JP3766254B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像記録を行う装置に係り、特に電子写真プロセスを利用した小型カラー画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータなどの画像情報からカラー画像を記録する装置として、電子写真法を利用した電子写真記録装置がある。電子写真方式は、印写プロセスが多いために、構成が複雑で、装置の取扱い性が悪く、装置全体が大型化しやすいという欠点を有している。特に、四つの現像機は一つの感光体ドラムの周囲に配置すると、各現像機の構成が異なってしまうために4種類の現像機を必要とするなどの装置の複雑化とともに、感光体ドラム直径の大型化を招くものである。そこで、直径の比較的小さな感光体を用いると共に、四つの現像機をスライドしたり回転させる構成で切り替える方式が、例えば特開平2−189562 号公報や特公平2−13304号公報等で示されている。しかしながら、これらの構成では現像機を動かす機構が必要であるために、装置が複雑となり、取扱い性も十分とはいえない。
【0003】
これに対して、感光体をベルト状に配置し感光体の平面部を利用して、3個または4個の現像機を配置する方法が特開平2−213884 号公報等で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子写真装置では、実際にカラー画像形成装置を製作した場合に、画質や記録速度やメンテナンス性および装置サイズを総合的に満足するのは難しく、画質劣化,記録速度の低下,装置サイズの大型化などの不具合が発生してしまう。このため、これら各種方式が提案されているものの、デスクトップで使用できる装置サイズの高画質小型カラー電子写真装置は、今日未だ提供されていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、感光体,中間転写体,帯電,露光,現像,転写,定着等の印写プロセスおよび用紙搬送経路さらには各部ユニット化等の構成及び配置などを総合的に検討し、手軽にデスクトップで使用できる装置サイズでかつ画質や記録速度およびメンテナンス性を総合的に満足する小型カラー電子写真装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、220〜380mmの長さを有し、直線部の長さが片側78〜160mmとなるように縦方向に長く張られた感光体ベルトと、前記感光体ベルトの一方側面に積層配置され前記感光体ベルト上に複数の異なる色のトナー像を形成する4つの現像機とを一体にユニット化するとともに、前記現像機はトナー格納室ユニットと接続するための接続部を有し、前記感光体ベルトの他方側面に、前記感光体ベルト上に形成されたトナー像を順次重ね合わせてカラートナー像を形成する中間転写ドラムと、レーザ露光装置とを配置し、前記感光体ベルトと現像機とを一体にしたユニットは縦方向に装置上方に向けて取り出し可能であり、前記カラートナー像が転写される記録媒体を格納する用紙カセットは引き出し可能な蓋部を有し、前記トナー格納室ユニットと前記用紙カセットは同方向に着脱可能であり、かつ前記カラートナー像が転写された記録媒体を前記蓋部に排紙することが可能な構成とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図30を用いて本発明の実施例を説明する。
【0008】
図1は、本発明の電子写真プロセスを用いた小型カラー画像記録装置の構成の一例を示す図である。
【0009】
最初に、本装置によるカラー画像記録時の各部の動作の概略について説明する。本装置は、感光体ベルト1と中間転写体ドラム2からなっており、まず回転する感光体ベルト1上に帯電器11によって、一様な帯電が行われる。次に、レーザ露光装置12によって、イエローの画像パターンに従ったレーザ露光が行われ、静電潜像が形成される。静電潜像はイエロー現像機3による現像が行われ、現像後の画像は、中間転写体ドラム2に転写される。続いて、感光体ベルト1はイレーズによる除電及びクリーニング装置13によりクリーニングが行われる。クリーニング装置13には廃トナーボックス14が設けられておりこの中に清掃により生じた廃トナーが回収される。次に、再び帯電後、マゼンタの画像パターンに従った露光が行われ、マゼンタ現像機4で、マゼンタ画像が形成される。マゼンタ画像は、先に形成した中間転写体ドラム2上のイエロー画像に重ねて転写される。本行程を、シアン現像機5によるシアン画像の形成および黒現像機6による黒の画像の形成を連続して行い、中間転写体ドラム2上にイエロー,マゼンタ,シアン,黒の4色からなる画像を形成する。これらの画像形成に際しては、中間転写体ドラム2周辺のクリーニング装置19や用紙への転写ローラ17や除電器18から構成される転写機構や用紙は、非接触の待避状態とする。続いて、用紙カセット21から用紙をピックし、中間転写体ドラム2上の4色画像を静電的に一括転写する。転写後の用紙は除電剥離され、定着機20で加熱され各色のトナーを混色させるとともに、用紙上に融着させフルカラー画像記録を完了する。
【0010】
なお、中間転写体ドラム2は用紙への転写が完了すると中間転写体ドラム用のクリーニング装置19により残留トナーが清掃され、廃トナーは感光体ベルト1のクリーニング装置13の廃トナー回収ボックス14に回収される。
【0011】
さらに現像装置3,4,5,6には、それぞれトナー格納室ユニット7,8,9,10が設けられ、ここから現像機内のトナーが不足した場合に必要量だけトナーが補給される。
【0012】
本実施例では、図1に示すように感光体ベルト1を縦に配置し、この感光体ベルト1に沿って一方側に各現像機3〜6を縦に並べ、現像機3〜6を配置した側とは反対側には中間転写体ドラム2,感光体ベルト用クリーニング装置13,帯電器11,レーザ露光装置12を下側から順に積み上げ、現像機3〜6及び中間転写体ドラム2の下方に用紙トレー21と用紙搬送系15,17及び定着器20を配置した構成としたものである。
【0013】
前述のように配置することによって装置サイズは、用紙サイズをA4サイズからA3サイズまでを考えると、高さ約40mmの用紙カセットを含む全装置高さ250〜500mm程度になり、記録紙の排紙側を正面とすると、奥行き約290mm〜400mm、横幅はコントローラやモータ等を配置する場所を考慮すると350 mm〜600mm程度の大きさで形成でき充分机上に載せることのできる大きさにできる。
【0014】
次に、本装置内部構成の各部構成理由、および各部構成の詳細について説明する。
【0015】
レーザプリンタなどの電子写真プロセスを用いた方式によるカラー画像記録装置を構成するためには、色毎に感光体を設け、帯電,露光,現像の各プロセス終了後、記録紙上に転写,定着する方式が一般的に用いられている。しかしこの方式では4色分の感光体や露光現像ユニットが必要となり装置が大型になるという欠点を有する。その他の方法として一つの感光体を用いて、感光体上に1色毎に帯電,露光,現像の記録プロセスを持ち、3回〜4回繰り返して、イエロー,マゼンタ,シアン(4色の場合は黒を用いる。)の基本色による画像を重ねて形成し、できた画像を記録紙上に転写,定着する方法や、前記工程の記録紙への転写までの工程を、基本プロセスとし、記録紙上で各色の画像を重ね合わせ、定着することによってフルカラー画像を形成する方法、及び本発明のように1色を現像した後の画像を中間転写体上に転写し中間転写体上で各色を重ね合わせ、重ね合わせが終了した時点で記録紙に転写し、定着する方法が有る。それぞれの方法には一長一短がある。特に中間転写体を用いる方法では、記録する用紙の影響や、周囲環境の変化(特に記録紙は周囲環境の変化の影響を受け易い)の影響を受けにくく、高画質のカラー画像を得るには本発明の中間転写体を用いる方法が優れており、以下この装置に関して説明する。
【0016】
本発明の、電子写真プロセスは、光導電性材料である感光体の帯電プロセス,露光プロセス,現像プロセス,転写プロセス,クリーニングプロセスならびに定着プロセスなど多くの印写プロセスを必要としている。このために、装置サイズが大きくなりやすいという欠点を有する。この欠点を解消するために、本発明では、各プロセスのサイズを最小限にし、かつ配置構成を工夫することによって小型化を実現し、かつ高速印刷を行えるようにしたものである。
【0017】
図1に示す、本発明の実施例の装置は、感光体を4回転させる構成であり、記録速度はフルカラー画像記録時毎分5頁(A4記録)であり、単色記録時毎分20頁であるが、本構成でさらに高速記録も可能である。すなわち、図1の構成による、単色の記録速度は毎分数十頁から毎分百頁程度と非常に高速である。従って、カラー印刷のため3〜4回転感光体を回転させても、毎分数頁から毎分数十頁の記録は十分可能である。この速度は、インクジェット方式や感熱等の他方式によるカラー画像記録装置と比べてもかなり速い速度であるとともに、デスクトップで使用する小型のカラー画像記録装置の記録速度としては、十分な記録速度である。
【0018】
また、カラー画像は単色の画像に比較して情報量が多い。カラー画像記録装置は高画質が要求されることから、400〜600dpi(1インチ当たりのドット数を示す単位)以上の記録密度が必要と思われる。用紙サイズがA4で400dpi での用紙上のドット数は、約15500000である。各ドット毎に3色8ビットの階調を考慮すると、46MByteの情報量になる。この為、現在のカラープリンタでは、画像記録を行うためにデータを転送や変換する為に、数分〜数十分の時間を必要としている。今後、この変換転送時間は高速化がはかられることが予想されるが、数百から数千倍以上の高速化が行われない限り、カラー画像記録装置の記録速度は、前記した毎分数十頁から毎分百頁程度で十分である。この意味からも、デスクトップタイプの小型カラー電子写真装置は、単一の感光体を複数回回転させる方式が有効である。なお、記録速度に関する詳細は、後述する。
【0019】
次に形成した基本各色の画像を重ねる方式であるが、本発明では前述したように、感光体ベルト1上に1色の画像を形成し終ると、中間転写体ドラム2上にその画像を転写し、次の色の画像を感光体ベルト1に形成し同じ中間転写体ドラム2に順次形成された画像を重ねて転写して、中間転写体ドラム2上に全ての色が重ね終ってから記録紙上にそれを転写し、定着するものである。
【0020】
まず、感光体および中間転写部材の形状であるが、それぞれベルト構成とドラム構成が考えられる。ベルトは、その形状を自由に選ぶことが可能であるために、周囲に配置する各種印写プロセスに対する制約は小さいが、駆動時に蛇行を起こす恐れがあることや常に一定の張力を付加するためのテンショナー等の機構が必要であることや駆動時に滑りが生じる可能性がある。このために、ベルトの両側に凸部を設けたり、十分な摩擦駆動が得られる様な駆動軸とベルト内面の材料を選定する必要がある。これに対して、ドラム構成は構成が単純であり、その駆動も容易であるが、周囲に配置する印写プロセスに対する制約が大きい。
【0021】
また、感光体はその周囲に帯電器,露光,クリーニング,イレーズ,中間転写体ドラムとともに四つの現像機を配置する必要がある。中間転写体および感光体がドラムの構成では、感光体がドラムの直径を大きくする必要が生じ、これを防ぐために感光体に接触する現像機を一つとし、記録する色に応じて現像機をスライド機構や回転機構で交換する構成が必要となり装置の大型化は避けられない。
【0022】
さらに、ドラム回りに固定した複数の現像機を配置する場合は、各現像機の構成が異なってしまう。製作コストおよび構成を簡略化する上において、使用する三つまたは四つの現像機は同一であることが望ましい。このことから、感光体はベルト状とし、同一の現像機を並列に配置する構成が、小型カラー電子写真プリンタを実現する上で重要である。
【0023】
中間転写体の周囲に配置されるプロセスは、感光体のように同一のプロセス部材(感光体の場合、現像機)が複数存在しないとともに、感光体に比べて周囲に配置するプロセス部材が少ない。また、前記したように感光体をベルトとすることを考慮すると、中間転写体はベルトに比較して構成及び駆動が安定かつ容易なドラム構成にすることが望ましい。このため、本発明では、中間転写体ドラム2と感光体ベルト1を組み合わせた記録装置構成としたものである。
【0024】
カラー電子写真装置を小型にするためには、まず中間転写体ドラム2や感光体ベルト1を小さくすることが必要である。本発明の中間転写体ドラムを用いる方式では、その外周長さが、記録を行う用紙の搬送方向の長さより長くなくてはならない。A4横方向(短い方向)を搬送方向とすると、中間転写体外周の必要長さは210mm以上であり、A4縦方向(長い方向)を搬送方向とすると中間転写体外周の必要長さは297mm以上である。また、A3まで記録可能な装置を考えた場合、A3縦方向送りでは中間転写体外周の必要長さは420mm以上となる。このことから、中間転写体がドラムの場合、ドラム直径は、A4横送りで67mm以上(=210/3.14),A4縦送りで95mm以上(=297/3.14),A3縦送りで134mm以上(=420/3.14)必要になる。
【0025】
また、感光体ベルト1はシート状の感光体をループ形状に接着して作成することから継ぎ目を有する。感光体の継ぎ目を避けて記録するためには、感光体ベルト1の各回転毎に感光体の継ぎ目と中間転写体ドラム2との接触する位置が同一であるとともに、継ぎ目領域分だけ前記の計算値よりも中間転写体ドラム2外周は長いことが必要である。この為には、感光体ベルト1は中間転写体ドラム2外周の正数倍の長さを有する必要がある。図2に中間転写体ドラム2の回転周期と感光体ベルト1の回転周期が同じ場合の(1倍)の感光体と中間転写体ドラム表面の位置関係を示す図である。図2の場合、感光体の継ぎ目位置を0度の位置とすると、その領域として±10mm考えると、継ぎ目部に重ならずに、常に各色画像を一致させることができる。図3は、感光体ベルト1が中間転写体ドラム2よりも長い場合を示している。図に示すように、2色目の画像を中間転写体に転写した1色目の画像と重ねようとすると、2色目の画像は感光体の継ぎ目部に作成しなければならなくなり、きれいな画像を作成できなくなる。これを避けようとすると、感光体ベルト1と中間転写体ドラム2の回転をそれぞれ制御し、もし感光体ベルト1上の画像形成位置を同じとすると、中間転写体ドラム2を回転速度を変えて位置合わせ後、転写する必要が有り構成や制御が複雑となり装置の小型化には適さない。
【0026】
継ぎ目部分にも感光体を塗布して、シームレス化することは可能であるが、継ぎ目部の感光体は多数回回転すると劣化しやすい。このことからも、継ぎ目部を除いて用いることが望ましく、感光体ベルト1は中間転写体ドラム2の正数倍の長さが望ましい。
【0027】
また、継ぎ目部での劣化が発生しないようなシームレス感光体を用いた場合においても、感光体ベルト1の長さが中間転写体ドラム2の正数倍で無い場合、感光体ベルト1と中間転写体ドラム2の回転周期がずれるために、各色の画像を重ねる場合の位置合わせ精度が悪くなることが知られている。
【0028】
さらに、感光体表面に傷や劣化部などが生じた場合、感光体ベルト1の長さが中間転写体ドラム2の正数倍で無いと感光体と中間転写体ドラム2の回転周期がずれるために、各色の画像毎にその傷部や劣化部が、最終画像に影響を与える位置が異なる。この為、最終画像に発生する傷や劣化の影響箇所が、感光体ベルト1の長さが中間転写体ドラム2の正数倍とした時に比較して多くなる。また、感光体ベルト1の長さが中間転写体ドラム2の正数倍である場合、感光体表面の特性に劣化部があっても、劣化部において画像濃度異常の発生は各色とも同等であるので、その領域は濃度異常となるのみであるが、各色の画像でずれると、その位置における画像の色相に変化を生じる。これらのことから、感光体ベルト1は中間転写体ドラム2の正数倍であることが望ましい。
【0029】
前記の事から、A4記録を行うための中間転写体ドラム2の直径、約70〜120mm程度であり、A3記録においても150mm程度が適当である。そして、感光体ベルト1の外周を中間転写体ドラム2の1倍とすると、A4記録を行うための感光体ベルト1の長さは約220〜380mm程度となり、A3記録では約470mm程度になる。また、感光体ベルト1の外周を中間転写体ドラム2の2倍とすると、A4記録を行うための感光体ベルト1の長さは約440〜760mm程度となり、A3記録では約940mm程度になる。この様に、感光体ベルト1の長さを中間転写体ドラム2の外周の2倍とした場合、かなり長い感光体ベルト1が必要である。このことから小型カラー電子写真装置を実現するためには、感光体ベルト1の長さを中間転写体ドラム2の外周長さと同一にすることが重要である。
【0030】
感光体ベルト1を張るためのローラ100は、その直径が小さすぎると感光体ベルト1の劣化を速めてしまう。この為、ローラ100直径bは少なくとも10〜20mm以上必要である。図4に示すように直径20mmのローラ100を2本で感光体ベルト1を張った場合、感光体ベルトの直線部の長さaは片側約78〜160mm(A4記録の場合),約200mm(A3記録の場合)となる。
【0031】
この感光体の片側に同一な現像機3〜6を四つ配置する場合、一つの現像機の幅は約25〜50mm以下にする必要がある。A3対応の場合においても約65mm以下となる。各現像機間の隙間等を考慮すると非常に薄い現像装置を必要とすることは明らかである。
【0032】
感光体ベルト1に対する現像機3〜6の配置としては、図1に示すベルト側方に配置する方法の他、感光体ベルト1下方又は上方に配置する構成とが考えられる。
【0033】
2成分現像方式を用いた現像機では、現像剤の帯電を行う撹拌室と現像ロールの間をトナーとキャリアからなる現像剤を循環させなければならない。この為、感光体ベルトの上方又は下方側に現像機を配置すると、現像剤を現像ロールに供給する場合や回収する場合に重力に逆らって現像剤を上方に搬送する機構が必要となる。
【0034】
例えば、感光体ベルトの上方に配置する現像機では、トナー格納室から撹拌室へのトナー供給や撹拌室から現像ロールへの現像剤の受け渡しは、重力方向となるために、比較的容易である。しかしながら、現像ロールからの現像剤の剥離および撹拌室への搬送は、重力方向と逆となる。そのため、現像ロール上のブレードで現像ロールから剥離された現像剤を撹拌室に戻すのは難しく、現像機内の特定の位置にトナーが停滞してしまう。
【0035】
この為、現像機の構成を次のようにしている。現像ロールのトナーはその上方に配置されたマグネットロールに受け渡され、一度上方に搬送されてからブレードで分離し、現像ロール側面に配置された撹拌室に戻される。従って、この構成では、現像機の厚さが厚くなるために前述した現像機厚さの現像装置を構成することは難しい。
【0036】
これに対して、図1に示すように側方に配置する方法では、現像剤やトナーを重力方向に逆らって大きく上方に搬送する構成を必要としない。この為、図5に示すように撹拌パドル(撹拌ロール)32による搬送で現像ロール31に搬送するとともに、感光体で消費されなかった現像剤を、現像ロール31からブレード33によって掻き落とし、撹拌室34に戻すことができる。また、現像剤の撹拌を十分に行うために、撹拌ロール32を複数配置する場合においても、上方配置や下方配置と異なり、現像機の厚さを増加させることがなく平行に撹拌ロールを配置することが可能である。また、撹拌室34へのトナーの補給も側面からであるので、比較的容易である。
【0037】
図5において、現像ロール31の直径は20mmであり、現像機全体の厚さが約30mmである。撹拌室34は、現像ロール31の側下方に配置され、現像ロール31下方にトナーを供給する。現像後の現像ロール31上のトナーはブレード33で掻き落とされ、撹拌室34に戻される構成である。本発明の実施例である図1の装置構成では、現像機3〜6と感光体ベルト1のギャップ精度を確保するためと現像機と感光体ベルト1の取扱いを容易にするためおよびトナーの補給を容易にするために、現像機3〜6と感光体ベルトを一体にユニット化するとともに、トナー格納室ユニット7〜10を別体としている。このため、図5の実施例の現像機3では撹拌室側面には、トナー格納室ユニット7と接続するための接続部が用意されている。接続部は、現像機の内側に開放する蓋35を有しており、接続時容易な構成であるとともに、未接続時および接続時にトナーがこぼれるのを防止している。
【0038】
図5に接続するトナー格納室ユニット7の構成と現像機3と接続された状態を示している。トナー格納室には、約100μm程度の厚さのPETフィルムなどからなる回転羽根37を有しており、これを回転させることにより、現像機側にトナーを搬送する。トナーケース内でのトナーの固着を防止するために、回転羽根と反対側に金属による櫛形の回転体36を配置している。トナーを薄いスペースに多く配置するために、図の実施例では、このPETフィルムによる回転羽根36と櫛形回転体36の配置されたトナー室を並列に二つ配置している。
【0039】
トナーの現像機3への補給口にはトナーを溜めるための溝38を有するとともに、発泡ローラ39からなる出口ゲートを有する。回転羽根39で出口部の溝に溜められたトナーは、発泡ローラ39の回転によって現像機3内の撹拌室34に搬送される。発泡ローラ39の回転は、現像機撹拌室内のトナー濃度センサ(図示せず)の出力値が予め規定した一定値になるように補給が制御される。これらの制御は、図1のカラー画像記録装置本体側のコントローラが制御する。また、トナー格納室のトナー切れは、トナー出口の発泡ローラ39近傍に配置されたトナーセンサ40で検出する。トナー切れ検出は、カラー画像記録装置本体側のコントローラ(図示せず)で検出し、トナー切れ信号を発生し、トナー補給を作業者に要求する。
【0040】
トナー格納室ユニット7の容積はトナー補給の頻度を考慮すると、各色10%程度の画像密度を有するカラー画像を1000枚以上は記録できる容積は少なくとも必要と思われる。A4の面積は623.7cm2(=21cm×29.7cm)であり、十分な濃度のために必要なトナー付着量は、一般に約1mg/cm2 であるので、A4一枚当たりのトナー消費量は、各色約0.06g /枚程度である。よって、1000枚の記録を行うためには、60g程度のトナー量が必要となる。トナーを充填したときの密度は約0.3〜0.4g/cm3 であるので、トナー容積は、約150〜200cm3(=60/0.3〜0.4)である。トナー格納室内でのトナーの安定搬送やトナーの凝固を起こさないことを考慮すると、一般にトナー格納室の容積として、この約2〜3倍の容積が必要である。よって、トナー格納室は約300〜600cm3 程度の容積が必要なことになる。図1に示す本発明の実施例のカラー画像形成装置におけるトナー格納ユニット7では、トナー格納室内の高さが約2.5cm とし、現像ロール軸方向の幅が約28cmであるとすると、現像ロール軸に直角方向の幅は、4.3〜8.5cm程度となる。図1のカラー画像形成装置および図5に示された実施例におけるトナー格納室ユニット7は、70mm幅である。また、現像機全体で120mm幅である。
【0041】
一般に非磁性1成分方式の現像機では、2成分現像方式に比較して小さくすることができる。非磁性1成分現像方式では、ブレード等により現像剤を帯電するために撹拌室がない。この為、比較的容易に現像機を感光体ベルト1の上方に配置することができる。しかしながら、1成分現像,2成分現像に関わらず感光体ベルトの上方に現像機を配置する構成では、現像剤が感光体側にこぼれやすくあまり好ましくない。また、感光体ベルトの下方に現像機を配置する構成は、非磁性1成分現像方式でも現像ロールにトナーを供給するために重力方向に逆らって、トナーを搬送しなければならず、構成上難しい。さらに、感光体の下方に配置した現像機では、感光体上のトナーが他の色の現像機内に落下し、混入する可能性が高くなる。これらの意味からも、感光体を複数回回転させて、順次現像機を切り替えることで多色記録を行う構成では、図1に示すように感光体の側面に現像機を配置する構成がより有効である。
【0042】
図6に、本実施例のカラー画像形成装置に搭載可能な非磁性1成分現像機の構成を示す。金属性現像ロール31の上面に弾性ブレードからなる規制ブレード41が配置されている。現像ロール31の後方には、現像ロール31にトナーを供給する撹拌ロール32を有している。撹拌ロール32の上方にトナー格納ユニット7と接続するための接続部がある。トナー格納室ユニットは、前述の図5に示されるトナー格納ユニット7と同一の形式のユニットを用いることができる。
【0043】
現像機3内の撹拌ロール32の接触する壁面の一部に配置されたトナー検出センサ43の出力によりトナー量の減少を検出し、トナー格納ユニット7からトナーを補給する構成である。図6の実施例では、現像ロール軸に直角方向の現像機幅は約40mmである。
【0044】
縦に張った感光体ベルト1の一方の直線領域に厚さの30〜40mm程度の四つの現像機(3〜6)を配置した場合、感光体ベルト1の他方の面にその他の印写プロセスである帯電器11,レーザ露光装置12,感光体クリーナ13,イレーズランプ325と中間転写体ドラム2を配置しなくてはならない。中間転写体ドラム2には、中間転写体クリーナ19と用紙への画像転写ローラ17を配置する必要がある。図7に中間転写体ドラム2から用紙に転写する部分を示す。図において、中間転写体ドラム2の下方に転写ローラ17を配置し、記録用紙42がその間を通過するときに記録紙42にトナー画像が転写される構成となっている。
【0045】
小型の装置においては、吸引などの方法で上方に剥離する機構を設けることは難しく、転写後の用紙剥離は、図7の矢印43で示すように剥離方向に重力が働いている事が望ましい。この意味から中間転写体ドラムの用紙への転写,剥離位置は、中間転写体ドラム2の下方にすることが望ましい。
【0046】
これら上述の各理由から、図1に示した本発明の実施例の装置では、現像機側の感光体ベルト直線部の長さは100mmとするとともに、感光体ベルト1の内部ローラ100の直径は23mm,18.4mm とした。また、中間転写体ドラム2の直径は92mmである。回転変動周期を一致させるために、感光体ベルト1の内部ローラ100の直径は92mmの4分の1および5分の1に設定してある。
【0047】
さらに、前述の各理由により、図1に示す本発明の実施例では、感光体ベルト1を側方から現像するとともに、中間転写体ドラム2の下方に用紙への画像転写,剥離位置を配置する必要性から、中間転写体ドラムの一方の側面上側に、縦方向に長く感光体ベルト1を配置するとともに、中間転写体ドラム2の下方に転写,剥離手段を配置している。
【0048】
図8は図1に示す本実施例の感光体ベルト1の構成詳細を示す図である。感光体ベルト1は厚さ150μmのPETフィルム305(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上にアルミ蒸着後、感光体を塗布したものである。感光体ベルトは、150μmのPETフィルム上にアルミ蒸着層304を有し、その上層部に感光体の非露光時の耐電圧を保持するための絶縁層303を有し、その上に電荷発生層302および電荷移送層301からなる負帯電の有機感光体が塗布してある。感光体306部分の層厚は約20μmであるので、感光体ベルト1全体の厚さは約170μmとなる。前記した感光体ベルト1の内部ローラ100の直径23mm,18.4mm は、正確にはこのベルト厚さだけ直径を小さく構成している。
【0049】
ベルトの幅方向端面には、幅約1.5mm厚さ約0.5mm程度のゴム材による突起部を有している。感光体ベルト1の内部ローラ100の両端部は、テーパ加工が施されており、感光体ベルト1の突起部と感光体ベルトの内部ローラ100のテーパによって、感光体ベルト1の蛇行は阻止されるように構成されている。
【0050】
図9は、図1で示した実施例の帯電器11の構成の詳細を説明する為の図である。放電ワイヤ311とシールドケース312およびグリッドワイヤ313を有するスコロトロン帯電器である。放電ワイヤ311は、放電による劣化が発生しないようにタングステン線に金メッキを施したものを使用している。線径は、細すぎても太すぎても扱いが難しい。本実施例の放電線の直径は60μmのタングステン線に3μmの金メッキを施したものであるが、一般に40〜100μm程度の放電線が適当である。シールドケース312と放電ワイヤ311の距離は、近すぎると放電時のワイヤの振動などにより異常放電が発生する可能性が高く、遠すぎると放電電圧が高くなる。適当な放電ワイヤ311とシールドケース312間距離は約10mm程度であり、このことから帯電器の全幅は、約20mm程度となる。グリッド31−3と感光体ベルト1表面の距離およびグリッド313のピッチに関しては、効率の良い帯電特性と制御特性を両立するためには、一定の関係がある事が知られている。すなわち、グリッドピッチと感光体−グリッド間ギャップは、同程度が適当であるので、本実施例ではグリッドピッチ1.5mm ,感光体−グリッド間のギャップは1.5mm としてある。グリッドと放電線の距離は本実施例では、約8.5mm である。また、グリッドに印加する電圧は、感光体の帯電電位を500Vを目標として、500Vとしている。グリッドの電圧印加手段は、高圧ツェナーダイオードを用いることで容易に達成する事ができるが、感光体の帯電電位を変更する必要がある場合は、マイナスの可変電源を設置する必要がある。
【0051】
本実施例の構成では、プロセス速度(感光体の移動速度)95mm/sとし、A4横搬送であるので、毎秒帯電器11が帯電する感光体ベルト表面の面積は、約285cm2である。前述した厚さ20μmの有機感光体の静電容量は、約2.0×10−10F/cm2 である。この時、1秒間に帯電する感光体ベルト表面面積の容量は、5.7×10−8F であり、感光体表面の帯電電位を500Vとすると感光体ベルト表面に供給する必要な電流は、2.85×10−5Aつまり28.5μAである。本帯電器構成で、感光体表面電位を安定にするためにはグリッドの多くの電流を供給しておく必要がある。グリッド電流を感光体表面に必要な電流の約3倍とすると、感光体表面とグリッドに流れる電流は約120μAである。上記構成では、シールドケース312にこの約3倍の電流が流れる。この為に、コロナ放電電流としては約500μAである。この電流値は、上記構成の1本のコロナ放電ワイヤ311に5〜7kVの電圧を印加することで十分達成可能な範囲である。図1に示す本実施例の装置構成では、5.8kV の印加電圧によって達成している。
【0052】
この他に、本帯電器の設置スペース範囲内に、ローラ帯電機構を適用することも可能である。
【0053】
図10に、図1の本発明の実施例で用いた感光体クリーナ13の構成を示す。本実施例では、感光体ベルト1が縦方向に長く配置されているために、クリーナ位置における感光体もほぼ垂直方向に移動する。感光体ベルト1のクリーニング手段の他の方法としては、弾性ブレードを押し当てる構成が最も単純な構成であるが、この様なクリーニング方法では、掻き落としたトナーは、重力方向に落下する。この為、本装置構成である縦型感光体ベルト面で使用すると、トナーがクリーナ外部に漏れる可能性が高い。
【0054】
そこで、本実施例では図10に示すブラシクリーニング方式を採用している。本方式は、感光体ベルト1の移動方向に対して対向する方向に回転する導電性のクリーニングブラシ321を用い、導電性のクリーニングブラシ321に感光体ベルト1表面の電位よりも高い電位を印加する事によって、機械的にトナーを掻き取るとともに、静電的にトナーを吸引するものである。本実施例の構成では、感光体ベルト1のベースアルミ層304にベース電圧として、約600Vの電圧を印加している。この為、感光体クリーナ13におけるクリーニングブラシ321は接地電位としている。感光体ベルト1のベースアルミ層304にベース電圧として、600Vを印加している理由は、後述の中間転写体ドラム構成に関する所で詳細に説明する。感光体クリーナ13はクリーニングブラシ321の後方に金属ローラ322を配置し、正の電圧を印加している。これによってクリーニングブラシ321で掻き取ったトナーは金属ローラ322側に写し取られる。金属ローラ322には、ブレード323が配置されており、付着したトナーは下方に掻き落とされる。掻き落とされたトナーは、スクリュウ搬送機構324などによって図1の排トナーボックス14まで搬送される。
【0055】
図1の本発明の実施例の装置構成では、クリーニングブラシ321の外径は約20〜25mm有れば十分クリーニング可能である。また、後方の金属ローラ322は直径約10mmのものを使用した。クリーニング前の感光体の表面は十分に除電されている方がクリーニングしやすい。この為、本装置構成ではクリーナの下部にLEDアレイによる除電機構を配置しており、クリーナと一体構成にする事で、取扱いや組立作業を容易にした。
【0056】
図1の本発明の実施例の装置構成では、感光体ベルト1を縦に張った為にブラシクリーナ321を用いたが、図11に示すようなベルトを若干傾けた構成など感光体から掻き落としたトナーがベルトから離れる構成とした場合は、図に示す弾性ブレードを用いたクリーナ13を用いることも可能である。図示のその他の部分は図1と同じ部品には同じ番号を付してある。なお本図ではスペースの有効利用の観点からレーザ露光装置12を縦に配置して小型化を図っている。
【0057】
前記の帯電器11の感光体表面との対向面の幅は約20mmであり、前記イレーズランプ325と一体化した感光体クリーナユニット13の感光体表面との対向面の幅は約35mmである。これらのユニットは中間転写体ドラム2を感光体ベルト1下方のローラの中心線と平行に配置したとき、図1の実施例に示すように、現像機3〜6が配置されている感光体ベルト表面と反対側の感光体ベルト面に、十分配置可能となる。
【0058】
次に、図1の本実施例におけるレーザ露光装置12の詳細を説明する。レーザ露光装置12については、まず露光位置であるが、前述したような有機物質で構成された感光体では、一般に露光後から安定な静電潜像が形成されるまでに、150ms以上必要である。そのため、露光から現像までの時間を300ms程度にする。また、感光体ベルト1上の露光する位置において、感光体ベルトの位置が変動すると焦点距離が変動するために露光点にぼけが生じ、画像の解像度が低下する。このことから、露光位置は感光体ベルト内部のローラ100上などの感光体ベルト1の挙動が安定している位置で行うことが必要である。本実施例における露光位置に最も近い現像機3は、感光体ベルト内部のローラ100から感光体ベルトが離れる位置に配置されている。このローラ100には、感光体ベルト1がほぼ180度の範囲で巻き付けられている。ローラ100の直径が23mmであるので、感光体ベルト1が巻き付いている長さは約36mmである。露光をこのローラ100上で現像の300ms以上手前で行うためには、最大120mm/s(=36mm/0.3s)のプロセス速度まで可能である。本実施例では、現像位置と露光位置の角度を150度とした。このとき可能な最大プロセス速度は約100mm/sである。本実施例では裕度をとって、プロセス速度95mm/sとした。前述したように、図1の本実施例の中間転写体ドラム2の直径は92mmであるので、外周は約289mmである。プロセス速度95mm/sでは、中間転写体ドラム2が毎分約19.7 回転することになり、4回転でフルカラー画像一枚記録を行う図1に示す本実施例の構成では、約毎分5頁の記録速度が可能である。これが、前述した本実施例のカラー画像記録装置におけるプロセス速度をフルカラー画像記録時毎分5頁(A4記録),単色記録時毎分20頁としている主な理由である。ただし、装置サイズ等の変更等によって図1に示す本実施例の構成で、更に高速な記録速度も可能である。この印写速度は、前述した様に、デスクトップなどで使用する小型フルカラー画像記録装置としては、十分な速度である。
【0059】
図12に、図1の本発明の実施例における露光装置12の一構成例の詳細を示す。本発明の実施例における露光装置12は、高解像度画像記録を行うためにレーザ露光装置12を採用している。図12において、レーザ光源354から出射されたレーザ光351はポリゴンミラー353で反射スキャニングされ、その光が反射型のfθレンズ355を通り、二つの反射鏡352により反射され、図示していない感光体ベルト表面に出射される構成となっている。図13はレーザ露光装置の走査部の構成を示した図である。半導体レーザ光354をポリゴンミラー353で反射スキャニングし、透過型のfθレンズ355で非露光対象である感光体ベルト1表面までの光路差による焦点距離の差および、ポリゴンミラー353の単位回転角度当たりの走査面での移動距離の変動を補正する。記録画像幅のレーザスキャニング幅を確保するために、ポリゴンミラーから感光体ベルトまでの間に長い光路長が必要である。ポリゴンミラーの走査角度は小さい方がfθによる補正量が少なくなり、走査方向で安定した露光量が得られやすい。しかし、走査角度が小さいとポリゴンミラーから感光体までの距離が長くなってしまい光学系全体の寸法が大きくなる。この為、スキャニング角度は100度程度(片側50度)が限界である。スキャニング角度を100度としたとき、A4長手方向300mm程度の走査をするためには、ポリゴンミラーから感光体まで必要な光路長は、次式で算出される。
【0060】
【数1】
Figure 0003766254
【0061】
数1で、S0は必要な光路長,Lは走査距離,θは走査角度,X0は走査面における走査中心からの距離を示す。本式に、上記値を代入するとともに、X0を0に近づけると、約172mmとなる。また、本設定でfθレンズの幅が走査面の幅である300以下にするためには、ポリゴンミラーからfθレンズの距離を、次式で求められる距離以下に設定する必要がある。
【0062】
【数2】
Figure 0003766254
【0063】
数2に、走査距離L=300mmおよび、走査角度θ=100度を代入すると約126mmとなる。よって、本構成ではポリゴンミラー353から約126mm以下の位置にfθレンズ355を配置する必要がある。
【0064】
図1に示した本発明の実施例のカラー画像形成装置に用いられる光学系ユニットとしては、中間転写体ドラム2の直径が92mmであることから、約100mm以上の幅にすると装置全体の大型化につながる。しかし、光学系ユニットの幅として許容される約100mmの幅に対して、前記計算結果から得られるレーザ露光装置12における必要なレーザ光路長は、かなり長い。
【0065】
そこで、図12の実施例ではスキャン後の光路を、レーザ露光装置12の長手方向に反射鏡352によって2回折り返す構成を用いている。この時、図14に示すようなfθレンズを間に配置した構成では、fθレンズ通過後の一度目の反射光が再びfθレンズに進入しないようにしなければならない。この為、一度目の反射角度を大きく取る必要があり、厚さ方向のレーザユニット寸法の大型化となる。そこで、図12に示す本実施例の構成では1度目の反射ミラーの形状を、fθ特性の有する形状に加工している。この構成では1度目の反射ミラー(fθ特性を有するミラー)からの反射角度を小さくすることができるために、光学系の厚さ方向の寸法を大きくすることなく、光路長を確保できる。この様なfθミラーは、プラスチックによる形状成形の上に、アルミなどを蒸着することで容易に作成可能であるとともに、あらゆる特性を有する形状(球面,非球面,対象,非対象に関わらない自由曲面)のミラーが比較的容易に作成することができる。
【0066】
図15に、光学系に関する他の構成の実施例を示す。ポリゴンミラー353の後方には、内部でレーザ光を多段折り返しするための平行にミラーを有する多重折り返しミラー357を配置している。多重折り返しミラー357は、プラスチックまたはガラスブロックの表面にアルミなどを蒸着させ、ミラーとしたものである。多重折り返しミラー内部で、レーザ光は複数回折り返されるために、長い光路を確保できる。この様な多重折り返し系では、画像中央部と両端部でミラーに進入する角度が異なるために、レーザの減衰状態に差が生じる。これに対応するために、図15の例では、多重折り返し系に進入する前のレーザ光を偏光させる偏光制御手段356が配置されている。レーザの偏光方向によって、多重折り返しミラー357通過後の減衰の差を補正することができる。この他に、感光体上でのレーザ光351の露光位置における減衰量を補正するために、ポリゴンミラー353の回転に同期して、レーザ光源354の発光量を制御する方法などが考えられる。
【0067】
上記手段によって、図1に示す本発明の実施例におけるレーザ露光装置12は幅約100mm高さ約30mm程度とした。光学系をより小さくする方法として、この他に一般に知られているLEDアレイや液晶シャッタ方式の光学系を用いることも可能である。しかしながら、精細度や露光光量安定性の上で現在のところレーザ露光方式の方が有利である。
【0068】
次に、現像機3〜6であるが現像機は、前記した様に感光体の直線部に1列に配置している。カラー画像を形成する場合、これら現像機は感光体の各回転に応じて、順番に一つずつ接触と待避を行わせなければならない。さらに、2成分現像方式では、安定な高画質現像を実現するためには、現像時の現像ロールと感光体との距離は100μmオーダの高精度なギャップ精度が要求される。本実施例の構成においては、感光体と現像機のギャップ精度を高く維持するために、四つの現像機と感光体ベルトを一体にユニット化している。また、本実施例ではトナーの補給を容易にするために、トナーのカセットを現像機−感光体ユニットと別体とし、独立して補給可能なように構成している。
【0069】
図16に、本実施例における現像機−感光体ユニットの現像機待避接触機構の一例の詳細を示す。現像機3は現像ローラ軸398に現像ローラ31を有するとともに、感光体ベルト1側に外周の一部に溝を有するカム機構が配置されている。これら四つのカム392はギヤ393,395で連結されており、画像形成装置に組み込まれた場合、駆動源接続歯車394を介して画像形成装置側の駆動機構によって、端部のギヤを規定角度ずつ回転させる事で、順番に、四つの現像機が感光体と接触する構成と成っている。図16においては、カムを書き表わすためにカム上部に配置されている歯車の一部をカットした図にしている。現像機の位置は基本的に各色の現像機が1ずつ接触している四つの位置と全ての現像機が感光体から待避している位置が存在する。非印写時は、全ての現像機が感光体から待避するようにカム機構がセットされ、印写時に順に各現像機が感光体と接触して現像を行うように制御される。現像機−感光体ユニットの連結されたギヤの一部にマーク396が施されており、この位置を画像形成装置本体側に設置されたセンサ(光センサなど)397で検出することで、画像装置本体側の現像機待避機構コントローラ(図示せず)は、感光体に接触している現像機を識別し、各現像機の接触,待避を制御する。
【0070】
2成分現像機では、現像時のギャップ精度は非常に重要である。図17の構成では四つの現像機のうち両側の二つは感光体が感光体内部のローラ100表面に位置しているために、感光体の挙動は安定しており、ギャップを保持しやすい。
【0071】
しかしながら、中央部の二つの現像機は平面ベルト部に位置していることから、図17に示すようなガイド部材406を配置することが必要である。図のガイド部材406は平板構成であるが、図18のように、回転ローラ413をガイド部材として用いることも可能である。
【0072】
現像装置として、非磁性1成分現像機を用いた場合の接触,待避構成に関して説明する。非磁性1成分現像では、現像時に2成分現像のような一定のギャップ精度を保持する必要はないが、現像ロール31上に形成した数十μmの厚さのトナー層を感光体接触させて現像を行うことから、現像ロール31と感光体ベルト1は安定して完全接触させなければならない。感光体ベルト1と現像ロール31はニップ幅を有する接触状態が理想的である。この為には、図17に示した2成分現像機における現像機接触位置とガイド構成では不都合が生じる。図18に1成分現像機を用いた場合の現像機接触位置と感光体ベルト1のガイド部材の構成の一実施例を示す。現像する現像機の現像ロール31に感光体ベルト1はニップを有して接触する必要がある。この為に、両サイドの現像機の現像ロール31の接触位置は感光体内部ローラ100よりも内側に配置しなければならない。これによって、感光体ベルト1は接触した現像機の現像ロール31に沿って撓み、容易に安定なニップを確保する事ができる。中央の二つの現像機に関しては、2本のガイドローラ413を現像機側に移動させることによって、充分なニップを与えることができる。
【0073】
この他に、図17のようなガイド部材406を用いる場合はガイド部材406の形状を凹型にする方法や、弾性体を表面に配置する方法が考えられる。さらに、現像ロール自身を弾性体で作成し、現像ロール31の変形で感光体に安定接触する方法も考えられるが、ブレード摩擦部材の多い1成分現像機では現像ロール31の寿命などを考慮すると現像ロール31は金属体などの剛体で構成する方が好ましい。
【0074】
上述のように1成分現像では、両端の感光体ベルト1の直上に現像機を配置できないため一つの現像機の許される厚さは、2成分現像機に比べて若干小さくなる。しかしながら、撹拌室やマグネットローラなどを必要としない1成分現像は、一般に2成分現像方式に比較して、小型にすることができるためにあまり大きな問題とはならない。
【0075】
次に、中間転写体ドラム2は金属ローラ表面に半導電層または絶縁層を有する構成となっている。感光体ベルト1との接触時に感光体表面などを傷つけないように、表面は数100μm〜数mmの弾性体である。図1のカラー画像形成装置では中間転写体ドラム2は、接地電位とし、これに対して感光体ベルト1のベース電圧をマイナス500V程度にすることによって、感光体ベルト1上に形成されたマイナス帯電の各色トナー画像を静電的に転写する。さらに、中間転写体ドラム2上に形成された各色画像の合成画像は、中間転写体ドラム2の下方に配置された転写ローラ17で用紙上に転写される。この用紙への画像転写は、転写ローラ17にプラスの電圧を印加することによって静電的に行われる。
【0076】
中間転写体ドラム2周辺に配置されたこれらプロセスによって、中間転写体ドラム2が帯電するのを防ぐために、表面絶縁層はある程度以下の抵抗であることが望ましい。図1に示したカラー画像形成装置では、プロセス速度を95mm/sとしている。中間転写体表面の層の容量をC(F/cm2 )とし、その抵抗値をR(Ω/cm2 )とすると中間転写体表面を帯電した電荷が逃げるのに約C×R秒の時間が必要である。この値が約100ms以下であれば中間転写体ドラム2が約1cm移動する間にその表面の帯電電荷は除電される。しかし、中間転写体が導体であると感光体との接触時や転写ローラ17との接触位置で放電等が発生し、記録画像欠陥を発生する。この様な理由から、中間転写体ドラム2表面層は、半導電体であることが必要である。また、中間転写体ドラム2周辺に中間転写体ドラム表面の帯電を制御するための除電機構を配置した場合、中間転写体ドラム2の表面層の抵抗は非常に高い絶縁性も可能となる。これら帯電を制御する除電機構としては、非接触の針状部材を配置した除電方式やACコロナ放電器やスコロトロン帯電器などの放電を利用したものなどが利用できる。
【0077】
図1に示した本発明の実施例におけるカラー画像形成装置において、中間転写体ドラム2上に形成したカラー画像を用紙に転写する機構は、ローラ転写方式を採用している。各色カラー画像が合成された中間転写体ドラム2上のトナー画像は、画像各部におけるトナーの厚さが異なる。これら画像を完全,確実に転写するためには中間転写体ドラム2と非転写体である用紙などを確実に密着させることが重要である。そこで、本実施例ではローラ転写方式を用いている。用紙ガイドなどによる用紙の中間転写体ドラム2への確実な密着が可能な場合は、コロナ転写等も利用できる。
【0078】
図1に示した本発明の実施例におけるカラー画像形成装置において、中間転写体ドラム2のクリーナとして、ブレードクリーニング方式を採用している。図19は、図1のカラー画像形成装置に採用する中間転写体ドラムクリーナ19の他の実施例を示す図である。本実施例の構成では、クリーナの位置が中間転写体ドラム2の側面下方となるため、構成が簡単なブレードクリーナ473からなるブレードクリーニングを採用している。しかし、前記感光体クリーナ13に関するところで述べたように、クリーニング後のトナーが中間転写体ドラム2の表面方向に落下する位置では、前記感光体クリーナ13のようなブラシクリーニング機構を適用することが望ましい。図19のクリーナは、上方にマグネットロール471と掻き落としブレード472を配置することによって、現像ロールから落下したキャリアを回収する構成となっている。図1に示される本発明の実施例であるカラー画像形成装置では、感光体クリーナ13と中間転写体ドラムクリーナ19から搬送された廃トナーや廃キャリアは、管内に回転するスパイラルを配置した搬送手段474によって、図1の廃トナーボックス14に搬送される。
【0079】
転写後の用紙は、その背面に転写による電荷が残留するために、中間転写体ドラム2に密着し、重力のみでは剥離できない場合があるとともに、剥離後の用紙が定着機までの搬送経路において、周囲に位置する各部部材との間で放電が発生し、画像が乱れる現象がおこる。そこで本実施例では、用紙の中間転写体ドラム2から剥離しやすくするとともに、定着機までの搬送経路における放電の発生を防ぐために、除電機構を設けている。図1の本発明の実施例では、ACコロナ放電を利用した除電機構であるが、導電ブラシなどを用紙背面から接触させるブラシ除電等の方法も利用できる。
【0080】
図1に示す本発明の実施例のカラー画像形成装置の構成では、図20に示すように、現像機下部にローラ定着機20を配置している。本実施例のプロセス速度は、前述したように95mm/sである。定着ローラ481の外形と設定温度は一般に供給熱量と用紙を挟むニップ部の距離およびその圧力で決定される。電子写真方式を利用したプリンタなどで従来から用いられている定着機の構成では、本実施例のプロセス速度で適用可能な定着機の定着ローラ481としては、定着温度100〜200℃で定着ローラ直径30mm前後が妥当である。ただし、これらの設定は使用するトナー材料の特性に大きく依存するものである。図1の本発明の実施例構成のカラー画像形成装置における定着機のローラ481は直径約30mmであるが、本装置構成で十分配置可能であることがわかる。
【0081】
定着機の熱が現像機のトナー格納室ユニット等に伝わると現像装置内やトナー格納室内でトナーが融けて固まりとなるなどの不具合が発生する。この為、定着機と現像機およびトナー格納室の間には、発泡性の樹脂板などによる断熱部材482を配置する必要がある。また、用紙排紙方向に排熱ファン483を設け熱を排出する機構を設ける必要がある。図1に示す本発明の本実施例では、図20に示すような断熱部材482で上下を囲むとともに、排紙方向に排熱ファン483を設置したユニット構成としている。
【0082】
定着機に関する他の方法として、ベルト状搬送部材と定着位置に固定された発熱体を用いる方式の適用は有効である。図21に、図1に示す本発明の実施例にベルト状搬送部材491と固定発熱体492を用いた定着方式を適用した実施例を示す。この方法では、定着機において発生する熱量を小さくすることが可能であるとともに、ベルトによる搬送を行っているために、定着機熱源の位置を自由に設定することが可能である。また、用紙の転写,剥離位置付近に、定着機のベルト入口を配置することで、転写ローラ17から定着機20への用紙受け渡し距離を小さくできる為に、小さい用紙への記録も可能にできる。
【0083】
次に、図1に示される感光体ベルト1および中間転写体ドラム2の駆動機構を説明する。感光体ベルト1および中間転写体ドラム2は完全に同期して、駆動しなければ各色の画像位置が正確に重ねることができない。そこで、二つのパルスモータを用いて高精度に両部材の回転を制御する方法が考えられる。しかしながら、この様な制御を行うためには、極めて高精度なモータ制御と中間転写体ドラム直径や感光体ベルト各部の非常に高い精度が要求される。そこで、本実施例では図22に示すように中間転写体ドラム2に駆動モータ505を接続し、感光体ベルト1はこれに従動する駆動方式を用いた。回転速度は感光体ベルト1の中心ローラに設けられた回転数検出盤501とそれを検出する回転数検出センサ502によって検出し、一定に制御される。また、他の実施例として図23に示すように、駆動は感光体ベルト1側のローラとし、中間転写体ドラム2側に回転数検出盤501と回転数検出センサ502を設置して、感光体ベルト1と中間転写体ドラム2を駆動する方法もある。
【0084】
次に、感光体ベルト1に張力を付加する機構について説明する。感光体ベルトユニットには、長期使用によるベルトの伸びや中間転写体ドラム2との接触時のベルト撓みを吸収するために、張力を調整する機構を設ける必要がある。図24に、図1の本発明の実施例であるカラー画像形成装置の感光体ユニットの張力を与える方向と部材を示す。Aのローラで主にベルトも伸びを吸収し、AおよびBのローラで、中間転写体ドラムとの接触時のベルト変形を吸収する構成である。本構成では、ローラBの位置が中間転写体ドラム方向に移動するため、ローラBとローラC間のベルト角度が多少変化する。そこで、本実施例では帯電器11と感光体クリーナユニット13が、一体で図に示す矢印方向に固定点Dを中心に移動する様に構成されている。感光体ベルト1への張力付加機構を設けた感光体内部ローラは稼働するために、本実施例では、レーザの照射位置のガイドとして使用している感光体内部ローラCには張力付加機構を設置しなかった。
【0085】
図25に、図1で示した本発明のカラー画像記録装置における各部の開放構成および部品挿入方向を示す。本発明の実施例におけるカラー画像形成装置は、図中左側を正面として操作する構成である。用紙カセット21は図に示すように、装置正面から挿入する構成であり、用紙は、手前から挿入し折り返して、中間転写体ドラム2の斜め下方に配置された転写ローラ位置17に搬送される。転写後の用紙は、重力方向に剥離後現像機3〜6の下方に配置された定着機20を経て、用紙カセット21上方に排紙される。図に示す様に、用紙カセット21の蓋部は引き出し可能に構成されており、排紙後の用紙トレーとして利用することが可能である。
【0086】
また、トナー格納室ユニット7〜10も操作面である図中左側から挿入する構成としているとともに、感光体−現像機ユニット50は上方から挿入する構成である。廃トナーボックス14は、背面に出し入れ用扉を有するが、図25に示すように扉の開放によって倒れる様に構成していることから、出し入れの操作は、上方から容易に行うことができる。
【0087】
また、背面部には下方にジャム回避用の開放部を配置している。内部の転写ユニットを下方に移動可能な構成とすることで、用紙ジャム時に用紙を取り除くことができる様に構成されている。しかし、本装置は小型であるのでA4の用紙がジャムした場合においても、多くの場合、用紙カセット21もしくは定着機20出口からのジャムした用紙の回収が可能であるとともに、前述したように、定着機20はユニット化されており、手前から引き出すように構成されているので、これを引き出してのジャム回避も可能である。
【0088】
また、下方に用紙カセットを配置した構成では、図26に示すように下方向にメインの用紙カセット21の他増設用用紙カセット21′を容易に増設できる構成をとることも可能である。
【0089】
図1で示した本発明の実施例におけるカラー画像形成装置は、前述したようにA4記録を目的としたものであるが、若干の各部寸法を大きくすることでA3記録可能なカラー画像形成装置を実現可能であることは明らかである。しかしながら、本発明のような400dpi 以上の解像度高画質カラー画像形成装置では、
A3画像をソフト処理によって、A4縮小印字しても画質上の問題は少ないと考えられるとともに、A3等の大きな紙への印写は記録時のトナー消費量も多く、特に印写面積率の高い傾向にあるカラー画像記録では多くのトナーを必要とする。また、前述したように記録するための画像情報量も約100MByte以上とさらに大きくなる。これらのことを考慮すると、本発明のようなデスクトップで手軽に利用する小型カラー画像記録装置においては、A4程度の用紙サイズ記録機が適当と考えられる。この意味で、本発明の実施例では、A4記録機における装置サイズおよび寸法構成を主として開示している。
【0090】
図27は、本発明の用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。用紙カセット21は、図中右側から挿入し、水平に搬送されて左側に排紙される。本構成では、用紙カセット21を下方に配置していないことから、装置全体の高さを低く押さえることが可能である。図27の実施例の構成では、印写装置本体1000の高さが約230mmとなっている。しかしながら、この構成ではカラー画像形成装置の左右からの操作が必要であるために、図1の実施例の構成に比較して設置スペースが広くなるという欠点を有する。
【0091】
図28は、本発明の用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。用紙カセット21を縦置きにしたものであり、印写装置本体1000の上方から挿入する構成である。また、記録後の用紙は、垂直排紙トレー560に縦置きで排紙される。本構成では、トナー格納室ユニットを挿入する際に、排紙トレー上部を倒すことが可能に構成されている。本構成では、図27の実施例と同等の装置高さを実現するとともに、比較的小さい設置スペースが実現できる。しかしながら、用紙カセットから用紙を引き出す方向が重力方向であるために、ピックローラにより用紙をピックする際の分離用パッドの形状や押し付け圧力の設定を高精度にするとともに、安定化する必要がある。
【0092】
図29は、本発明の用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。本装置では、定着後の用紙を補助ローラ574で挟むとともに、用紙端面検出センサ575によって用紙端面を検出し、搬送方向切り換え爪573によって、再び用紙カセット上面に設けた戻り用搬送路572を経由して、ピックアップローラ15,レジストローラ16を経由して画像記録を行う構成としている。これによって、記録用紙両面へのカラー記録が可能である。本装置は、装置の小型化を目的としたものである。そこで、特に、装置サイズの変更が必要ない方式を実施例として図に示した。この他に、装置内部に両面記録用のスイッチバック機構を配置する方式が考えられるが、若干の装置サイズの大型化が必要である。
【0093】
図30では用紙カセットを装置内にセットせずに記録時のみ外部にカセットをセットして記録する構成としたもので、記録紙搬送経路を図のように斜めにして記録定着する構成としたものである。この場合レーザ露光装置12は現像機及びトナーカセットの上部に配置する構成としており中間転写体ドラム2の配置も感光体ベルト1の中央よりになるため中間転写体ドラム2と感光体ベルト1とのニップを大きくするため補助ローラを設ける必要が有る。このように配置することにより、装置の小型化は勿論、紙の移動がほぼ直線的となり、記録速度の向上を図ることが可能となる。
【0094】
以上のように、感光体をベルトとし、その感光体ベルトを垂直方向に長くなるように配置し、感光体ベルト1の一方の側面にそれぞれ色の異なる現像機を積み重ねて配置,現像機を配置した側の反対側に中間転写体ドラムを配置した構成とすると共に、それぞれのスペースにその他の機器を配置する構成とすることにより、装置の小型化を図り、用紙カセットや紙送り機構等の配置も小型化に寄与するように配置することにより、ディスクトップタイプのカラーレーザプリンタを実現できる。
【0095】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明によれば小型で高画質さらにメンテナンス性のよい、手軽にデスクトップで利用できる小型カラーレーザプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー電子写真装置の一実施例の全体構成を示す図である。
【図2】中間転写体と感光体ベルトの外周長さの関係を説明するための図である。
【図3】中間転写体と感光体ベルトの外周長さの関係を説明するための図である。
【図4】感光体ベルトをローラで張った際の各部寸法を説明するための図である。
【図5】トナー格納室と現像機本体の接続状態を説明するための図である。
【図6】図1のカラー画像形成装置に搭載可能な非磁性1成分現像機の構成を示す図である。
【図7】転写部における重力方向を説明するための図である。
【図8】感光体ベルト部の詳細を説明するための図である。
【図9】帯電機構成の詳細を説明するための図である。
【図10】感光体クリーナ構成の詳細を説明するための図である。
【図11】感光体ベルトを傾けた構成を説明するための図である。
【図12】露光装置構成の詳細を説明する為の図である。
【図13】レーザ露光装置の光走査部の構成を説明するための図である。
【図14】fθレンズを使用したときの露光部構成を説明するための図である。
【図15】露光装置構成の他の実施例を説明するための図である。
【図16】現像機と感光体ユニットの構成詳細を説明するための図である。
【図17】2成分現像機適用時の感光体ガイド構成を説明するための図である。
【図18】1成分現像機適用時の感光体ガイド構成を説明するための図である。
【図19】本発明の中間転写体ドラムクリーナの他の実施例を説明する図である。
【図20】定着機ユニット構成の詳細を説明するための図である。
【図21】定着機の他の実施例を説明するための図である。
【図22】駆動系の構成を説明するための図である。
【図23】駆動系の他の構成を説明するための図である。
【図24】図1の装置の感光体ユニットに張力を与える方向と部材を示す図である。
【図25】図1の装置における各部の開放構成および部品挿入方向を示す図である。
【図26】用紙カセットを増設する一実施例を示す図である。
【図27】用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。
【図28】用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。
【図29】用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。
【図30】用紙搬送に関する他の実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…感光体ベルト、2…中間転写体ドラム、3,4,5,6…現像機、7,8,9,10…トナー格納室ユニット、11…帯電器、12…レーザ露光装置、13…感光体クリーナ、14…廃トナーボックス、15…ピックアップローラ、16…レジストローラ、17…転写ローラ、18…除電器、19…中間転写体ドラムクリーナ、20…定着機、21…用紙カセット。

Claims (4)

  1. 220〜380mmの長さを有し、直線部の長さが片側78〜160mmとなるように縦方向に長く張られた感光体ベルトと、前記感光体ベルトの一方側面に積層配置され前記感光体ベルト上に複数の異なる色のトナー像を形成する4つの現像機とを一体にユニット化するとともに、前記現像機はトナー格納室ユニットと接続するための接続部を有し、前記感光体ベルトの他方側面に、前記感光体ベルト上に形成されたトナー像を順次重ね合わせてカラートナー像を形成する中間転写ドラムと、レーザ露光装置とを配置し、前記感光体ベルトと現像機とを一体にしたユニットは縦方向に装置上方に向けて取り出し可能であり、前記カラートナー像が転写される記録媒体を格納する用紙カセットは引き出し可能な蓋部を有し、前記トナー格納室ユニットと前記用紙カセットは同方向に着脱可能であり、かつ前記カラートナー像が転写された記録媒体を前記蓋部に排紙することが可能である電子写真装置。
  2. 請求項1記載の電子写真装置において、前記接続部は前記現像機の内部に開く蓋を有する電子写真装置。
  3. 請求項1または2記載の電子写真装置において、前記カラートナー像が転写された記録媒体の排紙方向とは反対方向の装置背面にジャム回避用の開放部を配置し、前記開放部を開放することにより前記中間転写ドラムの斜め下方に配置された転写ユニットを装置内部において下方に移動し、用紙ジャム時に用紙を取り除くことができる構成とした電子写真装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置において、前記用紙カセットを前記感光体ベルトの下方に配置し、増設用用紙カセットを容易に増設できる構成とした電子写真装置。
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