JP2004505579A - 多層式非放射誘電体導波路構造を持つ発振器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、発振素子と共振器を、種々のサイズを持つ非放射誘電体導波路を備えた多数スペース構造に組み込むことによって、多様な周波数を発振できるようにする多層型の非放射誘電体導波路構造を具備する発振器に関する。多様な周波数を発振するために多数の異なるパッケージを製造することが必要でなくなるので、経済的な利点が得られる。
Description
【0001】
[技術分野]
この発明は、発振器に関し、より詳細には、様々なサイズの非放射誘電体導波路を持つ多層構造に組み込まれた発振素子(例えば、ガンダイオード(Gunn Dio−de) 等)と共振器とによって、複数の周波数を発振することができる多数スペース式の非放射誘電体導波路構造を持つ発振器及び電圧制御発振器に関する。
【0002】
[背景技術]
今日のマルチメディア時代においては、情報発信のコンテンツは、テキストからグラフイツクに変化しつつあり、更に、グラフイツクから動画へと変化している。また、コンテンツの表現技術も、次第に繊細で高解像度のカラー画像へと向上しつつある。その結果、コンピューター通信システムに過度の負担が掛かるようになっている。この問題を解決する方法の一つとして、伝送路をT1級からT3級にアップグレードさせることが挙げられる。しかしながら、この方法は、すべての問題を解決するものではない。光ケーブルの敷設工事が実現困難な場合がある。また、超高速情報端末機をサポートする必要がある場合もある。このように、我々は、超高速通信用の無線送信機を緊急に開発する必要に迫られている。
【0003】
所定時間内により多くのデータ伝送するには、高い周波数を使用せざるを得ない。しかしながら、使用周波数が高くなると、波長が短くなることによって、伝送損失が増大する等の種々の問題点を引き起こす。マイクロ波の周波数帯域及びマイクロ波以上の周波数帯域で情報を処理する一般的な技術としては、MMIC方式が考えられる。しかしながら、この方式では、50GHzの周波数において生じる伝送損失が1m当たり60dBにもなり、回路構成を難しくする原因になっている。
【0004】
そこで、最近、伝送損失の問題を解決する一つの方法として、非放射誘電体導波路(non−radiative dielectric waveguide)が用いられている。非放射誘電体導波路は、非放射性であるため、マイクロストリップ回路に比べて伝送損失が少ない。また、非放射誘電体導波路を用いると、他のどの導波路を用いる場合と比べても伝送路の構築が容易である。特に、非放射誘電体線路は、マイクロ波、とりわけ30GHz以上の短い波長の電波のための伝送路に適している。
【0005】
図1に示すように、二枚の平行な金属板(1)の間に、周波数に対応する波長に比例するサイズを持つ非放射誘電体導波路(2)が挿入されている。平行な金属板(1)は、使用周波数に応じた波長の少なくとも1/2の間隔で互いに離す必要がある。
使用される非放射誘電体導波路のサイズは、下記の式によって決められる。二枚の平行金属板(1)の間隔が周波数によって決まると、その周波数の電波は低い伝送損で伝送されるが、周波数が変化したときには伝送が不可能になる。
[式1]
【数1】
[式2]
【数2】
上記の式で、εrは誘電定数(dielectric constant,誘電率)、λは波長である。
【0006】
誘電体ブロックのサイズを決めるためには、使用周波数を決定しなければならない。同様に、誘電体ブロックのサイズが決まると、使用周波数をそれ以外に変更することはできない。換言すると、特定の波長の周波数を伝送するためには、誘電体ブロックのサイズと二枚の金属板間の間隔とを決定しなければならない。このように、間隔が定められた金属板間のスペースに挿入されるべき誘電体ブロックも、その他の回路もすべて、単一の一定に固定されたサイズとしなければならない。
【0007】
図2は、従来の非放射誘電体導波路における発振器を一部破断して示す図である。平行な金属板(1)の間にガンダイオード(3)を取り付けたダイオードマウント(4)を装着し、ダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)とを金属ストリップ線路(5)で接続することで、信号が送信される。
しかしながら、上記のように構成される発振器は、上記二枚の金属板(1)間のスペースのサイズが既に決定されているので、非放射誘電体導波路(2)及びその他の構成部品(3〜5)のサイズも固定されてしまうという欠点がある。
例えば、上記式1及び式2において、非放射誘電体導波路は2.04の誘電率と、60GHzの周波数に対応して5mmの波長を持つとする。誘電体ブロックの高さ(a)は2.25mmとなり、幅(b)は2.5mmとなる。従って、二枚の金属板間の間隔は2.25mmに決定される。
【0008】
つまり、二枚の金属板(1)間のスペースのサイズが予め定められるので、これ以外の異なるサイズの構成部品や非放射誘電体導波路をそのスペース内に装着することができない。非放射誘電体導波路のサイズが、周波数に応じた波長によって決定される。二枚の金属板のスペースが定められていると、処理できる周波数は特定の波長を有する単一の周波数のみである。そうなれば、多数の周波数を利用する既存の殆どの高周波回路を製作することができないので、非放射誘電体導波路の有用性が低下することになる。
【0009】
AM/FM受信機、テレビ受像機、携帯電話、無線呼出機、コードレス電話、トランシーバ、及び衛星放送受信機のような高周波回路は、殆どの場合、スーパヘテロダイン方式で製造されている。スーパヘテロダイン方式は信号処理の途中で周波数を変換することによって増幅度を高めているので、かかるスーパヘテロダイン方式を用いることで、非常に高感度な受信機を製作することができる。
【0010】
また、殆どの送信機において、高品位の変調を得るために低周波で変調し、低い周波数を逓倍すると共に変調指数を増やすことによって伝送周波数信号を増幅することが行なわれている。従来の非放射誘電体導波路は二枚の金属板の間隔が一定に固定されているため、このような周波数の変換ができず、用いることができる周波数は予め決められた単一の周波数でしかない。従って、上記に列挙した高周波回路の殆どについては、製作することができない。
【0011】
それだけでなく、高速データ通信の昨今の潮流の中で、使用周波数の高周波化に伴って、非放射誘電体導波路のサイズも一層の小型化が迫られている。例えば、非放射誘電体導波路のサイズは、60GHzの周波数では2.25mm×2.5mmであるが、周波数が120GHzであるとすると、周波数が60GHzである場合の半分、即ち、1.125mm×1.25mmになる。120GHzの場合、導波路をそのサイズで製作することができたとしても、ガンダイオードのような他の部品で構成される半導体は、内部発熱の問題があって小型化できないので装着することは難しい。例えば、半導体の市販品の寸法は殆ど直径3mmのものであるので、これらを1.25mmのスペースに装着することができない。
【0012】
[発明の開示]
本発明の目的は、多層構造の非放射誘電体導波路を用いることによって、一つのパッケージ内に種々のダイオード及びサイズの異なる種々の非放射誘電体導波路を具備する高周波用の発振器及び電圧制御発振器を提供することである。本発明によれば、回路を構成するすべての部品を間隔が予め定められている二枚の金属板間に配置しなければならないとしていることに起因して、発振器の周波数を変更するためには発振器用としてサイズの異なるダイオードが必要であるという、従来の非放射誘電体導波路を用いた発振器の問題点を解決することができる。
【0013】
上記目的に従って、この発明は、間隔サイズが一定に固定された二枚の金属板間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、前記発振素子と非放射誘電体導波路との間に共振器が挿入されている、高周波電波発生用の発振器を提供する。特に、この発明は、
発振させる周波数に応じて前記間隔を複数のサイズに形成し;
前記二枚の金属板間において間隔が他の間隔よりも大きい前記金属板の間に、サイズが大きい低周波数用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着し;
間隔が小さい前記金属板の間に、高周波用のサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着し;
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入した、
高周波発振器を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記高周波発振器からの変調された発振周波数を電圧に変化させる電圧制御発振器を提供するため、間隔サイズが一定に固定された二枚の金属板の間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、前記発振素子と非放射誘電体導波路の間に共振器が挿入された電圧制御発振器であって、
発振させる周波数に応じて高さの異なるスペースを定め;
金属板間のスペースうちで他のスペースよりも比較的大きなスペースを持つ金属板の間に、サイズが大きい低周波用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着し;
小さいスペースを持つ金属板間に、高周波用のサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着し;
前記発振素子マウント及び非放射誘電体導波路上にバラクタダイオードを装着し;
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入することにより、電圧制御発振器を提供する。
【0015】
この発明の上記の目的、特徴、利点等は、添付した図面を参照してなされた以下の詳細な説明によって、一層明らかになる。以下は、本発明の好ましい実施例についての詳細な説明である。
【0016】
[好ましい実施例の詳細な説明]
図3は、本発明に用いられる多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を一部破断して示す図である。図3は、多層の金属板(10、11 )と種々の周波数に応じた非放射誘電体導波路(20、21)とを備えた多層構造に構成された非放射誘電体導波路を示している。
【0017】
図3に示されているように、金属板を他の金属板(10、11 )に重ねることにより、金属板間のスペースを多様化することができるので、複数の周波数をそれぞれ処理するための様々なサイズの非放射誘電体導波路と、それらの導波路に応じた様々なサイズのスペースとを構築することが可能になる。
【0018】
例えば、図3に図示された非放射誘電体導波路(20)は低周波数のために用いられる非放射誘電体導波路であり、この非放射誘電体導波路の寸法はa1×b1であり、使用周波数は上述の式1及び式2によって定められる。非放射誘電体導波路(21)は、高周波数のために用いられる非放射誘電体導波路である。非放射誘電体導波路(21)の使用周波数は、式1及び式2を用いて、a2×b2の寸法によって定められる。
【0019】
周波数が異なる回路と回路との間は、信号伝送用のストリップ共振器やリード共振器によって接続することができる。
【0020】
図4は、本発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路上に設けられたストリップ共振器を備えた発振器を示す一部破断図である。特定周波数を発振する非放射誘電体導波路発振器において、多数スペース構造に構成されている金属板間にガンダイオード(3)を備えたダイオードマウント(4)が挿入され、金属ストリップ共振器(5)がダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)とを接続している。
【0021】
発振素子の内部等価パラメータはインダクタンスとキャパシタンスから成っており、インダクタンスやキャパシタンスは外部温度の変化やバイアス電圧の変化によって影響を受けやすいるので、発振器のダイオードから発せられるミリ波の周波数は不安定である。発振周波数が不安定であると、このような発振器を使用する通信裝置に相当の害を与える可能性がある。従って、発振周波数の安定化を図るため、図5に示すようなストリップ共振器(13)が取り付けられる。図5に示すストリップ共振器の薄銅部分の長さ(L)が、発振周波数を決定する。周波数を決定する長さLが使用周波数の約半波長よりも長くなれば、周波数が低くなり、長さLが短くなれば、発振周波数が高くなる。銅パタンのストリップは、エッチングや加工などの方法で製作することができる。
【0022】
図6は、図5に示す本発明の実施例において、ストリップ共振器(13)に用いられる金属板の長さ(L)が変化したときの共振周波数と共振出力との変化を示す図である。図に示したように、ストリップ共振器(13)の金属板の長さ(L)を変えることによって、発振周波数を変化させることができる。この場合でも、現れる出力変化は非常に小さい。このように、ストリップ共振器(13)と多数スペース型の誘電体導波路を用いることで、本発明は、出力変化が非常に小さい周波数変換器を提供することができる。
【0023】
もう一つの方法として、図7に示すようなリード型線路を用いることができる。図7は、金属ストリップ共振器の代わりにリード型共振器(13’ )を用いた発振器を示している。この場合にも、リードの長さによって発振される波の周波数が決まる。このストリップ共振器やリード型共振器から出るミリ波は寄生モードを持つ可能性があるので、このようなミリ波を即座にモードサプレッサ(6)に通し、次いで誘電体導波路(2)を通じて伝送すべきである。
【0024】
図8は、本発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を具備し、発振部品であるダイオードを使って、他のダイオードを用いた場合よりも高い周波数を発振することができる、逓倍発振器の一部破断図である。
図8に示すように、ダイオードマウント(4)は多数スペース構造の金属板(10)間のスペースに装着され、逓倍ストリップ共振器(13’’)がダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)の間を接続している。信号はモードサプレッサ(6)を通されて、誘電体導波路(2)を通じて伝送される。
【0025】
一般的なサイズのダイオードの発振周波数が20GHzのとき、ストリップ共振器又はリード型共振器は、これより高い高調波に相当する周波数、例えば第2高調波である40GHz、又は第3高調波である60GHzに同調されたサイズを持つダイオードに接続することができる。このようにして、上記のような40GHz又は60GHzの共振周波数に相当する周波数を発することができ、その結果、40GHz又は60GHzという高い周波数を生じさせる発振回路を構成することができる。従って、この発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を用いて、且つ所与の目的に適ったストリップ共振器又はリード型共振器を選択することにより、発振器周波数の二倍の周波数を発生させる2逓倍発振器や、発振器周波数の三倍の周波数を発生させる3逓倍発振器のような様々な逓倍高周波発振器を製作することができる。
【0026】
図9は、本発明による電圧制御発振器を示す一部破断図である。電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator)は、図4に示した多数スペース構造の非放射誘電体導波路に装着された発振素子(例えば、ガンダイオード)から成るダイオードマウント(4)と、バラクタダイオード基板(12)とを用いることによって、ストリップ共振器(13)で調整された発振周波数を電圧に変換させることができる。
【0027】
具体的には、次のように行う。先ず、バラクタダイオード(コンデンサの容量を電圧によって変化させることができる素子)基板(12)を製作する。かかるバラクタダイオード基板をダイオードマウント(4)とストリップ共振器(13)の周りの共振点に設置するが、この共振点は元の発振点及び共振点から離れた位置に置かねばならない。
このような方法によって、元の共振点ともう一つの共振点に接続された電圧制御発振器を構成することができる。
【0028】
上述のバラクタダイオードは、ダイオードの両端に逆電圧を印加し、この逆電圧を変化させることによって、内部の接合部容量を変化させることができる素子である。このようなバラクタダイオードとその周りの非放射誘電体導波路とを用いて、共振回路を構築することができる。
バラクタダイオードと非放射誘電体導波路とを用いて構成された共振器では、共振器のキャパシティとして作用するダイオードの逆電圧を変化させることができ、この逆電圧によってもたらされるキャパシティの変化によって周波数の変化が引き起こされる。その結果、電圧変化による周波数変換器、即ち、電圧制御ミリ波発振器(Voltage Control Millimeter Wave Oscillator)を構成することができる。
【0029】
図11は、上述の裝置において、電圧の変化によってもたらされる周波数の変化を示すグラフである。図11では、バラクタダイオードのバイアス電圧を1Vから10Vまで変化させたときに得られる周波数変化が示されている。この図から、バラクタ電圧の変化に起因した発振周波数の増加を見て取ることができる。
【0030】
図12は、図11に示されているように具体化されている電圧制御発振器の発振周波数を安定化させる安定化裝置を具備した電圧制御発振器を示す一部破断図である。ガンダイオードマウント(15)とダイオードマウント(4)とを用いることによって、非放射誘電体導波路(21)から得られる発振器からの発振出力は、素子の温度と外部誘導のバイアス電圧とが変化するため、周波数安定度が低い。
【0031】
この問題の解決手段として、図12に示すように、ストリップ共振器(13)の結合係数を調整するための別の共振器をストリップ共振器(13)の周辺に装着したり、発振器の発振周波数を安定化させるために高誘電率材料を挿入することができる。
上述の共振周波数の安定化には、高誘電率を持つセラミックス共振器(14)のような素子が用いられる。このような発振周波数を安定化する手段は、周波数の高安定度を図るために、電圧制御発振器やFM変調器などにも使用することができる。
【0032】
図13及び図14は、図9に従って提供されている電圧制御発振器の出力を増幅させる目的で製作された電圧制御発振器の一部破断図である。発振素子の出力が超高周波・大出力が要求される回路にとって不十分である場合には、複数のダイオードマウント(4)を使用して発振器出力を増幅させる回路を組み立てることができる。図13に示すように、二つのダイオードマウント(4)を装着し、非放射誘電体導波路(21)に信号を伝送すると、各発振出力は非放射誘電体導波路(21)で合成出力され、結果的に、一つの発振素子から得られる出力を上回る発振出力を出力することができる。
【0033】
金属板(10、11 )間のスペースにおいて、両ダイオードマウント(4)は、図13に示すように非放射誘電体導波路(21)のいずれか片側の位置に配置しても、或いは図14に示すように非放射誘電体導波路(21)の両側に分けて配置してもよい。
もし、発振出力が不足する場合には、三つ以上のダイオードマウント(4)を装着して、発振出力を更に増幅させることができることは、言うまでもない。
【0034】
以上、詳細に説明したように、本発明は、多数スペース式の非放射誘電体導波路構造を用いることによって、種々の発振器要素と、サイズが異なる非放射誘電体導波路とを備えた単一の発振器又は電圧制御発振器を構成することができ、種々の周波数を発生させるために多種類の異なるパッケージを製作する必要を無くすることができるので、経済的な利点が得られる。
【0035】
更に、ここに挙げた本発明の望ましい実施例は、本発明を説明する目的のために提示されたものである。当業者であれば、本発明の思想と範囲内で本発明の特徴に多様な修正、変更、付加等が可能であり、このような修正、変更等は特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、従来の非放射誘電体導波路の構造を一部破断して示す図である。
【図2】
図2は、従来の非放射誘電体導波路を持つ発振器を一部破断して示す図である。
【図3】
図3は、本発明に用いられる多数スペース構造を持つ非放射誘電体導波路を一部破断して示す図である。
【図4】
図4は、本発明による発振器を一部破断して示す図である。
【図5】
図5は、図4で用いられるストリップ共振器を一部破断して示す図である。
【図6】
図6は、図5に示す実施例における共振周波数及び共振出力の変化を示すグラフである。
【図7】
図7は、本発明による発振器の別の実施例を一部破断して示す図である。
【図8】
図8は、本発明による発振器の他の実施例を一部破断して示す図である。
【図9】
図9は、本発明による電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図10】
図10は、本発明に用いられるバラクタダイオード基板を一部破断して示す図である。
【図11】
図11は、図9に示された電圧制御発振器において電圧変化に応じて生じる発振周波数の変化を測定したグラフである。
【図12】
図12は、図11に従って提示された電圧制御発振器の発振周波数を安定化させる安定化装置を具備する電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図13】
図13は、図11に従って提示された発振器の出力を増幅させる目的で製作された電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図14】
図14は、図11に従って提示された発振器の出力を増幅させる目的で製作された別の電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
[技術分野]
この発明は、発振器に関し、より詳細には、様々なサイズの非放射誘電体導波路を持つ多層構造に組み込まれた発振素子(例えば、ガンダイオード(Gunn Dio−de) 等)と共振器とによって、複数の周波数を発振することができる多数スペース式の非放射誘電体導波路構造を持つ発振器及び電圧制御発振器に関する。
【0002】
[背景技術]
今日のマルチメディア時代においては、情報発信のコンテンツは、テキストからグラフイツクに変化しつつあり、更に、グラフイツクから動画へと変化している。また、コンテンツの表現技術も、次第に繊細で高解像度のカラー画像へと向上しつつある。その結果、コンピューター通信システムに過度の負担が掛かるようになっている。この問題を解決する方法の一つとして、伝送路をT1級からT3級にアップグレードさせることが挙げられる。しかしながら、この方法は、すべての問題を解決するものではない。光ケーブルの敷設工事が実現困難な場合がある。また、超高速情報端末機をサポートする必要がある場合もある。このように、我々は、超高速通信用の無線送信機を緊急に開発する必要に迫られている。
【0003】
所定時間内により多くのデータ伝送するには、高い周波数を使用せざるを得ない。しかしながら、使用周波数が高くなると、波長が短くなることによって、伝送損失が増大する等の種々の問題点を引き起こす。マイクロ波の周波数帯域及びマイクロ波以上の周波数帯域で情報を処理する一般的な技術としては、MMIC方式が考えられる。しかしながら、この方式では、50GHzの周波数において生じる伝送損失が1m当たり60dBにもなり、回路構成を難しくする原因になっている。
【0004】
そこで、最近、伝送損失の問題を解決する一つの方法として、非放射誘電体導波路(non−radiative dielectric waveguide)が用いられている。非放射誘電体導波路は、非放射性であるため、マイクロストリップ回路に比べて伝送損失が少ない。また、非放射誘電体導波路を用いると、他のどの導波路を用いる場合と比べても伝送路の構築が容易である。特に、非放射誘電体線路は、マイクロ波、とりわけ30GHz以上の短い波長の電波のための伝送路に適している。
【0005】
図1に示すように、二枚の平行な金属板(1)の間に、周波数に対応する波長に比例するサイズを持つ非放射誘電体導波路(2)が挿入されている。平行な金属板(1)は、使用周波数に応じた波長の少なくとも1/2の間隔で互いに離す必要がある。
使用される非放射誘電体導波路のサイズは、下記の式によって決められる。二枚の平行金属板(1)の間隔が周波数によって決まると、その周波数の電波は低い伝送損で伝送されるが、周波数が変化したときには伝送が不可能になる。
[式1]
【数1】
[式2]
【数2】
上記の式で、εrは誘電定数(dielectric constant,誘電率)、λは波長である。
【0006】
誘電体ブロックのサイズを決めるためには、使用周波数を決定しなければならない。同様に、誘電体ブロックのサイズが決まると、使用周波数をそれ以外に変更することはできない。換言すると、特定の波長の周波数を伝送するためには、誘電体ブロックのサイズと二枚の金属板間の間隔とを決定しなければならない。このように、間隔が定められた金属板間のスペースに挿入されるべき誘電体ブロックも、その他の回路もすべて、単一の一定に固定されたサイズとしなければならない。
【0007】
図2は、従来の非放射誘電体導波路における発振器を一部破断して示す図である。平行な金属板(1)の間にガンダイオード(3)を取り付けたダイオードマウント(4)を装着し、ダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)とを金属ストリップ線路(5)で接続することで、信号が送信される。
しかしながら、上記のように構成される発振器は、上記二枚の金属板(1)間のスペースのサイズが既に決定されているので、非放射誘電体導波路(2)及びその他の構成部品(3〜5)のサイズも固定されてしまうという欠点がある。
例えば、上記式1及び式2において、非放射誘電体導波路は2.04の誘電率と、60GHzの周波数に対応して5mmの波長を持つとする。誘電体ブロックの高さ(a)は2.25mmとなり、幅(b)は2.5mmとなる。従って、二枚の金属板間の間隔は2.25mmに決定される。
【0008】
つまり、二枚の金属板(1)間のスペースのサイズが予め定められるので、これ以外の異なるサイズの構成部品や非放射誘電体導波路をそのスペース内に装着することができない。非放射誘電体導波路のサイズが、周波数に応じた波長によって決定される。二枚の金属板のスペースが定められていると、処理できる周波数は特定の波長を有する単一の周波数のみである。そうなれば、多数の周波数を利用する既存の殆どの高周波回路を製作することができないので、非放射誘電体導波路の有用性が低下することになる。
【0009】
AM/FM受信機、テレビ受像機、携帯電話、無線呼出機、コードレス電話、トランシーバ、及び衛星放送受信機のような高周波回路は、殆どの場合、スーパヘテロダイン方式で製造されている。スーパヘテロダイン方式は信号処理の途中で周波数を変換することによって増幅度を高めているので、かかるスーパヘテロダイン方式を用いることで、非常に高感度な受信機を製作することができる。
【0010】
また、殆どの送信機において、高品位の変調を得るために低周波で変調し、低い周波数を逓倍すると共に変調指数を増やすことによって伝送周波数信号を増幅することが行なわれている。従来の非放射誘電体導波路は二枚の金属板の間隔が一定に固定されているため、このような周波数の変換ができず、用いることができる周波数は予め決められた単一の周波数でしかない。従って、上記に列挙した高周波回路の殆どについては、製作することができない。
【0011】
それだけでなく、高速データ通信の昨今の潮流の中で、使用周波数の高周波化に伴って、非放射誘電体導波路のサイズも一層の小型化が迫られている。例えば、非放射誘電体導波路のサイズは、60GHzの周波数では2.25mm×2.5mmであるが、周波数が120GHzであるとすると、周波数が60GHzである場合の半分、即ち、1.125mm×1.25mmになる。120GHzの場合、導波路をそのサイズで製作することができたとしても、ガンダイオードのような他の部品で構成される半導体は、内部発熱の問題があって小型化できないので装着することは難しい。例えば、半導体の市販品の寸法は殆ど直径3mmのものであるので、これらを1.25mmのスペースに装着することができない。
【0012】
[発明の開示]
本発明の目的は、多層構造の非放射誘電体導波路を用いることによって、一つのパッケージ内に種々のダイオード及びサイズの異なる種々の非放射誘電体導波路を具備する高周波用の発振器及び電圧制御発振器を提供することである。本発明によれば、回路を構成するすべての部品を間隔が予め定められている二枚の金属板間に配置しなければならないとしていることに起因して、発振器の周波数を変更するためには発振器用としてサイズの異なるダイオードが必要であるという、従来の非放射誘電体導波路を用いた発振器の問題点を解決することができる。
【0013】
上記目的に従って、この発明は、間隔サイズが一定に固定された二枚の金属板間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、前記発振素子と非放射誘電体導波路との間に共振器が挿入されている、高周波電波発生用の発振器を提供する。特に、この発明は、
発振させる周波数に応じて前記間隔を複数のサイズに形成し;
前記二枚の金属板間において間隔が他の間隔よりも大きい前記金属板の間に、サイズが大きい低周波数用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着し;
間隔が小さい前記金属板の間に、高周波用のサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着し;
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入した、
高周波発振器を提供する。
【0014】
また、本発明は、前記高周波発振器からの変調された発振周波数を電圧に変化させる電圧制御発振器を提供するため、間隔サイズが一定に固定された二枚の金属板の間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、前記発振素子と非放射誘電体導波路の間に共振器が挿入された電圧制御発振器であって、
発振させる周波数に応じて高さの異なるスペースを定め;
金属板間のスペースうちで他のスペースよりも比較的大きなスペースを持つ金属板の間に、サイズが大きい低周波用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着し;
小さいスペースを持つ金属板間に、高周波用のサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着し;
前記発振素子マウント及び非放射誘電体導波路上にバラクタダイオードを装着し;
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入することにより、電圧制御発振器を提供する。
【0015】
この発明の上記の目的、特徴、利点等は、添付した図面を参照してなされた以下の詳細な説明によって、一層明らかになる。以下は、本発明の好ましい実施例についての詳細な説明である。
【0016】
[好ましい実施例の詳細な説明]
図3は、本発明に用いられる多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を一部破断して示す図である。図3は、多層の金属板(10、11 )と種々の周波数に応じた非放射誘電体導波路(20、21)とを備えた多層構造に構成された非放射誘電体導波路を示している。
【0017】
図3に示されているように、金属板を他の金属板(10、11 )に重ねることにより、金属板間のスペースを多様化することができるので、複数の周波数をそれぞれ処理するための様々なサイズの非放射誘電体導波路と、それらの導波路に応じた様々なサイズのスペースとを構築することが可能になる。
【0018】
例えば、図3に図示された非放射誘電体導波路(20)は低周波数のために用いられる非放射誘電体導波路であり、この非放射誘電体導波路の寸法はa1×b1であり、使用周波数は上述の式1及び式2によって定められる。非放射誘電体導波路(21)は、高周波数のために用いられる非放射誘電体導波路である。非放射誘電体導波路(21)の使用周波数は、式1及び式2を用いて、a2×b2の寸法によって定められる。
【0019】
周波数が異なる回路と回路との間は、信号伝送用のストリップ共振器やリード共振器によって接続することができる。
【0020】
図4は、本発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路上に設けられたストリップ共振器を備えた発振器を示す一部破断図である。特定周波数を発振する非放射誘電体導波路発振器において、多数スペース構造に構成されている金属板間にガンダイオード(3)を備えたダイオードマウント(4)が挿入され、金属ストリップ共振器(5)がダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)とを接続している。
【0021】
発振素子の内部等価パラメータはインダクタンスとキャパシタンスから成っており、インダクタンスやキャパシタンスは外部温度の変化やバイアス電圧の変化によって影響を受けやすいるので、発振器のダイオードから発せられるミリ波の周波数は不安定である。発振周波数が不安定であると、このような発振器を使用する通信裝置に相当の害を与える可能性がある。従って、発振周波数の安定化を図るため、図5に示すようなストリップ共振器(13)が取り付けられる。図5に示すストリップ共振器の薄銅部分の長さ(L)が、発振周波数を決定する。周波数を決定する長さLが使用周波数の約半波長よりも長くなれば、周波数が低くなり、長さLが短くなれば、発振周波数が高くなる。銅パタンのストリップは、エッチングや加工などの方法で製作することができる。
【0022】
図6は、図5に示す本発明の実施例において、ストリップ共振器(13)に用いられる金属板の長さ(L)が変化したときの共振周波数と共振出力との変化を示す図である。図に示したように、ストリップ共振器(13)の金属板の長さ(L)を変えることによって、発振周波数を変化させることができる。この場合でも、現れる出力変化は非常に小さい。このように、ストリップ共振器(13)と多数スペース型の誘電体導波路を用いることで、本発明は、出力変化が非常に小さい周波数変換器を提供することができる。
【0023】
もう一つの方法として、図7に示すようなリード型線路を用いることができる。図7は、金属ストリップ共振器の代わりにリード型共振器(13’ )を用いた発振器を示している。この場合にも、リードの長さによって発振される波の周波数が決まる。このストリップ共振器やリード型共振器から出るミリ波は寄生モードを持つ可能性があるので、このようなミリ波を即座にモードサプレッサ(6)に通し、次いで誘電体導波路(2)を通じて伝送すべきである。
【0024】
図8は、本発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を具備し、発振部品であるダイオードを使って、他のダイオードを用いた場合よりも高い周波数を発振することができる、逓倍発振器の一部破断図である。
図8に示すように、ダイオードマウント(4)は多数スペース構造の金属板(10)間のスペースに装着され、逓倍ストリップ共振器(13’’)がダイオードマウント(4)と非放射誘電体導波路(2)の間を接続している。信号はモードサプレッサ(6)を通されて、誘電体導波路(2)を通じて伝送される。
【0025】
一般的なサイズのダイオードの発振周波数が20GHzのとき、ストリップ共振器又はリード型共振器は、これより高い高調波に相当する周波数、例えば第2高調波である40GHz、又は第3高調波である60GHzに同調されたサイズを持つダイオードに接続することができる。このようにして、上記のような40GHz又は60GHzの共振周波数に相当する周波数を発することができ、その結果、40GHz又は60GHzという高い周波数を生じさせる発振回路を構成することができる。従って、この発明による多数スペース構造に作られた非放射誘電体導波路を用いて、且つ所与の目的に適ったストリップ共振器又はリード型共振器を選択することにより、発振器周波数の二倍の周波数を発生させる2逓倍発振器や、発振器周波数の三倍の周波数を発生させる3逓倍発振器のような様々な逓倍高周波発振器を製作することができる。
【0026】
図9は、本発明による電圧制御発振器を示す一部破断図である。電圧制御発振器(Voltage Control Oscillator)は、図4に示した多数スペース構造の非放射誘電体導波路に装着された発振素子(例えば、ガンダイオード)から成るダイオードマウント(4)と、バラクタダイオード基板(12)とを用いることによって、ストリップ共振器(13)で調整された発振周波数を電圧に変換させることができる。
【0027】
具体的には、次のように行う。先ず、バラクタダイオード(コンデンサの容量を電圧によって変化させることができる素子)基板(12)を製作する。かかるバラクタダイオード基板をダイオードマウント(4)とストリップ共振器(13)の周りの共振点に設置するが、この共振点は元の発振点及び共振点から離れた位置に置かねばならない。
このような方法によって、元の共振点ともう一つの共振点に接続された電圧制御発振器を構成することができる。
【0028】
上述のバラクタダイオードは、ダイオードの両端に逆電圧を印加し、この逆電圧を変化させることによって、内部の接合部容量を変化させることができる素子である。このようなバラクタダイオードとその周りの非放射誘電体導波路とを用いて、共振回路を構築することができる。
バラクタダイオードと非放射誘電体導波路とを用いて構成された共振器では、共振器のキャパシティとして作用するダイオードの逆電圧を変化させることができ、この逆電圧によってもたらされるキャパシティの変化によって周波数の変化が引き起こされる。その結果、電圧変化による周波数変換器、即ち、電圧制御ミリ波発振器(Voltage Control Millimeter Wave Oscillator)を構成することができる。
【0029】
図11は、上述の裝置において、電圧の変化によってもたらされる周波数の変化を示すグラフである。図11では、バラクタダイオードのバイアス電圧を1Vから10Vまで変化させたときに得られる周波数変化が示されている。この図から、バラクタ電圧の変化に起因した発振周波数の増加を見て取ることができる。
【0030】
図12は、図11に示されているように具体化されている電圧制御発振器の発振周波数を安定化させる安定化裝置を具備した電圧制御発振器を示す一部破断図である。ガンダイオードマウント(15)とダイオードマウント(4)とを用いることによって、非放射誘電体導波路(21)から得られる発振器からの発振出力は、素子の温度と外部誘導のバイアス電圧とが変化するため、周波数安定度が低い。
【0031】
この問題の解決手段として、図12に示すように、ストリップ共振器(13)の結合係数を調整するための別の共振器をストリップ共振器(13)の周辺に装着したり、発振器の発振周波数を安定化させるために高誘電率材料を挿入することができる。
上述の共振周波数の安定化には、高誘電率を持つセラミックス共振器(14)のような素子が用いられる。このような発振周波数を安定化する手段は、周波数の高安定度を図るために、電圧制御発振器やFM変調器などにも使用することができる。
【0032】
図13及び図14は、図9に従って提供されている電圧制御発振器の出力を増幅させる目的で製作された電圧制御発振器の一部破断図である。発振素子の出力が超高周波・大出力が要求される回路にとって不十分である場合には、複数のダイオードマウント(4)を使用して発振器出力を増幅させる回路を組み立てることができる。図13に示すように、二つのダイオードマウント(4)を装着し、非放射誘電体導波路(21)に信号を伝送すると、各発振出力は非放射誘電体導波路(21)で合成出力され、結果的に、一つの発振素子から得られる出力を上回る発振出力を出力することができる。
【0033】
金属板(10、11 )間のスペースにおいて、両ダイオードマウント(4)は、図13に示すように非放射誘電体導波路(21)のいずれか片側の位置に配置しても、或いは図14に示すように非放射誘電体導波路(21)の両側に分けて配置してもよい。
もし、発振出力が不足する場合には、三つ以上のダイオードマウント(4)を装着して、発振出力を更に増幅させることができることは、言うまでもない。
【0034】
以上、詳細に説明したように、本発明は、多数スペース式の非放射誘電体導波路構造を用いることによって、種々の発振器要素と、サイズが異なる非放射誘電体導波路とを備えた単一の発振器又は電圧制御発振器を構成することができ、種々の周波数を発生させるために多種類の異なるパッケージを製作する必要を無くすることができるので、経済的な利点が得られる。
【0035】
更に、ここに挙げた本発明の望ましい実施例は、本発明を説明する目的のために提示されたものである。当業者であれば、本発明の思想と範囲内で本発明の特徴に多様な修正、変更、付加等が可能であり、このような修正、変更等は特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、従来の非放射誘電体導波路の構造を一部破断して示す図である。
【図2】
図2は、従来の非放射誘電体導波路を持つ発振器を一部破断して示す図である。
【図3】
図3は、本発明に用いられる多数スペース構造を持つ非放射誘電体導波路を一部破断して示す図である。
【図4】
図4は、本発明による発振器を一部破断して示す図である。
【図5】
図5は、図4で用いられるストリップ共振器を一部破断して示す図である。
【図6】
図6は、図5に示す実施例における共振周波数及び共振出力の変化を示すグラフである。
【図7】
図7は、本発明による発振器の別の実施例を一部破断して示す図である。
【図8】
図8は、本発明による発振器の他の実施例を一部破断して示す図である。
【図9】
図9は、本発明による電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図10】
図10は、本発明に用いられるバラクタダイオード基板を一部破断して示す図である。
【図11】
図11は、図9に示された電圧制御発振器において電圧変化に応じて生じる発振周波数の変化を測定したグラフである。
【図12】
図12は、図11に従って提示された電圧制御発振器の発振周波数を安定化させる安定化装置を具備する電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図13】
図13は、図11に従って提示された発振器の出力を増幅させる目的で製作された電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
【図14】
図14は、図11に従って提示された発振器の出力を増幅させる目的で製作された別の電圧制御発振器を一部破断して示す図である。
Claims (6)
- 間隔が一定に固定されている二枚の金属板の間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、且つ前記発振素子と非放射誘電体導波路との間に共振器が挿入された、高周波電波発振用発振器において、
発振させる周波数に応じて前記二枚の金属板の間に高さの異なる複数のスペースを形成するステップ;
前記二枚の金属板間のスペースのうちでスペースが他よりも大きい金属板の間に、サイズが大きい低周波数用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着するステップ;
スペースが小さい前記二枚の金属板の間に、高周波に相当するサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着するステップ;及び
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入するステップ、
から成る高周波電波発振用発振器。 - 間隔が一定に固定されている二枚の金属板の間に発振素子と非放射誘電体導波路とが装着され、且つ前記発振素子と非放射誘電体導波路との間に共振器が挿入された、高周波電波発振用発振器において、
発振させる周波数に応じて前記二枚の金属板の間に高さの異なる複数のスペースを形成するステップ;
前記二枚の金属板間のスペースのうちでスペースが他よりも大きい金属板の間に、サイズが大きい低発振周波数用の発振素子を取り付けた発振素子マウントを装着するステップ;
スペースが小さい前記二枚の金属板の間に、高周波に相当するサイズを持つ非放射誘電体導波路を装着するステップ;
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路とにバラクタダイオードを装着するステップ;及び
前記発振素子マウントと非放射誘電体導波路との間に共振器を挿入するステップ、
から成る高周波電波発振用発振器。 - 前記共振器は、発振周波数を制御することができるストリップ共振器又はリード型共振器であることから成る請求項1又は2に記載の発振器。
- 前記バラクタダイオードが装着された非放射誘電体導波路に、発生させるべき周波数を安定化させることができるセラミック共振器を付加的に装着したことから成る請求項2に記載の多数スペース式非放射誘電体導波路構造を持つ電圧制御発振器。
- 少なくとも二つの前記発振素子マウントを前記非放射誘電体導波路の片側に配置して、発振器からの出力を増幅させることから成る請求項1又は2に記載の多数スペース式非放射誘電体導波路構造を持つ発振器。
- 少なくとも二つの前記発振素子マウントを前記非放射誘電体導波路の両側に分けて配置して、発振器からの出力を増幅させることから成る請求項1又は2に記載の多数スペース式非放射誘電体導波路構造を持つ発振器。
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- 2000-08-02 JP JP2002516856A patent/JP2004505579A/ja active Pending
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