JP3767946B2 - 防曇剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防曇剤に関し、更に詳しくは、ガラス及び各種有機ガラスからなる各種光学機器、特に眼鏡レンズに好適に使用し得る防曇剤に関する。
【0002】
本発明は、中でも、水焼け防止加工されたプラスチック製眼鏡レンズレンズに好適に使用し得る防曇剤に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、特開昭56−90876号公報に記載されたように、燐酸エステル系界面活性剤を主たる有効成分とする防曇剤が、眼鏡レンズの曇り止め用として一般に用いられてきた。
【0004】
しかしながら、水焼け防止処理が施されたプラスチック製眼鏡レンズには、かかる防曇剤を用いても防曇性を付与することは殆どできなかった。これは以下のような理由による。
【0005】
プラスチック製眼鏡レンズには、通常、水焼けを防止することを目的として、フッ素樹脂を主体とした撥水コーティングが施されている。かかる撥水コーティングを施したプラスチックレンズを「水焼け防止レンズ」と称している。水焼け防止レンズの表面はこのように撥水コーティングによって撥水性になっているから、雨滴及び汗等がレンズ表面に付着しにくくなっている。
【0006】
ここで、「水焼け」とは、眼鏡レンズ表面に付着した雨滴又は汗に含まれている成分の一部が眼鏡レンズ内部に染み込み、眼鏡レンズがくすんだような外観を呈する現象をいう。この水焼けは、特別の表面処理を施していないプラスチック製眼鏡レンズに多く見られる現象である。
【0007】
又、眼鏡レンズには、この他、汚れ付着防止コーティングを施すことも広く行われている。
【0008】
しかしながら、水焼け防止を目的とする撥水コーティング等、各種のコーティングを施した眼鏡レンズにおいては、燐酸エステル系界面活性剤を主たる有効成分とする防曇剤で処理しても、眼鏡レンズ表面に防曇剤が全く付着せず、眼鏡レンズに防曇性が殆ど付与されないという問題があった。
【0009】
そこで、かかる眼鏡レンズに対しても良好な防曇性を付与し得るような防曇剤として、フッ化炭素系界面活性剤を主たる有効成分とする防曇剤が提案された(特開平5−107401号公報及び特開平7−20411号公報等を参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水焼け防止コーティング等、各種コーティングを施した眼鏡レンズにおいては、表面コーティングの種類によっては、上記防曇剤で処理しても十分な防曇性が得られない場合があった。
【0011】
更に、上記防曇剤で上記眼鏡レンズを処理したとき、不透明でもやもやした白い膜(白残)が表面に生じることがあった。
【0012】
本発明は、水焼け防止コーティングを始めとする各種コーティングを施した眼鏡レンズに対しても良好な防曇性を長時間付与し得るとともに、処理後に眼鏡レンズ表面に白残を生じさせない防曇剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決することを目的とする、請求項1に記載された発明は、アルキルチオカルボン酸塩又はその誘導体、及びフッ化炭素系界面活性剤を含有することを特徴とする防曇剤であり、
請求項2に記載された発明は、アルキルチオカルボン酸又はその誘導体は、その含有割合が防曇剤全体に対して1〜30重量%であり、フッ化炭素系界面活性剤は、その含有割合が防曇剤全体に対して0.5〜20重量%である前記請求項1に記載の防曇剤である。
【0014】
【課題を解決する手段】
本発明に係る防曇剤において、アルキルチオカルボン酸又はその誘導体としては、
アルキルチオカルボン酸、アルキルチオカルボン酸の、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機塩基塩、アルキルチオカルボン酸の、モノアミド、ジアミド、トリアミド、モノエステル、ジエステル及びトリエステル、アルキルチオカルボン酸モノアミド及びアルキルチオカルボン酸ジアミドの、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機塩基塩、並びにアルキルチオカルボン酸モノエステル及びアルキルチオカルボン酸ジエステルの、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び有機塩基塩等が挙げられる。
【0015】
本発明において、アルキルチオカルボン酸としては、一般式
HOOC−Cn2n−S−CH(CH2 COOH)COOH
(上記式中nは0又は1以上の整数、好ましくは0〜4の整数を示す。)で表される、カルボキシチオ琥珀酸及びカルボキシアルキルチオ琥珀酸、特に、カルボキシメチルチオ琥珀酸及びカルボキシエチルチオ琥珀酸が好ましい例として挙げることができる。
【0016】
アルキルチオカルボン酸の誘導体として好ましい化合物としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩等の塩類、モノアルキルアミド、ジアルキルアミド、トリアルキルアミド等のアミド類、モノアルキルエステル、ジアルキルエステル及びトリアルキルエステル等のエステル類、モノアルキルアミド又はジアルキルアミドの、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩等のアミド塩、並びにモノアルキルエステル又はジアルキルエステルの、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩等のエステル塩が挙げられる。
【0017】
これらの化合物のうち、特に好ましい化合物としては、カルボキシエチルチオ琥珀酸及びカルボキシメチルチオ琥珀酸の、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、及びトリエタノールアミン塩、モノアルキルアミド、ジアルキルアミド、トリアルキルアミド、モノアルキルエステル、ジアルキルエステル及びトリアルキルエステル、モノアルキルアミド、ジアルキルアミド、モノアルキルエステル及びジアルキルエステルの、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、並びにトリエタノールアミン塩が挙げられる。
【0018】
かかる化合物は、例えば日本油脂株式会社から、ノバソルトCAM、ノバソルトCS、ノバソルトCEO、ノバソルトSA−66T、及びノバアシッドCEの商品名で市販されている。
【0019】
本発明の防曇剤におけるフッ化炭素系界面活性剤としては、疎水性基としてフルオロアルキル基を有している界面活性剤であれば、どのような界面活性剤でも用い得る。したがって、フッ化炭素系アニオン界面活性剤、フッ化炭素系カチオン界面活性剤、フッ化炭素系両性界面活性剤、及びフッ化炭素系非イオン界面活性剤のいずれも好ましく用いられる。
【0020】
上記フッ化炭素系界面活性剤において、フルオロアルキル基は、
−Cmab
(但し、m、a、及びbは、a+b=2m+1の関係を満たし、m及びaは、0又は正の整数であり、bは正の整数である)
で示される基である。フルオロアルキル基として特に好ましいものとしては、aが0でありbが2m+1であるパーフルオロアルキル基、及びaが1であり、かつbが2mであるフルオロアルキル基である。
【0021】
フッ化炭素系アニオン界面活性剤としては、
(A) Rf −COO-+ 、Rf O(CH2 CH2 O)k COO-+ 、Rf O(CH2 CH2 O)kj2jCOO-+ 、Rf CONHCOO-+、 Rf CONHCj2jCOO-+ 、Rf CONH(CH2 CH2 O)kj2jCOO-+ 、Rf CONRCOO-+ 、Rf CONRCj2jCOO-+ 、Rf CONR(CH2 CH2 O)kj2jCOO-+ 、Rf SO2 NHCOO-+ 、Rf SO2 NH(CH2 CH2 O)k COO-+ 、Rf SO2 NHCj2jCOO-+ 、Rf SO2 NRCOO-+ 、Rf SO2 NR(CH2 CH2 O)k COO-+ 、Rf SO2 NRCj2jCOO-+ 、及びRf CONHCH(CH2 CH2 COO -+)COO-+(但し、上記各式中、Rf はフルオロアルキル基を、Rはアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアリールアルキル基を、k及びjは1以上の整数を示す。M+ は水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、又は1価の有機塩基イオンを示す。)等から選択される一種又は二種以上のカルボン酸塩、
(B) Rf SO3 -+ 、Rf OC64 SO3 -+ 、Rf CH=CHSO3 -+、Rf O(CH2 CH2 O)k SO3 -+ 、Rf O(CH2 CH2 O)kj2jSO3 -+ 、Rf COOCj2jSO3 -+ 、M+- SO2 CH(CH2 COORf') COORf 、Rf CONHSO3 -+ 、Rf CONHCj2jSO3 -+ 、Rf CONH(CH2 CH2 O)kj2jSO3 -+ 、Rf CONRSO3 -+ 、Rf CONRCj2jSO3 -+ 、Rf CONR(CH2 CH2 O)kj2jSO3 -+ 、Rf SO2 NHSO3 -+ 、Rf SO2 NHCj2jSO3 -+ 、Rf SO2 NRSO3 -+ 、及びRf SO2 RCj2jSO3 -+ (但しRf 、R、k、j、及びM +は、上記カルボン酸塩を示す一般式中における意味と同一の意味を有し、Rf'はフルオロアルキル基Rf と同一又は異なるフルオロアルキル基を示す。)で示される一種又は二種以上のスルホン酸塩)等から選択される一種又は二種以上のスルホン酸塩、
(C) Rf OSO3 -+ 、Rff'CHOSO3 -+ 、Rf (OCH2 CH2)k OSO3 -+ 、Rf COOCH2 CH(OH)CH2 SO3 -+ 、Rf CONRCj2jOSO3 -+ 、及びRf CONHCj2jOSO3 -+ (但し、Rf 、Rf'、R、k、j、及びM+ は、上記カルボン酸塩を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)から選択される一種又は二種以上の硫酸エステル酸塩、
(D) 並びに、Rf OPO( O-+)2 、( Rf O)2 POO-+ 、( Rf SO2 NHCH2 CH2 O)2POO-+ 、及び( Rf SO2 NRCH2 CH2 O)2POO-+(但し、Rf 、Rf'、及びM+ は、上記カルボン酸塩を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)から選択される一種又は二種以上の燐酸エステル酸塩等が用いられる。
【0022】
フッ化炭素系カチオン界面活性剤としては、
(a) Rf NH2 +- 、Rff'NH+- 、Rff'Rf"N+- 、Rf CONHCj2jNH2 +- 、Rf CONHCj2j+f'HX- 、Rf CONHCj2j+f'Rf"X- 、Rf CONRCj2jNH2 +- 、Rf CONRCj2j+f'X- 、及びRf CONRCj2j+f'Rf-(R f、Rf'、及びRf"はそれぞれ同一又は異なるフルオロアルキル基を、Rはアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアリールアルキル基を、Xはハロゲン原子を示し、jは前記と同様の意味を表する。)から選択される一種又は二種以上のアミン塩、(b) Rf3+- 、Rff'R2+- 、及びRff'Rf"RN+- (Rf 、Rf'、Rf"、R、及びXは、上記アミン塩を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)から選択される一種又は二種以上の四級アンモニウム塩、(c) フロロアルキルピリジニウム塩、
【0023】
【化1】
Figure 0003767946
【0024】
及びジ(フロロアルキル)モルホリニウム塩
【0025】
【化2】
Figure 0003767946
【0026】
(Rf 、Rf'、及びXは、上記アミン塩を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)から選択される一種又は二種以上の環式四級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0027】
フッ化炭素系両性界面活性剤としては、
(イ) Rf NHCj2jCOOH、Rf NH(CH2 OCH2 O)k COOH、Rf N(CH2 COOH)2、Rf CONHCp2pNHCj2jCOOH、Rf CONRCp2pNH(CH2 OCH2 O)kCOOH、Rf CONH(CH2 CH2 )qNHCj2jCOOH、Rf CONR(CH2 OCH2 O)q NHCj2jCOOH、Rf CONR (CH2 OCH2 O)q NH(CH2 OCH2 O)k COOH、Rf RR' N+j2jCOO- 、Rff'N+j2jCOO-、 及びRf RN+(CH2 OCH2 O)kj2jCOO- (Rf 及びRf'は同一又は異なるフルオロアルキル基を、Rはアルキル基を、ヒドロキシアルキル基又はアリールアルキル基を、j、k、p、及びqは正の整数を示す。)で示されるカルボン酸型両性界面活性剤、
(ロ) Rf NHCj2jOSO3 、又はR fCONHCj2jp2pOSO3(Rf 、R、j、及びpは上記カルボン酸型両性界面活性剤を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)で示される硫酸エステル型両性界面活性剤、及び
(ハ) Rf NHCj2jSO3 H、Rf CONHCj2jNHCp2pSO3 H、又はR fOOC(Rf'OOCCH2)NHCj2jSO3 H(Rf 、Rf'、R、j、及びpは上記カルボン酸型両性界面活性剤を示す一般式中における意味と同一の意味を有する。)で示されるスルホン型両性界面活性剤、
が用いられる。
【0028】
フッ化炭素系非イオン界面活性剤としては、Rf O( CH2 CH2 O)k H、及びRf O( CH2 CH2 O)k (CH2 CH2 O)k' H等のエーテル型非イオン界面活性剤、Rf COO(CH2 CH2 O)k H、Rf COO(CH2 CH2 O)k (CH2 CH2 O)k'H、Rf SO2 (CH2 CH2 O)k H及びRf SO2 (CH2 CH2 O)k (CH2 CH2 O)k'H等のエステル型非イオン界面活性剤、並びに Rf CONH(CH2 CH2 O)k H、Rf SO2 NH(CH2 CH2 O)k H、Rf CONR(CH2 CH2 O)k H、及びRf SO2 NR(CH2 CH2 O)k H等の含窒素型非イオン界面活性剤が用いられる。なお、上記各式においてRf 及びkは前記カルボン酸型両性界面活性剤を示す一般式におけるのと同一の意味を有し、k’は正の整数を示す。
【0029】
これらのフッ化炭素系界面活性剤の内、特に好ましいものとしては、Rf COOM(M:Na、K、Li、及びNH4 )、Rf SO3 M(M:Na、K、Li、及びNH4 )、Rf SO3 NRCH2 COOM(M:Na、K、Li、及びNH4 )、Rf SO3 NR(CH2 OCH2 O)n H(n=1〜20)、Rf COO(CH2 CH2 O)P (CH2 CH2 O)q H(p:1〜10、q:1〜10)、( Rf O)2POO-+ (M:Na、K、Li、及びNH4 )、及び(Rf SO2 NHCH2 CH2 O)2POO-+ (M:H、NH4 )等が挙げられる。
上記構造式で示されるフッ化炭素系界面活性剤は、例えば三菱マテリアル株式会社からエフトップシリーズとして、ダイキン工業株式会社からユニダインシリーズとして市販されている。他には、大日本インキ化学株式会社からメガファクタシリーズとして、及び日本油脂株式会社からユニセーフHシリーズとして市販されている。
【0030】
これらのフッ化炭素系界面活性剤は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0031】
本発明の防曇剤において、アルキルチオカルボン酸又はその誘導体、及びフッ化炭素系界面活性剤は、水及び水溶性有機溶剤から選択される一種又は二種以上の溶媒に溶解させることができる。溶媒としては、水又は水溶性有機溶剤のいずれかを用いてもよいし、両者の混合物を用いてもよい。
【0032】
水としては、イオン交換水、薬用蒸留水等、種類を問わずに使用することができる。
【0033】
水溶性有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、多価アルコール類、セロソルブ類、カルビトール類等が挙げられる。
【0034】
具体的には、アルコール類としてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、及びn−プロピルアルコール等が挙げられる。
【0035】
ケトン類としてアセトン、及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
【0036】
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、及びグリセリン等が挙げられる。
【0037】
セロソルブ類としてはメチルセロソルブ及びエチルセロソルブが、カルビトール類としてはメチルカルビトール及びエチルカルビトール等が挙げられる。
【0038】
本発明の防曇剤には、アルキルチオカルボン酸塩又はその誘導体、及びフッ化炭素系界面活性剤に加えて、抗黴剤、抗菌剤、及び防腐剤を添加することができる。又、上記水溶性有機溶媒単独又はこれらの水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を溶媒として用いる場合は、香料を配合してこれらの水溶性有機溶媒が有する特異臭をマスキングすることが好ましい。これに加えて、乳幼児等による誤飲が起こらないように苦味剤を配合してもよい。
【0039】
本発明の防曇剤には、上記フッ化炭素系界面活性剤以外の界面活性剤を配合してもよい。かかる界面活性剤としては、サボニン及びレシチン等の天然界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル(ポリオキシエチレン)硫酸ナトリウム、及びN−アシルアミノ酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、モノアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、トリアルキルモノメチルアンモニウムクロリド、及びテトラアルキルアンモニウムクロリド等のカチオン系界面活性剤、直鎖アルキルポリオキシエチレンエーテル、S−アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、N,N−ジ(アルカノール)アルカンアミド、及びアミンオキシド等の非イオン系界面活性剤、並びにスルホベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0040】
本発明の防曇剤においては、アルキルチオカルボン酸又はその誘導体の含有割合は通常1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは5〜15重量%である。ここで、含有割合とは、アルキルチオカルボン酸又はその誘導体、フッ化炭素系界面活性剤、抗黴剤、抗菌剤、防腐剤、及び溶媒等、防曇剤に含まれる全ての成分の合計量に対する、ある成分の割合をいう。アルキルチオカルボン酸又はその誘導体の含有割合が前記範囲内にあると、水焼け防止コーティング等、各種コーティングを施した眼鏡レンズにおいても、表面コーティングの種類によらす、一層大きな防曇性が得られ、且つ、白残が発生することが効果的に防止される。
【0041】
フッ化炭素系界面活性剤の含有割合は通常0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。フッ化炭素系界面活性剤の含有割合が前記範囲内にあると、水焼け防止コーティング等、各種コーティングを施した眼鏡レンズにおいてもレンズ表面に均一にしかも容易に塗布することができ、加えて防曇効果も保持するという効果がより一層大きく得られる。但し、かかる効果を得るためには、フッ化炭素系界面活性剤の含有割合は20重量%もあれば十分である。
【0042】
アルキルチオカルボン酸及びその誘導体以外の、かつフッ化炭素系界面活性剤以外の界面活性剤、例えば、天然界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、又は非イオン系界面活性剤を本発明の防曇剤に配合する場合は、上記フッ化炭素系界面活性剤とこれらの界面活性剤との合計の含有割合がアルキルチオカルボン酸又はその誘導体の含有割合を越えないようにすることが望ましい。前記含有割合を越えると、防曇効果のみならず、レンズ表面にギラギラや白残が多くなり、明視性が損なわれることがある等の理由による。
【0043】
本発明の防曇剤で例えば眼鏡レンズを処理する方法としては、例えば、超音波洗浄槽内の洗浄水に上記防曇剤を入れ、眼鏡レンズをその中に浸漬する方法がある。他には、ティッシュペーパー、ガーゼ、又は柔らかい不織布等に上記防曇剤を含浸させ、これらを用いて眼鏡レンズを拭くことにより塗布する方法がある。又、ティッシュペーパー、ガーゼ、又は不織布等を用いて上記防曇剤を眼鏡レンズに直接塗布する代わりに、上記防曇剤を眼鏡レンズに直接スプレーしてもよい。
【0044】
本発明の防曇剤については、各種の製品形態が可能である。
【0045】
本発明の防曇剤は、ガラス、プラスチック、又は金属の容器に充填してもよい。かかる製品形態は、超音波洗浄槽内の洗浄水に防曇剤を入れて例えば眼鏡レンズを超音波洗浄する場合、及びティッシュペーパー、ガーゼ、又は不織布等に防曇剤を含浸させて眼鏡レンズを拭いて防曇剤を塗布する場合に、好適である。
【0046】
この他、ティッシュペーパー、ガーゼ、又は不織布等に本発明の防曇剤を含浸させた製品形態も好ましい。
【0047】
又、本発明の防曇剤は、エアゾール製品の形態もとることができる。本発明の防曇剤をエアゾール製品とするには、エタン、LPG、プロパン、ブタン、及びペンタン等の低沸点炭化水素、塩化メチル、塩化メチレン、及び塩化エチル等の低沸点ハロゲン化炭化水素、並びにパーフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,1,2,2,−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン、及びパーフルオロエタン等のフロン類等から選択される噴射剤と本発明の防曇剤とをスプレー容器に封入すればよい。
【0048】
上記エアゾール製品において、防曇剤と噴射剤との比率は、防曇剤:噴射剤=95/5〜60/40(重量部/重量部)、特に90/10〜80/20(重量部/重量部)の範囲が好ましい。
【0049】
上に挙げた噴射剤のうち、低沸点炭化水素、低沸点ハロゲン化炭化水素、フロン類、及び不活性ガスは、いずれも防曇剤とともに一つのスプレー容器に封入することができる。スプレー容器としては、金属製のスプレー容器の他、各種合成樹脂製のスプレー容器も用いることができる。かかるスプレー容器において噴射ボタンを押すと、防曇剤は、噴射剤の圧力により、スプレー容器頭部に取り付けられた噴射ノズルから噴出する。
【0050】
更に、防曇剤と噴射剤とを気密な内袋に充填しておき、この内袋を噴射剤とともにスプレー容器に封入してもよい。ただし、この内袋は、当該スプレー容器頭部に取り付けられた噴射ノズルに接続されている。この内袋に充填された噴射剤と、スプレー容器とこの内袋との間に封入された噴射剤とは、同一の噴射剤であっても異なった噴射剤であってもよい。このスプレー容器において噴射ノズルを押すと、内袋とスプレー容器との間に封入された噴射剤の圧力で内袋に充填された防曇剤が噴射ノズルから噴出する。
【0051】
エアゾール製品としては、噴射剤と本発明の防曇剤とをスプレー容器に充填した形態の他、本発明の防曇剤をポンプ式噴霧容器に充填した製品も好ましい。
【0052】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明について具体的に説明する。
【0053】
(実施例1〜6)
表1に示す組成に従って防曇剤を調製した。これらの防曇剤には、アルキルチオカルボン酸誘導体としてカルボキシエチルチオ琥珀酸塩(商品名:ノバソルトSA−66T(日本油脂株式会社製))を配合し、更にフッ化炭素系界面活性剤も配合した。
【0054】
調製した防曇剤を市販のティッシュペーパーに適量含浸させ、これで表2に示す試供レンズL−1〜L−8を拭いて、当該試供レンズ表面に防曇剤を塗布した。
【0055】
【表1】
Figure 0003767946
【0056】
【表2】
Figure 0003767946
【0057】
当該試供レンズ表面に防曇剤を塗布し、30秒〜3分そのまま保持した。その後、別の乾いたティッシュペーパーで当該試供レンズ表面を拭き、防曇性、作業性及び明視性の各項目について評価した。防曇性、作業性及び明視性の各項目について、評価方法を下に示す。又、評価結果を表3及び表4に示す。
【0058】
(防曇性)
眼鏡用曇り止めの試験方法(JIS−S−4030)に準じて評価した。試供レンズ面に防曇剤を塗布し、1回当たり3分間水蒸気を当て、当該試供レンズ面に面積にして10%以上の曇り又は発露が生じるまでの繰り返し回数によって評価した。繰り返し回数にして3回以上防曇性を保持した場合を○、防曇性を保持し得た繰り返し回数が1〜2回であった場合を△、1回以下であった場合を×とした。
【0059】
(作業性)
試供レンズに防曇剤を塗布後、別の乾いたティッシュペーパーで当該試供レンズ表面を拭く際に、当該試供レンズ表面に塗布された防曇剤を軽く容易に拭き取ることができた場合を○、軽く拭いた場合には容易には拭き取れなかった場合を△、かなり強く拭いても拭き取れなかった場合を×とした。
【0060】
(明視性)
塗布した防曇剤を拭き取った試供レンズの表面を目視で観察し、白残又はギラギラの有無を調べた。試供レンズ表面に白残もギラギラも見られず、且つ当該試供レンズ表面に施された反射防止膜(蛍光灯の光を反射させた際に緑色又は赤紫色の膜として確認できる)の色に変化が見られなかった場合を○、試供レンズ表面に白残又はギラギラが若干見られ、又は当該試供レンズ表面に施された反射防止膜の色に若干の変化が見られた場合を△、そして、白残又はギラギラが明らかに認められ、又は反射防止膜の色に明確な変化が見られた場合を×とした。
【0061】
【表3】
Figure 0003767946
【0062】
【表4】
Figure 0003767946
【0063】
表3及び表4からも明らかなように、実施例1〜6にかかる防曇剤は、L−1〜L−8の何れの試供レンズに対しても良好な作業性及び明視性を示した。又、水蒸気を試供レンズに3分間当てた場合においても、少なくとも繰り返し回数が1〜2回の間は防曇性を保持していた。特にカルボキシエチルチオ琥珀酸塩(ノバソルトSA−66T(商品名))の量を10重量%に増量した実施例3〜5の防曇剤、及びノバソルトSA−66T(商品名)の量を15重量%に増量した実施例6の防曇剤は、繰り返し回数3回以上と高い防曇性を示した。
【0064】
(比較例1〜6)
表5に示す組成に従って防曇剤を調製した。これらの防曇剤には、アルキルチオカルボン酸及びその誘導体の何れも配合しなかった。但し、比較例2〜5の防曇剤にはフッ化炭素系界面活性剤を配合した。
【0065】
調製した防曇剤を市販のティッシュペーパーに適量含浸させ、これで表2に示す試供レンズを拭いて、当該試供レンズ表面に防曇剤を塗布した。
【0066】
【表5】
Figure 0003767946
【0067】
当該試供レンズ表面に防曇剤を塗布し30秒〜3分経過した。その後、別の乾いたティッシュペーパーで当該試供レンズ表面を拭き、防曇性、作業性及び明視性の各項目について、実施例1〜6と同様にして評価した。評価結果を表6及び表7に示す。
【0068】
【表6】
Figure 0003767946
【0069】
【表7】
Figure 0003767946
【0070】
表6及び表7からも明らかなように、L−1〜L−8の試供レンズに比較例1〜6の防曇剤を塗布した場合、試供レンズによっては、拭き取りが困難であったり、白残又はギラギラが見られたりした。又、水蒸気を試供レンズに3分間当てた場合において、1回の繰り返し回数で防曇性を失ってしまう試供レンズもあった。特に通常の界面活性剤のみを配合した比較例1、5及び6の防曇剤においては、水蒸気を試供レンズに1回当てただけで防曇性が失われ、又、白残、ギラギラ、及び/又は反射防止膜の変色が明確に認められた。
【0071】
これらの結果からも明らかなように、水焼け防止コーティングを始めとする各種コーティングを施した眼鏡レンズであっても、本発明の防曇剤を塗布すれば、良好な防曇性が長時間付与される。又、眼鏡レンズ表面に白残が生じることもない。

Claims (2)

  1. アルキルチオカルボン酸又はその誘導体、及びフッ化炭素系界面活性剤を含有することを特徴とする防曇剤。
  2. アルキルチオカルボン酸又はその誘導体は、その含有割合が防曇剤全体に対して1〜30重量%であり、フッ化炭素系界面活性剤は、その含有割合が防曇剤全体に対して0.5〜20重量%である前記請求項1に記載の防曇剤。
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