JP3762589B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測距対象物までの距離を測定する測距装置に関し、特に、カメラ等に好適に用いられるアクティブ型の測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラ等に用いられるアクティブ型の測距装置は、赤外線発光ダイオード(以下、「IRED」という。)から測距対象物に向けて光束を投光し、その投光された光束の反射光を位置検出素子(以下、「PSD」という。)により受光し、このPSDから出力される信号を信号処理回路および演算回路により演算処理して距離情報として出力し、CPUにより測距対象物までの距離を検出する。また、1回のみの投光による測距では誤差が生じることがあるので、投光を複数回行って複数の距離情報を求め、その複数の距離情報を積分回路により積分して平均化するのが一般的である。
【0003】
従来より、このようなアクティブ型の測距装置として、図19に示すものが知られている。図19は、第1の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【0004】
この図に示す測距装置では、CPU110による制御の下、ドライバ112は、IRED114を駆動して赤外光を出力させ、その赤外光を投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光する。その測距対象物で反射した赤外光は受光レンズ(図示せず)を経てPSD116に集光され、PSD116は、その赤外光の反射光を受光した位置に応じて2つの信号I1 およびI2 を出力する。第1信号処理回路118は、信号I1 に含まれるノイズとなる定常光成分を除去し、第2信号処理回路120は、信号I2 に含まれるノイズとなる定常光成分を除去する。
【0005】
演算回路132は、定常光成分が除去された信号I1 およびI2 に基づいて、出力比(I1 /(I1 +I2 ))を演算により求め、測距対象物までの距離に応じた出力比信号を出力する。積分回路134は、多数回このようにして演算回路132から出力される出力比信号を積分してS/N比を改善する。この積分回路134から出力される信号(以下「AF信号」という。)は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、CPU110は、積分回路134から出力されるAF信号に基づいて、所定の演算を行って距離信号を求め、この距離信号に基づいてレンズ駆動回路136を制御してレンズ138を合焦位置まで移動させる。
【0006】
図20は、この第1の従来技術の積分回路134から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。この図に示すグラフにおいて、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、縦軸は、出力比(I1 /(I1 +I2 ))すなわちAF信号である。この図に示すように、或る距離L4 以下では、距離Lの逆数(1/L)に対して出力比は略線形関係にあり、距離Lが大きく(1/Lが小さく)なると出力比は小さくなる。しかし、距離L4 以上では、距離Lが大きくなると逆にノイズ成分の影響が大きくなる。ノイズ成分をIn (In ≧0)とすると、出力比は、(I1 +In )/(I1 +In +I2 +In )となり、距離L4 以遠では、出力比は大きくなる方向(すなわち出力比50%方向)に変動する。しかも、In はランダムに発生する為、測距条件により不安定になる。これは、距離Lが大きくなると、PSD116が受光する反射光の強度が小さくなってノイズ成分In が相対的に大きくなるからである。このような現象が起きると、測距対象物までの距離Lを出力比から一意的に決定することができない。
【0007】
その為、図21に示すように、第2信号処理回路120から出力された遠側信号I2 がクランプ信号Ic より小さいときには該クランプ信号Ic を出力するクランプ回路130を第2信号処理回路120と演算回路132との間に設ける。しかし、その場合であっても、後述する図24に示すように、遠距離側では、距離出力は或一定の距離に固定され、設計値に対する偏差が大きくなってしまう。
【0008】
そこで、このような問題を解決する測距装置として、以下のようなものが知られている。図22は、第2の従来技術に係る測距装置の構成図である。なお、この図では、受光側のみ示している。この図に示す測距装置では、PSD140から出力された信号I1 およびI2 それぞれは、定常光除去回路142および144それぞれにより定常光成分が除去された後、演算回路146および148の双方に入力する。演算回路146は、定常光成分が除去された信号I1 およびI2 に基づいて、I1 /(I1 +I2 )なる演算を行って出力比を求め、積分回路150は、その出力比を積分する。一方、演算回路148は、I1 +I2 なる演算を行って光量を求め、積分回路152は、その光量を積分する。そして、選択部160は、出力比および光量の一方を選択して、これに基づいて測距対象物までの距離を求める。なお、選択部160は、CPUにおける処理である。
【0009】
また、図23は、第3の従来技術に係る測距装置の構成図である。なお、この図でも、受光側のみ示している。この図に示す測距装置では、PSD170から出力された信号I1 およびI2 それぞれは、定常光除去回路172および174それぞれにより定常光成分が除去された後、スイッチ176の一端に入力する。このスイッチ176は、CPUにより制御され、定常光除去回路172および174のいずれかの出力を積分回路178に入力させるものである。積分回路178は、入力した信号I1 およびI2 の何れか一方を積分し、演算部180は、その積分結果に基づいて、I1 /(I1 +I2 )なる演算を行って出力比を求め、一方、演算部182は、I1 +I2 なる演算を行って光量を求める。そして、選択部184は、出力比および光量の一方を選択して、これに基づいて測距対象物までの距離を求める。なお、演算部180,182および選択部184は、CPUにおける処理である。
【0010】
これら第2および第3の従来技術に係る測距装置(図22、図23)は、共に、測距対象物までの距離Lが小さいときには、出力比(I1 /(I1 +I2 ))に基づいて距離Lを求め、距離Lが大きいときには、光量(I1 +I2 )に基づいて距離Lを求めるものであり、このようにすることにより、距離Lを一意的に決定することができるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、第2および第3の従来技術に係る測距装置(図22、図23)は、共に、第1の従来技術に係る測距装置(図19、図21)の問題点を解決し得るものではある。しかし、第2の従来技術に係る測距装置(図22)は、演算回路および積分回路を共に2組設ける必要があり、これを第1の従来技術に係る測距装置(図19、図21)と比較すると、回路規模が大きくなってコスト高になるという問題点がある。一方、第3の従来技術に係る測距装置(図23)は、回路規模が小さくなるものの、PSD170からの信号I1およびI2の双方を同時に検出することができないので、第2の従来技術に係る測距装置(図22)と同程度のS/N比で距離Lを求めようとすれば2倍の時間を要する。
【0012】
また、上記何れの従来技術に係る測距装置とも、IREDから出力される赤外光に対する測距対象物(被写体)の反射率が標準値であるときに好適に動作するよう設計されるが、測距対象物の反射率が小さいときには、PSDから出力される信号I1 およびI2 の値が小さくなり、正確な測距値が得られない場合がある。特に、測距対象物までの距離が大きいときに、この問題は大きい。これについて図24〜図27に示した計算結果を用いて説明する。
【0013】
図24は、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。図25は、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。図26は、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、第2および第3の従来技術それぞれに係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図27は、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第2および第3の従来技術それぞれに係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。なお、これらの図において、互いに平行な2本の破線は、測距誤差の許容範囲を表す。
【0014】
第1の従来技術に係る測距装置(図21)では、図24に示すように、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときには、距離信号が測距誤差の許容範囲に常に入っているものの、距離によっては辛うじて許容範囲に入っている。一方、図25に示すように、測距対象物の反射率が低い9%であるときには、距離によっては距離信号が測距誤差の許容範囲から外れる場合がある。第2および第3の従来技術それぞれに係る測距装置では、図26に示すように、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときには、距離信号が測距誤差の許容範囲に常に入っており、これは図24に示したものと比べて改善されている。一方、図27に示すように、測距対象物の反射率が低い9%であるときには、距離によっては距離信号が測距誤差の許容範囲から外れる場合があり、これは図25に示したものと同様である。
【0015】
以上のように、測距対象物の反射率が低いときには、距離によっては距離信号が測距誤差の許容範囲から外れ、測距精度が悪くなる場合がある。そこで、このような問題点を解決するために、第1の従来技術に係る測距装置(図21)において、第2信号処理回路120から出力された遠側信号I2 がクランプ信号Ic より小さいときには該クランプ信号Ic を出力するクランプ回路を第2信号処理回路120と演算回路132との間に設け、このクランプ信号Ic のレベルを小さくすることが考えられる。
【0016】
図28は、クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図29は、クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。図28に示すように、クランプ信号Ic のレベルが小さく、測距対象物の反射率が標準値であるときには、距離信号が測距誤差の許容範囲に常に入っており、しかも、これは図24に示したものと比べて改善されている。一方、図29に示すように、クランプ信号Ic のレベルが小さく、測距対象物の反射率が低いときには、距離によっては辛うじて許容範囲に入っているものの、距離信号が測距誤差の許容範囲に常に入っている。
【0017】
しかし、クランプ信号Ic のレベルを小さくしても、外光輝度が比較的大きい場合には更に以下のような問題点がある。図30は、クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、外光輝度が大きく、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図31は、クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、外光輝度が大きく、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。これらの図に示すように、外光輝度が大きい場合には測距誤差の許容範囲は広くなるが、それにも拘わらず、測距対象物の反射率が標準値である場合も低い場合も、距離によっては距離信号が測距誤差の許容範囲から外れ、測距精度が悪くなる場合がある。これは、外光輝度が大きいときには、第1信号処理回路118および第2信号処理回路120それぞれにおける定常光除去が充分に行われず、これに因る測距誤差が生じるからである。
【0018】
以上のような問題点を解決するため、IREDからの投光量を増大させるか、或いは、投光レンズや受光レンズの径を大きくすることが考えられる。図32は、IREDからの投光量を4倍にしたときであって、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。図33は、IREDからの投光量を4倍にしたときであって、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。これらの図に示すように、測距対象物の反射率が標準値である場合も低い場合も、距離信号は測距誤差の許容範囲に常に入る。しかし、IREDからの投光量を増大させるとコストが上昇し、投光レンズや受光レンズの径を大きくするとサイズが大きくなる。
【0019】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、測距対象物の反射率が小さく測距対象物までの距離が大きい場合にも、その距離を精度よく求めることができ、また、コスト上昇およびサイズ大型化とならない測距装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る測距装置は、(1) 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、(2) 測距対象物に投光された光束の反射光を、測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、(3) 遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、遠側信号のレベルがクランプ信号のレベル以上の場合には遠側信号を出力し、そうでない場合にはクランプ信号を出力するクランプ手段と、(4) 近側信号とクランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を出力する演算手段と、(5) 出力比信号を積算して積分し、その積分結果に応じた積分信号を出力する積分手段と、(6) 投光手段における光束の投光、クランプ手段におけるクランプ信号のレベルおよび積分手段における出力比信号の積算期間の総和それぞれを制御するとともに、積分手段から出力された積分信号に基づいて測距値を検出する制御手段とを備える。
【0021】
そして、上記制御手段は、(1) クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第1の測距値を検出し、(2) この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、クランプ信号を第1のレベルより小さい第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第2の測距値を検出し、(3) 前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値より大きいときに、クランプ信号を第2のレベルに設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して積分手段から出力される積分信号に基づいて検出される第3の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求め、前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値以下であるときに、前記クランプ信号を前記第1のレベルに設定し前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して前記積分手段から出力される前記積分信号に基づいて検出される第4の測距値および前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。
【0022】
この測距装置は以下のように作用する。投光手段から測距対象物に向けて出力された光束は、その測定対象物で反射し、その反射光は、受光手段により、測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光され、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号とが出力される。クランプ手段により、この遠側信号がクランプ信号のレベルと大小比較され、遠側信号のレベルがクランプ信号のレベル以上の場合には、遠側信号が出力され、そうでない場合には、当該クランプ信号が出力される。演算手段により、近側信号とクランプ手段から出力された信号との比が演算されて出力比信号が出力される。その出力比信号は積分手段により積算されて積分され、その積分結果に応じた積分信号が出力される。制御手段により、これらの動作が制御されるとともに、積分手段から出力された積分信号に基づいて測距値が検出される。より具体的には以下のように作用する。なお、ここでは、遠距離になるほど測距値が小さくなる条件で説明を行う。
【0023】
先ず、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第1の測距値を検出する。この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、クランプ信号を第1のレベルより小さい第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第2の測距値を検出する。なお、第2の数は第1の数と同一であってもよいし異なってもよい。
【0024】
そして、前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値より大きいときに、クランプ信号を第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第3の測距値を検出し、この第3の測距値および第2の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。すなわち、この場合には、測距対象物の反射率が小さく、測距対象物までの距離が大きいと判断され、クランプ信号の値を小さく設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。
【0025】
なお、クランプ信号を第2のレベルより小さい第3のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定し、積分手段から出力された積分信号に基づいて測距値を検出して、この測距値から第2の測距値を減算した差が所定値より大きいときに該測距値に基づいて測距対象物までの距離を求めてもよい。同様に、クランプ信号を更に小さい第4のレベルに設定してもよい。このように、クランプ信号を多数のレベルそれぞれに設定して各測距値を求め、これら各測距値の間の差を求めることにより、測距対象物の反射率を多段階に判定することができるので、測距対象物までの距離を更に精度よく求めることができる。
また、前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して積分手段から出力される積分信号に基づいて検出される第4の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。この場合には、所定値以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第4の測距値を検出し、この第4の測距値および第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。
【0026】
また、本発明に係る測距装置は、外光輝度を測定する輝度測定手段を更に備える。そして、制御手段は、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値より小さいときには、(1) クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第1の測距値を検出し、(2) この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、クランプ信号を第1のレベルと異なる第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第2の測距値を検出し、(3) 第1および第2の測距値のうちクランプ信号が小さいレベルの場合の測距値に対してクランプ信号が大きいレベルの場合の測距値が所定値以上遠距離であるときに、クランプ信号を上記小さいレベルに設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して積分手段から出力される積分信号に基づいて検出される第3の測距値および第2の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。一方、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値以上であるときには、クランプ信号を上記大きいレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて測距値を検出し、この測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。
【0027】
この場合には、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値より小さいときには、上述した作用と略同様の作用を奏するが、第1のレベルと第2のレベルの大小関係を問わない。一方、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値以上であるときには、測距対象物の反射率や距離を考慮することなく、クランプ信号を上記大きいレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定して測距を行うことにより、測距対象物までの距離を精度よく求めることができる。
【0028】
また、本発明に係る測距装置の制御手段は、前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して積分手段から出力される積分信号に基づいて検出される第4の測距値と前記第1の測距値とを前記第4の数および前記第1の数に応じて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。この場合には、上記差が所定値以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第4の測距値を検出し、既に検出された第1の測距値および第4の測距値の双方に基づいて、測距対象物までの距離を求める。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が大きいと判断されるが、測距対象物の反射率が比較的大きいと判断されるので、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。
【0029】
また、本発明に係る測距装置の制御手段は、第1の測距値が第2の基準距離より大きく第1の基準距離以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第5の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第5の測距値を検出し、この第5の測距値および第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求め、前記第1の測距値が前記第2の基準距離以下であるときに、前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。第1の測距値が第2の基準距離より大きく第1の基準距離以下である場合には、測距対象物までの距離が中程度であると判断されるので、測距対象物の反射率を考慮することなく、また、積算期間の総和が通常の所定数より小さくても、クランプ信号を通常の第1のレベルに設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、第5の測距値を検出する際の積算期間の総和を小さくすることにより、測距に要する全体の時間を短くすることができる。
【0030】
また、本発明に係る測距装置の制御手段は、第1の測距値が第2の基準距離以下であるときに、第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。この場合には、通常値のクランプ信号で検出された第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離が求められる。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が小さいと判断されるので、測距対象物の反射率を考慮することなく、また、積算期間の総和が通常の所定数より小さくても、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、積算期間の総和を通常の所定数より小さくすることができるので、測距に要する全体の時間を短くすることができる。
【0031】
また、本発明に係る測距装置の制御手段は、前記第1の数および前記第4の数に応じて前記第1の測距値および前記第4の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。また、本発明に係る測距装置の制御手段は、前記第2の数および前記第3の数に応じて前記第2の測距値および前記第3の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。また、本発明に係る測距装置の制御手段は、前記第1の数および前記第5の数に応じて前記第1の測距値および前記第5の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。これら何れの場合も、第1の測距値を検出する際の積算期間の総和である第1の数および第2の測距値を検出する際の積算期間の総和である第2の数それぞれを小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができるとともに、その第1または第2の測距値にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができ、測距精度を向上させることができる。
【0032】
また、本発明に係る測距装置の制御装置は、(1) クランプ信号を複数のレベルそれぞれに設定して、複数のレベルそれぞれに対して積分手段から出力された積分信号に基づいて複数の測距値を検出し、(2) 複数の測距値のうちクランプ信号が最も大きいレベルの場合の測距値に対してクランプ信号が小さいレベルの場合の測距値が所定値以上遠距離であるものがあるときには、その所定値以上遠距離であるとされたうちで小さいレベルのクランプ信号に対して検出された測距値を第1の測距値とし、そのときの積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数とし、(3) その小さいレベルにクランプ信号を設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して積分手段から出力された積分信号に基づいて検出される第2の測距値および第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める、ことを特徴とする。
【0033】
この場合には、先ず、クランプ信号を複数のレベルそれぞれに設定して、複数のレベルそれぞれに対して積分手段から出力された積分信号に基づいて複数の測距値を検出するが、その際の順序は任意である。そして、複数の測距値のうちクランプ信号が最も大きいレベルの場合の測距値に対してクランプ信号が小さいレベルの場合の測距値が所定値以上遠距離であるものがあるときには、以下のように作用する。すなわち、その所定値以上遠距離であるとされたうちで小さいレベルのクランプ信号に対して検出された測距値を第1の測距値とする。そのときの積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数とする。そして、その小さいレベルにクランプ信号を設定し積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数(>第1の数)に設定して積分手段から出力された積分信号に基づいて検出される第2の測距値および第1の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。
【0034】
また、制御手段は、複数の測距値のうちクランプ信号が最も大きいレベルの場合の測距値に対してクランプ信号が小さいレベルの場合の測距値が所定値以上遠距離であるものがないときには、以下のように作用する。すなわち、前記クランプ信号のレベルIc1、Ic2、およびIc3(Ic1>Ic2>Ic3)ならびに前記積分手段における出力比信号の積算期間N1、N2、およびN3をそれぞれ設定して、前記複数のレベルそれぞれに対して前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいてそれぞれ測距値D1、D2、およびD3(D1>D2>D3)を検出する。
そして、測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上である場合には、クランプ信号Ic3および前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N4(>N3)に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D4および前記測距値D3に基づいて前記測距対象物までの距離を求める。
また、測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上ではない場合であって、測距値D2から測距値D1を減算した値が第2の所定値より大きい場合には、クランプ信号のレベルIc2およびその前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N5(>N2)として前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D5および前記測距値D2に基づいて前記測距対象物までの距離を求める。
さらに、測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上ではない場合であって、測距値D2から測距値D1を減算した値が第2の所定値より大きくない場合には、クランプ信号のレベルIc1およびその前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N6(>N1)として前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D6および前記測距値D1に基づいて前記測距対象物までの距離を求める。
【0035】
また、制御手段は、前記測距値D3および前記測距値D4を、前記積算期間N3およびN4に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。制御手段は、前記測距値D2および前記測距値D5を、前記積算期間N2およびN5に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。制御手段は、前記測距値D1および前記測距値D6を、前記積算期間N1およびN6に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする。これら何れの場合も、測距値を検出する際の積算期間および他の測距値を検出する際の積算期間のそれぞれを小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができるとともに、これら測距値にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができ、測距精度を向上させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下では、本実施形態に係るアクティブ型の測距装置が自動焦点式カメラの測距装置として適用される場合について説明する。
【0037】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態に係る測距装置の全体の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【0038】
CPU1は、この測距装置を備えるカメラ全体を制御するものであり、EEPROM2に予め記憶されているプログラムおよびパラメータに基づいて、この測距装置を含むカメラ全体を制御する。この図に示す測距装置においては、CPU1は、ドライバ3を制御してIRED(赤外線発光ダイオード)4からの赤外光の出射を制御する。また、CPU1は、自動焦点用IC(以下「AFIC」という。)10の動作を制御するとともに、AFIC10から出力されるAF信号を入力する。さらに、CPU1は、測光センサ71により測定された外光輝度の値を入力する。
【0039】
特に、本実施形態に係るCPU1は、制御部1Aを備えることを特徴としている。この制御部1Aは、クランプ回路13におけるクランプ信号のレベルおよび積分回路15における出力比信号の積算期間の総和それぞれを制御するとともに、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値を検出する。そして、制御部1Aは、この測距値に基づいて種々の比較・演算・制御等を行って、正確な測距値を求める。
【0040】
IRED4から出射された赤外光は、IRED4の前面に配された投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光され、その一部が反射され、そして、その反射光は、PSD(位置検出素子)5の前面に配された受光レンズ(図示せず)を介してPSD5の受光面上の何れかの位置で受光される。この受光位置は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、PSD5は、その受光位置に応じた2つの信号I1 およびI2 を出力する。信号I1 は、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値である近側信号であり、信号I2 は、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値である遠側信号である。信号I1 およびI2 の和は、PSD5が受光した反射光の光量を表し、出力比(I1 /(I1 +I2 ))は、PSD5の受光面上の受光位置すなわち測距対象物までの距離を表す。そして、近側信号I1 は、AFIC10のPSDN端子に入力し、遠側信号I2 は、AFIC10のPSDF端子に入力する。ただし、実際には、外界条件により近側信号I1 および遠側信号I2 それぞれに定常光成分I0 が付加された信号がAFIC10に入力される場合がある。
【0041】
AFIC10は、集積回路(IC)であって、第1信号処理回路11、第2信号処理回路12、クランプ回路13、演算回路14および積分回路15から構成される。第1信号処理回路11は、PSD5から出力された信号I1 +I0 を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0 を除去して、近側信号I1 を出力するものであり、また、第2信号処理回路12は、PSD5から出力された信号I2 +I0 を入力し、その信号に含まれる定常光成分I0 を除去して、遠側信号I2 を出力するものである。
【0042】
クランプ回路13は、第2信号処理回路12から出力された遠側信号I2 を入力し、或る一定レベルのクランプ信号Ic および遠側信号I2 それぞれのレベルを大小比較し、前者が大きいときにはクランプ信号Ic を出力し、そうでないときには遠側信号I2 をそのまま出力する。以下では、このクランプ回路13から出力される信号をI2cで表す。
【0043】
演算回路14は、第1信号処理回路11から出力された近側信号I1 と、クランプ回路13から出力された信号I2c(遠側信号I2 およびクランプ信号Ic のうち値が大きい信号)とを入力し、出力比(I1 /(I1 +I2c))を演算し、その結果を表す出力比信号を出力する。積分回路15は、その出力比信号を入力し、AFIC10のCINT 端子に接続された積分コンデンサ6とともに、その出力比を多数回積算し、これによりS/N比の改善を図る。特に、測距対象物までの距離が大きいときの積算数を、距離が小さいときの積算数より大きくして、S/N比の改善を図ることが重要である。そして、その積算された出力比は、AF信号としてAFIC10のSOUT 端子から出力される。CPU1は、AFIC10から出力されたAF信号を入力し、所定の演算を行ってAF信号を距離信号に変換し、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出する。レンズ駆動回路7は、その距離信号に基づいて撮影レンズ8を合焦動作させる。
【0044】
次に、AFIC10の第1信号処理回路11、クランプ回路13および積分回路15について、より具体的な回路構成について説明する。図2は、本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路11および積分回路15の回路図である。また、図3は、本実施形態に係る測距装置におけるクランプ回路13の回路図である。なお、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様の回路構成である。
【0045】
第1信号処理回路11は、その回路図が図2に示されており、PSD5から出力された定常光成分I0 を含む近側信号I1 を入力し、これに含まれる定常光成分I0 を除去して、近側信号I1 を出力するものである。PSD5の近距離側端子から出力される電流(I1 +I0 )は、AFIC10のPSDN端子を経て、第1信号処理回路11のオペアンプ20の−入力端子に入力される。オペアンプ20の出力端子はトランジスタ21のベース端子に接続されており、トランジスタ21のコレクタ端子は、トランジスタ22のベース端子に接続されている。トランジスタ22のコレクタ端子は、オペアンプ23の−入力端子が接続され、また、演算回路14に接続されている。さらに、トランジスタ22のコレクタ端子には圧縮ダイオード24のカソード端子が、また、オペアンプ23の+入力端子には圧縮ダイオード25のカソード端子がそれぞれ接続されており、これら圧縮ダイオード24および25それぞれのアノード端子には第1基準電源26が接続されている。
【0046】
また、AFIC10のCHF端子には定常光除去コンデンサ27が外付けされており、この定常光除去コンデンサ27は、第1信号処理回路11内の定常光除去用トランジスタ28のベース端子に接続されている。定常光除去コンデンサ27とオペアンプ23とはスイッチ29を介して接続されており、このスイッチ29のオン/オフはCPU1により制御される。定常光除去用トランジスタ28のコレクタ端子はオペアンプ20の−入力端子に接続されており、トランジスタ28のエミッタ端子は抵抗器30を介して接地されている。
【0047】
クランプ回路13は、その回路図が図3に示されている。クランプ回路13の判定用コンパレータ37の+入力端子は、第2信号処理回路12のトランジスタ22のコレクタ端子に接続されるとともに、スイッチ38を介して演算回路14の入力端子に接続されている。一方、判定用コンパレータ37の−入力端子は、+入力端子に接続されているトランジスタ22および圧縮ダイオード24と同様に、トランジスタ51のコレクタ端子と圧縮ダイオード52のカソード端子とに接続されるとともに、スイッチ39を介して演算回路14の入力端子に接続されている。
【0048】
また、トランジスタ51のベース端子には、クランプ電流源41が接続されている。このクランプ電流源41は、定電流源とスイッチとが直列接続されたものを1組として複数組が並列接続されたものであり、各スイッチそれぞれがCPU1により制御されて開閉する。そして、クランプ電流源41は、その閉じられたスイッチに対応する定電流源それぞれからの電流の総和であるクランプ電流をトランジスタ51のベース端子に入力する。このクランプ電流はトランジスタ51のベース電流となり、その大きさに応じたコレクタ電位が判定用コンパレータ37の−入力端子に入力される。
【0049】
また、スイッチ39には判定用コンパレータ37の出力端子が接続されており、判定用コンパレータ37の出力信号が入力される。また、スイッチ38にはインバータ40を介して判定用コンパレータ37の出力端子が接続されており、判定用コンパレータ37の出力信号が反転されてから入力される。したがって、スイッチ38および39は、判定用コンパレータ37からの出力信号により、一方がオン状態になると他方がオフ状態となる関係にある。
【0050】
積分回路15は、その回路構成が図2に示されている。AFIC10のCINT 端子に外付けされた積分コンデンサ6は、スイッチ60を介して演算回路14の出力端子に接続され、スイッチ62を介して定電流源63に接続され、スイッチ65を介してオペアンプ64の出力端子に接続され、また、直接にオペアンプ64の−入力端子に接続され、さらに、その電位がAFIC10のSOUT 端子から出力される。これらスイッチ60,62および65は、CPU1からの制御信号により制御される。また、オペアンプ64の+入力端子には、第2基準電源66が接続されている。
【0051】
以上のように構成されるAFIC10の作用の概略について、図2および図3を参照しながら説明する。CPU1は、IRED4を発光させていないときには、第1信号処理回路11のスイッチ29をオン状態にする。このときにPSD5から出力される定常光成分I0 は、第1信号処理回路11に入力して、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮されて電圧信号に変換され、この電圧信号がオペアンプ23の−入力端子に入力する。オペアンプ20に入力する信号が大きいと、圧縮ダイオード24のカソード電位が大きくなるので、オペアンプ23から出力される信号が大きく、したがって、コンデンサ27が充電される。すると、トランジスタ28にベース電流が供給されることになるので、トランジスタ28にコレクタ電流が流れ、第1信号処理回路11に入力した信号I0 のうちオペアンプ20に入力する信号は小さくなる。そして、この閉ループの動作が安定した状態では、第1信号処理回路11に入力した信号I0 の全てがトランジスタ28に流れ、コンデンサ27には、そのときのベース電流に対応した電荷が蓄えられる。
【0052】
CPU1がIRED4を発光させるとともにスイッチ29をオフ状態にすると、このときにPSD5から出力される信号I1 +I0 のうち定常光成分I0 は、コンデンサ27に蓄えられた電荷によりベース電位が印加されているトランジスタ28にコレクタ電流として流れ、近側信号I1 は、オペアンプ20ならびにトランジスタ21および22から構成される電流増幅器により電流増幅され、圧縮ダイオード24により対数圧縮され電圧信号に変換されて出力される。すなわち、第1信号処理回路11からは、定常光成分I0 が除去されて近側信号I1 のみが出力され、その近側信号I1 は、演算回路14に入力する。一方、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様に、定常光成分I0 が除去されて遠側信号I2 のみが出力され、その遠側信号I2 は、クランプ回路13に入力する。
【0053】
クランプ回路13に入力した遠側信号I2 は、クランプ回路13の判定用コンパレータ37の+入力端子に入力する。クランプ電流源41から出力されたクランプ電流は、トランジスタ51のベース電流として流れ、これに伴い生じるトランジスタ51のコレクタ端子の電位(クランプ信号Ic )が判定用コンパレータ37の−入力端子に入力する。遠側信号I2 とクランプ信号Ic とは、判定用コンパレータ37により大小比較され、その結果に応じて、スイッチ38および39のうち一方がオンされ、他方がオフされる。すなわち、遠側信号I2 がクランプ信号Ic より大きいときには、スイッチ38がオン状態となり、スイッチ39がオフ状態となり、クランプ回路13の出力信号I2cとして遠側信号I2 が出力される。大小関係が逆の場合には、スイッチ38がオフ状態となり、スイッチ39がオン状態となり、クランプ回路13の出力信号I2cとしてクランプ信号Ic が出力される。
【0054】
クランプ回路13から出力された信号I2cおよび第1信号処理回路11から出力された近側信号I1 は、演算回路14に入力され、演算回路14により出力比(I1 /(I1 +I2c))が演算されて出力され、その出力比は、積分回路15に入力される。IRED4が所定回数だけパルス発光している期間、積分回路15のスイッチ60はオン状態とされ、スイッチ62および65はオフ状態とされて、積分コンデンサ6は、所定回数の演算毎の出力比に相当する電流分だけ放電され、その電位はVREF2から低下する(第1積分)。そして、所定回数のパルス発光が終了すると、スイッチ60はオフ状態とされ、スイッチ62はオン状態とされて、第1積分によって低下した積分コンデンサ6の電位は、定電流源63から供給される一定電流によって上昇していく(第2積分)。CPU1は、積分コンデンサ6の電位をモニタして、元の電位に復帰するのに要する時間を測定し、その時間に基づいてAF信号を求め、更に、測距対象物までの距離を求める。
【0055】
このようにして得られたAF信号と測距対象物までの距離Lとの関係を図4に示す。図4は、本実施形態に係る測距装置の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。この図に示すグラフにおいて、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、縦軸は、出力比(I1 /(I1 +I2 ))すなわちAF信号である。この図に示すように、測距対象物までの距離Lが或る距離L4 以下(L≦L4 )では、クランプ回路13から出力される信号はI2 であり、出力比はI1 /(I1 +I2 )であり、距離Lの逆数(1/L)に対して出力比は略線形関係にあり、距離Lが大きく(1/Lが小さく)なると出力比は小さくなる。また、距離Lが距離L4 以上(L≧L4 )では、クランプ回路13から出力される信号はIc であり、出力比はI1 /(I1 +Ic )であり、この場合も、距離Lが大きくなると出力比は小さくなる。このように、クランプ回路13を用いれば、測距対象物までの距離Lは、出力比(AF信号)から一意的かつ安定に決定することができる。
【0056】
CPU1は、このようにして得られたAF信号に基づいて、撮影レンズ8の繰り出し量を表す距離信号を演算により求め、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出して撮影レンズ8を合焦動作させる。図5は、本実施形態に係る測距装置におけるAF信号から距離信号への変換の説明図である。この図に示すグラフでは、横軸は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)であり、左縦軸はAF信号であり、右縦軸は距離信号である。また、このグラフでは、距離LとAF信号との関係および距離Lと距離信号との関係をそれぞれ示しており、特に、距離L2 ,L3 ,L4 およびL5 (ただし、L2 <L3 <L4 <L5 )それぞれに対して、AF信号はy2 ,y3 ,y4 およびy5 であり、距離信号はx2 ,x3 ,x4 およびx5 であることを示している。
【0057】
ここで、距離L≦L4 の範囲および距離L>L4 の範囲それぞれにおいて、AF信号は距離Lの逆数(1/L)に対して略線形関係であり、また、距離Lの全範囲において、距離信号は距離Lの逆数(1/L)に対して略線形関係である。距離L<L4 の範囲および距離L≧L4 の範囲それぞれにおいて、AF信号と距離信号との間の関係も略線形関係である。
【0058】
したがって、1次式で表される変換式を用いてAF信号yから距離信号xへ変換することができる。すなわち、AF信号yがクランプ効果有無判断基準レベル超である範囲(距離LがL4 未満である範囲)では、
【0059】
(数1)
A2=(x3−x2)/(y3−y2)…(1a)
B2=x2−y2・A2 …(1b)
なるパラメータに基づいて、AF信号yから距離信号xを
【0060】
(数2)
x=A2・y+B2 …(2)
なる変換式で求める。一方、AF信号yがクランプ効果有無判断基準レベル以下である範囲(距離LがL4 以上の範囲)では、
【0061】
(数3)
A3=(x5−x4)/(y5−y4)…(3a)
B3=x4−y4・A3 …(3b)
なるパラメータに基づいて、AF信号yから距離信号xを
【0062】
(数4)
x=A3・y+B3 …(4)
なる変換式で求める。ここで、上記 (2)式および(4)式は互いに異なる変換式である。さらに、AF信号yが撮影レンズ8の最遠設定値に対応する最遠AF信号値INFDATA 以下である場合には、距離信号xを撮影レンズ8の最遠設定値に対応する最遠距離信号値AFINF とすることで、さらに安定した撮影レンズの合焦制御を行うことができる。
【0063】
なお、パラメータA2 ,B2 ,A3 およびB3 、最遠AF信号値INFDATA ならびに最遠距離信号値AFINF は、この測距装置が組み込まれるカメラ毎に、製造時に求められEEPROM2等に予め記憶されている。そして、これらのパラメータは測距時にCPU1により読み出されて、 (2)式または (4)式の演算が行われて、AF信号yから距離信号xへ変換される。
【0064】
しかし、測距対象物の反射率が小さく、測距対象物までの距離が大きい場合には、PSD5から出力される信号I1 およびI2 の値が小さくなり、無限遠と判断され易くなる。図6は、測距対象物の反射率が標準値の36%の場合および低反射率の9%の場合それぞれにおける測距対象物までの距離と距離信号との関係を説明する図である。同図(a)に示すように、測距対象物の反射率が標準値の36%の場合には、距離信号は、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)に略比例する値が得られる。しかし、同図(b)に示すように、測距対象物の反射率が低反射率の9%の場合には、距離信号は、測距対象物までの距離Lが小さいときには、逆数(1/L)に略比例する値が得られるが、距離Lが大きいとき(例えば図中の距離Ls )では、逆数(1/L)に比例せず、測距誤差の許容範囲からも外れる。
【0065】
一方、このように測距対象物の反射率が低反射率である場合であっても、クランプ回路13におけるクランプ信号Ic の値を小さくすることにより、測距対象物までの距離Lの逆数(1/L)に略比例する値の距離信号、あるいは、測距誤差の許容範囲内に入る値の距離信号を得ることができる。本実施形態に係る測距装置は、以上のことを利用して、測距対象物の反射率が小さく測距対象物までの距離が大きい場合であっても、測距対象物までの距離を精度よく求めるものである。
【0066】
次に、本実施形態に係る測距装置の具体的な動作手順について説明する。図7は、本実施形態に係る測距装置の動作を説明するフローチャートである。なお、以下に述べる動作はCPU1による制御の下に行われるものである。また、以下の説明におけるL1 およびL2 それぞれは、図4および図5による説明におけるものとは別のものである。
【0067】
カメラのレリーズボタン(図示せず)が半押しされると、先ず、CPU1は、測光センサ71により測定された外光輝度の値を入力し、その測定された外光輝度値が所定輝度値より小さいか否かを判定する(ステップS1)。もし、外光輝度値が所定輝度値以上であれば、露光時の絞りを小さくすることができ、撮影レンズ8の繰り出し量が正確でなくとも、焦点ボケが小さい撮影を行うことができる。そこで、この場合には、CPU1は、測距対象物の反射率や距離を考慮することなく、クランプ回路13におけるクランプ信号の値を通常のIc1(第1のレベル、例えば1.5nA)とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 (例えば300)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値を検出し、この測距値に基づいて測定対象物までの距離を求める(ステップS2)。この測距動作は既に説明したとおりである。
【0068】
一方、外光輝度値が所定輝度値より小さければ、測距対象物までの距離を正確に求めて、撮影レンズ8の繰り出しを正確に制御する必要がある。そこで、この場合には以下のようにして測距対象物までの距離を求める。先ず、CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値を通常のIc1(第1のレベル)とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN1 (第1の数、例えば50)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D1 (第1の測距値)を検出する(ステップS3)。ここで検出された第1の測距値D1 は、測距対象物の反射率が小さく測距対象物までの距離が大きいときには、その距離を精度よく表すものでなく、概略的に表すものである。
【0069】
そして、CPU1は、この第1の測距値D1 と第1の基準距離L1 (例えば3m)とを大小比較する(ステップS4)。もし、第1の測距値D1 が第1の基準距離L1 より大きければ、すなわち、L1 <D1 であれば、CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値を通常のIc1より小さいIc2(第2のレベル、例えば0.375nA)とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN2 (第2の数、例えば50)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D2 (第2の測距値)を検出する(ステップS5)。
【0070】
さらに、CPU1は、ステップS5で検出された第2の測距値D2 からステップS3で検出された第1の測距値D1 を減算した差を求め、その差と所定値DDとを大小比較する(ステップS6)。もし、その差(D2 −D1 )が所定値DDより大きければ、測距対象物の反射率が小さく、クランプ回路13におけるクランプ信号の値が小さい場合に得られる測距値の方が正確であると判断することができる。したがって、この場合には、CPU1は、ステップS5で検出された第2の測距値D2 に基づいて、測距対象物までの距離を求めてもよい。しかし、ステップS5において積分回路15における出力比信号の積算数N2 が少ないと、第2の測距値D2 のS/N比はよくない。そこで、本実施形態では、以下のようにする。
【0071】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc2(第2のレベル)とし、積分回路15における出力比信号の積算数をN3 (第3の数、例えば300)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D3 (第3の測距値)を検出する(ステップS7)。積分回路15における出力比信号の積算数N3 が充分に大きければ、CPU1は、この第3の測距値D3 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0072】
本実施形態では、CPU1は、ステップS5で検出された第2の測距値D2 とステップS7で検出された第3の測距値D3 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS8)。この加重平均に際しては、ステップS5およびS7それぞれにおける積算数N2 およびN3 に応じた重み付けが行われ、積算数N3 が積算数N2 より大きければ、第3の測距値D3 の方が第2の測距値D2 より大きな重み付けがなされる。
【0073】
ステップS6において差(D2 −D1 )が所定値DD以下であれば、測距対象物の反射率が比較的大きく、クランプ回路13におけるクランプ信号の値が大きくても測距値は正確であると判断することができる。したがって、この場合には、CPU1は、ステップS3で検出された第1の測距値D1 に基づいて、測距対象物までの距離を求めてもよい。しかし、ステップS3において積分回路15における出力比信号の積算数N1 が少ないと、第1の測距値D1 のS/N比はよくない。そこで、本実施形態では、以下のようにする。
【0074】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc1(第1のレベル)とし、積分回路15における出力比信号の積算数をN4 (第4の数、例えば200)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D4 (第4の測距値)を検出する(ステップS9)。積分回路15における出力比信号の積算数N4 が充分に大きければ、CPU1は、この第4の測距値D4 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0075】
本実施形態では、CPU1は、ステップS3で検出された第1の測距値D1 とステップS9で検出された第4の測距値D4 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS10)。この加重平均に際しては、ステップS3およびS9それぞれにおける積算数N1 およびN4 に応じた重み付けが行われ、積算数N4 が積算数N1 より大きければ、第4の測距値D4 の方が第1の測距値D1 より大きな重み付けがなされる。
【0076】
ステップS4において第1の測距値D1 が第1の基準距離L1 以下であれば、CPU1は、さらに、第1の測距値D1 と第2の基準距離L2 (L2 <L1 、例えば1m)とを大小比較する(ステップS11)。もし、第1の測距値D1 が第2の基準距離L2 より大きければ、すなわち、L2 <D1 ≦L1 であれば、CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値を通常のIc1(第1のレベル)とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN5 (第5の数、例えば100)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D5 (第5の測距値)を検出する(ステップS12)。積分回路15における出力比信号の積算数N5 が充分に大きければ、CPU1は、この第5の測距値D5 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0077】
本実施形態では、CPU1は、ステップS3で検出された第1の測距値D1 とステップS12で検出された第5の測距値D5 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS13)。この加重平均に際しては、ステップS3およびS12それぞれにおける積算数N1 およびN5 に応じた重み付けが行われ、積算数N5 が積算数N1 より大きければ、第5の測距値D5 の方が第1の測距値D1 より大きな重み付けがなされる。
【0078】
ステップS11において第1の測距値D1 が第2の基準距離L2 以下であれば、すなわち、D1 ≦L2 であれば、CPU1は、ステップS3で検出された第1の測距値D1 に基づいて測距対象物までの距離を求める。この場合、PSD5から出力される近側信号I1 および遠側信号I2 それぞれは大きく、ノイズとなる定常光成分I0 およびノイズ成分In は相対的に非常に小さいので、積算数N1 が小さくても、第1の測距値D1 に基づいて測距対象物までの距離を充分にS/比よく求めることができる。
【0079】
このようにして、測距対象物までの概略距離、測距対象物の反射率および外光輝度値に応じて、クランプ回路13におけるクランプ信号Ic のレベルおよび積分回路15における出力比信号の積算数が適切に設定されて測距が行われ、その測距値に基づいて測距対象物までの距離が精度よく求められる。その後、レリーズボタンが全押しされると、CPU1は、求められた距離に基づいてレンズ駆動回路7を制御して、撮影レンズ8に適切な合焦動作を行わせ、さらに、シャッタ(図示せず)を開いて露光を行う。
【0080】
次に、本実施形態に係る測距装置の動作について、図8〜図17に示す計算結果を用いて説明する。
【0081】
図8は、クランプ信号が第1のレベルIc1(1.5nA)であって、測距対象物の反射率が標準値である36%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。図9は、クランプ信号が第1のレベルIc1(1.5nA)であって、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。図10は、クランプ信号が第2のレベルIc2(0.375nA)であって、測距対象物の反射率が36%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図11は、クランプ信号が第2のレベルIc2(0.375nA)であって、測距対象物の反射率が9%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。なお、これらの図において、互いに平行な2本の破線は、測距誤差の許容範囲を表す。
【0082】
図8に示すように、クランプ信号が大きい第1のレベルである場合であって、測距対象物の反射率が標準値であるときには、距離信号は測距誤差の許容範囲に常に入る。しかし、図9に示すように、クランプ信号が大きい第1のレベルIc1である場合であって、測距対象物の反射率の値が小さいときには、測距対象物までの距離L(m)の逆数1/Lが大凡0.14〜0.26の範囲で、距離信号は測距誤差の許容範囲から外れる。一方、図10および図11それぞれに示すように、クランプ信号が小さい第2のレベルIc2である場合には、測距対象物の反射率の値に拘わらず、距離信号は測距誤差の許容範囲に常に入る。
【0083】
図12は、測距対象物の反射率が標準値である36%であるときの、第2の測距値D2 から第1の測距値D1 を減算した差(D2 −D1 )と距離との関係を示すグラフであり、これは図8および図10から求められる。また、図13は、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、第2の測距値D2 から第1の測距値D1 を減算した差(D2 −D1 )と距離との関係を示すグラフであり、これは図9および図11から求められる。なお、これらの図において、破線は、差(D2 −D1 )と大小比較を行う所定値DDを表す。この所定値DDの値は、測距誤差の許容範囲の全幅の値である。
【0084】
図12から判るように、測距対象物の反射率が標準値であるときには、差(D2 −D1 )は所定値DDより常に小さい。一方、図13から判るように、測距対象物の反射率の値が小さいときには、測距対象物までの距離L(m)の逆数1/Lが大凡0.14〜0.26の範囲(切替え範囲)で、差(D2 −D1 )は所定値DDより大きくなる。以上より、本実施形態に係る測距装置では、上記差(D2 −D1 )が所定値DDより大きいときには、すなわち上記切替え範囲では、測距対象物の反射率の値が小さいと判断して、クランプ信号を小さい第2のレベルIc2として測距を行う。これにより求められる距離信号は測距誤差の許容範囲に入ることとなる。
【0085】
図14は、測距対象物の反射率が標準値の36%であるときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図15は、測距対象物の反射率が低い9%であるときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。測距対象物の反射率が標準値の36%であるときは、上記差(D2 −D1 )が所定値DDより常に小さいので、クランプ信号を大きい第1のレベルIc1として測距を行って距離信号を求めるので、図14は図8と同一のものとなる。一方、測距対象物の反射率が低い9%であるときは、上記切替え範囲ではクランプ信号を小さい第2のレベルIc2として測距を行って距離信号を求め、それ以外の範囲ではクランプ信号を大きい第1のレベルIc1として測距を行って距離信号を求める。このようにすることにより、測距対象物の反射率が低い場合であっても、距離信号は測距誤差の許容範囲に常に入ることとなる。
【0086】
図16は、測距対象物の反射率が標準値の36%であって外光輝度が大きいときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。また、図17は、測距対象物の反射率が低い9%であって外光輝度が大きいときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。これらの図に示すように、外光輝度が大きいときには、測距誤差の許容範囲が広いので、測距対象物の反射率の値に拘わらず、距離信号は測距誤差の許容範囲に常に入ることとなる。
【0087】
以上に説明した本実施形態に係る測距装置の動作および効果をまとめると以下のようになる。第1の測距値D1 が第1の基準距離L1 より大きく(D1 >L1 )、且つ、クランプ信号Ic2(Ic2<Ic1)で検出された第2の測距値D2 からクランプ信号Ic1で検出された第1の測距値D1 を減算した差(D2 −D1 )が所定値DDより大きい場合には、小さい値のクランプ信号Ic2で検出された測距値(第2の測距値D2 、第3の測距値D3 、または、これらの加重平均値)に基づいて測距対象物までの距離が求められる(ステップS7,S8)。すなわち、この場合には、測距対象物の反射率が小さく、測距対象物までの距離が大きいと判断され、クランプ信号の値を小さく設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、第2の測距値D2 および第3の測距値D3 の加重平均値に基づいて距離を求める場合には、第2の測距値D2 を検出する際の積算数N2 を小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができるとともに、その第2の測距値D2 にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができる。
【0088】
第1の測距値D1 が第1の基準距離L1 より大きく(D1 >L1 )、且つ、差(D2 −D1 )が所定値DD以下である場合には、通常値のクランプ信号Ic1で検出された測距値(第1の測距値D1 、第4の測距値D4 、または、これらの加重平均値)に基づいて測距対象物までの距離が求められる(ステップS9,S10)。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が大きいと判断されるが、測距対象物の反射率が比較的大きいと判断されるので、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、第1の測距値D1 および第4の測距値D4 の加重平均値に基づいて距離を求める場合には、第1の測距値D1 を検出する際の積算数N1 を小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができるとともに、その第1の測距値D1 にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができる。
【0089】
第1の測距値D1 が第2の基準距離L2 より大きく第1の基準距離L1 以下である場合(L2 <D1 ≦L1 )には、通常値のクランプ信号Ic1で検出された測距値(第1の測距値D1 、第5の測距値D5 、または、これらの加重平均値)に基づいて測距対象物までの距離が求められる(ステップS12,S13)。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が中程度であると判断されるので、測距対象物の反射率を考慮することなく、また、積算数N1 またはN5 が通常のN0 より小さくても、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、第1の測距値D1 および第5の測距値D5 の加重平均値に基づいて距離を求める場合には、第1の測距値D1 を検出する際の積算数N1 を小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができるとともに、その第1の測距値D1 にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができる。さらに、第5の測距値D5 を検出する際の積算数N5 を小さくすることにより、測距に要する全体の時間を更に短くすることができる。
【0090】
第1の測距値D1 が第2の基準距離L2 以下である場合(D1 ≦L2 )には、ステップS3において通常値のクランプ信号Ic1で検出された第1の測距値D1 に基づいて測距対象物までの距離が求められる。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が小さいと判断されるので、測距対象物の反射率を考慮することなく、また、積算数N1 が通常のN0 より小さくても、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。また、積算数N1 を通常のN0 より小さくすることができるので、測距に要する全体の時間を短くすることができる。
【0091】
また、測光センサ71により測定された外光輝度の値が所定輝度値以上であれば、測距対象物の反射率や距離を考慮することなく、クランプ信号の値を通常のIc1に設定し、また、積算数も通常のN0 に設定して測距を行うことにより、測距対象物までの距離を精度よく求めることができる。また、フィルム感度、撮影レンズのFナンバおよび焦点距離等によって決定される錯乱円により変更することも可能である。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る測距装置について説明する。本実施形態に係る測距装置は、第1の実施形態における測距装置の比較して動作手順が異なる。図18は、本実施形態に係る測距装置の動作を説明するフローチャートである。
【0093】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc1とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN1 (例えば50)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D1 を検出する(ステップS21)。ここで検出された測距値D1 は、測距対象物の反射率が小さく測距対象物までの距離が大きいときには、その距離を精度よく表すものでなく、概略的に表すものである。続いて、CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc2とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN2 (例えば50)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D2 を検出する(ステップS22)。さらに、CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc3とし、積分回路15における出力比信号の積算数を通常のN0 より小さいN3 (例えば50)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D3 を検出する(ステップS23)。ここで、クランプ信号のレベルIc1〜Ic3は、互いに異なる値であって、何れか1つは通常値であり、他の2つは通常値より小さいのが好適である。ここでは、Ic1を通常値とし、Ic1>Ic2>Ic3とする。
【0094】
そして、CPU1は、ステップS23で検出された測距値D3 からステップS21で検出された測距値D1 を減算した差を求め、その差と所定値DD1とを大小比較する(ステップS24)。もし、その差(D3 −D1 )が所定値DD1より大きければ、測距対象物の反射率が小さく、クランプ回路13におけるクランプ信号の値が小さい場合に得られる測距値の方が正確であると判断することができる。したがって、この場合には、CPU1は、ステップS23で検出された測距値D3 に基づいて、測距対象物までの距離を求めてもよい。しかし、ステップS23において積分回路15における出力比信号の積算数N3 が少ないと、測距値D3 のS/N比はよくない。そこで、本実施形態では、以下のようにする。
【0095】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc3とし、積分回路15における出力比信号の積算数をN4 (例えば300)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D4 を検出する(ステップS7)。積分回路15における出力比信号の積算数N4 が充分に大きければ、CPU1は、この測距値D4 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0096】
本実施形態では、CPU1は、ステップS23で検出された測距値D3 とステップS25で検出された測距値D4 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS26)。この加重平均に際しては、ステップS23およびS25それぞれにおける積算数N3 およびN4 に応じた重み付けが行われ、積算数N4 が積算数N3 より大きければ、測距値D4 の方が測距値D3 より大きな重み付けがなされる。
【0097】
ステップS24において差(D3 −D1 )が所定値DD1以下であれば、ステップS22で検出された測距値D2 からステップS21で検出された測距値D1 を減算した差を求め、その差と所定値DD2とを大小比較する(ステップS27)。もし、その差(D2 −D1 )が所定値DD2より大きければ、測距対象物の反射率が中程度であると判断することができる。したがって、この場合には、CPU1は、ステップS22で検出された測距値D2 に基づいて、測距対象物までの距離を求めてもよい。しかし、ステップS22において積分回路15における出力比信号の積算数N2 が少ないと、測距値D2 のS/N比はよくない。そこで、本実施形態では、以下のようにする。
【0098】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc2とし、積分回路15における出力比信号の積算数をN5 (例えば300)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D5 を検出する(ステップS28)。積分回路15における出力比信号の積算数N5 が充分に大きければ、CPU1は、この測距値D5 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0099】
本実施形態では、CPU1は、ステップS22で検出された測距値D2 とステップS28で検出された測距値D5 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS29)。この加重平均に際しては、ステップS22およびS28それぞれにおける積算数N2 およびN5 に応じた重み付けが行われ、積算数N5 が積算数N2 より大きければ、測距値D5 の方が測距値D2 より大きな重み付けがなされる。
【0100】
また、ステップS27において差(D2 −D1 )が所定値DD2以下であれば、測距対象物の反射率が大きいと判断することができる。したがって、この場合には、CPU1は、ステップS21で検出された測距値D1 に基づいて、測距対象物までの距離を求めてもよい。しかし、ステップS21において積分回路15における出力比信号の積算数N1 が少ないと、測距値D2 のS/N比はよくない。そこで、本実施形態では、以下のようにする。
【0101】
CPU1は、クランプ回路13におけるクランプ信号の値をIc1とし、積分回路15における出力比信号の積算数をN6 (例えば300)として、積分回路15から出力された積分信号に基づいて測距値D6 を検出する(ステップS30)。積分回路15における出力比信号の積算数N6 が充分に大きければ、CPU1は、この測距値D6 に基づいて、測距対象物までの距離をS/N比よく求めることができる。
【0102】
本実施形態では、CPU1は、ステップS21で検出された測距値D1 とステップS30で検出された測距値D6 とを加重平均して、測距対象物までの距離をS/N比よく求める(ステップS31)。この加重平均に際しては、ステップS21およびS30それぞれにおける積算数N1 およびN6 に応じた重み付けが行われ、積算数N6 が積算数N1 より大きければ、測距値D6 の方が測距値D1 より大きな重み付けがなされる。
【0103】
このように、本実施形態では、ステップS21〜S23それぞれで検出された測距値を基準距離とを比較することなく、クランプ信号を複数のレベルそれぞれに設定して各測距値を求め、各測距値の差に基づいて適切なクランプ信号のレベルを求め、これにより測距精度の向上が可能となる。
【0104】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、積分回路の充電・放電が上記実施形態とは逆の場合、すなわち、第1積分で積分コンデンサ6の電圧が階段状に増加するように充電を複数回行った後、第2積分で放電を1回だけ行うような積分回路においても、本発明を適用することが可能である。
【0105】
また、上記第1の実施形態では、各積算数に関し、N1 およびN2 を50とし、N3 を300とし、N4 を200とし、N5 を100としたが、これに限られるものではない。また、第1積分よび第2積分を複数に分割することもできる。例えば第3の測距値D3 を求めるに際しては、積算数を50として第1積分および第2積分を行って測距値D3nを求める動作を6回繰り返し、測距値D3n(n=1〜6)の平均値を第3の測距値D3 としてもよい。
【0106】
また、上記第1の実施形態では積分回路における出力比信号の各積算の期間を一定として積算数をN0 〜N5 に設定したが、これに限られるものではなく、積分回路における出力比信号の積算数を一定として各積算の期間を各値に設定してもよいし、また、積分回路における出力比信号の積算数および各積算の期間の双方を各値に設定してもよく、積算期間の総和を各値に設定してもよい。例えば、各積算の期間を一定とし、第5の測距値を求める際の各積算の期間を第1の測距値を求める際の各積算の期間の2倍としてもよい。
【0107】
さらに、第1積分において積分コンデンサ6に流れ込む積分電流を増減させてもよい。例えば、各積算の期間および積算数を一定とし、第5の測距値を求める際の各積算の積分電流を第1の測距値を求める際の各積算の積分電流の2倍としてもよい。
【0108】
また、第1の測距値D1 と第2の基準距離L2 との大小比較(ステップS11)を行うことなく、D1 ≦L1 の場合であっても、ステップS7またはS2に移行してもよい。逆に、第1の基準距離L1 および第2の基準距離L2 に加えて更に幾つかの基準距離を設けて、測距対象物までの距離を更に多段階に判定して、測距を行ってもよい。
【0109】
また、クランプ信号を第2のレベルIc2より小さい第3のレベルに設定し、積分回路における出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定し、積分回路から出力された積分信号に基づいて測距値を検出して、この測距値から第2の測距値を減算した差が所定値より大きいときに該測距値に基づいて測距対象物までの距離を求めてもよい。同様に、クランプ信号を更に小さい第4のレベルに設定してもよい。このように、クランプ信号を多数のレベルそれぞれに設定して各測距値を求め、これら各測距値の間の差を求めることにより、測距対象物の反射率を多段階に判定することができるので、測距対象物までの距離を更に精度よく求めることができる。
【0110】
また、第2積分に要した時間から距離を求めているが、第1積分によって得られた積分電圧値、すなわち積分コンデンサ6の放電によって減じられた電圧値、又は積分コンデンサ6の充電によって増ぜられた電圧値をA/D変換し、この結果に基づいて距離を求めても良い。
【0111】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり本発明によれば、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第1の測距値を検出する。また、この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、クランプ信号を第1のレベルより小さい第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第2の測距値を検出する。
【0112】
そして、第2の測距値から第1の測距値を減算した差が所定値より大きいときに、クランプ信号を第2のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第3の測距値を検出し、この第3の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。或いは、既に検出された第2の測距値に基づいて、または、第2の測距値および第3の測距値の双方に基づいて、測距対象物までの距離を求める。すなわち、この場合には、測距対象物の反射率が小さく、測距対象物までの距離が大きいと判断され、クランプ信号の値を小さく設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。
【0113】
また、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値より小さいときには、上述した作用と略同様の作用を奏するが、第1のレベルと第2のレベルの大小関係を問わない。一方、輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値以上であるときには、測距対象物の反射率や距離を考慮することなく、クランプ信号を上記大きいレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定して測距を行う。このようにすることにより、測距対象物までの距離を精度よく求めることができる。
【0114】
一方、上記差が所定値以下であるときに、クランプ信号を第1のレベルに設定し、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して、積分手段から出力された積分信号に基づいて第4の測距値を検出し、この第4の測距値に基づいて測距対象物までの距離を求める。或いは、既に検出された第1の測距値に基づいて、または、第1の測距値および第4の測距値の双方に基づいて、測距対象物までの距離を求める。すなわち、この場合には、測距対象物までの距離が大きいと判断されるが、測距対象物の反射率が比較的大きいと判断されるので、クランプ信号の値を通常値に設定して測距を行うことにより、その距離を精度よく求めることができる。
【0115】
したがって、本発明に係る測距装置は、測距対象物の反射率が大きいか又は測距対象物までの距離が小さい場合だけでなく、測距対象物の反射率が小さく且つ測距対象物までの距離が大きい場合にも、その距離を精度よく求めることができる。しかも、従来技術のものと比較して小さい回路規模で且つ短時間に測距を行うことができる。
【0116】
また、第1の測距値が第1の基準距離以下の場合には、クランプ信号を通常の第1のレベルに設定する一方、積分手段における出力比信号の積算期間の総和を通常の所定数より小さくすることで、更に短時間に精度よく測距を行うことができる。
【0117】
また、測距対象物の反射率および距離を判断するのに用いた第1または第2の測距値と、その判断結果に基づいて得られた第3,第4または第5の測距値とを、各積算期間の総和に応じて加重平均して測距対象物までの距離を求める場合には、第1の測距値を検出する際の積算期間の総和である第1の数および第2の測距値を検出する際の積算期間の総和である第2の数それぞれを小さくすることにより、上記判断に要する時間を短くすることができる。また、この場合には、第3,第4または第5の測距値だけでなく、第1または第2の測距値にも基づいて距離を求めることにより、測距に要する全体の時間をも短くすることができ、測距精度を向上させることができる。
【0118】
さらに、測距値を基準距離とを比較することなく、クランプ信号を複数のレベルそれぞれに設定して各測距値を求め、各測距値の差に基づいて適切なクランプ信号のレベルを求めることによっても、測距精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【図2】本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路および積分回路の回路図である。
【図3】本実施形態に係る測距装置におけるクランプ回路の回路図である。
【図4】本実施形態に係る測距装置の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。
【図5】本実施形態に係る測距装置におけるAF信号から距離信号への変換の説明図である。
【図6】測距対象物の反射率が標準値の36%の場合および低反射率の9%の場合それぞれにおける測距対象物までの距離と距離信号との関係を説明する図である。
【図7】第1の実施形態に係る測距装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】クランプ信号が第1のレベルIc1(1.5nA)であって、測距対象物の反射率が36%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図9】クランプ信号が第1のレベルIc1(1.5nA)であって、測距対象物の反射率が9%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図10】クランプ信号が第2のレベルIc2(0.375nA)であって、測距対象物の反射率が36%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図11】クランプ信号が第2のレベルIc2(0.375nA)であって、測距対象物の反射率が9%であるときの、距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図12】測距対象物の反射率が36%であるときの、第2の測距値D2 から第1の測距値D1 を減算した差(D2 −D1 )と距離との関係を示すグラフである。
【図13】測距対象物の反射率が9%であるときの、第2の測距値D2 から第1の測距値D1 を減算した差(D2 −D1 )と距離との関係を示すグラフである。
【図14】測距対象物の反射率が36%であるときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図15】測距対象物の反射率が9%であるときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図16】測距対象物の反射率が36%であって外光輝度が大きいときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図17】測距対象物の反射率が9%であって外光輝度が大きいときの、本実施形態に係る測距装置により得られた距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図18】第2の実施形態に係る測距装置の動作を説明するフローチャートである。
【図19】第1の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図20】第1の従来技術の積分回路から出力されるAF信号と測距対象物までの距離との関係を示す図である。
【図21】第1の従来技術に係る測距装置の変形例の構成図である。
【図22】第2の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図23】第3の従来技術に係る測距装置の構成図である。
【図24】測距対象物の反射率が36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図25】測距対象物の反射率が9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図26】測距対象物の反射率が36%であるときの、第2および第3の従来技術それぞれに係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図27】測距対象物の反射率が9%であるときの、第2および第3の従来技術それぞれに係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図28】クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、測距対象物の反射率が36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図29】クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、測距対象物の反射率が9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図30】クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、外光輝度が大きく、測距対象物の反射率が36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図31】クランプ信号Ic のレベルを小さくしたときであって、外光輝度が大きく、測距対象物の反射率が9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図32】IREDからの投光量を4倍にしたときであって、測距対象物の反射率が36%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【図33】IREDからの投光量を4倍にしたときであって、測距対象物の反射率が9%であるときの、第1の従来技術に係る測距装置により得られる距離信号と距離との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…CPU、2…EEPROM、3…ドライバ、4…IRED(発光ダイオード)、5…PSD(位置検出素子)、6…積分コンデンサ、7…レンズ駆動回路、8…撮影レンズ、10…AFIC(自動焦点用IC)、11…第1信号処理回路、12…第2信号処理回路、13…クランプ回路、14…演算回路、15…積分回路、71…測光センサ。

Claims (10)

  1. 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
    前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば前記距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば前記距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、
    前記遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、前記遠側信号のレベルが前記クランプ信号のレベル以上の場合には前記遠側信号を出力し、そうでない場合には前記クランプ信号を出力するクランプ手段と、
    前記近側信号と前記クランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を出力する演算手段と、
    前記出力比信号を積算して積分し、その積分結果に応じた積分信号を出力する積分手段と、
    前記投光手段における前記光束の投光、前記クランプ手段における前記クランプ信号のレベルおよび前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和それぞれを制御するとともに、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて測距値を検出する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記クランプ信号を第1のレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて第1の測距値を検出し、
    この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、前記クランプ信号を前記第1のレベルより小さい第2のレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて第2の測距値を検出し、
    前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値より大きいときに、前記クランプ信号を前記第2のレベルに設定し前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して前記積分手段から出力される前記積分信号に基づいて検出される第3の測距値および前記第2の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    前記第2の測距値から前記第1の測距値を減算した値が所定値以下であるときに、前記クランプ信号を前記第1のレベルに設定し前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して前記積分手段から出力される前記積分信号に基づいて検出される第4の測距値および前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求める、
    ことを特徴とする測距装置。
  2. 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
    前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば前記距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば前記距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、
    前記遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、前記遠側信号のレベルが前記クランプ信号のレベル以上の場合には前記遠側信号を出力し、そうでない場合には前記クランプ信号を出力するクランプ手段と、
    前記近側信号と前記クランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を出力する演算手段と、
    前記出力比信号を積算して積分し、その積分結果に応じた積分信号を出力する積分手段と、
    前記投光手段における前記光束の投光、前記クランプ手段における前記クランプ信号のレベルおよび前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和それぞれを制御するとともに、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて測距値を検出する制御手段と、
    外光輝度を測定する輝度測定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記輝度測定手段により測定された外光輝度が所定輝度値より小さいときには、前記クランプ信号を第1のレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第1の数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて第1の測距値を検出し、
    この第1の測距値が第1の基準距離より大きいときに更に、前記クランプ信号を前記第1のレベルと異なる第2のレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第2の数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて第2の測距値を検出し、
    前記第1および前記第2の測距値のうち前記クランプ信号が小さいレベルの場合の測距値から前記クランプ信号が大きいレベルの場合の測距値を減算した値が所定値より大きいときに、前記クランプ信号を前記小さいレベルに設定し前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第3の数に設定して前記積分手段から出力される前記積分信号に基づいて検出される第3の測距値および前記第2の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    前記第1および前記第2の測距値のうち前記クランプ信号が小さいレベルの場合の測距値から前記クランプ信号が大きいレベルの場合の測距値を減算した値が所定値以下であるときに、前記クランプ信号を前記大きいレベルに設定し前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第4の数に設定して前記積分手段から出力される前記積分信号に基づいて検出される第4の測距値および前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    前記輝度測定手段により測定された外光輝度が前記所定輝度値以上であるときには、前記クランプ信号を前記大きいレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を所定数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて測距値を検出し、この測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求める、
    ことを特徴とする測距装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1の測距値が第2の基準距離(<第1の基準距離)より大きく前記第1の基準距離以下であるときに、前記クランプ信号を前記第1のレベルに設定し、前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を第5の数に設定して、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて第5の測距値を検出し、第5の測距値および前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    前記第1の測距値が前記第2の基準距離以下であるときに、前記第1の測距値に基づいて前記測距対象物までの距離を求める
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の測距装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2の数および前記第3の数に応じて前記第2の測距値および前記第3の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1の数および前記第4の数に応じて前記第1の測距値および前記第4の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項1記載の測距装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1の数および前記第5の数に応じて前記第1の測距値および前記第5の測距値を加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項記載の測距装置。
  7. 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
    前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を、前記測距対象物までの距離に応じた位置検出素子上の受光位置で受光し、その受光位置に基づいて、受光光量が一定であれば前記距離が遠いほど大きな値である遠側信号と、受光光量が一定であれば前記距離が近いほど大きな値である近側信号とを出力する受光手段と、
    前記遠側信号を入力してクランプ信号のレベルと大小比較し、前記遠側信号のレベルが前記クランプ信号のレベル以上の場合には前記遠側信号を出力し、そうでない場合には前記クランプ信号を出力するクランプ手段と、
    前記近側信号と前記クランプ手段から出力された信号との比を演算して出力比信号を出力する演算手段と、
    前記出力比信号を積算して積分し、その積分結果に応じた積分信号を出力する積分手段と、
    前記投光手段における前記光束の投光、前記クランプ手段における前記クランプ信号のレベルおよび前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和それぞれを制御するとともに、前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて測距値を検出する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記クランプ信号のレベルIc1、Ic2、およびIc3(Ic1>Ic2>Ic3)と前記積分手段における出力比信号の積算期間N1、N2、およびN3とをそれぞれ対応付けて設定して、前記複数のレベルそれぞれに対してそれぞれ設定された積算期間を用いて前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて測距値D1、D2、およびD3を検出し、
    測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上である場合には、クランプ信号Ic3および前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N4(>N3)に設定して、そのときの前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D4および前記測距値D3に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上ではない場合であって、測距値D2から測距値D1を減算した値が第2の所定値より大きい場合には、クランプ信号のレベルIc2およびその前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N5(>N2)として前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D5および前記測距値D2に基づいて前記測距対象物までの距離を求め、
    測距値D3から測距値D1を減算した値が所定値以上ではない場合であって、測距値D2から測距値D1を減算した値が第2の所定値より大きくない場合には、クランプ信号のレベルIc1およびその前記積分手段における前記出力比信号の積算期間の総和を積算期間N6(>N1)として前記積分手段から出力された前記積分信号に基づいて検出される測距値D6および前記測距値D1に基づいて前記測距対象物までの距離を求める
    ことを特徴とする測距装置。
  8. 前記制御手段は、前記測距値D3および前記測距値D4を、前記積算期間N3およびN4に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項記載の測距装置。
  9. 前記制御手段は、前記測距値D2および前記測距値D5を、前記積算期間N2およびN5に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項記載の測距装置。
  10. 前記制御手段は、前記測距値D1および前記測距値D6を、前記積算期間N1およびN6に基づいて加重平均して前記測距対象物までの距離を求めることを特徴とする請求項記載の測距装置。
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