JP3768957B2 - 移動ロボットの経路設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律的に移動する移動ロボットの経路設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
外部からの遠隔操作によらずに自律的に移動するロボットの移動手段として、車輪を用いるものや複数の脚の交互運動によるものなど、様々な方式が提案されている。このような自律移動ロボットを目標対象へ向けて移動させた上で、例えば、ドアの開閉、壁に設置されたスイッチの操作、あるいは2足歩行による階段の昇降など、何らかの作業動作を行わせる場合、先ず、目標対象にロボットを正対させる必要がある。
【0003】
このような観点に立脚し、目標対象に対するロボット自身の向きを認識する方法として、光センサの検出部をロボットの足の両側に設けると共に、床面とは明度が異なる所定幅の直線をランドマーカーとして床面に予め描いておき、このランドマーカーと検出部との相対位置関係から、目標対象に対するロボットの向きを判断するようにした移動ロボットの位置検知制御が、特開平7−205085号公報に提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−205085号公報(図3、図4並びに段落番号0018、0021、0023)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の技術によると、目標対象に到達した時点でランドマーカーに対するロボット自身の向きを判断した後、その場で方向修正を行う必要があるが、このようなその場での方向転換の実行は、その制御の難易度の如何に関わらず、動作の円滑感を阻害する一因となる。またランドマーカーを床面に設けることが前提のため、床面構築物以外の目標対象には適用し得ない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、ランドマーカーなどを予め設ける必要がなく、目標対象に円滑に正対することのできる移動ロボットの経路設定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の請求項1においては、環境内の情報を参照して自律的に移動する移動ロボットの経路設定方法として、ロボットの現在地点並びに現在姿勢を検出する過程と、ロボットが到達すべき目標地点並びにその地点での目標姿勢を決定する過程(ステップ1)と、前記目標地点(P)を通り、且つ前記目標姿勢の方位軸線(D2)を接線とする所定半径寸法以上の仮想旋回円(S1)を設定する過程(ステップ4)と、ロボットの初期位置(O)である出発地点を通り、且つ該出発地点での初期姿勢の方位軸線(D1)を接線とする所定半径寸法以上の円弧(S2)を設定する過程と、前記仮想旋回円と前記円弧とに同時に接する仮想接線(L1)を設定する過程(ステップ5)と、前記仮想旋回円および前記仮想接線上に経路を設定する過程とを有し、前記経路を設定する過程において、移動中のロボットの現在地点と前記目標地点とを結ぶ直線と移動中のロボットの現在姿勢の方位軸線とのなす角度が所定値を超えることのない経路を設定し得る仮想旋回円及び仮想接線を選択する(ステップ6)ことを特徴とする経路設定方法を提供することとした。
【0008】
このようにすれば、移動ロボットに設けた視覚センサの視線の向きを変化させずに常に目標を捕捉することができると共に、移動途中で急激な方向転換をせずに円滑に目標地点に到達可能な経路を設定することができる。
【0009】
また、請求項2においては、前記経路を設定する過程は、移動中のロボットの現在地点と前記目標地点とを結ぶ直線と移動中のロボットの現在姿勢の方位軸線とのなす角度が所定値を超えることのある第2の仮想旋回円(S3)と前記円弧(S2)とこれら第2の仮想旋回円と円弧とに同時に接する第2の仮想接線(L2)上に経路を設定せざるを得ない場合の処理として、前記第2の仮想旋回円上で前記目標地点と結んだ直線との角度が前記所定角度以下となる方位軸線(D4)を設定し、且つ該方位軸線の前記第2の仮想旋回円に対する接点(Q)を仮の目標地点と定める過程と、前記仮の目標地点に到達した時点に出発当初に設定した目標地点に目標地点を置き換える過程とを含ませることとした。
【0010】
これにより、障害物との干渉の関係から、第2の仮想旋回円上に経路をとらざるを得ない場合にも、比較的単純な処理で障害物を回避可能な経路を設定することができる。
【0011】
(削除)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明が適用されるロボット1には、図1に示すように、スピーカ2、マイクロフォン3、及び左右一対のビデオカメラ4が設けられており、ビデオカメラ4からの画像信号が画像入力部5を介して画像認識部6に入力され、マイクロフォン3からの音信号が音源定位部7並びに音声認識部8に入力され、発話生成部9で生成された合成音声信号がスピーカ2から出力されるようになっている。そして発話生成部9からの発話信号が音声認識部8に入力され、音声認識部8からの音声認識信号が発話生成部9にフィードバックされるようになっている。
【0014】
ビデオカメラ4は、モノクロまたはカラーの撮像素子を備えており、パン(左右方向)及びチルト(上下方向)動作がモータによって行われる。このビデオカメラ4からの画像出力は、フレームグラバーによってディジタル化されて画像入力部5に取り込まれ、ここで連続または任意の間隔の2フレーム間の差分から動体が抽出される。そして画像認識部6において、左右一対のビデオカメラ4の画像から立体視して距離情報を求めると共に、ロボット1の移動範囲の環境地図が作成される。また画像情報からオプティカルフローに基づいて人の輪郭や移動体の位置を求め、人の顔を識別するための画像処理が行われる。
【0015】
音源定位部7では、複数のマイクロフォン3間の音圧差及び音の到達時間差に基づいて音源位置を特定する。また、音の立ち上がり部分から、人が発する音声であるか、何らかの物体同士がぶつかり合う衝撃音であるかを推定する。
【0016】
音声認識部8では、予め登録された語彙を参照してマイクロフォン3からの音声信号を認識し、人の命令や意図を認識する。
【0017】
発話生成部9では、後記する人応答部10からの指示もしくは発話生成部9の内部での音声認識の結果により、人に伝える内容を音声合成してスピーカに出力する言語処理を行う。
【0018】
このロボット1には、予め登録された地図情報の更新およびロボットの定型進行ルートの設定やタスクの設定を行うための地図データベースが格納された地図管理部11と、ID・氏名・性別・生年月日・血液型などの一般情報および会社名・所属・役職・電話番号・メールアドレス・端末情報などの職業情報が格納された個人情報データベースと、顔認識のための顔データベースとを備える個人情報管理部12とが設けられたロボット支援サーバ13からの情報が与えられるようになっている。
【0019】
人応答部10は、画像、音、言語、地図、および個人の情報を基に、ロボット1の周囲の人情報(例えばオペレータと来訪者とを区別する)を管理すると共に、人とのコミュニケーションを支援する人情報マップと、人とのコミュニケーションにおけるロボットの行動様式を定義し、条件によって遂行する行動を制御管理するシナリオ管理部とを備えている。
【0020】
画像認識部6には、ロボット支援サーバ13に設けられた地図管理部11に格納されている地図情報が入力される。また画像認識部6では、ロボット支援サーバ13に設けられた個人情報管理部12に格納されている顔データベースを参照して個人の顔を識別する。
【0021】
移動計画部14では、接近したい対象(人や物体)から視線を外さずに移動できるように、ロボット1の移動経路を設定し、歩行指示値を移動指示部15に出力する。また、移動計画部14には、画像認識部6の画像処理信号が直接入力され、地図管理部11からの地図情報を参照しつつロボットの周辺の障害物の有無をチェックし、移動中に現れた障害物あるいは人などに衝突しないように、移動速度や移動経路の変更指示を移動指示部15に発する。
【0022】
行動指示部16では、非同期で入力される移動指示部15からの移動指示値と人応答部10からのアクション指示値とに基づいた行動指示値を生成し、これを移動制御部17並びに手腕制御部18に与え、ロボット1の運動を制御する。ここで移動制御部17は、脚あるいは車輪などの移動機構部19を制御し、歩行型(脚式)であれば歩幅および歩数の指示を受け、車輪型であれば車輪回転速度および回転数の指示を受け、それに基づいて移動機構部19の制御を行う。また手腕制御部18は、手・腕に設けられたアクチュエータなどの手腕機構部20を、行動指示部16が発する所定の動作指令に基づいて制御する。また、移動計画部14並びに行動指示部16は、人応答部10との間で互いに信号の授受が行われる。
【0023】
自己位置推定部21は、ロボット1の方向転換角度や移動距離を移動制御部17から入力し、これとジャイロコンパス、地磁気センサ、或いはガスレートセンサを用いた位置補正装置、もしくはDPS等による自己位置検知装置の検出値から、最新の自己位置及び姿勢を推定し、これを行動指示部16を介して移動計画部14にフィードバックする。これによって目標地点と自己位置とを比較し、進路や姿勢の補正を行う。
【0024】
一方、ビデオカメラ4は、その視線の向きを自由に変えられるようになっており、画像認識部6で得られた目標対象の位置情報をパン・チルト角度に変換し、それらの値に基づいてビデオカメラ4の動きを制御することにより、目標対象を注視することができるようになっている。また、音源定位部7から得られた音の種別および音源位置の情報に基づいてその音源方向を注視させることもできるし、人応答部10並びに移動計画部14からの情報に基づいて視線を任意位置に向けさせることもできる。
【0025】
ロボット支援サーバ13には、キーボードやタッチパネルなどのユーザ操作部22およびディスプレーパネルなどのモニタ23が接続され、各種情報の新規・更新登録をユーザーが任意に行うことができるようになっている。なお、ユーザ操作部22は、ロボット1の起動・停止・原点復帰などをオペレータが指示してロボット1を遠隔操作するためのユーザインターフェースとしても用いられ、モニタ23は、マイクロフォン3からの音やビデオカメラ4の映像をオペレータが監視し得るようになっている。
【0026】
次に、2足歩行を行う脚式ロボットの場合の移動経路設定に関するアルゴリズムについて、図2及び図3を参照して説明する。
【0027】
移動経路の設定に必要な情報は、現在地点の座標情報、現在の姿勢情報、目標地点の座標情報、目標に正対するのに要する姿勢(目標姿勢)情報である。ここで予め設定された環境地図上でのロボット1の初期位置の座標、並びに姿勢(前進方向の方位軸線)は、待機位置並びに待機姿勢を予め規定しておくか、あるいは初期状態の情報をオペレータが始動時に入力するようにすれば良く、ここでは、ロボット1の初期位置をO点とし、その前進方向の方位軸線はY軸上にあって図3における真上を向いているものとする。
【0028】
先ず、ロボット1の初期位置O(出発地点)を基点とした目標地点PまでのX軸上、Y軸上(X、Yは、地図情報上に予め定めた方位)での距離x、yを2眼立体視で計測する。そしてロボット1の前進方向の方位軸線D1と目標地点Pに存在する目標対象の正面の方位軸線D2との角度偏差、つまり初期位置にあるロボットが目標対象に正対するのに要する初期位置からの方向転換角度θを計算する(ステップ1)。
【0029】
基点Oから目標地点Pまでの直線距離OP、或いは方向転換角度θを所定の基準値と比較し、これらから本制御によって円滑に正対することが可能か否かを判断する(ステップ2)。その結果、不能と判断された場合はその旨の表示を出して本制御をキャンセルし(ステップ3)、本制御が有効と判断された場合は次の処理に進む。
【0030】
例えば、図3に示した位置関係の場合、最も制御が簡単なのは、ロボット1が初期位置OからY軸上を前進し、ロボットの前進方位軸線D1および目標地点P上で目標対象の正面に正対する方位軸線D2を接線とする円弧S上を進行させることである。他方、ロボット1は、経路上での障害物の存否を常時確認しつつ前進する必要があるが、ロボット1のビデオカメラ4をパンさせながらの進行は、機械的な応答速度や画像処理速度の関係に鑑み、処理が過度に複雑化することが予想されるのであまり好ましいとは言えない。つまりビデオカメラ4の向きを進行方向に固定したままの視野角内に目標対象を捉えて前進できるように移動経路を設定することが好ましい。魚眼レンズの如き超広角レンズを用いればこの問題は解消可能であるが、過度な広角レンズは歪みが大きいため、立体視を行う上でのキャリブレーションが困難である。
【0031】
このような観点に立ち、最大視野角を、前進方位に対して例えば片側90度(左右180度)と設定すると、上記の円弧Sを通る経路では、Y軸上での前進距離がyを超えると、目標地点Pがロボット1の背後になってしまい、固定された視野角内に目標対象を捉えたまま前進できないことになってしまう。そこで本発明においては、この角度、つまりロボット上のある点から目標地点を向く方位軸線(移動中のロボットの現在地点と目標地点とを結ぶ直線)とロボットの進行方向の方位軸線(移動中のロボットの現在姿勢の方位軸線)とのなす角度が、所定値(本実施例においては90度)を超えないように経路設定を行うこととした。
【0032】
具体的には、ロボット1が2足歩行でたどれる円弧の最大曲率(最小半径)はロボット1の機械的な仕様で決まるので、それ以上の適宜な半径寸法であり、且つ目標地点P上で目標対象に正対する方位軸線D2を接線とする仮想旋回円候補S1を、幾何学的計算により設定する(ステップ4)。ここで仮想旋回円の半径寸法は、固定値としても良いが、移動する環境や目標地点までの距離や現在姿勢と目標姿勢との角度偏差に応じて決定することも考えられる。例えば、姿勢の角度偏差θが大きいほど小回りさせるように、角度偏差に対応して直線的に、または段階的に変化する係数を予め定めておくことが考えられる。
【0033】
次に、ロボット1の初期位置Oを通りY軸(=方位軸線D1)を接線とする半径寸法が所定値以上の円弧S2と、上記仮想旋回円候補S1とに同時に接する直線L1(仮想接線)を引き(ステップ5)、この直線L1上の前進方向方位軸線D3と仮想旋回円候補S1との接点T1から目標地点Pを向く方位軸線とのなす角度αが90度以下か否かを判別する(ステップ6)。この角度が90度以上ならば、半径寸法を変えて仮想旋回円候補の設定をやり直し、90度以下ならば、ロボットの初期位置Oを基点とし、目標地点Pに達する経路O〜T1〜Pを設定する。
【0034】
このようにして設定された予定経路を歩行するのに最適な歩幅を経路の曲率および総延長に応じて計算し、最終的に目標対象に正対できるように、仮想経路点列数nおよびその座標(*vx、*vy)を設定する(ステップ7)。この際、円弧部分は、変曲点間の距離を最大歩幅以内の値で等分割し、直線部分は、主に最大歩幅で移動し、円弧部分に接続する直前で歩幅を減ずるようにすれば、高効率に移動することができる。また、歩行速度による慣性力を加味し、減速・停止時は歩幅を徐々に減ずるようにすると良い。
【0035】
そして環境地図を参照し、*vx、*vyが移動可能領域にあるか否かのチェックを行い(ステップ8)、この経路上に固定障害物が認められる場合は半径寸法を変えて仮想旋回円候補の設定をやり直し、固定障害物が認められない時は、これを経路と決定してこの座標に従って歩を進めるものとする(ステップ9)。
【0036】
ここで仮想旋回円や仮想接線を決定するために様々の要素が考えられ、例えば図3に示す位置関係の場合、目標地点Pの姿勢方位軸線D2を接線とする仮想旋回円候補は、S1の他にS3が描けるが、円弧S2と第2の仮想旋回円候補S3との接する直線L2と、この直線L2の第2の仮想旋回円候補S3との接点T2から目標地点Pを向く直線との角度α′は90度を超えており、このままでは目標地点Pを視野角内に捉えたままでこの円弧S3に進路を接続することはできない。
【0037】
この点を加味し、移動経路上の障害物との干渉を避けることを最重要項目とし、もしも障害物がなくて経路設定の自由度が高い場合は、経路の延長距離、目標地点に到達するまでに要する方向転換回数、或いは歩数などについて、経路決定上の優先順位を適宜に定めておくと良い。
【0038】
障害物との干渉の関係から、第2の仮想旋回円候補S3上に経路をとらなければならない場合は、第2の仮想旋回円候補S3上で目標地点Pを視野角内に捉えることのできる方位軸線D4となるQ点を仮の目標地点と定めて上述の処理を行い、Q点に到達した時点で目標地点をP点に置き換えて第2の仮想旋回円候補S3上を進行するようにすると良い。また、仮の目標地点を定めつつ順次進行する制御を適用すれば、障害物を避けるための比較的複雑な経路設定が単純な処理の繰り返しで実行することが可能である。
【0039】
なお、当初から正対方位軸線をD4とするQ点が目標地点の場合は、障害物との干渉がなければ、O〜T2〜Qを経路とすれば良いことは言うまでもない。
【0040】
次に歩幅調整に関わる制御について図4を参照して説明する。先ず、目標地点までの距離Lを測定し(ステップ11)、現在位置が停止指令発信範囲に入ったか否かを判断する(ステップ12)。停止指令発信範囲外であれば、目標地点までの距離Lが最大歩幅Sの2倍以上か否かを判断する(ステップ13)。ここで2倍以上と判断された場合は、歩幅Sを最大に設定して(ステップ14)次の一歩を進む。またステップ13で最大歩幅Sの2倍より小さいと判断された場合は、目標地点までの距離の半分L/2に歩幅Sを設定して(ステップ15)次の一歩を進む(ステップ16)。
【0041】
この一歩を進めたことにより、現在位置が停止指令発信範囲に入ったとステップ12で判断されたならば、停止指令を出力する(ステップ17)。すると目標地点までの距離の半分に設定された歩幅が停止指令の出力時に反映され、最後の一歩で目標地点に丁度到達することとなる(ステップ18)。
【0042】
例えば、最大歩幅を50cmとした場合、ある地点での目標地点までの距離が140cmあったならば、これは最大歩幅の2倍以上なので、次の一歩は最大歩幅と設定して50cm進む。この状態で再び目標地点までの距離を計測すると、残り90cmとなる。これは最大歩幅の2倍以下なので、これ以降の歩幅を残りの距離の1/2、つまり45cmと設定すれば、制御の応答遅れがあったとしても、目標地点での停止誤差を極めて小さくすることができる。
【0043】
目標地点までの距離の計測は、スタート時に計測した値からの残りがある所定値以下となってから一歩進める都度行うようにすれば良く、また残りの距離を判断するための最大歩幅の倍数も、上に例示した2倍に限らず、最大歩幅の整数倍であれば、計測精度や応答速度を補償できる距離を勘案して適宜に定めれば良い。
【0044】
なお、ある曲率の円弧上を進む際の最大歩幅も直線上を進む際の最大歩幅と同様に機械的な仕様で定まるので、屈曲路を歩行する場合も、また斜め前方へ脚を踏み出して斜行する場合も、上記の手法によって同様に制御可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、床上構築物や人に自律型移動ロボットを正対させる必要がある場合に、移動ロボットに設けた視覚センサの視線の向きを変化させずに目標を常に捕捉可能であり、しかも移動途中で急激な方向転換をせずに円滑に目標地点に到達可能なように移動経路を設定することができるので、情報処理を簡略化し、制御に要する負荷を軽減する上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるロボットの制御構成ブロック図
【図2】 本発明による経路設定に係わるフロー図
【図3】 経路設定に係わる説明図
【図4】 目標地点への到達直前の歩幅調整制御に係わるフロー図
【符号の説明】
1 ロボット
4 ビデオカメラ
6 画像認識部
11 地図管理部
14 移動計画部
17 移動制御部
19 移動機構部
21 自己位置推定部
Claims (2)
- 環境内の情報を参照して自律的に移動する移動ロボットの経路設定方法であって、
ロボットの現在地点並びに現在姿勢を検出する過程と、
ロボットが到達すべき目標地点並びにその地点での目標姿勢を決定する過程と、
前記目標地点を通り、且つ前記目標姿勢の方位軸線を接線とする所定半径寸法以上の仮想旋回円を設定する過程と、
ロボットの初期位置である出発地点を通り、且つ該出発地点での初期姿勢の方位軸線を接線とする所定半径寸法以上の円弧を設定する過程と、
前記仮想旋回円と前記円弧とに同時に接する仮想接線を設定する過程と、
前記仮想旋回円および前記仮想接線上に経路を設定する過程とを有し、
前記経路を設定する過程において、移動中のロボットの現在地点と前記目標地点とを結ぶ直線と移動中のロボットの現在姿勢の方位軸線とのなす角度が所定値を超えることのない経路を設定し得る仮想旋回円及び仮想接線を選択することを特徴とする移動ロボットの経路設定方法。 - 前記経路を設定する過程は、移動中のロボットの現在地点と前記目標地点とを結ぶ直線と移動中のロボットの現在姿勢の方位軸線とのなす角度が所定値を超えることのある第2の仮想旋回円と前記円弧とこれら第2の仮想旋回円と円弧とに同時に接する第2の仮想接線上に経路を設定せざるを得ない場合の処理として、
前記第2の仮想旋回円上で前記目標地点と結んだ直線との角度が前記所定角度以下となる方位軸線を設定し、且つ該方位軸線の前記第2の仮想旋回円に対する接点を仮の目標地点と定める過程と、
前記仮の目標地点に到達した時点に出発当初に設定した目標地点に目標地点を置き換える過程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の移動ロボットの経路設定方法。
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