JP3766819B2 - 有害生物防除剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は有害生物防除剤に関する。さらに詳しくは、水溶性高分子を含有する有害生物防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
有害生物の防除方法の一つとして、有害生物を粘着性物質に物理的に拘束して捕獲あるいは駆除する方法が知られている。例えば、粘着剤を基材に塗布した粘着リボンにハエなどを付着させて殺す方法は周知である。同様なものとしては、ゴキブリやカミキリムシを対象としたものもある。また、特許文献1には、粘着剤−有機溶媒−液化石油ガスを用いて粘着性フォームを形成し、これによってゴキブリを捕獲する方法が記載されており、特許文献2には、ポリブテンコンパウンドに増粘剤等を添加してなるげっ歯類動物捕獲剤が記載されている。さらに特許文献3には、ゴキブリからネズミに至る有害生物を捕獲するポリブテンエマルジョン含有のエアゾール型粘着剤組成物が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特公昭59−23352号公報
【特許文献2】
特開昭52−105217号公報
【特許文献3】
特開平4−66502号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの防除剤は、いずれも害虫や害獣を防除剤上に完全に捕足することを意図している。このため、その効果を確実なものとするために強い粘着性を有する物質およびこれを適当な剤型に調製するために有機溶媒が用いられており、これを植物、特に農園芸作物に使用した場合には、葉の部分的な壊死や野菜類などでは植物体全体が枯死に至るなど、植物自体に薬害が生じるという問題があった。また、野菜や果実では防除剤の残留は販売上の理由から好ましくない。植物表面への適用を避けてその周囲に散布ないし配置することも考えられるが、この場合には作物の食害等を完全に防ぐことができないという問題を生じる。このように、植物自体に使用することが可能でなおかつ効果の大きい有害生物防除剤が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題に鑑み、よりすぐれた有害生物防除剤および防除方法を見出すべく、鋭意検討した結果、微小な有害生物を防除するには水溶性高分子が有効であり、農園芸用の有害生物防除剤として極めて有用であることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(a)アルファー化澱粉と(b)ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリカルボン酸系界面活性剤およびアルキルベンゼンスルホン酸塩の中から選択される界面活性剤とを含有することを特徴とする有害生物防除剤を提供する。
【0006】
本発明防除剤は、カンキツ類、リンゴ、ナシ、モモ等の果樹のミカンハダニ、ナミハダニ、カンザワハダニ等のハダニ類、サビダニ、アザミウマ目害虫、ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ等のアブラムシ類、チャのカンザワハダニ、アザミウマ目害虫、アブラムシ類、ナス、トマト、キュウリ、ピーマン等の野菜のハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ目害虫、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、カーネーション、バラ、キク、シュッコンカスミソウ、ポインセチア等の花き類のハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ目害虫、オンシツコナジラミ、タバココナジラミ等の小害虫および各種作物のウドンコ病防除等微小な有害生物の防除に用いることが出来る。
【0007】
本発明防除剤の作用は、基本的には物理作用によるものと考えられる。すなわち、上記の有害生物に本発明防除剤が適用されることにより、有害生物に防除剤が付着してその行動が不能ないし著しく制約されることにより餓死したりあるいは他の虫獣に捕食されたり、防除剤によって呼吸器系等を塞がれることにより窒息する。
【0008】
本発明防除剤には、有効成分としてアルファー化澱粉が含まれる。アルファー化澱粉は、製造面、使用面、効力面、及び冷水可溶である点で有利である。
なお、本発明防除剤には、他の水溶性高分子も併用できる。
水溶性高分子としては、澱粉、海藻抽出物、植物性粘質物、微生物による粘質物、タンパク質等の天然水溶性高分子およびそれらの誘導体、セルロース系等の半合成品の水溶性高分子、合成品の水溶性高分子が挙げられるが、澱粉および植物粘着物が好ましい。
【0009】
澱粉としては、例えばバレイショ、甘藷、コムギ、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、コメ等の原料群から選択された1種または2種以上の原料澱粉が挙げられる。アミロペクチン含量が高い原料澱粉を使用すれば有害生物防除効果が高くなる傾向が認められ、タピオカおよびトウモロコシのワキシーコーン種の澱粉を原料に用いると高い防除効果が得られる。さらに製剤の効力を増強することを目的として天然澱粉以外にも各種処理を施したアルファー化澱粉以外の化工澱粉を添加しても良い。ここで化工澱粉とは、デキストリン、アミロースおよびアミロペクチンの分画物、酸化澱粉、酸処理化澱粉、グラフト化澱粉などの各種澱粉およびその誘導体を常法にしたがって酸分解、アルカリ分解もしくは酵素分解またはこれらの組み合わせによって加水分解したものである。
【0010】
海藻抽出物としては、アルギン酸ナトリウム、寒天、カラギナン、ファーセレラン等が挙げられる。
植物性粘質物としては、ローカストビーンガム、グアーガム、オオバコ種子粘質物、マルメロ種子粘質物、タマリンドシードガム、グルコマンナン、オクラ抽出物、イチョウイモ粘質物、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガントガム、アラビノガラクタン、ペクチン、タラガム等が挙げられる。これらの多糖類をエーテル化、エステル化または架橋して用いることも可能である。
【0011】
微生物産性粘質物としては、デキストラン、キサンタンガム、ブルラン、カードラン、ウェランガム、ラムザンガム等が挙げられる。
タンパク質としては、ゼラチン、カゼイン、にかわ、コラーゲン等が挙げられる。
半合成品としては、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系,可溶性澱粉、カルボキシメチル澱粉、ジアルデヒド澱粉等の澱粉系、リグニンスルホン酸塩等が挙げられる。
合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの追加的に用いる高分子は単独でも、2種類以上を併用しても良い。
【0012】
本発明による防除剤は有効成分として界面活性剤も含む。界面活性剤としては、ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリカルボン酸系界面活性剤およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が用いられる。これらの界面活性剤は単独で用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。通常、本発明防除剤は、有害生物防除のために施用するときは水で希釈する。界面活性剤は、その希釈液が植物体表面および有害生物に付着しやすいように表面張力を下げる。上記の中でもジアルキルスルホサクシネート系(例えば、エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社、ネオコールYSK,第一工業製薬株式会社)、シリコーン系(例えば、NUC SILICONE L-77,日本ユニカー株式会社、KF−618,信越化学株式会社)、アセチレングリコール系(例えば、サーフィノール104,日信化学株式会社)が好ましい。
【0013】
本発明防除剤は、通常、上記有効成分、水および必要に応じて、水溶性高分子、可塑剤、その他の補助剤等を混合し、液剤に製剤し、そのままあるいは適当な濃度に水で希釈して用いるか、または、水溶性高分子、必要に応じて鉱物質担体等の担体、界面活性剤、可塑剤、その他の補助剤等を混合し、水溶剤または水和剤に製剤し、水で溶解、希釈して用いる。
【0014】
本発明防除剤は、たとえば水を混合槽に入れ、撹拌しながら水溶性高分子および界面活性剤、可塑剤等の原料を添加し、均一に混合することにより、調製することができる。必要に応じて30〜90℃に加熱して混合しても良い。
【0015】
可塑剤は、必ずしも必要ではないが、可塑性、凍結防止のための耐寒性などの物理的化学的性状をより良くするために添加することが好ましく、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールなどの溶剤から選ばれる1種以上の溶剤が挙げられる。
鉱物質担体として使用できるものの例としては、具体的には、ロウ石、タルク、カオリン、炭酸ナトリウム、ベントナイト、珪石粉、含水二酸化珪素、酸性白土、珪藻土類粉末、軽石粉末等が挙げられる。これらはいずれも粒径45μm以下のものが好ましい。
【0016】
その他に水溶解性の尿素、ホウ酸、クエン酸、ブドウ糖、ソルビン酸カリウム、フマル酸、マレイン酸等の担体を増量剤として使用することもできる。
補助剤として、防菌防黴剤、効力増強剤、着色剤等を混合することもできる。また、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤等を混合して、製剤することもできる。
【0017】
製剤中の水溶性高分子の含有量は、液剤では0.01〜90質量%、好ましくは0.05〜80質量%、水溶剤および水和剤では0.5〜90質量%、好ましくは1〜80質量%であり、可塑剤、界面活性剤を混合する場合、製剤中の可塑剤含有量は1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%であり、界面活性剤は1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
水和剤においては、鉱物質担体は10〜90質量%、好ましくは20〜50質量%である。
【0018】
本発明防除剤は通常、水で希釈して施用され、その施用濃度は、対象となる有害生物の種類、ステージ、気象条件により異なるが、有害生物を物理的に駆除できる粘着性を保持し、しかも噴霧器等で施用が可能な粘度であり、水溶性高分子の濃度として、100ppm〜10000ppm、好ましくは、500ppm〜5000ppmである。
本発明防除剤の施用方法としては、本発明防除剤を、有害生物、有害生物の生息する場所、植物等に、動力噴霧器、肩掛け噴霧器、ハンドスプレーヤー等の噴霧器を用いて散布する方法等が挙げられる。
本発明防除剤は、農業分野で肥料、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤と混合して用いることもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明防除剤ではアルファー化澱粉を用いる。このため、従来の合成ゴム系粘着剤のような強い粘着作用を有せず、乾燥した天候が続く際には乾燥して粉末として散逸したり、捕足した有害生物を伴なって植物表面から脱落する。また、雨天が続く際には雨水によって流れ去る。したがって、いずれにしても植物の気孔を塞いでこれを枯死させることがなく、作物にもほとんど残留しない。また、植物に有害な有機溶媒を含まないため植物表面を損傷したりその成育に悪影響を及ぼすなどの害も実質的にない。一方、体長数mm程度の有害生物の体表に付着した場合には、その行動を制限するに十分な効果があり、直接的な捕足効果や呼吸系閉塞効果が期待できる。また、基本的に物理的作用で有害生物を防除するため薬剤抵抗性の問題が生じない。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を製剤例および試験例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
先ず、製剤例を示す。なお、部は質量部を示す。
【0021】
製剤例1(参考例)
水64.8部に澱粉分解物(アミコールNo.1,日澱化学株式会社)20.0部を加え溶解混合する。ついでプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0022】
製剤例2(参考例)
ホワイトカーボン(カープレックス#80,シオノギ製薬株式会社)38.0部、澱粉分解物(アミコールNo.1,日澱化学株式会社)50.0部、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部およびジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)2.0部を均一に混合粉砕して水和剤を得た。
【0023】
製剤例3(参考例)
ホワイトカーボン(カープレックス#80,シオノギ製薬株式会社)68.0部にグアーガム(メイプログアー,三晶株式会社)20.0部を加え混合し、その混合品にプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部およびジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)2.0部を加え粉砕混合して水和剤を得た。
【0024】
製剤例4(参考例)
水83.8部にウェランガム(ウェランガムK1A96,三晶株式会社)1.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0025】
製剤例5(参考例)
水83.8部にカラヤガム(カラヤコール,三栄薬品貿易株式会社)1.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0026】
製剤例6(参考例)
水83.8部にトラガントガム(タラカントガム,三栄薬品貿易株式会社)1.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0027】
製剤例7(参考例)
水34.8部にリグニンスルホン酸塩(サンエキスP201,山陽国策パルプ株式会社)50.0部を加え溶解混合する。ついでプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0028】
製剤例8(参考例)
水82.8部にアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)2.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0029】
製剤例9(参考例)
水83.8部にタマリンドシードガム(グリロイド,大日本製薬株式会社)1.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0030】
製剤例10(参考例)
澱粉分解物(アミコールNo.1,日澱化学株式会社)80.0部にショ糖脂肪酸エステル(DKエステルF−160,第一工業製薬株式会社)10.0部を加え混合し、その混合品にプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え粉砕混合して水溶剤を得た。
【0031】
製剤例11(参考例)
水83.8部にウェランガム(ウェランガムK1A96,三晶株式会社)1.0部を加え溶解混合する。ついでエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ソルゲンTW−20,第一工業製薬株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイ・シー・アイ・ジャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌して液剤を得た。
【0032】
製剤例12(参考例)
珪藻土(ラジオライト#200,昭和化学工業株式会社)30.0部、澱粉分解物(パインデックス#3,松谷化学工業株式会社)50.0部およびアルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスNo.6Fパウダー,花王株式会社)10.0部を加え混合し、その混合品にプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え粉砕混合して水和剤を得た。
【0033】
製剤例13
水79.8部にアルファー化澱粉(マツノリンM−22,松谷化学工業株式会社)5.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0034】
製剤例14
水79.8部にアルファー化澱粉(アミコールW,日澱化学株式会社)5.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0035】
製剤例15
水57.8部にアルファー化澱粉(マツノリンM−22,松谷化学工業株式会社)5.0部、リグニンスルホン酸塩(サンエキスP201,山陽国策パルプ株式会社)25.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにシリコーン界面活性剤(NUC SILICONE L-77,日本ユニカー株式会社)2.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0036】
製剤例16
水54.8部にアルファー化澱粉(マツノリンM−22,松谷化学工業株式会社)5.0部、リグニンスルホン酸塩(サンエキスP201,山陽国策パルプ株式会社)25.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0037】
製剤例17
アルファー化澱粉(マツノリンM−22,松谷化学工業株式会社)25.0部、リグニンスルホン酸塩(サンエキスP201,山陽国策パルプ株式会社)40.0部、クエン酸(和光純薬工業株式会社)30.0部、ジアルキルスルホサクシネート(エアロールCT−1,東邦化学工業株式会社)3.0部およびシリコーン界面活性剤(NUC SILICONE L-77,日本ユニカー株式会社)2.0部を均一に混合粉砕して水溶剤を得た。
【0038】
製剤例18
水54.8部にアルファー化澱粉(マツノリンM,松谷化学工業株式会社)5.0部、リグニンスルホン酸塩(サンエキスP200,山陽国策パルプ株式会社)20.0部およびエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにジアルキルスルホサクシネート(ネオコールYSK,第一工業製薬株式会社)10.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0039】
製剤例19
水71.8部にアルファー化澱粉(マツノリンCM,松谷化学工業株式会社)5.0部、ポリリン酸カリウム(太平化学産業株式会社)10.0部およびエチレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにアセチレングリコール(サーフィノール104,日信化学株式会社)3.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0040】
製剤例20
水72.8部にアルファー化澱粉(アミコールW,日澱化学株式会社)5.0部ポリリン酸ナトリウム(太平化学産業株式会社)10.0部およびエチレングリコール (和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにシリコーン界面活性剤(KF−618,信越化学株式会社)2.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0041】
製剤例21
水39.9部にアルファー化澱粉(アミコールK,日澱化学株式会社)5.0部リグニンスルホン酸塩(サンエキスC,山陽国策パルプ株式会社)40.0部および1,3−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにポリカルボン酸系界面活性剤(ソルボール7248,東邦化学工業株式会社)5.0部および防菌防黴剤(バイオホープ,ケイ・アイ化成株式会社)0.1部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0042】
製剤例22
水59.8部にアルファー化澱粉(アミコールHF,日澱化学株式会社)5.0部、リグニンスルホン酸塩(ソルボール9047K,東邦化学工業株式会社)20.0部および1,3−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにポリカルボン酸系界面活性剤(ニューカルゲンTG−33,竹本油脂株式会社)5.0部および防菌防黴剤(ネオシントールS,新東塗料株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0043】
製剤例23
アルファー化澱粉(アミコールW,日澱化学株式会社)15.0部、リグニンスルホン酸塩(サンエキスP201,山陽国策パルプ株式会社)50.0部、ブドウ糖30.0部、およびシリコーン界面活性剤(NUC SILICONE L-77,日本ユニカー株式会社)5.0部を均一に混合粉砕して水溶剤を得た。
【0044】
製剤例24
水80.8部にアルファー化澱粉(マツノリンM−22,松谷化学工業株式会社)6.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにシリコーン界面活性剤(NUC SILICONE L-77,日本ユニカー株式会社)3.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0045】
製剤例25
水81.8部にアルファー化澱粉(アミコールW,日澱化学株式会社)6.0部およびプロピレングリコール(和光純薬工業株式会社)10.0部を加え撹拌混合する。さらにシリコーン界面活性剤(KF−618,信越化学株式会社)2.0部および防菌防黴剤(プロキセルGXL,アイー・シー・アイージャパン株式会社)0.2部を加え十分撹拌混合して液剤を得た。
【0046】
比較製剤例1
ポリブテン(ニッソPBG-300,日本曹達株式会社)40.0部にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(東邦化学工業株式会社)10.0部を加えて混合し、その混合品に水50.0部を加え十分に混合して粘着性液体を得た。
【0047】
次に本発明防除剤が有用であることを試験例で示す。
試験例1:インゲンのナミハダニに対する殺ダニ効果試験
直径7cm、高さ10cmのプラスチックポットにインゲン豆(つるなし)を植え、ナミハダニを接種して十分増殖させた。本発明防除剤14〜17、24および25と対照として本発明防除剤同様、物理的な殺虫効果を有するマシン油乳剤(サマーマシン97,住友化学工業株式会社)を100倍に希釈したものをハンドスプレヤーを用いてインゲンに十分量散布した。散布前および散布3日、7日、15日後にインゲンに寄生するナミハダニ♀成虫数を調査した(1区1ポット3連制)。
【0048】
なお、防除価を次式により算出した。
【数1】
Figure 0003766819
【0049】
ここで、nは散布後の調査回数
bは無散布区の散布前密度
aは無散布区の散布後密度
bは散布区の散布前密度
aは散布区の散布後密度
を表わす。
【0050】
結果を表1に示す。本発明の組成物は、対照のマシン油乳剤とほぼ同等の高い殺ダニ効果を示した。なお、本試験においてマシン油乳剤を散布した区では、インゲン葉が部分的に壊死する薬害が生じたが、本発明防除剤の区では薬害は認められなかった。
【0051】
【表1】
Figure 0003766819
【0052】
試験例2:イチゴのうどんこ病に対する効力試験
無加温ビニールハウス内のイチゴ(品種:とよのか)に自然発生したうどんこ病に対して、製剤例13で示される本発明防除剤を50倍または100倍に希釈したものと対照としてミクロブタニル10%水和剤(ラリー水和剤,東京有機化学工業株式会社)を4000倍、トリフミゾール30%水和剤(トリフミン水和剤,日本曹達株式会社)を3000倍に希釈したものを肩掛け噴霧器を使用し十分量散布した。散布後7日後に1株当たり9葉のうどんこ病の発病程度を調査した(1区5株2連制)。なお、発病度、防除価を次式により算出した。
【0053】
【数2】
Figure 0003766819
【0054】
【数3】
Figure 0003766819
【0055】
ここでの調査標準(指数)を次に示す。
Figure 0003766819
【0056】
結果を表2に示す。なお、処理前の平均発病度は22.9である。本発明の組成物は、対象のミクロブタニル10%水和剤およびトリフミゾール30%水和剤とほぼ同等の防除効果を示した。
【0057】
【表2】
Figure 0003766819

Claims (4)

  1. 水で希釈して施用される有害生物防除剤であって、(a)アルファー化澱粉と(b)ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリカルボン酸系界面活性剤およびアルキルベンゼンスルホン酸塩の中から選択される界面活性剤から構成され、任意に、水溶性高分子、担体、可塑剤、補助剤を含有していてもよく、且つ、製剤中の界面活性剤の含有量は1〜20質量%であることを特徴とする農園芸用の有害生物防除剤。
  2. 水で希釈して施用される有害生物防除剤が、液剤、水溶剤または水和剤であることを特徴とする請求項1記載の農園芸用の有害生物防除剤。
  3. 界面活性剤が、ジアルキルスルホサクシネート系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤およびポリカルボン酸系界面活性剤の中から選択される界面活性剤であることを特徴とする請求項1または2記載の農園芸用の有害生物防除剤。
  4. 請求項1、2または3記載の農園芸用の有害生物防除剤が水で希釈されてなることを特徴とする希釈液。
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