JP3769363B2 - 排熱回収ボイラー - Google Patents

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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンバインドサイクル発電プラント等に用いられる排熱回収ボイラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の火力発電プラントは、高効率運転・運用の多様化および起動時間の短縮等の課題から、コンバインドサイクル発電プラントが多く採用される。すでに、運用されているコンバインドサイクル発電プラントとしては、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせたものがあり、ガスタービン、排熱回収ボイラー、蒸気タービンを有している。
【0003】
この排熱回収ボイラーは、ガスタービンの排熱を熱源とし、蒸気タービンからの給水を被熱源とし、その被熱源に熱を加えて蒸気を発生させている。そして、この発生した蒸気で蒸気タービンを作動させ発電を行うようになっている。この排熱回収ボイラーには、排熱の流れに沿って過熱器、ドラム付蒸発器、節炭器が配置され、給水(飽和水)をこれら各熱交換器を通過させることによって過熱蒸気に換えるようになっている。
【0004】
図10は、このような排熱回収ボイラー10を有する発電プラントを示す系統図である。この図において、ガスタービン11は、蒸気タービン12とともに発電機13を駆動し、また、ガスタービン11からの排気は、排熱回収ボイラ本体14で熱を回収され、煙突15から排出されるようになっている。
【0005】
蒸気タービン12で使用された蒸気は、復水器16で水になり、復水ポンプ17、給水ポンプ18により、節炭器入口止弁19を通って節炭器20に送られる。ここでガスタービンからの排ガスによって予熱された水は、給水調節弁21を通ってドラム22に送られ、蒸発器23で蒸発し蒸気となる。この蒸気は、過熱器24でさらに過熱されエネルギを増し、ボイラ出口止弁25、主蒸気止弁26、主蒸気調節弁27を通って、蒸気タービン12へ送られ、発電に供される。
【0006】
ところで、コンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンの急速起動、停止の利便性をいかして、起動・停止を毎日繰り返す、いわゆるDSS(Dairy Start Stop)運転によって運用されている。このような運転において、翌日の起動時にガスタービンの急速起動に遅れることなく蒸気を発生できるようにするため、ホットバンキングという方法が行われている。このホットバンキングは、プラント停止中に排熱回収ボイラーをホットな状態に維持しておき、翌朝の起動に備えるためのものであり、残余熱を温存させるためボイラー出口ダンパーを閉止し、予熱された缶水や給水をドラム付蒸発器、節炭器、給水ラインに閉じ込めるようにしたものである。
【0007】
図10に示す排熱回収ボイラ10においては、運転停止時、ボイラー出口ダンパー28を閉じ、給水はその予熱水を節炭器入口止弁19と給水調節弁21の間の節炭器20に閉じこめる。また、缶水は、その予熱水をボイラー出口止弁25を閉止して蒸発器付ドラム22の中に閉じこめて、次の運転まで待機するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自然循環型排熱回収ボイラー10は、図11に示すように、過熱器パネル数が1枚ないし奇数枚の場合は、配置上合理的になるように、ドラム22から出る飽和蒸気を導く過熱器入口連絡管29は排熱回収ボイラ本体14上部より過熱器24のパネルに接続されている。また、過熱器24のパネル出口から取り出された過熱蒸気を導く過熱器出口連絡管30は、排熱回収ボイラー本体14下部より取り出されている。このような配置において、ホットバンキングのため、ボイラー出口止め弁25を閉止させると、ボイラー本体の排ガス通路部内の自然対流により過熱器24下部が冷やされ、過熱器内の蒸気がドレン化してしまう。さらに、ドレン化による蒸気の体積減少に伴い、さらにドラム22から飽和蒸気を過熱器24に引き込んでしまうため、過熱器24下部から過熱器出口連絡管30のボイラー出口止め弁25にかけて、ドレンAを蓄積させてしまう結果となる。
【0009】
このような状態で、翌朝ホットバンキング解除時にボイラー出口止め弁25を開くと、ドラム22の残圧によって過熱器24下部に溜まったドレンAが一気に押し出され、加速されて主蒸気管のエルボ部に衝突する。このため、ウォーターハンマーが発生し、主蒸気管およびその支持装置を破損させる危険性がある。
【0010】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、ホットバンキング解除時のドレンによるウォーターハンマを防止できる排熱回収ボイラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、その内部を排気ガスが通過するボイラー本体と、
復水器からの復水が送水される、前記ボイラー本体の上方に設けられたドラムと、
前記ボイラー本体の内部に設けられた蒸発器および過熱器と、を備え、
前記ドラム内の復水を前記蒸発器で蒸発させて蒸気にするとともに、前記ドラムからの蒸気を前記過熱器で過熱して蒸気タービンに供給する自然循環型の排熱回収ボイラーにおいて、
前記ドラムから前記過熱器に蒸気を供給する過熱器入口連絡管は、前記過熱器の下部から接続されており、
前記過熱器において過熱された蒸気を供給する過熱器出口連絡管は、前記過熱器の上部に接続されて前記ボイラー本体の上方に延びるとともに、ボイラー出口止め弁を介して蒸気タービンに延びる主蒸気配管に接続されていることを特徴とする排熱回収ボイラーであ る。
【0012】
本発明の第2の特徴は、前記過熱器入口連絡管は、前記ドラムから下方に延びた後、その延びる方向が上方に反転し、前記過熱器の下側の管寄せに接続されていることを特徴とする請求項1に記載した排熱回収ボイラーである。
【0013】
本発明の第3の特徴は、前記過熱器が、奇数枚の過熱器パネルを有していることを特徴とする請求項1または2に記載した排熱回収ボイラーである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る排熱回収ボイラーを添付図面を参照して説明する。なお、従来例と同一構成の部分には、同一符号を付しその説明を省略する。
【0015】
図1は、この発明の一実施形態の排熱回収ボイラーの概略を示す図であり、図2はこの排熱回収ボイラーの過熱器を示す図である。この排熱回収ボイラー40は、復水器からポンプ等を介して送水された復水を節炭器にて余熱してドラムに給水し蒸発器にて蒸発させた後、過熱器にて蒸気を過熱し、蒸気タービンへ蒸気を供給する自然循環型排熱回収ボイラーにおいて、ドラム22から出る飽和蒸気を導く過熱器入口連絡管41をボイラ本体14下部から接続し、過熱蒸気を導く過熱器出口連絡管42をボイラ本体14上部から取り出し、過熱器43の最終パネルを常に上昇流れパネルとし、ボイラー出口止め弁44をボイラー上部に配置することにより、ホットバンキング中に発生するドレンAを主蒸気配管45内に移動させることによりホットバンキング解除時にウォーターハンマーが発生しないように対処したものである。
【0016】
この排熱回収ボイラー40では、ボイラー出口止め弁44をホットバンキングのため停止中に閉止させた状態において、排熱回収ボイラー40の排ガス通路部46内の自然対流冷却により過熱器43下部に蒸気ドレンAが発生しても、過熱器43の出口を排熱回収ボイラー本体14上部より取り出し、かつ、ボイラー出口止め弁44がボイラー本体14上部に配置されているため、ボイラー出口止め弁44と過熱器43のドレンAとの間に蒸気層Bを挿入する事ができる。これにより、ボイラーのバンキング解除時においてボイラー出口止め弁44を開く際には、最初に過熱器43内の蒸気Bが主蒸気配管45に送られることとなり、過熱器43上部の蒸気層Bの一部が主蒸気配管45内に充填されたところで、過熱器ドレンAの移動は終了するため、ウォーターハンマーは発生せず、主蒸気管45およびその支持装置の破損問題は回避することが出来る。
【0017】
第1参考例
図3は、第1参考例の過熱器伝熱管パネル51の概略構造図であり、図4は、過熱器伝熱管パネル51の下部の拡大図である。この排熱回収ボイラー50は、ガス流れ方向に直交するように1枚の過熱器伝熱管パネル51を配置し、上部過熱器入口管寄せ52から下部過熱器中間管寄せ53に向かって下向きに流れる蒸気を導く伝熱管(以下、下降流伝熱管54と称す。)と下部過熱器中間管寄せ53から上部過熱器出口管寄せ55に向かって上向きに流れる蒸気を導く伝熱管(以下、上昇流伝熱管56と称す。)とが両方接続されている下部過熱器中間管寄せ53を配置し、ホットバンキング中に発生するドレンを主蒸気管57内に移動させないことによりホットバンキング解除時にウォーターハンマーが発生しないように対処したものである。この排熱回収ボイラー50では、排熱回収ボイラー排ガス通路58内の自然対流冷却により過熱器伝熱管パネル51内に蒸気ドレンが発生しても下降流伝熱管54と上昇流伝熱管56とにより蒸気ドレンによるU字シールを形成する事ができる。これにより過熱器ドレンの充填が上部過熱器出口管寄せ55付近で止まり過熱器ドレンが主蒸気管57内に移動する事が困難となる。従って、ホットバンキング解除時にウォーターハンマーが発生することを防止することができ、主蒸気管およびその支持装置の破損問題を回避することができる。
【0018】
第2参考例
図5は、第2参考例の過熱器伝熱管パネル61の概略構造図である。この排熱回収ボイラーは、ガス流れ方向に1枚の過熱器伝熱管パネル61を配置し、上部過熱器管寄せ62を二分割とし下部過熱器中間管寄せ63は一体とし、ホットバンキング中に発生するドレンを主蒸気管内に移動させないことによりホットバンキング解除時にウォーターハンマーを発生しないように対処したものである。この排熱回収ボイラーでは、排熱回収ボイラー排ガス通路部内の自然対流冷却により、過熱器伝熱管パネル61内に蒸気ドレンが発生しても上部過熱器管寄せ62を二分割することにより上部過熱器管寄せが入口管寄せ64と出口管寄せ65と両方の働きを兼ね備え、下向きに流れる蒸気を導く伝熱管群66と上向きに流れる蒸気を導く伝熱管群67を混成し、蒸気ドレンによるUシールを形成する事ができる。これにより過熱器ドレンの充填が出口管寄せ65近辺で止まり、過熱器ドレンが主蒸気管68に移動する事が困難となる。従って、ホットバンキング解除時にウォーターハンマーは発生せず、主蒸気管およびその支持装置の破損問題を回避することができる。
【0019】
第3参考例
図6は、この発明にかかる排熱回収ボイラーの第3参考例を示す概略系統図である。この排熱回収ボイラー70は、ドラム22過熱器24を結ぶ連絡配管71上の最上部に止め弁72を配置し、ホットバンキング解除時に有害な過熱器ドレンを蓄積させないようにしたものである。
【0020】
この排熱回収ボイラー70では、復水器からポンプを介して送水された復水を節炭器にて余熱してドラムに給水し蒸発器にて蒸発させた後、過熱器にて蒸気を過熱し、蒸気タービンに蒸気を供給する自然循環型排熱回収ボイラーにおいて、ドラム22と過熱器24を結ぶ連絡配管71上の最上部に止め弁72を有している。従って、ホットバンキング中にこの止め弁72を閉止しておけば、排熱回収ボイラーの排ガス通路部46内の自然対流冷却により過熱器24下部に蒸気ドレンAが発生しても、ドレン化による蒸気の体積減少によってドラム22から飽和蒸気を過熱器24に引き込むことを避けることができ、このため、過熱器24下部から下流側に発生するドレンが大量に蓄積されることを防止できる。また、過熱器24内蒸気の凝縮により発生する少量のドレンについても、ボイラー下部に位置する過熱器出口配管30に設置されたドレントラップ73により、バンキング中に排出することが出来る。これにより、バンキング中に発生する有害なドレンは発生しないため、ボイラーのバンキング解除時において、ドレンの移動によるウォーターハンマーは発生せず、主蒸気管およびその支持装置の破損問題を回避することが出来る。
【0021】
図7、図8、図9の排熱回収ボイラーは、低圧、中圧、高圧の3つの排熱回収回路が並列に設けられた例である。
【0022】
第4参考例
図7に示す排熱回収ボイラー80は、低圧回路として低圧ポンプ81を有しており、復水器からの水を供給している。この低圧ポンプ81には、低圧節炭器82が接続されており、この低圧節炭器82には、低圧蒸気ドラム83が接続されている。この低圧蒸気ドラム83には、低圧過熱器入口配管84が接続されており、この低圧過熱器入口配管84には、低圧過熱器85が接続されている。この低圧過熱器85には、低圧過熱器出口配管86が接続されており、この低圧過熱器出口配管86には、低圧過熱器出口止め弁87が接続されている。
【0023】
同様に、中圧回路として、中圧ポンプ88、中圧節炭器89、中圧蒸気ドラム90、中圧過熱器入口配管91、中圧過熱器92、中圧過熱器出口配管93、中圧過熱器出口止め弁94が、この順に接続されている。
【0024】
また、同様に、高圧回路として、高圧ポンプ95、高圧節炭器96、高圧蒸気ドラム97、高圧過熱器入口配管98、高圧過熱器99、高圧過熱器出口配管100、高圧過熱器出口止め弁101が、この順に接続されている。また、低圧過熱器入口配管84、中圧過熱器入口配管91、高圧過熱器入口配管98には、それぞれ止め弁102,103,104が設けられている。
【0025】
このような構成において、低圧ポンプ81で供給された水は、低圧節炭器82で加熱された後、低圧蒸気ドラム83で蒸気となり、低圧過熱器85でさらに加熱されて過熱蒸気として供給される。中圧回路、高圧回路においても同様である。
【0026】
このような排熱回収ボイラーにおいてホットバンキングが行われ、各過熱器出口止め弁87,94,101が閉鎖されると、ボイラ本体の排ガス通路内の自然対流により各過熱器85,92,99、各過熱器入口配管84,91,98、各過熱器出口配管86,93,100が冷やされる。このため、内部の蒸気が凝縮しドレンとなるとともに、内部の気圧が低下する。しかし、この排熱回収ボイラーにあっては、各過熱器入口配管84,91,98にそれぞれ止め弁102,103,104が設けられているから、各過熱器85,92,99内の気圧が低下しても、各蒸気ドラムの飽和水を新たに引き込むことがない。従って、蒸気の凝縮によるドレン化が連続して起こりこの部分に大量のドレンが蓄積されることを防止することができる。
【0027】
また、ここでもし止め弁102,103,104がないと、ドラムからの飽和水の連続的な引き込みと蒸気化によってドラム圧力が低下し、排熱回収ボイラを高温で維持しようというホットバンキングの意味が全くなくなる。しかし、この排熱回収ボイラー80では、止め弁102等によって飽和水の連続的な引き込みを阻止し蒸気ドラムの圧力低下を防止できるので、効果的なホットバンキングが可能となる。
【0028】
第5参考例
図8に示す排熱回収ボイラ110は、各蒸気ドラム83,90,97から各過熱器出口止め弁87、94、101へ至る蒸気系最下部に過熱器ドレン弁111,112,113を設置している。
【0029】
排熱回収ボイラ停止期間中、この過熱器ドレン弁111,112,113は閉としておくことにより、各蒸気ドラム83,90,97から各過熱器出口止め弁87,94,101へ至る蒸気系で自然冷却により発生したドレンはそのまま蒸気系に滞流する。このため、蒸気系におけるドレンレベルが徐々に上昇し、蒸気相の表面積が低下していくこととなる。これにより自然冷却によるドレン化の速度も低下し、最終的に各過熱器入口配管84,91,98までドレンが滞流するとドレン化も停止することとなる。これにより、排熱回収ボイラ停止期間中のドレン化量を最少にすることが可能となり、排熱回収ボイラーが高温状態で保持されるためより効果的なホットバンキングが可能となる。
【0030】
また排熱回収ボイラ起動過程において、この滞流ドレンをそのままにしておくと各過熱器出口止め弁87,94,101開時に、滞流ドレンが各過熱器出口止め弁87,94,101下流側に流入し、下流側配管のウォータハンマやさらに下流側の蒸気タービンへのウォータインダクションの原因となる可能性がある。このため排熱回収ボイラ起動過程で各過熱器出口止め弁87,94,101開前には、各過熱器出口止め弁87,94,101上流側のドレンを確実に排出することが必要になる。すなわち、排熱回収ボイラ起動過程において各過熱器出口止め弁87,94,101が開となる前に各過熱器ドレン弁111,112,113を開にしてドレンを抜く。過熱器ドレン弁111,112,113の閉操作のタイミングは、各蒸気ドラム83,90,97と各過熱器出口配管内の差圧が0もしくは、設定差圧に達した時これを実施することで、ウォータハンマを抑制できる。また、各過熱器ドレン弁の閉タイミングを測る方法として、各蒸気ドラムの蒸気部の温度と各過熱器出口配管温度の差を用いる方法のほか、各過熱器ドレン弁をタイマーによって弁閉操作しても同様の効果を得られる。
【0031】
第6参考例
図9に示す排熱回収ボイラー120は、各過熱器出口止め弁87,94,101の上流と下流を繋ぐ配管(バイパス管)121、122、123を設けたものである。排熱回収ボイラ起動後各過熱器出口止め弁87,94,101のバイパス管121、122、123に配設された制御弁124,125,126の開度を制御して、同過熱器出口止め弁87、94、101の上流側と下流側を徐々に均圧させる。均圧完了もしくは、設定差圧以下になったら、各過熱器出口止め弁87,94,101を開操作を実行することにより、ウォータハンマを防止することができる。
【0032】
また、各過熱器出口止め弁87,94,101を微開の開度にて保持し、同過熱器出口止め弁87,94,101の上流と下流の圧力を均圧させ設定差圧以下になったら、各過熱器出口止め弁87,94,101を全開操作しても、上記と同様の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の排熱回収ボイラーによれば、ボイラー出口止め弁と過熱器中のドレンとの間に蒸気層を形成することができる。これにより、ボイラーのバンキング解除時においてボイラー出口止め弁を開する際には、最初に過熱器内の蒸気が主蒸気配管に送られることとなり、過熱器上部蒸気層の一部が主蒸気配管内に充填されたところで、過熱器ドレンの移動は終了する。従って、ウォーターハンマーは発生せず、主蒸気管およびその支持装置の破損問題を回避することが出来る。
また、ドラムと過熱器を結ぶ連絡配管上に止め弁を有しているから、ホットバンキング中にこのバルブを閉止しておけば、排熱回収ボイラーの排ガス通路内の自然対流冷却により過熱器下部に蒸気ドレンが発生しても、ドレン化による蒸気の体積減少に伴い、ドラムから過熱器に飽和蒸気が連続的に引き込まれることを阻止することができる。従って、過熱器下部からボイラー出口止め弁にかけてドレンが大量に蓄積されることを防止することができる。また、ホットバンキング中に止め弁を閉止しておくことによって、ドラムからの飽和水の連続的な引き込みによるドラム圧力の低下と、飽和水の連続的な蒸発によるドラム温度の低下を防止しすることができる。従って、排熱回収ボイラを高温に維持することができ、ホットバンキングの目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態である排熱回収ボイラーを示す概略系統図。
【図2】 図1中II−IIで示す方向から見た部分の拡大図。
【図3】 この発明の第1参考例の排熱回収ボイラーの過熱器伝熱管パネルを示す図。
【図4】 図3中IV−IV線で示す方向から見た部分の拡大図。
【図5】 この発明の第2参考例の排熱回収ボイラーの過熱器伝熱管パネルを示す図。
【図6】 この発明の第3参考例の排熱回収ボイラーを示す概略構造図。
【図7】 この発明の第4参考例の排熱回収ボイラーを示す概略構造図。
【図8】 この発明の第5参考例の排熱回収ボイラーを示す概略構造図。
【図9】 この発明の第6参考例の排熱回収ボイラーを示す概略構造図。
【図10】 従来の排熱回収ボイラーの一例を示す概略系統図。
【図11】 排熱回収ボイラーがホットバンキング時に発生させるドレンを示す概略図。
【符号の説明】
12 蒸気タービン
14 ボイラー本体
16 復水器
20 節炭器
22 ドラム
23 蒸発器
24 過熱器
52 上部過熱器入口管寄せ
53 下部過熱器中間管寄せ
54 下降流伝熱管
55 上部過熱器出口管寄せ
56 上昇流伝熱管
41 過熱器入口連絡管
42 過熱器出口連絡管
44,87,94,101 ボイラー出口止め弁
73 ドレントラップ
102,103,104 止め弁
111、112、113 ドレン弁
121,122,123 バイパス管
124,125,126 制御弁

Claims (3)

  1. その内部を排気ガスが通過するボイラー本体と、
    復水器からの復水が送水される、前記ボイラー本体の上方に設けられたドラムと、
    前記ボイラー本体の内部に設けられた蒸発器および過熱器と、を備え、
    前記ドラム内の復水を前記蒸発器で蒸発させて蒸気にするとともに、前記ドラムからの蒸気を前記過熱器で過熱して蒸気タービンに供給する自然循環型の排熱回収ボイラーにおいて、
    前記ドラムから前記過熱器に蒸気を供給する過熱器入口連絡管は、前記過熱器の下部から接続されており、
    前記過熱器において過熱された蒸気を供給する過熱器出口連絡管は、前記過熱器の上部に接続されて前記ボイラー本体の上方に延びるとともに、ボイラー出口止め弁を介して蒸気タービンに延びる主蒸気配管に接続されていることを特徴とする排熱回収ボイラー。
  2. 前記過熱器入口連絡管は、前記ドラムから下方に延びた後、その延びる方向が上方に反転し、前記過熱器の下側の管寄せに接続されていることを特徴とする請求項1に記載した排熱回収ボイラー。
  3. 前記過熱器が、奇数枚の過熱器パネルを有していることを特徴とする請求項1または2に記載した排熱回収ボイラー。
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