JP3760966B2 - 変調装置および方法、並びに記録媒体 - Google Patents

変調装置および方法、並びに記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変調装置および方法、並びに記録媒体に関し、特にデータ伝送や記録媒体への記録に適するようにデータを変調する、変調装置および方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
データを所定の伝送路に伝送したり、または例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録媒体に記録する際、伝送や記録に適するようにデータの変調が行われる。このような変調方法の1つとして、ブロック符号が知られている。このブロック符号は、データ列をm×iビットからなる単位(以下データ語という)にブロック化し、このデータ語を適当な符号則に従ってn×iビットからなる符号語に変換するものである。そしてこの符号は、i=1のときには固定長符号となり、またiが複数個選べるとき、すなわち1乃至imax(最大のi)の範囲の所定のiを選択して変換したときには可変長符号となる。このブロック符号化された符号は可変長符号(d,k;m,n;r)と表される。
【0003】
ここでiは拘束長と称され、imaxはr(最大拘束長)となる。また最小ランdは符号系列内の連続する”1”の間に入る”0”の最小連続個数を示し、最大ランkは符号系列内の連続する”1”の間に入る”0”の最大連続個数を示している。
【0004】
コンパクトディスクやミニディスク(商標)等においては、上述のようにして得られた可変長符号に対して、”1”で反転、”0”で無反転とするNRZI(Non Return to Zero Inverted)変調を行い、NRZI変調された可変長符号(以下記録波形列という)を記録するようにしている。
【0005】
記録波形列の最小反転間隔をTminとし、最大反転間隔をTmaxとするとき、線速方向に高密度の記録を行うためには、最小反転間隔Tminは長い方が、すなわち最小ランdは大きい方が良く、またクロックの再生の面からは最大反転間隔Tmaxは短いほうが、すなわち最大ランkは小さい方が望ましく、種々の変調方法が提案されている。
【0006】
具体的には、例えば磁気ディスクまたは光磁気ディスク等で用いられる変調方式としてRLL(Run Length Limited code)(2−7)がある。この変調方式のパラメータは(2,7;1,2;3)であり、記録波形列のビット間隔をTとすると、最小反転間隔Tmin( =(d+1)T)は3(=2+1)Tとなる。データ列のビット間隔をTdataとすると、この最小反転間隔Tminは1.5(=(m/n)×Tmin=(1/2)×3)Tdataとなる。また最大反転間隔Tmax(=(k+1)T)は8(=7+1)T(=((m/n)×Tmax)Tdata=(1/2)×8Tdata=4.0Tdata)となる。さらに検出窓幅Tw(=(m/n)T)は、0.5(=1/2)Tdataとなる。
【0007】
この他、例えば同様に磁気ディスクまたは光磁気ディスク等で用いられる変調方式としてRLL(1−7)がある。この変調方式のパラメータは(1,7;2,3;2)であり、最小反転間隔Tminは2(=1+1)T(=(2/3)×2 Tdata=1.33Tdata)となる。また最大反転間隔Tmaxは8(=7+1)T(=(2/3)×8Tdata=5.33Tdata)となる。さらに検出窓幅Twは、 0.67(=2/3)Tdataとなる。
【0008】
ここでRLL(2−7)とRLL(1−7)を比較すると、例えば磁気ディスクシステムや光磁気ディスクシステムにおいて、線速方向に記録密度を高くするには、最小反転間隔Tminが1.33TdataであるRLL(1−7)より、1.5TdataであるRLL(2−7)の方が望ましい。しかしながら、実際には、RLL(2−7)より、検出窓幅Twがより大きく、ジッタに対する許容量が大きいと言われるRLL(1−7)がよく用いられている。
【0009】
RLL(1−7)符号の変換テーブルは例えば以下の通りである。
【0010】
Figure 0003760966
【0011】
ここで変換テーブル内の記号xは、次に続くチャネルビットが0であるときに1とされ、また次に続くチャネルビットが1であるときに0とされる(以下、同様)。なお、最大拘束長rは2である。
【0012】
またこの符号は、次の表に示すように、MSBからLSBまでの各ビットの順番を逆にしても実現することができる。
【0013】
Figure 0003760966
【0014】
ここで最大拘束長rは2である。
【0015】
さらに、RLL(1−7)符号の変換テーブルは次のように配列を変えても実現できる。
【0016】
Figure 0003760966
【0017】
ここで最大拘束長rは2である。
【0018】
またこの符号は、次の表に示すように、MSBからLSBまでの各ビットの順番を逆にしても実現することができる。
【0019】
Figure 0003760966
【0020】
ここで最大拘束長rは2である。
【0021】
またさらに、最小ランd=1で、最大反転間隔Tmaxを小さくしたRLL(1−6)符号の変換テーブルは例えば以下の通りである。
【0022】
Figure 0003760966
【0023】
ここで最大拘束長rは4である。
【0024】
またこの符号は、次の表に示すように、MSBからLSBまでの各ビットの順番を逆にしても実現することができる。
【0025】
Figure 0003760966
【0026】
ここで最大拘束長rは4である。
【0027】
以上の他に、最小ランd=1で、最大反転間隔Tmaxを小さくしたRLL(1−6)符号であり、最悪エラー伝搬が有限ビットである変換テーブルは、例えば以下の通りである。
【0028】
Figure 0003760966
【0029】
ここで最大拘束長rは5である。
【0030】
表7は、ビットシフトエラーが発生した場合、それを復調したとき、無限にエラーが続くことがないようなテーブルとなっている。無限にエラーが続くとは、符号列において発生させた1ヶ所のビットシフトエラーによって、それ以降、復調されたデータ列が、ずっと正しく復調されないことを意味する。
【0031】
またビットシフトエラーとは、あるデータ列を、変調することで発生した符号列において、エッジを表す”1”が前方または後方にシフトすることによるエラーのことである。
【0032】
この他に、最小ランd=2で、最大反転間隔Tmaxが8T(最大ラン7)であるRLL(2−7)符号の変換テーブルは例えば以下の通りである。
【0033】
Figure 0003760966
【0034】
ところでRLL(1−7)による変調を行ったチャネルビット列は、発生頻度としてはTminである2Tが一番多く、以下3T、4Tと続く。2Tや3Tのようなエッジ情報が早い周期で多く発生するのは、クロック再生には有利となるが、しかし、2Tが連続しつづけると、むしろ記録波形に歪みが生じ易くなってくる。なぜならば、2Tの波形出力は小さく、デフォーカスやタンジェンシャル・チルトによる影響を受け易いからである。またさらに、高線密度では、最小マークの連続した記録はノイズ等外乱の影響を受け易く、データの再生誤りが発生し易くなる。
【0035】
またRLL(1−7)は、しばしばPRML(Partial Response Maximum Likelihood)と組み合わされ、高線密度記録の再生時のS/N改善を行っている。この方式は、RF再生波形をメディアの特性に合わせて、例えばPR(1,1)や、PR(1,2,1)に等化したものをビタビ復号するものである。例えばPR(1,1)に等化する場合の望ましい再生出力は、次のようになる。
Figure 0003760966
このNRZI変換後のデータは、レベルデータであり、チャネルビットデータが1のとき、直前の値(1または0)と異なる値(0または1)とされ、チャネルビットデータが0のとき、直前の値(0または1)と同一の値(0または1)とされる。また、この例では、NRZI変換後の値が1のとき、”11”が復号され、NRZI変換後の値が0のとき、”−1−1”が復号されるものとされている。Tminである2Tが連続したときの波形等化は、この再生出力となるように行われる。一般に、高線密度になるほど波形干渉は長くなり、波形等化も例えばPR(1,2,2,1)やPR(1,1,1,1)のように長くなってくる。
【0036】
ところで、最小ランd=1である場合、高線密度化した結果、適した波形等化がPR(1,1,1,1)となったとき、Tminである2Tが連続したときを考えると、そのときの再生信号は、
Figure 0003760966
となり、ゼロが連続することになる。これはすなわち、波形等化後の信号出力がない状態が続くことを示しており、従ってビタビ復号はマージしない。したがって、データ再生やクロック再生の安定性を欠く原因となる。
【0037】
このようなチャネルビットデータ列となるのは、例えば、表1のRLL(1,7;2,3;2)では、変調前のデータ列が、
「10−01−10−01−10−...」
となる場合である。
【0038】
また表5のRLL(1,6;2,3;4)では、変調前のデータ列が、
「11−10−11−10−11−10−...」
となる場合である。
【0039】
さらに表8のRLL(2,7;1,2;3)では、変調前のデータ列が、
「010−010−010−010−...」
となる場合である。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、磁気ディスクや光磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体を高密度化していった場合に、変調符号としてRLL(1−7)あるいはRLL(1−6),RLL(2−7)、あるいはVFM(Variable Five Modulation)符号など最小ランの長い符号を選択したとき、高線密度での記録再生波形は、最小反転間隔Tminの再生出力が小さくなる。したがって、Tminが連続して発生し過ぎると、記録時の歪みが発生しやすくなり、クロックの再生に対し不利になったり、あるいはジッタ等の外乱に弱くなり、エラーを発生しやすくなるという課題がある。
【0041】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、従来の例えばRLL(1−7),RLL(1−6),RLL(2−7)等に較べて、同様の変調テーブルに、さらに最小反転間隔Tminが長く連続する回数を制限するコードを新たに付加し、クロック再生等が安定して行えるようにするものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明の変調装置は、最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換手段を備えることを特徴とする。
【0043】
本発明の変調方法は、最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換ステップを含むことを特徴とする。
【0044】
本発明の記録媒体は、最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換ステップを含む変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする。
【0045】
本発明においては、最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードが、可変長符号変換後のチャネルビット列における最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換される
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、特許請求の範囲に記載の発明の各手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするために、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但し一例)を付加して本発明の特徴を記述すると、次のようになる。
【0048】
但し勿論この記載は、各手段を記載したものに限定することを意味するものではない。
【0049】
以下、本発明に係る変調装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、基本データ長がmビットであるデータを、可変長符号(d,k;m,n;r)に変換する変調装置の一例であり、図1は、その具体的な回路構成を示している。この実施の形態では、基本データ長が2ビットであるデータを、RLL(1−7)符号のチャネルビット列の、最小ランが所定回数続くのを制限するコードを含む変換テーブルで、可変長符号(1,7;2,3;3)に変換する。
【0050】
可変長符号(d,k;m,n;r)を、例えば可変長符号(1,7;2,3;3)であるとするとき、すなわち0の最小ランであるdを1ビット、0の最大ランであるkを7ビット、基本データ長であるmを2ビット、基本符号長であるnを3ビット、最大拘束長であるrを3とするとき、変換テーブルは、例えば次の表に示すような変換テーブルとされている。
【0051】
Figure 0003760966
【0052】
なお、上記したRML(1,7;2,3;3)のRMLは、Repeated Minimum runlength Limited codeの略であり、従来の可変長符号(1,7;2,3;3)から本発明の場合を区別するために付加した記号である。
【0053】
シフトレジスタ11は、データを2ビットずつシフトさせながら、データを拘束長判定部12、Tmin連続制限コード検出部13、および、すべての変換部14−1乃至14−rに出力するようになされている。
【0054】
拘束長判定部12は、データの拘束長iを判定し、マルチプレクサ15に出力するようになされている。Tmin連続制限コード検出部13は、専用のコード(制限コード)を検出したとき、その検出信号を拘束長判定部12に出力する。
【0055】
Tmin連続制限コード検出部13によりTmin制限コードが検出されたとき、拘束長判定部12では、予め設定されている専用の拘束長であると判定し、その拘束長をマルチプレクサ15に出力する。このとき、拘束長判定部12では、別の拘束長を判定している場合があるが、Tmin連続制限コード検出部13からの出力があるときは、そちらを優先させて拘束長を決定する。
【0056】
変換部14−1乃至14−rは、内蔵されている変換テーブルを参照し、供給されたデータに該当する変換則が登録されているか否かを判断し、登録されている場合は、そのデータの変換を行った後、変換後の符号をマルチプレクサ15に出力するようになされている。また、データが変換テーブルに登録されていない場合、変換部14−1乃至14−rは、供給されたデータを破棄するようになされている。
【0057】
なお、変換部14−1乃至14−rは、変換後の符号に不確定ビットが含まれる場合、その不確定ビットの値を1とした後、符号の出力を行う。
【0058】
マルチプレクサ15は、拘束長判定部12より供給される拘束長iに対応する変換部14−iが変換した符号を選択し、その符号を、シリアルデータとして、バッファ16を介してラン検出処理部17に出力するようになされている。
【0059】
ラン検出処理部17は、供給されたシリアルデータにおいて、ランレングス(連続する「0」の個数)が最小ランdより小さいランを検出し、所定の不確定ビットの値を「1」から「0」に変更するようになされている。
【0060】
ラン検出処理部17は、このようにして、すべてのランの長さを最小ランd以上にする(変換部14−iにおいて、不確定ビットの値をすべて1に設定することにより、最大ランkより大きいランの発生が除去されているので、結局、すべてのランの長さは、最小ランd以上であり最大ランk以下となる)。
【0061】
クロック回路(CLK)18は、クロックを発生し、タイミング管理部19は、クロック回路18より供給されたクロックに同期してタイミング信号を生成し、シフトレジスタ11、拘束長判定部12、Tmin連続制限コード検出部13、およびバッファ16に供給するようになされている。
【0062】
図2は、ラン検出処理部17の一実施の形態を示している。この実施の形態は、RML(1−7)における最小ランd(=1)より小さい長さを有する(即ち、ランレングスが0である)ランを検出する。
【0063】
メモリ21は、バッファ16より供給されるシリアルデータの1ビットを、1クロックの間保持した後、出力するようになされている。AND回路22は、バッファ16より供給されるシリアルデータと、メモリ21より出力される、1クロック前に供給されたシリアルデータの論理積を計算し、その計算結果をXOR(排他的論理和)回路23の一方の入力に出力するようになされている。
【0064】
XOR回路23は、AND回路22より供給されるデータと、メモリ21より供給されるデータの排他的論理和を計算し、その計算結果をNRZI変調回路24に出力するようになされている。
【0065】
NRZI変調回路24は、XOR回路23より供給されるビット列に対して、NRZI変調を行い、NRZI変調された符号を変調符号として出力するようになされている。
【0066】
なお、NRZI変調回路24は、必要に応じて、他の変調方式に基づいて符号を変調する回路に置き換えてもよい。また、例えば、ISO規格の光磁気ディスクのように、RLL符号などに変調したビット列をNRZI変調を行わないで、そのまま記録する場合、NRZI変調回路24は不要となり、XOR回路23の出力が、変調符号としてラン検出処理部17から出力される。
【0067】
次に、この実施の形態の動作について説明する。
【0068】
最初に、シフトレジスタ11より、各変換部14−1乃至14−r、拘束長判定部12、およびTmin連続制限コード検出部13に、データが2ビット単位で供給される。
【0069】
拘束長判定部12は、表9に示す変換テーブルを内蔵しており、この変換テーブルを参照して、データの拘束長iを判定し、判定結果(拘束長i)をマルチプレクサ15に出力する。
【0070】
そしてTmin連続制限コード検出部13は、表9に示す変換テーブルのうちの制限コード部分(表9の場合、i=3のデータ「100110」を変換する部分)を内蔵しており、この変換テーブルを参照して、Tmin連続を制限するためのコード(「100110」)を検出したとき、その検出信号を拘束長判定部12に出力する。
【0071】
拘束長判定部12では、Tmin連続制限コード検出部13からの検出信号があった場合には、そのとき別の拘束長を判定していても、それを選択せず、入力されたデータの拘束長は、Tmin連続制限コードに基づく拘束長であると判定し、その拘束長をマルチプレクサ15に出力する。
【0072】
図3は、拘束長判定部12の動作を説明している。拘束長判定部12は、表9に示すテーブルを内蔵しており、入力されたデータが「01」、「10」、「11」のいずれかに一致するか否かを判定部31で判断する。入力されたデータが「01」、または「11」のいずれかに一致する場合、判定部31は、拘束長iが1であると判定する。そして入力されたデータが「10」であった場合は、Tmin連続制限コード検出部13において、始めの2ビットに加えてさらに4ビット先まで見て、「100110」(制限コード)に一致するか否かを判断しており、結局入力されたデータが「100110」でなかったときは、判定部32は、拘束長iが1であると判定する。また「100110」であったときは、Tmin連続制限コード検出部13からの出力信号により、判定部32は、拘束長i=1の代わりに、拘束長iが3であると判定する。さらに、入力されたデータが「01」、「10」、「11」のいずれにも一致しない場合は、判定部33で、「0011」、「0010」、「0001」、または「0000」のいずれかに一致するか否かを判断する。
【0073】
入力されたデータが「0011」、「0010」、「0001」、「0000」のいずれかに一致する場合、判定部33は、拘束長iが2であると判定する。ここで、これらの判定が行われなかった場合には、入力データは、拘束長が1乃至3のビット列のうち、どのビット列にも一致しないことになり、エラーとなる。
【0074】
拘束長判定部12は、このようにして判定した拘束長iを、マルチプレクサ15に出力する。
【0075】
なお、拘束長判定部12の拘束長判定の処理を、図4に示すように、i=3,i=2,i=1のパターンの順に行うようにしてもよい。
【0076】
すなわち、この場合においては、判定部41において入力されたデータが、「100110」に一致するか否かが判定され、一致する場合、拘束長iは3とされる。一致しない場合には、判定部42において、「0011」、「0010」、または「0001」のいずれかと一致するか否かが判定される。一致する場合には、拘束長iは2とされる。
【0077】
一致しない場合には、判定部43において、入力されたデータが「11」、「10」、または「01」のいずれかに一致するか否かが判定され、一致する場合、拘束長iは1とされ、一致しない場合、エラーとされる。
【0078】
一方、変換部14−1乃至14−rは、それぞれ、各拘束長iに対応するテーブルを有しており、供給されたデータに対応する変換則が、そのテーブルに登録されている場合、その変換則を利用して、供給された2×iビットのデータを3×iビットの符号に変換し、変換した符号に不確定ビットが含まれている場合、その不確定ビットの値を1に設定した後、その符号をマルチプレクサ15に出力する。
【0079】
マルチプレクサ15は、拘束長判定部12より供給された拘束長iに対応する変換部14−iより符号を受け取り、その符号をシリアルデータとして、バッファ16を介して、ラン検出処理部17に出力する。
【0080】
ラン検出処理部17は、供給されるシリアルデータにおいて、最小ランd(=1)より小さいランを検出し、そのランの先端に隣接する不確定ビットの値を、「1」から「0」に変更した後、NRZI変調を行い、NRZI変調された符号を変調符号として出力する。
【0081】
以上のようにして、一旦、すべての不確定ビットの値を1に設定した後、最小ランd(=1)より小さいランを検出し、そのランの先端に隣接する不確定ビットの値を、「1」から「0」に変更し、不確定ビットの値を正しいものにする。
【0082】
ところで図2に示すラン検出処理部17においては、供給されたデータ(1ビット)の値を1クロックの間、メモリ21で記憶し、次に供給されるビットの値(図2のA)とメモリ21の出力(図2のB)(連続する2つのビットの値)がともに「1」である場合、図5の真理値表に示すように、AND回路22とXOR回路23により構成される論理回路より、「0」が出力され、その他の場合(Bが0である場合、または、Bが1であり、Aが0である場合)は、メモリ21の出力値(B)が、そのまま出力される(図2のC)。
【0083】
このようにすることで、供給されるシリアルデータにおいて、「1」が連続する場合(即ち、ランレングスが0である場合)、先行する「1」が「0」に変更され、ランレングスがすべて1以上になる。
【0084】
そして、NRZI変調回路24は、供給されたシリアルデータに対して、NRZI変調を行い、変調後の符号を変調符号として出力する。
【0085】
以上のようにして、データが入力されると、最初に、データの拘束長iを判定し、その拘束長iに対応して、符号への変換を行い、この変換の際、不確定ビットが含まれる場合、その不確定ビットの値を、一旦、1に設定する。そして、次に、最小ランdより小さいランを検出し、そのランの先端に隣接する不確定ビットの値を「1」から「0」に変更することで、不確定ビットの値を正しいものにする。
【0086】
表9において、i=3の変換テーブル(制限コードの変換テーブル)が存在しないとすると、例えば、図6に示すように、データ「001001100110010010」が入力されると、最初の「0010」は、i=2のデータとして、図6において、符号Aとして示すように、「000010」の符号に変換される。次の「01」、「10」、「01」、「10」、「01」が、それぞれi=1の変換テーブルに対応して、「10X]、「010」、「10X]、「010」、「10X]に変換される。最後の「0010」は、i=2のデータとして、「000010」の符号に変換される。なお、Xは、最小ランdおよび最大ランkの規則を守るように、「0」または「1」に決定されるので、この場合すべて1となる。
【0087】
このようにして生成された符号を、例えばNRZI方式で変調すると、「1」のタイミングにおいて、その論理が反転する信号となるので、この符号Aは、2Tの最小反転間隔が8回連続する符号となる。
【0088】
そこで、表9におけるi=3の変換テーブルを採用するようにすると、データのうち「100110」は、制限コードと判定されるので、制限符号「100000010」に変換される。その結果、図6に符号Bとして示すような符号が得られ、最小反転間隔Tminが何回も続くことが防止される。この表9の場合、最小反転間隔Tminが連続する回数は5回までであり、6回以上続くことはない。
【0089】
なお、制限コード「100110」を、場合によっては制限符号「100000010」に変換するが、場合によっては、「10」、「01」、「10」として、「010101010」に変換するようにしてもよい。いずれの場合においても、最小ランdと最大ランkの規則は守られる。
【0090】
上記実施の形態においては、表9にあるRML(1−7)符号の変調について説明したが、本発明はこれ以外の符号への変調にも適用することができる。例えば、表10、表11、または表12に示すような、別のRML(1−7)符号への変調を行う場合、図1の変調装置において、変換部14−iに、表10、表11、または表12に示す各拘束長iの部分を保持させ、変換後に不確定ビットの値を1に設定し、ラン検出処理部17において、最小ランより小さいランを検出し、所定の不確定ビットの値を0に変更する。ラン検出処理部17は、表10および表12の例では、図7に示すように、図2におけるXOR回路23に対する一方の入力を、メモリ21の出力ではなくメモリ21への入力に変更するようにして、そのランの先頭に隣接する不確定ビットの値を0に変更する。表11の例では、図2に示すようにして、そのランの終端に隣接する不確定ビットの値を0に変更する。
【0091】
図1の実施の形態は、変換テーブルあるいは逆変換テーブルを、表9から、表10、表11、または表12に変更することで、そのまま適用することが可能である。
【0092】
Figure 0003760966
【0093】
ここで最大拘束長rは3である。
【0094】
Figure 0003760966
【0095】
ここで最大拘束長rは3である。
【0096】
Figure 0003760966
【0097】
ここで最大拘束長rは3である。なお、これらの表9乃至表12は、それぞれ、従来の表1乃至表4に対応する表である。
【0098】
図8乃至図10は、表10乃至表12の変換テーブルを利用した場合において、最小反転間隔が、何回も連続することが防止されることを表している。その説明は、図6における場合と同様であるので、ここでは省略する。
【0099】
なお、表10乃至表12の変換テーブルを用いた場合の最小反転間隔の連続回数は、いずれも5回までであり、6回以上連続することはない。
【0100】
ところで、表9、表10、表11、および表12では、Tmin連続制限コードとして、拘束長i=3において、「100110」を規定しているが、これは、例えば、表9の拘束長i=3の部分を変更して、表13のように、「011001」と置き換えても同様の効果を得ることができる。
【0101】
図1の実施の形態は、変換テーブルあるいは逆変換テーブルを、表9から、表13に変更することで、そのまま適用することが可能である。
【0102】
Figure 0003760966
【0103】
また、例えば表9にさらにコードを追加した形である、表14に示すように、拘束長i=4においてTmin連続制限コードを与えても同様の効果を得ることができる。
【0104】
図1の実施の形態は、変換テーブルあるいは逆変換テーブルを、表9から、表14に変更することで、そのまま適用することが可能である。
【0105】
Figure 0003760966
【0106】
Tminの連続を制限する変調符号パターンは、復調するときに一意に復調ができるパターンであれば複数個を持っていても良い。また、表14に示すように、拘束長を大きくすることによってTminの連続を制限することもできる。このように、その他の制限コードを持つテーブルを作成することもできる。
【0107】
図11と図12は、それぞれ表13と表14の変換テーブルを利用した場合において、最小反転間隔が、何回も連続することが防止される様子を表している。その説明は、図6における場合と同様であるので、ここでは省略する。
【0108】
なお、表13と表14に示す変換テーブルを用いた場合における最小反転間隔が連続する最大の回数は5回であり、6回以上連続することはない。
【0109】
ここで、表9の拘束長i=3におけるTmin連続制限データ列から変換される制限符号列「100 000 010」について説明する。この制限符号列は、従来の(i=1またはi=2の)変換符号列中には存在しない符号パターンである。従って、復調も行うことができる符号パターンである。なお、このとき最小ランd=1、最大ランk=7の規則は守られている。
【0110】
ところで、最大ランkの規則は、必ずしも守られなくても良い場合が存在する。なぜならば、符号列において、最小ランdは、記録再生に関係するので、必ず守られなければならないが、最大ランkは、記録再生に関係しないからである。フォーマットによっては、あえて最大ランkを超える大きなビット間隔Tでデータを構成している場合も存在する。
【0111】
最大ランkの規則が守られなくても良い場合、Tmin連続制限変換において、変換される制限符号語は、最小ランd=1の規則を守り、かつ従来の変換符号列中に存在しない符号パターンを選択すればよい。このようにすると、選択できる制限符号パターンは以下の6パターンとなる。
「000 000 000」 制限符号パターン(1)
「000 000 001」 制限符号パターン(2)
「000 000 010」 制限符号パターン(3)
「100 000 000」 制限符号パターン(4)
「100 000 001」 制限符号パターン(5)
「100 000 010」 制限符号パターン(6)
なお、表9では、制限符号パターン(1)乃至(6)のなかで、最小ランd=1、最大ランk=7の規則を守ることができる制限符号パターン(6)を用いている。
【0112】
制限符号パターン(1)乃至(5)を、次のように書き換える。
「000 000 00x」 制限符号パターン(A)
「000 000 010」 制限符号パターン(B)
「100 000 00x」 制限符号パターン(C)
ここで、制限符号パターン内の記号xは0、または1である。
【0113】
制限符号パターン(A),(B)、または(C)を用いた変換テーブルあるいは逆変換テーブルでは、最小ランd=1の規則は守られ、最大ランk=7の規則は守られない。表9のi=3の変換符号を制限符号パターン(A)に置き換えた例を表15に示す。
【0114】
Figure 0003760966
【0115】
なお、上述の説明を表10に適用した場合、表10のi=3の制限符号パターンが「010 000 001」である状態では、最小ランd=1、最大ランk=7の規則は守られ、次に示す制限符号パターン(D),(E)、または(F)を用いた変換テーブルあるいは逆変換テーブルでは、最小ランd=1の規則は守られ、最大ランk=7の規則は守られない。
「x00 000 000」 制限符号パターン(D)
「010 000 000」 制限符号パターン(E)
「x00 000 001」 制限符号パターン(F)
【0116】
さらに、これら以外の符号への変調として、例えば、表16または表17に示すような、RML(1−6)符号への変調を行う場合は、図1の変調装置において、変換部14−iに、表16あるいは表17の各拘束長iの部分を保持させ、変換後に不確定ビットの値を1に設定し、ラン検出処理部17において、最小ランより小さいランを検出し、所定の不確定ビットの値を0に変更する。ラン検出処理部17は、表16の例では、図2のようにして、そのランの終端に隣接する不確定ビットの値を0に変更する。表17の例では、図7のようにして、そのランの先頭に隣接する不確定ビットの値を0に変更する。
【0117】
表16に示すRML(1−6)符号では、基本データ長が2ビットであるデータを、RML(1−6)符号のチャネルビット列の、最小ランが所定回数続くのを制限するコードを含むテーブル、すなわち可変長符号(1,6;2,3;5)に変換する。
【0118】
可変長符号(d,k;m,n;r)を、例えば可変長符号(1,6;2,3;5)であるとするとき、すなわち0の最小ランであるdを1ビット、0の最大ランであるkを6ビット、基本データ長であるmを2ビット、基本符号長であるnを3ビット、最大拘束長であるrを5とするとき、変換テーブルは、例えば表16に示すような変換テーブルとされる。また、同様に、チャネルビットデータを逆にしたものは表17に示すようになる。
【0119】
Figure 0003760966
【0120】
ここで最大拘束長rは5である。
【0121】
Figure 0003760966
【0122】
ここで最大拘束長rは5である。
【0123】
なお、表16と表17では、拘束長i=5においてTmin連続制限コードとして、複数個(3パターン)を持ち、それぞれ復調するときに一意に復調できるパターンである。この結果、従来のRLL(1,6)ではTminの連続に制限がなかったが、本実施の形態においては、Tminの連続に制限を加えている。また、これら3パターンのTmin連続制限コードはTminの連続する最大回数と関係している。
【0124】
例えば表16において、拘束長i=5の部分が、
Figure 0003760966
であれば、Tminの連続する回数は制限され、最大7回まで連続する。これが、
i=5 1011101110 001 000 000 100 010
のみにする場合、Tminの連続する回数は制限されるが、最大9回まで連続する。また、
Figure 0003760966
のみにする場合でも、Tminの連続する回数は制限されるが、最大8回まで連続する。
【0125】
以上の例は、表17においても、同様である。
【0126】
表16の変換テーブルを用いた場合において、最小反転間隔が連続する回数を制限することができる様子を表すと、図13に示すようになる。また表17の変換テーブルを用いた場合において、最小反転間隔が連続する回数を制限することができる様子を表すと、図14に示すようになる。
【0127】
さらに表18に示すRML(1−6)符号では、基本データ長が2ビットであるデータを、RML(1−6)符号のチャネルビット列の、最小ランが所定回数続くのを制限するコードを含むテーブル、すなわち可変長符号(1,6;2,3;6)に変換する。
【0128】
可変長符号(d,k;m,n;r)を、例えば可変長符号(1,6;2,3;6)であるとするとき、すなわち0の最小ランであるdを1ビット、0の最大ランであるkを6ビット、基本データ長であるmを2ビット、基本符号長であるnを3ビット、最大拘束長であるrを6とするとき、変換テーブルは、例えば表18に示すような変換テーブルとなる。また、同様に、チャネルビットデータを逆にしたものは表18に示すようになる。
【0129】
Figure 0003760966
ここで最大拘束長rは6である。
【0130】
表18は、表7と同様に、ビットシフトエラーが発生した場合、それを復調したとき無限にエラーが続くことがないようなテーブルとなっている。
【0131】
なお、表18の変換テーブルを用いた場合の最小反転間隔の連続回数は、10回までであり、11回以上連続することはない。
【0132】
表18の変換テーブルを用いた場合において、最小反転間隔が連続する回数を制限することができる様子を表すと、図15に示すようになる。
【0133】
またさらに、これら以外の符号への変調として例えば、表19に示すような、RML(2−7)符号への変調を行う場合は、図1の変調装置の変換部14−iに、表19の各拘束長iの部分を保持させる。RML(2−7)符号の場合は不確定ビットは存在しないため、図1の変調装置からラン検出処理部17を省略し、またシフトレジスタも1ビット置きにする。これらをまとめると、図16に示すようになる。その基本動作は図1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0134】
Figure 0003760966
【0135】
表19の変換テーブルを用いた場合における、最小反転間隔の連続回数を制限することができる様子を、図17に示す。同図に示すように、この例において、制限コードを設けない場合には、データがi=2の単位で符号Aに変換されているが、制限コードを設けた表19を用いて変換を行うと、符号Bとして示すように、最初のデータ「01001」が、i=4のデータとして、制限符号「0000100100」に変換され、次のデータ「0010」が、i=3のデータとして、符号「00100100」に変換される。そして、最後のデータ「010」は、符号Aにおける場合と同様に、i=2として、符号「100100」に変換される。
【0136】
さらに、表20に示すような、RML−VFM符号への変調を行う場合は、図18に示す変調装置のように、図16の変調装置の変換部14−iに表20の各拘束長iの部分を保持させる。図18の構成は、図16と同様であり、その基本動作は、図1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0137】
Figure 0003760966
Figure 0003760966
Figure 0003760966
【0138】
ここで、表20における拘束長i=5の変換コード(RMLコード)「1010101010 00001 00001 00001 00001 00000」を省略すると、最小ランdの連続が制限されていない通常のVFM符号のテーブルが得られる。つまり、従来のVFMのパラメータVFM(4,22;2,5;5)の最大拘束長rと、表20のRML−VFMのパラメータRML−VFM(4,22;2,5;5)の最大拘束長rは等しく、ともに5であることが判る。
【0139】
すなわち、VFM符号のように、最大拘束長内において変換コードに余裕がある符号であれば、これを最小ランdの連続を制限する変換コードに割り当てればよく、このときの最大拘束長rは増加しなくてもよい。つまり、最小ランdの連続を制限する変換コードを割り当てる場合、最大拘束長rは、必要に応じて増やすようにすればよい。
【0140】
表20の変換テーブルを用いた場合における、最小反転間隔Tminの連続回数を制限することができる様子を図19に示す。同図に符号Aとして示すように、制限コードを設けない場合(VFM符号の場合)においては、例えば、データ「1010101010」に対して、拘束長i=1の「10」が適用され、「10000」の繰り返しが出力されるが、制限コードを設けた場合(RML−VFMの場合)においては、拘束長i=5の「1010101010」が適用され、同図に符号Bとして示すように、「0000100001000010000100000」が出力される。
【0141】
このように、VFM符号を用いた場合においては、最小ランd=4、すなわち最小反転間隔Tmin=5Tが無限に連続するが、表20に示したRML−VFM符号のように、最小ランdの連続を制限するコードを設けることにより、最小ランdの連続を最大で3回までに制限することができる。
【0142】
次に、Tminの連続を制限するコードによる変調結果について以下にまとめて説明する。任意に作成したランダムデータ13107200ビットを、3つの変調コードテーブルによって変調した際のTminの連続の分布のシミュレーション結果を以下に示す。いずれも従来Tminは無限に続く可能性があったのを有効に短くすることができている。
【0143】
表9に示す RML(1,7;2,3;3)のテーブルを用いてデータを変調した結果は以下の通り。変調データの大きさは19660782チャネルビットデータで、Tminが2Tであり、Tmaxが8Tであるのを確認した。また、表11による1対1の復調が行われることを確認した。
【0144】
2Tの連続の発生頻度は、
1回 897769 2回 354625 3回 122242
4回 30117 5回 4316 6回 0
7回 0 8回 0 9回 0
となり、最大で5回までであった。
【0145】
次に、表9に対して、表1のRLL(1,7;2,3;2)が、Tminの連続の制限をつけない場合であるが、この場合の同じランダムデータによる2Tの連続の発生頻度を示すと、
Figure 0003760966
となり、2Tが最大で18回連続する場合があった。このことより、表9によるTminの連続を制限するコードが有効に働いているのを確認することができた。
【0146】
なお表10、表11、表12、表13、表14、および表15による結果は、その構造が表9と似ていることから同様と推定されるので、シミュレーションを省略した。
【0147】
表16に示す RML(1,6;2,3;5)のテーブルを利用してデータを変調した結果は以下の通り。変調データの大きさは19660782チャネルビットデータで、Tminが2Tであり、Tmaxが7Tであるのを確認した。また、表14による1対1の復調が行われることを確認した。
【0148】
2Tの連続の発生頻度は、
1回 878768 2回 347418 3回 137343
4回 54523 5回 20441 6回 4439
7回 224 8回 0 9回 0
となり、最大で7回までであった。
【0149】
次に、表16に対して、表5の RLL(1,6;2,3;4)が、Tminの連続の制限をつけない場合であるが、この場合の同じランダムデータによる2Tの連続の発生頻度を示すと、
Figure 0003760966
となり、2Tが最大で15回連続する場合があった。このことより、表16によるTminの連続を制限するコードが有効に働いていることが判る。
【0150】
なお表17、および表18による結果は、その構造が表16と似ていることから同様と推定されるので、シミュレーションを省略した。
【0151】
表19に示す RML(2,7;1,2;4)のテーブルを利用してデータを変調した結果は以下の通り。変調データの大きさは26214376チャネルビットデータで、Tminが3Tであり、Tmaxが8Tであるのを確認した。また、表19による復調が行われることを確認した。
【0152】
3Tの連続の発生頻度は、
1回 905019 2回 299808 3回 87811
4回 14213 5回 0 6回 0
7回 0 8回 0 9回 0
となり、最大で4回までであった。
【0153】
次に、表19に対して、表8の RLL(2,7;1,2;3)が、Tminの連続の制限をつけない場合であるが、この場合の同じランダムデータによる3Tの連続の発生頻度を示すと、
Figure 0003760966
となり、3Tが最大で19回連続する場合があった。このことより、表19によるTminの連続を制限するコードが有効に働いていることが判る。
【0154】
以上のように、本発明によれば、最小ラン長の繰り返し回数を制限することが可能になるために、以下のような効果が得られる。
(1)従来の最小ラン長の繰り返し回数に制限を設けない場合と比較して、信号レベルが小さい部分が減少し、ジッタ等によるエラーの発生が小さくなり、AGCやPLL等の波形処理の精度が向上し、総合特性を高めることができる。
(2)従来の最小ラン長の繰り返し回数に制限を設けない場合と比較して、ビタビ復号等の際のパスメモリ長が短く設計でき、回路規模を小さくすることができる。
【0155】
なお、上記したような処理を行うプログラムをユーザに提供する提供媒体としては、磁気ディスク、CD-ROM、固体メモリなどの記録媒体の他、ネットワーク、衛星などの通信媒体を利用することができる。
【0156】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小ランdが何回も連続することが防止され、安定してデータ再生を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変調装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のラン検出処理部の一構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の拘束長判定部の動作を説明する図である。
【図4】図1の拘束長判定部の動作を説明する図である。
【図5】図1のラン検出処理部の各部の値の関係を示す図である。
【図6】表9の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図7】図1のラン検出処理部の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】表10の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図9】表11の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図10】表12の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図11】表13の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図12】表14の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図13】表16の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図14】表17の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図15】表18の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図16】本発明の変調装置の他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図17】表19の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【図18】本発明の変調装置のさらに他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図19】表20の変換テーブルを用いた場合において最小反転間隔の連続回数が制限される様子を説明する図である。
【符号の説明】
11 シフトレジスタ, 12 拘束長判定部, 13 Tmin連続制限コード検出部, 14−1乃至14−r 変換部, 15 マルチプレクサ, 16バッファ, 17 ラン検出処理部, 18 クロック発生部, 19 タイミング管理部, 21 メモリ, 22 AND回路, 23 XOR回路, 24 NRZI変調回路

Claims (35)

  1. 基本データ長がmビットのデータを、基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)に変換する変調装置において、
    最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における前記最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換手段を
    備えることを特徴とする変調装置。
  2. 前記制限コードを、最大拘束長r増加を伴って追加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  3. 前記制限コードの個数を、1以上とする
    ことを特徴とする請求項2に記載の変調装置。
  4. 前記制限コードを、最大拘束長rの増加を伴わずに追加し、
    前記制限コードの個数を、1以上とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  5. 前記制限コードは、他のコードに置き換え可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  6. 前記制限コードは、制限コード以外のコードまたはその一部の複数個の組合せにより生成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の変調装置。
  7. 前記制限符号は、復調の際に、他と識別出来る符号であり、かつ前記最小ランdの規則を守る
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  8. 前記制限符号は、必ずしも最大ランkの規則を守らない
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  9. 可変長符号変換後のチャネルビット列は、前記変換手段による前記制限コードを前記制限符号に変換する処理を省略した場合においても、前記チャネルビット列の最小ランdおよび最大ランkの規則を守る
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  10. 前記変換手段は、前記最小ランdを1とした場合、可変長符号変換前のデータ列における前記制限コードよりも短いコードを、不確定ビットを含み得る符号に変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  11. 前記短いコードが変換された前記号は、連続したとき最大ランkが無限大となる符号の所定の位置のビットを不確定ビットとするとともに、定められた最小ランおよび最大ランkを守る所定の位置を不確定ビットとし、
    前記不確定ビットに続く後方あるいは前方において、最小ランdおよび最大ランkを守るように、前記不確定ビットを0または1と置き換える
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  12. 前記制限コードを、最大拘束長rを増加させることに伴って追加する
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  13. 最大ランkが7であるとき、前記最小ランdの連続する最高回数を、5回以上の有限回とする
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  14. 最大ランkが7であるとき、前記可変長符号の最大拘束長rを3以上とする
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  15. 最大ランkが6であるとき、前記最小ランdの連続する最高回数を、7回以上の有限回とする
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  16. 最大ランkが6であるとき、前記可変長符号の最大拘束長rを5以上とする
    ことを特徴とする請求項10に記載の変調装置。
  17. 前記変換手段は、前記最小ランdを2とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における前記最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  18. 前記制限コードを、最大拘束長rを増加させることに伴って追加する
    ことを特徴とする請求項17に記載の変調装置。
  19. 最大ランkが7であるとき、最小ランdの連続する最高回数を、4回以上の有限回とする
    ことを特徴とする請求項17に記載の変調装置。
  20. 最大ランkが7であるとき、前記可変長符号の最大拘束長rを4以上とする
    ことを特徴とする請求項17に記載の変調装置。
  21. 前記変換手段は、前記最小ランdを4とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における前記最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変調装置。
  22. 前記制限コードを、最大拘束長rを増加させることに伴って追加する
    ことを特徴とする請求項21に記載の変調装置。
  23. 最大ランkが22であるとき、最小ランdの連続する最高回数を、3回以上の有限回とする
    ことを特徴とする請求項21に記載の変調装置。
  24. 基本データ長がmビットのデータを、基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)に変換する変調方法において、
    最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における前記最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換ステップを
    含むことを特徴とする変調方法。
  25. 基本データ長がmビットのデータを、基本符号長がnビットの可変長符号(d,k;m,n;r)に変換する変調方法であって、
    最小ランdを1以上とした場合、可変長符号変換前のデータ列における所定の制限コードを、可変長符号変換後のチャネルビット列における前記最小ランdが所定回数連続することを制限する所定の制限符号に変換する変換ステップを
    含む変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする記録媒体。
  26. 前記制限コードを、最大拘束長rの増加を伴って追加する
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  27. 前記制限コードの個数を、1以上とする
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項26に記載の記録媒体。
  28. 前記制限コードを、最大拘束長rの増加を伴わずに追加し、
    前記制限コードの個数を、1以上とする
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  29. 前記制限コードは、他のコードに置き換え可能である
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  30. 前記制限コードは、制限コード以外のコードまたはその一部の複数個の組合せにより生成されている
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項29に記載の記録媒体。
  31. 前記制限符号は、復調の際に、他と識別出来る符号であり、かつ前記最小ランdの規則を守る
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  32. 前記制限符号は、必ずしも最大ランkの規則を守らない
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  33. 可変長符号変換後のチャネルビット列は、前記変換ステップによる前記制限コードを前記制限符号に変換する処理を省略した場合においても、前記チャネルビット列の最小ランdおよび最大ランkの規則を守る
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  34. 前記変換ステップは、前記最小ランdを1とした場合、可変長符号変換前のデータ列における前記制限コードよりも短いコードを、不確定ビットを含み得る符号に変換する
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項25に記載の記録媒体。
  35. 前記短いコードが変換された前記符号は、連続したとき最大ランkが無限大となる符号の所定の位置のビットを不確定ビットとするとともに、定められた最小ランおよび最大ランkを守る所定の位置を不確定ビットとし、
    前記不確定ビットに続く後方あるいは前方において、最小ランdおよび最大ランkを守るように、前記不確定ビットを0または1と置き換える
    前記変調方法によって得られた可変長符号が記録されていることを特徴とする請求項34に記載の記録媒体。
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