JPH0810805B2 - 偏波制御アンテナ装置 - Google Patents

偏波制御アンテナ装置

Info

Publication number
JPH0810805B2
JPH0810805B2 JP29946191A JP29946191A JPH0810805B2 JP H0810805 B2 JPH0810805 B2 JP H0810805B2 JP 29946191 A JP29946191 A JP 29946191A JP 29946191 A JP29946191 A JP 29946191A JP H0810805 B2 JPH0810805 B2 JP H0810805B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
antenna
polarization
phase
signals
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29946191A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05136619A (ja
Inventor
洋一 金子
博文 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yagi Antenna Co Ltd
Original Assignee
Yagi Antenna Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yagi Antenna Co Ltd filed Critical Yagi Antenna Co Ltd
Priority to JP29946191A priority Critical patent/JPH0810805B2/ja
Publication of JPH05136619A publication Critical patent/JPH05136619A/ja
Publication of JPH0810805B2 publication Critical patent/JPH0810805B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信衛星(CS)や放
送衛星(BS)からの直線交差偏波信号や円偏波信号を
選択的に受信する際に使用される偏波制御アンテナ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、通信衛星(CS)においては、
直線の交差偏波が利用され、偏波分波器を使用するか、
あるいは磁性体の特性を利用した偏波面可変回路を使用
して目的とするチャンネルの偏波信号を選択受信してい
る。一方、放送衛星(BS)においては、円偏波信号が
利用され、上記通信衛星とは独立して受信使用されてい
る。
【0003】また、通常、通信衛星受信用のアンテナと
しては、口径60cm以上のものが使用されるが、放送衛
星受信用のアンテナとしては、口径60cm以下のものが
使用される。
【0004】上記口径の大きい通信衛星受信用のアンテ
ナは、アンテナ据付け時に、受信偏波に対応した精密な
角度調整に手間が掛かると共に、偏波チャンネルに応じ
て複数の信号線路の配線が必要になる。
【0005】しかしながら、口径の大きな通信衛星(C
S)受信用のアンテナは、放送衛星(BS)による標準
のTV信号を受信すると、使用偏波の違いに因る3dBの
利得低下が許容されることがあり、放送衛星(BS)受
信用のアンテナとしても流用することが可能である。
【0006】一方、高精細な画像を伝送するハイビジョ
ン衛星放送では、上記標準のTV信号を受信する場合よ
り、約2倍の口径を有する放送衛星受信用アンテナを用
いることが望ましいとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、口径60cm程
度のアンテナでも、通信衛星信号と放送衛星ハイビジョ
ン信号とを、何れも損失なく選択的に受信できるように
することが望まれる。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
通信衛星信号と放送衛星信号とを、それぞれ専用のアン
テナを必要とすることなく、良好に且つ選択的に受信す
ることが可能になる偏波制御アンテナ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明に係わる偏波制御アンテナ装置は、電波直交成分のベ
クトル的合成により、任意の偏波が形成できる原理を用
いたもので、複数の交差偏波信号を直交成分に対応させ
たアンテナにより受信すると共に、該アンテナ角度を各
直線偏波の到来角度に合わせて受信増幅し、そのそれぞ
れに90°の位相差を加算して1つの信号端子にベクト
ル的合成を図った出力を得るようにする。この場合、上
記各直線偏波それぞれに対する受信増幅機能のON,O
FF組合せにより、2つの直線偏波または円偏波が選択
的に受信される。
【0010】上記受信直線偏波のそれぞれに対する位相
付加手段としては、周波数変換器に供給する局発信号に
位相差をつけることで行なうもので、受信周波数帯域に
より周波数特性に変化なく、広帯域特性が得られるよう
にする。ここで、本発明に係わる偏波制御アンテナ装置
を、そのアンテナの可逆性に基づき、送信動作に置換え
て説明する。
【0011】直交したアンテナ素子を同相で励振し、そ
の両者の振幅を変化させると、合成された偏波の向きは
90°の範囲で変化し、また、逆相で励振した場合に
は、他の象元の90°の範囲で変化するので、その両者
の組合せにより180°、すなわち、あらゆる方向への
直線偏波が得られることになる。つまり、上記交差偏波
信号の直交成分受信の際にも、その受信信号に対する振
幅位相制御の条件に応じて、全方向の直線偏波信号が選
択的に受信される。
【0012】一方、直交したアンテナ素子それぞれの振
幅を等しくし、その位相差を±90°に設定すること
で、位相符号に応じて右旋または左旋偏波が合成され、
円偏波信号の受信が行なえる。
【0013】したがって、一方の直線偏波と円偏波の受
信条件が成立すると、そのそれぞれの直交偏波成分であ
る他方の直線偏波と他の旋回方向に対応する円偏波に対
する感度は零になり、目的とする偏波信号が選択される
ことになる。
【0014】なお、上記直交したアンテナ素子がパラボ
ラ反射鏡との組合せによりオフセットされた焦点位置に
配置され、アンテナ素子に対し交差偏波識別度の低下し
た電波が受信された場合には、目的とする偏波合成出力
中の干渉波レベルを検出し、振幅及び位相調整により、
該干渉波信号の打消し処理を行なうことで、交差偏波多
重信号の選択度が改善される。したがって、このアンテ
ナ装置により、全偏波方向の衛星電波は選択的に受信さ
れることになる。
【0015】
【実施例】以下図面により本発明の一実施例について説
明する。
【0016】図1は偏波制御アンテナ装置の外観構成を
示すもので、同図において、2はこの偏波制御アンテナ
装置1の主反射鏡、3は主反射鏡2のアーム6先端に取
付けられた受信コンバータであり、主反射鏡2は支柱5
に取付けられたビーム方向設定器4によりそのビーム方
向が遠隔可変制御される。
【0017】上記受信コンバータ3は、受信電波に対す
る信号処理により、所望の偏波を選択して中間周波数と
して受信機(図示せず)に供給する機能を有するもの
で、この受信コンバータ3には、その1次放射器の開口
部を保護するためのレドーム7が取付けられる。
【0018】図2は上記偏波制御アンテナ装置の受信コ
ンバータ3における1次放射器11の構造を示すもの
で、この1次放射器11の開口縁部には、浅い溝12が
設けられる。
【0019】この浅い溝12は、ホーン13における電
流が外側に流出するのを抑制し、所望のビームを形成す
るためのもので、このホーン13の外側を囲むようにし
て前記気密用のレドーム7が取付けられる。
【0020】上記ホーン13の底面導体19には、クロ
ス型のスロット15が形成されるもので、このクロス型
スロット15により、受信電波は直交信号に分解されて
取込まれる。
【0021】また、上記クロス型スロット15の周囲に
は、ホーン13の内側面との間に、該スロット15と4
5°の角度を有し且つホーン開口方向へのテーパを有す
る4つのリッジ導体14が延長形成されるもので、この
リッジ導体14を設けることにより、ホーン13の内側
面が導波管として作用する際の該導波管からスロット1
5への急激な伝送路変化に伴うインピーダンス変化が連
続的に変化され、そのインピーダンス整合の広帯域化が
図られる。なお、16は受信コンバータ3の同軸接栓で
ある。
【0022】図3は上記偏波制御アンテナ装置の1次放
射器11におけるホーン13の一部側断面構成を示すも
ので、クロス型スロット15の背面側には、基板21が
密着配置されると共に、この基板21の裏面導体20に
は、上記クロス型スロット15と同一形状をなすスロッ
ト20aが設けられ、基板21の表面に構成したマイク
ロストリップアンテナ21と電磁結合される。これによ
り、クロス型スロット15を通り直交信号に分解された
受信信号は、マイクロストリップ線路23に伝送され
る。
【0023】上記クロス型スロット15のスロット長
は、2分の1波長より長く設定することで、該スロット
15の遮断周波数は動作周波数より下げられ、また、ホ
ーン13の底面導体19と基板21の裏面導体20の厚
みに応じたスロット15の深さは、該スロット15を通
過する管内波長の4分の1に設定し、そのスロット幅を
適当に設定することで、電波入力面での高インピーダン
スを低インピーダンスに変換するインピーダンス整合機
能が与えられる。
【0024】なお、ホーン13における底面導体19を
薄く形成し、クロス型スロット15を共振モードで動作
させると共に、受信コンバータ3の軽量化を図り、イン
ピーダンス整合機能を別の回路素子に持たせることもで
きる。この場合でも、上記クロス型スロット15からな
る共振器とマイクロストリップアンテナ22からなる共
振器とを適当な結合量で結合させ、比較的広帯域の複同
調型モード変換器を得ることができる。
【0025】つまり、基板21からなる誘電体の厚みを
薄くすることで、マイクロストリップアンテナ22から
の不要放射は、クロス型スロット15との電磁結合によ
りホーン13側へ放射される電力に比べ十分小さくする
ことができ、該マクロストリップアンテナ22は、実質
的には放射器でなく、クロス型スロット15との結合器
として作用することになる。
【0026】さらに、上記マイクロストリップアンテナ
22からの不要放射防止手段として、該マイクロストリ
ップアンテナ22の背面に対して基板21の接地導体と
同電位になる遮蔽板を配置することで、結合部のみトリ
プレート構造にすることもできる。
【0027】図4は上記偏波制御アンテナ装置における
受信コンバータ3の回路構成を示すもので、基板21上
のマイクロストリップアンテナ(MSA)22からは、
その裏面におけるクロス型スロット15との電磁結合に
より受信された直交成分の受信信号が、円周上90°の
角度の結合点からそれぞれ線路幅を変化させたインピー
ダンス整合回路42,43により取出され、低雑音増幅
器(LNA)44,45により増幅された後、周波数変
換器(MIX)46,47に加えられ、共通の局部発振
器(OSC)48からの局発信号に応じて中間周波数に
変換される。
【0028】この周波数変換器46,47により中間周
波数に変換された各受信信号は、それぞれ対応する中間
周波信号増幅器(IFA)49,50を通して、一端に
無反射終端52を備えたハイブリッド合成回路(HY
B)51により90°位相差をつけた状態で合成され、
分離回路53を介し目的とする受信信号として取出され
る。
【0029】ここで、上記局部発振器48には、それぞ
れ周波数の異なる通信衛星(CS)電波と放送衛星(B
S)電波との受信動作を切換える際に、周波数変換器4
6,47における中間周波数を適当な周波数に設定する
のに、そのそれぞれにおける局発信号を10.687GHz と1
1.24GHzとに切替える機能が与えられる。
【0030】また、上記分離回路53は、図示しない受
信機側から与えられるこの受信コン、バータ3のための
直流電源信号と偏波制御信号との分離を行なうもので、
上記中間周波信号増幅器49,50に対する直流電源信
号のON/OFF切換えにより、受信信号の偏波制御が
行なわれる。ここで、上記中間周波信号増幅器(IFA
1,IFA2)49,50に対する電源のON/OFF
状態と、これに対応する受信偏波との関係を下記に示
す。 IFA1→ ON ON OFF IFA2→ ON OFF ON 選択偏波→ 円偏波 直線偏波1 直線偏波2
【0031】すなわち、上記受信コンバータ3における
信号伝送路を適当に設計することで、例えば上記各周波
数変換器46,47を介して中間周波数に変換されたそ
れぞれの受信信号の位相関係を固定した場合に、両受信
信号の振幅を変化させると、所定の回転方向の円偏波信
号と直交した2つの直線偏波信号との3種の偏波信号の
中から1つの偏波信号を選択することができる。
【0032】一方、上記図4に示した受信コンバータ3
の配線設計において、局部発振器48から周波数変換器
46,47への局発信号の給電線長を変えて90度の位
相差を付加させると、マイクロストリップアンテナ22
から合成信号に至る信号線の長さを同一に揃えることが
できる。この場合、全受信周波数帯に渡り、交差偏波合
成のための位相が正確に保たれるようになる。
【0033】また、上記受信コンバータ3におけるハイ
ブリッド合成回路51を、低雑音増幅器44,45の後
段か、あるいは中間周波増幅器49,50の段間に挿入
すると、温度変化,経時変化等による信号合成時振幅の
相対変化量が減少されるようになる。
【0034】さらに、上記低雑音増幅器44,45にお
いて振幅制御を行なったり、可変の位相補正回路や振幅
調整機構を付加することにより、交差偏波識別度向上の
ための初期調整を容易にすることができる。
【0035】また、上記図4に示した受信コンバータ3
では、直線偏波はマイクロストリップアンテナ22から
の信号取出し角に依存するため、水平方向に対し45度
傾くことになるが、この直線偏波の傾斜角度は、マイク
ロストリップアンテナ22においてそれぞれ90度回転
した位置から取出して低雑音増幅器44,45までの線
路長を等しくするか、あるいはその位相偏差を中間周波
数変換後の、例えばハイブリッド合成回路51のところ
で補正するかによって、目的の傾き角を得ることができ
る。
【0036】なお、上記受信コンバータ3は、何れの設
計においても、主反射鏡2に対向させた取付けの際に、
そのマイクロストリップアンテナ(MSA)22の励振
角を目的とする衛星電波の偏波角に合わす必要がある。
【0037】図5は上記偏波制御アンテナ装置における
受信コンバータ3の他の回路構成を示すもので、この受
信コンバータ3におけるマクロストリップアンテナ22
から中間周波信号増幅器49,50までの回路構成は、
上記図4における受信コンバータ3の構成と同様である
ものの、ハイブリッド合成回路51は備えず、2系統の
中間周波信号は、中間周波信号出力端子55,56から
そのまま受信機側信号処理回路に出力される。この場
合、分離回路54ではDCのみ取出され、偏波信号の選
択制御処理は受信機側信号処理回路により行なわれる。
【0038】図6は上記図5における受信コンバータを
用いた場合の受信信号処理回路の構成を示すもので、上
記受信コンバータ3から一方の中間周波信号入力端子6
0を介して受信入力された中間周波信号は、減衰器(A
TT)66を通して振幅制御され、ハイブリッド合成回
路(HYB)68に供給される。また、他方の中間周波
信号入力端子61を介して受信入力された中間周波信号
は、周波数変換器(MIX)62,64を通して位相制
御され、減衰器(ATT)67により振幅制御された
後、上記ハイブリッド合成回路68に供給される。この
場合、上記減衰器(ATT)66,67を構成するデバ
イスとしては、信号位相変化の少ないデュアルゲートF
ETが適用される。
【0039】また、上記2個の周波数変換器62,64
と局部発振器(OSC)65及び位相器(φ)63と
は、それ全体で受信中間周波信号に対する位相器として
動作する。
【0040】すなわち、第1の周波数変換器62はアッ
プコンバータとして動作させ、第2の周波数変換器64
はダウンコンバータとして動作させるもので、局部発振
信号として加えた位相差量に等しい位相量が付加される
ことで、受信信号はもとの中間周波信号に戻される。な
お、上記第1及び第2の周波数変換器62,64は、何
れも所望周波数の信号のみを通過させるバンドパスフィ
ルタを備えている。
【0041】ここで、上記中間周波信号は1GHz帯であ
り、局部発振器65の動作周波数を100MHz程度に設定す
ると、位相器63をディジタル回路として構成すること
ができ、コンピュータを備えた制御回路71との組合わ
せに好適である。
【0042】また、上記局部発振器65の動作周波数
を、1GHz程度に高く設定し、中間周波数を2GHz帯に設定
すると、周波数変換に伴う多くのスプリアス周波数成分
が全て高くなり、フィルタの設計が容易になる利点があ
る。
【0043】また、上記1GHzの局発信号に対し、前記デ
ィジタル回路で構成した位相器63を通した100MHzの信
号を混合して、位相可変の局発信号を生成してもよい。
この場合、狭帯域な帯域濾波器を使用できる利点があ
る。
【0044】そして、上記受信信号処理回路では、受信
信号の相対位相を自由に変化することができ、信号振幅
も任意に変化できるので、任意の偏波、つまり、右旋偏
波,左旋偏波、並びに任意の方向に偏波した直線偏波に
対する偏波選択を行なうことができる。
【0045】一方、ハイブリッド合成回路68におい
て、その2つの中間周波出力端子69,70には、それ
ぞれ直交関係を有する信号が和の信号と差の信号として
合成されるので、直交する妨害波を制御回路71にて検
出することができ、目的とする偏波信号を作成する際
に、希望信号強度に対する信号対雑音比の最適化制御等
に役立てることができる。
【0046】すなわち、前記マイクロストリップアンテ
ナ22により受信された2つの直交偏波に対して、周波
数変換器46,47や中間周波信号増幅器49,50を
介して位相及び振幅を変化すると共に、ハイブリッド合
成回路68によりその和の信号と差の信号とを合成して
目的とする偏波信号を選択受信する手段を有し、さら
に、衛星の隣接または半オーバラップにより干渉の生じ
た所望の信号チャンネルを、周波数帯域を狭くして選択
度を高めた受信機で選択受信して検波検出すると共に、
上記ハイブリッド合成回路68により合成された和信号
と差信号に対する干渉レベルを制御回路71により検出
し、所望の信号チャンネルに含まれる干渉信号レベルが
最小になるよう位相器63や減衰器66,67を制御し
て位相及び振幅調整を施すことにより、その交差編波の
識別度は自動的に改善されるようになる。ここで、上記
の信号受信処理を高感度化する手段として、例えば次の
2つの方法が上げられる。
【0047】第1に、合成回路の一端子に得られる所望
の信号チャンネルの干渉波信号が最小になると、該合成
回路の他端子に得られる干渉波信号が最大になる性質を
利用するもので、合成回路両端子における干渉波信号検
波レベル(信号レベルに対応した直流電圧値になる)を
スイッチングにより高速に切換え、その切換え周波数の
交流振幅が最大になるように設定する方法がある。
【0048】第2に、より高感度化する手段として、周
波数変調された干渉波信号のベースバンドを復調すると
共に、信号処理用の局発信号をそのベースバンド信号で
逆変調して帯域幅を圧縮し、復調処理された干渉波に対
応した狭帯域の受信機で高感度に受信することにより、
信号対雑音比を大幅に改善し、前記信号処理を容易にす
る方法がある。
【0049】なお、上記信号処理をした場合には、同じ
周波数の干渉波でも目的偏波の分離が行なえる。この場
合、信号強度の高い側のチャンネルを基準にして処理が
進行するので、初期設定を適当にして目的偏波を得るこ
とができる。
【0050】すなわち、上記構成のように、広帯域な位
相器と振幅可変回路を使用すると、隣接チャンネルに対
する最適化も同時に満足される。従って、チャンネル選
択モードで最適化した後は、構成回路の両端子に交差偏
波識別度の改善された直交偏波信号が得られるので、そ
のそれぞれの信号を同時に利用することができる。
【0051】また、これらの直交偏波選択最適化プロセ
スは、信号を受信しながら同時に進める専用回路の付加
方式と、受信機の機能を一部利用し、処理モードで詳細
に設定動作させ、この後、制御パラメータを記憶して普
段は高速に動作させる方式がある。
【0052】この方式によれば、例えアンテナ側からの
直交信号の交差偏波識別度が多少悪くても、所望の出力
端子に干渉波信号が相殺されるよう振幅位相を調節でき
るので、目的の信号チャンネルを良好な信号対雑音比で
受信できる。
【0053】また、必要により、上記の処理を記憶さ
せ、定型的な処理の高速化を図ったり、時間的変動を伴
う妨害波に対して上記機能を適応させて制御することも
できる。
【0054】なお、このように最適偏波の制御機能を持
たせた場合は、受信コンバータ3の主反射鏡面2に対す
る取付け角度は任意でよく、自動的に所定の偏波に対応
される。
【0055】すなわち、上記構成の偏波制御アンテナ装
置によれば、第1に、一次放射器11のクロス型スロッ
ト15を通して直交電波を受信し、その直交する2つの
受信信号をそれぞれ独立した周波数変換器46,47や
中間周波信号増幅器49,50を通して周波数変換する
と同時に、同一の局部発振器48からの局発信号により
少なくとも一方の受信信号の位相及び振幅を変化させ、
ハイブリッド合成回路51を通して各信号位相差に基づ
く和と差の合成を図るよう構成したので、直交する2つ
の直線偏波を選択して受信できるようになる。
【0056】第2に、上記ハイブリッド合成回路51
は、直交した2つの直線偏波信号にそれぞれ90度の位
相差を付加して合成する機能を有し、また、各中間周波
信号増幅器49,50における増幅動作のON/OFF
組合わせ制御を行なえる構成としたので、定められた回
転方向の円偏波と直交した2つの直線偏波との3種の偏
波信号を選択して受信できるようになる。
【0057】第3に、クロス型スロット15を通して受
信された直交偏波の2つの直線偏波受信信号に対して、
周波数変換器46,47や中間周波信号増幅器49,5
0を通してそのそれぞれの位相及び振幅を変化させ、ハ
イブリッド合成回路68を通して各信号位相差に基づく
和と差の信号合成を行ない所望偏波の信号チャンネルを
選択すると同時に、他の信号チャンネルとの干渉レベル
を該ハイブリッド合成回路68を通して制御回路71に
より検出し、位相器63及び減衰器66,67を制御し
て上記干渉レベルが最小になるよう更に位相及び振幅調
整を図る構成としたので、所望の偏波信号が選択受信で
きるばかりでなく、その交差偏波の識別度が大幅に改善
されるようになる。
【0058】第4に、マイクロストリップアンテナ22
に与えられた直交偏波の2つの直線偏波信号を、該マイ
クロストリップアンテナ22の円周上90度の角度に結
合させたインピーダンス整合回路42,43により取出
す構成としたので、受信された直交偏波信号を簡単なア
ンテナ構成で分離出力できるようになる。
【0059】第5に、一次放射器11においては、ホー
ン13の底面に設けたクロス型スロット15により受信
された直交偏波信号を、マイクロストリップアンテナ2
2に電磁結合させ、このマイクロストリップアンテナ2
2の円周上90度の角度に結合させたインピーダンス整
合回路42,43により2つの直線偏波信号に分離させ
る構成としたので、例えば導波管とプローブとの組合わ
せ構造に較べ、極めて薄型の一次放射器11を得ること
ができる。
【0060】第6に、一次放射器11におけるホーン1
3底面に設けたクロス型スロット15の周囲には、該ホ
ーン13の内側面との間に、スロット15と45°の角
度を有し且つホーン開口方向へのテーパを有する4つの
リッジ導体14を延長形成して構成したので、ホーン1
3の内側面が導波管として作用する際の該導波管からス
ロット15への急激な伝送路変化に伴うインピーダンス
変化が連続的に変化され、そのインピーダンス整合の広
帯域化が図れるようになる。
【0061】第7に、一次放射器11におけるホーン1
3の底面導体19と基板21の裏面導体20の厚みに応
じて設けたスロット15の深さを、該スロット15を通
過する管内波長の4分の1に設定し、電波入力面での高
インピーダンスを低インピーダンスに変換して、その背
面に位置させたマイクロストリップアンテナ22に結合
させる構成としたので、必然的にインピーダンス整合機
能が与えられ、帯域整合特性を改善することができる。
【0062】したがって、アンテナ側からの直交した信
号から所望の偏波を良好に選択できるようになり、ビー
ム方向設定器と共動させることで、多数の異なる偏波を
選択受信することができる。これにより、1つのアンテ
ナでBS信号とCS信号とを最適な信号対雑音比で受信
することができるようになる。また、アンテナ本体の据
付け調整も容易になる利点が有る。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、直交偏波
を受信するアンテナと、このアンテナにより受信された
直交偏波信号の2つの直線偏波信号を分離する直交偏波
分離手段と、この直交偏波分離手段により分離された2
つの直線偏波信号をそれぞれ独立して中間周波数に変換
する周波数変換手段と、この周波数変換手段により得ら
れた2つの中間周波信号をそれぞれ独立して増幅する中
間周波増幅手段と、上記周波数変換手段における変換動
作の基準信号となる局部発振信号を生成する局発信号出
力手段と、上記周波数変換手段及び中間周波増幅手段及
び局発信号出力手段により上記2つの直線偏波信号の内
の少なくとも一方の信号の位相及び振幅を変化させる位
相振幅調整手段と、この位相振幅調整手段により少なく
とも一方の位相及び振幅が変化された2つの直線偏波信
号をその位相差に応じて合成する信号合成手段とを備
え、直交偏波の2つの直線偏波成分を選択して受信する
構成としたので、複数の衛星信号を、それぞれ専用のア
ンテナを必要とすることなく、良好に且つ選択的に受信
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる偏波制御アンテナ装
置の外観構成を示す図。
【図2】上記偏波制御アンテナ装置の受信コンバータに
おける1次放射器の構造を示す図。
【図3】上記偏波制御アンテナ装置の1次放射器におけ
るホーンの一部側断面構成を示す図。
【図4】上記偏波制御アンテナ装置における受信コンバ
ータの回路構成を示すブロック図。
【図5】上記偏波制御アンテナ装置における受信コンバ
ータの他の回路構成を示すブロック図。
【図6】上記偏波制御アンテナ装置の図5における受信
コンバータを用いた場合の受信信号処理回路の構成を示
すブロック図。
【符号の説明】
1…偏波制御アンテナ装置、2…主反射鏡、3…受信コ
ンバータ、4…ビーム方向設定器、5…支柱、6…アー
ム、7…レドーム、11…一次放射器、12…溝、13
…ホーン、14…リッジ導体、15…クロス型スロッ
ト、16…同軸接栓、19…底面導体、20…裏面導
体、20a…スロット、21…基板、22…マイクロス
トリップアンテナ(MSA)、23…マイクロストリッ
プ線路、42,43…インピーダンス整合回路、44,
45…低雑音増幅器(LNA)、46,47,62,6
4…周波数変換器(MIX)、48,65…局部発振器
(OSC)、49,50…中間周波信号増幅器(IF
A)、51,68…ハイブリッド合成回路、52…無反
射終端、53,54…分離回路、55,56…中間周波
信号出力端子、60,61…中間周波信号入力端子、6
3…位相器(φ)、66,67…減衰器、69,70…
中間周波出力端子、71…制御回路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交偏波を受信するアンテナと、 このアンテナにより受信された直交偏波信号の2つの直
    線偏波信号を分離する直交偏波分離手段と、 この直交偏波分離手段により分離された2つの直線偏波
    信号をそれぞれ独立して中間周波数に変換する周波数変
    換手段と、 この周波数変換手段により得られた2つの中間周波信号
    をそれぞれ独立して増幅する中間周波増幅手段と、 上記周波数変換手段における変換動作の基準信号となる
    局部発振信号を生成する局発信号出力手段と、 上記周波数変換手段及び中間周波増幅手段及び局発信号
    出力手段により上記2つの直線偏波信号の内の少なくと
    も一方の信号の位相及び振幅を変化させる位相振幅調整
    手段と、 この位相振幅調整手段により少なくとも一方の位相及び
    振幅が変化された2つの直線偏波信号をその位相差に応
    じて合成する信号合成手段とを具備し、 直交偏波の2つの直線偏波成分を選択して受信すること
    を特徴とする偏波制御アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 上記信号合成手段は、2つの直線偏波信
    号にそれぞれ90度の位相差を付加して合成すると共
    に、上記中間周波増幅手段における2つの直線偏波信号
    に対する独立した信号増幅動作は、予め設定された増幅
    有無の組合わせに基づき制御され、円偏波または直交す
    る2つの直線偏波の内の1つを選択して受信することを
    特徴とする請求項1記載の偏波制御アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 直交偏波を受信するアンテナと、 このアンテナにより受信された直交偏波信号の2つの直
    線偏波信号を分離する直交偏波分離手段と、 この直交偏波分離手段により分離された2つの直線偏波
    信号をそれぞれ独立して中間周波数に変換する周波数変
    換手段と、 この周波数変換手段により得られた2つの中間周波信号
    をそれぞれ独立して増幅する中間周波増幅手段と、 上記周波数変換手段における変換動作の基準信号となる
    局部発振信号を生成する局発信号出力手段と、 上記周波数変換手段及び中間周波増幅手段及び局発信号
    出力手段により上記2つの直線偏波信号の内の少なくと
    も一方の信号の位相及び振幅を変化させる位相振幅調整
    手段と、 この位相振幅調整手段により少なくとも一方の位相及び
    振幅が変化された2つの直線偏波信号をその位相差に応
    じて合成する信号合成手段と、 この信号合成手段により合成された信号の干渉レベルを
    検出する干渉信号検出手段と、 この干渉信号検出手段により検出される干渉レベルに応
    じて上記位相振幅調整手段を制御する制御手段とを具備
    し、 直交偏波の2つの直線偏波成分を選択識別して受信する
    ことを特徴とする偏波制御アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 上記アンテナは、パラボラアンテナの一
    次放射器におけるホーン部底面に設けたクロス型スロッ
    トと、このクロス型スロットに電磁結合されたマイクロ
    ストリップアンテナからなり、上記直交偏波分離手段
    は、該マイクロストリップアンテナの直交位置に結合さ
    れた2つの出力端子からなることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3何れか1項記載の偏波制御アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 上記アンテナは、パラボラアンテナの一
    次放射器におけるホーン部底面に設けた深さ4分の1波
    長のクロス型スロットと、このクロス型スロットに電磁
    結合されたマイクロストリップアンテナからなり、上記
    直交偏波分離手段は、該マイクロストリップアンテナの
    直交位置に結合された2つの出力端子からなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の偏波制
    御アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 上記アンテナは、上記一次放射器におけ
    るホーン部底面のクロス型スロットとホーン部側面との
    間に該ホーン部空間を分割する複数本のリッジ導体を有
    し、ホーン部開口からクロス型スロットに至りインピー
    ダンス整合を図ることを特徴とする請求項4または請求
    項5記載の偏波制御アンテナ装置。
JP29946191A 1991-11-15 1991-11-15 偏波制御アンテナ装置 Expired - Fee Related JPH0810805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29946191A JPH0810805B2 (ja) 1991-11-15 1991-11-15 偏波制御アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29946191A JPH0810805B2 (ja) 1991-11-15 1991-11-15 偏波制御アンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05136619A JPH05136619A (ja) 1993-06-01
JPH0810805B2 true JPH0810805B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=17872874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29946191A Expired - Fee Related JPH0810805B2 (ja) 1991-11-15 1991-11-15 偏波制御アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0810805B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510425A (ja) * 2004-08-18 2008-04-03 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 導波管ノッチアンテナ

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6946990B2 (en) * 2003-07-23 2005-09-20 The Boeing Company Apparatus and methods for radome depolarization compensation
CN115061358B (zh) * 2022-06-20 2023-01-31 北京国卫星通科技有限公司 抗欺骗抗干扰报警北斗授时装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510425A (ja) * 2004-08-18 2008-04-03 テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) 導波管ノッチアンテナ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05136619A (ja) 1993-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6933907B2 (en) Variable directivity antenna and variable directivity antenna system using such antennas
EP0149533B2 (en) Apparatus for receiving super high frequency signals
KR100883361B1 (ko) 이동체 탑재형 삼중대역 안테나 시스템
US4814777A (en) Dual-polarization, omni-directional antenna system
US7142162B2 (en) Antenna structure and television receiver
US5568158A (en) Electronic variable polarization antenna feed apparatus
JP2001060823A (ja) 複共振型誘電体アンテナ及び車載無線装置
JP3489985B2 (ja) アンテナ装置
US6426729B2 (en) Conductive transmission line waveguide converter, microwave reception converter and satellite broadcast reception antenna
US6914558B1 (en) Variable directivity antenna apparatus and receiver system using such antenna apparatus
JPH0810805B2 (ja) 偏波制御アンテナ装置
JPH0884021A (ja) 偏波共用アンテナ
JP2000307327A (ja) 双ループアンテナ
JP3541989B2 (ja) 2入力フィードホーン付きlnb
JP3181326B2 (ja) マイクロストリツプアンテナ、およびアレーアンテナ
US11682842B1 (en) Log periodic array application of minature active differential/quadrature radiating elements
Nagasaka et al. Prototype of 12/21GHz-band dual-circularly polarized receiving antenna for satellite broadcasting
US4947182A (en) Method of feeding electromagnetic power from an antenna element
JP3481801B2 (ja) 平面アンテナおよびこれを用いた携帯無線機
Wang et al. An embedded antenna for mobile DBS
JPH11298358A (ja) 衛星放送受信アンテナ
JP2966225B2 (ja) アレーアンテナ
JPH0232605A (ja) アレイアンテナ
JPH0955620A (ja) 無指向性マイクロウェーブ利得アンテナ
JPH03123124A (ja) 2帯域衛星受信機

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees