JP3761621B2 - 酸素バーナー及びガラスの溶解方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素バーナー及びガラスの溶解方法に関し、詳しくは、気体燃料を用いた自己冷却式酸素燃焼用三重管バーナーであって、長い炎の実質的に不輝炎を形成することができる酸素バーナー及びガラスの溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、地球環境問題や省エネルギーの観点から、酸素燃焼技術が注目されている。これは、支燃ガスとして空気を用いると、空気中での燃焼で発生する窒素酸化物が大気汚染の原因となるだけでなく、空気中の窒素は燃焼には寄与せず燃焼効率を低下させるため、支燃ガスとして、空気を用いずに実質的に酸素ガスを用いるものである。
【0003】
ガラス、セラミックあるいは金属等の溶解炉においても、環境問題や省エネルギーの問題に加えて、高温が得られることや、炉内の酸化還元性の雰囲気を制御し易いことなどの理由から、酸素バーナーが使われるようになってきた。
【0004】
バーナーの冷却については、一般に、水冷方式と自己冷却方式とがあるが、水冷式は構造が複雑であり、水冷管内の腐食によるトラブルを避けるためにも、ガラス溶解炉においては、供給するガス自体で冷却する自己冷却方式のバーナーが用いられている。
【0005】
被加熱物をバーナーによって加熱する場合、被加熱物に直接火炎を吹き付ける強制対流伝熱方式と、火炎からの熱を輻射によって伝える輻射伝熱方式とがある。例えば、ガラス溶解炉においては、火炎をガラス溶湯に直接吹き付けると、局部的過熱によるガラス中の蒸発し易い成分の蒸発や火炎による汚染等のおそれがあるため、強制対流伝熱方式は好ましくない。このため、ガラス溶解炉においては、輻射伝熱方式が採用されている。
【0006】
一般に、バーナーの燃焼火炎は、高輝度火炎と低輝度火炎とに分類される。高輝度火炎中には、浮遊するススの粒子が多く、これが高輝度発生源となり被加熱物に輻射熱を伝える。高輝度火炎は還元性の強い雰囲気を形成し、低輝度火炎は酸化性の雰囲気を形成する。また、高輝度火炎は火炎長の比較的長い火炎を得易く、低輝度火炎は火炎長の長い火炎を得ることが難しい。
【0007】
ガラス溶解炉においては、均質な製品品質を得るためには、溶湯を均一に加熱する必要があり、局部過熱防止のため、火炎長の長い火炎が望ましい。そのため、比較的長い火炎を得易い多重管バーナーを用いて、通常、高輝度火炎を形成している。
【0008】
例えば、特開平6−101820号公報には、内外二重管構造で、内管内へ気体又は液体燃料を、内管と外管との間へ酸素を供給するバーナーが開示されている。この酸素バーナーでは、内管内にテーパー状の棒を配し、内管の先端部もテーパー状となっており、これらを前後に移動させてガス流速を調節し、火炎長等の火炎特性を調節している。そして、燃料オイルを1時間あたり5〜18ガロン(毎時約18.9〜68.1リットル)供給して、長さ1〜5フィート(約30.5〜152.4cm)の高輝度火炎を得ている。
【0009】
また、米国特許4797087号明細書では、三重管構造で、中心から順に、酸素、燃料、酸素をそれぞれ供給するバーナーが開示されている。この酸素バーナーでは、先端にバーナータイルの燃焼室を設けるなどの工夫をし、酸素流量と酸素濃度の配分を変えて高輝度火炎の火炎特性を調節する試みもなされている。
【0010】
いずれにしても、ガラス溶解炉において、多重管バーナーを用いて長い火炎を得るためには、従来は、高輝度火炎を形成していた。
【0011】
一方、ガラス溶解炉では、通常、図3に示すように、酸素バーナー1の火炎2とガラス溶湯3とが接近しているので、ガラスの品質が火炎2の影響を受け易い。そのため、ガラスの種類によっては、例えば低アルカリガラスでは、ススによる汚染や、酸化物であるガラス原料が還元性雰囲気を嫌うので、低輝度火炎が好ましい。しかし、低輝度火炎は長い火炎長を得ることが困難であるため、低輝度火炎でありながら、長い火炎長を得ることが要望されていた。
【0012】
そこで本発明は、低輝度火炎や実質的に不輝炎を形成しても、高輝度火炎に匹敵する火炎長の火炎を得ることができる酸素バーナー及びガラスの溶解方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の酸素バーナーは、円筒管を同心状に重ねた三重管構造のバーナーであって、中心管の内部に、毎秒130〜400mの流速で一次酸素が流れる一次酸素流路を、該中心管とその外側の内管との間に毎秒40〜120mの流速で燃料ガスが流れる燃料ガス流路を、該内管とその外側の外管との間に毎秒1〜25mの流速で二次酸素が流れる二次酸素流路をそれぞれ形成するとともに、前記中心管の管壁の厚みを1〜12mmとし、前記内管の管壁の厚みを1〜20mmとしたことを特徴とし、さらに、前記燃料ガス流路及び二次酸素流路は、少なくともいずれか一方の流路内に多孔板が設けられていること、また、前記二次酸素の流量に対する一次酸素の流量比率は、0.1〜0.4であることを特徴としている。
【0014】
さらに、本発明のガラスの溶解方法は、管壁の厚みを1〜12mmとした中心管の内部に一次酸素流路を、該中心管とその外側の管壁の厚みを1〜20mmとした内管との間に燃料ガス流路を、該内管とその外側の外管との間に二次酸素流路をそれぞれ形成した円筒管を同心状に重ねた三重管構造のバーナーを用いて、前記一次酸素流路に一次酸素を毎秒130〜400mの流速で、前記燃料ガス流路に燃料ガスを毎秒40〜120mの流速で、前記二次酸素流路に二次酸素を毎秒1〜25mの流速でそれぞれ流すことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の酸素バーナーの一例を示すもので、図1は断面側面図、図2は図1のII−II線断面図である。
【0016】
この酸素バーナー10は、中心管11と、該中心管11の外側に配置される内管12と、該内管12の外側に配置される外管13とを同心状に重ねた三重管構造のバーナーであって、中心管11の内部が一次酸素流路14、中心管11と内管12との間が燃料ガス流路15、内管12と外管13との間が二次酸素流路16となる。また、前記燃料ガス流路15及び二次酸素流路16には、多数の小通孔17a,18aを有する多孔板17,18がそれぞれ設けられている。
【0017】
ここで、上記構成の酸素バーナー10における各流路のガス流速や各管の形状等について検討した結果を説明する。基本的な条件は、上記酸素バーナー10をガラス溶解炉に使用する場合で、燃料ガスとして天然ガスを使用し、ガラス溶解炉における必要熱容量から、その量を毎時20Nm3 に設定するとともに、支燃ガスである酸素の量を、天然ガスを完全燃焼させるための化学量論量の毎時40Nm3 に設定した。
【0018】
ガラス溶解炉では、前述のように、ガラス溶湯を均一に加熱して局部過熱を防止するために火炎長の長い火炎を使用することが望ましく、また、ガラス溶湯への影響を考慮して低輝度火炎が好ましい。
【0019】
まず、従来のこの種のバーナーでは、バーナーから噴出するガスの流速は、通常、毎秒数十m程度であり、大きくても毎秒百m程度であったが、前記一次酸素流路14の一次酸素の流速を、毎秒百m以上の高速、即ち毎秒130mにすると、低輝度で実質的に不輝炎を維持しながら、約1.5mの長さの火炎が得られた。
【0020】
すなわち、前述のような三重管構造の酸素バーナー10で火炎長の長い低輝度火炎を発生させるためには、バーナー中心からの一次酸素の噴出流速を大きくすることが有効であることが判明した。
【0021】
しかし、一次酸素の流速をさらに大きくして毎秒400mを超える流速にすると、一次酸素流と燃料ガス流との間に乱れが発生して火炎が不安定になることがあった。この現象は、一次酸素流路14と燃料ガス流路15との間に存在する中心管11の管壁の厚さにも影響され、中心管11の管壁が薄いほどガス流の乱れは発生し難いことが判明した。さらに、一次酸素を毎秒400mを超える流速にすることは、高圧を必要とすることもあって実用的ではない。
【0022】
このことから、一次酸素の流速を毎秒130〜400mの高速流に設定することにより、1m以上の火炎長を有する低輝度火炎が安定した状態で得られる。ところが、一次酸素の流速がこの範囲でも、中心管11の管壁の厚みが12mmを超えるとガス流の乱れにより火炎が不安定になる。なお、管壁の厚みを1mm以下にしてもよいが、機械的強度や製作性の点で問題が出ることがある。したがって、中心管11には、管壁の厚みが1〜12mmの円筒管を用いるようにする。
【0023】
このように、三重管構造のバーナーにおいて、酸素を一次と二次とに分配し、中心の一次酸素を高速にして火炎全体を引き伸ばすことによって、長い低輝度火炎を得ることができる。また、通常、バーナーへ供給する酸素の圧力は、0.5〜1.5Kg/cm 2 程度であるが、上記高流速を得るため、一次酸素は、適当な圧力、例えば3〜4Kg/cm 2 に加圧して一次酸素流路14に供給する。
【0024】
また、バーナーの各流路について細部を検討した結果、燃料ガス流路15及び二次酸素流路16の流路内に、図1及び図2に示すような多孔板17,18を設けることによって、火炎の安定性が増すことを見出した。これは、多孔板17,18によって管内流が整流されるためと推察される。なお、多孔板17,18の設置位置や小通孔17a,18aの状態は、酸素バーナー10の使用目的等に応じて適当に設定することができる。
【0025】
さらに、燃料ガスの流速を毎秒40〜120mに、かつ、二次酸素の流速を毎秒1〜25mに設定するとともに、内管12の管壁の厚みを1〜20mmにすると、長い低輝度火炎が一層安定する。この内管12の管壁の厚みも、前記同様に、1mmより小さくすることは機械的にも製作上にも困難があり、20mmより大きいと火炎の安定性が低下し、上記燃料ガスや二次酸素の流速も、小さいと長い火炎を得ることが難しく、大きいと火炎が乱れる原因となる。
【0026】
また、支燃ガスとして供給する酸素を、一次酸素と二次酸素とに分配するのに際し、二次酸素の流量に対する一次酸素の流量比率を0.1〜0.4に設定することにより、燃焼火炎をより安定化することができる。例えば、二次酸素の流量に対する一次酸素の流量比率が0.1より小さいと、低輝度火炎とならずにススが発生することがあり、0.4より大きいと、火炎が短くなると同時に急速に燃焼し、爆鳴を発生してノズル温度が上昇し、危険な状態になることがある。
【0027】
これらのことから、中心管11の管壁の厚みを1〜12mm、内管12の管壁の厚みを1〜20mmとし、一次酸素の流速を毎秒130〜400m、燃料ガスの流速を毎秒40〜120m、二次酸素の流速を毎秒1〜25m、二次酸素の流量に対する一次酸素の流量比率を0.1〜0.4に設定するとともに、燃料ガス流路15及び二次酸素流路16内に多孔板17,18を設けることにより、実質的に不輝炎からなる長い燃焼火炎を、安定した最も好ましい状態で形成することができる。
なお、本発明の酸素バーナーの用途は、ガラス溶解炉に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
実施例1
図1に示す構造の酸素バーナー10を図4に示す炉室21内にセットして燃焼試験を行った。炉室21は、長さが2000mm、幅及び高さがそれぞれ1300mmの箱型であって、酸素バーナー10は側壁中央部にセットし、対向する側壁には排気口22を設けた。
【0029】
酸素バーナー10の各部の寸法は、図1に示すように、中心管11の管壁の厚み(L1)を2mm、内管12の管壁の厚み(L2)を2.5mm、一次酸素流路14の直径(D1)を4mm、燃料ガス流路15の幅(D2)を4mm、二次酸素流路16の幅(D3)を18mmとした。さらに、中心管11の先端部外周に円錐面を形成して燃料ガス流路15の噴出端を僅かに一次酸素流路14方向に広げた。
【0030】
また、燃料の天然ガスは毎時20Nm3、酸素は合計で化学量論量の毎時40Nm3とし、一次酸素の流量(FO1)を14Nm3、二次酸素の流量(FO2)を26Nm3の比率でそれぞれ供給した。さらに、一次酸素の流速(VO1)を毎秒300m、二次酸素の流速(VO2)を毎秒5m、天然ガスの流速(VNG)を毎秒66mに設定した。このときの供給圧力は、一次酸素が4.0kg/cm2G、二次酸素が0.5kg/cm2G、天然ガスが0.1kg/cm2Gであった。
【0031】
その結果、図5に示すような発光スペクトルを有する火炎長1400mmの実質的な不輝炎が得られた。なお、スペクトルの測定は、回折格子分光器とサーモフィルム検出器とからなる測定器を作成して行った。
【0032】
さらに、火炎を目視で観察した限りでは、燃料ガス流路15に、直径3mmの小通孔17aを12個等間隔に形成した厚さ7mmの多孔板17をバーナー先端から150mmの位置に設けたり、あるいは、二次酸素流路16に直径15mmの小通孔18aを8個等間隔に形成した厚さ7mmの多孔板18をバーナー先端から150mmの位置に設けたりすることにより火炎の安定性が向上し、両流路にそれぞれ多孔板17,18を設けることにより、火炎の安定性が一層向上した。
【0033】
また、燃料ガス流路15の噴出端を僅かに一次酸素流路14方向に広げることにより、高速で噴出する一次酸素に燃料がスムーズに吸引されるようになる。すなわち、先端部をエッジ端にしておくと、管壁の厚みや流速にもよるが、ここで渦が発生して火炎が乱れることが観察されるが、上記形状にすることにより、これを抑制することができる。
【0034】
比較例1
燃料ガス流路15及び二次酸素流路16に前述の多孔板17,18をそれぞれ設けた実施例1と同じバーナーを使用し、一次,二次酸素の流速及び流量を次の通りとした以外は、実施例1と同様にして燃焼試験を行った。
【0035】
その結果、火炎長は1500mmと長い火炎であったが、図6に示すような発光スペクトルを有する極めて輝度の強い火炎が得られた。図6の発光スペクトルの約1〜2μmにわたる波長領域の発光帯は、スス状の炭素からの輻射光である。
【0036】
実施例2
実施例1と同じバーナー(多孔板付き、以下同様)を使用して二次酸素の流速(VO2)を毎秒5m、天然ガスの流速(VNG)を毎秒80mにそれぞれ固定し、一次酸素の流速(噴出速度)を変化させて、その影響を調べた。なお、一次酸素と二次酸素との流量比は、FO1:FO2=1:4となるように、ガス供給圧力を調整した。
【0037】
その結果、図7に示すように、ノズル温度(白丸)は、一次酸素の噴出速度の上昇とともに一旦急激に上昇し、毎秒約80mで約400℃の最高値となった後に急激に低下し、約150℃程度に落ちつく。一方、火炎長(黒丸)は、逆に、一旦最低値を経た後に次第に長くなり、一次酸素の噴出速度(流速)が毎秒130mのときは火炎長が1200mmと、やや短いが、毎秒130m以上の噴出速度になると、火炎は、実質的に不輝炎となった。なお、毎秒400mを超える噴出速度を得るためには、酸素を極めて高い圧力に昇圧する必要があった。
【0038】
実施例3
中心管の管壁の厚み(L1)を変化させた以外は、実施例1と同様にして燃焼試験を行った。なお、一次酸素の流速(VO1)は毎秒300m、二次酸素の流速(VO2)は毎秒5m、天然ガスの流速(VNG)は毎秒80mに設定した。
【0039】
その結果を図8に白丸のプロットで示す。この結果から、L1が10mm程度までは、ノズルの温度が100℃強で安定しているが、L1が15mm以上になると、ノズルの温度が急激に上昇することがわかる。
【0040】
実施例4
次に、内管の管壁の厚み(L2)を変化させた以外は、実施例1と同様にして燃焼試験を行った。なお、各ガスの流速は実施例3と同じ値に設定した。
【0041】
その結果を図8に黒丸のプロットで示す。この結果から、L2が20mm程度までは、ノズルの温度が100℃強で安定しているが、L2が20mmを超えると、ノズルの温度が急激に上昇することがわかる。
【0042】
実施例5
一次酸素の流速(VO1)を毎秒300m、二次酸素の流速(VO2)を毎秒5mとし、天然ガスの流速(VNG)を変化させてその影響を調べた。なお、他の条件は実施例1と同様にした。
【0043】
その結果、図9に示すように、火炎長(黒丸)は、燃料流速であるVNGの上昇とともに長くなり、VNGが毎秒40〜120mで1300〜1400mとなり、実質的に不輝炎が観察された。しかし、VNGが毎秒120mを超えると火炎長が短くなり、輝炎が観察され、また、ノズルの温度(白丸)も上昇した。
【0044】
実施例6
天然ガスの流速(VNG)を毎秒80mにして二次酸素の流速(VO2)を変化させてその影響を調べた。他の条件は実施例5と同様にした。
【0045】
その結果、図10に示すように、火炎長(黒丸)は、この実験範囲では大きな変化はなかったが、VO2が毎秒25mを超えると、ノズルの温度(白丸)が急激に上昇した。一方、VO2が毎秒1m未満の場合は、混合が悪くなることによって燃焼が緩慢になり、輝炎となってしまった。
【0046】
実施例7
中心管の管壁の厚み(L1)を4mm、内管の管壁の厚み(L2)を2mmとし、一次酸素流路の直径(D1)と二次酸素流路の幅(D3)とを調節して一次酸素と二次酸素との流量比(FO1:FO2)を変化させ、その影響を調べた。なお、各ガスの流速は、実施例2と同じにした。
【0047】
その結果、図11に示すように、(FO1/FO2)が0.4以下のときは、ノズルの温度(白丸)が約100℃、火炎長(黒丸)が1400〜1500mmであり、ともに良好な結果が得られた。しかし、(FO1/FO2)が0.4を超えると、ノズルの温度は急激に上昇し、火炎長も短くなる。また、(FO1/FO2)が0.1未満になると、火炎が輝炎となった。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の酸素バーナーを用いることにより、火炎長の長い低輝度火炎が得られる。したがって、被加熱対象物に直接火炎を吹き付けず、火炎からの輻射熱によって被加熱対象物を広い範囲に加熱することができ、しかも、ススの発生等による汚染や還元作用を嫌う被加熱対象物の加熱に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の酸素バーナーの一例を示す断面側面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 ガラス溶解炉の説明図である。
【図4】 実施例で用いた炉室の説明図である。
【図5】 実施例1で得た火炎の発光スペクトルである。
【図6】 比較例1で得た火炎の発光スペクトルである。
【図7】 一次酸素流速に対するノズル温度及び火炎長の関係を示す図である。
【図8】 中心管,内管の管壁の厚みに対するノズル温度の関係を示す図である。
【図9】 燃料流速に対するノズル温度及び火炎長の関係を示す図である。
【図10】 二次酸素流速に対するノズル温度及び火炎長の関係を示す図である。
【図11】 一次酸素と二次酸素との流量比に対するノズル温度及び火炎長の関係を示す図である。
【符号の説明】
10…酸素バーナー、11…中心管、12…内管、13…外管、14…一次酸素流路、15…燃料ガス流路、16…二次酸素流路、17,18…多孔板
Claims (4)
- 円筒管を同心状に重ねた三重管構造のバーナーであって、中心管の内部に、毎秒130〜400mの流速で一次酸素が流れる一次酸素流路を、該中心管とその外側の内管との間に毎秒40〜120mの流速で燃料ガスが流れる燃料ガス流路を、該内管とその外側の外管との間に毎秒1〜25mの流速で二次酸素が流れる二次酸素流路を、それぞれ形成するとともに、前記中心管の管壁の厚みを1〜12mmとし、前記内管の管壁の厚みを1〜20mmとしたことを特徴とする酸素バーナー。
- 前記燃料ガス流路及び二次酸素流路は、少なくともいずれか一方の流路内に多孔板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の酸素バーナー。
- 前記二次酸素の流量に対する一次酸素の流量比率は、0.1〜0.4であることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素バーナー。
- 管壁の厚みを1〜12mmとした中心管の内部に一次酸素流路を、該中心管とその外側の管壁の厚みを1〜20mmとした内管との間に燃料ガス流路を、該内管とその外側の外管との間に二次酸素流路をそれぞれ形成した円筒管を同心状に重ねた三重管構造のバーナーを用いて、前記一次酸素流路に一次酸素を毎秒130〜400mの流速で、前記燃料ガス流路に燃料ガスを毎秒40〜120mの流速で、前記二次酸素流路に二次酸素を毎秒1〜25mの流速でそれぞれ流すことを特徴とするガラスの溶解方法。
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