JP3760051B2 - Nrdガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アップコンバータやレーダ装置あるいはコンピュータ間通信用デジタルトランシーバを構成するNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
35GHz帯、60GHz帯等のミリ波電波の利用が検討され、その実用化が注目されている。35GHz帯、60GHz帯のようなミリ波帯の伝送線路として、遮断平行平板導波管内に方形誘電体ストリップを挿入して構成されるNRDガイドが有利であることが知られている。NRDガイドは、図7に示すように上下に所定間隔をおいて平行配置されたアルミニウム、銅、真鍮などの良導電体・非磁性体材料よりなる厚さ4.0mm程度の上導体板61と下導体板62との間に高さa、幅bの角棒状の誘電体ストリップ63を配置して構成される。誘電体ストリップ63として、ミリ波帯のような高周波で低損失な比誘電率が3.0以下、例えば2.04のテフロン、2.1のポリエチレン、2.56のポリスチレン等の誘電体が使用され、信号周波数の自由空間波長をλ0とすると、誘電体ストリップ線路63の高さaは、a=0.45λ0の近傍、幅bは、比誘電率をεrとすると、
【0003】
【数1】
【0004】
に設定される。60GHz帯では、誘電体ストリップとしてテフロンを使用した場合、高さa=2.25mm、幅b=2.5mmに設定され、55GHzから65.5GHzで単一モード動作帯域を得ている。
【0005】
このようなNRDガイドに適用するミリ波帯発振器は、例えば、「NRDガイドを用いた60GHz帯FMガン発振器」電子情報通信学会論文誌(C−I),Vol.J77−C−I,No.11、pp592−598(1994年11月)に開示されている。ミリ波帯発振器は図8に示すように、遮断平行平板導波管内に方形誘電体ストリップを挿入して構成されるNRDガイドを用い、InPガンダイオードやGaAsガンダイオードにより60GHzを得ている。ガンダイオード64は図8(b)に示すように、ミリ波の漏れを抑えるため、λ/4ステップ低域フィルタを施した真鍮製の金属片65の内部にねじ込んで固定され、上下導体板66、67の間に横向きに装荷される。ガンダイオード64へのバイアス電圧は図8(c)に示すように、前記金属片65の上に貼り付けた厚み0.13mmのテフロン基板68にエッチングにより形成したλ/4マイクロストリップ低域フィルタ69を通して印加される。ガンダイオード64からの発振出力は図8(d)に示すように、テフロン基板70に金属ストリップ71を形成した金属ストリップ共振器72を介してNRDガイド73に導かれる。金属ストリップ共振器72は金属ストリップ71の幅c、長さd、テフロン基板69の厚みeによって発振周波数を決定することができる。この文献ではテフロン基板70の厚みeを0.265mm、金属ストリップ71の幅cを1.4mmとし、長さdを1.5mmから2.5mmに変化したとき、55GHzから63GHzに可変することができ、60GHz帯NRDガイドの帯域をほぼカバーし、発振出力130mW以上を得ている。
【0006】
また、「非放射性誘電体線路を用いた自己注入形ガン発振器」電子情報通信学会論文誌(C−I),Vol.J72−C−I,No.1、pp532−58(1989年1月)は、図9に示すように、金属片74にねじ込んで取り付けられたガンダイオード75からの発振出力を金属ストリップ共振器76を介してNRDガイドを構成する誘電体ストリップ77に導くミリ波帯発振器において、誘電体ストリップ77の近傍に帯域阻止形に誘電体ディスク共振器78を側結合させて設置し、出力の一部を帰還注入し誘電体ディスク共振器78とガンダイオード発振器の同期をとる自己注入形ガン発振器の構造を開示している。誘電体ディスク共振器78は直径3.5mm、比誘電率24.5のセラミックを比誘電率1.03のポリフォーム又はテフロンで上下から挟みつけて構成され、セラミックの厚さ、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔g及びz方向位置を変化させて、発振出力、発振周波数を制御する方法を開示している。
【0007】
また、特開平6−177649号公報及び特開平6−177650号公報は、図10(a)に分解斜視図、図10(b)にプリント基板の平面図、図10(c)に実装状態の平面図を示すように、金属片80に搭載したガンダイオード81をプリント基板82の貫通穴83を通してプリント基板82の表面側に露出させ、ガンダイオード81をプリント基板82の表面に形成した第1バイアス供給線路84と長方形金属パターン85の間に接続し、また長方形金属パターン85と第2バイアス供給線路86の間にバラクタダイオード88を接続した、NRDガイドミリ波帯発振器を開示している。このNRDガイドミリ波帯発振器の周波数は長方形金属パターン85の縦横寸法f、hによって57.5GHzから61.8GHzに粗調整され、ガンダイオード発振器とNRDガイドを構成する誘電体ストリップ86との間に設置される金属ストリップ共振器87によって微調整されることを記載している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記NRDガイドミリ波発振器は、自走状態で発振しているので、発振周波数は周囲温度、印加電圧等によりドリフトする。これを改善するため、図9のガン発振器はNRDガイドを構成する誘電体ストリップ77の近傍に高Qセラミックを含んで構成される誘電体ディスク共振器78を側結合させている。自走時の発振周波数が誘電体ディスク共振器78を構成するセラミックの共振周波数に対して±0.5%程度のずれの場合は、発振出力はセラミックの共振周波数に引き込まれ、位相雑音が除去された状態でその発振出力はガンダイオード75に帰還する。この自己注入効果によりガンダイオード発振器はセラミックの共振周波数に同期して安定に発振する。
【0009】
したがって、ガンダイオード発振器の発振周波数を調整する場合は、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔g、及びセラミックの形状を変化させればよく、従来はセラミックの厚さtを変化させて所望の特性を得ていた。しかしながら、セラミックの厚さtとその共振周波数は図11(横軸はセラミックの厚さt、縦軸は周波数)に示すように、厚さが高々10μm変化しただけで、周波数は400MHzも変化してしまい、非常にクリティカルな関係にあり、数KHzの精度で共振周波数を制御することは困難であった。
【0010】
また、特開平6−177649号公報及び特開平6−177650号公報は、長方形金属パターン85の縦横寸法f、hで粗調整し、金属ストリップ線路87で微調整することを開示している。
【0011】
しかし、上記した金属ストリップ線路71の幅c、長さd、テフロン基板72の厚さeによって周波数を調整する方法、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔gを変化させる方法、セラミックの厚さtを調整する方法、長方形金属パターン85の縦横寸法f、h及び金属ストリップ共振器87によって周波数を変化させる方法は、ガンダイオード発振器の設計段階で試作、実験をしながら決定することができるが、製品の組み立て後に調整できる手段ではない。
【0012】
本発明は上記したような問題点を解決することができるNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、ミリ波発振器と、該ミリ波発振器からの発振信号が供給される、平行配置された導体板間に誘電体ストリップを挿入してなるNRDガイドと、該NRDガイドに側結合するよう設置したセラミック共振器とで構成されるNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置であって、前記セラミック共振器の周囲はリング状の誘電体で被覆され、前記セラミック共振器の近傍にセラミック共振器の共振器長を変化させる機構を備え、前記セラミック共振器は、比較的硬く高誘電率を有する誘電体を真中にして上下を、前記高誘電体を有する誘電体に対して比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体で挟みつける構造であり、前記セラミック共振器の共振器長を変化させる機構は、前記導体板を貫通するネジの回転によって前記導体板の間隔を変化させる機構よりなり、前記導体板の間隔が変化するとき、前記比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚みが変化することを特徴とする。本発明はこの特徴を有することにより、ミリ波発振器を組み立て後、セラミックの厚さを変化させることなくセラミック共振器の共振器長を変化させることができ、その周波数を高精度に微調整することができる。
【0014】
また、前記セラミック共振器の周囲をリング状の誘電体で被覆しているので、セラミック共振器への湿度の悪影響を防止できると共に、セラミック共振器の形くずれを防止できる。
【0015】
また、前記セラミック共振器が、比較的硬く高誘電率を有する誘電体を真中にして上下を、前記高誘電体を有する誘電体に対して比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体で挟みつける構造であることによって、導体板の間隔を変化させたときも大部分は比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚さが変化し、比較的硬く高誘電率を有する誘電体の厚さは僅かしか変化しない。このためセラミック共振器の共振周波数の変化率は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。
【0016】
また、前記セラミック共振器において、共振器長を変化させる機構は、前記比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚みを変化させ、前記高誘電体を有する誘電体の厚みは変化させないことにより、前記セラミック共振器の共振周波数の変化率は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。
【0017】
また、前記セラミック共振器の共振器長を変化させる機構が前記導体板の間隔を変化させる機構よりなることにより、セラミック共振器の共振長は、導体板間隔が半波長の整数倍になる周波数で共振するので、その発振周波数を調整することができる。
【0018】
また、前記導体板の間隔を変化させる機構は、導体板を貫通するネジよりなることにより、モニターを見ながらドライバーでネジを回して発振周波数を調整することができ、発振周波数を微細に正確に所望の周波数に合わせることができる。ネジはセラミック共振器の近傍に設置され、セラミック共振器の近傍の上下導体板間隔を変化させ、したがってミリ波発振器の発振周波数を有効に調整することができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、CSテレビ信号とBSテレビ信号をアップコンバートするNRDガイド送信機とNRDガイド受信機にそれぞれ備えることを特徴とする。この特徴によりNRDガイド送信機とNRDガイド受信機にそれぞれ内蔵されるNRDガイドミリ波帯発振器の発振周波数差を±1MHz以下に抑えることができ、信号を確実に再生することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、前記ネジは、セラミック共振器の半径方向の電磁界減衰量が8.68pr≧30db(但し、pは横方向減衰定数で単位がNp/m、rは半径方向の座標で単位はm)となるように距離rを設定することを特徴とする。この特徴により、セラミック共振器の半径方向の電磁界に悪影響を及ぼすことなく、発振周波数を高精度に調整することができる。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載のNRDガイド送信機は、前記周波数調整装置を具備したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載のNRDガイド受信機は、前記周波数調整装置を具備したことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例)
図1は、本発明のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置を、NRDガイドマルチチャネルテレビ信号伝送システムに利用した送受信機のブロック図を示す。衛星放送より送信されたBSアナログテレビ放送電波1と、CSデジタルテレビ放送電波2はBSアンテナ3とCSアンテナ4でそれぞれ受信される。BSテレビ放送波は全15チャネルで1.035〜1.335GHzに周波数変換され、CSテレビ放送波は垂直偏波と水平偏波を用い、1偏波につき7チャネル、計14チャネルで1.293〜1.548GHzに周波数変換され、ブロックコンバータ5に入力する。ブロックコンバータ5ではCSテレビ信号の垂直・水平の各偏波をBSテレビ信号と混合できるよう垂直偏波を1.385〜1.625GHz、水平偏波を1.655〜1.895GHzに周波数変換し、BSテレビ信号とCSテレビ信号を1.035〜1.895GHzの一つのIF信号に再配列する。このIF信号はIF信号出力端子7からNRDガイド送信機6に供給される。
【0024】
NRDガイド送信機6は、発振周波数が59GHz帯に設定されているガンダイオード発振器8からの発振信号がNRDガイド用サーキュレータ9、10により一定方向に伝送されていき、ショットキーバリアダイオードよりなるアップコンバータ11へ入力される。アップコンバータ11は、ガンダイオード発振器8からの発振信号と前記ブロックコンバータ5より入力されるIF信号を混合して、IF信号を60GHz帯信号にアップコンバートする。周波数変換された信号は、帯域通過フィルタ12を通過して和信号である60GHz帯信号だけが送信アンテナ13に伝送される。差信号である58GHz帯信号は帯域通過フィルタ12を通過できずに反射され、NRDガイド用サーキュレータ9、10により無反射終端14に導かれ、そこで吸収される。
【0025】
送信アンテナ13より送信された60GHz帯電波は、NRDガイド受信機15の受信アンテナ16で受信され、NRDガイド方向性結合器17を介してバランスミキサ18へと入力する。また、ガンダイオード発振器19からの59GHz帯発振信号がバランスミキサ18に加えられることによりダウンコンバートを行い、元のIF信号に変換して出力する。このIF信号はデバイダ20によりBSテレビ信号とCSテレビ信号に分配され、CSチューナ21とBSチューナ22に入力される。BSテレビ信号はBSチューナ22を通った後、ハイビジョンと一般のBSテレビ信号にデバイダ23により分配され、それぞれテレビジョン受像機24、25、26に入力され、映像が再現される。ここでCSチューナ及びBSチューナの入力信号周波数帯は、送信側で用いたブロックコンバータの周波数配列に一致して設定されているので、信号の再生を確実に行うためにはNRDガイド送信機とNRDガイド受信機のIF信号の周波数差が±1MHz以下でなければならない。なお、図1の実施例にVHF/UHF帯の地上波テレビ放送信号を加え、同時にアップコンバートして伝送することも可能である。この場合、地上波テレビ放送信号のIF信号はBSテレビ信号、CSテレビ信号より高い周波数側である2GHz帯に再配列するのがよい。
【0026】
上記NRDガイド送信機6の具体的構造は、図2(a)に示す平面図及び図2(b)に示す立体図のように構成され、図1と同一部分には同一符号を付して示す。ガンダイオード28はH形断面形状を有する金属片27の側面に円筒状磁器パッケージの中に封入されてマウントされ、これにλ/4チョークパターンからなるマイクロストリップ線路を介してバイアス電圧を印加してガンダイオード発振器8から60GHz帯発振信号を得る。この発振信号は金属ストリップ共振器29を経てNRDガイド31に導かれる。ここで、NRDガイド31が金属ストリップ共振器29に接する先端部に結合部分で生じる不要モードを抑えるためモードサプレッサ31aを挿入するのが望ましい。金属ストリップ共振器29は金属ストリップの長さを変えて目的の周波数59GHz帯に調整される。この実施例では58.36GHz又は59.15GHzに調整された。
【0027】
前記NRDガイド31の近くに周波数安定化のための高Qを有するセラミック共振器32が側結合するように配置され、セラミック共振器32は上下導体板間隔の方向を共振器長として動作することにより周波数安定化を図る。セラミック共振器32は高Qのセラミックディスク32aを真中にして上下をテフロンディスク32b、32cで挟んで構成され、セラミックディスク32aが上下導体板の中心にくるようにして放射がなくなるようにしてある。セラミックディスク32aは厚さtを薄くすることで共振器長を短くして共振周波数を高くでき、厚さが0.47mmにすると、共振周波数が59GHzになった。このセラミック共振器32はNRDガイド31からの距離gを1.35mmに設定し、定在波比を2とした。
【0028】
NRDガイド31に入力された発振信号は、NRDガイド用サーキュレータ9、10によりアップコンバータ11の方向に導かれ入力する。NRDガイド用サーキュレータ9と10の間、NRDガイド用サーキュレータ10とアップコンバータ11の間にそれぞれNRDガイド33、34が挿入され、各間を接続する。発振信号出力を13mWとするとき、アップコンバータ11に11dBmが入力される。
【0029】
アップコンバータ11には端子30から前記BSテレビ信号、CSテレビ信号を1.035〜1.895GHzに再配列されたIF信号が入力されており、ここで周波数変換される。IF信号に2GHz帯に再配列された地上波テレビ放送信号が加えられてもよい。周波数変換された和信号と差信号は、NRDガイド用サーキュレータ10及びNRDガイド35を通して帯域通過フィルタ12に向かう。帯域通過フィルタ12は、中心周波数60.625GHz、帯域幅2GHz、0.5dBリップルの3段チェビシェフフィルタで構成され、和信号のみを通過させ、送信アンテナ13に伝送する。アップコンバータ11の和信号及び差信号の出力を0dBmとするとき、帯域通過フィルタ12の出力における和信号出力は0dBmである。帯域通過フィルタ12を通過できなかった差信号は反射され、NRDガイド用サーキュレータ9、10によりNRDガイド36を介して無反射終端14に導かれ、吸収される。
【0030】
NRDガイド受信機15の具体的構造は、図3(a)の平面図、図3(b)の立体図に示すように構成され、図1と同じ部分には同一符号を付して示す。受信アンテナ16で受信された60GHz帯電波はNRDガイド41、45が湾曲して構成される3dBのNRDガイド方向性結合器17を通して2つに分けられる。湾曲の曲率半径と角度はNRDガイド41がr=10mm、θ=110度、NRDガイド45がr=43mmである。NRDガイド45は直線で構成することも可能である。60GHz帯電波がNRDガイド方向性結合器17により2つに分けられた後、バランスミキサ18a、18bに導入される。バランスミキサ18a、18bは2つのショットキーバリアダイオード18c、18dで検波する構造であり、検波感度を高めている。ショットキーバリアダイオード18c、18dのマウントの前面にテフロンチップ18e、18fを取り付け、ショットキーバリアダイオード18c、18dが壊れないよう保護している。またショットキーバリアダイオード18c、18dのマウントの裏面には高誘電率薄膜を取り付け、抵抗が小さいショットキーバリアダイオード18c、18dと、インピーダンスの高いNRDガイド41、45との整合を取っている。高誘電率薄膜の厚さはλ/4である。さらに高誘電率薄膜の後にテフロンチップ18g、18hを取り付けNRDガイドとの整合をより高めている。
【0031】
ガンダイオード発振器19からの59GHz発振信号がNRDガイド45によりNRDガイド方向性結合器17を通してバランスミキサ18に加えられ、そこでダウンコンバートされて、元のIF信号を端子42に得る。
【0032】
このNRDガイド受信機15においても、ガンダイオード発振器19は、NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8と同様に、金属片43にガンダイオードがマウントされ、ガンダイオード発振器19からの発振信号は金属ストリップ共振器44を経てNRDガイド45に導かれる。NRDガイドの先端部には金属ストリップ共振器44との結合部分で生じる不要モードを抑えるためモードサプレッサ46を挿入するのがよい。前記NRDガイド45の近くにNRDガイド送信機6におけるセラミック共振器32と同様に、周波数安定化のためのセラミック共振器47が側結合するように配置され、セラミック共振器47は上下導体板間隔の方向を共振器長として動作することにより周波数安定化を図る。セラミック共振器47は高Qのセラミックディスクを真中にして上下をテフロンディスクで挟んで構成され、セラミックディスクが上下導体板の真中にくるようにして放射がなくなるようにしてある。セラミックディスクは厚さtを0.47mmにして、共振周波数を59GHzにした。このセラミック共振器47はNRDガイド45からの距離を1.35mmに設定し、定在波比を2とした。
【0033】
NRDガイド送信機6に備えられるセラミック共振器32およびNRDガイド受信機15に備えられるセラミック共振器47は、セラミックディスクの代替としてアルミナ等を使用することができ、またテフロンディスクの代替としてポリエチレン、ポリスチレン、ボロンナイトライド等を使用することができる。形状は円形以外に楕円形、三角形、方形にすることが可能であるが、円形が最も製作しやすい。更に、セラミック共振器はセラミックディスクが上下導体板の真中になるように上側又は下側の一方をテフロンディスクで支持する構造とし、他方を空間とする構成でもよい。この場合、セラミックディスクは誘電率が無限大に近いほうがよい。
【0034】
上記NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8およびNRDガイド受信機15のガンダイオード発振器19は、以上に説明したように同様の構造であって、NRDガイドの近くに周波数安定化のためセラミック共振器が備えられる。ここでは、上記NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8について説明するが、NRDガイド受信機15のガンダイオード発振器19にも適用されるものである。図4はNRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8、NRDガイド31及びセラミック共振器32付近の立体図を示し、図5は図4のA−A’線断面図を示す。ガンダイオード発振器8は、発振周波数を数KHzの精度で可変、制御が可能な自己注入同期NRDガン発振器で構成される。
【0035】
セラミック共振器32は、前記説明の通り高Qを有する比較的硬い誘電体であるセラミックディスク32aを真中にして上下をセラミックよりは誘電率が低く柔らかい誘電体であるテフロンディスク32b、32cで挟むようにして、セラミックディスク32aが上下導体板の中心に位置するよう構成される。セラミック共振器32は円形に形成され、その周囲をリング状の誘電率が低い誘電体よりなるテフロンチューブ32dで被覆される。テフロンチューブ32dはセラミック共振器32の形くずれを防止すると同時に、NRDガイド送信機、NRDガイド受信機内部に結露等による湿度の影響を防止する。セラミック共振器32の共振周波数は、その厚さtを含め上下導体板間隔の方向を共振器長とする上下導体板の間隔で決定され、この間隔が電気的に半波長の整数倍になる周波数で共振する。このセラミック共振器32はTE20δで共振するので、セラミックディスク32aを薄くして共振周波数を高くすることができる。セラミック共振器32の全体の高さを上下導体板の間隔2.25mmに調整しながら、セラミックディスク32aを薄く、テフロンディスク32b、32cを厚くして共振周波数を調整する。セラミックディスク32aの厚さを0.47mmにして59GHz帯の共振周波数を得る。
【0036】
セラミック共振器32は、NRDガイド31とセラミック共振器32間隔gをその定在波比が2になる位置に決める。このときg=1.35mmであった。また、NRDガイド31のモードサプレサ端面からセラミック共振器32の中心までの距離zをセラミック共振器32がロッキングする位置に設定した。ロッキング位置は、図6に示すように6.0mmと6.5mmであった。ロッキング時、スペクトラムアナライザの周波数軸(SPAN)を50kHzにしても発振周波数の変動は観測されず、波形もきれいであった。
【0037】
セラミック共振器32の近傍に上導体板37、下導体板38を貫通するネジ39を設ける。ネジは、共振電磁界が無視できるほどに小さくなる位置に設ける。セラミック共振器の半径方向の電磁界分布は、半径方向の座標をr[m]、電磁界理論より解析される横方向減衰定数をp[Np/m]として、e-prの変化で減衰するから、一般的にはセラミック共振器の半径方向の電磁界の減衰量が、8.686pr≧30dBとなる距離rに設定する。この実施例ではNRDガイド31から垂直方向でセラミック共振器32を通る線上にネジ39が配置される。下導体板38の外側にナットを設けて締め付けを強くするのが望ましい。ネジ39をドライバー等で回転させると、セラミック共振器32の近傍の上導体板37と下導体板38の間隔が変化し、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。即ち上下導体板間隔を変化させると、セラミック共振器32の共振器長が変化するが、セラミックディスク32aの厚みに対する周波数変化は、比誘電率が高いため大きく変化する。一方テフロンディスク32b、32cは、比誘電率が低く、かつセラミックディスク32a内部では共振電磁界が指数関数的に減衰しているので、その厚さが変化しても、その共振器周波数変化は小さい。更にセラミックディスク32aは比較的硬く、テフロンディスク32b、32cは比較的柔らかいため、テフロンディスク32b、32cの方が大きく厚みを変化し、セラミックディスク32aの方はほとんど変化しない。したがって、モニターを見ながらネジを回転させて発振周波数を数KHzの精度で所望の周波数に合わせ込むことができる。調整後はネジの回転止めをして不要に周波数が変化しないようにする。この結果、NRDガイド送信機6とNRDガイド受信機15のIF周波数差を数KHzにすることができ、信号を確実に再生することができる。
【0038】
ネジの形状は種々変形が可能で、要するに上下導体板間隔を調整できる構造であればよく、レバー、歯車その他種々の構造を使用することができる。上下導体板間隔の調整機構はセラミック共振器32の片側だけでなく、両側に設けてセラミック共振器の厚さを均等に変化させる構造が望ましい。
【0039】
上記実施例は、アップコンバータについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、レーダ装置やコンピュータ間通信用デジタルトランシーバの外にPOS端末通信システム、対列車ミリ波通信、ミリ波IDシステム、交通情報ビーコン、ワイヤレスカメラ(FPU)等を構成するNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミリ波発振器を組み立て後、セラミック共振器の共振器長を変化させることができ、テフロンディスクの厚さを変化させることにより周波数を高精度に微調整することができる。また、本発明によれば、導体板間隔が半波長の整数倍になる周波数で共振するので、その発振周波数を調整することができる。さらに本発明によれば、モニターを見ながらドライバーでネジを回して発振周波数を調整することができ、発振周波数を微細に正確に所望の周波数に合わせることができる。ネジはセラミック共振器の近傍に設置され、セラミック共振器の近傍の上下導体板間隔を変化させ、したがってミリ波発振器の発振周波数を有効に調整することができる。また、本発明によれば、導体板の間隔を変化させたときも大部分は低誘電率の誘電体の厚さが変化し、セラミックの厚さは僅かである。このためセラミック共振器の共振周波数の変化は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。また本発明によれば、NRDガイド送信機とNRDガイド受信機のNRDガイドミリ波帯発振器のIF信号の周波数差を±1MHzほどにすることができ、信号を確実に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をNRDガイドマルチチャネルTV信号伝送システムに応用した場合の送受信機のブロック図である。
【図2】 NRDガイド送信機の構成図である。
【図3】 NRDガイド受信機の構成図である。
【図4】 NRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の一部斜視図である。
【図5】 図4のA−A’断面図である。
【図6】 セラミック共振器の位置zを変化させたときの周波数と出力の特性図である。
【図7】 NRDガイドを説明する構成図である。
【図8】 NRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構成説明図である。
【図9】 従来のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構造図である。
【図10】 他の従来のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構成説明図である。
【図11】 セラミックディスクの厚さと周波数の関係図である。
【符号の説明】
31、33、34、35、36 NRDガイド
32 セラミック共振器
32a セラミックディスク
32b、32c テフロンディスク
32d テフロンチューブ
37、38 導体板
39 ネジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、アップコンバータやレーダ装置あるいはコンピュータ間通信用デジタルトランシーバを構成するNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
35GHz帯、60GHz帯等のミリ波電波の利用が検討され、その実用化が注目されている。35GHz帯、60GHz帯のようなミリ波帯の伝送線路として、遮断平行平板導波管内に方形誘電体ストリップを挿入して構成されるNRDガイドが有利であることが知られている。NRDガイドは、図7に示すように上下に所定間隔をおいて平行配置されたアルミニウム、銅、真鍮などの良導電体・非磁性体材料よりなる厚さ4.0mm程度の上導体板61と下導体板62との間に高さa、幅bの角棒状の誘電体ストリップ63を配置して構成される。誘電体ストリップ63として、ミリ波帯のような高周波で低損失な比誘電率が3.0以下、例えば2.04のテフロン、2.1のポリエチレン、2.56のポリスチレン等の誘電体が使用され、信号周波数の自由空間波長をλ0とすると、誘電体ストリップ線路63の高さaは、a=0.45λ0の近傍、幅bは、比誘電率をεrとすると、
【0003】
【数1】
【0004】
に設定される。60GHz帯では、誘電体ストリップとしてテフロンを使用した場合、高さa=2.25mm、幅b=2.5mmに設定され、55GHzから65.5GHzで単一モード動作帯域を得ている。
【0005】
このようなNRDガイドに適用するミリ波帯発振器は、例えば、「NRDガイドを用いた60GHz帯FMガン発振器」電子情報通信学会論文誌(C−I),Vol.J77−C−I,No.11、pp592−598(1994年11月)に開示されている。ミリ波帯発振器は図8に示すように、遮断平行平板導波管内に方形誘電体ストリップを挿入して構成されるNRDガイドを用い、InPガンダイオードやGaAsガンダイオードにより60GHzを得ている。ガンダイオード64は図8(b)に示すように、ミリ波の漏れを抑えるため、λ/4ステップ低域フィルタを施した真鍮製の金属片65の内部にねじ込んで固定され、上下導体板66、67の間に横向きに装荷される。ガンダイオード64へのバイアス電圧は図8(c)に示すように、前記金属片65の上に貼り付けた厚み0.13mmのテフロン基板68にエッチングにより形成したλ/4マイクロストリップ低域フィルタ69を通して印加される。ガンダイオード64からの発振出力は図8(d)に示すように、テフロン基板70に金属ストリップ71を形成した金属ストリップ共振器72を介してNRDガイド73に導かれる。金属ストリップ共振器72は金属ストリップ71の幅c、長さd、テフロン基板69の厚みeによって発振周波数を決定することができる。この文献ではテフロン基板70の厚みeを0.265mm、金属ストリップ71の幅cを1.4mmとし、長さdを1.5mmから2.5mmに変化したとき、55GHzから63GHzに可変することができ、60GHz帯NRDガイドの帯域をほぼカバーし、発振出力130mW以上を得ている。
【0006】
また、「非放射性誘電体線路を用いた自己注入形ガン発振器」電子情報通信学会論文誌(C−I),Vol.J72−C−I,No.1、pp532−58(1989年1月)は、図9に示すように、金属片74にねじ込んで取り付けられたガンダイオード75からの発振出力を金属ストリップ共振器76を介してNRDガイドを構成する誘電体ストリップ77に導くミリ波帯発振器において、誘電体ストリップ77の近傍に帯域阻止形に誘電体ディスク共振器78を側結合させて設置し、出力の一部を帰還注入し誘電体ディスク共振器78とガンダイオード発振器の同期をとる自己注入形ガン発振器の構造を開示している。誘電体ディスク共振器78は直径3.5mm、比誘電率24.5のセラミックを比誘電率1.03のポリフォーム又はテフロンで上下から挟みつけて構成され、セラミックの厚さ、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔g及びz方向位置を変化させて、発振出力、発振周波数を制御する方法を開示している。
【0007】
また、特開平6−177649号公報及び特開平6−177650号公報は、図10(a)に分解斜視図、図10(b)にプリント基板の平面図、図10(c)に実装状態の平面図を示すように、金属片80に搭載したガンダイオード81をプリント基板82の貫通穴83を通してプリント基板82の表面側に露出させ、ガンダイオード81をプリント基板82の表面に形成した第1バイアス供給線路84と長方形金属パターン85の間に接続し、また長方形金属パターン85と第2バイアス供給線路86の間にバラクタダイオード88を接続した、NRDガイドミリ波帯発振器を開示している。このNRDガイドミリ波帯発振器の周波数は長方形金属パターン85の縦横寸法f、hによって57.5GHzから61.8GHzに粗調整され、ガンダイオード発振器とNRDガイドを構成する誘電体ストリップ86との間に設置される金属ストリップ共振器87によって微調整されることを記載している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記NRDガイドミリ波発振器は、自走状態で発振しているので、発振周波数は周囲温度、印加電圧等によりドリフトする。これを改善するため、図9のガン発振器はNRDガイドを構成する誘電体ストリップ77の近傍に高Qセラミックを含んで構成される誘電体ディスク共振器78を側結合させている。自走時の発振周波数が誘電体ディスク共振器78を構成するセラミックの共振周波数に対して±0.5%程度のずれの場合は、発振出力はセラミックの共振周波数に引き込まれ、位相雑音が除去された状態でその発振出力はガンダイオード75に帰還する。この自己注入効果によりガンダイオード発振器はセラミックの共振周波数に同期して安定に発振する。
【0009】
したがって、ガンダイオード発振器の発振周波数を調整する場合は、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔g、及びセラミックの形状を変化させればよく、従来はセラミックの厚さtを変化させて所望の特性を得ていた。しかしながら、セラミックの厚さtとその共振周波数は図11(横軸はセラミックの厚さt、縦軸は周波数)に示すように、厚さが高々10μm変化しただけで、周波数は400MHzも変化してしまい、非常にクリティカルな関係にあり、数KHzの精度で共振周波数を制御することは困難であった。
【0010】
また、特開平6−177649号公報及び特開平6−177650号公報は、長方形金属パターン85の縦横寸法f、hで粗調整し、金属ストリップ線路87で微調整することを開示している。
【0011】
しかし、上記した金属ストリップ線路71の幅c、長さd、テフロン基板72の厚さeによって周波数を調整する方法、誘電体ストリップ77と誘電体ディスク共振器78の間隔gを変化させる方法、セラミックの厚さtを調整する方法、長方形金属パターン85の縦横寸法f、h及び金属ストリップ共振器87によって周波数を変化させる方法は、ガンダイオード発振器の設計段階で試作、実験をしながら決定することができるが、製品の組み立て後に調整できる手段ではない。
【0012】
本発明は上記したような問題点を解決することができるNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、ミリ波発振器と、該ミリ波発振器からの発振信号が供給される、平行配置された導体板間に誘電体ストリップを挿入してなるNRDガイドと、該NRDガイドに側結合するよう設置したセラミック共振器とで構成されるNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置であって、前記セラミック共振器の周囲はリング状の誘電体で被覆され、前記セラミック共振器の近傍にセラミック共振器の共振器長を変化させる機構を備え、前記セラミック共振器は、比較的硬く高誘電率を有する誘電体を真中にして上下を、前記高誘電体を有する誘電体に対して比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体で挟みつける構造であり、前記セラミック共振器の共振器長を変化させる機構は、前記導体板を貫通するネジの回転によって前記導体板の間隔を変化させる機構よりなり、前記導体板の間隔が変化するとき、前記比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚みが変化することを特徴とする。本発明はこの特徴を有することにより、ミリ波発振器を組み立て後、セラミックの厚さを変化させることなくセラミック共振器の共振器長を変化させることができ、その周波数を高精度に微調整することができる。
【0014】
また、前記セラミック共振器の周囲をリング状の誘電体で被覆しているので、セラミック共振器への湿度の悪影響を防止できると共に、セラミック共振器の形くずれを防止できる。
【0015】
また、前記セラミック共振器が、比較的硬く高誘電率を有する誘電体を真中にして上下を、前記高誘電体を有する誘電体に対して比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体で挟みつける構造であることによって、導体板の間隔を変化させたときも大部分は比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚さが変化し、比較的硬く高誘電率を有する誘電体の厚さは僅かしか変化しない。このためセラミック共振器の共振周波数の変化率は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。
【0016】
また、前記セラミック共振器において、共振器長を変化させる機構は、前記比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚みを変化させ、前記高誘電体を有する誘電体の厚みは変化させないことにより、前記セラミック共振器の共振周波数の変化率は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。
【0017】
また、前記セラミック共振器の共振器長を変化させる機構が前記導体板の間隔を変化させる機構よりなることにより、セラミック共振器の共振長は、導体板間隔が半波長の整数倍になる周波数で共振するので、その発振周波数を調整することができる。
【0018】
また、前記導体板の間隔を変化させる機構は、導体板を貫通するネジよりなることにより、モニターを見ながらドライバーでネジを回して発振周波数を調整することができ、発振周波数を微細に正確に所望の周波数に合わせることができる。ネジはセラミック共振器の近傍に設置され、セラミック共振器の近傍の上下導体板間隔を変化させ、したがってミリ波発振器の発振周波数を有効に調整することができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、CSテレビ信号とBSテレビ信号をアップコンバートするNRDガイド送信機とNRDガイド受信機にそれぞれ備えることを特徴とする。この特徴によりNRDガイド送信機とNRDガイド受信機にそれぞれ内蔵されるNRDガイドミリ波帯発振器の発振周波数差を±1MHz以下に抑えることができ、信号を確実に再生することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置は、前記ネジは、セラミック共振器の半径方向の電磁界減衰量が8.68pr≧30db(但し、pは横方向減衰定数で単位がNp/m、rは半径方向の座標で単位はm)となるように距離rを設定することを特徴とする。この特徴により、セラミック共振器の半径方向の電磁界に悪影響を及ぼすことなく、発振周波数を高精度に調整することができる。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載のNRDガイド送信機は、前記周波数調整装置を具備したことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載のNRDガイド受信機は、前記周波数調整装置を具備したことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施例)
図1は、本発明のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置を、NRDガイドマルチチャネルテレビ信号伝送システムに利用した送受信機のブロック図を示す。衛星放送より送信されたBSアナログテレビ放送電波1と、CSデジタルテレビ放送電波2はBSアンテナ3とCSアンテナ4でそれぞれ受信される。BSテレビ放送波は全15チャネルで1.035〜1.335GHzに周波数変換され、CSテレビ放送波は垂直偏波と水平偏波を用い、1偏波につき7チャネル、計14チャネルで1.293〜1.548GHzに周波数変換され、ブロックコンバータ5に入力する。ブロックコンバータ5ではCSテレビ信号の垂直・水平の各偏波をBSテレビ信号と混合できるよう垂直偏波を1.385〜1.625GHz、水平偏波を1.655〜1.895GHzに周波数変換し、BSテレビ信号とCSテレビ信号を1.035〜1.895GHzの一つのIF信号に再配列する。このIF信号はIF信号出力端子7からNRDガイド送信機6に供給される。
【0024】
NRDガイド送信機6は、発振周波数が59GHz帯に設定されているガンダイオード発振器8からの発振信号がNRDガイド用サーキュレータ9、10により一定方向に伝送されていき、ショットキーバリアダイオードよりなるアップコンバータ11へ入力される。アップコンバータ11は、ガンダイオード発振器8からの発振信号と前記ブロックコンバータ5より入力されるIF信号を混合して、IF信号を60GHz帯信号にアップコンバートする。周波数変換された信号は、帯域通過フィルタ12を通過して和信号である60GHz帯信号だけが送信アンテナ13に伝送される。差信号である58GHz帯信号は帯域通過フィルタ12を通過できずに反射され、NRDガイド用サーキュレータ9、10により無反射終端14に導かれ、そこで吸収される。
【0025】
送信アンテナ13より送信された60GHz帯電波は、NRDガイド受信機15の受信アンテナ16で受信され、NRDガイド方向性結合器17を介してバランスミキサ18へと入力する。また、ガンダイオード発振器19からの59GHz帯発振信号がバランスミキサ18に加えられることによりダウンコンバートを行い、元のIF信号に変換して出力する。このIF信号はデバイダ20によりBSテレビ信号とCSテレビ信号に分配され、CSチューナ21とBSチューナ22に入力される。BSテレビ信号はBSチューナ22を通った後、ハイビジョンと一般のBSテレビ信号にデバイダ23により分配され、それぞれテレビジョン受像機24、25、26に入力され、映像が再現される。ここでCSチューナ及びBSチューナの入力信号周波数帯は、送信側で用いたブロックコンバータの周波数配列に一致して設定されているので、信号の再生を確実に行うためにはNRDガイド送信機とNRDガイド受信機のIF信号の周波数差が±1MHz以下でなければならない。なお、図1の実施例にVHF/UHF帯の地上波テレビ放送信号を加え、同時にアップコンバートして伝送することも可能である。この場合、地上波テレビ放送信号のIF信号はBSテレビ信号、CSテレビ信号より高い周波数側である2GHz帯に再配列するのがよい。
【0026】
上記NRDガイド送信機6の具体的構造は、図2(a)に示す平面図及び図2(b)に示す立体図のように構成され、図1と同一部分には同一符号を付して示す。ガンダイオード28はH形断面形状を有する金属片27の側面に円筒状磁器パッケージの中に封入されてマウントされ、これにλ/4チョークパターンからなるマイクロストリップ線路を介してバイアス電圧を印加してガンダイオード発振器8から60GHz帯発振信号を得る。この発振信号は金属ストリップ共振器29を経てNRDガイド31に導かれる。ここで、NRDガイド31が金属ストリップ共振器29に接する先端部に結合部分で生じる不要モードを抑えるためモードサプレッサ31aを挿入するのが望ましい。金属ストリップ共振器29は金属ストリップの長さを変えて目的の周波数59GHz帯に調整される。この実施例では58.36GHz又は59.15GHzに調整された。
【0027】
前記NRDガイド31の近くに周波数安定化のための高Qを有するセラミック共振器32が側結合するように配置され、セラミック共振器32は上下導体板間隔の方向を共振器長として動作することにより周波数安定化を図る。セラミック共振器32は高Qのセラミックディスク32aを真中にして上下をテフロンディスク32b、32cで挟んで構成され、セラミックディスク32aが上下導体板の中心にくるようにして放射がなくなるようにしてある。セラミックディスク32aは厚さtを薄くすることで共振器長を短くして共振周波数を高くでき、厚さが0.47mmにすると、共振周波数が59GHzになった。このセラミック共振器32はNRDガイド31からの距離gを1.35mmに設定し、定在波比を2とした。
【0028】
NRDガイド31に入力された発振信号は、NRDガイド用サーキュレータ9、10によりアップコンバータ11の方向に導かれ入力する。NRDガイド用サーキュレータ9と10の間、NRDガイド用サーキュレータ10とアップコンバータ11の間にそれぞれNRDガイド33、34が挿入され、各間を接続する。発振信号出力を13mWとするとき、アップコンバータ11に11dBmが入力される。
【0029】
アップコンバータ11には端子30から前記BSテレビ信号、CSテレビ信号を1.035〜1.895GHzに再配列されたIF信号が入力されており、ここで周波数変換される。IF信号に2GHz帯に再配列された地上波テレビ放送信号が加えられてもよい。周波数変換された和信号と差信号は、NRDガイド用サーキュレータ10及びNRDガイド35を通して帯域通過フィルタ12に向かう。帯域通過フィルタ12は、中心周波数60.625GHz、帯域幅2GHz、0.5dBリップルの3段チェビシェフフィルタで構成され、和信号のみを通過させ、送信アンテナ13に伝送する。アップコンバータ11の和信号及び差信号の出力を0dBmとするとき、帯域通過フィルタ12の出力における和信号出力は0dBmである。帯域通過フィルタ12を通過できなかった差信号は反射され、NRDガイド用サーキュレータ9、10によりNRDガイド36を介して無反射終端14に導かれ、吸収される。
【0030】
NRDガイド受信機15の具体的構造は、図3(a)の平面図、図3(b)の立体図に示すように構成され、図1と同じ部分には同一符号を付して示す。受信アンテナ16で受信された60GHz帯電波はNRDガイド41、45が湾曲して構成される3dBのNRDガイド方向性結合器17を通して2つに分けられる。湾曲の曲率半径と角度はNRDガイド41がr=10mm、θ=110度、NRDガイド45がr=43mmである。NRDガイド45は直線で構成することも可能である。60GHz帯電波がNRDガイド方向性結合器17により2つに分けられた後、バランスミキサ18a、18bに導入される。バランスミキサ18a、18bは2つのショットキーバリアダイオード18c、18dで検波する構造であり、検波感度を高めている。ショットキーバリアダイオード18c、18dのマウントの前面にテフロンチップ18e、18fを取り付け、ショットキーバリアダイオード18c、18dが壊れないよう保護している。またショットキーバリアダイオード18c、18dのマウントの裏面には高誘電率薄膜を取り付け、抵抗が小さいショットキーバリアダイオード18c、18dと、インピーダンスの高いNRDガイド41、45との整合を取っている。高誘電率薄膜の厚さはλ/4である。さらに高誘電率薄膜の後にテフロンチップ18g、18hを取り付けNRDガイドとの整合をより高めている。
【0031】
ガンダイオード発振器19からの59GHz発振信号がNRDガイド45によりNRDガイド方向性結合器17を通してバランスミキサ18に加えられ、そこでダウンコンバートされて、元のIF信号を端子42に得る。
【0032】
このNRDガイド受信機15においても、ガンダイオード発振器19は、NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8と同様に、金属片43にガンダイオードがマウントされ、ガンダイオード発振器19からの発振信号は金属ストリップ共振器44を経てNRDガイド45に導かれる。NRDガイドの先端部には金属ストリップ共振器44との結合部分で生じる不要モードを抑えるためモードサプレッサ46を挿入するのがよい。前記NRDガイド45の近くにNRDガイド送信機6におけるセラミック共振器32と同様に、周波数安定化のためのセラミック共振器47が側結合するように配置され、セラミック共振器47は上下導体板間隔の方向を共振器長として動作することにより周波数安定化を図る。セラミック共振器47は高Qのセラミックディスクを真中にして上下をテフロンディスクで挟んで構成され、セラミックディスクが上下導体板の真中にくるようにして放射がなくなるようにしてある。セラミックディスクは厚さtを0.47mmにして、共振周波数を59GHzにした。このセラミック共振器47はNRDガイド45からの距離を1.35mmに設定し、定在波比を2とした。
【0033】
NRDガイド送信機6に備えられるセラミック共振器32およびNRDガイド受信機15に備えられるセラミック共振器47は、セラミックディスクの代替としてアルミナ等を使用することができ、またテフロンディスクの代替としてポリエチレン、ポリスチレン、ボロンナイトライド等を使用することができる。形状は円形以外に楕円形、三角形、方形にすることが可能であるが、円形が最も製作しやすい。更に、セラミック共振器はセラミックディスクが上下導体板の真中になるように上側又は下側の一方をテフロンディスクで支持する構造とし、他方を空間とする構成でもよい。この場合、セラミックディスクは誘電率が無限大に近いほうがよい。
【0034】
上記NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8およびNRDガイド受信機15のガンダイオード発振器19は、以上に説明したように同様の構造であって、NRDガイドの近くに周波数安定化のためセラミック共振器が備えられる。ここでは、上記NRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8について説明するが、NRDガイド受信機15のガンダイオード発振器19にも適用されるものである。図4はNRDガイド送信機6のガンダイオード発振器8、NRDガイド31及びセラミック共振器32付近の立体図を示し、図5は図4のA−A’線断面図を示す。ガンダイオード発振器8は、発振周波数を数KHzの精度で可変、制御が可能な自己注入同期NRDガン発振器で構成される。
【0035】
セラミック共振器32は、前記説明の通り高Qを有する比較的硬い誘電体であるセラミックディスク32aを真中にして上下をセラミックよりは誘電率が低く柔らかい誘電体であるテフロンディスク32b、32cで挟むようにして、セラミックディスク32aが上下導体板の中心に位置するよう構成される。セラミック共振器32は円形に形成され、その周囲をリング状の誘電率が低い誘電体よりなるテフロンチューブ32dで被覆される。テフロンチューブ32dはセラミック共振器32の形くずれを防止すると同時に、NRDガイド送信機、NRDガイド受信機内部に結露等による湿度の影響を防止する。セラミック共振器32の共振周波数は、その厚さtを含め上下導体板間隔の方向を共振器長とする上下導体板の間隔で決定され、この間隔が電気的に半波長の整数倍になる周波数で共振する。このセラミック共振器32はTE20δで共振するので、セラミックディスク32aを薄くして共振周波数を高くすることができる。セラミック共振器32の全体の高さを上下導体板の間隔2.25mmに調整しながら、セラミックディスク32aを薄く、テフロンディスク32b、32cを厚くして共振周波数を調整する。セラミックディスク32aの厚さを0.47mmにして59GHz帯の共振周波数を得る。
【0036】
セラミック共振器32は、NRDガイド31とセラミック共振器32間隔gをその定在波比が2になる位置に決める。このときg=1.35mmであった。また、NRDガイド31のモードサプレサ端面からセラミック共振器32の中心までの距離zをセラミック共振器32がロッキングする位置に設定した。ロッキング位置は、図6に示すように6.0mmと6.5mmであった。ロッキング時、スペクトラムアナライザの周波数軸(SPAN)を50kHzにしても発振周波数の変動は観測されず、波形もきれいであった。
【0037】
セラミック共振器32の近傍に上導体板37、下導体板38を貫通するネジ39を設ける。ネジは、共振電磁界が無視できるほどに小さくなる位置に設ける。セラミック共振器の半径方向の電磁界分布は、半径方向の座標をr[m]、電磁界理論より解析される横方向減衰定数をp[Np/m]として、e-prの変化で減衰するから、一般的にはセラミック共振器の半径方向の電磁界の減衰量が、8.686pr≧30dBとなる距離rに設定する。この実施例ではNRDガイド31から垂直方向でセラミック共振器32を通る線上にネジ39が配置される。下導体板38の外側にナットを設けて締め付けを強くするのが望ましい。ネジ39をドライバー等で回転させると、セラミック共振器32の近傍の上導体板37と下導体板38の間隔が変化し、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。即ち上下導体板間隔を変化させると、セラミック共振器32の共振器長が変化するが、セラミックディスク32aの厚みに対する周波数変化は、比誘電率が高いため大きく変化する。一方テフロンディスク32b、32cは、比誘電率が低く、かつセラミックディスク32a内部では共振電磁界が指数関数的に減衰しているので、その厚さが変化しても、その共振器周波数変化は小さい。更にセラミックディスク32aは比較的硬く、テフロンディスク32b、32cは比較的柔らかいため、テフロンディスク32b、32cの方が大きく厚みを変化し、セラミックディスク32aの方はほとんど変化しない。したがって、モニターを見ながらネジを回転させて発振周波数を数KHzの精度で所望の周波数に合わせ込むことができる。調整後はネジの回転止めをして不要に周波数が変化しないようにする。この結果、NRDガイド送信機6とNRDガイド受信機15のIF周波数差を数KHzにすることができ、信号を確実に再生することができる。
【0038】
ネジの形状は種々変形が可能で、要するに上下導体板間隔を調整できる構造であればよく、レバー、歯車その他種々の構造を使用することができる。上下導体板間隔の調整機構はセラミック共振器32の片側だけでなく、両側に設けてセラミック共振器の厚さを均等に変化させる構造が望ましい。
【0039】
上記実施例は、アップコンバータについて説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、レーダ装置やコンピュータ間通信用デジタルトランシーバの外にPOS端末通信システム、対列車ミリ波通信、ミリ波IDシステム、交通情報ビーコン、ワイヤレスカメラ(FPU)等を構成するNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミリ波発振器を組み立て後、セラミック共振器の共振器長を変化させることができ、テフロンディスクの厚さを変化させることにより周波数を高精度に微調整することができる。また、本発明によれば、導体板間隔が半波長の整数倍になる周波数で共振するので、その発振周波数を調整することができる。さらに本発明によれば、モニターを見ながらドライバーでネジを回して発振周波数を調整することができ、発振周波数を微細に正確に所望の周波数に合わせることができる。ネジはセラミック共振器の近傍に設置され、セラミック共振器の近傍の上下導体板間隔を変化させ、したがってミリ波発振器の発振周波数を有効に調整することができる。また、本発明によれば、導体板の間隔を変化させたときも大部分は低誘電率の誘電体の厚さが変化し、セラミックの厚さは僅かである。このためセラミック共振器の共振周波数の変化は小さく、発振周波数を数KHzの精度で制御することができる。また本発明によれば、NRDガイド送信機とNRDガイド受信機のNRDガイドミリ波帯発振器のIF信号の周波数差を±1MHzほどにすることができ、信号を確実に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明をNRDガイドマルチチャネルTV信号伝送システムに応用した場合の送受信機のブロック図である。
【図2】 NRDガイド送信機の構成図である。
【図3】 NRDガイド受信機の構成図である。
【図4】 NRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の一部斜視図である。
【図5】 図4のA−A’断面図である。
【図6】 セラミック共振器の位置zを変化させたときの周波数と出力の特性図である。
【図7】 NRDガイドを説明する構成図である。
【図8】 NRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構成説明図である。
【図9】 従来のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構造図である。
【図10】 他の従来のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置の構成説明図である。
【図11】 セラミックディスクの厚さと周波数の関係図である。
【符号の説明】
31、33、34、35、36 NRDガイド
32 セラミック共振器
32a セラミックディスク
32b、32c テフロンディスク
32d テフロンチューブ
37、38 導体板
39 ネジ
Claims (5)
- ミリ波発振器と、該ミリ波発振器からの発振信号が供給される、平行配置された導体板間に誘電体ストリップを挿入してなるNRDガイドと、該NRDガイドに側結合するよう設置したセラミック共振器とで構成されるNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置であって、
前記セラミック共振器の周囲はリング状の誘電体で被覆され、
前記セラミック共振器の近傍にセラミック共振器の共振器長を変化させる機構を備え、
前記セラミック共振器は、比較的硬く高誘電率を有する誘電体を真中にして上下を、前記高誘電体を有する誘電体に対して比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体で挟みつける構造であり、
前記セラミック共振器の共振器長を変化させる機構は、前記導体板を貫通するネジの回転によって前記導体板の間隔を変化させる機構よりなり、
前記導体板の間隔が変化するとき、前記比較的柔らかく低誘電率を有する誘電体の厚みが変化することを特徴とするNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置。 - 前記請求項1記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置を、CSテレビ信号とBSテレビ信号をアップコンバートするNRDガイド送信機とNRDガイド受信機にそれぞれ備えることを特徴とするNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置。
- 前記ネジは、セラミック共振器の半径方向の電磁界減衰量が8.68pr≧30db(但し、pは横方向減衰定数で単位がNp/m、rは半径方向の座標で単位はm)となるように距離rを設定することを特徴とする請求項1に記載のNRDガイドミリ波帯発振器の周波数調整装置。
- 請求項1または3の周波数調整装置を具備したことを特徴とするNRDガイド送信機。
- 請求項1または3の周波数調整装置を具備したことを特徴とするNRDガイド受信機。
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