JP3763447B2 - 光記録媒体読取装置、及び光記録媒体読取用信号処理回路並びにピックアップ - Google Patents

光記録媒体読取装置、及び光記録媒体読取用信号処理回路並びにピックアップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROM、CD−DA、DVD等の光記録媒体の情報を読み取る光記録媒体読取装置、及び光記録媒体読取用信号処理回路並びにピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体としては、コンパクトディスク(CD)などのディスク状記録媒体が広く用いられており、例えば、CD−ROM等の光ディスクの再生を行う光ディスク読取装置では、媒体上に記録された情報を光学的に読み取る際に、半導体レーザ等による再生用の光ビームを目的の記録トラック上に集光、照射してビームスポットを形成し、この光ビームの媒体での反射光(戻り光)を光検出器で受光して、その出力に基づいて記録情報に対応する読み取り信号を生成するようになっている。
【0003】
従来の光ディスク読取装置では、ピット列が形成されてなる媒体上の記録トラックを光ビームが適切にトレースするように、所定のスポット径に光ビームを集光させる手段(フォーカシングサーボ)、所定の記録トラック(ピットの列)に光ビームを追従させる手段(トラッキングサーボ)、記録媒体の回転制御(スピンドルモータの制御)により該媒体からの読み取り速度を制御する手段(スピンドルサーボ)、及び光ビームを所定位置の記録トラックに移動(シークやトラックジャンプ)させて所定の記録情報にアクセスする手段(トラバースサーボ)などが用いられていた。これらの手段によって、記録媒体上のピット情報をエラーなく読み取ることが可能となる。
【0004】
図21は従来の光ディスク読取装置の構成例を概念的に示した構成説明図である。光ディスク読取装置は、情報読み取り用のレーザ光を発するレーザダイオード(LD)101、ハーフミラー102、レーザ光の光ビームを光ディスク103上に集光する対物レンズ104、光ディスク103からの戻り光を受光するフォトディテクタ(PD)105を有するピックアップを備えている。このピックアップには、対物レンズ104を光ビームの光軸方向に変位させるアクチュエータを含むフォーカンシングサーボ機構106と、対物レンズ104を光ビームの光軸と垂直方向に変位させるアクチュエータを含むトラッキングサーボ機構107とが設けられている。また、光ディスク読取装置には、光ディスク103を回転駆動するスピンドルモータを制御するスピンドルサーボ機構108と、ピックアップを光ディスク103の半径方向に移動させるトラバースモータを制御するトラバースサーボ機構109とが設けられている。
【0005】
上記のような構成において、各サーボ機構を動作させて対物レンズ104より照射する光ビームの位置制御を行い、光ディスク103の所定の記録トラックに対するビームスポットの位置や光ビームの焦点を調節することによって、所定のピット列を適切にトレースできるようにする。レーザダイオード101から出射されたレーザ光の光ビームは、ハーフミラー102、対物レンズ104を通って光ディスク103上に照射され、光ディスク103からの戻り光が対物レンズ104、ハーフミラー102を通ってフォトディテクタ105に入射し受光される。そして、フォトディテクタ105で光電変換された出力信号(RF信号)によって、光ディスク103からの戻り光の強弱による読み取り信号が得られる。このRF信号を後段の図示しない信号処理半導体(DSPなど)にてディジタル化、復調処理等を行うことによって、光ディスク103に記録された情報の再生信号が生成され、再生データの読み取りが実現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の光ディスク読取装置では、ピックアップ等の光学読み取り系においてフォーカシングサーボやトラッキングサーボを必ず設ける必要があるため、これらのサーボ機構の構成が複雑となったり、各サーボ機構を制御する専用のサーボ処理回路が必要となっていた。また、サーボ処理回路を制御する制御用マイコン(装置のコントローラ)のソフトウェアも複雑な制御手順にしたがって設計する必要があった。また、従来の装置構成では、物理的にフォーカシングのためのレンズを上下動させる必要性から、制御機構のアクチュエータを電磁的に空間に浮遊させる構造となるため、衝撃等の外乱により読み取り信号が途切れることがあった。このように、従来の光記録媒体読取装置においては、装置構成が大型化、複雑化し、装置コストの削減が困難であるとともに、光学系機構における不安定要因により再生信号の途切れやエラーが生じるおそれがあるなどの問題点があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、光記録媒体の情報読み取りのための構成を簡素化でき、従来の光学系機構が持つ不安定要因を取り除きつつ、低価格化が可能な光記録媒体読取装置、及び光記録媒体読取用信号処理回路並びにピックアップを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による光記録媒体読取装置は、ディスク状媒体である光記録媒体の記録面に形成された光学的読み取り可能な情報記録領域であるピットを含む所定領域の記録情報画像を、所定角度ごとに撮像して撮像画像を得る撮像手段と、前記撮像手段により得られた光記録媒体記録面の各撮像画像の画像データを接合して記録面画像として記憶する画像記憶手段と、前記記録面画像に基づいて前記光記録媒体上のピットの長さ及び間隔を含むピット長情報を得るピット長情報検出手段と、前記ピット長情報に基づいて前記ピットの読み取り信号に相当する仮想読み取り信号を生成する読み取り信号生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
前記撮像手段は、例えば、CCDやMOS撮像素子などの撮像素子を用いて構成し、読み取り用のピックアップ内などに搭載する。
【0011】
また、好ましくは、前記撮像手段により得られた撮像画像を2値化する2値化手段を備え、前記画像記憶手段はこの2値化された記録面画像の画像データを記憶することとする。
また、好ましくは、前記画像記憶手段において、各撮像画像の画像データを接合して記憶する際に、隣り合う撮像画像の暗部及び明部のパタンを解析した解析結果を基に、撮像画像の有効領域を前記光記録媒体の偏芯量だけずらしてパタンの一致する画像を接続する電気的な偏芯補正手段を備えるものとする。
また、好ましくは、前記記録面画像を基に前記光記録媒体の偏芯量を算出する偏芯制御部と、前記光記録媒体の回転に同期する同期信号を発生する同期信号発生部と、前記光記録媒体の情報を読み取るピックアップを光記録媒体の半径方向に駆動するトラバースモータを制御するために、前記算出した偏芯量を係数として前記同期信号に乗算した値を基にトラバースモータ補正信号を生成する補正信号発生部と、前記トラバースモータ補正信号を用いて前記トラバースモータを駆動するモータ駆動制御部とを有する機械的な偏芯補正手段を備えるものとする。
【0012】
また、好ましくは、前記ピット長情報検出手段により得られたピット長情報をピット列に従って順次格納するピット長情報格納手段を備えることとする。
【0013】
前記読み取り信号生成手段は、例えば、ピット長情報としてのピット長やピット間隔のデータを用いて、光記録媒体上に記録されたピット列の配置形態の検出結果に対応する読み取り信号の代わりとなる仮想読み取り信号を生成する。
【0014】
また、好ましくは、前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む信号処理回路を一つの半導体チップに実装して構成したものとする。
【0015】
或いは、前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む信号処理回路を実装した第1の半導体回路に、前記仮想読み取り信号の復調処理を行う第2の信号処理回路を含む第2の半導体回路を接続したものとする。
【0016】
或いは、前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む第1の信号処理回路と、前記仮想読み取り信号の復調処理を行う第2の信号処理回路とを一体的に半導体チップに実装して構成したものとする。
【0017】
前記読み取り信号生成手段までの信号処理回路と後段の仮想読み取り信号の復調処理を行う信号処理回路とを別体に構成した場合は、後段の信号処理回路として一般に用いられる光ディスク再生用の信号処理回路を用いることが可能となる。また、前記読み取り信号生成手段までの信号処理回路と後段の仮想読み取り信号の復調処理を行う信号処理回路とを一体的に構成した場合は、半導体回路や装置の小型化が可能となるとともに、一体化に伴って不要となる回路を削減できるため、装置構成の簡略化が可能となる。
【0018】
本発明による光記録媒体読取用信号処理回路は、ディスク状媒体である光記録媒体の記録面に形成された光学的読み取り可能な情報記録領域であるピットを含む所定領域の記録情報画像を、所定角度ごとに撮像して得られた光記録媒体記録面の各撮像画像の画像データを接合して記録面画像として記憶する画像記憶手段と、前記記録面画像に基づいて前記光記録媒体上のピットの長さ及び間隔を含むピット長情報を得るピット長情報検出手段と、前記ピット長情報に基づいて前記ピットの読み取り信号に相当する仮想読み取り信号を生成する読み取り信号生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明による光記録媒体読取用ピックアップは、光記録媒体に照射する光ビームを発生する光源と、前記光記録媒体上での前記光ビームの戻り光を受光し、前記光記録媒体の記録面に形成された光学的読み取り可能な情報記録領域であるピットを含む所定領域の記録情報画像を撮像する撮像素子と、前記光源からの光ビームを前記光記録媒体に導き、前記光記録媒体上での当該光ビームの戻り光を前記撮像素子に導く導光手段と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、好ましくは、前記導光手段は、前記光ビームの戻り光のビーム径を拡大する拡大手段を有することとする。
【0021】
前記光源としては、例えば、レーザダイオードなどの半導体レーザを用い、撮像素子としてはCCDやMOS撮像素子などを用いる。導光手段には、例えば、光源からの出射光を所定のビーム径とするスリット、光ビームを光記録媒体の記録面や撮像素子に向けるミラーやハーフミラーなどが設けられる。導光手段における拡大手段としては、例えば、凹レンズや平凹レンズ、凹面鏡などを用いることとする。
【0022】
上記構成においては、撮像手段によって光記録媒体記録面の所定領域ごとのピット列の画像として撮像し、ピット長情報を得るようにしているため、光記録媒体読取装置において一般的に必要であった、光ビームスポットの合焦状態を調整するフォーカシングサーボ機構が不要となる。また、トラッキングサーボについても、光ビームスポットを特定のピット列のトラックに精密に追従させる必要がなくなる。
【0023】
このため、より高度な設計技術力を要するサーボ機構やその制御系を簡素化することが可能となり、光学系を含むピックアップの構成を簡単にでき、軽量化も図れる。光学系の軽量化により、装置の耐振動性能が向上する。また、サーボ用の光学系駆動機構が不要であるため、ピックアップの衝撃に対する耐性も高くなり、常に安定した動作を行える。結果として、従来の光学系機構が有していた不安定要因を除去可能となるとともに、光記録媒体読取装置の小型化、軽量化、低価格化が実現可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態では、光記録媒体読取装置の一例として、円板状の光記録媒体である光ディスクに記録された情報を光学的に読み取って再生信号を得る光ディスク読取装置の構成及び動作を説明する。光ディスクとしては、CD−ROM等のエンボス型(スタンプ型)の読み出し専用ディスクだけでなく、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等の色素系の書き込み可能ディスクや相変化型ディスクなども使用可能である。なお、ここでは光ディスク読取装置についてのみ例示するが、本発明は、光ディスクに限らず、光カードなどの他の光記録媒体を読み取る装置にも適用可能である。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る光ディスク読取装置のピックアップ部の構成を示す構成説明図、図2はピックアップ内部の光学系の第1構成例を示す構成説明図、図3はピックアップ内部の光学系の第2構成例を示す構成説明図である。
【0026】
光ディスク読取装置は、図1の(A),(B)に示すように、情報読取系として、光ディスク11を回転駆動するスピンドルモータ12と、光ディスク11の記録面に記録された情報(ピット列)を読み取るためのピックアップ13と、ピックアップ13を光ディスク11の半径方向に駆動して所定の記録トラック上に位置させるトラバースモータ14とを有している。
【0027】
ピックアップの第1構成例を図2に示す。ピックアップ13は、レーザダイオード(LD)15などの半導体レーザによる情報読み取り用光ビームの光源を備えており、レーザダイオード15の前方には、レーザダイオード15からの平行ビームの出射光を所定の形状及び大きさ(ビーム径)の光ビーム17に整形するスリット16が配設されている。また、光ビーム17の光路中には、光ビーム17を光ディスク11に導くハーフミラー18と、光ディスク11からの光ビーム17の戻り光を光検出器に導くミラー19と、光ビーム17の戻り光のビーム径を所定倍率で拡大する凹レンズ20と、前記拡大された戻り光を再度平行ビームとする凸レンズ21とが設けられている。ここで、ハーフミラー18の反射率は50%程度、ミラー19の反射率は約100%とする。
【0028】
さらに、光ディスク11上の所定領域の記録情報を画像情報として撮像し検出する撮像素子22が設けられており、前記光学系を通過した光ディスク11からの光ビーム17の戻り光が撮像素子22の撮像面に入射し、光ディスク11の記録面における所定領域の画像が撮像されるようになっている。撮像素子22としては、CCDやMOS撮像素子などが好適であるが、その構成は限定されるものではなく、2次元的な画像情報を得ることができるものであれば、cdsを2次元アレイ状に配列したものなど、いずれでも用いることができる。
【0029】
レーザダイオード15より出射した光ビーム17は、スリット16を通って所定の形状及びビーム径に整形された後、ハーフミラー18を反射して光ディスク11の記録面に照射される。光ディスク11にて反射した戻り光は、ハーフミラー18を透過してミラー19で反射し、凹レンズ20で拡大されて凸レンズ21で平行ビームとされた後、撮像素子22に入射して結像し、光電変換されて撮像素子22より画像信号として出力される。本実施形態では、凹レンズ20を用いて戻り光のビーム径を拡大することにより、撮像素子22における分解能を向上させることができる。
【0030】
ピックアップの第2構成例を図3に示す。第2構成例のピックアップ13aは、光ビームを拡大する手段として凹レンズ20の代わりに凹面鏡23を設けたものである。凹面鏡23で反射され拡大された光ビームの光路中には、拡大された戻り光を再度平行ビームとする凸レンズ24と、光ディスク11上の記録情報を画像情報として撮像し検出する撮像素子22とが設けられている。この例では、レーザダイオード15より出射した光ビームは、スリット16を通って所定の形状及びビーム径の光ビーム17に整形された後、ハーフミラー18を透過して光ディスク11の記録面に照射される。光ディスク11にて反射した戻り光は、ハーフミラー18を反射して凹面鏡23に導かれ、凹面鏡23で反射されてビーム径が所定倍率で拡大された後、撮像素子22に入射して撮像される。なお、図の記載ではハーフミラー18から凹面鏡23への光路と凹面鏡23から撮像素子22への光路とが重なって見えるが、実際には光路が重ならないように各光学素子が3次元的に配置されている。
【0031】
このように、ピックアップの光学系の構成については、種々の変形例が考えられる。光ディスクに記録されたピット列の画像を撮像素子で撮像できればどのようなものでも用いることができる。なお、撮像素子の分解能が高いものであれば、凹レンズなどの光ビームの拡大手段を設けずに、直接的に光ディスクで反射した光ビームの戻り光を撮像するような構成とすることも可能である。この場合、レンズなどを設ける必要がないので、場合によってはレーザ光源と撮像素子のみでピックアップを構成することも可能であり、構成をさらに簡素化できる。
【0032】
上記のような本実施形態の光学系では、ピックアップ13より平行光の光ビームを光ディスクに向けて照射するため、光ディスクの記録面とピックアップとの距離が変動しても、撮像素子22上では常に同一の記録情報画像が得られる。このため、従来必要であったフォーカシングサーボ機構を省略することができ、ピックアップの構成の簡素化、小型化、軽量化を図れる。この場合、対物レンズを上下方向及び左右方向へ電磁的に駆動するコイルを設ける必要がなく、ピックアップ全体の質量を抑えることが可能であり、対振性に優れる。また、データ読み取り時のピックアップ移動動作時にも、慣性の影響が小さく、安定動作を実現できる。
【0033】
図4は光ディスク読取装置の信号処理部の構成を示すブロック図である。上述した構成のピックアップにおいて、撮像素子22には図4に示すように光ディスク上の記録マークであるピットの画像が撮像される。ここでは、CD−ROM等のエンボス型の光ディスクの場合を示している。エンボス型と色素系や相変化型のそれぞれの光ディスクでの撮像画像の違いについては後述する。
【0034】
撮像素子22の後段の信号処理部には、撮像された画像信号を2値化する2値化手段に該当する2値化処理ブロック31、2値化した画像データを一時的に記憶する画像記憶手段に該当する画像メモリ32、画像メモリ32の書き込み及び読み出しを制御する画像メモリ管理ブロック33、画像データから各ピットの長さ(以下、ピット長という)とピットの間隔(以下、ピット間隔という)のデータを算出するピット長情報検出手段に該当する画像認識ブロック(ピット長計測ブロック)34、前記ピットの長さに関する情報(以下、ピット長情報という)を格納するピット長情報格納手段に該当するピット長データ格納メモリ35が設けられる。また、ピット長情報から擬似的なEFM信号(以下、仮想EFM信号という)を生成する読み取り信号生成手段に該当する仮想EFM信号生成ブロック36、ピット長格納メモリ35及び仮想EFM信号生成ブロック36の動作を制御するピット長メモリ読み出し管理ブロック37、前記仮想EFM信号を生成するタイミング信号を発生するタイミング発生ブロック38、仮想EFM信号から光ディスクの再生信号を生成する光ディスク再生用信号処理部(CD用信号処理LSI)39が設けられる。
【0035】
なお、本実施形態ではCD−ROMや音楽用CD等を再生する信号処理部の構成を例示する。通常、これらのCD系の光ディスクでは情報記録用の変調信号としてEFM信号(8−14変調符号による信号)が用いられており、再生処理回路ではEFM信号の読み取り及び復調処理を行って再生信号を得ている。従来の装置では、光ディスクの記録情報を読み取る場合に、ピックアップのフォトディテクタから出力信号(RF信号)としてEFM信号を得ており、本実施形態ではこれに対応する仮想EFM信号を撮像画像に対する信号処理によって生成する。
【0036】
撮像素子22で所定タイミングごとに撮像され出力された光ディスク記録面の画像信号は、2値化処理ブロック31で2値化されてディジタルの画像データに変換され、画像メモリ32に一旦記憶される。撮像素子で得られた複数色のアナログ画像情報のままでは、信号処理するのに大量のメモリを必要とするため、ここではピットの有無が検出できればよいので画像信号を2値化して明るさレベル(輝度レベル)を2値で格納する。画像メモリ管理ブロック33では、画像メモリ32に対する画像データの書き込み及び読み出し処理の制御を行う。具体的には、光ディスクの所定角度ごとに離散的に取得された各画像データについて、隣接する画像データとの接合を行い、後段の画像認識ブロック34に対して、ピット列の配列として扱えるように加工し出力する。
【0037】
次いで、画像認識ブロック34において、画像メモリ32に記憶された画像データから必要なピット長とピット間隔のデータを算出し、これらのデータをピット長データ格納メモリ35内に順序正しく配列として格納する。そして、仮想EFM信号生成ブロック36において、ピット長データ格納メモリ35に格納されたピット長情報から仮想EFM信号を合成し、光ディスク再生用信号処理部39に出力する。このとき、ピット長メモリ読み出し管理ブロック37によって、タイミング発生ブロック38で発生したタイミング信号に基づいてピット長データ格納メモリ35及び仮想EFM信号生成ブロック36での処理動作の制御を行う。仮想EFM信号生成ブロック36では、ピット長情報から同期のための情報(例えば、44.1kHzの同期パターン)を検索し、ピット長データ格納メモリ35に格納されているピット長情報を順序正しく読み出して所定単位ごとに仮想EFM信号を生成する。
【0038】
この仮想EFM信号は、一般的なCD系光ディスクの再生処理回路で生成されるEFM信号と同等のものであり、後段の光ディスク再生用信号処理部39は従来と同様の構成を用いることができる。光ディスク再生用信号処理部39において、仮想EFM信号の復調処理が行われ、再生信号が出力として得られる。
【0039】
図5は本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第1の構成例を示したブロック図である。再生信号処理半導体42は、前述の2値化ブロック31、画像メモリ32、画像メモリ管理ブロック33、画像認識ブロック34、ピット長データ格納メモリ35、仮想EFM信号生成ブロック36、ピット長メモリ読み出し管理ブロック37、タイミング発生ブロック38を含む各機能を実現する電子回路を半導体チップ内部に集積して構成される。この再生信号処理半導体42の入力部には、撮像素子22と撮像素子制御部41とが接続される。再生信号処理半導体42の出力部には、前述の光ディスク再生用信号処理部39が接続され、光ディスク再生用信号処理部39の後段にECCデコーダ43とオーディオ用DAコンバータ44とが接続される。
【0040】
再生信号処理半導体42の画像メモリ管理ブロック33の制御に従って、撮像素子制御部41により撮像素子22の撮像タイミングなどの制御が行われ、得られた画像信号が再生信号処理半導体42に入力されて上述したような仮想EFM信号生成処理が行われる。この仮想EFM信号は、別体の半導体で構成された光ディスク再生用信号処理部39に出力され、ここで復調処理などが行われて再生信号として出力される。この再生信号は、オーディオ信号データでないディジタルデータの場合はECCデコーダ43にてエラー訂正処理などが行われ、後段の図示しないデータ処理部へ転送される。また、オーディオ信号データの場合は、オーディオ用DAコンバータ44にてアナログのオーディオ信号に変換され、後段の図示しないオーディオ信号処理部へ送出される。
【0041】
図6は本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第2の構成例を示したブロック図である。この第2の構成例は、第1の構成例における再生信号処理半導体42と光ディスク再生用信号処理部39とを一体的に同一チップ内に集積してCD再生処理半導体45を構成した例である。他の部分の構成は第1の構成例と同様である。第1の構成例のように、汎用性のある従来と同様構成の光ディスク再生用信号処理部39を外部に設けて、前段部分の機能構成のみを集積することも可能であるし、第2の構成例のように、再生信号処理半導体42と光ディスク再生用信号処理部39とを一体的に集積して1チップデバイスとして構成することもできる。半導体の実装形態は特に限定されない。
【0042】
図7は本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第3の構成例を示したブロック図である。この第3の構成例は、CD再生処理回路を1チップ半導体で構成した場合の変形例である。1チップ構成の場合は、出力として光ディスク再生用信号処理部39と同様の再生信号が得られればよいため、必ずしも仮想EFM信号を生成する必要がない。そこで、出力部に再生信号エンコーダ46を設けて、ここでピット長データ格納メモリ35に記憶されたピット長情報から直接的に再生信号を生成して出力するようなCD再生処理半導体47を構成する。後段にはECCデコーダ43とオーディオ用DAコンバータ44とが直接接続される。他の部分の構成は第1の構成例と同様である。
【0043】
第3の構成例では、ピット長メモリ読み出し管理ブロック37の制御に従って、タイミング発生ブロック38からのタイミング信号に基づき、ピット長データ格納メモリ35に格納されたピット長情報の読み出し、信号合成処理などが行われ、最終的な再生信号が生成されてCD再生処理半導体47より出力される。
【0044】
第1の構成例では、従来からある一般的な光ディスク再生用の信号処理回路をそのまま用いて組み合わせることができるため、従来の装置に対して最低限の設計変更で本実施形態を適用可能である。また、装置構成の自由度も高い。一方、第2及び第3の構成例では、CD再生用の信号処理回路の主要部を1チップ半導体で構成できるため、さらなる装置の小型化が可能であり、量産による低コスト化の効果も大きい。第3の構成例では、信号処理回路の構成を簡略化できるので、より一層の小型化が図れる。
【0045】
次に、撮像素子22としてCCDを用い、光ディスク11としてCD−ROM等のエンボス型の光ディスクを用いた場合とCO−R等の色素系や相変化型の光ディスクを用いた場合とにおける撮像画像の例を示す。図8はエンボス型の光ディスクの記録面とこれに対応するCCD撮像面の画像とを示す説明図、図9は色素系又は相変化型の光ディスクの記録面とこれに対応するCCD撮像面の画像とを示す説明図である。
【0046】
現在一般的に入手可能なCCD撮像素子は、例えば200万画素クラスのものでは、CCD画素のサイズが約4μmである。光ディスク上のピットの幅、ピット長、及びピット間隔を正確に読み出すためには、例えばCDのピット幅が約0.4μmであることから、光学系としては100倍程度のビーム径拡大を行うことでピット情報の読み取りが可能となる。図1のピックアップ構成では、凹レンズ20を含む拡大手段において約100倍拡大する。これにより、拡大されたピットの像がCCDの撮像面に投影され、十分な解像度で撮像可能であり、後段の信号処理で適切なピット長情報が得られる。
【0047】
図8の(A),(B)に示すように、エンボス型の光ディスクでは、スタンプ等の手法によりランド51の部分に対して凹んだピット52が形成されている。このピット52のエッジ部分は、物理的な傾斜を有しており、光ビームを照射した場合に、この傾斜部分では入射光の反射方向が変わって撮像素子へ向かう光路から外れる。すなわち、撮像素子から見るとピットのエッジ部分の戻り光はランド部分に比べて暗い陰53となり、撮像素子の画素54上にはこのピットの輪郭を表す像が投影される。この性質を利用して、ピットの輪郭情報を含む画像を撮像する。
【0048】
一方、図9の(A),(B)に示すように、色素系又は相変化型の光ディスクでは、ランド55の部分とピット56の部分とで凹凸はない。例えば、有機色素を用いたCD−Rに情報の書き込みを行う場合、有機色素の組成をレーザビームの高温により変化させてしまうことで、光の反射率を低下させてピット56を記録する。また、CD−RW等の相変化型では、同じくレーザビームの高温により物質の相(結晶構造、または方位性)を破壊することにより、光の反射率の低いピット56を記録する。これらを撮像素子から見ると、ピット部分の戻り光はランド部分に比べて暗い陰57となり、撮像素子の画素58上にはこのピットの形状を表す像が投影される。この性質を利用して、ピットの形状情報を含む画像を撮像する。
【0049】
図10はエンボス型の光ディスクと色素系や相変化型の光ディスクとでそれぞれ得られる2種類の撮像画像を後段の同一の信号処理回路によって処理可能にするためのフィルタ処理を示す説明図である。
【0050】
CDやCD−ROM等のエンボス型の光ディスクを用いた場合の撮像画像62は、そのままピットの輪郭のみを有する処理用画像64として2値化処理ブロック31へ出力される。一方、CD−R等の色素系や相変化型の光ディスクを用いた場合の撮像画像61は、画像処理微分フィルタ63によって画像信号の微分処理が施され、ピットの輪郭を抽出した画像に変換後、処理用画像64として2値化処理ブロック31へ出力される。このフィルタ処理部は、ピックアップ側と信号処理部側のいずれに設けても良い。実際には、撮像画像の画像認識を行ってピット部分が輪郭のみか全体かを判定し、ピット全体の画像である場合は画像処理微分フィルタ63を用いて輪郭部分のみを抽出する。このようなフィルタ処理によって、2種類の光ディスクの撮像画像を同様に取り扱うことができ、光ディスクの種類に依らずにピットの読み取りが可能となる。
【0051】
次に、撮像した画像のメモリへの格納方法について例示する。図11は撮像素子22の撮像範囲と実際の読み取りに利用する読み取り範囲とを示す説明図である。
【0052】
2値化処理ブロック31以降の信号処理回路では、撮像素子22で得られた撮像範囲65に対して、これよりも狭い範囲である読み取り範囲66の画像信号を利用し、ピット長情報検出等の再生信号処理を行う。読み取り範囲66外のデータは、画像メモリ管理ブロック33において、隣接画像を接合する際の一致、不一致判断の領域として利用すると同時に、通常ディスク状記録媒体が有している偏芯の微調整のための領域としても利用する。
【0053】
撮像素子22によって光ディスク11の所定角度ごとに撮像された画像信号(撮像データ)は、画像メモリ32に一時記憶される際に、各画像が接合されて1つの大きな記録面画像となった状態で書き込まれる。このとき、ディスク面上において相対的にピックアップで円周状にトレースされ撮像された記録面上のピットの画像が、直線状に伸ばされた形態で接合されて画像メモリ32に記憶される。
【0054】
画像の接合方法としては、例えば、図11の読み取り範囲66と範囲外の非有効範囲との境界におけるピット部(暗部)とランド等のピット以外の部分(明部)のパタンを解析し、接続すべき撮像データとのパタンの一致、不一致により接続位置を判定する手段と、撮像データの撮像順序を記憶、管理する手段とを併用して接合を実現する。これらの画像接合処理は、図4の画像メモリ32上において画像メモリ管理ブロック33の制御によって実行する。
【0055】
ここで、光ディスクの偏芯に対する補正処理例について説明する。本実施形態では、トラバースモータ14によりピックアップ13を駆動する機械的な補正手段と、撮像画像の接合処理において行う電気的な補正手段とを組み合わせて、広範囲をカバーする粗い偏芯補正と微小範囲における細かい偏芯補正とを行い、実際の光ディスクで生じることのある大きな偏芯にも対応できるようにする。図12は偏芯補正手段の構成例を示すブロック図である。
【0056】
この構成例の偏芯補正手段は、偏芯補正動作を制御する偏芯制御部71と、スピンドルモータ12の回転状態を示すFGパルスからディスク回転に同期する同期サイン信号を発生する同期サイン信号発生部72と、画像メモリ32から読み出した撮像データに同期サイン信号を重畳してトラバースモータ14の駆動信号を発生する駆動信号発生部73と、トラバースモータ14の制御を行うモータ駆動制御部74とを有して構成される。
【0057】
図13は画像メモリ32における電気的な偏芯補正処理の説明図である。画像メモリ32では、撮像画像を接合して格納する際に、前述のように隣り合う撮像画像の暗部及び明部のパタンを解析し、解析結果を基に有効領域(読み取り領域66に相当)を偏芯量dだけずらして画像を接続する。例えば、撮像範囲75a,75b,75cの撮像画像を接続する場合、パタン解析結果から有効領域76a,76b,76cのように各画像の有効領域を決定して接続することにより、電気的な偏芯補正がなされる。したがって、光ディスクの偏芯等による撮像画像の微少な位置ずれに関しては、上記の画像接合処理における電気的な偏芯補正によって吸収することができる。
【0058】
例えば、CDの場合、規格上のディスクの偏芯量は70μmまでであるが、実際の偏芯量は、光ディスク11を回転させるスピンドルモータ12上にディスクを機械的に装着しているため、チャッキングの誤差と、市販ディスクの精度等を考慮すると、350μm程度は想定しなくてはならない。このような大きな偏芯に関しては、トラバースモータ14によりピックアップ13を光ディスク11の半径方向に変位させる機械的な補正手段を用いて対応する。
【0059】
以下に、上記機械的な偏芯補正手段の動作について説明する。図14は偏芯補正用のトラバースモータ補正信号を示す説明図、図15は偏芯量検出処理の手順を示すフローチャート、図16は偏芯補正処理の手順を示すフローチャートである。
【0060】
光ディスク11がマウント(スピンドルモータ12上に装着)されると(図15のステップS11)、偏芯制御部71は、ピックアップ13を光ディスク11の内周へ移動させ(ステップS12)、最内周側のピット列の無い領域(以下、ミラー領域という)を発見したかを判定し(ステップS13)、この処理を繰り返してピックアップ13をミラー領域まで移動させる。そして、ピット列の最内周側の端面が撮像範囲内に収まるように、光ディスクのミラー領域及びピット列の最内周端を一周分撮像し、この画像データを画像メモリ32に記憶する(ステップS14)。続いて、取得した画像データを基に、各画像の撮像範囲の右端(或いは左端)からピット列の最内周端までの距離を計測することにより、光ディスクの回転中心軸からのピット列端面の距離情報を取得する(ステップS15)。そして、得られた距離情報に基づき、最大値から最小値を減算することによって物理偏芯量を算出し、偏芯制御部71内部又は外部の図示しないメモリに記憶する(ステップS16)。
【0061】
ここで、物理偏芯量の算出方法を上記図13を用いて説明する。図中の3つの画像は連続しているディスク面の画像であり、偏芯により撮像画像がディスク半径方向(図において左右方向)にずれていることを表しているものとする。画像メモリ32内に格納された画像データにおける暗部(ピットがある部分)と明部(ピットが無い部分)の情報から、ピット列の存在する最内周位置境界をメモリアドレスからそれぞれ検出して、ピット列の最内周端の位置ずれを算出する。そして、ディスク一周分のずれデータを検索することにより、ずれの最大値を求めることができ、このずれの最大値から最大の物理偏芯量が得られる。
【0062】
物理偏芯量を検出しているときに、スピンドルモータ12より出力されるFGパルスによって、光ディスク11の回転速度などの回転情報を取得できる。図14に示すように、偏芯量はディスク1回転分の周期で変動する。そこで、偏芯補正用の基準信号として、同期サイン信号発生部72においてFGパルスに同期する同期サイン信号を生成する(図16のステップS21)。この同期サイン信号は、ディスク1回転に対応して1周期となる周期信号である。続いて、補正信号発生部73において上記求めた最大物理偏芯量を同期サイン信号に係数として乗算し、電圧信号であるトラバースモータ補正信号を生成する(ステップS22)。そして、生成したトラバースモータ補正信号をモータ駆動制御部74に入力し、フィードフォワードで偏芯成分の相殺を行う。これによって、光ディスク11の偏芯を打ち消すように作用する駆動信号がトラバースモータ14に供給されることとなる。
【0063】
このようにトラバースモータ14を駆動することによって、ピックアップごと移動して撮像範囲自体を変位させ、光ディスクの偏芯量の補正を行う(ステップS23)。その後は、撮像画像が接合できないなどの異常状態が発生したかを判定し(ステップS24)、異常状態が検出されない場合は所定時間待機して(ステップS25)、これらの処理を繰り返すことにより、異常状態の検出動作を継続する。異常状態となった場合は、ステップS21に戻って偏芯補正処理を再度実行する。
【0064】
本例では、ディスクの偏芯に同期して撮像範囲を移動させることにより、広い範囲で効果的に偏芯成分を相殺可能である。さらに、前述した電気的な偏芯補正手段を併用することで、安定して適切に偏芯成分を除去することが可能となる。なお、機械的な補正手段では微小な変動には過度の挙動となるため、偏芯量が所定範囲内である場合は、前述した撮像素子の撮像範囲における有効範囲を移動させて偏芯成分を除去する電気的な補正手段のみを用いるように、偏芯補正動作を切り替えることもできる。
【0065】
次に、図17〜図20を用いてピット長情報の算出方法を説明する。図17は画像メモリにおける画像データの格納方法をモデル化して示した説明図、図18はピット長の算出方法を説明する説明図、図19はピット長データ格納メモリにおけるピット長情報の格納方法をモデル化して示した説明図、図20はピット長情報から再生信号を得る信号処理手順を示す説明図である。
【0066】
前述したように、撮像素子22で所定角度ごとに撮像され、2値化処理ブロック31で2値化された光ディスク記録面の撮像画像の画像データ81は、図17に示すように、画像メモリ32において撮像位置に応じて接合処理されて格納される。このとき、画像メモリ管理ブロック33において、画像取得位置、前回取得した画像データとの接合の可否、接続順序などが管理され、これらの管理情報やメモリアドレスが画像データと関連づけられて個々の画像データが記憶される。ここで接合処理を行ったり接合情報の管理を行うことにより、後段にあるピット長計測を行う画像認識ブロック34及びピット長データ格納メモリ35における処理負荷が軽減される。
【0067】
画像メモリ32に記憶された画像データは、画像メモリ管理ブロック33の制御により適宜読み出され、画像認識ブロック34において各ピットの長さLp 及びピット間隔Li (図18参照)が計測される。得られたピット長Lp 及びピット間隔Li は、図19に示すように、ピット長データ格納メモリ35にピット長情報82として順次記憶される。このとき、画像メモリ32内の画像データは既に2値化されており、図中縦方向(ディスクのトラック方向)の明部と暗部の長さ及び間隔を時間軸において測定した結果をピット長情報として変換する。
【0068】
すなわち、撮像素子22の最小画素に対応するそれぞれのデータの受光強度、つまり、戻り光のインテンシティデータに対して、検出可能な所定の閾値によって明部及び暗部を判別して明部と暗部の境界を探し出し、この境界のデータが記憶されている画像メモリ32のアドレスからピット長Lp 及びピット間隔Li を求める。
【0069】
前記ピット長情報は、ピット列ごとに1次元のデータ列として抽出し、画像データ中の複数のピット列に関してはデータ配列として扱うことで、同時に複数のピット列のピット長情報としてピット長データ格納メモリ35に格納する。このとき、ピット長データ格納メモリ35では、連続したピット列のピット長情報は連続したメモリアドレスに順次詰めて格納し、同一画像データから抽出した別のピット列のピット長情報は別のメモリアドレスに順次連続して格納していく。
【0070】
ピット長データ格納メモリ35に格納されたピット長情報82は、ピット長メモリ読み出し管理ブロック37の制御により順次メモリアドレス順に読み出される。そして、ピット長とピット間隔の特定の組み合わせである同期信号を検索し、仮想EFM信号生成ブロック36において、タイミング発生ブロック38より発生されるタイミング信号に同期させて各ピット長及びピット間隔を忠実に再現する。ここで生成されるディジタル信号は、光ディスクの復調処理を行う一般的な信号処理回路において処理可能な変調信号となる。本実施形態では、CD系の光ディスクを読み取って得られるEFM信号と同様な仮想EFM信号が生成される。そして、光ディスク再生用信号処理部39において仮想EFM信号の復調処理が行われ、光ディスクの再生信号が出力される。
【0071】
この場合、仮想EFM信号生成ブロック36よりEFM信号と同様な仮想EFM信号が出力されるため、光ディスク再生用信号処理部39以降は既存技術をそのまま利用した信号処理回路を利用できる。すなわち、光ディスク読取装置において、ピックアップからEFM信号などのディジタル化された読み取り信号を出力する部分までの構成を従来のものと置き換えることにより、本実施形態を構成できる。
【0072】
上述したように、本実施形態では、撮像素子によって光ディスク上の所定領域ごとのピット列の画像として撮像し、ピット長情報を得るようにしているため、光ビームスポットの合焦状態を調整するフォーカシングサーボ機構が不要となる。また、トラッキングサーボについても、光ビームスポットを特定のトラックに精密に追従させる必要がなくなる。このため、より高度な設計技術力を要するサーボ機構やその制御系を簡素化することが可能となり、光学系を含むピックアップの構成を簡単にできるとともに、重量を軽くすることができる。光学系の重量が軽量であれば、耐振動性能が向上する。また、光学系の駆動部分がピックアップ内に存在しないため、衝撃が印加されても機械的に破損する部分を持たないので、衝撃に対する耐性も高く、常に安定した動作を行える利点がある。
【0073】
また、本実施形態によれば機構部品を廃した電子的な読取装置とすることが可能になるため、現状では高価な撮像素子が低価格化すれば、さらなるコストダウンが実現できる。さらに、現状の撮像素子では、光ディスクのピットをそのまま撮像するには記録密度に対して解像度が不十分であるが、将来的に撮像素子の高集積化が進んで高解像度のものが利用できれば、光ビームの拡大手段として用いている凹レンズなどの光学素子も省略可能となる。この場合、ピックアップをレーザ光源と撮像素子等の最小限の部品のみで構成できるため、更なる小型化、軽量化、低価格化が可能となる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光記録媒体の情報読み取りのための構成を簡素化でき、従来の光学系機構が持つ不安定要因を取り除きつつ、低価格化が可能な光記録媒体読取装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク読取装置のピックアップ部の構成を示す構成説明図である。
【図2】ピックアップ内部の光学系の第1構成例を示す構成説明図である。
【図3】ピックアップ内部の光学系の第2構成例を示す構成説明図である。
【図4】光ディスク読取装置の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第1の構成例を示したブロック図である。
【図6】本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第2の構成例を示したブロック図である。
【図7】本実施形態の信号処理部を半導体チップに実装する場合の第3の構成例を示したブロック図である。
【図8】エンボス型の光ディスクの記録面とこれに対応するCCD撮像面の画像とを示す説明図である。
【図9】色素系又は相変化型の光ディスクの記録面とこれに対応するCCD撮像面の画像とを示す説明図である。
【図10】エンボス型の光ディスクと色素系や相変化型の光ディスクとでそれぞれ得られる2種類の撮像画像を後段の同一の信号処理回路によって処理可能にするためのフィルタ処理を示す説明図である。
【図11】撮像素子の撮像範囲と実際の読み取りに利用する読み取り範囲とを示す説明図である。
【図12】偏芯補正手段の構成例を示すブロック図である。
【図13】画像メモリにおける電気的な偏芯補正処理の説明図である。
【図14】偏芯補正用のトラバースモータ補正信号を示す説明図、
【図15】偏芯量検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】偏芯補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】画像メモリにおける画像データの格納方法をモデル化して示した説明図である。
【図18】ピット長の算出方法を説明する説明図である。
【図19】ピット長データ格納メモリにおけるピット長情報の格納方法をモデル化して示した説明図である。
【図20】ピット長情報から再生信号を得る信号処理手順を示す説明図である。
【図21】従来の光ディスク読取装置の構成例を概念的に示した構成説明図である。
【符号の説明】
11 光ディスク
12 スピンドルモータ
13 ピックアップ
14 トラバースモータ
15 レーザダイオード(LD)
22 撮像素子
31 2値化ブロック
32 画像メモリ
33 画像メモリ管理ブロック
34 画像認識ブロック
35 ピット長データ格納メモリ
36 仮想EFM信号生成ブロック
37 ピット長メモリ読み出し管理ブロック
38 タイミング発生ブロック
39 光ディスク再生用信号処理部

Claims (9)

  1. ディスク状媒体である光記録媒体の記録面に形成された光学的読み取り可能な情報記録領域であるピットを含む所定領域の記録情報画像を、所定角度ごとに撮像して撮像画像を得る撮像手段と、
    前記撮像手段により得られた光記録媒体記録面の各撮像画像の画像データを接合して記録面画像として記憶する画像記憶手段と、
    前記記録面画像に基づいて前記光記録媒体上のピットの長さ及び間隔を含むピット長情報を得るピット長情報検出手段と、
    前記ピット長情報に基づいて前記ピットの読み取り信号に相当する仮想読み取り信号を生成する読み取り信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする光記録媒体読取装置。
  2. 前記撮像手段により得られた撮像画像を2値化する2値化手段を備え、前記画像記憶手段はこの2値化された記録面画像の画像データを記憶することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  3. 前記画像記憶手段において、各撮像画像の画像データを接合して記憶する際に、隣り合う撮像画像の暗部及び明部のパタンを解析した解析結果を基に、撮像画像の有効領域を前記光記録媒体の偏芯量だけずらしてパタンの一致する画像を接続する電気的な偏芯補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  4. 前記記録面画像を基に前記光記録媒体の偏芯量を算出する偏芯制御部と、前記光記録媒体の回転に同期する同期信号を発生する同期信号発生部と、前記光記録媒体の情報を読み取るピックアップを光記録媒体の半径方向に駆動するトラバースモータを制御するために、前記算出した偏芯量を係数として前記同期信号に乗算した値を基にトラバースモータ補正信号を生成する補正信号発生部と、前記トラバースモータ補正信号を用いて前記トラバースモータを駆動するモータ駆動制御部とを有する機械的な偏芯補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  5. 前記ピット長情報検出手段により得られたピット長情報をピット列に従って順次格納するピット長情報格納手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  6. 前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む信号処理回路を一つの半導体チップに実装して構成したことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  7. 前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む信号処理回路を実装した第1の半導体回路に、前記仮想読み取り信号の復調処理を行う第2の信号処理回路を含む第2の半導体回路を接続したことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  8. 前記画像記憶手段、前記ピット長情報検出手段、及び前記読み取り信号生成手段を含む第1の信号処理回路と、前記仮想読み取り信号の復調処理を行う第2の信号処理回路とを一体的に半導体チップに実装して構成したことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体読取装置。
  9. ディスク状媒体である光記録媒体の記録面に形成された光学的読み取り可能な情報記録領域であるピットを含む所定領域の記録情報画像を、所定角度ごとに撮像して得られた光記録媒体記録面の各撮像画像の画像データを接合して記録面画像として記憶する画像記憶手段と、
    前記記録面画像に基づいて前記光記録媒体上のピットの長さ及び間隔を含むピット長情報を得るピット長情報検出手段と、
    前記ピット長情報に基づいて前記ピットの読み取り信号に相当する仮想読み取り信号を生成する読み取り信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする光記録媒体読取用信号処理回路。
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