JP3768371B2 - Ctシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、観測対象物体の内部を非破壊的に画像化する2次元並びに3次元CT(コンピュータを使う断層撮影法:Computerized Tomography)システムに関するものである。詳しくは、この発明は、工業分野の電子部品や機械部品やモールド部品等の内部不良、多層プリント基板のスルーホールや半田づけの不良、プラスチックやセラミックスの内部欠陥、ゴム内部の異物、溶接部分の検査、アルミ製品内部の気泡、組立て時点での部品欠損、箱詰めの際の梱包不良、ケーブルやワイヤー等の内部切断、粘体や金属の連続押出し加工や鋳造の工程でのボイド欠損、管中を流れる液体中や粉体中の気泡や空洞の不具合等を、工場の生産ラインで少数方向の投影値から連続的に高速に内部検査するCTシステム、並びに農林水産分野の食品(肉、貝、魚、果物等)内部の異物検査や腐食検査、農産物等の品質評価等を少数方向の投影値から連続的に高速に行うCTシステム、並びに広域な海中3次元温度分布の可視化計測、磁界分布や電界分布の可視化計測、地下埋設物探査、地下資源や埋蔵物の探査等を少数方向の投影値から連続的に高速に行うCTシステム、並びに入国出国時の携帯品の内部検査や入場ゲートの危険物所持内部検査等を少数方向の投影値から連続的に高速に行うCTシステム等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の商用CT装置は、医療用として開発されたものであり、その再構成原理は、ほとんどFBP法によるものである。この方法は、投影方向を400〜1000程度必要としており、1度以下の間隔で投影を行うので、高精度の回転装置が必要となる。投影データ数も沢山必要としており、1枚の2次元画像を得るのに膨大な計算を実行する必要があり、高速な大型演算装置を用いている。
【0003】
一方で、従来の産業用CT装置は、医療用CT装置を元にしたものがほとんどである。従って、上記した従来のFBP法によるCT装置であることから高精度の回転装置や高速な大型演算装置を用いており、装置が高価で検査コストが高くなる。また投影方向が多いので投影時間が長くなり、計算量が膨大なので画像再構成の時間が長くなり、所要時間が長くなってしまう。そのために、安価な製品を生産ライン上で実時間で連続的に内部検査を行うことは、困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来のFBP法による産業用CT装置は、不良箇所の解析などの高画質が要求される高価な用途には適合している。しかし、安価で高速性が求められる用途には不向きであった。
【0005】
詳細に述べると、従来のFBP法によるCT装置では、再構成される画像において画素と画素の間での濃度値関係は無いとしているので、原理的に良い画像を得るには非常に多くの方向からの大量の投影データが必要になる。従って、投影方向を少数に制限することは困難であり、画質を良くするために高精度の回転装置が必要になる。また投影データが多くなれば計算量が膨大になるので、大型の演算装置が必要になる。そのため、CT装置が高価になりCT装置の応用範囲が制限されていた。また、投影方向が多いので投影時間もかかり、計算時間もかかるので、生産ライン上の観測対象物体を実時間で連続的に内部検査することは困難であった。
【0006】
さらに、海洋、地中、大気中、原子力発電、加速器、燃焼炉等のような、観測対象物体の領域が非常に広く、投影方向がごく少数に限定されるという特殊環境における内部観測では、投影データが少ないので、再構成の画像が劣化し、良いCT画像を得ることができなかった。
【0007】
このように従来のFBP法によるCT装置は、多方向から大量の投影データが必要であり、計算量が膨大であることが原因となって検査コストがかかるので、電子部品や機械部品等の大量に生産される安価な製品の内部検査には、不向きであった。また特殊環境における内部観測にも、不向きであった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、(1)投影方向が少数であっても再構成画像が劣化しないようにすること、(2)再構成の際、計算量を少なくすること、(3)投影時間や計算時間を短くして即時に再構成できるようにすること、(4)再構成の領域を広くできるようにすること、(5)装置が簡単であり適当な価格にすること、である。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するために、再構成画像の質を保持しつつ、安価にして高速処理が可能なCTシステムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のCTシステムにおける構成要件(手段)を以下に示す。
【0011】
(1)観測対象物体に、標本化定理が成立する標本化物体モデルを設定する。この物体モデルは、再構成画像において画素と画素との間の濃度値関係を与えるもので、少数方向からの少数投影データにおいても、再構成画像が劣化せず良好に再構成を行うために必要である。
【0012】
(2)再構成の計算方法としては、予め多くの計算をしておいて、投影データから再構成をする時には少ない計算で済むように工夫をしている。つまり、観測対象の物体モデルと、透過性ビームのビーム数やビーム間隔や方向からなる投影方法を決め、1本のビームについて1つの線形方程式を立て、全方向からの全投影データに対する連立線形方程式を得る。これらを行列の形で表現して、これを「物体投影モデル行列」と呼ぶ。この行列を前もって特異値分解して一般逆行列を計算して格納しておく。このように構成することにより、一般逆行列の定数行列に投影値列ベクトルを掛算するだけで、画像を再構成することができる。
【0013】
次に、広い領域を画像再構成するために、全領域を小さな部分空間を考えて、各部分空間毎に再構成できるように工夫をしている。つまり、上記の特異値分解の手法だけでは、投影データ数が多くなると線形方程式の独立性が悪くなるので広い領域を再構成することは困難であったが、以下の2方法を合体することにより上記特異値分解の手法を抜本的に改善している。
【0014】
(3)それは「部分再構成の定理」と呼ぶ新しい定理に基づいている。予め各部分空間毎に特異値分解を行ってその部分空間における一般逆行列を計算し格納しておく。再構成時に、各部分空間毎にその一般逆行列の定数行列に部分空間を透過しているビームの投影値列ベクトルを掛算するならば、部分空間毎の画素値を再構成できる、と言うことが上記の定理から分かっているので、同様に計算を繰返すことによって、全領域において画素値を再構成できる。
【0015】
以下に「部分再構成の定理」を示すと、「観測対象空間において、全領域での特異値分解による一般逆行列は、各部分空間での特異値分解による一般逆行列を用いて、近似的に算出できる」ということである。
【0016】
(4)画素領域を通り抜ける各方向からの多数のビームの透過状態がどの画素においても均一になるようにするならば、各画素を中心とする部分空間において画素値を再構成する時の計算方法が同じになるので、各ビーム投影値に積和計算する係数値の組を同一にすることができるということである。そうすれば、組織的な美しい繰返し計算構造になり、VLSI向き処理構造になる。そこで、画素領域を通り抜けるビームの透過状態を均一になるようにするために、以下の第1〜第7実施例のような特別な2次元または3次元の投影データ取得機構を考案した。これらでは、同じ層においてはどの画素においてもビームの透過状態が均一になっている。
【0017】
上記した構成要件〔(1)標本化モデル、(2)特異値分解、(3)部分再構成、(4)ビーム透過状態の均一化〕を組み合わせることにより、(i)少数方向の投影データから、(ii)少ない計算量で、(iii)高速に、(iv)広い領域を、(v)簡単で安価な装置により、画像再構成することが可能になり、前記5つの課題を解決することができた。なお、係数値を作成する方法として、標本化モデルと特異値分解による手段の代わりに、等価的に部分再構成影響係数関数Gから係数値を作成することもできる。
【0018】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からのその平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持して、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにし、平行ビーム発生源を検出装置平面の中心における垂直線を中心軸として一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値においてその位置における投影方向から、平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、備えたことを特徴とする。
【0019】
〔2〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持して、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を固定し、検出装置平面の中心を中心軸として検出装置平面を一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において固定の投影方向から、平行ビーム を照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、備えたことを特徴とする。
【0020】
〔3〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにして平行ビーム発生源を所定方向に固定し、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持しながら、検出装置平面の中心を中心点として検出装置平面を種々傾けて検出装置平面の垂直軸を回転させて、回転角が複数の各所定値における投影方向から、平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程 度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
備えたことを特徴とする。
【0021】
〔4〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°の範囲で複数の各所定値を準備しておき各傾斜角を順番に設定して一定に保持し、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を固定して、検出装置平面の中心を中心軸として検出装置平面を一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において一定の投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測して、傾斜角を順番に更新して同様に投影値の計測を繰り返す投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
〔5〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を所定方向に固定し、観測対象物を直進透過して到達した検出装置において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°の範囲で複数の各所定値を準備しておき、各傾斜角を順番に設定して、傾斜角が設定値になる ように検出装置平面中心を中心点として検出装置平面を傾け、検出装置平面の中心の垂直線を中心軸として一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において一定の投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測して、傾斜角を順番に更新して同様に投影値の計測を繰り返す投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、備えたことを特徴とする。
【0023】
〔6〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにして、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°範囲で複数の各所定値を準備しておき、各傾斜角を順番に設定して、投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を2次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が直線状に等間隔に配置されている直線に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする1次元画像を設定して、その1次元画像面に垂直な方向に1次元画像を層として等間隔に積み重ねた2次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面で各検出素子において中心をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平線をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投射する前記(a)の場合には、2次元画像空間での各層において各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有するので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分領域において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分領域を通る全ビームに関する連立方程式を立て行列で表現し、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分領域を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分領域を通る各ビームがどの程度影響するか を表す再構成係数値並びを部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することにより算出する部分再構成影響関数による手段とからなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、備えたことを特徴とする。
【0024】
〔7〕CTシステムにおいて、
(a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からのその平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を所定方向に固定して、観測対象物を直進透過して到達した検出装置において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°範囲で複数の各所定値を準備しおき、各傾斜角を順番に設定して、傾斜角が設定値になるように検出装置平面中心を中心点として検出装置平面を傾けて、投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
(b)観測対象物空間を2次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が直線状に等間隔に配置されている直線に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする1次元画像を設定して、その1次元画像面に垂直な方向に1次元画像を層として等間隔に積み重ねた2次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平線をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投射する前記(a)の場合には、2次元画像空間での各層において各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分領域において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立てて、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立て行列で表現して、特異値分解を行い一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段とからなる部分再構成係数作成手段と、
(c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、備えることを特徴とする。
【0025】
〔8〕上記〔1〕から〔7〕の何れか一項記載のCTシステムにおいて、前記部分再構成計算手段において、各層毎に各画素領域でのビームの透過状態が均一になる一様透過性を持たせることにより、各層での画素値を計算するために必要な再構成係数値並びのデータ量が大幅に縮小して集積回路にも搭載可能な格納量になり、画像全体の計算構造が各層毎に一組の再構成投影値並びを用いる積和計算に簡易化できるので、FPGAやASIC、DSP等の集積回路を用いてパイプライン処理や超並列処理等の時間的並列にまたは空間的並列に動作実行する前記部分再構成計算を行うための並列処理機構を備えて構成したことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の2次元ならびに3次元CTシステムの構成図である。
【0027】
本発明のCTシステムの構成は、図1のように、観測対象物体Sを透過するためのビームを発生させるX線発生源4と、透過したビームを検出し投影値を計測する投影値検出手段5と、前記観測対象物体Sと透過する前記ビームとの相対的位置関係を変化させる移動手段6と、投影値を取込む投影値取込み手段7と、その信号を対数変換する対数変換手段8と、その信号を格納しておく投影値格納手段9とからなる投影データ取得手段1と、
前記の観測対象物体Sを部分空間に分けて、各部分空間において標本化モデルと特異値分解による手段10または部分再構成影響関数による手段11とからなる部分再構成係数作成手段3と、
前記部分再構成係数作成手段3を用いて予め部分再構成係数を作成し、それを部分再構成係数格納手段12に格納して置き、前記投影値格納手段9に格納されている投影値の組と前記部分再構成係数格納手段12に格納されている係数値の組とで積和計算を実行する積和計算手段13からなる部分再構成計算手段2と、 前記積和計算手段13で計算された2次元または3次元画像を表示する表示手段14とから構成されることを特徴とするものである。
【0028】
そして、X線発生源4は、観測対象物体Sの内部を透過するためのビームを発生するように働く。投影値検出手段5は、X線発生源4から発生して観測対象物体Sを透過したビームを受け、投影値を検出するように働く。
【0029】
移動手段6は、観測対象物体Sと透過するビームと投影値検出手段5との間で相対的な位置関係を変えながら、種々の方向からの投影値が得られるように働く。
【0030】
また、投影値取込み手段7は、投影値検出手段5の信号を取込んで、投影値の積算平均化等の画像処理をするように働き、対数変換手段8は、投影値取込み手段7の信号を対数変換して出力するように働く。
【0031】
投影値格納手段9は、対数変換された信号を格納しておき、必要な時に格納部の中から必要な投影値を選び出して積和計算手段13へ送り出すように働く。
【0032】
標本化モデルと特異値分解による手段10は、観測対象物体S空間において標本化モデルを設定し、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通るビームに関する連立線形方程式を行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求めて、中心の画素値に各ビームがどの程度影響するのかを示す係数値を算出するように働く。
【0033】
部分再構成影響係数関数による手段11は、部分空間を通るビームが中心の画素値にどの程度影響するのかを示す係数値を、部分再構成影響関数Gにおいて前記ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出するように働く。
【0034】
部分再構成係数格納手段12は、前記標本化モデルと特異値分解による手段10または部分再構成影響係数関数による手段11からなる部分再構成係数作成手段3からの係数値を格納するように働く。
【0035】
積和計算手段13は、投影値格納手段9から送出された投影値の組と部分再構成係数格納手段12から送出された係数値の組との間で、積和の計算を高速に実行するように働く。
【0036】
表示手段14は、再構成された2次元または3次元画像を高速に表示するように働く。
【0037】
以下、本発明の各実施例について説明する。
【0038】
まず、本発明の第1実施例について説明する。
【0039】
図2は本発明の第1実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【0040】
この3次元CTシステムは、図2に示すように、投影値検出装置(図1における投影値検出手段に対応しており、ステージを兼ねている)100上に固定するように観測対象物体101をセットし、その観測対象物体101の上方に配置されるX線発生源102からX線をあてる。その際、X線発生源102は、投影値検出装置100に対して45度斜め方向にセットし、かつ観測対象物体101がセットされる投影値検出装置100の中心の垂直線103を中心として、円を描くようにX線発生源102を回転させる。つまり、X線発生源102を円軌道を回転させながら、観測対象物体101に対する各投影方向からの投影値を固定の投影値検出装置100で測定する。この観測対象物体101の空間では、詳細は後述するが、図9に示すように、観測対象物体101の3次元画像105の水平面の各層106において、各画素領域107におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。また、ここでは、画素領域107は、画素108を中心とする部分空間を表しており、9×9(81個)の画素を有している。
【0041】
このように、この実施例によれば、X線発生源を動かすのみで、観測対象物体は動かす必要がない。また、再構成終了後に観測対象物体を移動させることにより平板状のものであれば相当大きな物体でも対象にできる。
【0042】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0043】
図3は本発明の第2実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【0044】
この3次元CTシステムは、図3に示すように、X線発生源102を固定して、投影値検出装置100上に観測対象物体101を固定してセットし、投影値検出装置100に対して斜め45度方向から観測対象物体101にX線発生源102からのX線を透過し観測対象物体101と投影値検出装置100とを一体として、観測対象物体101のX線の透過点104を中心として投影値検出装置100を回転させて、観測対象物体101に対する各投影方向からの投影値を測定する。この観測対象物体101空間では、図9に示すように、観測対象物体101に対応する3次元画像105の水平面の各層106において、各画素領域107におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0045】
このように、この実施例によれば、投影値検出装置と観測対象物体を一体で回転させ、X線発生源を固定しておくことができる。
【0046】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0047】
図4は本発明の第3実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【0048】
この3次元CTシステムは、図4に示すように、X線発生源102を真上に固定して、垂直方向からX線を投影値検出装置100上に固定してセットされた観測対象物体101に対して透過する。その際、観測対象物体101がセットされている。投影値検出装置100の平面を種々の方向に傾斜させて、投影値を測定する。例えば、投影値検出装置100の平面からの垂線が円錐の面をなぞるように投影値検出装置100の平面を傾斜させる。この投影値検出装置100の平面は傾斜するだけであり、回転してはいないことに留意する。図9に示すように、3次元画像105の水平面の各層106において、各画素領域107におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0049】
なお、上記各実施例においては、X線発生源は投影値検出装置とは45度の傾斜を持たせるように説明したが、45度に限定されるものではなく、観測対象物体の形状などに対応して、種々の角度を複数個選定することができる。
【0050】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0051】
図5は本発明の第4実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【0052】
この3次元CTシステムは、図5に示すように、投影値検出装置100上に固定してセットされた観測対象物体101に対して、X線発生源102を斜めの各方向からX線を透過して各投影方向からの投影値を固定された投影値検出装置100で測定する。次に、観測対象物体100と共に投影値検出装置100を中心104の垂線を軸として回転させて、同様に各方向からX線を透過して投影値検出装置100で測定する。この観測対象物体101空間では、図9に示すように、観測対象物体101に対応する3次元画像105の水平面の各層106において、各画素領域107におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0053】
なお、この実施例では、X線発生源102が投影値検出装置100の中心104を通る垂線を軸として一定の円弧運動をしながら、観測対象物体101と共に投影値検出装置100の方を回転させている。この類似の実施例として、X線発生源102の円弧運動を投影値検出装置100の中心104の垂線を軸として回転させることで、観測対象物体101と投影値検出装置100を固定することができる。
【0054】
次に、本発明の第5実施例について説明する。
【0055】
図6は本発明の第5実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【0056】
この3次元CTシステムは、図6に示すように、X線発生源102を真上に固定して、垂直方向からX線を投影値検出装置100上に固定してセットされた観測対象物体101に対して透過する。その際、観測対象物体101がセットされている投影値検出装置100の平面を観測対象物体101のX線の透過点104を中心として左右に傾斜させながら各方向からX線を透過して投影値を計測する。次に、中心104の垂線を軸として回転させ、同様にして投影値検出装置100の平面を左右に傾斜させながら種々の方向からX線を透過して投影値を測定する。この観測対象物体101空間では、図9に示すように、観測対象物体101に対応する3次元画像105の水平面の各層106において、各画素領域107におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0057】
次に、本発明の第6実施例について説明する。
【0058】
図7は本発明の第6実施例を示す2次元CTシステムの模式図である。
【0059】
この2次元CTシステムは、図7に示すように、投影値検出装置100上に固定してセットされた観測対象物体101に対して、X線発生源102を斜めの各方向からX線を透過して各投影方向からの投影値を固定された1次元の投影値検出装置100で測定する。この観測対象物体101空間では、詳細は後述するが、図10に示すように、2次元画像110の水平線の各層111において、各画素領域112におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0060】
このように、この実施例によれば、X線発生源102からのX線の観測対象物体101の透過点104を中心にして円弧状に動かすのみで、観測対象物体101を動かす必要がない。
【0061】
また、再構成終了後に観測対象物体を移動させることにより帯状の長いものであれば相当大きな物体も対象にできる。
【0062】
次に、本発明の第7実施例について説明する。
【0063】
図8は本発明の第7実施例を示す2次元CTシステムの模式図である。
【0064】
この2次元CTシステムは、図8に示すように、X線発生源102を真上に固定して、垂直方向から投影値検出装置100上に固定してセットされた観測対象物体101に対してX線を透過する。その際、1次元の投影値検出装置100をX線の透過点104を中心として左右に傾斜させながら種々の方向からX線を透過して投影値を測定する。
【0065】
このように、この実施例によれば、1次元の投影値検出装置100は傾斜するだけで回転してはいない。図10のように、2次元画像110の水平線の各層111において、各画素領域112におけるビームの透過状態が均一になることが分かる。
【0066】
次に、本発明の第8実施例について説明する。
【0067】
この実施例は、3次元CTシステムの再構成計算を、組織的な美しい繰返し計算構造にして、VLSI向きの処理構造にする。図9に示すように、3次元画像105を2次元画像106が水平に重なったものと考える。ここで、水平面の2次元画像106を「層」と呼ぶ。前記第1実施例や第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例における3次元画像再構成では、この各層106においてはどの画素位置にあっても画素領域107を通り抜けるビームの透過状態が全く均一になることに留意されたい。従って、同じ層106においては、ある画素108を中心とする画素領域107(部分空間)におけるビームの透過状態がどの画素位置においても同じになっており、同一の係数値の組を利用して良いことが明らかになる。ここで、部分空間のサイズとしては、例えば、9×9でも良い画像が得られる。
【0068】
次に、本発明の第9実施例について説明する。
【0069】
この実施例は、2次元CTシステムの再構成計算を、組織的な美しい繰返し計算構造にして、VLSI向きの処理構造にする。図10に示すように、2次元画像110を1次元画像111が水平に重なったものと考える。ここで、水平線の1次元画像111を「層」と呼ぶ。第6実施例や第7実施例における2次元画像の再構成では、この各層111においてはどの画素位置にあっても画素領域112を通り抜けるビームの透過状態が全く均一になることに留意されたい。
【0070】
従って、同じ層111においては、ある画素を中心とする部分空間におけるビームの透過状態がどの画素位置においても同じになっており、同一の係数値の組を利用して良いことが明らかになる。
【0071】
次に、本発明の第10実施例について説明する。
【0072】
この実施例は、偽像を消去するための適当なフィルター関数(部分再構成影響係数関数と呼ぶ)Gを使用して3次元CTシステムの係数値の組を作成するものである。
【0073】
例えば、部分空間を9×9の正方領域(図9参照)として、中心の画素108の画素値を再構成する場合には、各投影方向毎に透過性の平行状ビームが画素領域107の各画素に1本づつ入射している。部分空間には9×9=81で81本のビームが投影方向毎に入射している。例えば、式(1)のフィルター関数Gを用いて、8 1本の各ビームに対して係数値を算出する方法を説明する。部分空間の中心画素108の中心点とそのビームとの位置関係をそのフィルター関数Gに代入することにより、そのビームの投影値が中心画素値の再構成にどの程度影響を与えるかを示す係数値Gを算出することができる。
【0074】
G(x,y,z) =5/{1−16(x2 +y2 +z2 )} …(1)
このようにして、81本のビームに対して係数値を算出する。ここで、3次元画像再構成領域をL×M×Nで深さ方向にN層になっているとすると、同じ層である水平面L×Mにおいては係数値の組はどの画素位置にあっても同一である。
【0075】
従って、全領域を再構成するためには、係数値の組が層毎に異なっているだけであるので、N組の係数値の組を作成するだけで良く、3次元画像再構成でも計算の仕組が大変簡単であることが分かる。
【0076】
以上、本発明のCTシステムによれば、次のような利点を有する。
【0077】
3次元画像(または2次元画像)の各層では、どの画素においても各ビームに対して掛ける係数値の組が同じであるので、組織的な繰返し構造になり、超大規模集積回路VLSIの処理に適している。特に、同じ層では用いる係数値の組が一組だけで良いので、VLSIの入力出力データが大変少なくなり、ほとんどがVLSI内部の計算処理となるので、VLSIによる効率の良い超高速大量処理が実現可能であり、大型の3次元画像を高速に再構成することが可能になる。
【0078】
これまでは、全領域に対して特異値分解に基づき一般逆行列を計算していたので、再構成画像の分解能を上げるには方程式の数が大幅に増えて、独立性が悪くなり計算限界を越えてしまうので、適用範囲が制限されていた。
【0079】
この発明では、狭い部分空間において部分再構成ができるので、これを繰返し用いることにより、大型の画像にも対しても適用することが可能になり適用範囲が拡大した。
【0080】
この発明では、画素再構成の計算方法が、狭い部分空間を透過する各ビームの投影値に対して各係数値を積和計算するだけでよく、1画素当りの計算量が少なくなり、計算のために大容量メモリが必要ではなく、投影値のデータ量も少ないので、各種並列処理ハードウェアによる超高速処理が可能になり、従って、大型の画像を対象にすることができ、計算コストを安価にすることが可能になる。
【0081】
従来のCTシステムでは、精密な回転装置が必要であったが、本発明のCTシステムでは、少数方向からの投影値検出手段で済むので、ベルトコンベア上で極めて簡単な回転機構を利用することができ、投影スキャナーの機構部を安価にすることが可能である。
【0082】
投影値のデータ量が少なくて良いので計測時間が短くなり、また再構成の計算量が少ないので計算時間が短くなる。超高速であり、装置が安価で検査コストが安くなることから、安価な部品や食品等を生産ライン上で実時間で連続的に全数内部検査することができるようになる。
【0083】
投影方向が少ないのでX線の被爆量が少なくなり、観測対象物体に悪影響を与えることを防ぐことができる。
【0084】
投影方向が極めて限定される原子炉や加速器の内部計測、海洋の3次元温度分布計測、地中探査、大気中観測、エンジン室の燃焼可視化等の、特殊な環境においても、画質の良いCT画像を得ることが可能になり、さらに、これらの分野に種々の凡用的な画像計測が適用可能になる、等の種々の効果を奏する。
【0085】
従来のCTシステムでは、観測対象物体の大きさが制限されており、X線源と投影値検出手段の間の距離より小さくなければならなかった。しかし、本発明のCTシステムでは、観測対象が平板状に大きな物体であっても、第1実施例の投影データ取得手段の下では機構的に物体を移動させることが可能であるので、移動して再構成を繰返す手法により対応が可能になり、平板状の大きさ制限が除かれた。
【0086】
従って、入国出国時の危険物所持検査において大きな手荷物の3次元内部検査もベルトコンベア上で連続的に行うことが可能になる。
【0087】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0088】
(A)再構成画像の質を保持しつつ、安価にして高速処理が可能な2次元ならびに3次元CTシステムを構築することができる。
【0089】
より詳細に述べると、
(B)投影方向が少数であっても再構成画像が劣化することなく、2次元ならびに3次元の断層撮影を行うことができる。
【0090】
(C)再構成の際、計算量を少なくすることでできる。
【0091】
(D)投影時間や計算時間を短くして即時に再構成できるようにすることができる。
【0092】
(E)再構成の領域を広くすることができる。
【0093】
(F)装置が簡単であり低い価格にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の2次元ならびに3次元CTシステムの構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【図3】 本発明の第2実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【図4】 本発明の第3実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【図5】 本発明の第4実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【図6】 本発明の第5実施例を示す3次元CTシステムの模式図である。
【図7】 本発明の第6実施例を示す2次元CTシステムの模式図である。
【図8】 本発明の第7実施例を示す2次元CTシステムの模式図である。
【図9】 本発明の第1、第2、第3、第4または第5実施例の3次元部分再構成計算手段を示す要部図である。
【図10】 本発明の第6または第7実施例の2次元部分再構成計算手段を示す要部図である。
【符号の説明】
S,101 観測対象物体
1 投影データ取得手段
2 部分再構成計算手段
3 部分再構成係数作成手段
4,102 X線発生源
5 投影値検出手段
6 移動手段
7 取込み手段
8 対数変換手段
9 投影値格納手段
10 標本化モデルと特異値分解による手段
11 部分再構成影響係数関数による手段
12 部分再構成係数格納手段
13 積和計算手段
14 表示手段
100 投影値検出装置
105 3次元画像
106 3次元画像の水平面の各層
107 画素領域
108 中心画素
110 2次元画像
111 1次元画像

Claims (8)

  1. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からのその平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持して、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにし、平行ビーム発生源を検出装置平面の中心における垂直線を中心軸として一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値においてその位置における投影方向から、平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  2. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持して、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を固定し、検出装置平面の中心を中心軸として検出装置平面を一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において固定の投影方向から、平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一 本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  3. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにして平行ビーム発生源を所定方向に固定し、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が45°近辺の所定値になるように傾斜角を一定に保持しながら、検出装置平面の中心を中心点として検出装置平面を種々傾けて検出装置平面の垂直軸を回転させて、回転角が複数の各所定値における投影方向から、平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段 とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  4. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°の範囲で複数の各所定値を準備しておき各傾斜角を順番に設定して一定に保持し、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を固定して、検出装置平面の中心を中心軸として検出装置平面を一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において一定の投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測して、傾斜角を順番に更新して同様に投影値の計測を繰り返す投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  5. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を所定方向に固定し、観測対象物を直進透過して到達した検出装置において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°の範囲で複数の各所定値を準備しておき、各傾斜角を順番に設定して、傾斜角が設定値になるように検出装置平面中心を中心点として検出装置平面を傾け、検出装置平面の中心の垂直線を中心軸として一周回転移動させながら、回転角が複数の各所定値において一定の投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測して、傾斜角を順番に更新して同様に投影値の計測を繰り返す投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を3次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が平面状に等間隔に配置されている平面に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする2次元画像を設定して、その2次元画像面に垂直な方向に2次元画像を層として等間隔に積み重ねた3次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの 平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが一本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平面をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投影する前記(a)の場合には、3次元画像空間での各層において、各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分空間において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立てて行列で表現して、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを、部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段からなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  6. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からの平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるようにして、観測対象物を直進透過して到達した投影値検出手段において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°範囲で複数の各所定値を準備しておき、各傾斜角を順番に設定して、投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を2次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が直線状に等間隔に配置されている直線に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする1次元画像を設定して、その1次元画像面に垂直な方向に1次元画像を層として等間隔に積み重ねた2次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面で各検出素子において中心をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平線をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投射する前記(a)の場合には、2次元画像空間での各層において各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有するので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分領域において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立て、部分領域を通る全ビームに関する連立方程式を立て行列で表現し、特異値分解を行って一般逆行列を求め、中心の画素値に部分領域を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分領域を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することにより算出する部分再構成影響関数による手段とからなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えたことを特徴とするCTシステム。
  7. (a)観測対象物を透過できる平行ビーム発生源を備え、該発生源からのその平行ビームを照射する投影方向としては、平行ビームの中央ビームが検出装置平面の中心の検出素子を通り抜けるように平行ビーム発生源を所定方向に固定して、観測対象物を直進透過して到達した検出装置において平行ビームと検出装置平面との成す傾斜角が30°〜150°範囲で複数の各所定値を準備しおき、各傾斜角を順番に設定して、傾斜角が設定値になるように検出装置平面中心を中心点として検出装置平面を傾けて、投影方向から平行ビームを照射して観測対象物を透過した後の投影値を検出装置によって計測する投影データ取得手段と、
    (b)観測対象物空間を2次元画像空間とみなし、投影値検出手段の検出装置で各検出素子が直線状に等間隔に配置されている直線に対して検出素子の中心を画素領域の中心点とする1次元画像を設定して、その1次元画像面に垂直な方向に1次元画像を層として等間隔に積み重ねた2次元画像の空間を設定すると、前記(a)における各投影方向からの平行ビームは、下から第1層目の検出装置平面では各検出素子において中心をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、第2層目以降の各層では層中の各画素において画素領域の中心水平線をビームが1本だけ全て同じ傾斜角で通り抜け、同じ層ではどの画素でも各画素領域内部を通り抜けるビームの位置関係が同じになり、全ての投影方向から平行ビームを所定傾斜角で投射する前記(a)の場合には、2次元画像空間での各層において各画素領域でのビーム透過状態が全て均一になるという一様透過性の性質を保有しているので、そこで各画素を中心とする所定サイズの部分領域において標本化モデルを設定して、各投影方向からのビームについて方程式を立てて、部分空間を通る全ビームに関する連立方程式を立て行列で表現して、特異値分解を行い一般逆行列を求め、中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを算出する標本化モデルと特異値分解による手段、または中心の画素値に部分空間を通る各ビームがどの程度影響するかを表す再構成係数値並びを部分再構成影響関数Gにおいて各ビームと画素中心点との位置関係を代入することによって算出する部分再構成影響関数による手段とからなる部分再構成係数作成手段と、
    (c)該部分再構成係数作成手段を用いて予め部分再構成係数を作成して、各層に対して一組の再構成係数値並びを部分再構成係数格納手段に格納して置き、各層毎に前記投影値格納手段に格納されている投影値並びと前記部分再構成係数格納手段に格納されている再構成係数値並びとの間で積和計算を実行する積和計算手段からなる部分再構成計算手段とを、
    備えることを特徴とするCTシステム。
  8. 請求項1から7の何れか一項記載のCTシステムにおいて、前記部分再構成計算手段において、各層毎に各画素領域でのビームの透過状態が均一になる一様透過性を持たせることにより、各層での画素値を計算するために必要な再構成係数値並びのデータ量が大幅に縮小して集積回路にも搭載可能な格納量になり、画像全体の計算構造が各層毎に一組の再構成投影値並びを用いる積和計算に簡易化できるので、FPGAやASIC、DSP等の集積回路を用いてパイプライン処理や超並列処理等の時間的並列にまたは空間的並列に動作実行する前記部分再構成計算を行うための並列処理機構を備えて構成したことを特徴とするCTシステム。
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