JP3761599B2 - 多重放送用受信装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、放送電波に多重化されたデータ( 多重データ )、例えば交通情報を受信する多重放送用受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、交通量の増大に伴って交通事故や道路工事等が多発し、これらが原因で交通渋滞が発生しているが、このような交通渋滞の発生等を通知する交通情報をラジオ放送等の放送電波を介して運転ドライバーに通知することにより、当該交通渋滞等を緩和させようとする動向は以前からある。
【0003】
このような動向に鑑みて例えばラジオ放送としては、通常の放送番組といったエンターテイメント番組帯やニュース番組帯を利用して、その番組帯の中で交通情報をアナウンスすることにより、当該交通情報をラジオ受聴者に提供するサービスがある。
【0004】
しかしながら、このようなサービスによれば、当該交通情報に興味のないラジオ受聴者においては聞きたくもない交通情報を聞かされ、しかも放送番組が中断されてしまい、当該ラジオ受聴者に多大な不快感を与えてしまうといった事態が生じた。
【0005】
そこで、これら事態を打開するために、主として交通情報をラジオ受聴者に提供する交通情報番組を放送する交通情報放送局がある。尚、当該交通情報放送局といっても、交通情報番組のみを放送しているだけでなく、通常の放送番組も放送している。
【0006】
このような交通情報放送としては、主に欧州等でARI(Autofahrer Rundfunkt Information)放送が広く知られている。
【0007】
当該ARI放送は、交通情報に係わる番組のデータを通常の放送電波であるFM放送電波に多重化された多重放送である。
【0008】
では、当該ARI放送について説明する。
【0009】
当該ARI放送にて多重化されるデータとしては、当該受信中の放送局が交通情報放送局であることを示す識別信号であるSK(Sender Kennung)信号と、交通情報に係わる放送番組が始まることを示す識別信号であるDK(Durchsage kennung )信号とがある。
【0010】
当該ARI放送を受信するARI放送対応型受信装置によれば、前記SK信号に応じて交通情報放送局を識別し、前記DK信号に応じて交通情報放送番組が行われることを識別し、これら識別通知を当該受信装置の表示部に表示出力させるようにしたので、交通情報を望む運転ドライバーにとってはその交通情報放送局及びその放送開始を認識することができて非常に便利である。
【0011】
また、当該ARI放送の他にRDS放送がある。当該RDS放送とは、前記ARI放送と同様に主に欧州等で広く知られている多重放送であり、前記ARI放送に比して交通情報に係わる番組関連のデータ以外にも、通常の放送番組に係わる番組関連情報等のデータを通常のFM放送電波に多重化し、当該多重化されたデータを受信側が解読することにより、当該ラジオ放送の受聴者に対して様々なサービスを提供するものである。
【0012】
当該RDS放送においては、主に多くの放送局がネットワークを組んで同一番組を放送するような地域に有効的であり、FM変調波の周波数帯域外で19kHzのステレオパイロット信号の3次高調波である57kHzを副搬送波とし、フィルタリング及びバイフェーズコード化された番組関連情報や交通情報関連等のデータを示すデータ信号により、前記副搬送波を振幅変調してラジオデータ信号(以下、単にRDSデータと称する)とし、当該振幅変調された副搬送波を主搬送波に周波数変調して放送するようになされている。
【0013】
図4は当該RDSデータの基本的なベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【0014】
当該RDSデータは、図4に示すように104ビットを1グループとするグループ単位で構成され、各グループは夫々26ビットの4ブロックから構成されており、各ブロックは、16ビットの情報語(m0〜m15)と、10ビットの検査語及びオフセット語(c´0〜c´9)とから構成されている。尚、当該RDSデータの送信速度は、1187.5bit/secである。
【0015】
ブロックAには、国名データや番組データからなるネットワークを示す番組識別データ(以下、単にPIコードと称する)が、Bブロックには交通情報番組を放送する交通情報放送局であることを示す交通情報放送局識別データ(以下、単にTPコードと称する)や当該交通情報に係わる放送番組が始まることを示す交通アナウンス識別データ(以下、単にTAコードと称する)が、Cブロックには同一番組を放送しているネットワーク局群の各局の周波数に係わるデータ、すなわち代替局周波数データ(以下、単にAFデータと称する)が、ブロックDには放送局名やネットワーク名等の放送局名データ(以下、単にPSデータと称する)が夫々配置されている。尚、前記PIコードは、4bitの国名データと、4bitの地域データと、8bitの番組データとの3つの要素から構成されている。
【0016】
また、各グループは、その内容に応じて4ビットにてタイプ0〜15の16通りに区別され、さらに各タイプ(0〜15)に対して夫々A,Bの二つのバージョンが定義されており、これらの認識コードはブロックBに配置されている。
【0017】
尚、通常、前記バージョンAに定義されたタイプとしては、ブロックAに必ずPIコードが含まれているのであるが、前記バージョンBに定義されたタイプとしては、ブロックAに加えてブロックCにもPIコードが含まれている。しかしながら、当該バージョンBのタイプが送信される割合は非常に少ない。
【0018】
このようなRDSデータを受信するRDS受信装置によれば、当該RDSデータ受信時に復調して得られるAFデータを取り込んで記憶しておき、例えばマルチパス妨害等の外乱により現在受信中の放送局における受信レベルが低下した場合、先に記憶したAFデータに基づいて受信レベルの良好な他のネットワーク局である代替局を選局する自動追従システムがあり、当該自動追従システムにより、外乱の影響を受けることなく、常に受信状態の良好な同一番組の放送をユーザーに提供することができる。
【0019】
また、当該RDS放送を受信するRDS放送対応型受信装置によれば、前記TPコードに応じて交通情報放送局を識別し、前記TAコードに応じて交通情報放送番組が行われることを識別し、これら識別通知を当該受信装置の表示部に表示出力させるようにしたので、交通情報を望む運転ドライバーにとってはその交通情報放送局及びその番組放送開始を認識することができて非常に便利である。
【0020】
しかしながら、前記ARI放送や前記RDS放送によれば、通勤時や休暇時の交通混雑により多大な量の交通情報をユーザーに提供するために交通情報放送番組の放送枠が肥大化してしまうといった第1の問題点があった。
【0021】
また、一般的に交通情報番組を放送している交通情報放送局であっても、当該交通情報をユーザーに逐次放送しているのではなく、1時間毎又は30分毎に交通情報番組として放送している。従って、当該ユーザーは、当該交通情報番組が放送されていない時間帯において、例えば交通渋滞の発生している地点にぶつかって、当該交通渋滞に巻き込まれてしまうといった第2の問題点があった。
【0022】
また、この交通情報番組においては、ユーザー所望の交通情報、例えばA地域における交通情報だけを知りたい場合であっても、他地域における交通情報までも受聴しなければならず、非常に使い勝手が悪いといった第3の問題点があった。
【0023】
また、当該交通情報番組においては、欧州等の言語が異なるような地域で多国間に跨がって運転ドライバーが移動するような場合、受聴中の言語が運転ドライバーの理解できぬ他国語であれば、当該交通情報番組を受聴していたとしても、その言語により交通情報が理解できないといった第4の問題点があった。
【0024】
そこで、これら第1乃至第4の問題点を打開するために前記RDS放送を利用したTMC(Traffic Message Channel )が考えられている。
【0025】
当該TMCとは、前記RDSデータにおける例えば8Aグループ、すなわちバージョンAに定義されたグループ8を利用して放送を行うものである。図5は当該TMCを送信する8Aグループのベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【0026】
図5においてブロックAにはPIコードが含まれている。ブロックBには当該8Aグループタイプを識別する4ビットのグループタイプ識別コードの他に、メッセージの管理及び拡張システムに関する様々なコードが含まれており、例えばショートメッセージであることを示す1ビットのショートメッセージコード(Short Message;S)と、1つのメッセージが1つのグループデータで送信されるシングルグループメッセージ(Single Group Message)であるか、又は一つのメッセージが複数のグループデータ(Multi Group Message )に亙って送信されるか否か示す1ビットのグループメッセージ識別コード(G)と、およその渋滞時間を示す3ビットの渋滞時間コード(Duration and Persistence of the diturbance;DP)等とを有している。尚、当該渋滞時間コード(DP)は、8段階の渋滞時間(0〜4時間)を示すために使用されるものである。
【0027】
また、ブロックCには、例えば迂回路の有無を示す迂回路識別コード(Diversion bit;D)と、ロケーションオフセットアドレスを含む3ビットのEXTENTコードと、例えば天候状態、工事、交通渋滞や公共運輸機関等といった情報を示す11ビットのEVENTコードとを有している。
【0028】
また、ブロックDには、位置情報を示す16ビットのLOCATIONコードが含まれている。
【0029】
当該LOCATIONコードは、例えばドイツを例にとると、1から16までのアドレスが各州に割り当てられ、これに続いて郡、行政区画や地方自治区、次にアウトバーンや国道等の幹線道路に割り当てられ、それに続いてアウトバーンの出口、立体交差やサービスエリア、次に前記幹線道路からの道路等といった具合に階層的な順序で各地域や道路の出入口といった特定地点までも細分化されている。
【0030】
また、これらコードによる拡張システムを利用すれば、交通渋滞に対する迂回路についても適切に指示する様々な情報等が送信される。
【0031】
次に当該TMCデータを受信及び解読する一般的なTMC対応型受信装置について説明する。図1は一般的なTMC対応型受信装置の概略を示すブロック図である。
【0032】
図1においてTMC対応型受信装置は、ラジオチューナ機能はもちろん、図示せぬCDオートチェンジャー機能及びテープデッキ機能が設けられており、前記ラジオチューナ機能には、放送局から到来する、番組放送及び当該番組放送に多重化されたRDSデータ等のTMCデータを含む放送電波を受信する受信アンテナ11と、当該受信アンテナ11にて所望のFM放送電波を受信させるFMチューナ12と、前記受信アンテナ11にて所望のAM放送電波を受信させるAMチューナ13と、前記FMチューナ12及びAMチューナ13の同調システムを切り替えるシステム同調部14と、前記FMチューナ12又はAMチューナ13にて受信された放送信号や、後述するカードインターフェース15を介して生成される音声信号を切換選択するソース切換部16と、当該切換選択された音声信号や放送信号を増幅するオーディオアンプ17と、当該増幅された音声信号や放送信号を音声出力するスピーカ18と、前記FMチューナ12にて受信された放送信号からRDSデータを抽出するRDSデコーダ19と、当該RDSデコーダ19にて抽出されたRDSデータ等の様々なデータを記憶するメモリ20と、様々な指令を入力する操作部21と、様々な情報を表示出力する表示部22と、当該受信装置と後述するTMCカード23とを接続するカードインターフェース15と、当該TMCカード23に記録されたデータに基づいて受信されたRDSデータ中のTMCデータを抽出及び制御するTMCデータ用マイコン24と、当該受信装置全体を制御するシステム用マイコン25とを有している。
【0033】
前記操作部21には、TMCデータを呼び出すためのTMCキー21aと、予め設定された所望の放送局をワンタッチ操作で呼び出すことができるプリセットキー群21bとを有している。
【0034】
また、前記メモリ20には、様々なデータを記憶する複数のメモリ領域を有しているが、その中でも各プリセットキー群21bに対応したプリセットキー用メモリ領域(以下、単にプリセット領域と称する)がある。
【0035】
また、前記TMCカード23には、前記送信されたRDSデータ中に含まれるTMCデータ内の各コードに対応したデータ内容と、当該データ内容をユーザーの母国語に変換するための言語データ等とが記憶されている。
【0036】
また、前記TMCデータ用マイコン24は、前記RDSデコーダ19にて抽出されたRDSデータからTMCデータのみを抽出し、当該抽出されたTMCデータと前記TMCカード23より得られるデータに基づいて当該TMCデータのデータ内容を解読し、当該解読されたTMCデータを前記メモリ20に記憶させると共に、当該メモリ20に記憶されたTMCデータを前記TMCカード23の言語データに基づいて音声信号及び表示信号を生成するようにしたものである。
【0037】
では、当該TMC対応型受信装置の動作について説明する。
【0038】
当該TMC対応型受信装置のRDSデコーダ19は、前記受信アンテナ11及びFMチューナ12を介して得られたFM放送信号からRDSデータを抽出し、当該抽出されたRDSデータからTMCデータのみを前記TMC用マイコン24に供給する。
【0039】
当該TMC用マイコン24は、前記カードインタフェース15を介してTMCカード23から得られるデータに基づいて前記RDSデコーダ19より得られるTMCデータを解読し、当該解読されたTMCデータを前記システム用マイコン25を介して前記メモリ20に記憶する。
【0040】
次に当該TMC対応型受信装置のユーザーが、当該メモリ20に記憶保持中のTMCデータを読み出すような場合には、当該操作部21からの所定操作に応じて前記システム用マイコン25を介して当該メモリ20からTMCデータを読み出し、当該読み出されたTMCデータを前記TMC用マイコン24に供給する。
【0041】
当該TMC用マイコン24は、当該供給されたTMCデータを前記TMCカード23からの言語データに基づいて表示データ及び音声データを生成し、当該生成されたTMCデータに係わる音声データをカードインタフェース15を介してソース切換部16に供給する共に、前記生成されたTMCデータに係わる表示データを前記システム用マイコン25を介して表示部22に表示出力させる。尚、当該システム用マイコン25は、前記操作部21からの所定操作に応じて当該TMCデータに係わる音声出力が要求された場合、当該カードインタフェース15を介して音声データを音声出力させるソース切換制御信号を前記ソース切換部16に供給するものとする。
【0042】
従って、当該RDS放送のTMCによれば、交通情報用の放送番組がなくとも送信されるTMCデータ自体が交通情報であり、当該TMC対応型受信装置によれば、当該送信されるTMCデータを受信して順次に前記メモリ20に記憶させるようにしたので、受聴中の放送番組を番組途中で中断させてしまうような事態を打開することができる。
【0043】
また、当該TMCによれば、1秒間当たりに送信されるグループの数は、11.5グループであり、8AグループであるTMCデータを送信するような場合、通勤時や休暇時に多く発生する交通混雑に係わる多大な量の交通情報を要するような100連続のメッセージであっても約1分半で送信されてしまうために、リアルタイムに詳細な交通情報をユーザーに提供することができる。
【0044】
また、当該TMCによれば、各州や各幹線道路等といったように各地域の交通情報を細分化しているため、各地域ばかりでなく、例えば幹線道路の分岐点といった地点においての詳細な交通情報をユーザーに提供することができる。
【0045】
また、当該TMCを受信するTMC対応型受信装置によれば、当該送信されるTMCデータを順次に前記メモリ20に記憶しておくようにしたので、ユーザー所望時に各所望地点の交通情報を所定操作に応じて得ることができ、従来のように交通情報放送番組を受聴することにより所望地域以外の他地域における交通情報も受聴しながら、所望地域の交通情報を得なければならないといったユーザー側の使い勝手を大幅に打開することができる。
【0046】
また、当該TMCデータによれば、言語の異なる多国間に跨がって運転ドライバーが移動したとしても、当該TMCカード23による言語データを利用すれば、自分の母国語で放送していない地域であっても、母国語にて所望地域における交通情報等のTMCデータを認識することができる。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当該RDS放送におけるTMCデータを受信するTMC対応型受信装置によれば、到来する放送電波に多重化されたTMCデータを受信し、当該受信されたTMCデータを前記メモリ20に順次記憶させるようにし、当該メモリ20には全地域に係わるTMCデータが記憶されており、例えば当該受信装置を備えた車両の現在地又は当該現在地の周辺地域といった現在地域に対応したTMCデータを呼び出すような場合、当該受信装置のユーザーは複雑な地域選択呼出動作に係わる操作を行わなければならず、非常に操作負担がかかるといった問題点があった。
【0048】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、当該受信装置を備えた車両の現在地域に対応したTMCデータを簡単な操作で当該車両のユーザーに享受することができる多重放送用受信装置を提供することにある。
【0049】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の多重放送用受信装置は、交通情報等のデータを多重化した放送電波を受信する受信手段と、当該受信された多重データを記憶する記憶手段と、当該多重データに含まれ、前記受信手段が受信する前記放送電波の受信エリアに所属するローカル局に係わる第1の地域識別コードを抽出して前記記憶手段に記憶させる第1の地域コード抽出手段と、前記交通情報データに係わる多重データを含む放送電波を前記受信手段にて受信させ、当該受信された交通情報に係わる多重データから第2の地域識別コードを抽出する第2の地域コード抽出手段と、前記第2の地域識別コードが前記記憶手段に記憶された第1の地域識別コードに対応する交通情報データを前記記憶手段に記憶させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0050】
【作用】
かかる構成により、本発明の多重放送用受信装置によれば、例えば当該受信装置を備えた車両の現在地域に対応したローカル局からの多重データを受信させ、当該受信された多重データから地域コード抽出手段にて地域識別コードを抽出し、当該抽出された地域識別コード、すなわち前記ローカル局の地域識別コードを記憶手段に記憶させ、次に交通データを多重化した放送電波を受信させ、当該交通データから前記地域コード抽出手段にて地域識別コードを抽出し、当該抽出された地域識別コードと前記記憶手段に記憶されたローカル局の地域識別コードと同一の地域識別コードに対応する交通データを前記記憶手段に記憶させるようにしたので、当該車両のユーザーが当該車両の現在地及び当該現在地の周辺地域といった現在地域に対応する交通データを呼び出す地域選択呼出動作に係わる操作を容易化することができる。
【0051】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の多重放送用受信装置を適用したTMC対応型受信装置について説明する。尚、先に説明した図1に示す一般的なTMC対応型受信装置と重複するものには、同一符号を付すと共に、その構成及び動作の説明については省略する。
【0052】
本発明の多重放送用受信装置を適用したTMC対応型受信装置においては、例えば当該受信装置を備えた車両の現在地、又は当該現在地の周辺地域といった現在地域に対応するTMCデータを簡単に呼び出すことを可能にする周辺地域TMCデータメモリ処理機能を有している。尚、当該TMC対応型受信装置の図1に示すメモリ20としては、複数のメモリ領域を有しているが、主に後述するローカル局の受信周波数及び当該ローカル局より得られるRDSデータを記憶する第1メモリ領域と、TMC局より得られる全地域のTMCデータを記憶する第2メモリ領域と、当該第2メモリ領域に記憶されたTMCデータの中で現在地域に対応するTMCデータのみを記憶する第3メモリ領域等とを有している。
【0053】
次に当該TMC対応型受信装置の動作について説明する。図2及び図3は当該TMC対応型受信装置の周辺地域TMCデータメモリ処理におけるシステム用マイコン25の処理動作を示すフローチャートである。
【0054】
図2に示すシステム用マイコン25は、前記操作部21のTMCキー21aが入力されたか否かを判定する(ステップS11)。当該TMCキー21aが入力されたのであれば、例えば低い周波数領域から高い周波数領域へと順次に各放送局を受信してゆくシークアップ動作を前記FMチューナ12に実行させ(ステップS12)、当該シークアップ動作にて受信された受信局がRDS局であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0055】
当該受信局がRDS局であれば、当該RDS局がローカル局であるか否かを判定する(ステップS14)。尚、当該ローカル局とは当該受信装置を備えた車両の現在地に相当する地域の放送局である。
【0056】
当該RDS局がローカル局であれば、当該ローカル局の受信周波数及び当該ローカル局から送信されたRDSデータを前記メモリ20の第1メモリ領域に記憶させ(ステップS15)、当該メモリ20の第2メモリ領域にTMCデータが既に記憶保持されているか否かを判定する(ステップS16)。尚、ステップS15にて第1メモリ領域に記憶された当該ローカル局のRDSデータからPIコードを抽出し、当該抽出されたPIコードに基づいてその周辺地域におけるPIコードをも前記TMCカード23及びTMC用マイコン24を介して算出し、当該算出されたPIコードも前記ローカル局のRDSデータと共に当該第1メモリ領域に記憶するものとする。
【0057】
ステップS16にて当該第2メモリ領域に既に記憶保持されているTMCデータがあれば、前記第1メモリ領域に記憶されたローカル局のRDSデータに含まれるPIコード及び当該ローカル局の周辺地域におけるPIコードと同一のPIコードを有する該当TMCデータ(以下、単に該当データと称する)が前記第2メモリ領域に記憶保持されているか否かを判定する(ステップS17)。当該第2メモリ領域内に該当データがあれば、図3に示すM1に移行する。
【0058】
また、ステップS11にて当該TMCキー21aが入力されたのでなければ、当該周辺地域TMCデータメモリ処理の処理動作を終了する。
【0059】
また、ステップS13にて受信局がRDS局でなければ、又はステップS14にて受信されたRDS局がローカル局でなければ、ステップS12に移行する。
【0060】
また、ステップS16にて前記第2メモリ領域にTMCデータが記憶保持されていなければ、現在受信中の受信局がTMC局であるか否かを判定する(ステップS18)。当該受信局がTMC局であれば、当該受信中のTMC局より受信されたTMCデータを前記第2メモリ領域に記憶させ(ステップS19)、ステップS17に移行する。
【0061】
また、ステップS18にて受信局がTMC局でなければ、前記FMチューナ12に対してシークアップ動作を実行させ(ステップS20)、ステップS18に移行する。
【0062】
次にシステム用マイコン25はステップS17にて第2メモリ領域内に該当データがあれば、図3に示すM1において当該第2メモリ領域から該当データを抽出し(ステップS31)、当該抽出された該当TMCデータを第3メモリ領域に記憶させ(ステップS32)、前記第1メモリ領域に記憶保持中のローカル局の受信周波数に基づいて当該ローカル局を受信させ、当該受信感度が良好であるか否かを判定する(ステップS33)。当該ローカル局の受信感度が良好であれば、当該周辺地域TMCデータメモリ処理を終了する。尚、ステップS33にて前記第1メモリ領域に記憶されたローカル局を受信させるようにしたのは、当該受信装置を備えた車両の移動中に当該周辺地域TMCデータメモリ処理における対象地域の誤差変動を抑えるための処理である。
【0063】
また、ステップS33にて当該ローカル局の受信感度が良好でなければ、図2に示すM2に移行する。
【0064】
従って、当該TMC対応型受信装置によれば、例えば当該受信装置を備えた車両の現在地域に対応するローカル局のRDS放送を受信し、当該受信されたRDS放送からRDSデータを抽出し、当該RDSデータからPIコードを抽出すると共に、当該抽出されたPIコードに基づいて当該ローカル局の周辺地域におけるPIコードを算出し、前記ローカル局及び当該ローカル局の周辺地域に係わるPIコードを前記メモリ20の第1メモリ領域に記憶させた後、TMCデータに係わるTMCデータを多重化した放送電波をFMチューナ12にて受信させ、当該受信されたTMCデータを前記第2メモリ領域に記憶させ、当該第2メモリ領域に記憶されたTMCデータに含まれるPIコードから第1メモリ領域に記憶されたPIコードと同一のPIコードを有するTMCデータを前記第2メモリ領域から抽出し、当該抽出された該当データのみを前記第3メモリ領域に記憶保持させるようにしたので、ユーザーは現在地や当該現在地の周辺地域といった現在地域に対応するTMCデータを呼び出す地域選択呼出動作に係わる操作を著しく良好にすることが可能となる。
【0065】
尚、上記実施例においては、図2に示すステップS15に示すようにローカル局の受信周波数及びRDSデータ、当該ローカル局の周辺地域に係わるPIコードを前記メモリ20の第1メモリ領域に記憶させるようにしているが、当該システム用マイコン25のメモリであっても良い。
【0066】
また、上記実施例においては、受信された全地域のTMCデータを前記メモリ20の第2メモリ領域に記憶保持したまま、図3に示すステップS32にて該当データを前記メモリ20の第3メモリ領域に記憶させるようにしたが、前記該当データを前記第2メモリ領域にてメモリ更新するようにしても良く、この場合には第3メモリ領域分だけ前記メモリ20のメモリ容量を削減することができる。
【0067】
また、上記実施例においては、図3に示すステップS33にて第1メモリ領域に記憶されたローカル局の受信感度が良好であれば、当該周辺地域TMCデータメモリ処理を終了するようにしたが、所定操作に応じて当該周辺地域TMCデータメモリ処理を解除するまでは当該ステップS33の処理動作を定期的に行うようにすれば、より一層の効果を上げられることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
上記のように構成された本発明の多重放送用受信装置によれば、例えば当該受信装置を備えた車両の現在地域に対応したローカル局からの多重データを受信させ、当該受信された多重データから地域コード抽出手段にて地域識別コードを抽出し、当該抽出された地域識別コード、すなわち前記ローカル局の地域識別コードを記憶手段に記憶させ、次に交通データを多重化した放送電波を受信させ、当該交通データから前記地域コード抽出手段にて地域識別コードを抽出し、当該抽出された地域識別コードと前記記憶手段に記憶されたローカル局の地域識別コードと同一の地域識別コードに対応する交通データを前記記憶手段に記憶させるようにしたので、当該車両のユーザーが当該車両の現在地及び当該現在地の周辺地域といった現在地域に対応する交通データを呼び出す地域選択呼出動作に係わる操作を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なTMC対応型受信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の多重放送用受信装置を適用したTMC対応型受信装置の周辺地域TMCデータメモリ処理におけるシステム用マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の多重放送用受信装置を適用したTMC対応型受信装置の周辺地域TMCデータメモリ処理におけるシステム用マイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】RDSデータの基本的なベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【図5】TMCを送信する8Aグループのベースバンドコーディング構造を示す説明図である。
【符号の説明】
12 FMチューナ(受信手段)
20 メモリ(記憶手段)
24 TMC用マイコン(制御手段)
25 システム用マイコン(制御手段)
Claims (1)
- 交通情報等のデータを多重化した放送電波を受信する受信手段と、
当該受信された多重データを記憶する記憶手段と、
当該多重データに含まれ、前記受信手段が受信する前記放送電波の受信エリアに所属するローカル局に係わる第1の地域識別コードを抽出して前記記憶手段に記憶させる第1の地域コード抽出手段と、
前記交通情報データに係わる多重データを含む放送電波を前記受信手段にて受信させ、当該受信された交通情報に係わる多重データから第2の地域識別コードを抽出する第2の地域コード抽出手段と、
前記第2の地域識別コードが前記記憶手段に記憶された第1の地域識別コードに対応する交通情報データを前記記憶手段に記憶させる制御手段とを有することを特徴とする多重放送用受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03026095A JP3761599B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 多重放送用受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03026095A JP3761599B2 (ja) | 1995-01-27 | 1995-01-27 | 多重放送用受信装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08204593A JPH08204593A (ja) | 1996-08-09 |
JP3761599B2 true JP3761599B2 (ja) | 2006-03-29 |
Family
ID=12298741
Family Applications (1)
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