JP3768352B2 - ポリッシング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等のポリッシング対象物を平坦且つ鏡面状に研磨するポリッシング装置に係り、特にトップリングとロボットとの間で半導体ウエハ等のポリッシング対象物を受け渡しするための受け渡し装置を備えたポリッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパの結像面の平坦度を必要とする。そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の一手段としてポリッシング装置により研磨することが行なわれている。
【0003】
この種のポリッシング装置は、各々独立した回転数で回転する上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとを有し、前記ターンテーブルとトップリングとの間に半導体ウエハ等のポリッシング対象物を介在させて所定の圧力で押圧し、砥液を供給しつつポリッシング対象物の表面を平坦且つ鏡面状に研磨している。
【0004】
前記トップリングへ研磨前の半導体ウエハを渡し、トップリングから研磨後の半導体ウエハを受け取ることをロボットのハンドによって直接行なうと、両者の搬送精度のバラツキにより搬送ミスを犯す危険性がある。そのため、トップリングからの半導体ウエハの受け渡し位置にプッシャーと呼ばれる受け渡し装置が設置されている。このプッシャーはロボットのハンドによって搬送されてきた半導体ウエハを一旦その上に載置し、次に該プッシャーの上方に移動してきたトップリングに対して半導体ウエハを持ち上げてトップリングに半導体ウエハを渡す機能、及びこれと逆にトップリングから受け取った半導体ウエハをロボットのハンドに渡す機能を有する装置である。
【0005】
前記プッシャーは、半導体ウエハの下面を支持する支持面と該支持面のやや外方に設置され先端にテーパ面を有する複数のガイドピンとを具備した支持台と、該支持台を昇降させる昇降機構とを備えている。
前記プッシャーがロボットから半導体ウエハを受け取る際には、半導体ウエハはガイドピンにより案内されながら支持面上に載置される。このとき、複数のガイドピンと半導体ウエハとの間には若干の隙間が形成されるように各寸法が設定されているため、半導体ウエハはスムーズに支持面に載置される。その後、支持面を上昇させて、プッシャーの上方に待機しているトップリングに半導体ウエハを渡すようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のトップリングにおいては、トップリングの下部外周部に研磨中に半導体ウエハを保持するためのガイドリングが設けられており、このガイドリングの内径は半導体ウエハの外径よりも比較的大きく設定されている。即ち、ガイドリングの内周面と半導体ウエハの外周面との間には比較的大きな隙間(遊び)がある。そのため、プッシャー上に載置された半導体ウエハの中心とトップリングの中心との間に多少の芯ずれがあっても、半導体ウエハをプッシャーからトップリングに渡すことができ、また、逆に、半導体ウエハをトップリングからプッシャーに渡す場合にも、トップリングに保持された半導体ウエハの中心とプッシャーの支持面の中心との間に多少の芯ずれがあってもプッシャーのガイドピンの作用により半導体ウエハをトップリングからプッシャーに渡すことができる。
【0007】
しかしながら、半導体デバイスの高集積化が更に進み、これに伴ない半導体ウエハの研磨面の均一性(面均度)を高めたいという要請が更に厳しくなってきており、トップリングに設けられたガイドリングの内周と半導体ウエハの外周との間のギャップをできるだけ小さくすることにより、半導体ウエハをトップリングの中心部に入れて研磨作用の均一性を高め半導体ウエハの面均度を高めようとする要望がある。
【0008】
ところが、トップリングに設けられたガイドリングの内周と半導体ウエハの外周とのギャップを小さくすると、トップリングへの半導体ウエハの受け渡し時に半導体ウエハがガイドリング内に入らずに搬送ミスが起こるという問題点がある。そして、搬送ミスが出た場合に、この搬送ミスを起こしたままで、即ち、半導体ウエハの一部がガイドリングに乗り上げた状態で研磨を開始してしまうため、半導体ウエハの割れの問題が生じている。
【0009】
また、上述のプッシャとトップリングとの間で、半導体ウエハの受け渡しを行なう場合に、プッシャとトップリングとの位置調整を極めて厳格に行なわねばならず、理想の受け渡し位置を設定するのに多大な時間と労力を必要とするという問題点があった。
また、従来は1つのトップリングに対して1つの受け渡し装置の位置決め調整を行っていたが、近年研磨プロセスの高効率化の必要性に伴い、1つのターンテーブルに対して複数のトップリングを用いる場合があり、これら複数のトップリングに対して受け渡し装置を共用化するために、自動調芯型受け渡し装置が求められていた。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、受け渡し装置とトップリング又はロボットハンドとの間で半導体ウエハ等のポリッシング対象物を受け渡す際の受け渡し精度を向上させることにより搬送ミスをなくすことができるポリッシング装置を提供することを目的とする。
また本発明は、受け渡し装置とトップリングとの位置調整を厳格に行なう必要がなく、受け渡し位置を設定するのに極めて簡易に行なうことができるポリッシング装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明は、ポリッシング対象物を保持するトップリングと、該トップリングに保持されたポリッシング対象物の表面を研磨する研磨面を有するターンテーブルと、前記トップリングへポリッシング対象物を受け渡しする位置に設置された受け渡し装置とを備えたポリッシング装置において、前記受け渡し装置は、ポリッシング対象物を載置する支持面を有したステージと、前記ステージの外周側に位置し逆円錐状の案内面を有する案内部材とを備え、前記ステージは軸に固定支持され、前記案内部材は内筒に固定支持され、前記軸は前記内筒に固定された軸受により上下方向に移動可能に支持され、前記軸の下端部には第1の昇降機構を備え、前記ステージは単独で昇降するようになっていて、前記内筒の上端部はスライド機構を介して水平方向に移動可能に外筒の上端部に支持され、外筒はストロークベアリングにより上下方向に移動可能に支持され、前記ストロークベアリングの下端部には第2の昇降機構を備え、前記外筒の上端部は前記ストロークベアリングに対して上方に引き上げられるようにスプリングにより支持され、前記ステージと案内部材とは一体になって昇降し、ポリッシング対象物を前記ステージの支持面に載置した後に、該ステージを単独で下降させてポリッシング対象物を前記案内部材の案内面に沿って下降させることにより前記ポリッシング対象物の芯出しを行なうようにし、前記受け渡し装置は、さらに、前記ステージ及び案内部材を水平面内で移動可能とするスライダ機構と、前記トップリングとの間でポリッシング対象物の受け渡しを行なう際に前記ステージ及び案内部材をトップリングに対して位置決めする第1位置決め機構とにより、前記ステージおよび案内部材を前記トップリングに対して位置決めすることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、受け渡し装置により半導体ウエハ等のポリッシング対象物の芯出しをした後に、該ポリッシング対象物をトップリング又はロボットハンドへ渡すことができるので、ポリッシング対象物の受け渡し精度を向上させることができ、ポリッシング対象物の受け渡し時の搬送ミスをなくすことができる。
また本発明によれば、受け渡し装置とトップリングとの間でポリッシング対象物の受け渡しを行なう際に、第1位置決め機構により、ステージ及び案内部材はトップリングに対して位置決めされるが、このとき、ステージ及び案内部材はスライダ機構により水平面内で移動し、これによってステージ及び案内部材とトップリング間の最適な位置決めが自動的に行なわれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリッシング装置の受け渡し装置の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。
図1は本発明の受け渡し装置(プッシャー)を備えたポリッシング装置の全体構成を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、ポリッシング装置は、半導体ウエハを研磨するための研磨部1と、研磨部1で研磨された半導体ウエハを洗浄するための洗浄部30とを備えている。研磨部1は、中央部に配置されたターンテーブル2と、半導体ウエハ3を保持するトップリング4を有したトップリングユニット5と、ドレッシングツール6を有したドレッシングユニット7とを備えている。ターンテーブル2およびトップリングユニット5に隣接して、本発明の受け渡し装置を構成するプッシャー10が設置されている。
【0015】
洗浄部30は、複数の半導体ウエハ3を収容したウエハカセット9を載置するロード/アンロード・ステージ31と、中央部に配置され矢印A方向に可動の2台の搬送ロボット32,33と、搬送ロボット32,33の一方側にある2つの反転機34,35と、搬送ロボット32,33の他方側にある3台の洗浄機、即ち、第1次洗浄機36、第2次洗浄機37、第3次洗浄機38とから構成されている。
【0016】
図1に示すポリッシング装置において、研磨前の半導体ウエハ3を収納したウエハカセット9がロード/アンロード・ステージ31にセットされると、搬送ロボット32がウエハカセット9から1枚の半導体ウエハ3を取り出して反転機34に渡す。反転機34は半導体ウエハ3を反転する。搬送ロボット33が反転機34から半導体ウエハ3を受け取って研磨部1におけるプッシャー10上に載置する。次に、半導体ウエハ3はプッシャー10からプッシャー10の上方に移動してきたトップリング4に渡される。半導体ウエハ3を保持したトップリング4は、ターンテーブル2上に移動して半導体ウエハ3をターンテーブル2の表面の研磨面(研磨布)に圧接し、各々独立に回転するターンテーブル2とトップリング4によって半導体ウエハ3の表面を研磨する。その後、再びトップリング4はプッシャー10の上方に移動し、研磨後の半導体ウエハ3はプッシャー10に渡される。
【0017】
プッシャー10上の半導体ウエハ3は、搬送ロボット33によって反転機35に渡されて反転された後に、搬送ロボット33および32によって、第1次〜第3次洗浄機36〜38に順次送られる。半導体ウエハ3は、第1次〜第3次洗浄機36〜38にて洗浄および乾燥された後、搬送ロボット32によってロード/アンロード・ステージ31上のウエハカセット9に戻される。
【0018】
図2および図3は、図1に示すポリッシング装置におけるプッシャー10の詳細構造を示す図であり、図2はプッシャー10の全体構成を示す断面図であり、図3はプッシャー10の平面図である。図2においては、プッシャー10の上方にトップリング4が位置した状態を示している。トップリング4の下部外周部には半導体ウエハを保持するためのガイドリング8が設けられている。
図2および図3に示すように、プッシャー10は、基部11bより上方に伸びた6個のウエハ支持部11aを有したプッシャーステージ11と、プッシャーステージ11の外側に位置し、逆円錐状の案内面12cを有する案内部材12とを備えている。
【0019】
プッシャーステージ11のウエハ支持部11aの上面が半導体ウエハ3の下面を支持する支持面になっている。案内部材12は、略長円形状の薄板からなる基部12aと、基部12aから立設された円弧状の水平断面を有する1対の案内部12b,12bとを備え、案内部12b,12bの上部内周面に逆円錐状の案内面12cが形成されている。案内部12b,12bの外周部には、プッシャーステージ11および案内部材12をトップリング4に対して位置決めするための第1位置決め機構を構成するガイド板19,19が固定されている。また図3に示すように、案内部12b,12bが存在しない両側部S,Sはロボットハンドが挿入可能なように開放されている。
【0020】
図4は案内部材12の案内面12cと半導体ウエハ3との関係を示す図である。逆円錐状の案内面12cは、その傾斜角θが概略60〜80゜に設定されており、案内面12cの略中央部の内径ID1が半導体ウエハ3の公称外径ODと等しくなっている。そして、案内面12cの上端部の内径ID2は半導体ウエハ3の最大外径(許容誤差を考慮した)より大きく設定されている。また案内面12cの下端部の内径ID3は半導体ウエハ3の最小外径(許容公差を考慮した)より小さく設定されている。
【0021】
前記プッシャーステージ11は、図2に示すように軸13に固定支持されており、軸13の下端部はジョイント14を介してエアシリンダ15のロッド15aに連結されている。軸13の下端部はジョイント14内で水平方向に可動になっている。そして、エアシリンダ15を作動させることにより、ロッド15aが昇降してプッシャーステージ11が昇降するようになっている。エアシリンダ15のロッド15aの下端には移動板17が固定されており、この移動板17の下方に渦電流センサからなる距離検出センサ18が設置されている。距離検出センサ18は支持台25に支持されており、エアシリンダ15のロッド15aの下端に固定された移動板17との間の離間距離Lを検出できるようになっている。
【0022】
一方、プッシャーステージ11の外周側に配置された案内部材12は、内筒20に固定されている。内筒20の外周側には外筒21が設けられている。外筒21は、スプリング30とストロークベアリング35により懸下され、外筒21はストロークベアリング35に対して上下にスライド可能に構成されている。また、外筒21の下端に設けられたスナップリング22は、ベアリングケース23の下端に接触するようになっている。スプリング30により外筒21が上方に引き上げられて、スナップリング22がベアリングケース23の下端に接触して抜けないようになっている。即ち、スナップリング22によりベアリングケース23に対して、外筒21の上方位置が定められている。ベアリングケース23は支持台25に固定されている。また支持台25は、基台27に固定されたエアシリンダ26のロッド26aに連結されている。そして、エアシリンダ26を作動させると、ロッド26aが昇降して支持台25が昇降するようになっている。即ち、エアシリンダ26を作動させることにより、案内部材12とプッシャーステージ11とが一体になって昇降し、エアシリンダ15を作動させることにより、プッシャーステージ11が単独で昇降するように構成されている。
【0023】
前記外筒21の上端部は支持部21aになっており、この支持部21aに内筒20の上端部20aがスライダ機構28を介して支持されている。
図5は、スライダ機構28及びその周辺部の詳細を示す断面図であり、図6はスライダ機構28の平面図である。図5および図6に示すように、スライダ機構28は、環状の薄板からなり多数のボール収容孔を有したリテーナリング28aと、リテーナリング28aに保持された多数のボールからなる転動体28bによって構成されている。案内部材12は内筒20の上端部20aに固定され、かつプッシャーステージ11を支持する軸13は内筒20に上下軸受29a,29bを介して支持されているため(図2および図5参照)、案内部材12およびプッシャーステージ11は、スライダ機構28によって水平方向の任意の方向に一体に移動することができる。また、スライダ機構28は、任意の水平方向に移動可能であるが、必要以上にはずれすぎないように支持部21aと上端部20aとの水平方向のギャップ内、又は外筒21と内筒20のギャップの範囲内で動くように制限が設けられている。案内部材12およびプッシャーステージ11の移動時に、ボールからなる転動体28bが外筒21の支持部21a上を転動することになり、案内部材12およびプッシャーステージ11の移動はスムーズに行なわれる。なお、軸13の下端部とジョイント14の内周面との間には、間隙が形成されており、軸13の水平方向の移動が妨げられることはない。
【0024】
また、図2に示すように、案内部材12の下面には、プッシャーステージ11および案内部材12を固定部である基台27に対して位置決めするための第2位置決め機構を構成するガイド板41が設けられ、基台27には前記ガイド板41と係合する係合部42が固定されている。
【0025】
次に、前述のように構成されたポリッシング装置のプッシャーの動作を図1および図7を参照して説明する。
図1に示す搬送ロボット33は、研磨すべき半導体ウエハ3を保持してプッシャー10の位置まで搬送する。このとき、搬送ロボット33のハンド(図示せず)は、半導体ウエハ3を保持して図3の矢印B方向からプッシャー10の上方に進入する。このとき、プッシャーステージ11および案内部材12は、下方位置にあり、ガイド板41と係合部42との係合により基台27に対して、位置決めされている。この状態が図2に示される。次に、半導体ウエハ3を保持したハンドが下降すると、図7(a)に示すように、半導体ウエハ3はプッシャー10のプッシャーステージ11上に載置される。このとき、プッシャーステージ11は、案内部材12の案内面12cに対して、図7(a)に示すような関係にあり、半導体ウエハ3の外周は案内面12cに接触してはいない。
【0026】
次に、エアシリンダ15を作動させることにより、図7(b)に示すようにプッシャーステージ11を単独で下降させる。この際、プッシャーステージ11より外側にはみ出している半導体ウエハ3の一部が、案内部材12の逆円錐状の案内面12cに接触し、半導体ウエハ3は案内面12cの中心方向に押されながら、案内面12cに沿って下降する。そして、最終的には、図7(b)に示すように、半導体ウエハ3の略全周が案内面12cの略全周に接触した時点で半導体ウエハ3は案内面12cに対して位置決めされ、案内面12cの中心と半導体ウエハ3の中心とが完全に一致して半導体ウエハ3の芯出し(センタリング)が行なわれる。プッシャーステージ11は、半導体ウエハ3が案内面12cに載ったあとも下降し続け、プッシャーステージ11の支持面は半導体ウエハ3と離間する。
【0027】
次に、エアシリンダ26を作動させることにより、図7(c)に示すように案内部材12とプッシャーステージ11とを、プッシャー10の上方に待機しているトップリング4の位置まで上昇させる。案内部材12とプッシャーステージ11は、案内部材12の上面がトップリング4の外周側に配置されたガイドリング8の下面に接触し、さらにスプリング30が数mm縮んだ状態まで上昇する。これにより、トップリング4と案内部材12が安定して全周接触する。このとき、ガイド板19がガイドリング8と係合し、プッシャーステージ11および案内部材12はトップリング4に対して位置決めされるが、その際、プッシャーステージ11および案内部材12は、スライダ機構28により水平面内で移動し、これによってプッシャーステージ11および案内部材12とトップリング4間の最適な位置決めが自動的に行なわれる。この状態が図8に示される。
【0028】
次に、エアシリンダ15を作動させることにより、図7(d)に示すようにプッシャーステージ11を単独で上昇させ、案内面12cによってセンタリングされた状態の半導体ウエハ3をプッシャーステージ11によって受け取ってトップリング4に渡す。このとき、トップリング4とプッシャー10は、適正な位置に位置決めされているので、半導体ウエハ3はプッシャー10内でセンタリングされた状態にあるため、半導体ウエハ3はトップリング4のガイドリング8内に搬送ミスなく収容される。
【0029】
半導体ウエハ3のトップリング4への受け渡し時に、プッシャーステージ11に載置されて上昇している半導体ウエハ3がトップリング4の下面にあるバッキングフィルムやガイドリング8に接触してプッシャーステージ11の上昇が停止する。その時のプッシャーステージ11のZ軸変位を距離検出センサ18で測定する。正常な受け渡し時には、この測定値は所定の範囲内の値になる。
【0030】
半導体ウエハの芯がずれるなどして、半導体ウエハが正しくガイドリング8内に入らなかったときには、プッシャーステージ11のZ軸変位にその影響がでて、その値が距離検出センサ18によって測定される。測定時の誤差や半導体ウエハの厚みのバラツキを考慮して測定値に許容範囲をもたせて、受け渡し状況の判定をする。図9は正常な受け渡しが行なわれた場合とエラーが発生した場合の状態を示し、ある範囲の中に測定値が入っていれば、受け渡しは正常に行なわれたと判定し、その範囲を逸脱してΔHのZ軸変位が生じたときには、受け渡しミスが起ったと判定する。この場合には、トップリング4の下面から流体を噴出して、半導体ウエハ3をトップリング4から離脱させて、半導体ウエハ3をプッシャーステージ11上に戻す。その後、図7(a)乃至図7(d)に示す動作を再度行ない、半導体ウエハ3のセンタリングを再度行なった後に、半導体ウエハ3をトップリング4に渡す。
【0031】
図7(d)に示す動作によりプッシャー10からトップリング4への受け渡しが完了した半導体ウエハ3は、トップリングヘッドの揺動によってターンテーブル2上に移動する。そして、半導体ウエハ3はターンテーブル2の表面の研磨面に圧接されて研磨される。研磨が完了した半導体ウエハ3を保持したトップリング4は、プッシャー10の上方へ移動する。
【0032】
次に、エアシリンダ26を作動させることにより、再び図7(e)に示すように案内部材12およびプッシャーステージ11を上昇させる。案内部材12とプッシャーステージ11は、案内部材12の上面がトップリング4の外周側に配置されたガイドリング8の下面に接触し、さらにスプリング30が数mm縮んだ状態まで上昇する。このとき、トップリング4と、案内部材12とプッシャーステージ11との位置決めは、ガイド板19とガイドリング8との係合によって行なわれる(図8参照)。またこのとき、案内部材12に対してプッシャーステージ11は下降した状態となっている。その後、トップリング4の下面から流体を噴出させることにより、半導体ウエハ3をトップリング4から離脱させる。離脱した半導体ウエハ3は、図7(e)に示すようにプッシャーステージ11上に載置される。
【0033】
次に、エアシリンダ26を作動させることにより、図7(e)に示す状態から、スプリング30が数mm縮んだ状態から完全に伸びた状態になることにより、結果的には案内部材12に対してプッシャーステージ11が数mm下降した形になる。この際、プッシャーステージ11より外側にはみ出している半導体ウエハ3の一部が、案内部材12の逆円錐状の案内面12cに接触し、半導体ウエハ3は案内面12cの中心方向に押されながら、案内面12cに沿って下降する。そして、最終的には、図7(f)に示すように、半導体ウエハ3の略全周が案内面12cの略全周に接触した時点で半導体ウエハ3は案内面12cに対して位置決めされ、案内面12cの中心と半導体ウエハ3の中心とが完全に一致して半導体ウエハ3のセンタリングが行なわれる。スプリング30が伸びることにより案内部材12は上昇し、半導体ウエハ3が案内面12cに載ったあと、さらにプッシャーステージ11の支持面は半導体ウエハ3と離間する。
【0034】
次に、エアシリンダ15を作動させることにより、図7(g)に示すようにプッシャーステージ11を単独で上昇させ、案内面12cによってセンタリングされた状態の半導体ウエハ3をプッシャーステージ11によって受け取り、プッシャーステージ11は所定位置まで上昇する。なお、このとき、プッシャーステージ11および案内部材12は、下方位置にあり、ガイド板41と係合部42との係合により基台27に対して、位置決めされている。図7(g)に示す状態において、搬送ロボット33のハンドが半導体ウエハ3の下方に進入する。次に、ハンドが上昇して半導体ウエハ3をプッシャーステージ11から受け取り、その後、搬送ロボット33は半導体ウエハ3を反転機35に搬送する。
【0035】
本実施例のポリッシング装置においては、距離検出センサ18を使用して搬送ミスを検知する機能を利用し、プッシャー10の自己診断を行なうこともできる。即ち、プッシャー10からトップリング4への半導体ウエハ3の受け渡し時の搬送ミスの回数をカウントし、この回数が所定以上、例えば1回の搬送中に3回以上の搬送ミスが起きた場合には、プッシャーの異常や半導体ウエハの異常と判断して警報を出す。これにより、現在のプッシャー10やトップリング4の状態(経年変化が起こり初期の設定値では運転できなくなっていないか等)が正常な状態にあるか否かの判断ができる。
【0036】
なお、本実施例では、プッシャーからトップリングへ半導体ウエハが正常に受け渡しされたか否かを、半導体ウエハが載置されるプッシャーステージの軸端に設けた距離検出センサによって検知しているが、プッシャーとは別体で設けられた検知装置で検知することも可能である。また、本実施例のように半導体ウエハに垂直な方向からだけではなく、半導体ウエハに平行な方向から検知することも可能である。更に、検知する方式として、渦電流センサを用いる方式、レーザ等を用いた光学的な方式、圧電素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式など従来からある様々な方式が適用可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受け渡し装置により半導体ウエハ等のポリッシング対象物の芯出しをした後に、該ポリッシング対象物をトップリング又はロボットハンドへ渡すことができる。したがって、ポリッシング対象物の受け渡し精度を向上させることができ、受け渡し時の搬送ミスをなくすことができる。
【0038】
また本発明によれば、ポリッシング対象物を受け渡しする際にプッシャーとトップリング間の位置調整が正確に行なえるので、受け渡し精度が向上し、搬送ミスが防止できる。
【0039】
さらに本発明によれば、プッシャーとトップリング間の正確な位置調整は自動的に行なわれるので、プッシャーとトップリング間の受け渡し位置調整を厳密に行なっておく必要はなく、この調整作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受け渡し装置を備えたポリッシング装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1に示すポリッシング装置の受け渡し装置(プッシャー)の詳細を示す断面図である。
【図3】図2に示す受け渡し装置(プッシャー)の平面図である。
【図4】受け渡し装置(プッシャー)における案内部材の案内面と半導体ウエハとの関係を示す図である。
【図5】図2に示す受け渡し装置(プッシャー)におけるスライダ機構及びその周辺部の詳細を示す断面図である。
【図6】スライダ機構の平面図である。
【図7】図2および図3に示す受け渡し装置(プッシャー)の動作説明図である。
【図8】図2に示す受け渡し装置(プッシャー)の動作説明図である。
【図9】ポリッシング対象物の正常な受け渡しが行われた場合とエラーが発生した場合の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 研磨部
2 ターンテーブル
3 半導体ウエハ
4 トップリング
8 ガイドリング
10 プッシャー
11 プッシャーステージ
12 案内部材
12c 案内面
13 軸
15,26 エアシリンダ
17 移動板
18 距離検出センサ
19 ガイド板
20 内筒
21 外筒
23 ベアリングケース
25 支持台
28 スライダ機構
29a,29b 軸受
30 スプリング
41 ガイド板
42 係合部
Claims (5)
- ポリッシング対象物を保持するトップリングと、該トップリングに保持されたポリッシング対象物の表面を研磨する研磨面を有するターンテーブルと、前記トップリングへポリッシング対象物を受け渡しする位置に設置された受け渡し装置とを備えたポリッシング装置において、前記受け渡し装置は、
ポリッシング対象物を載置する支持面を有したステージと、前記ステージの外周側に位置し逆円錐状の案内面を有する案内部材とを備え、
前記ステージは軸に固定支持され、前記案内部材は内筒に固定支持され、前記軸は前記内筒に固定された軸受により上下方向に移動可能に支持され、前記軸の下端部には第1の昇降機構を備え、前記ステージは単独で昇降するようになっていて、
前記内筒の上端部はスライド機構を介して水平方向に移動可能に外筒の上端部に支持され、外筒はストロークベアリングにより上下方向に移動可能に支持され、前記ストロークベアリングの下端部には第2の昇降機構を備え、前記外筒の上端部は前記ストロークベアリングに対して上方に引き上げられるようにスプリングにより支持され、前記ステージと案内部材とは一体になって昇降し、
ポリッシング対象物を前記ステージの支持面に載置した後に、該ステージを単独で下降させてポリッシング対象物を前記案内部材の案内面に沿って下降させることにより前記ポリッシング対象物の芯出しを行なうようにし、
前記受け渡し装置は、さらに、前記ステージ及び案内部材を水平面内で移動可能とする前記スライダ機構と、前記トップリングとの間でポリッシング対象物の受け渡しを行なう際に前記ステージ及び案内部材をトップリングに対して位置決めする第1位置決め機構とにより、前記ステージおよび案内部材を前記トップリングに対して位置決めすることを特徴とするポリッシング装置。 - 前記スライダ機構は、リテーナに保持された複数の転動体からなることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
- 前記受け渡し装置は、前記ステージ及び案内部材が下方位置にあるときに、該ステージ及び案内部材を固定部に対して位置決めする第2位置決め機構を備えたことを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
- 前記ステージは、基部より上方に伸びる6個のウエハ支持部を有することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
- 前記外筒はスプリングとストロークベアリングによりベアリングケースに連結され、該ベアリングケースを昇降機構により昇降させることで、前記ステージと案内部材とは一体になって昇降することを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
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