JP3763209B2 - 生産ラインのワーク投入方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレージからの払出し順序にかかる自動車の生産管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の組立ラインは、車体にエンジンや内装などを取り付けるラインである。この組立ラインでは、一般的に仕様の異なる車体を同じラインで処理する混成方式が採用されており、組立ラインを流れる車体には、組立ラインでこの仕様に沿うエンジン(ターボ、ノンターボ)や内装(本革、標準)が取り付けられる。
【0003】
また、組立ラインでは、組立ラインの設備や能力から、サンルーフ仕様などの特殊のものは連続して投入することができない場合があり、このような仕様の車体は、他の仕様の車体を間に何台か投入して投入されるようになっている。さらにこの場合には、組立ラインの作業者の負荷がラインの稼働時間を通して均等になるように、間に投入される他の仕様の車体の台数が規制されている。
【0004】
このような規制に従う車体の投入は組立ラインの直前に行なわれる塗装工程の塗装ラインに設けられたPBS(painted body strage )で行なわれており、PBSでは、格納した車体をこの規制を守りながら組立ラインに車体を投入している。
【0005】
以下、この規制の方法について具体的に述べる。
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち14台がサンルーフ仕様であり、残りがノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様の車体とノーマル仕様の車体との比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=9:1
となり、サンルーフ仕様の車体をノーマル仕様の車体9台に1台の割合で投入すれば良いことになる。また、組立ラインの工数標準化の要請からノーマルルーフ仕様の車体にサンルーフ仕様の車体が均等に混入されることが望ましいから、ノーマルルーフ仕様の車体とサンルーフ仕様の車体とは、以下のような順番で組立ラインに投入される。
【0006】
NNNNNNNNN S NNNNNNNNN S NNNNNNNNN…
N:ノーマルルーフ仕様車体
S:サンルーフ仕様車体
そして、ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×9/10=126
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/10=14
となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投入される車体の総台数と各仕様の車体の比によっては、上記のように投入比が整数にならない場合がある。
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち40台がサンルーフ仕様であり、残り100台がノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様の車体とノーマル仕様の車体との比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=2.5:1
となる。この場合、
NN S NN S NN S…のようにサンルーフ仕様の車体をノーマル仕様の車体2台に1台の割合で投入すると、
ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×2/3=93
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/3=47
となり、サンルーフ仕様の車体が過剰に組立ラインに投入されて生産されることになる。
【0008】
また、サンルーフ仕様の車体を
NNN S NNN S NNN S…のようにノーマル仕様の車体3台に1台の割合で投入すると、
ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×3/4=105
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/4=35
となり、ノーマルルーフ仕様の車体が過剰に組立ラインに投入されて生産されることになる。
【0009】
このような不必要な車体を生産することは、自動車生産ライン全体の生産効率を低下させるばかりか、コストの点からも望ましくない。また、このような場合には、例えば午前と午後といったラインの稼働時間でサンルーフ仕様の車体の投入台数を2台、あるいは3台に切り替えることも考えられるが、この方法もラインの稼働時間を通じて作業者の負荷が偏ることになるため適切であるとは言えない。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みて行なわれたものであって、組立ラインの作業負荷が均等で、しかも投入される車体の総台数と各仕様の車体の比とによらずPBSから組立ラインへ車体を過不足なく投入できる生産ラインのワーク投入方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための本発明は、以下のように構成される。
請求項1記載の発明は、仕様の異なるワークが連続して投入される生産ラインに、投入比率の異なる所定の仕様のワークと他仕様ワークとを投入する生産ラインのワーク投入方法であって、生産計画に基づいて決定される前記所定の仕様のワークの投入台数と前記他仕様ワークの投入台数とから、前記所定の仕様のワークの投入台数1台あたりの前記他仕様ワークの投入台数を表す他仕様ワーク投入数を決定し、前記他仕様ワーク投入数を少数部分と整数部分とに分割し、前記所定の仕様のワークを生産ラインに投入する度に前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入する一方、前記他仕様投入ワーク数の少数部分を累計し、前記累計された少数部分が整数に達した場合には、当該整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入すると共に、整数に達した累計値から整数部分を減算することを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、前記ワークを投入するごとに、投入されたワークの仕様と投入された順番を履歴として記録し、前記累計された少数部分が整数に達していない場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他仕様ワークが連続して投入される数が、前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数を超える場合には前記他仕様ワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入し、前記累計された少数部分が整数に達した場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他の仕様のワークが連続して投入される数が、前記整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数を超える場合には前記他の仕様のワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、他仕様ワーク投入数を少数部分と整数部分とに分割し、所定の仕様のワークを生産ラインに投入する度に他仕様ワークを前記整数部分の数だけ生産ラインに投入する一方、他仕様投入ワーク数の少数部分を累計し、累計された少数部分が整数に達した場合には、整数を分割された整数部分に加算した数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入する。
【0017】
このようにすることにより、他仕様投入ワーク数に少数が生じた場合にもこれを整数に合わせることなくそのまま生産ラインに投入することができる。したがって、生産すべき仕様のワークを過不足なく生産ラインに投入し、生産計画通りにワークを生産することができる。
【0021】
請求項1記載の発明によれば、例えば午前と午後といったラインの稼働時間で所定の仕様のワークの投入台数を切り替える場合と比べて、所定の仕様のワークが、生産ラインの稼働時間内で均等に生産ラインへ投入されるようになり、生産ラインに従事する作業者にかかる負荷が均等になり、作業計画をたてやすくなる。
【0022】
請求項2記載の発明は、前記ワークを投入するごとに、投入されたワークの仕様と投入された順番を履歴として記録し、前記累計された少数部分が整数に達していない場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他仕様ワークが連続して投入される数が、前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数を超える場合には前記他仕様ワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入し、前記累計された少数部分が整数に達した場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他の仕様のワークが連続して投入される数が、前記整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数を超える場合には前記他の仕様のワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入することにより、決定した他仕様ワーク数を守って生産ラインにワークを投入することができ、計画通りにワークを生産することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施の形態について説明する。
【0024】
本発明は、連続して生産ラインにワークを投入し、このうち例えばサンルーフ仕様のワークを周期的に生産ラインへ投入する生産ラインのワーク投入方法である。
そして、本発明では、サンルーフ仕様のワークの投入と投入との間に例えばノーマルルーフのような他仕様ワーク投入数を決定する。そして、ノーマルルーフ仕様のワーク投入数を少数部分と整数部分とに分け、サンルーフ仕様のワークをラインに投入する度にノーマルルーフ仕様のワークを分割した整数部分だけ生産ラインに投入する一方、ワーク投入数の少数部分を累計し、累計された少数部分が整数に達した場合には、整数をワーク投入数の整数部分に加算した数のノーマルルーフ仕様のワークを生産ラインに投入する。さらに、整数に達した累計値から整数部分を減算しておき、次回のワーク投入からは再び少数部分を累計する。
【0025】
このようにして投入するワークの仕様を決定することにより、ワークの投入数に少数部分が発生した場合にも、生産ライン全体の稼働を通じて見れば設定されたワークの投入数を守ってワークの投入を行なうことができるようにしている。
【0026】
図1、図2は、本実施の形態が適用される生産ライン全体の構成を説明する図であって、図1はハードウェア、図2は、図1中の工場制御コンピュータのソフトウェアの構成を説明する図である。
生産ラインのハードウェアは、生産管理全般の情報が社内ネットワークを介して入力されるホストコンピュータ31と、ホストコンピュータ31から入力する管理情報に基づいて生産ラインを含む工場全体を制御する工場制御コンピュータ30と、工場制御コンピュータ30の指示にしたがって工場内に設置された各設備を制御する設備制御コントローラ32と、ワークに付された後述するIDナンバを検出し、各ワークの生産ライン内の位置や処理状況などを検出して工場制御コンピュータ30に入力するIDコントローラ33と、IDコントローラ33に検出されたワークの情報を必要に応じて表示する検索用PC(personal computer )34とを有している。また、設備制御コントローラ32と、IDコントローラ33と、検索用PC34とは、互いに工場内ネットワークで接続し、生産ラインに含まれる全ての工程を管理している。
【0027】
工場制御コンピュータのソフトウェアは、生産ラインを流れるワークのすべてについて追跡、管理するトラッキング管理機能37と、トラッキング管理機能37によって追跡、管理されたワークの処理実績を管理する実績管理機能36と、生産ラインで使用される部品などの在庫を管理する在庫管理機能38と、PBSに格納される車体や組立工程への払出しを管理するPBS管理機能39とを有している。なお、本実施の形態の生産ラインのワーク投入方法は、このPBS管理機能39に含まれるものである。
【0028】
各ワークの生産ライン内の位置や処理状況などの情報は、工場内ネットワークから下位通信部を通じてトラッキング管理、およびPBS管理される。トラッキング管理機能37では、情報をさらに実績管理機能36で処理実績のデータとして上位通信機能から社内ネットワークを通じてホストコンピュータ30に入力する。一方、PBS管理機能39に入力した情報は、PBS管理機能39で行なわれる搬出車体の決定に用いられる。
【0029】
さらにワークの位置や処理状況などは、PBS管理機能39から在庫管理機能38にも入力し、在庫管理機能38では、この情報に基づいて在庫の払出しや補給を判断している。また、図2に示した各構成は、管理データを蓄積して共有化するデータベース35を構成している。
【0030】
ここで、図3を用いてPBS管理機能39に管理されるPBSについて簡単に説明する。
図示したPBSは、SIL1ないしSIL17のレーンと、サンルーフ仕様の車体が搬入されるSIL18のレーンとを有している。各レーンには、PBS−IN側バッファを経て塗装工程を終了した車体が搬入されてきて搬入される。なお、PBSの各レーンは、それぞれ複数台の車体を保管することが可能である。各レーンに保管された車体は、PBS−OUT側ゾーンを通って組立ラインに向かう。また、SIL18のレーンに搬入された車体は、回送ゾーンを通ってサンルーフを専用に取り付けるラインに向かい、サンルーフを取り付けられた後に再びPBSに搬入され、組立ラインに投入されてサンルーフ以外の部品を取り付けられる。
【0031】
また、回送ゾーンは、搬出が決定したワークが他のワークの後部にある場合、搬出が決定したワークを搬出するために他のワークをPBSからいったん搬出するときにも使用される。
【0032】
一方、PBSに搬入されるワークには、IDカードと呼ばれるカードが付されており、このIDカードには、例えばワークで固有のユニークなナンバであるボディナンバが記憶されている。トラッキング管理機能37は、このIDカードから読み取ったボディナンバをキーとしてデータベース35を検索し、管理データ(PBS制御コード)を取得する。この管理データの一例を図4に示して説明する。
【0033】
データベース35に記憶される管理データは、各工程を通じて使用される共通データと、車体工程、塗装工程、組立工程の各工程で専用に使用されるスペックデータとよりなっている。なお、車体工程、塗装工程、組立工程などでは、各工程でワークを処理した実績データが書き込まれる(A)。
【0034】
共通データは、各ワークを認識するボディNo(IDナンバ)や完成された自動車の仕向地などと共に、PBS管理部で使用されるPBS制御コードを有している(B)。このPBS制御コードとは、PBSに搬入されたワークのボディ形状の種別(例えば、W:ワゴン,S:セダン,K:クーペ)、駆動の種別(4:4輪駆動,2:2輪駆動)、ルーフの種別(S:サンルーフ,N:ノーマルルーフ)、トランスミッションの種別(A:オートマチック,N:マニュアル)といったワークの仕様を表すデータである(C)。
【0035】
図5は、PBS管理部のソフトウェアの構成を説明する図である。
設備制御コントローラからのPBS搬出データ要求が受け付けられると、PBS管理部では、先ず初期データを収集する。この初期データ収集の代表的な処理には、PBSに在席している全ワークのトラッキングデータなど、後に行なう一連の処理に用いるデータの最新のものをまとめて一度に読み込んでおくものがある。
【0036】
初期データの収集が完了すると、次に絶対条件絞り込みの処理に入る。この絶対条件絞り込みは、後述するようにレーン内の車体の位置(在席位置)などの物理的条件に基づいて搬出する車体を決定する処理である。
【0037】
絶対条件による絞込みが終了すると、十分条件によってさらに搬出する車体を絞込む。十分条件としては、例えば、回送台数が少ないこと、車種の仕様、ワークのオフライン期日などがある。PBS管理部は、絶対条件、十分条件により絞込みを併せて総合判定し、最終的に搬出される車体を決定する。
【0038】
なお、この十分条件のうち、車種の仕様については、IDカードに記憶されたボディナンバに基づいてPBS管理部が判断する。
【0039】
図6は、図5に示した絶対条件絞込みのソフトウェアの構成を説明する図である。
図6に示した絶対条件絞込みでは、先ず、レーン内の車体の位置(在席位置)などの物理的条件によって搬出する車体を絞り込む。車体の在席位置による条件とは、例えばPBS側で搬入、搬出が可能なレーンに車体が搬入されていること、搬出が予約されている車体の後方に在席していないこと(搬出が予約された車体が搬出されるまで搬出できない)などがある。なお、このような車体の在席位置による搬出の条件を図7に例示する。
【0040】
レーン在席位置で絞込まれた車体は、さらに組立工程で車体に取り付けられる重要な部品の在庫による条件、生産計画に対する塗装工程までの車体の生産の進みや遅れによる条件、さらには組立工程で作業者にかかる負荷によって決まる組立工程作業負荷条件によって絞込まれる。本実施の形態の生産ラインのワーク投入方法は、この組立工程作業負荷条件による絞込みで使用されるものである。
【0041】
図8は、組立工程作業負荷条件により車体を絞込むソフトウェアの構成を説明する図である。
このソフトウェアは、生産ラインでの作業負荷が、ラインの稼働時間を通じて均等になるようにワークの投入方法を絞込むものである。
図示したソフトウェアは、間隔条件を記憶する間隔条件記憶部3と、連続条件を記憶する連続条件記憶部5とを有し、生産ラインに投入されるワークを間隔条件、連続条件の二つの条件でチェックする機能を有している。なお、この間隔条件および連続条件と、間隔条件、連続条件に基づく投入ワークの決定方法については後に詳述するものとする。
【0042】
さらに間隔条件記憶部3は、間隔条件を設定する間隔条件設定画面7と接続し、間隔条件設定画面7で設定された間隔条件を記憶するようになっている。また、連続条件記憶部5は、連続条件を設定する連続条件設定画面9と接続し、連続条件設定画面9で設定された連続条件を記憶するようになっている。この間隔条件設定画面7、連続条件設定画面9を図9、図10にそれぞれ例示する。
【0043】
間隔条件のチェックおよび連続条件のチェックは、例えばデータベース35(図2)の搬出決定履歴記憶部1から搬出決定履歴を取得し、この搬出決定履歴と、間隔条件設定画面7あるいは連続条件設定画面9で設定された間隔条件、連続条件とを対照して行なわれる。そして、チェックの対照となったワークが、搬出決定履歴から間隔条件、連続条件に合わない場合にはこのワークのライン投入、すなわちPBSからの搬出を禁止し、合致する場合には他の条件(十分条件など)と合わせてこのワークを搬出するか否かを総合的に判断する。
【0044】
このようにして搬出が決定されたワークは、そのボディナンバ、搬出順番、PBS制御コードが搬出決定履歴記憶部に記憶される。このため、搬出決定履歴記憶部は、常に最新のワークの搬出順番が記録されるよう更新されている。また、この搬出決定履歴記憶部には、常に過去100回分程度のデータが記録されるように古いデータの削除などが自動的に行なわれている。
【0045】
次に、間隔条件、連続条件と、間隔条件、連続条件に基づく投入ワークの決定方法を説明する。
【0046】
組立ラインへの車体投入の規制の方法には、その仕様の車体を投入する間隔を制限する間隔条件と、その仕様以外の車体を連続して投入する台数を制限する連続条件とがある。つまり、サンルーフ仕様のワークとノーマルルーフ仕様のワークとの間でサンルーフ仕様のワークの間隔条件が5台である場合、ノーマルルーフ仕様のワークの連続条件が5台となる。また、連続条件は、サンルーフ仕様のワークの間隔条件が5台以上と設定されたような場合にノーマルルーフが無制限に投入されることを防ぐため設定される条件である。
【0047】
図11は、間隔条件に基づいてワークを生産ラインに投入する数(間隔台数、連続台数)を決定する方法を説明する図で、図11(A)は、間隔台数、連続台数を算出する方法を説明する図、図11(B)は、図11(A)で求めた間隔台数と連続台数とを表した図である。また、図11(A)中の「選択」の欄のNはノーマルルーフ仕様のワークを示し、Sは、サンルーフ仕様のワークを示している。また、サンルーフ仕様のワークが選択されてから次のサンルーフ仕様のワークが選択されるまでをワーク投入の一周期とする。
【0048】
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち40台がサンルーフ仕様であり、残り100台がノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様のワークとノーマル仕様のワークとの比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=2.5:1
となる。このときの間隔条件は、「サンルーフ仕様の間隔台数2.5台」である。
この間隔台数2.5台を整数部の2と少数部の0.5(図中5)とに分けて記録する。そして、さらにこの少数部を一周期ごとに加算し累計値として記録する。本実施の形態では、この累計値が整数に達すると、整数を整数部に加算して間隔台数の整数部に加算して間隔台数の少数部をワーク投入数に反映させるものである。
【0049】
すなわち、図11の第1周期では、少数部の累計値は0.5であり整数にはなっていない。この場合、サンルーフ仕様のワークの間隔台数には、設定されている間隔台数の整数部である2がそのまま適用される。したがって、第1周期の間隔台数は2台になる。
【0050】
そして第2周期では、第1周期の累計値0.5に間隔台数の少数部の0.5を加算する。このため、第2周期の累計値は1.0となって累計値が整数に達することになる。この場合のサンルーフ仕様のワークの間隔台数は、設定されている間隔台数の整数部である2に累計値の1.0が加算された値になる。したがって、第2周期の間隔台数は3台になる。また、このように累計値が整数に達した場合、間隔台数に整数を加算した後に累計値から整数分を差し引いておく。
【0051】
以上の処理を繰り返し行なうと、サンルーフ仕様のワークの間隔台数は、
2→3→2→3→2…となる。また、これをノーマルルーフ仕様のワークの連続台数として表せば、2→3→2→3→2…となり、いずれの場合にもサンルーフ仕様のワークを1台投入する度に2台、または3台のノーマルルーフ仕様のワークを交互にラインに投入することになる。
【0052】
また、連続条件を基準にした場合にも、以上述べた方法と同様の方法でワークの連続台数が決定され、上記した間隔台数、連続台数と同様のものが得られる。
【0053】
次に、以上述べた生産管理のワーク投入方法をフローチャートにして説明する。
【0054】
図12ないし図16は、間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明する図である。なお、ここでは、ノーマルルーフ仕様のワーク2.5台に対してサンルーフ仕様のワークを1台生産ラインに投入するようPBSから搬出するものとする。
【0055】
先ず図12に示すように搬出の可、不可を判断する対照となるワークのノーマルルーフ仕様、サンルーフ仕様の別を調べる。つまり、ワークに付されたPBS制御コードから「ルーフ」の欄のコードを読出し(図4)、これを図13の規制条件テーブルに対照する。規制条件テーブルには、「ルーフ」にコードが記されているPBS制御コードの桁数(3)と、この桁に記されたコード(S,N)と、SまたはNにそれぞれ対応する条件No(1,2)が記憶されている。なお、この条件Noとは、このフローチャート中で以降、ノーマルルーフ仕様、サンルーフ仕様を識別するのに使用されるものである。
【0056】
例えば、対象となるワークのPBS制御コードの3桁目に「S」が記録されている場合、このワークはサンルーフ仕様であると判定されて条件No1が付される。また、「N」が記録されている場合、このワークはノーマルルーフ仕様であると判定されて条件No2が付される。
【0057】
次に、ステップS1で付された条件Noを図14の間隔条件テーブルに対照する。図示した間隔条件テーブルは、図11で説明した間隔台数の算出方法により各周期ごとの間隔台数を算出するためのデータが記録されたテーブルであって、間隔条件設定画面で設定された間隔台数の整数部および少数部、少数部の累計値、累計値の加算タイミングが記録されている。
【0058】
このフローチャートでは、対象となるワークに付された条件Noが間隔条件テーブルの自条件No、あるいは他条件Noに該当するか判断する(S2)。なお、このとき、例えば条件No「1」のワークについては、自条件Noが「1」、他条件Noが「2」となる。また、ワークの条件Noが、間隔条件テーブルの条件No、他条件Noのいずれにも該当しない場合には、別の条件のテーブルに基づいてこのワークの搬出の可、不可を判断するように別条件テーブルサブルーチンに入る(S10)。
【0059】
ステップS2の処理でワークの条件Noが間隔条件テーブルに該当すると判断された場合、図11で説明したようにワークをラインに投入する周期ごとに少数部の累計値に間隔台数の少数部を加算していき、累計値が整数に達した時点でこの整数を整数部に加算してこの周期の間隔台数として算出する(S3)。なお、本実施の形態では、算出された間隔台数や累計値もこのテーブルに記録するようにしている。
【0060】
次に、搬出決定履歴記憶部に記憶されている図15に示す履歴データを読出し、例えば、最新のデータから一つずつ過去のデータを逆上り、自条件Noに一致するデータがあるか否か判断する(S4)。そして、この判断を1回行なう度にこれをカウントし(S5)、カウントした値が間隔台数よりも大きくなるまでステップ4の判断を繰り返し(S6)、自条件Noに一致するデータがあると判断した時点でこのワークが搬出不可であると判断する(S11)。
【0061】
また、ステップS6の判断で、カウント値が間隔台数よりも大きくなった場合には、このワークが搬出可能であると判断し(S7)、累計値チェックサブルーチンに入る(S8)。
【0062】
図16は、ステップ10の累計値チェックサブルーチンを説明する図である。なお、このサブルーチンは、累計値が整数に達した場合、この累計値から整数分を差し引く処理を行なうものである。
【0063】
累計値チェックサブルーチンでは、先ず、間隔条件テーブルと共に間隔条件テーブルに基づいて算出された現在の累計値を読込む(S21)。次に、読込んだ累計値が、整数(1)以上であるか否か判断し(S22)、整数以上であった場合には累計値から1を差し引いて図12のフローチャートにリターンする。
【0064】
次に、搬出決定履歴記憶部1に記憶されている履歴データに今回の処理で決定したワークの搬出に関するデータを加えるように更新し(S9)、次の対象となるワークの搬出の可、不可を決定するためにリターンする。
【0065】
図17ないし図19は、連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明する図である。なお、図17は、ステップS32〜ステップS37以外の処理だけが図12のフローチャートと相違するものであるから、ここではこのステップの処理についてのみ説明するものとする。また、図17のフローチャートでは、条件ナンバ「1」が付されたワークを対照にして、このワークの搬出の可、不可を決定するものとする。
【0066】
図17のステップS32の処理では、対象となるワークに付された条件Noが、図18に示す連続条件テーブルの条件Noに該当するか判断する(S32)。また、ワークの条件Noが、連続条件テーブルの条件Noに該当しない場合には、別の条件のテーブルに基づいてこのワークの搬出の可、不可を判断するように別条件テーブルサブルーチンに入る(S38)。
【0067】
ステップS32の処理でワークの条件Noが連続条件テーブルに該当すると判断された場合、図11で説明したようにワークをラインに投入する周期ごとに少数部の累計値に連続台数の少数部を加算していき、累計値が整数に達した時点でこの整数を整数部に加算してこの周期の連続台数として算出する(S33)。なお、本実施の形態では、この場合にも算出された連続台数や累計値もこのテーブルに記録するようにしている。
【0068】
次に、搬出決定履歴記憶部に記憶されている図15に示す履歴データを読出し、例えば、最新のデータから一つずつ過去のデータを逆上り、条件Noに一致するデータがあるか否か判断する(S34)。そして、1回判断する度にこれをカウントし(S35)、カウントした値が連続台数よりも大きくなるまでステップS34の判断を繰り返し(S36)、条件Noに一致するデータが無いと判断した時点でこのワークが搬出不可であると判断する(S37)。
【0069】
以上述べた本実施の形態によれば、間隔台数、あるいは連続台数を少数部分と整数部分とに分割し、この少数部分を累計して累計された少数部分が整数に達した場合には、この整数を間隔台数、あるいは連続台数の整数部分に加算する。このようにすることにより、間隔台数、あるいは連続台数に少数が生じた場合にもこれを整数に合わせることなくそのまま生産ラインに投入することができる。したがって、生産すべき仕様のワークを過不足なく生産ラインに投入し、生産計画通りにワークを生産することができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、ワーク投入数の決定に間隔台数を採用している。このため、所定の仕様のワーク側から見た他仕様ワーク投入数を決定することができ、作業者にとって比較的チェックしやすい生産ラインのワーク投入方法を提供することができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、ワーク投入数の決定に連続台数を採用している。このため、他仕様ワーク側から見た他仕様ワーク投入数を決定することができ、前記した間隔台数と併用することにより、より確実に生産ラインへのワーク投入数を決定することができる。
【0072】
また、間隔台数が無制限に大きくなることを防ぎ、他仕様ワーク投入数を最適にすることができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、例えば午前と午後といったラインの稼働時間で所定の仕様のワークの投入台数を切り替える場合と比べて、間隔台数、あるいは連続台数が、生産ラインの稼働時間内で均等に生産ラインへ投入されるように他仕様ワーク投入数決定している。このように構成することにより、生産ラインに従事する作業者にかかる負荷が均等になり、作業計画をたてやすくなる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、搬出決定履歴記憶部を備え、すでに搬出が決定したワークの最新の履歴を常に100個程度記憶するようにしている。このため、決定した間隔台数、連続台数を守って生産ラインにワークを投入することができ、計画通りにワークを生産することができる。
【0075】
なお、本発明は、このような実施の形態に限定されるものでなく、例えば、サンルーフやノーマルルーフといったルーフの仕様に限らず、どのような仕様、例えばトランスミッションや4WD,2WDの別についても適用することが可能である。また、本発明は、仕様の異なる2種類のワークについてのみ適用されるものでなく、さらに多数の仕様のワークのラインへの投入方法にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態が適用される生産ライン全体の構成のハードウェアを説明するための図である。
【図2】 図1に示した構成のソフトウェアを説明するための図である。
【図3】 PBSについて簡単に説明するための図である。
【図4】 管理データの一例を説明するための図である。
【図5】 PBS管理部のソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図6】 図5に示した絶対条件絞込みのソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図7】 車体の在席位置による搬出の条件を例示する図である。
【図8】 組立工程作業負荷条件により車体を絞込むソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図9】 間隔条件設定画面を例示する図である。
【図10】 連続条件設定画面を例示する図である。
【図11】 間隔台数、連続台数を決定する方法を説明するための図で、図11(A)は、間隔台数、連続台数を算出する方法を説明する図、図11(B)は、図11(A)で求めた間隔台数と連続台数とを表した図である。
【図12】 間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図13】 図11中の規制条件テーブルを説明するための図である。
【図14】 図11中の間隔条件テーブルを説明するための図である。
【図15】 図11中の履歴データを説明するための図である。
【図16】 間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図17】 連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図18】 図17中の連続条件テーブルを説明するための図である。
【図19】 連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…搬出決定履歴記憶部
3…間隔条件記憶部
5…連続条件記憶部
7…間隔条件設定画面
9…連続条件設定画面
30…工場制御コンピュータ
39…PBS管理機能
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレージからの払出し順序にかかる自動車の生産管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の組立ラインは、車体にエンジンや内装などを取り付けるラインである。この組立ラインでは、一般的に仕様の異なる車体を同じラインで処理する混成方式が採用されており、組立ラインを流れる車体には、組立ラインでこの仕様に沿うエンジン(ターボ、ノンターボ)や内装(本革、標準)が取り付けられる。
【0003】
また、組立ラインでは、組立ラインの設備や能力から、サンルーフ仕様などの特殊のものは連続して投入することができない場合があり、このような仕様の車体は、他の仕様の車体を間に何台か投入して投入されるようになっている。さらにこの場合には、組立ラインの作業者の負荷がラインの稼働時間を通して均等になるように、間に投入される他の仕様の車体の台数が規制されている。
【0004】
このような規制に従う車体の投入は組立ラインの直前に行なわれる塗装工程の塗装ラインに設けられたPBS(painted body strage )で行なわれており、PBSでは、格納した車体をこの規制を守りながら組立ラインに車体を投入している。
【0005】
以下、この規制の方法について具体的に述べる。
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち14台がサンルーフ仕様であり、残りがノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様の車体とノーマル仕様の車体との比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=9:1
となり、サンルーフ仕様の車体をノーマル仕様の車体9台に1台の割合で投入すれば良いことになる。また、組立ラインの工数標準化の要請からノーマルルーフ仕様の車体にサンルーフ仕様の車体が均等に混入されることが望ましいから、ノーマルルーフ仕様の車体とサンルーフ仕様の車体とは、以下のような順番で組立ラインに投入される。
【0006】
NNNNNNNNN S NNNNNNNNN S NNNNNNNNN…
N:ノーマルルーフ仕様車体
S:サンルーフ仕様車体
そして、ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×9/10=126
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/10=14
となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投入される車体の総台数と各仕様の車体の比によっては、上記のように投入比が整数にならない場合がある。
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち40台がサンルーフ仕様であり、残り100台がノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様の車体とノーマル仕様の車体との比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=2.5:1
となる。この場合、
NN S NN S NN S…のようにサンルーフ仕様の車体をノーマル仕様の車体2台に1台の割合で投入すると、
ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×2/3=93
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/3=47
となり、サンルーフ仕様の車体が過剰に組立ラインに投入されて生産されることになる。
【0008】
また、サンルーフ仕様の車体を
NNN S NNN S NNN S…のようにノーマル仕様の車体3台に1台の割合で投入すると、
ノーマルルーフ仕様車体の投入台数は、
140×3/4=105
そして、サンルーフ仕様車体の投入台数は、
140×1/4=35
となり、ノーマルルーフ仕様の車体が過剰に組立ラインに投入されて生産されることになる。
【0009】
このような不必要な車体を生産することは、自動車生産ライン全体の生産効率を低下させるばかりか、コストの点からも望ましくない。また、このような場合には、例えば午前と午後といったラインの稼働時間でサンルーフ仕様の車体の投入台数を2台、あるいは3台に切り替えることも考えられるが、この方法もラインの稼働時間を通じて作業者の負荷が偏ることになるため適切であるとは言えない。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みて行なわれたものであって、組立ラインの作業負荷が均等で、しかも投入される車体の総台数と各仕様の車体の比とによらずPBSから組立ラインへ車体を過不足なく投入できる生産ラインのワーク投入方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための本発明は、以下のように構成される。
請求項1記載の発明は、仕様の異なるワークが連続して投入される生産ラインに、投入比率の異なる所定の仕様のワークと他仕様ワークとを投入する生産ラインのワーク投入方法であって、生産計画に基づいて決定される前記所定の仕様のワークの投入台数と前記他仕様ワークの投入台数とから、前記所定の仕様のワークの投入台数1台あたりの前記他仕様ワークの投入台数を表す他仕様ワーク投入数を決定し、前記他仕様ワーク投入数を少数部分と整数部分とに分割し、前記所定の仕様のワークを生産ラインに投入する度に前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入する一方、前記他仕様投入ワーク数の少数部分を累計し、前記累計された少数部分が整数に達した場合には、当該整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入すると共に、整数に達した累計値から整数部分を減算することを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、前記ワークを投入するごとに、投入されたワークの仕様と投入された順番を履歴として記録し、前記累計された少数部分が整数に達していない場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他仕様ワークが連続して投入される数が、前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数を超える場合には前記他仕様ワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入し、前記累計された少数部分が整数に達した場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他の仕様のワークが連続して投入される数が、前記整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数を超える場合には前記他の仕様のワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、他仕様ワーク投入数を少数部分と整数部分とに分割し、所定の仕様のワークを生産ラインに投入する度に他仕様ワークを前記整数部分の数だけ生産ラインに投入する一方、他仕様投入ワーク数の少数部分を累計し、累計された少数部分が整数に達した場合には、整数を分割された整数部分に加算した数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入する。
【0017】
このようにすることにより、他仕様投入ワーク数に少数が生じた場合にもこれを整数に合わせることなくそのまま生産ラインに投入することができる。したがって、生産すべき仕様のワークを過不足なく生産ラインに投入し、生産計画通りにワークを生産することができる。
【0021】
請求項1記載の発明によれば、例えば午前と午後といったラインの稼働時間で所定の仕様のワークの投入台数を切り替える場合と比べて、所定の仕様のワークが、生産ラインの稼働時間内で均等に生産ラインへ投入されるようになり、生産ラインに従事する作業者にかかる負荷が均等になり、作業計画をたてやすくなる。
【0022】
請求項2記載の発明は、前記ワークを投入するごとに、投入されたワークの仕様と投入された順番を履歴として記録し、前記累計された少数部分が整数に達していない場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他仕様ワークが連続して投入される数が、前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数を超える場合には前記他仕様ワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入し、前記累計された少数部分が整数に達した場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他の仕様のワークが連続して投入される数が、前記整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数を超える場合には前記他の仕様のワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入することにより、決定した他仕様ワーク数を守って生産ラインにワークを投入することができ、計画通りにワークを生産することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施の形態について説明する。
【0024】
本発明は、連続して生産ラインにワークを投入し、このうち例えばサンルーフ仕様のワークを周期的に生産ラインへ投入する生産ラインのワーク投入方法である。
そして、本発明では、サンルーフ仕様のワークの投入と投入との間に例えばノーマルルーフのような他仕様ワーク投入数を決定する。そして、ノーマルルーフ仕様のワーク投入数を少数部分と整数部分とに分け、サンルーフ仕様のワークをラインに投入する度にノーマルルーフ仕様のワークを分割した整数部分だけ生産ラインに投入する一方、ワーク投入数の少数部分を累計し、累計された少数部分が整数に達した場合には、整数をワーク投入数の整数部分に加算した数のノーマルルーフ仕様のワークを生産ラインに投入する。さらに、整数に達した累計値から整数部分を減算しておき、次回のワーク投入からは再び少数部分を累計する。
【0025】
このようにして投入するワークの仕様を決定することにより、ワークの投入数に少数部分が発生した場合にも、生産ライン全体の稼働を通じて見れば設定されたワークの投入数を守ってワークの投入を行なうことができるようにしている。
【0026】
図1、図2は、本実施の形態が適用される生産ライン全体の構成を説明する図であって、図1はハードウェア、図2は、図1中の工場制御コンピュータのソフトウェアの構成を説明する図である。
生産ラインのハードウェアは、生産管理全般の情報が社内ネットワークを介して入力されるホストコンピュータ31と、ホストコンピュータ31から入力する管理情報に基づいて生産ラインを含む工場全体を制御する工場制御コンピュータ30と、工場制御コンピュータ30の指示にしたがって工場内に設置された各設備を制御する設備制御コントローラ32と、ワークに付された後述するIDナンバを検出し、各ワークの生産ライン内の位置や処理状況などを検出して工場制御コンピュータ30に入力するIDコントローラ33と、IDコントローラ33に検出されたワークの情報を必要に応じて表示する検索用PC(personal computer )34とを有している。また、設備制御コントローラ32と、IDコントローラ33と、検索用PC34とは、互いに工場内ネットワークで接続し、生産ラインに含まれる全ての工程を管理している。
【0027】
工場制御コンピュータのソフトウェアは、生産ラインを流れるワークのすべてについて追跡、管理するトラッキング管理機能37と、トラッキング管理機能37によって追跡、管理されたワークの処理実績を管理する実績管理機能36と、生産ラインで使用される部品などの在庫を管理する在庫管理機能38と、PBSに格納される車体や組立工程への払出しを管理するPBS管理機能39とを有している。なお、本実施の形態の生産ラインのワーク投入方法は、このPBS管理機能39に含まれるものである。
【0028】
各ワークの生産ライン内の位置や処理状況などの情報は、工場内ネットワークから下位通信部を通じてトラッキング管理、およびPBS管理される。トラッキング管理機能37では、情報をさらに実績管理機能36で処理実績のデータとして上位通信機能から社内ネットワークを通じてホストコンピュータ30に入力する。一方、PBS管理機能39に入力した情報は、PBS管理機能39で行なわれる搬出車体の決定に用いられる。
【0029】
さらにワークの位置や処理状況などは、PBS管理機能39から在庫管理機能38にも入力し、在庫管理機能38では、この情報に基づいて在庫の払出しや補給を判断している。また、図2に示した各構成は、管理データを蓄積して共有化するデータベース35を構成している。
【0030】
ここで、図3を用いてPBS管理機能39に管理されるPBSについて簡単に説明する。
図示したPBSは、SIL1ないしSIL17のレーンと、サンルーフ仕様の車体が搬入されるSIL18のレーンとを有している。各レーンには、PBS−IN側バッファを経て塗装工程を終了した車体が搬入されてきて搬入される。なお、PBSの各レーンは、それぞれ複数台の車体を保管することが可能である。各レーンに保管された車体は、PBS−OUT側ゾーンを通って組立ラインに向かう。また、SIL18のレーンに搬入された車体は、回送ゾーンを通ってサンルーフを専用に取り付けるラインに向かい、サンルーフを取り付けられた後に再びPBSに搬入され、組立ラインに投入されてサンルーフ以外の部品を取り付けられる。
【0031】
また、回送ゾーンは、搬出が決定したワークが他のワークの後部にある場合、搬出が決定したワークを搬出するために他のワークをPBSからいったん搬出するときにも使用される。
【0032】
一方、PBSに搬入されるワークには、IDカードと呼ばれるカードが付されており、このIDカードには、例えばワークで固有のユニークなナンバであるボディナンバが記憶されている。トラッキング管理機能37は、このIDカードから読み取ったボディナンバをキーとしてデータベース35を検索し、管理データ(PBS制御コード)を取得する。この管理データの一例を図4に示して説明する。
【0033】
データベース35に記憶される管理データは、各工程を通じて使用される共通データと、車体工程、塗装工程、組立工程の各工程で専用に使用されるスペックデータとよりなっている。なお、車体工程、塗装工程、組立工程などでは、各工程でワークを処理した実績データが書き込まれる(A)。
【0034】
共通データは、各ワークを認識するボディNo(IDナンバ)や完成された自動車の仕向地などと共に、PBS管理部で使用されるPBS制御コードを有している(B)。このPBS制御コードとは、PBSに搬入されたワークのボディ形状の種別(例えば、W:ワゴン,S:セダン,K:クーペ)、駆動の種別(4:4輪駆動,2:2輪駆動)、ルーフの種別(S:サンルーフ,N:ノーマルルーフ)、トランスミッションの種別(A:オートマチック,N:マニュアル)といったワークの仕様を表すデータである(C)。
【0035】
図5は、PBS管理部のソフトウェアの構成を説明する図である。
設備制御コントローラからのPBS搬出データ要求が受け付けられると、PBS管理部では、先ず初期データを収集する。この初期データ収集の代表的な処理には、PBSに在席している全ワークのトラッキングデータなど、後に行なう一連の処理に用いるデータの最新のものをまとめて一度に読み込んでおくものがある。
【0036】
初期データの収集が完了すると、次に絶対条件絞り込みの処理に入る。この絶対条件絞り込みは、後述するようにレーン内の車体の位置(在席位置)などの物理的条件に基づいて搬出する車体を決定する処理である。
【0037】
絶対条件による絞込みが終了すると、十分条件によってさらに搬出する車体を絞込む。十分条件としては、例えば、回送台数が少ないこと、車種の仕様、ワークのオフライン期日などがある。PBS管理部は、絶対条件、十分条件により絞込みを併せて総合判定し、最終的に搬出される車体を決定する。
【0038】
なお、この十分条件のうち、車種の仕様については、IDカードに記憶されたボディナンバに基づいてPBS管理部が判断する。
【0039】
図6は、図5に示した絶対条件絞込みのソフトウェアの構成を説明する図である。
図6に示した絶対条件絞込みでは、先ず、レーン内の車体の位置(在席位置)などの物理的条件によって搬出する車体を絞り込む。車体の在席位置による条件とは、例えばPBS側で搬入、搬出が可能なレーンに車体が搬入されていること、搬出が予約されている車体の後方に在席していないこと(搬出が予約された車体が搬出されるまで搬出できない)などがある。なお、このような車体の在席位置による搬出の条件を図7に例示する。
【0040】
レーン在席位置で絞込まれた車体は、さらに組立工程で車体に取り付けられる重要な部品の在庫による条件、生産計画に対する塗装工程までの車体の生産の進みや遅れによる条件、さらには組立工程で作業者にかかる負荷によって決まる組立工程作業負荷条件によって絞込まれる。本実施の形態の生産ラインのワーク投入方法は、この組立工程作業負荷条件による絞込みで使用されるものである。
【0041】
図8は、組立工程作業負荷条件により車体を絞込むソフトウェアの構成を説明する図である。
このソフトウェアは、生産ラインでの作業負荷が、ラインの稼働時間を通じて均等になるようにワークの投入方法を絞込むものである。
図示したソフトウェアは、間隔条件を記憶する間隔条件記憶部3と、連続条件を記憶する連続条件記憶部5とを有し、生産ラインに投入されるワークを間隔条件、連続条件の二つの条件でチェックする機能を有している。なお、この間隔条件および連続条件と、間隔条件、連続条件に基づく投入ワークの決定方法については後に詳述するものとする。
【0042】
さらに間隔条件記憶部3は、間隔条件を設定する間隔条件設定画面7と接続し、間隔条件設定画面7で設定された間隔条件を記憶するようになっている。また、連続条件記憶部5は、連続条件を設定する連続条件設定画面9と接続し、連続条件設定画面9で設定された連続条件を記憶するようになっている。この間隔条件設定画面7、連続条件設定画面9を図9、図10にそれぞれ例示する。
【0043】
間隔条件のチェックおよび連続条件のチェックは、例えばデータベース35(図2)の搬出決定履歴記憶部1から搬出決定履歴を取得し、この搬出決定履歴と、間隔条件設定画面7あるいは連続条件設定画面9で設定された間隔条件、連続条件とを対照して行なわれる。そして、チェックの対照となったワークが、搬出決定履歴から間隔条件、連続条件に合わない場合にはこのワークのライン投入、すなわちPBSからの搬出を禁止し、合致する場合には他の条件(十分条件など)と合わせてこのワークを搬出するか否かを総合的に判断する。
【0044】
このようにして搬出が決定されたワークは、そのボディナンバ、搬出順番、PBS制御コードが搬出決定履歴記憶部に記憶される。このため、搬出決定履歴記憶部は、常に最新のワークの搬出順番が記録されるよう更新されている。また、この搬出決定履歴記憶部には、常に過去100回分程度のデータが記録されるように古いデータの削除などが自動的に行なわれている。
【0045】
次に、間隔条件、連続条件と、間隔条件、連続条件に基づく投入ワークの決定方法を説明する。
【0046】
組立ラインへの車体投入の規制の方法には、その仕様の車体を投入する間隔を制限する間隔条件と、その仕様以外の車体を連続して投入する台数を制限する連続条件とがある。つまり、サンルーフ仕様のワークとノーマルルーフ仕様のワークとの間でサンルーフ仕様のワークの間隔条件が5台である場合、ノーマルルーフ仕様のワークの連続条件が5台となる。また、連続条件は、サンルーフ仕様のワークの間隔条件が5台以上と設定されたような場合にノーマルルーフが無制限に投入されることを防ぐため設定される条件である。
【0047】
図11は、間隔条件に基づいてワークを生産ラインに投入する数(間隔台数、連続台数)を決定する方法を説明する図で、図11(A)は、間隔台数、連続台数を算出する方法を説明する図、図11(B)は、図11(A)で求めた間隔台数と連続台数とを表した図である。また、図11(A)中の「選択」の欄のNはノーマルルーフ仕様のワークを示し、Sは、サンルーフ仕様のワークを示している。また、サンルーフ仕様のワークが選択されてから次のサンルーフ仕様のワークが選択されるまでをワーク投入の一周期とする。
【0048】
例えば、組立ラインに投入される車体の総台数が140台で、このうち40台がサンルーフ仕様であり、残り100台がノーマルルーフ仕様であるとする。このとき、組立ラインに投入すべきサンルーフ仕様のワークとノーマル仕様のワークとの比は、
ノーマルルーフ仕様:サンルーフ仕様=2.5:1
となる。このときの間隔条件は、「サンルーフ仕様の間隔台数2.5台」である。
この間隔台数2.5台を整数部の2と少数部の0.5(図中5)とに分けて記録する。そして、さらにこの少数部を一周期ごとに加算し累計値として記録する。本実施の形態では、この累計値が整数に達すると、整数を整数部に加算して間隔台数の整数部に加算して間隔台数の少数部をワーク投入数に反映させるものである。
【0049】
すなわち、図11の第1周期では、少数部の累計値は0.5であり整数にはなっていない。この場合、サンルーフ仕様のワークの間隔台数には、設定されている間隔台数の整数部である2がそのまま適用される。したがって、第1周期の間隔台数は2台になる。
【0050】
そして第2周期では、第1周期の累計値0.5に間隔台数の少数部の0.5を加算する。このため、第2周期の累計値は1.0となって累計値が整数に達することになる。この場合のサンルーフ仕様のワークの間隔台数は、設定されている間隔台数の整数部である2に累計値の1.0が加算された値になる。したがって、第2周期の間隔台数は3台になる。また、このように累計値が整数に達した場合、間隔台数に整数を加算した後に累計値から整数分を差し引いておく。
【0051】
以上の処理を繰り返し行なうと、サンルーフ仕様のワークの間隔台数は、
2→3→2→3→2…となる。また、これをノーマルルーフ仕様のワークの連続台数として表せば、2→3→2→3→2…となり、いずれの場合にもサンルーフ仕様のワークを1台投入する度に2台、または3台のノーマルルーフ仕様のワークを交互にラインに投入することになる。
【0052】
また、連続条件を基準にした場合にも、以上述べた方法と同様の方法でワークの連続台数が決定され、上記した間隔台数、連続台数と同様のものが得られる。
【0053】
次に、以上述べた生産管理のワーク投入方法をフローチャートにして説明する。
【0054】
図12ないし図16は、間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明する図である。なお、ここでは、ノーマルルーフ仕様のワーク2.5台に対してサンルーフ仕様のワークを1台生産ラインに投入するようPBSから搬出するものとする。
【0055】
先ず図12に示すように搬出の可、不可を判断する対照となるワークのノーマルルーフ仕様、サンルーフ仕様の別を調べる。つまり、ワークに付されたPBS制御コードから「ルーフ」の欄のコードを読出し(図4)、これを図13の規制条件テーブルに対照する。規制条件テーブルには、「ルーフ」にコードが記されているPBS制御コードの桁数(3)と、この桁に記されたコード(S,N)と、SまたはNにそれぞれ対応する条件No(1,2)が記憶されている。なお、この条件Noとは、このフローチャート中で以降、ノーマルルーフ仕様、サンルーフ仕様を識別するのに使用されるものである。
【0056】
例えば、対象となるワークのPBS制御コードの3桁目に「S」が記録されている場合、このワークはサンルーフ仕様であると判定されて条件No1が付される。また、「N」が記録されている場合、このワークはノーマルルーフ仕様であると判定されて条件No2が付される。
【0057】
次に、ステップS1で付された条件Noを図14の間隔条件テーブルに対照する。図示した間隔条件テーブルは、図11で説明した間隔台数の算出方法により各周期ごとの間隔台数を算出するためのデータが記録されたテーブルであって、間隔条件設定画面で設定された間隔台数の整数部および少数部、少数部の累計値、累計値の加算タイミングが記録されている。
【0058】
このフローチャートでは、対象となるワークに付された条件Noが間隔条件テーブルの自条件No、あるいは他条件Noに該当するか判断する(S2)。なお、このとき、例えば条件No「1」のワークについては、自条件Noが「1」、他条件Noが「2」となる。また、ワークの条件Noが、間隔条件テーブルの条件No、他条件Noのいずれにも該当しない場合には、別の条件のテーブルに基づいてこのワークの搬出の可、不可を判断するように別条件テーブルサブルーチンに入る(S10)。
【0059】
ステップS2の処理でワークの条件Noが間隔条件テーブルに該当すると判断された場合、図11で説明したようにワークをラインに投入する周期ごとに少数部の累計値に間隔台数の少数部を加算していき、累計値が整数に達した時点でこの整数を整数部に加算してこの周期の間隔台数として算出する(S3)。なお、本実施の形態では、算出された間隔台数や累計値もこのテーブルに記録するようにしている。
【0060】
次に、搬出決定履歴記憶部に記憶されている図15に示す履歴データを読出し、例えば、最新のデータから一つずつ過去のデータを逆上り、自条件Noに一致するデータがあるか否か判断する(S4)。そして、この判断を1回行なう度にこれをカウントし(S5)、カウントした値が間隔台数よりも大きくなるまでステップ4の判断を繰り返し(S6)、自条件Noに一致するデータがあると判断した時点でこのワークが搬出不可であると判断する(S11)。
【0061】
また、ステップS6の判断で、カウント値が間隔台数よりも大きくなった場合には、このワークが搬出可能であると判断し(S7)、累計値チェックサブルーチンに入る(S8)。
【0062】
図16は、ステップ10の累計値チェックサブルーチンを説明する図である。なお、このサブルーチンは、累計値が整数に達した場合、この累計値から整数分を差し引く処理を行なうものである。
【0063】
累計値チェックサブルーチンでは、先ず、間隔条件テーブルと共に間隔条件テーブルに基づいて算出された現在の累計値を読込む(S21)。次に、読込んだ累計値が、整数(1)以上であるか否か判断し(S22)、整数以上であった場合には累計値から1を差し引いて図12のフローチャートにリターンする。
【0064】
次に、搬出決定履歴記憶部1に記憶されている履歴データに今回の処理で決定したワークの搬出に関するデータを加えるように更新し(S9)、次の対象となるワークの搬出の可、不可を決定するためにリターンする。
【0065】
図17ないし図19は、連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明する図である。なお、図17は、ステップS32〜ステップS37以外の処理だけが図12のフローチャートと相違するものであるから、ここではこのステップの処理についてのみ説明するものとする。また、図17のフローチャートでは、条件ナンバ「1」が付されたワークを対照にして、このワークの搬出の可、不可を決定するものとする。
【0066】
図17のステップS32の処理では、対象となるワークに付された条件Noが、図18に示す連続条件テーブルの条件Noに該当するか判断する(S32)。また、ワークの条件Noが、連続条件テーブルの条件Noに該当しない場合には、別の条件のテーブルに基づいてこのワークの搬出の可、不可を判断するように別条件テーブルサブルーチンに入る(S38)。
【0067】
ステップS32の処理でワークの条件Noが連続条件テーブルに該当すると判断された場合、図11で説明したようにワークをラインに投入する周期ごとに少数部の累計値に連続台数の少数部を加算していき、累計値が整数に達した時点でこの整数を整数部に加算してこの周期の連続台数として算出する(S33)。なお、本実施の形態では、この場合にも算出された連続台数や累計値もこのテーブルに記録するようにしている。
【0068】
次に、搬出決定履歴記憶部に記憶されている図15に示す履歴データを読出し、例えば、最新のデータから一つずつ過去のデータを逆上り、条件Noに一致するデータがあるか否か判断する(S34)。そして、1回判断する度にこれをカウントし(S35)、カウントした値が連続台数よりも大きくなるまでステップS34の判断を繰り返し(S36)、条件Noに一致するデータが無いと判断した時点でこのワークが搬出不可であると判断する(S37)。
【0069】
以上述べた本実施の形態によれば、間隔台数、あるいは連続台数を少数部分と整数部分とに分割し、この少数部分を累計して累計された少数部分が整数に達した場合には、この整数を間隔台数、あるいは連続台数の整数部分に加算する。このようにすることにより、間隔台数、あるいは連続台数に少数が生じた場合にもこれを整数に合わせることなくそのまま生産ラインに投入することができる。したがって、生産すべき仕様のワークを過不足なく生産ラインに投入し、生産計画通りにワークを生産することができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、ワーク投入数の決定に間隔台数を採用している。このため、所定の仕様のワーク側から見た他仕様ワーク投入数を決定することができ、作業者にとって比較的チェックしやすい生産ラインのワーク投入方法を提供することができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、ワーク投入数の決定に連続台数を採用している。このため、他仕様ワーク側から見た他仕様ワーク投入数を決定することができ、前記した間隔台数と併用することにより、より確実に生産ラインへのワーク投入数を決定することができる。
【0072】
また、間隔台数が無制限に大きくなることを防ぎ、他仕様ワーク投入数を最適にすることができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、例えば午前と午後といったラインの稼働時間で所定の仕様のワークの投入台数を切り替える場合と比べて、間隔台数、あるいは連続台数が、生産ラインの稼働時間内で均等に生産ラインへ投入されるように他仕様ワーク投入数決定している。このように構成することにより、生産ラインに従事する作業者にかかる負荷が均等になり、作業計画をたてやすくなる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、搬出決定履歴記憶部を備え、すでに搬出が決定したワークの最新の履歴を常に100個程度記憶するようにしている。このため、決定した間隔台数、連続台数を守って生産ラインにワークを投入することができ、計画通りにワークを生産することができる。
【0075】
なお、本発明は、このような実施の形態に限定されるものでなく、例えば、サンルーフやノーマルルーフといったルーフの仕様に限らず、どのような仕様、例えばトランスミッションや4WD,2WDの別についても適用することが可能である。また、本発明は、仕様の異なる2種類のワークについてのみ適用されるものでなく、さらに多数の仕様のワークのラインへの投入方法にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態が適用される生産ライン全体の構成のハードウェアを説明するための図である。
【図2】 図1に示した構成のソフトウェアを説明するための図である。
【図3】 PBSについて簡単に説明するための図である。
【図4】 管理データの一例を説明するための図である。
【図5】 PBS管理部のソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図6】 図5に示した絶対条件絞込みのソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図7】 車体の在席位置による搬出の条件を例示する図である。
【図8】 組立工程作業負荷条件により車体を絞込むソフトウェアの構成を説明するための図である。
【図9】 間隔条件設定画面を例示する図である。
【図10】 連続条件設定画面を例示する図である。
【図11】 間隔台数、連続台数を決定する方法を説明するための図で、図11(A)は、間隔台数、連続台数を算出する方法を説明する図、図11(B)は、図11(A)で求めた間隔台数と連続台数とを表した図である。
【図12】 間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図13】 図11中の規制条件テーブルを説明するための図である。
【図14】 図11中の間隔条件テーブルを説明するための図である。
【図15】 図11中の履歴データを説明するための図である。
【図16】 間隔条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図17】 連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【図18】 図17中の連続条件テーブルを説明するための図である。
【図19】 連続条件から搬出するワークを絞込む処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1…搬出決定履歴記憶部
3…間隔条件記憶部
5…連続条件記憶部
7…間隔条件設定画面
9…連続条件設定画面
30…工場制御コンピュータ
39…PBS管理機能
Claims (2)
- 仕様の異なるワークが連続して投入される生産ラインに、投入比率の異なる所定の仕様のワークと他仕様ワークとを投入する生産ラインのワーク投入方法であって、
生産計画に基づいて決定される前記所定の仕様のワークの投入台数と前記他仕様ワークの投入台数とから、前記所定の仕様のワークの投入台数1台あたりの前記他仕様ワークの投入台数を表す他仕様ワーク投入数を決定し、
前記他仕様ワーク投入数を少数部分と整数部分とに分割し、
前記所定の仕様のワークを生産ラインに投入する度に前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入する一方、前記他仕様投入ワーク数の少数部分を累計し、
前記累計された少数部分が整数に達した場合には、当該整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数の前記他仕様ワークを生産ラインに投入すると共に、整数に達した累計値から整数部分を減算することを特徴とする生産ラインのワーク投入方法。 - 前記ワークを投入するごとに、投入されたワークの仕様と投入された順番を履歴として記録し、
前記累計された少数部分が整数に達していない場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他仕様ワークが連続して投入される数が、前記他仕様投入ワーク数の整数部分の数を超える場合には前記他仕様ワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入し、
前記累計された少数部分が整数に達した場合であって、前記履歴を参照した結果、前記他の仕様のワークが連続して投入される数が、前記整数を前記他仕様投入ワーク数の整数部分に加算した数を超える場合には前記他の仕様のワークの投入を禁止する一方、前記所定の仕様のワークを投入することを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の生産ラインのワーク投入方法。
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