JP3766573B2 - レンズ移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真用カメラや電子スチルカメラ等に用いられるレンズ移動装置に関し、さらに詳しくは、レンズを直進的に案内するレンズ移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズ筒を光軸方向に移動させる案内手段としては、カム又はヘリコイドが知られている。カム又はヘリコイドは、レンズ筒とそのレンズ筒に相対的に回転する鏡筒との間に設けられる。このとき、何れか一方の鏡筒を回転止めしてないと光軸方向に移動することができない。このため、レンズ筒には、回転止めを行う直進ガイド部材が係合している。
【0003】
例えば実公平7−36337号公報に記載のように、レンズ筒と移動筒との2個の鏡筒が光軸方向に繰り出される二段繰り出しタイプのレンズ鏡筒の場合、レンズ筒用の直進ガイド部材として案内筒が用いられる。案内筒は、枠部とリング部とからなる。枠部は、移動筒の後端に回転自在に取り付けられる。ガイド部は、長片を光軸方向に長くしたL字状となっており、その長片側が移動筒の内部を通って第1レンズ筒の内周に設けた直進ガイド溝に、また短片側が移動筒の後端から外周に臨んで固定筒の内周に設けた直進ガイド溝にそれぞれ係合している。このように二段繰り出しタイプの構造では、レンズ筒と移動筒とが固定筒に対して被写体側に繰り出され、この間にガイド部の長片側がレンズ筒の直進ガイド溝から抜け出ないように、案内筒が移動筒と一緒に光軸方向に移動することでレンズ筒の移動に追従して回転止めを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したレンズ鏡筒の構造によれば、案内筒が移動筒と一緒に移動するから、ガイド部の長辺の光軸方向に沿った長さを短くすることができるのに対し、案内筒を設けた分だけ部品点数が多くなってコストアップの要因となっていた。また、案内筒を移動筒の後端に設ける分だけ、ズームレンズ全体の光軸方向の長さも長くなり、レンズ鏡筒が大型化する欠点がある。
【0005】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、使用する鏡筒の数を少なくしてローコスト化、及び小型化を達成することができるレンズ移動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ移動装置では、互いに光軸方向に直進的に移動される第1又は第2レンズ筒のうちの一方のレンズ筒の内面に、一定な幅で光軸方向に伸ばして設けられた直進ガイド溝と;前記他方のレンズ筒に設けられており、前記直進ガイド溝の幅方向の両側面に摺接する平行な平面を有し、前記一方のレンズ筒の光軸周りの回転を規制する直進ガイド突起と;を備え、前記直進ガイド突起は、前記直進ガイド溝の底面に対峙する面が球面状に形成されており、撮影光軸に対して前記一方のレンズ筒が傾いた時に前記底面に接してこの傾きを制限する高さで形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
ズームレンズ10は、図1に示すように、第1レンズ11、第2レンズ12、第1レンズ筒13、第2レンズ筒14、移動筒15、固定筒16、及び回転筒17で構成されている。回転筒17には外周にギヤ部18が形成されている。ギヤ部18にはズーム用モータ19の駆動が伝達される。回転筒17は、ズーム用モータ19の駆動が伝達されることで固定筒16の外周に接しながら回動される。
【0009】
ズームレンズ10は、回転筒17が初期位置から中間位置までの収納回転域で回転することで図2に示す沈胴位置から図3に示すテレ位置の状態に変更され、また回転筒17が中間位置から終端位置までの変倍回転域で回転することでテレ位置から図4に示すワイド位置の状態に変更される。沈胴位置の状態では、互いに接近した状態で第1及び第2レンズ11,12が結像面側に最も寄った収納位置にそれぞれ移動した状態となる。
【0010】
回転筒17の内周面には、第2レンズ筒12を光軸20の方向に移動させるための第2レンズ用カムユニット21と移動筒用直進ガイド溝22とがそれぞれ形成されている。移動筒用直進ガイド溝22は、移動筒15に回転筒17の回転駆動を与えるとともに、移動筒15を光軸20の方向への進退を許容する作用をする。
【0011】
固定筒16の内周面には、第2レンズ筒14を光軸20の方向に直進的にガイドするための第2レンズ用直進ガイド開口23と、移動筒15を光軸20の方向に移動させるための移動筒用カム24とがそれぞれ形成されている。
【0012】
移動筒15には、外周面に移動筒カムフォロア25が設けられている。移動筒カムフォロア25は、移動筒用カム24と移動筒用直進ガイド溝22とに係合する。移動筒15は、回転筒17の回転に連動して回転しながら固定筒16に対して光軸20の方向に移動する。また、移動筒15の内周面には、第1レンズ用カム26が設けられている。なお、移動筒用カム24、移動筒用直進ガイド溝22、及び移動筒カムフォロア25は、光軸20の回りの3分割位置にそれぞれ設けられている。
【0013】
第1レンズ筒13には、内部に第1レンズ11が保持されている。また、第1レンズ筒13には、内周面に直進ガイド溝27が、さらに外周面に第1レンズ用カム26に係合する第1レンズ用カムフォロア28がそれぞれ設けられている。第1レンズ筒13は、移動筒15が回転することで第2レンズ筒14による直進ガイドの作用と移動筒15の第1レンズ用カム26の作用とによって移動筒15に対して光軸20の方向に直進的に移動する。なお、第1レンズ用カムフォロア28、及び第1レンズ用カム26とは、光軸20の回りの3分割位置にそれぞれ設けられている。
【0014】
第2レンズ筒14は、内部に第2レンズ12を持っている。第2レンズ筒14の外周面には、第2レンズ用カムフォロアユニット29と、第1レンズ筒13の直進ガイド溝27に係合する直進ガイド突起30とがそれぞれ設けられている。第2レンズ用カムフォロアユニット29は、第2レンズ用カムユニット21と第2レンズ用直進ガイド開口23とに係合する。第2レンズ筒14は、回転筒17の回転より固定筒16に対して光軸20の方向に直進的に移動する。これら第2レンズ用カムフォロアユニット29、第2レンズ用カムユニット21、及び第2レンズ用直進ガイド開口23は、光軸20の回りの3分割位置にそれぞれ設けられている。
【0015】
詳しくは図2乃至図4に示すように、第2レンズ筒14は、送りネジ31とガイド棒32とによって第2レンズ枠33を光軸20の方向に移動自在に支持している。第2レンズ枠33は、第2レンズ12を保持しており、フォーカス用モータ34の駆動により回転する送りネジ31のリードに従ってフォーカス時に光軸20の方向に移動される。この移動は、第2レンズ筒14に対して結像面側に最も寄った原点位置とこれから被写体側に離れた位置との間で移動される。第2レンズ枠33は、変倍時に原点位置となっている。なお、符号10aは、ズームレンズ装置10の結像面を示している。
【0016】
直進ガイド突起30は、第2レンズ筒14を被写体側に延ばし、その前端側の外周面を一段突出させ、その突出した面14a(図1参照)のうちの周方向に沿った2カ所の位置にそれぞれ設けられている。面14aは、第1レンズ筒13の内周面に摺動する。これらの直進ガイド突起30は、図5に示すように、光軸20の回りの方向での対向する壁面30a,30bが直進ガイド溝27を構成する光軸20の回りの方向での対向する壁面27a,27bにそれぞれ当接している。なお、直進ガイド溝27と直進ガイド突起30とを光軸回りの3分割位置にそれぞれ設けてもよい。
【0017】
直進ガイド溝27の底面27cに対峙する直進ガイド突起30の外周面30cは、直進ガイド溝27の底面27cに接触しない高さで形成されている。しかしながら、形成精度のバラツキ等により接触するおそれがある。また、第1レンズ筒13は、外周面が移動筒15の内周面で支持されているが、第1レンズ筒13が移動筒15から繰り出されたときに万一傾くと直進ガイド突起30の外周面30cが直進ガイド溝27の底面27cに接触するおそれがある。接触すると、回転筒17の回転に負荷がかかり、変倍スピードが低下するおそれがある。そこで、接触したときの抵抗を減少するために、直進ガイド突起30の外周面30cは、光軸20の方向に沿った断面が円弧状に(図4参照)、且つ光軸20に交差する方向での断面も円弧状(図5参照)に、すなわち球状に形成されている。
【0018】
図6に示すように、移動筒用カム24は、収納用案内部40と移動筒用移動阻止部41とから構成されている。収納用案内部40は、収納回転域での回転筒17の回転により移動筒カムフォロア25が摺動する範囲である。この収納用案内部40は、固定筒16に対して移動筒15を内部に退避させた退避位置と被写体側に繰り出した突出位置との間で光軸20の方向に移動させる。移動筒15が退避位置のときには、ズームレンズ10が沈胴位置の状態となる。
【0019】
移動筒用移動阻止部41は、変倍回転域での回転筒17の回転により移動筒カムフォロア25が摺動する範囲であり、移動筒15の光軸20の回りの回転を許容し、且つ移動筒15の光軸20の方向への移動を阻止するように、光軸20の回りの方向に沿って円弧状となっている。即ち、移動筒15は、ズームレンズ10がテレ位置とワイド位置との間で変倍される間で突出位置に維持される。
【0020】
図7に示すように、第1レンズ用カム26は、収納準備案内部42、第1レンズ用移動阻止部43、及び変倍用案内部44とから構成されている。収納準備案内部42は、初期位置からこれと中間位置との間の回転位置Aまでの回転筒17の回転域に対応した移動筒15の回転域で、第1レンズ用カムフォロア28が摺動する範囲である。この収納準備案内部42は、移動筒15に対して第1レンズ筒13を内部に退避させた退避位置と被写体側に僅かに突出した収納準備位置との間で移動させる。第1レンズ筒13が退避位置のときには、ズームレンズ10が沈胴位置の状態となる。
【0021】
第1レンズ用移動阻止部43は、回転筒17の収納回転域に応じた移動筒15の回転域で第1レンズ用カムフォロア28が摺動する範囲である。この第1レンズ用移動阻止部43は、移動筒15の回転を許容しながら第1レンズ筒13が収納準備位置から光軸20の方向に移動しないように、光軸20の回りの方向に沿って円弧状に形成されている。即ち、第1レンズ筒13は、ズームレンズ10が沈胴位置からテレ位置の状態となるまでの間で収納準備位置に維持される。第1レンズ用移動阻止部43は、回転位置Aから中間位置までの範囲で回転筒17が回転する域で第1レンズ筒13を収納準備位置に維持する。
【0022】
変倍用案内部44は、回転筒17の変倍回転域に応じた移動筒15の回転域で第1レンズ用カムフォロア28が摺動する範囲である。この変倍用案内部44は、焦点距離を変更するために第1レンズ筒13を光軸20の方向に移動させる形状となっている。なお、前述した収納準備案内部42は必ずしも必要はなく、これを省略して回転筒17の収納回転域に応じた移動筒15の回転域の全部を第1レンズ用移動阻止部43としてもよい。
【0023】
第2レンズ用カムフォロアユニット29は、図8に示すように、光軸20の方向に所定間隔離して配置した2つの主及び副カムフォロア46,47とで構成されている。主及び副カムフォロア46,47には、第1係合部48,49と第2係合部50,51とがそれぞれ設けられている。第1係合部48,49は、互いに径が同じとなっており、それぞれ第2レンズ用直進ガイド開口23に係合する。第2係合部50,51は、互いに先細テーパ形状の断面円錐台形(截頭円錐形)となっており、主カムフォロア46の方が被写体側の副カムフォロア47よりも径が大きくなっている。なお、第1係合部48,49のうちの何れか一方が第2レンズ用直進ガイド開口23に係合していればよいから、第1係合部48,49の何れか一方を細くしてもよい。
【0024】
主カムフォロア46には、第1係合部48と第2係合部50との間に、第3係合部52が形成されている。第3係合部52は、第2レンズ用直進ガイド開口23の幅よりも幅広で、固定筒16の外周面に当接する。これにより、第2レンズ用カムフォロアユニット29が第2レンズ用カムユニット21から抜け出ることが阻止される。
【0025】
第2レンズ用カムユニット21は、図9に示すように、副カム溝54と主カム溝55とで構成されている。副カム溝54には、副カムフォロア47の第2係合部51が入り込む。主カム溝55には、主カムフォロア46の第2係合部50が入り込む。副及び主カム溝54,55は、焦点距離を変更するために第2レンズ12を光軸20の方向に移動させる変倍用案内部56,57と、変倍案内部56,57から収納位置に第2レンズ12を移動させる収納用案内部58,59とからそれぞれ構成されている。
【0026】
収納用案内部58,59は、直線部58a,59aと屈曲部58b,59bとを持っている。直線部58a,59aは、初期位置から中間位置の手前の回転位置Bまでの範囲で中間位置に向けて回転筒17を回転させたときに被写体側に向けて繰り出す繰出し方向に第2レンズ筒14を案内する直線軌跡となっている。屈曲部58b,59bは、回転位置Bから中間位置までの範囲で中間位置に向けて回転筒17を回転したときに、結像面側に向けて繰り込む繰込み方向に第2レンズ筒14を移動させるように第2レンズ筒14の移動方向を変更する湾曲状の軌跡となっている。
【0027】
変倍用案内部56,57は、変倍回転域の範囲で終端位置に向けて回転筒17が回転したときに、第2レンズ筒14を繰込み方向に向けて移動させる直線状の軌跡となっている。
【0028】
これら屈曲部58b,59bでの主及び副カムフォロア46,47の移動軌跡は、凸を被写体側に向けた姿勢の湾曲状となり、主カムフォロア46に対して副カムフォロア47の径を小さくした分だけ、主カムフォロア46の移動軌跡のうちの最も結像面側を通る移動軌跡の曲率半径よりも副カムフォロア47の移動軌跡のうちの最も結像面側を通る移動軌跡の曲率半径の方が大きくなる。
【0029】
副カム溝54のうちの屈曲部58bの範囲は、副カムフォロア47の移動軌跡のうちの最も結像面及び被写体側側を通る移動軌跡と同じ曲率半径で結像面側の壁面が形成されている。そして、副カム溝54の屈曲部58b以外の範囲では、副カムフォロア47の第2係合部51の径よりも幅広に形成されている。したがって、副カム溝54は、屈曲部58bの範囲で副カムフォロア47の第2係合部51に係合し、また、屈曲部58b以外の範囲では係合しない。
【0030】
主カム溝55は、屈曲部59b以外の範囲で主カムフォロア46の第2係合部50に係合する幅で形成され、また、屈曲部59bの範囲で主カムフォロア46の第2係合部50の径よりも幅広に形成されている。このため、主カムフォロア46の第2係合部50は、主カム溝55のうちの屈曲部59b以外の範囲で係合する。このように、第2レンズ筒14の移動方向を変更する屈曲部58b,59bでは曲率半径の大きい副カム溝58bを使用するから、第2レンズ筒14をスムーズに移動することができる。なお、屈曲部58b,59bと変倍用案内部56,57又は収納用案内部58a,59aとの境界の僅かな範囲で、第2係合部51,52とがそれぞれ重複して係合する部分を設けてもよい。
【0031】
次に上記実施形態の作用を簡単に説明する。ズームレンズ10が沈胴位置の状態では、移動筒15及び第1レンズ筒13が固定筒16の内部に収納されている。これにより、図10に示すように、第2レンズ筒14が結像面側に最も寄った収納位置Cに位置し、また、第1レンズ筒13が第2レンズ筒14に接近した収納位置Dに位置している。ここで、同図に符号(E)で示した太線は第1レンズ筒13の移動軌跡を、また符号(F)で示した太線は第2レンズ筒14の移動軌跡をそれぞれ表している。
【0032】
ズーム用モータ19を一方向に駆動すると、回転筒17が初期位置から終端位置に向けて回転する。回転筒17の駆動は、移動筒用直進ガイド溝22に係合する移動筒カムフォロア25に伝達されて移動筒15が連動して回転する。この回転中に移動筒15は、移動筒カムフォロア25に係合する移動筒用カム24の光軸20の方向への変位に応じて移動する。また、移動筒15の回転によって第1レンズ筒13は、第1レンズ用カムフォロア28に係合する移動筒15の第1レンズ用カム26と、直進ガイド溝27に係合する第2レンズ筒14の直進ガイド突起30との作用によって移動筒15に対して光軸20の方向に直進的に移動する。
【0033】
第2レンズ枠14は、主カムフォロア46が固定筒16に設けた第2レンズ用直進ガイド開口23と主カム溝55とに係合しているため、回転筒17の回転に連動して光軸20の方向に直進的に移動する。
【0034】
図10に示す細線(G)は、移動筒15に対する第1レンズ筒13の移動軌跡を示している。回転筒17が初期位置から回転位置Aに回転する間には、第1レンズ用カムフォロア28が第1レンズ用カム26の収納準備案内部42を摺動するから、第1レンズ筒13が細線(G)のうちの退避位置Hから収納準備位置Iに繰り出される。この間、移動筒15は、移動筒用カムフォロア25が移動筒用カム24の収納用案内部40を摺動する。このため、移動筒15は、これの移動軌跡を示す細線(J)のうちの退避位置Kから突出位置Lに向けて繰り出される。したがって、第1レンズ筒13は、移動筒15の繰り出しに、第1レンズ筒13の収納準備位置Iまでの繰り出しを加えた分で光軸20の方向に移動して、太線(E)のうちの位置Mに移動する。
【0035】
回転位置Aから中間位置までの回転筒17の回転域では、第1レンズ用カムフォロア28が第1レンズ用カム26の第1レンズ用移動阻止部43を摺動する。このため、第1レンズ筒13は、移動筒15に対する光軸20の方向の移動が阻止される。したがって、この間の第1レンズ筒13の移動は、固定筒16に対して移動する移動筒15と一緒に移動される。
【0036】
また、回転筒17が初期位置から回転位置Bまで回転する間では、副カム溝55と副カムフォロア47との係合が解除され、主カム溝57に係合する主カムフォロア46によって第2レンズ筒14が移動される。
【0037】
回転筒17が回転位置Bに回転すると、第2レンズ用カムフォロアユニット29が第2レンズ用カムユニット21のうちの第2レンズ筒14の移動方向を変更する屈曲部58b,59bに入り込む。屈曲部58b,59bに入り込むと、主カム溝55と主カムフォロア46との係合が解除され、副カム溝54と副カムフォロア47とが係合する。このため、第2レンズ用カムユニット21の屈曲部58b,59bでは、副カム溝54に係合する副カムフォロア47によって第2レンズ筒14が移動される。この副カム溝54は、屈曲部58bにおいて対向壁面のうちの内面が主カム溝55よりも曲率半径が大きくなっている。したがって、屈曲部58b,59bでは、曲率半径の小さい主カム溝55の屈曲部59bに係合させるのと比較して曲率半径の大きい副カム溝54の屈曲部58bに係合させるから第2レンズ筒14をスムーズに移動させることができ、また回転筒17の回転負荷も減少させることができる。
【0038】
回転筒17が中間位置に回転すると、ズームレンズ10がテレ位置の状態となる。この状態では、移動筒15が固定筒16に対して突出位置Lに移動される。また、第1レンズ筒13は、回転位置Aから回転位置Bの回転筒17の回転域で移動筒15に対して光軸20の方向への移動がないから、細線(G)のうちの収納準備位置Iに位置し、したがって、この間は、移動筒15の移動分だけ光軸20の方向に移動され、太線(E)のうちの位置Oに移動する。また、ズームレンズ10がテレ位置の状態になった時点では、副カムフォロア47と副カム溝54との係合が解除され、その代わりに主カムフォロア46が主カム溝55に係合する。この係合する位置は、屈曲部59bと変倍用案内部57との境界の位置となり、第2レンズ筒14は、太線(F)のうちの位置Nに位置する。
【0039】
このように第1レンズ11は、回転筒17の収納回転域での回転中に、移動筒15に対する第1レンズ筒13の移動が止められ、固定筒16に対する移動筒15の移動だけによって光軸20の方向に移動される。
【0040】
ズームレンズ10がテレ位置の状態となった後には、回転筒17が変倍回転域で回転される。この変倍回転域での回転により、移動筒15は、移動筒カムフォロア25が移動筒用カム24のうちの移動筒用移動阻止部41を摺動するため、突出位置Lに維持される。
【0041】
一方、第1レンズ筒13は、回転筒17が変倍回転域で回転すると、第1レンズ筒カムフォロア28が第1レンズ用カム26のうちの変倍用案内部44を摺動するから、変倍用案内部44の光軸20の方向での変位に応じた分だけ移動筒15に対して光軸20の方向に移動される。したがって、第1レンズ11は、回転筒17の変倍回転域での回転中に、固定筒16に対する移動筒15の移動が止められ、移動筒15に対する第1レンズ筒13の移動だけによって光軸20の方向に移動される。
【0042】
第2レンズ筒14は、主カムフォロア46が主カム溝55のうちの変倍用案内部57を摺動するため、その変倍用案内部57の光軸20の方向での変位に応じて移動される。
【0043】
第1レンズ筒13と第2レンズ筒14とは、これらの間隔が異なるように互いに光軸20の方向に移動される。この間、第2レンズ筒14は、直進ガイド溝27に係合する直進ガイド突起30によって第1レンズ筒13の回転止めを行っている。直進ガイド突起30は、外周面30cが球状となっているから、万一直進ガイド突起30の外周面30cが直進ガイド突起27の底面27cに接触しても点当たりで接触するため、ここでの接触抵抗を低減することができ、したがって、回転筒17の回転にかかる負荷を減少することができる。
【0044】
上記実施形態では、第1レンズ筒13に直進ガイド溝27を設け、第2レンズ筒14に直進ガイド突起30を設けているが、逆に第1レンズ筒13に直進ガイド突起を設け、第2レンズ筒14に直進ガイド溝を設けてもよい。
【0045】
上記実施形態では、2群構成のズームレンズとしているが、本発明ではこれに限らず、3群以上の構成でもよい。また、ズームレンズカメラに限らず、例えばテレ位置、ワイド位置、及び沈胴位置とに切り換わる2焦点カメラにも本発明を適用することができる。さらに、沈胴位置とワイド位置との間にテレ位置を設定しているが、沈胴位置とテレ位置との間にワイド位置を設定することも可能である。この場合には、変倍用案内部と収納用案内部との境界がワイド位置となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ移動装置では、一方のレンズ筒に設けた直進ガイド溝に、他方のレンズ筒に設けた直進ガイド突起を係合させることで、一方のレンズ筒の回転止めを他方のレンズ筒で行うようにしたから、別途に案内筒を設ける必要がなく、したがって、ローコスト化及びコンパクト化を図ることができる。また、直進ガイド突起の上面を球状に形成しているから、他方のレンズ筒に対して一方のレンズ筒が傾いて直進ガイド突起の上面が直進ガイド溝の底面に接触したときの抵抗を少なくすることができ、よって変倍時の負荷を低減し、変倍スピードを低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ移動装置を利用したズームレンズを示した分解斜視図である。
【図2】沈胴位置の状態のズームレンズを示した断面図である。
【図3】テレ位置の状態のズームレンズを示した断面図である。
【図4】ワイド位置の状態のズームレンズを示した断面図である。
【図5】第1レンズ筒と第2レンズ筒とを光軸に交差する方向で切断して示した断面図である。
【図6】固定筒に設けた移動筒用カムを示した展開図である。
【図7】移動筒に設けた第1レンズ筒用カムを示した展開図である。
【図8】第2レンズ筒用カムフォロアユニットを示した要部斜視図である。
【図9】第2レンズ筒用カムユニットを示した要部斜視図である。
【図10】第1レンズ筒、第2レンズ筒、及び移動筒等の移動軌跡を示した説明図である。
【符号の説明】
11 第1レンズ
12 第2レンズ
13 第1レンズ筒
14 第2レンズ筒
15 移動筒
16 固定筒
17 回転筒
21 第2レンズ用カムユニット
22 移動筒用直線ガイド溝
23 第2レンズ用直線ガイド開口
24 移動筒用カム
27 直進ガイド溝
30 直進ガイド突起
Claims (1)
- 被写体側から順に配置された第1及び第2レンズをそれぞれもった第1及び第2レンズ筒とを、互いの一部が常に重なり合うように光軸方向にそれぞれ直進的に移動させるレンズ移動装置において、
前記第1又は第2レンズ筒のうちの一方のレンズ筒の内面に、一定な幅で光軸方向に伸ばして設けられた直進ガイド溝と、
前記他方のレンズ筒に設けられており、前記直進ガイド溝の幅方向の両側面に摺接する平行な平面を有し、前記一方のレンズ筒の光軸周りの回転を規制する直進ガイド突起と、を備え、
前記直進ガイド突起は、前記直進ガイド溝の底面に対峙する面が球面状に形成されており、撮影光軸に対して前記一方のレンズ筒が傾いた時に前記底面に接してこの傾きを制限する高さで形成されていることを特徴とするレンズ移動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28031499A JP3766573B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | レンズ移動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28031499A JP3766573B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | レンズ移動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001100078A JP2001100078A (ja) | 2001-04-13 |
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