JP3767514B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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    • H01B1/16Conductive material dispersed in non-conductive inorganic material the conductive material comprising metals or alloys

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ペーストに関し、特に、ガラス基板上に印刷・焼成されることにより、自動車ウインドウの防曇用の熱線等として好適に使用される導電性ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車ウインドウの防曇用の熱線は、耐候性および価格の観点から銀を用いた導電性ペーストを印刷・塗布し、焼結することにより形成されてきた。しかし、自動車ウインドウのガラスサイズは、車種により規格が様々であるため、ガラスサイズに関係なく形成された各熱線間の抵抗値を一定にすることが必要である。そのために、熱線の比抵抗値を調整することが求められている。この比抵抗値の範囲は、大型車に搭載される低抵抗仕様の熱線では2〜3μΩ・cm、小型車に搭載される高抵抗仕様の熱線では10〜20μΩ・cmであり、広い範囲となっている。このような熱線の比抵抗値は、導電性ペースト中のガラスフリットの増量、あるいは抵抗値調整剤の添加等により調整されている。上記抵抗値調整剤は、上記導電性ペーストの銀の焼結を抑制することにより比抵抗値を調整するものであり、銀と固溶しない金属あるいは酸化物等からなる。上記抵抗値調整剤は、特に高抵抗仕様の熱線の形成する際に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、ガラスフリットを増量した場合、あるいは抵抗値調整剤の添加により熱線の比抵抗値を調整した場合に添加量が過剰となると、上記ガラスフリットあるいは抵抗値調整剤が形成された熱線の表面(焼成面)に偏析する。この熱線の表面に偏析したガラスフリットあるいは抵抗値調整剤は、熱線におけるはんだ濡れ性を著しく阻害するため、熱線と熱線に接続されるリード線等との接合強度が低下するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、良好なはんだ濡れ性を示し、接合強度が低下せず、高い比抵抗値を有する電極を形成できる導電性ペーストを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性ペーストは、銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストであって、この銀粉末のうちの50重量%以上は、粒子径が4.5μm〜7μm、結晶子径が100nm以上であることを特徴とする。
【0006】
結晶子径が100nm以上の銀粉末、いわゆる高結晶質の銀粉末は、結晶子が100nm未満の銀粉末と比べて焼結の進行が遅いため、粗な焼結構造を得ることが可能である。そのため、この導電性ペーストを用いて形成された焼結体(電極)を高抵抗化することができる。また、形成された焼結体(電極)中には空孔が形成される。この空孔では、溶融したガラスフリット等が滞留され、電極の表面に偏析することを防止すると同時に空孔部がガラスにより充填される。これにより、電極表面では、はんだ濡れ性を確保でき、電極内部の凝集力も向上する。したがって、はんだ付け性が良好であり、十分な接合強度を得ることができる。
【0007】
また、本発明の導電性ペーストは、自動車ウインドウの防曇熱線用であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における導電性ペーストは、銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクルを含む。この導電性ペーストは、ガラス板上、またはガラス板表面に形成されたセラミックカラー層上に印刷・焼成して得られる導電性線条(デフロスター用電極)、バスバー、あるいはAM、FMラジオ、TV、GPS等のアンテナとして好適に使用されるものである。
【0009】
上記銀粉末は、高結晶質の銀粉末を含む。この高結晶質の銀粉末は、結晶子径が100nm以上であり、かつ、粒子径が4.5μm〜7μmである。この高結晶質の銀粉末の形状は、特に限定されることなく、例えば球状、塊状、不定形状等が挙げられる。
【0010】
ここで、粒子径はレーザー散乱式の粒度分布計で測定した平均粒子径(D50)を指す。また、結晶子径は、100nm未満の場合はAg(111)面、(222)面の半価幅より計算した結果であり、100nm以上の場合はTEM観察により実測を行った結果である。
【0011】
そして、上記銀粉末は、そのうちの50重量%以上が高結晶質の銀粉末である。この場合、添加剤として、抵抗調整剤を添加することにより、この導電性ペーストから形成される電極を所望の比抵抗に調整したとしても、上記電極のはんだ濡れ性を確保することができる。しかしながら、高結晶質の銀粉末が50重量%未満である場合には、抵抗調整剤が導電性ペーストから形成される電極の表面に偏析するため、はんだ濡れ性を確保できない。また、導電性ペーストに抵抗調整剤等の添加剤を添加しない場合には、銀粉末における高結晶質の銀粉末を75重量%以上にすることが好ましい。上記添加剤には、抵抗調整剤の他に、耐湿信頼性向上、外観上問題となる電極裏面における発色性向上等の目的で、金属酸化物等が挙げられる。
【0012】
また、上記高結晶質の銀粉末の粒子径が4.5μm以上であるのは、粒子径がこれより小さくなると粉末の粒子が微細となり、高結晶銀粉末固有の焼成抑制効果が望めないからである。また、結晶子径が100nm以上であるのは、この大きさ未満の結晶子径では焼成抑制効果がほとんど得られないからである。このように焼成抑制効果が低減した場合、上記導電性ペーストから形成される電極の比抵抗値を上昇させることが困難である。
【0013】
一方、上記高結晶質の銀粉末の粒子径が7μm以下であるのは、粒子径がこれより大きくなると、導電性ペーストの焼結が遅れ、焼成温度条件(600℃〜700℃)にて十分な焼結が得られなくなる為と、空孔の容積が大きくなりガラスにより十分に充填することができなくなり内部凝集力が低下して接合強度が小さくなる為である。
【0014】
本発明におけるガラスフリットは、ガラス基板として一般に用いられるソーダライムシリカガラスの軟化点(約730℃)より低い温度で軟化流動を開始するガラスを使用することが好ましい。このガラスフリットには、特に限定されるわけではないが、一般に、ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系の低軟化点ガラスが好ましく使用される。
【0015】
本発明における有機ビヒクルは、バインダー機能を有する有機質樹脂を溶媒に溶解したものであり、導電性ペーストに印刷性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。上記有機質樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂およびフェノール樹脂からなる群より選ばれた1以上の有機質樹脂を用いることができる。また、上記溶媒としては、例えば、α−テルピネオール、ブチルカルビトール、およびブチルカルビトールアセテートから選ばれた1以上の溶媒を用いることができる。
【0016】
なお、本発明の導電性ペーストは、さらに、抵抗値調整剤を含むことがある。
【0017】
一般に抵抗値調整剤(焼結抑制剤)は、酸化物および焼成により酸化物となるものが多く、はんだ濡れ性を阻害する材料が多い。そこで、上記のように結晶子径の大きな粉末、すなわち焼結の進行が遅い粉末を用いることで、抵抗値調整剤(焼結抑制剤)の添加を極力減らすことができる。さらに、粒成長が抑制され、電極内部に空孔部を確保できるため、ガラスフリットおよび酸化物等を空孔に滞留させることができる。そのため、上記抵抗値調整剤(焼結抑制剤)の焼成面への偏析を防ぎ、良好なはんだ付け性を確保した上で形成された電極の比抵抗値調整が可能となる。
【0018】
また、上記導電性ペーストには、抵抗調整以外の目的、たとえば、耐湿信頼性向上、外観上問題となる電極裏面における発色性向上等の目的で、金属酸化物を添加することがある。
【0019】
従来、これらの金属酸化物は、電極を形成した際に電極の電極表面(焼成面)に偏析してはんだ濡れ性を阻害するため、添加量を制限しなければならなかった。しかしながら、本発明の導電性ペーストを用いて電極を形成することにより、電極内部の空孔部に上記金属酸化物を滞留させることができるため、焼成面への上記金属酸化物の偏析を防止でき、はんだ濡れ性を確保することができる。したがって、上記導電性ペーストには、これら添加剤を十分に添加できるため、形成される電極の品質を安定化することができる。
【0020】
さらに抵抗値調整剤(焼結抑制剤)により比抵抗値が調整された電極は、銀粒子間にそれらの添加剤が介在し、銀同士のネッキングを著しく阻害するため、接合強度試験の破壊部は銀電極内部の凝集破壊となり、接合強度も低下する。一方、本発明の導電性ペーストを使用した場合、適度なネッキングとガラスの凝集力により、内部強度は向上する。そのため、本発明の導電性ペーストを用いて電極を形成した基板において、接合破壊モードが基板の凝集破壊モードに移行し、接合強度も向上する。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により特にデフロスター用電極として本発明の導電性ペーストを用いた場合を例に挙げて詳細に説明する。
【0022】
本実施例では、導電性ペーストを、銀粉末、Pb−B−Si−O系ガラス、およびエチルセルロースをα−ターピネオールに溶解した有機ビヒクルを混合し、3本ロールにて分散処理することにより作製した。このときの、上記導電性ペーストは、銀粉末70重量%、Pb−B−Si−O系ガラス5重量%、有機ビヒクル25重量%の割合で配合した。以下、上記配合の導電性ペーストにおける基本配合とする。
【0023】
本実施例における評価は、デフロスター用電極の重要機能である、比抵抗値、端子の接合強度、およびはんだ濡れ性について実施した。以下に評価方法について説明する。
【0024】
比抵抗値については、以下のようにして求めた。
【0025】
比抵抗値ρは、ライン長200mm、ライン幅0.4mmの比抵抗測定用パターンを用い、スライドガラス基板(ソーダライムガラス、260mm×760mm×1.4mm)に、上記導電性ペーストを印刷した後、600℃で1分間(in−out5分)の条件で焼成して電極を形成し、電極のライン抵抗値と膜厚とを測定し、その値を次式に代入することにより算出した。
【0026】
ρ(μΩ・cm)=[膜厚(μm)×ライン抵抗値(Ω)×W(0.4mm)/L(200mm)]×100
なお、ライン抵抗値は、抵抗測定装置としてマルチメーター(HEWLETT PACKARD社製)を用いて測定した。膜厚は、膜厚測定装置として接触式膜厚測定計Surfcom(TOKYO SEIMITSU社製)を用いて測定した。そして、上記の式に代入するライン抵抗値および膜厚については、各試料毎に5回測定した測定値の平均値を用いた。
【0027】
端子の接合強度については、以下のようにして求めた。
【0028】
まず、上記のようにして作製した導電性ペーストを、スライドガラス基板(ソーダライムガラス、260mm×760mm×1.4mm)の表面に、1辺が2mmの正方形パターンを印刷し、150℃で10分間乾燥した後、600℃で1分間(in−out5分)の条件で焼成して電極を形成した。
【0029】
それから、電極が形成されたスライドガラス基板を150℃に加熱したプレート上に載置し、電極上にリード端子をはんだ付けした。
【0030】
リード端子としては、直径が0.6mmのL字型はんだ引き銅線を使用した。なお、はんだとして、Sn−Pb−Ag系のはんだを用い、フラックスとして、ロジンをイソプロピルアルコールに溶解したフラックスを用いた。
【0031】
そして、リード端子を島津製オートグラフにて引張り、電極からリード端子が剥離する強度を端子の接合強度として求めた。この端子の接合強度は、10N以上が実用強度である。
【0032】
はんだ濡れ性については、以下のようにして判定した。
【0033】
上記のようにして作製した導電性ペーストを、スライドガラス基板(ソーダライムガラス、100mm×100mm×1.4mm)に、5mmφの円形のパターンにて印刷し、150℃で10分間乾燥した後、600℃で1分間(in−out5分)の条件で焼成することにより電極を形成した。その後、上記電極面をフラックスにて清浄化し、Sn−Pb−Ag系のはんだ槽に2〜3秒ディップ処理した。そして、このディップ処理した電極面の外観を目視にて、はんだ濡れ性についての良否を判定した。判定基準は、電極部分の面積をはんだが100%被覆すれば(濡れていれば)良好、一部でも濡れていない部分があれば不良とした。
【0034】
〔実施例1〕
本実施例では、導電性ペーストにおける銀粉末の粒子径と結晶子径とを変化させ、その導電性ペーストを用いて形成した電極の比抵抗値を測定した。
【0035】
表1に示す粒子径と結晶子径との関係にある銀粉末を用い、上記した基本配合で導電性ペーストを作製した。
【0036】
そして、この導電性ペーストを用いて、上記の方法にて比抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003767514
【0038】
表1に示すように、粒子径が3μmの銀粉末を用いた導電性ペーストでは、結晶子径の大きさにより比抵抗値が顕著に大きくなることはなかった。つまり、上記粒子径の大きさでは、所定の焼成条件下にて結晶子径の大きさが上記導電性ペーストから形成される電極の焼結性に大きな影響を与えることがないことが判る。
【0039】
これに対して、粒子径が4.5μm以上の銀粉末を用いた導電性ペーストでは、100nm以上の結晶子径で比抵抗値が顕著に大きくなっていた。この比抵抗値の変化は、その導電性ペーストから形成された電極が所定の焼成条件において焼結が遅れ粗な構造となるためである。また、特に、粒子径7μmの銀粉末を用いた導電性ペーストでは、抵抗値調整剤を添加することなしに高抵抗仕様の最低基準である12μΩ・cmを満足する電極を形成することができた。
【0040】
〔実施例2〕
本実施例では、導電性ペーストの銀粉末において結晶子径を300nmに固定し、粒子径を変化させて上記の方法で接合強度を測定した。導電性ペーストにおける配合は、上記した基本配合とした。導電性ペーストの銀粉末における結晶子径300nmの粉末に対して、粒子径と接合強度との関係を比較した結果を図1に示す。
【0041】
図1より、上記導電性ペーストから形成した電極は、銀粉末の粒子径が7μmまでは、実用強度である10N/2mm□以上の接合強度を確保している。しかしながら、銀粉末の8μmにて接合強度の低下が顕在化する。この接合強度が低下した電極の接合破壊モードは銀電極内の凝集破壊であった。これは、導電性ペーストを焼成ピーク温度600℃〜700℃で焼成することにより、形成される電極の構造において、粒子間のネッキング点の減少とガラスによる空孔の充填性が不十分となり、電極内部強度が低下するためと推定される。
【0042】
以上、実施例1および実施例2から、導電性ペーストの銀粉末における結晶子径を100nm以上とし、さらに上記銀粉末の粒子径を4.5μm以上、7μm以下にすることにより、高い比抵抗値および十分な接合強度を有する電極を得られる導電性ペーストを得ることができることが判る。
【0043】
〔実施例3〕
導電性ペーストの銀粉末における結晶子径の異なる銀粉末の配合を変化させ、比抵抗値および酸化物添加に対するはんだ濡れ性の評価を実施した。
【0044】
銀粉末には、粒子径4.5μmで結晶子径60nmの銀粉末と、粒子径4.5μmで結晶子径300nmの銀粉末(高結晶質の銀粉末)とを用い、それぞれ単独ならびに重量比で25/75、50/50、75/25の割合で配合した粉末を準備した。これら銀粉末を用いた上記した基本配合に、抵抗値調整剤としてのアルミナ(Al23)粉を銀粉末に対する体積比でアルミナ/銀:1/20、2/20、4/20となるように配合し、3本ロールによる分散処理にて導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストを用いて、上記方法により比抵抗値およびはんだ濡れ性の評価を実施した。その結果を図2に示す。
【0045】
図2より、高結晶質の銀粉末を75重量%以上配合した銀粉末を用いた導電性ペーストでは、抵抗値調整剤を添加することなく、高抵抗仕様に必要な比抵抗値水準10μΩ・cm以上の領域でもはんだ濡れ性が確保されていることが判る。さらに、抵抗値調整剤を添加しても、高抵抗品に求められる比抵抗領域ではんだ濡れ性が確保されていることが判る。
【0046】
また、高結晶質の銀負末を50重量%以上配合した銀粉末を用いた導電性ペーストでは、抵抗値調整剤を添加することにより、高抵抗仕様に必要な比抵抗値水準10μΩ・cm以上の領域でもはんだ濡れ性が確保されていることが判る。
【0047】
一方、結晶性の低い銀粉末を多く含む銀粉末を用いた導電性ペーストでは、はんだ濡れ性を確保できる限界までアルミナを添加しても比抵抗値は上記水準に達していないことが判る。
【0048】
〔実施例4〕
実施例3に示した導電性ペーストにおいて、抵抗値調整剤としてのアルミナをアルミナ/銀体積比で4/20となるように、添加した導電性ペーストを作製した。この導電性ペーストを用いて形成した電極について、上記の方法により接合強度を評価した。その結果を図3に示す。
【0049】
図3より、高結晶質の銀粉末を銀粉末の50重量%以上含む導電性ペーストを用いて形成した電極は、電極の接合強度が平均15N/2mm□以上であり、実用強度である10N/2mm□を上回る結果となった。
【0050】
それに対して、結晶性の低い銀粉末を多く含む銀粉末(高結晶質の銀粉末が0重量%、25重量%含む銀粉末)を用いた導電性ペーストを用いて形成した電極は、電極の接合強度が実用強度を下回る結果となった。
【0051】
以上、実施例3および実施例4から、導電性ペーストの銀粉末において高結晶質の銀粉末が全銀粉末に対して50重量%以上含まれることにより、高い比抵抗値および十分な接合強度を有する電極を得られる導電性ペーストを得ることができることが判る。
【0052】
【発明の効果】
本発明の高結晶質の銀粉末を用いた導電性ペーストを用いれば、抵抗値調整剤の使用を極力抑えることではんだ濡れ性を十分確保でき、また、はんだ濡れ性を阻害する可能性がある添加剤等も、従来ははんだ濡れ性とのバランスを得るため、添加量を抑制していたが、焼結が抑制されることにより電極内部の空孔にそれらがトラップされ、焼成面への偏析が低減できることから、添加量を増量でき、はんだ濡れ性以外の品質の安定化にも寄与できる、自動車リアウインドウの防曇用等に適した導電性ペーストを提供できる。
【0053】
さらに、本発明は、自動車リアウインドウの防曇用に好適に用いられる導電性ペーストであるが、これらは低抵抗値仕様、高抵抗値仕様の他に、その中間抵抗が必要な場合があり、本発明により得られる下限の比抵抗値7μΩ・cmレベルも従来品では、はんだ濡れ性が不十分である場合が多く、その代替仕様としても活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性ペーストにおける銀粉末の粒子径と、この導電性ペーストを焼結して形成した電極の接合強度との関係を示すグラフである。
【図2】導電性ペーストに添加したアルミナと、この導電性ペーストを焼結して形成した電極の比抵抗値およびはんだ濡れ性との関係を示すグラフである。
【図3】導電性ペーストに含まれる高結晶質の銀粉末の配合量と、この導電性ペーストを焼結して形成した電極の接合強度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストであって、
    上記銀粉末のうちの50重量%以上は、粒子径が4.5μm〜7μm、かつ、結晶子径が100nm以上である銀粉末であり、
    自動車ウインドウの防曇熱線用であることを特徴とする導電性ペースト。
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