JP3765222B2 - 磁気シールド用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

磁気シールド用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー陰極線管の内部または外部にあって、電子線の通過方向に対して側面から覆うように設置される磁気シールド部品の素材として好適な磁気シールド用鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管の基本構成は、電子線を射出する電子銃および電子線照射により発光して映像を構成する蛍光面からなる。電子線は地磁気の影響によって偏向し、その結果映像に色ずれを生じさせるため、偏向を防止するための手段として、一般的に内部磁気シールド(インナーシールド、インナーマグネティックシールドとも称する)が設置されている。また、外部磁気シールド(アウターシールド、アウターマグネティックシールドとも称する)が、カラー陰極線管外部に設置される場合もある(以下、これらの内部磁気シールドおよび外部磁気シールドを総称して磁気シールドと称する)。
【0003】
カラー陰極線管用磁気シールドは、かつて内部磁気シールドでプレス深絞り成形により製造されていたものがあるが、近年では折り曲げ加工および点溶接による製造方法が主流である。磁気シールド鋼板の曲げ加工にあたっては、曲げ角度精度の高さが要求されるため、金型設計や曲げ加工条件の調整に煩雑な作業が必要である。
【0004】
曲げ加工性やこれに関連する機械特性に関する従来技術としては、特開昭53−44167号、特開昭55−154042号、特開昭58−46547号、特開昭59−173219号、特開昭61−174360号、特開昭62−280328号、特開昭62−280329号、特開平2−61029号、特開平2−170919号、特開平3−146644号、特開平9−78130号、特開平10ー46249号の各公報に開示されたものがある。
【0005】
特開昭53−44167号公報には、黒化処理膜の剥がれを防止する方法として、黒化処理後の降伏点伸び率が5%以下のインナーシールドを有するカラーブラウン管が開示されている。
【0006】
特開昭55−154042号公報には、カラー陰極線管内の金属部品を二相組織鋼により構成する技術が開示されている。二相組織鋼は、降伏応力が比較的低く成形時の加工性がよい一方、黒化処理時にこれら金属部材が時効して降伏応力、換言すれば、形状維持機能が従来材の約2倍になる、というものである。
【0007】
特開昭58−46547号公報には、特定成分組成の鋼板のASTM結晶粒度を8とした、磁気特性と表面黒化膜性能に優れた内部磁気シールドの製造方法が開示されており、プレス成形性も良好との記載がある。
【0008】
特開昭59−173219号公報には、高度のシールド効果を有する磁気シールド用素材の製造方法が開示されている。実施例として、引張強度(TS)が65〜67kgf/mm、伸び(El)が1〜2%のものが記載されており、「折曲、点溶接加工などによって造る限りにおいては、その成形加工に十分耐えられることが確認された。」との記載がある。
【0009】
特開昭61−174360号公報には、特定成分組成を有する折り曲げ加工時に発生する黒化皮膜の剥がれの問題を改善した磁気シールド鋼板が開示されており、実施例に黒化後の降伏点伸びが記載されている。
【0010】
特開昭62−280328号公報および特開昭62−280329号公報には、成形性および電磁波シールド性の優れたインナーシールド材の製造方法が開示されており、実施例の一部に、引張試験値などの機械特性が記されている。
【0011】
特開平2−61029号公報には、特定成分組成を有し、硬度Hv(500g)が90以上のインナーシールド材が開示されており、特開平2−170919号公報には、特定成分組成を有し、硬度Hv(500g)が90以上の鋼板素材を用い、ビード成形あるいは曲げ加工を実施するインナーシールド材の製造方法が開示されている。
【0012】
特開平3−146644号公報には、特定成分組成を有する磁気特性と成形加工性とを両立する磁気シールド用鋼板が開示されている。特開平9−78130号公報では、特定成分組成および製造条件による磁気シールド性とハンドリング強度とに優れたカラー陰極線管用磁気シールド素材が開示されている。
【0013】
特開平10−46249号公報では、特定成分組成を有する鋼を熱間圧延後に中間焼鈍をはさんだ2回の冷間圧延の後、仕上焼鈍を施す、高透磁率・高延性の磁気シールド材の製造方法が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭53−44167号公報では、黒化処理膜形成後の局所変形にともなう黒化処理膜の剥がれを防止する観点から、黒化処理後の降伏点伸び率を規定するものであり、黒化処理前の曲げ加工性に関する技術を開示するものではない。
【0015】
また、特開昭55−154042号公報にいう「形状維持機能」とは、時効後の形状維持を指すものであり、曲げ加工時に所定の形状からずれる、いわゆるスプリングバックを指すものでないので、曲げ加工作業性そのものを改善するものではない。さらに、特開昭58−46547号公報では、成分以外の材質についてはASTM粒度を8とするのみであり、機械特性のような成形性の指標に関しては記載がない。
【0016】
特開昭59−173219号公報は、現在主流のキルド鋼ではなくリムド鋼(キャップド鋼)を前提としており、また、オープンコイル焼鈍をはさんだ2回の冷間圧延を施すので、製造コストが高く、安価大量生産に必ずしも好適とはいえない面がある。また、「折曲、点溶接加工などによって造る限りにおいては、その成形加工に充分耐えられることが確認された」との記載があるものの、曲げ加工が容易か否かに関しては言及されていない。
【0017】
特開昭61−174360号公報は、折り曲げ加工時に発生する黒化皮膜の剥がれの問題を解決するものであり、黒化処理前の母材の曲げ加工性に関するものではない。
【0018】
特開昭62−280328号公報および特開昭62−280329号公報では、成形性に優れるというものの具体的な加工形態に関する記載がなく、特に、曲げ加工性を向上させるための機械特性の指標までは示されていない。
【0019】
特開平2−61029号公報において、硬度Hv(500g)が90以上と限定している理由は、鋼板製造時のトラブル解消、製品素材の形状改善、客先でのプレス加工時や黒化処理時のハンドリング性向上であり、曲げ加工性との関連は示されていない。特開平2−170919号公報においても、硬度Hv(500g)が90以上と限定しているが、その理由は、鋼板製造時のトラブル解消、製品素材の形状改善、客先でのプレス加工時や黒化処理時のハンドリング性向上であり、曲げ加工性との関連は示されていない。また、曲げ加工によれば磁気特性劣化を低減できることを示すものであり、曲げ加工性に関する記載はない。
【0020】
特開平3−146644号公報では、その実施例において成形加工性を円筒絞り試験の破断限界径と有効深さとで評価しており、曲げ加工とは変形様式が異なるため、曲げ加工性に優れた鋼板に関する指標を示すものとはいえない。
【0021】
特開平9−78130号公報には、機械特性として、引っ張り強度の目標値が40kgf/mm以上であることが記載されているが、その目的はハンドリング強度の確保であり、曲げ加工性との関連は示されていない。
【0022】
特開平10−46249号公報には、機械特性として、引張伸びの目標値が35%以上であることが記載されているが、優れた曲げ加工性を達成するための具体的指標は示されていない。
【0023】
このように、いずれの技術も、曲げ加工性の改善について具体的指針を示しておらず、実際の磁気シールド材の曲げ加工作業にあたっては、金型の設計や成形条件の調整に多大な労力を要求されているのが現状である。
【0024】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、曲げ加工性に優れた磁気シールド用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、磁気シールド用鋼板の曲げ加工性に及ぼす機械特性の影響を調査・検討した結果、鋼板の降伏点伸びが3%以上の場合に曲げ加工時のスプリングバックが低減することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0027】
すなわち、発明は、重量%で、C:0.001%以上0.1%以下、Si:0.3%未満、Mn:1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.04%以下、Sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下であり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、降伏点伸びが3%以上であることを特徴とする磁気シールド用鋼板を提供する。
【0028】
発明は、重量%で、C:0.001%以上0.1%以下、Si:0.3%未満、Mn:1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.04%以下、Sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.0003%以上0.01%以下であり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、降伏点伸びが3%以上であることを特徴とする磁気シールド用鋼板を提供する。
【0029】
発明は、上記第1発明または発明において、鋼板の表面にCrまたは/およびNiめっきを有することを特徴とする磁気シールド用鋼板を提供する。
【0030】
発明は、上記第発明または第発明に記載の成分組成を有する鋼スラブを、直接または再加熱して熱間圧延を行い、酸洗し、冷間圧延し、焼鈍し、その後必要に応じて伸長率1.5以下の調質圧延を実施することを特徴とする磁気シールド用鋼板の製造方法を提供する。
【0031】
発明は、上記第発明または第発明に記載の成分組成を有する鋼スラブを、直接または再加熱して熱間圧延を行い、酸洗し、冷間圧延し、焼鈍し、その後必要に応じて伸長率1.5以下の調質圧延を実施し、さらにCrめっきまたは/およびNiめっきを施すことを特徴とする磁気シールド用鋼板の製造方法を提供する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の磁気シールド用鋼板は降伏点伸びが3%以上である。降伏点伸びは本発明にとって最も重要な要素であり、このように降伏点伸びを3%以上にすることにより、鋼板を曲げ加工する場合のスプリングバック量を従来材に比べて低減することができる。さらに降伏点伸びが増大するとスプリングバック量は単調に低減する。このため、好ましくは5%以上、さらに好ましくは8%超の降伏点伸びを有するものとする。
【0034】
次に、鋼の成分組成について説明する。
本発明では、降伏点伸びが3%以上であれば鋼の成分組成は特に限定されるものではないが、好ましい成分組成として、重量%で、C:0.001%以上0.1%以下、Si:0.3%未満、Mn:1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.04%以下、Sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、またはこれらに加えてB:0.0003%以上0.01%以下が挙げられる。以下、各成分をこのように規定した理由について説明する。
【0035】
C:Cは、降伏点伸びを確保する上で重要な元素であり、この点からC含有量を0.001%以上とした。より降伏点伸びを大きくする観点からはC含有量が0.005%超であることが好ましい。一方、過度にCを含有させると炭化物の粗大化を招き、磁気特性劣化につながるため、C含有量を0.1%以下とした。好ましくは0.06%以下である。
【0036】
Si:Siは、焼鈍時に表面に濃化しやすく、めっきの密着性を劣化させるので望ましくない。このためSi含有量を0.3%未満とした。
【0037】
Mn:Mnは、鋼板強度を高めて鋼板のハンドリング性を改善するのに有効な元素であるが、過度に添加するとコストが増大するので、その含有量を1.5%以下とした。
【0038】
P:Pは鋼板の強度を高めるのに有効な元素であるが、添加量が多すぎると、偏析によって製造中に割れが発生しやすくなる。このためP含有量を0.05%以下とした。
【0039】
S:Sは少ない方が陰極線管内部の真空度を保つ観点から望ましく、このような観点からその含有量を0.04%以下とした。
【0040】
Al:Alは脱酸に必要な元素であるが、添加量が多すぎると介在物が増加するため望ましくなく、その含有量をSol.Alとして0.1%以下とした。
【0041】
N:NはCと同様、降伏点伸びを大きくする上で有効な元素であるが、多量に添加すると鋼板表面に欠陥が発生しやすくなるため、その含有量を0.01%以下とした。
【0042】
B:Bは鋼板を硬質化させ、磁気シールド部材のハンドリング性を改善させるため有効な元素であるから、必要に応じて添加する。しかし、その量が0.0003%未満ではその効果が有効に発揮されず、0.01%を超えて過剰に添加した場合には、再結晶温度を上昇させたり、鋼板が過度に硬質化するなどの問題を生じる。このため、Bを添加する場合には、その含有量を0.0003%以上0.01%以下とする。
【0043】
鋼板の板厚に関しては、本発明では特に限定しない。ただし、磁気シールド性、および、磁気シールド部品としての剛性を確保するためには0.05mm以上が好ましい。一方、磁気シールド性を高めるためには板厚は大きい方が望ましいが昨今のカラーテレビの大型化、ワイド化にともない、テレビセットの軽量化が望まれているため、0.5mm以下が好ましい。
【0044】
次に、めっきについて説明する。
Crめっき層または/およびNiめっき層を有することが錆防止の観点から望ましい。めっき層は単層であっても複層化してもよく、めっき層を形成する面は鋼板の一方の面であっても両方の面であってもよい。めっき層は、錆発生を抑制するばかりでなく、陰極線管に組み込まれたときに鋼板からのガス発生を抑制する上でも有効である。付着量については特に規定する必要はなく、鋼板表面を実質的に被覆することができる程度の付着量を適宜選択すればよい。また、部分的にまたは全面にNiめっきを施した後にクロメート処理を施して鋼板表面を被覆してもよい。
【0045】
次に、製造方法について説明する。
本発明では、上記成分組成を有する鋼を溶製した後、連続鋳造して得られた鋼スラブを、熱間圧延し、酸洗し、冷間圧延し、焼鈍し、その後必要に応じて伸長率1.5以下の調質圧延を実施する。
【0046】
熱間圧延は、連続鋳造したスラブに対して直接行ってもよいし、一旦冷却したスラブを再加熱してから行ってもよい。直接熱間圧延する場合には、若干加熱してから圧延を行うようにしてもよい。再加熱する場合の加熱温度は1050℃以上1300℃以下が望ましい。1050℃未満では、熱間圧延時に仕上温度をAr変態点以上とすることが困難となる。また、1300℃を超えると、スラブ表面に発生する酸化物量が多くなり望ましくない。熱間圧延の仕上温度は、熱間圧延後の結晶粒径を均一にするため、Ar変態点以上とすることが好ましい。巻取温度は700℃以下が好ましい。700℃を超えると、熱間圧延後の結晶粒界にFeCがフィルム状に析出し、均一性を損なうため好ましくない。
【0047】
冷間圧延の際の冷間圧延率(圧下率)は70%以上94%以下が好ましい。70%未満では、焼鈍後の結晶粒が粗大になり、鋼板が過度に軟質化するため望ましくない。また、冷間圧延率が94%を超えると圧延負荷が過大となるため好ましくない。より望ましくは90%以下である。
【0048】
焼鈍は600℃以上850℃以下の温度での連続焼鈍が好ましい。600℃未満では完全に再結晶が終了せず鋼板強度が過剰となるため好ましくない。また、焼鈍温度が高過ぎると焼鈍後の結晶粒が粗大化し過度に軟質化してハンドリング性を劣化させるので850℃以下が望ましい。より望ましくは780℃以下である。
【0049】
焼鈍後、必要に応じて調質圧延を施す。大きな降伏点伸びを確保するためには冷間圧延歪みはできるだけ小さい方が好ましく、この点からすると調質圧延は行わないほうが望ましい。ただし、鋼板形状を矯正する目的などでやむを得ず調質圧延を行う場合には、伸長率はできるだけ小さくすべきであり、上限を1.5%とすることが好ましい。鋼板の形状に対する問題が軽微な場合には、1.0%以下とすることがさらに望ましい。
【0050】
このようにして、必要に応じて調質圧延を行った後、必要に応じて鋼板の表面にNiめっきまたは/およびCrめっきを施す。
【0051】
以上のような一連の処理により、降伏点伸びが3%以上である磁気シールド用鋼板を得ることができる。
【0052】
【実施例】
表1のA〜Eで示す供試鋼を溶製後、鋼A、Bは仕上温度890℃、巻取温度620℃で、鋼C、D、Eは仕上温度870℃、巻き取り温度620℃で各々熱間圧延し、酸洗し、冷間圧延率85〜92%で冷間圧延を行い板厚を0.3mmとした。次いで630〜850℃で再結晶焼鈍し、そのまま、または一部についてはさらに0.3〜1.8%の調質圧延を施した後、鋼板の両面にCrめっきを施して供試材とした。Crめっきは下層が付着量95〜120mg/mの金属Cr層、上層が付着量(金属Cr換算)12〜20mg/mの水和酸化物Cr層とした。なお、表1のA鋼は従来材である。
【0053】
以上の要領で得られた供試材について、L方向の引張試験を実施し、降伏点伸びを測定した。また、30mm×100mmの曲げ試験片を採取し、先端半径2mmのポンチを用いて90度曲げを施し、加工後の曲がり角度を測定した。スプリングバック量は、加工後の曲がり角度と90度との差として定義される。この際の鋼種、焼鈍温度、調質圧延の伸長率、降伏点伸び、曲げ試験結果(スプリングバック量)を表2に示す。
【0054】
表2に示すように、従来材のA鋼を用いた試験No.1およびE鋼を用いた中で試験No.9は、調質圧延の伸長率が大きく、いずれも降伏点伸びが3%未満と本発明の範囲を外れており、スプリングバック量が大きくなり、曲げ加工性が劣っていた。これに対し、降伏点伸びが3%以上と本発明の範囲を満たす試験No.2〜8は、スプリングバック量が小さく、曲げ加工性に優れたものとなった。なお、C方向の場合についても、以上のL方向の場合と同様の結果が得られた。
【0055】
【表1】
Figure 0003765222
【0056】
【表2】
Figure 0003765222
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、曲げ加工時のスプリングバック量の小さい曲げ加工性に優れた磁気シールド用鋼板を得ることができる。本発明の磁気シールド用鋼板はカラー陰極線管用として特に適しており、本発明に係る鋼板を用いることにより、鋼板に曲げ加工を施してカラー陰極線管用の磁気シールド部材に組み立てるにあたり、曲げ加工の金型設計や加工条件の調整作業などが軽減される。

Claims (5)

  1. 重量%で、C:0.001%以上0.1%以下、Si:0.3%未満、Mn:1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.04%以下、Sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下であり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、降伏点伸びが3%以上であることを特徴とする磁気シールド用鋼板。
  2. 重量%で、C:0.001%以上0.1%以下、Si:0.3%未満、Mn:1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.04%以下、Sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.0003%以上0.01%以下であり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、降伏点伸びが3%以上であることを特徴とする磁気シールド用鋼板。
  3. 鋼板の表面にCrまたは/およびNiめっきを有することを特徴とする請求項1または請求項に記載の磁気シールド用鋼板。
  4. 請求項または請求項に記載の成分組成を有する鋼スラブを、直接または再加熱して熱間圧延を行い、酸洗し、冷間圧延し、焼鈍し、その後必要に応じて伸長率1.5以下の調質圧延を実施することを特徴とする磁気シールド用鋼板の製造方法。
  5. 請求項または請求項に記載の成分組成を有する鋼スラブを、直接または再加熱して熱間圧延を行い、酸洗し、冷間圧延し、焼鈍し、その後必要に応じて伸長率1.5以下の調質圧延を実施し、さらにCrめっきまたは/およびNiめっきを施すことを特徴とする磁気シールド用鋼板の製造方法。
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