JP3768917B2 - 摩擦力および粘性減衰係数測定法 - Google Patents
摩擦力および粘性減衰係数測定法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧シリンダにおけるピストンに作用する摩擦力および粘性減衰係数の測定法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車・航空機・船舶・建設機械など、多岐の分野にわたる機械システムの高速化・高機能化が進展するとともに、その動特性もより複雑になる場合が多い。そのため、機械システムの開発・設計プロセスにおいて、CAEによる動特性シミュレ−ションを導入することで、システムの応答性・安定性・各油圧機器要素が有する非線形性の影響などの予測や綿密なパラメ−タ・サ−ベイを行なうことが可能となる。シミュレ−ションを行なう際には、個々の機器の数学モデル中に存在するシステムパラメ−タの定義・入力が必要である。ここで、より、信頼性の高いシミュレ−ション解を得るためには、システムの構成要素の静特性やシステムパラメ−タを正確に把握することが必要不可欠な条件となるが、その反面、実機を使用したこれらの計測には、煩雑な反復作業を必要とする場合が多く、問題点があった。
【0003】
図1の本装置を用いて、従来の計測方法を説明する。本装置は、電気−油圧サ−ボ弁(Electro hydraulic servo valve・・・以下サ−ボ弁という)1、管路(Hydraulic pipe line)2、片ロッド形油圧シリンダ(Hydraulic cylinder・・・以下油圧シリンダという)3を主要要素として構成されている(なお、本発明は両ロッド型シリンダにも適用可能である)。更に、具体的に説明すると、油圧シリンダ3内には、ピストン4が挿入されており、このピストン4によって第一圧力室5と第二圧力室6とに区画している。第一圧力室5には、第一圧力センサ(Pressure sensor)7と第一圧力ポ−ト8が、第二圧力室6には、第二圧力センサ(Pressure sensor)9と第二圧力ポ−ト10が設けられており、ピストン4は、ピストンロッド11を介して荷重移動体(Load)12に連結され、更に、本装置は、その荷重移動体12の移動を検知する変位センサ(Displacement sensor)13を有している。また、サ−ボ弁1内には、第一弁14、第二弁15、第三弁16、第四弁17が軸18により一体に結合され摺動自在に挿入されている。また、サ−ボ弁1は、第一口19、第二口20、第三口21、第四口22、第五口23を有する。そして、第一口19、第二口20は、管路2を介して油圧シリンダ3の第一圧力ポ−ト8と、第二圧力ポ−ト10の対応するそれぞれに接続され、また、第三口21、第四口22、第五口23は、油圧源24にそれぞれ連通されている。また、本装置は、図示しないコンピュ−タとD/Aコンバ−タを、サ−ボアンプ(ServoAmp)25、ソレノイド26と接続し、この接続によってコンピュ−タで計算された制御入力は、D/Aコンバ−タを介して電圧信号uとしてサ−ボアンプ25に入力され、ソレノイド26によりサ−ボ弁1を駆動する。このような本装置を用いて、摩擦特性の計測する従来の方法について説明する。
まず、ここで使用する主な記号について説明する。
そこで、図1の本装置は、以下のような順で駆動される。
1.コンピュ−タで計算された制御入力が、D/Aコンバ−タを介して電圧信号uとしてサ−ボアンプ25に入力される。
2.電圧信号uに比例した電流信号iに変換して、サ−ボ弁1を駆動する。
3.サ−ボ弁1を駆動するにともない、油圧源24からの圧油が油圧シリンダ3流入し、ピストン4が駆動する。
このとき、ピストン4の移動量yは変位センサ13によって検出され、油圧シリンダ3内両室の圧力(pa 、pb )は、油圧シリンダ3入り口に取り付けられた第一圧力センサ7と第二圧力センサ9によって検出される。
本装置の、油圧シリンダ3は、ピストン4の受圧面積がヘッド側(図1中の第二圧力室6)とキャップ側(図1中の第一圧力室5)において非対称であるため、ピストン4の運動方向に応じて速度および駆動力が異なる。また、摺動部には固体接触から発生する乾性摩擦と作動油の粘性の影響による粘性摩擦を主因とする摩擦力が発生する。
式(1)にピストン4の運動方程式を示す。
ピストン4が等速運動するまでの流れは、上式に基づいて以下のように説明し得る。
1.サ−ボ弁1をある一定の開度にする。
2.油圧シリンダ3内に作動油が流入し、駆動力Fが発生する。
3.駆動力Fにより、ピストン4は加速度運動する。
4.b・dy/dtが徐々に大きくなりF−fと釣り合うと、m・d2 y/dt2 =0となりピストン4は等速運動をする。
定常状態(上記4.の状態)でのピストン4の速度(dy/dt)と駆動力Fの関係は図2に示す一次近似モデルで表すことができ、このときの運動方程式は次式のように表される。
b・dy/dt+f=F・・・・・・・・(2)
例えば、図中の正領域(dy/dtが正の領域)において、直線の傾きbpは粘性減衰係数を表し、縦軸との切片fdpは動摩擦力を表す。また、fspはピストン4が動き始める瞬間の駆動力(静止摩擦力)を表す。したがって、式1、2中の摩擦力fは、次のように表される。
【数1】
これらのような摩擦力fと粘性減衰係数bの特性を正確に把握することは、正確なシミュレ−ション解を得るためには必要不可欠となる。
【0004】
次に、従来の手法による油圧シリンダの摩擦特性の計測方法を図3に基づいて説明する。
図3(a)にはピストン変位y、図3(b)にはシリンダ両室の圧力pa 、pb 、図(c)には油圧シリンダの摩擦特性の計測結果を示す。以下に摩擦特性の計測方法について述べる。
図3(a)(b)において、破線で仕切られている範囲(約1.0〜3.5秒)では、制御弁にある一定の信号が入力されている。このときのピストン変位とシリンダ両室の圧力は、それぞれシリンダに取り付けられた変位センサと圧力センサから取得することができる。
計測者は実験により得られたピストン変位(図3(a))から、ピストン変位を時間に対して微分することでピストン速度を算出する。そして、その中から定常状態(ピストンが等速運動している状態)におけるピストン速度dy/dtを取得する。次に実験により得られた各圧力(図3(b))から、定常状態における駆動力F(F=apapa −apbpb )を取得する。ここで得られたピストン速度dy/dtと駆動力Fをグラフにプロットしたものが(図3(c))の点線で囲まれた点である。
計測者は制御弁に入力する信号を様々に変化させ、上記の処理を繰り返し行なうことで図3(c)のような摩擦特性の計測結果を得ることができる。
ピストンの粘性減衰係数bおよびピストンに作用する摩擦力fは、図3(c)で得られた摩擦特性の計測結果を用いて、以下のように取得する。
ピストン速度が正の場合と負の場合において、ピストン速度dy/dtと駆動力Fの関係を、最小二乗法を用いて一次近似する。そのときの近似結果を図4に示す。ピストン速度が正および負の場合におけるそれぞれの直線の傾きが、ピストンの粘性減衰係数(bp ,bn )となる。また、それぞれの直線と縦軸との切片が、ピストンに作用する動摩擦力(fdp,fdn)となる。
更に、従来の手法による摩擦特性の計測法を、図5のフロ−チャ−トに基づいて説明する。
先ず計測者は、制御弁に印加される信号のレンジおよび、印加される信号の刻み幅を設定し計測を開始する。以下、下記の行程を行なう。
行程1 設定された信号を制御弁へ入力する。
行程2 シリンダ両室に取り付けられた圧力センサからの出力値および、ピストンに取り付けられた変位センサからの出力値を取得する。ここで得られた出力値から、ピストンの駆動力(F=apapa −apbpb )および変位を算出する。
行程3 ピストンの駆動力と変位のグラフを作成する。ここで作成したグラフの一例を図3(a)、(b)に示す。なお、図中の破線で仕切られた範囲では、制御弁への一定の信号が入力されている。
行程4 制御弁へ一定の信号が入力されている範囲内において、ピストン変位を時間微分し、ピストン速度を算出する。算出したピストン速度の中から、定常状態(ピストンが等速運動している状態)でのピストン速度の平均値を取得し、さらに、駆動力の平均値も取得する。
行程5 設定に基づき制御弁の入力を増減し、行程1から行程4までを繰り返す全ての処理が終了していれば、次の行程へ進む。
行程6 行程4で得られたピストン速度および、駆動力をグラフにプロットする。ここで得られた摩擦特性の結果を図3(c)に示す。
行程7 得られた摩擦特性の結果を、最小二乗法を用いて一次近似する。この際速度が正の場合および、負の場合に分けて一次近似を行なう。ここで得られた近似式のそれぞれの傾きが粘性減衰係数を示し、それぞれの切片が動摩擦力を示す。その結果を図4の実線によって表現する。
図3は、行程3および行程4の流れを示したものである。
計測者は、実験により得られたピストン変位(図3(a))から、ピストン変位を時間に対して微分することでピストン速度を算出する。そして、その中から定常状態(ピストンが等速運動している状態)でのピストン速度のdy/dtの平均値を取得する。次に実験により得られた駆動力(図3(b))から、定常状態における駆動力Fの平均値を取得する。ここで得られたピストン速度のdy/dtと駆動力Fをグラフにプロットしたものが、図3(c)中の点線で囲まれた点である。
計測者は、制御弁に入力する信号を様々に変化させ、上記の処理を繰り返し行なうことで図(c)のような摩擦特性の計測結果を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来、ピストンに作用する摩擦力および粘性減衰係数の測定には、手作業を含む煩雑な計測作業を繰り返す必要があり、また、ピストン速度を一定にする必要があるという問題点があった。
このような問題点に対する解法が望まれており、そこで、本発明は、電気−油圧サ−ボ系の構成要素の一つである油圧シリンダを対象とし、ピストンに作用する摩擦力および粘性減衰係数をきわめて簡便に測定できる手法を開発した。本発明の手法では1回の実験から自動的にピストンの粘性減衰係数bおよびピストンに作用する摩擦力fを得ることができ、また、ピストン駆動をランダム速度での測定を可能にすることにより、自動化による測定の簡便化を図ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
制御弁と、管路と、片ロッド形油圧シリンダと、油圧源等からなる装置を用いて摩擦力および粘性減衰係数を測定する方法において、下記1〜6の手順によって測定する方法である。
1.制御弁へ指令信号を入力する。
2.前記制御弁により、油圧源から管路を介して流入した圧油によって片ロッド形油圧シリンダ内のピストンが移動した時のピストン移動速度と駆動力を前記シリンダ内に設けた圧力センサおよびピストンの変位を検出する変位センサからの出力にもとづいて算出する。
3.前記算出したピストンの移動速度と駆動力のノイズを除去する。
4.前記ピストンの移動速度と駆動力から、ピストン移動速度に対する駆動力のデ−タとなるようにデータ処理を行うにあたり、ピストン移動速度および駆動力のそれぞれの時系列データから、速度に対する駆動力のデータへ変換し、速度を小さい順に整列(ソ−ト)し、このとき、速度と駆動力は1組のペアとし取り扱い、整列後のデータに対して、意味のなさない部分を四捨五入処理する。
5.前記データ処理されたピストン移動速度と駆動力をグラフ化し、摩擦特性を得る。
6.前記摩擦特性の結果を、最小二乗法を用いて一次近似を行い粘性減衰係数および動摩擦力を算出する。
また、前記指令信号は、ピストンの伸びおよび縮み行程を少なくとも1回は含むような波形としたことを特徴とする摩擦力および粘性減衰係数測定法である。
また、前記四捨五入を、小数点第4位以下に設定したことを特徴とする摩擦力および粘性減衰係数測定法である。
【0007】
【発明の実施形態】
次に、図1の本装置を用いて、本発明による摩擦特性の計測方法について説明する。
まず、計測者は計測を実施する前に、制御弁への指令信号を作成する。なお、指令信号はどような波形でも構わないが、ピストンの伸びおよび縮み行程を少なくとも1回は含むような波形を用いる。今回対象とした実験では、指令信号が正の場合はピストンが伸び、負の場合はピストンが縮むため計測には図6(a)に示されているような指令信号を用いた。ここで示した指令信号を制御弁へ入力して得られたピストン変位yおよび駆動力Fをそれぞれ図6(b)、(c)に示す。 また、ピストン変位を微分することで得られたピストン速度を図6(d)に示す。
図6(b)からも分かるように、ピストンの運動には伸びおよび縮み行程が含まれている。このときのピストン速度(図6(d))と駆動力(図6(c))から、ピストン速度と駆動力のデ−タを作成する。その作業の流れを図7に示す。図7(a)(b)には、それぞれピストン速度と駆動力の時間に対する変化状況が示されている。図7(c)のようなピストン速度と駆動力のデ−タを作成するには、図7(a)(b)に示されたピストン速度と駆動力から、ピストン速度に対する駆動力のデ−タとなるようにファイルを編集する。
ここで得られたピストン速度と駆動力の関係をグラフにすると図8(a)のようになる。しかし、この結果は、従来の手法によって得られるものとは異なり、帯状の点の集合になっている。この原因は前述したように等速度で駆動して測定する従来の方法とは異なり、ピストン速度が常に変動しているために、ピストン変位およびシリンダ両室の圧力を取得する際に、センサからの信号に含まれる観測雑音(ノイズ)の影響を大きく受けるためである。このままでは正確なピストン粘性減衰係数bとピストンに作用する摩擦力fを求めることは困難である。そこで本発明による手法では図8(c)のようにピストン速度の小さいものから大きいものへと並び替え、ピストン速度と駆動力と駆動力が小数点以下第3位までの値になるように四捨五入した。その際、上記処理でピストン速度が等しくなってしまった場合には、そのピストン速度の間で駆動力の平均値を求め、その値をその時のピストン速度に対する駆動力とした。これらによって得られたピストン速度と駆動力は、図8(d)のようになり、その結果をグラフにすると図8(b)のようになる。本発明の手法本によって得られた摩擦特性と従来の手法によって得られた摩擦特性を比較したものを図9に示す。この結果からも分かるように、両者は良好な一致を示している。また、先述の推定手法によって推定されるピストンの粘性減衰係数bおよびピストンに作用する摩擦力fも従来の手法によって得られた結果と同様の値となる。
したがって、本手法を用いることで、従来の手法よりも少ない作業にもかかわらず、従来の手法によって得られた結果と同様の値を得ることが可能となる。
更に、本発明の手法による摩擦特性の計測法を、図10のフロ−チャ−トに基づいて説明する。
まず、計測者は計測を実施する前に、制御弁への指令信号を作成する。なお、指令信号はどのような波形でも構わないが、ピストンの伸びおよび縮み工程を少なくとも1回は含むような波形を用いる。以下、下記の行程を行なう。
行程1 設定された信号を制御弁へ入力する。
行程2 シリンダ両室に取り付けられた圧力センサからの出力値および、ピストンに取り付けられた変位センサからの出力値を取得する。ここで得られた出力値から、ピストンの駆動力(F=apapa −apbpb )および変移を算出する。
行程3 行程2で得られた速度および、駆動力の波形にはノイズが含まれている。従来法では、定常状態での速度および駆動力を用いるため、それらを 平均することで除去していた。しかし、本手法では変動する速度および 駆動力を用いるため、ノイズ除去法として、多項式適合法(既存の手法 )を用いた。したがって、行程3では多項式適合法により、速度および 駆動力に含まれるノイズ除去を除去する。(なお、測定状況が良好でノ イズの混入がわずかな場合、このノイズ除去の行程は省略しても良い)行程4 デ−タ処理の内容として、行程4では以下の処理を行なう。
1.速度および、駆動力のそれぞれの時系列デ−タから、速度に対する駆動力のデ−タへ変換する(図11参照)。
2.速度を小さい順に整列(ソ−ト)する。このとき、速度と駆動力は1組のペアとして取り扱う(図12参照)。
3.整列後のデ−タに対して、意味のなさない部分(今回は、小数点 第4位以下に設定)を四捨五入する。
行程5 行程4で得られたピストン速度および、駆動力をグラフにプロットする。ここで得られた摩擦特性の結果を図13に示す。
行程6 得られた摩擦特性の結果を、最小二乗法を用いて一次近似する。この際速度が正の場合および、負の場合に分けて一次近似を行なう。ここで得られた近似式のそれぞれの傾きが粘性減衰係数を示し、それぞれの切片が動摩擦力を示す。
行程4の処理1の流れを図11に示す。図11(a)(b)は実験によって得られた速度と駆動力の時系列デ−タであり、実験開始20秒からのデ−タを示している。この2つのデ−タから、速度と駆動力を取り出すことで、図11(c)に示されているような、速度に対する駆動力のデ−タを作成することができる。図11(c)からも分かるように、この時点では速度に対して整列を行なっていない。
行程4の処理2の流れを図12に示す。図のように、速度と駆動力を1組のペアとして扱い、全デ−タに対して速度を小さい順に整列していく。
行程4の処理3から行程5までの流れを図13に示す。行程4の処理2までを行なった場合の摩擦特性の結果は、図13(a)のようになる。これは、行程3で行なわれたノイズ除去の際に、除去しきれずに残ったものによる影響であると考えられる。そこで、本手法では、図13(c)(d)で示されるように、速度と駆動力が小数点第3位までの値になるように四捨五入する(行程4、処理3)その際、上記処理で速度が等しくなってしまった場合には、その速度の間で駆動力の平均値を求め、その値をその時の速度に対する駆動力とした。これによって得られた摩擦特性の結果は、図13(b)のようになる。
【0008】
【発明の効果】
従来、ピストンに作用する摩擦力および粘性減衰係数の測定には、手作業を含む煩雑な計測作業を繰り返す必要があり、更に、ピストン駆動速度を一定にする必要があり、測定に約2〜3時間かかっていた。本発明の、コンピュ−タによりピストン駆動の指令信号を与え、圧力、変位、時間を測定し複数の往復運動で得たデータを、自動的にグラフ化、数式化処理し、必要な摩擦力および粘性減衰係数を求める、という方法により、従来のような、煩雑な繰り返し作業の必要もなく、1〜2分で測定が可能になった。また、データ取得が迅速化し、ピストン設計やオイルの開発速度が早まるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定法に用いた装置である。
【図2】ピストンの速度と駆動力との関係の一次近似モデル図である。
【図3】(a)ピストン変位図である。
(b)シリンダ両室の圧力図である。
(c)油圧シリンダの摩擦特性の計測結果図である。
【図4】ピストンの速度と駆動力との関係を最小二乗法によって得られた一次近似結果図である。
【図5】従来の計測手法のフロ−チャ−ト図である。
【図6】(a)本発明の計測法に用いた波形の指令信号の図である。
(b)上記指令信号を制御弁へ入力して得られたピストン変位の図である。
(c)上記指令信号を制御弁へ入力して得られた駆動力の図である。
(d)ピストン変位を微分することで得られたピストン速度を示した図である。
【図7】図6から、ピストン速度と駆動力のデータを作成する、その作業の流れを示すもので、
(a)ピストン速度の時間に対する変化状況の図である。
(b)ピストンの駆動力の時間に対する変化状況の図である。
(c)前記ピストン速度とピストンの駆動力からピストン速度に対する駆動力のデータとなるようにファイルを編集した図である。
【図8】(a)図7で得られたピストン速度と駆動力の関係をグラフにした図である。
(b)後記(d)をグラフにした図である。
(c)ピストン速度の小さいものから大きいものに並び替えた図である。
(d)前記(c)を四捨五入し、平均化したピストン速度に対する駆動力の図である。
【図9】本発明の手法によって得られた摩擦特性と従来の手法によって得られた摩擦特性の比較図である。
【図10】本発明の計測手法のフロ−チャ−ト図である。
【図11】(a)ピストン速度の時系列データの図である。
(b)ピストン駆動力の時系列データの図である。
(c)速度に対する駆動力のデータの図である。
【図12】速度と駆動力を1組のペアとして、全データに対して速度を小さい順に整列した図である。
【図13】(a)摩擦特性の結果図である。
(b)データの整列後の摩擦特性の結果図である。
(c)ピストン速度に対する駆動力を、ピストン速度の順にソ−トした図である
(d)前記(c)を四捨五入し、平均化したピストン速度に対する駆動力の図である。
【符号の説明】
1 電気−油圧サ−ボ弁
2 管路
3 片ロッド形油圧シリンダ
4 ピストン
5 第一圧力室
6 第二圧力室
7 第一圧力センサ
8 第一圧力ポ−ト
9 第二圧力センサ
10 第二圧力ポ−ト
11 ピストンロッド
12 荷重移動体
13 変位センサ
14 第一弁
15 第二弁
16 第三弁
17 第四弁
18 軸
19 第一口
20 第二口
21 第三口
22 第四口
23 第五口
24 油圧源
25 サ−ボアンプ
26 ソレノイド
Claims (3)
- 制御弁と、管路と、片ロッド形油圧シリンダと、油圧源等からなる装置を用いて摩擦力および粘性減衰係数を測定する方法において、下記の手順によって測定する方法。
1.制御弁へ指令信号を入力する。
2.前記制御弁により、油圧源から管路を介して流入した圧油によって片ロッド形油圧シリンダ内のピストンが移動した時のピストン移動速度と駆動力を前記シリンダ内に設けた圧力センサおよびピストンの変位を検出する変位センサからの出力にもとづいて算出する。
3.前記算出したピストンの移動速度と駆動力のノイズを除去する。
4.前記ピストンの移動速度と駆動力から、ピストン移動速度に対する駆動力のデ−タとなるようにデータ処理を行うにあたり、ピストン移動速度および駆動力のそれぞれの時系列データから、速度に対する駆動力のデータへ変換し、速度を小さい順に整列(ソ−ト)し、このとき、速度と駆動力は1組のペアとし取り扱い、整列後のデータに対して、意味のなさない部分を四捨五入処理する。
5.前記データ処理されたピストン移動速度と駆動力をグラフ化し、摩擦特性を得る。
6.前記摩擦特性の結果を、最小二乗法を用いて一次近似を行い粘性減衰係数および動摩擦力を算出する。 - 前記指令信号は、ピストンの伸びおよび縮み行程を少なくとも1回は含むような波形としたことを特徴とする請求項1記載の摩擦力および粘性減衰係数測定法。
- 前記四捨五入を、小数点第4位以下に設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の摩擦力および粘性減衰係数測定法。
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