニケーション情報のヘッダの中に「学習進路ID=進路1」「情報ID=関連情報7」を指定した場合、その情報はそれが送られた時点で、関連情報7を参照済の全ての学習者へ配信される。即ち、これは、自分より後にいる学習者で、ある一定の位置をクリアした者を対象にしたメッセージ送信に相当する。
【0113】
学習者間のコミュニケーション情報配信は、グループ学習教材の情報拡張の他に、学習者間の「教える・教わる」という相互作用の活性化の効果を有する。これは、一般に他人に教えることで、自らの理解も深まるとされていることからも明らかな効果である。
【0114】
例えば、上記のメッセージ情報発信において、メッセージのリクエストカテゴリが「質問」の場合、質問者よりも先に進んでいる学習者が回答者になり得るわけで、彼らに「教える」役割を演じるチャンスを提供するだけでは偏ってしまうので、このメッセージ配信機構の仕掛けを最も最近に指定したノードを参照した順に一定の人数(例えば、5名等)だけに、メッセージを配信することにする。これにより、特定の学習者に偏ったメッセージの配信を解消し、ダイナミックに不特定の学習者へ「教える」チャンスの提供が行うことができる。
【0115】
学習者コミュニケーション制御部106によって送信対象に選ばれた学習者は、他の学習者が発信した「学習進路ID」「情報ID」に関するコミュニケーション情報のうち、全く新しいサブジェクトSについては無条件で受信する。
しかし、受信者は、そのサブジェクトSに関して本文が「空文」の情報を一度システムへ送り返すことで、以降「学習進路ID」「情報ID」「サブジェクトS」に関するコミュニケーション情報の配信を停止させることができる。
【0116】
その後、もう一度そのサブジェクトSに関して本文が「空文」の情報をシステムへ送り返すことで、その情報配信の再開が可能となる。
ある学習者が「学習進路ID」「情報ID」に関するコミュニケーション情報についてどのサブジェクトを受信拒否しているかの情報は、図9に示すように、学習者教材履修情報132の「通信拒否サブジェクトリスト」に登録されている。
【0117】
学習者コミュニケーション制御部106は、学習者からの「空文」情報を受けることで、この欄に対して当該サブジェクトの「登録」「削除」を繰り返す。
これにより、他の学習者からの情報の受信者は、関心のない情報の配送を一時的に停止/再開する制御が可能となり、他の学習者からの質問・意見・議論によって自らの学習効率が上がらないような望ましくない事態を避けることが可能になる。
【0118】
グループ教材サービス利用装置側の学習者間コミュニケーション部205では、コミュニケーション情報の発着信を制御し、やりとりした情報は全て個人学習データ監理部220におけるコミュニケーション情報223として記録する。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【0119】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、共通の学習対象を持つ複数学習者の協調的な振る舞いから得られるデータを基本とし、先行する学習者の学習履歴を記録し、後進の学習者に対し、目的状態(ある対象の理解)へ至る手順を表示する機能をもったグループ学習教材を自動的に編成し、そのようにして編成された教材を他の学習者が共有、利用しながら、学習対象について仲間同士で議論し、教え合うことで学習者間の相互作用を活性化し、しかも自分や他人のノート/メモを取り込みながら、教材自体を容易に改訂することが可能となるとにより、以下のような効果を奏する。
【0120】
1.対象分野の専門家による教科書の綿密な設計・著作作業を必要とせず、その分野の知識を必要とする学習者グループの協調的な活動から、グループ学習教材、オンラインマニュアル、チュートリアル教材、そして、ワークフロー等が自動的に編成できる。
【0121】
2.近年のコンピュータ技術研修等の情報の更新サイクルが急速に展開する学習対象について、専門家による専門書の執筆を待たずに、コンピュータネットワーク上に迅速に教材を提供・公開することができる。
3.学習コースマップを全面に表示することで、教材を利用する学習者に対して自分の現在位置や当面の目的の全体図を一望させ、ハイパーメディアの閲覧操作における、冗長な経路を辿ったり、自分の現在位置や当初の目的意識や集中力を失う問題を解消する。
【0122】
4.他人から教わる、他人へ教える、他人の上手な学習方法(ノート、メモの書き方等)を真似する、他人から良い刺激を受けるといった学習者間の相互作用を利用する機会を設けることで、独学よりも迅速で深い理解が得られる教材を提供する。
【0123】
5.学習者の質問・回答・議論・意見の送信先を自動的に絞り込むことで、当該議論に関心のない学習者を煩わすことなく、有意義なコミュニケーションの場を提供する。
6.学習者の質問・回答・議論・意見を自動的に体系化して教科書の一部として絶えず情報拡張してゆくことができると同時に、頻出質問の管理作業から解放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明のグループ学習教材編成システムの概念図である。
【図4】本発明の一実施例の学習目的Zを達成するために先行学習者が残した学習進路情報の例である。
【図5】本発明の一実施例の学習目的Zを達成するための学習コースマップである。
【図6】本発明の一実施例の学習進路グローバルテーブルの例である。
【図7】本発明の一実施例のグループ教材サービス利用装置における個人情報の例である。
【図8】本発明の一実施例のグループ教材サービス提供装置における学習者テーブルの例である。
【図9】本発明の一実施例の学習者教材履修情報の例である。
【図10】本発明の一実施例のコミュニケーション情報のヘッダ情報の例である。
【図11】本発明の一実施例の学習者教材履修情報の例である。
【符号の説明】
10 閲覧手段
20 閲覧記録手段
30 素材情報発信手段
40 履歴記録手段
50 記録整列手段
60 学習進路情報編成手段
70 先行学習者情報記録手段
80 表示手段
100 サーバ、グループ教材サービス提供装置
101 先行学習履歴受信部
102 学習進路合成・体系化部
103 学習進路編集部
104 グループ学習教材共有部
105 質問・回答・議論情報体系化部
106 学習者コミュニケーション制御部
107 学習者情報受信部
110 グループ教材サービス情報通信部
120 グループ教材データ管理部
121 学習進路グローバルテーブル
122 学習進路詳細情報
123 質問・回答・議論・ログ詳細情報
130 学習者データ管理部
131 学習者テーブル
132 学習者教材履修情報
133 学習グループ一時ファイル
200 クライアント、グループ教材サービス利用装置
201 関連情報検索・閲覧部
202 学習履歴取得部
203 付加情報入力・編集部
204 学習進路表示操作部
205 学習者間コミュニケーション部
206 学習者情報取得部
207 自作ノート編集部
208 自作ノート情報発信部
210 グループ教材ユーザ情報通信部
220 個人学習データ管理部
221 個人情報
222 先行学習履歴一時ファイル
223 コミュニケーション情報
224 自作ノート・メモ
225 学習進行状況
300 双方向ディジタルデータ伝送ネットワーク部
400 教材関連情報発信部
401 関連情報発信部
410 教材関連情報通信部
420 関連情報データ管理部
421 関連情報
Claims (14)
- 利用者の共同作業によってグループ学習を繰り返すことで、学習対象となる教材を改良していくグループ学習教材編成方法であって、
双方向データ伝送ネットワーク上に相互接続された不特定多数の教材関連情報発信装置、サーバ、複数の学習者端末が存在するシステムにおいて、
前記学習者端末は、
前記教材関連情報発信装置から提供される、一意に特定されるアドレス情報によって参照できる情報である教材関連情報を閲覧して学習する学習行為により得られる学習者の閲覧目的を含む学習履歴を、個人学習データ管理手段に記録し、
前記サーバは、
前記学習者端末から前記学習履歴を取得し、教材関連情報を閲覧目的毎に分類し、整列した学習進路情報を含むグループ学習教材を、グループ教材データ管理手段に格納し、
前記学習者端末は、
編集された前記グループ学習教材を前記サーバから呼び出して、前記学習進路情報を学習者に対して表示する
という上記の処理を繰り返す
ことを特徴とするグループ学習編成方法。 - 前記学習者端末は、
前記学習対象に関連する教材関連情報の検索を行うことにより閲覧し、その閲覧履歴を前記個人学習データ管理手段に記録し、
前記学習対象に関連する教材関連情報の提供元を示すアドレス情報を加えて、前記学習者が閲覧した目的、その閲覧行為が意図する学習活動としての上位の目的、閲覧した効果、及びキーワードを簡易な操作により入力可能とし、
前記サーバは、
学習者データ管理手段に格納されている学習活動の履歴を閲覧目的毎に、閲覧時刻順にソートし、
複数の学習者端末から得られた全ての学習活動情報を一元的に収集し、学習目的の上位−下位関係に従って、階層的に構造化し学習進路情報を編成し、前記学習者端末に送信し、
学習者の前記学習者端末は、
前記学習進路情報を表示する請求項1記載のグループ学習教材編集方法。 - 前記学習者の学習者端末において、
学習者が自らの知識を整理・作成したノート情報を自らの学習対象に関連する教材関連情報として他の学習者端末に発信し、
前記ノート情報が含まれる前記教材関連情報を受信した学習者端末において、
前記ノート情報が含まれる前記教材関連情報を表示し、該ノート情報を含む前記グループ学習教材を編集し、該ノート情報を前記双方向データ伝送ネットワークを介して発信する請求項1記載のグループ学習教材編集方法。 - 前記学習者端末において、前記学習進路情報を共有し、
前記学習グループの学習者端末は、
前記学習者に対して、選択・利用されている学習進路情報を、該学習進路情報の階層的な構造に従って、視覚的なコースマップ情報として表示し、
表示されている前記学習コースマップ情報と同一の学習進路を選択・利用している他の学習者の情報を表示する請求項1記載のグループ学習教材編成方法。 - 双方向データ伝送ネットワーク上に相互接続された複数のコンピュータと、分散配置されたネットワーク型のハイパーメディアと、学習対象に関連する教材関連情報と、電子コミュニケーションメディアを用いてグループ学習教材を編成するグループ学習教材編成システムであって、
前記学習対象に関連する教材関連情報を検索しながら、連鎖的に繰り返し閲覧する閲覧手段と、
先行する学習者が自らの知識を整理・作成したノート情報を自ら学習対象に関連する教材関連情報として発信する教材関連情報発信手段と、
前記先行する学習者による情報のうち、閲覧目的、上位の目的、閲覧効果、難易度、参照頻度、質問・回答リスト情報の少なくとも何れかの情報を表示する表示手段と、
前記教材関連情報の提供元を示すアドレス情報に加えて、閲覧した目的、その閲覧行為が意図する学習活動としての上位の目的、閲覧した効果、及びキーワードを簡易な操作により入力可能とし、閲覧した時刻を自動的に記録する閲覧記録手段と、
を有する学習者端末と、
前記学習者端末の前記情報発信手段を繰り返した学習活動の履歴を自動的に取得し、記録する履歴記憶手段と、
前記学習活動の履歴を閲覧目的、上位の目的、閲覧時刻順に整列する記録整列手段と、
前記記録整列手段で整列させた情報について、前記上位の目的に示された閲覧目的間の親子関係に従って、学習目的別の関係を階層的に構造化し、学習進路情報を編成する学習進路情報編成手段と、
前記学習進路編成手段により編成されたグループ教材を後に利用する後進学習者に対して複数の先行学習者によって残された学習活動の全ての目的情報と、それぞれの学習対象について学習の進行順序情報と学習の進行順序に従って閲覧される教材関連情報と、前記先行学習者が作成・発信したノート情報を記録する先行学習者情報記録手段と、
を有するサーバと、
から構成されることを特徴とするグループ学習教材編成システム。 - 前記学習者端末は、
前記サーバにアクセスすることにより、前記学習進路情報編成手段により編成された前記学習進路情報を、複数の学習者から構成される学習グループの学習者端末にて共有する共有手段と、
学習進路を構成する個々の教材関連情報を参照して、学習を進めるために、前記学習進路情報を選択・利用して、学習進路情報の一覧を閲覧可能とする学習進路情報表示手段と、
前記学習者に対して、選択・利用されている学習進路情報を、該学習進路情報の階層的な構造に従って、視覚的な学習コースマップ情報として表示する学習コースマップ情報表示手段と、
前記学習コースマップ情報表示手段において、表示されている学習コースマップ情報と同一の学習進路を選択・利用している他の学習者の情報を表示する他学習者情報表示手段を更に有する請求項5記載のグループ学習教材編成システム。 - 前記学習コースマップ情報表示手段は、
前記先行学習者による閲覧効果に従って、教材関連情報の価値を色分け表示する色分け表示手段と、
頻繁に利用される学習コースの線の太さを他と区別できるように変化をつけて表示する頻度別表示手段と、を含む請求項6記載のグループ学習教材編成システム。 - 前記学習者端末は、
前記学習グループを構成するそれぞれの学習メンバ端末が、他のメンバの学習状況を参照する他メンバ情報参照手段と、
現在学習している関連教材情報について、他の学習者端末に質問を発行する質問発行手段と、
前記質問発行手段により発行された前記質問に対して、既に学習済の教材関連情報について、回答を行う回答手段と、
前記共有手段で共有している学習進路情報に関して、前記学習グループの学習者端末間で質問・回答についての意見・議論の通信を繰り返す意見交換通信手段と、
関心のない話題や議論についてコミュニケーション情報の配信の停止/再開の指示を許容する停止/再開指示手段と、を更に有し、
前記サーバは、
前記質問、前記回答、前記意見、前記議論のコミュニケーション情報を、前記学習グループ中の適切なメンバのみに絞り込んで配送するコミュニケーション情報配送手段を更に有する請求項5記載のグループ学習教材編集システム。 - 前記サーバは、
当初から議論に参加せず、将来において、ある話題に興味を持った学習メンバから教材関連情報にアクセスされた時点で、該学習メンバの学習者端末に過去に行われた質問・回答・意見・議論の情報を配信する手段を更に有する請求項5記載のグループ学習教材編集システム。 - 前記学習者端末は、
他の学習者との質問・回答・意見交換・議論を行うための情報送信、情報受信を行い、学習する、教える、教わるという各状況における通信を行う通信契機設定手段を更に有する請求項5記載のグループ学習教材編成システム。 - 前記学習者端末は、
前記学習グループのメンバ間で交わされた質問・回答・意見・議論が全て対象となる学習進路情報に連結する付随情報として保持する付随情報保持手段と、
前記付随情報保持手段に保持されている前記付随情報を前記教材関連情報として、拡張する教材関連情報拡張手段を、更に有する請求項5記載のグループ学習教材編成システム。 - 前記意見交換通信手段において、共有で利用している学習進路情報自体を改訂するための編集手段を、更に有する請求項8記載のグループ学習教材編成システム。
- 前記編集手段は、
前記学習進路情報を改訂・編集する権限について許可・不許可を指定する許可指定手段を、更に有する請求項12記載のグループ学習教材編成システム。 - 前記編集手段により編集された学習進路情報を前記学習グループの全学習者端末に配送する改訂済情報送信手段を、更に有する請求項12記載のグループ学習教材編成システム。
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