JP3759718B2 - 彫刻ヘッドシステム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、彫刻ヘッドシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
機械部分は、運転中に、しばしば機械的負荷及び/又は熱的負荷にさらされる。熱的負荷の場合には、必要に応じて冷却装置が使用される。冷却装置は、冷却されるべき機械部分の温度を、規定された許容値よりも下に保持する。印刷産業では、凸版印刷及び凹版印刷において彫刻システムが使用される。彫刻システムは、彫刻先端によって印刷版表面、大抵は印刷版胴に彫刻を施す。電磁的な励磁及び高い速度の熱損失に基づき、彫刻システムには熱的負荷が生じる。この熱的負荷は、彫刻ヘッドの機械的な膨張及び彫刻ヘッドの振動減衰率の変化を招く。彫刻システムにおけるこれらの望ましくない変化は、彫刻結果の望ましくない変化を招く。従って、彫刻システムは、通常、あまり効果的とはいえない空冷によって冷却されるか、又は中央に配置された1つの冷却装置によって冷却される。この冷却装置は、それぞれ1つの往路・復路用のホースを介して彫刻システムに接続されていて、冷却水を中央の貫流冷却器からポンプにより送出する。このような冷却装置を使用する構成では、手間のかかるホース接続部、極めて大きな運転スペースを占めてしまう長いホース経路及びその代償としてかかる高い保守コストが不都合である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、長いホース経路を回避してスペースを節約するような、彫刻システムを冷却するための有効な冷却装置並びに彫刻システムを冷却するための有効な方法を提供することである。
【0005】
この課題を解決するために本発明では、彫刻ヘッドシステムが、可動の彫刻ヘッドサポートにより支持された少なくとも1つの彫刻ヘッド、並びに前記彫刻ヘッドサポートに設けられた第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有しており、第2の熱交換器が彫刻ヘッドを冷却するために位置決めされており、両熱交換器間で第1の冷却媒体を循環させるための、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間の少なくとも2本の導管を有しており、第1の熱交換器が第2の冷却媒体によって冷却されるようになっているようにした。更に本発明では、彫刻ヘッドシステムが、可動の彫刻ヘッドサポートにより支持された少なくとも1つの彫刻ヘッド、並びに前記彫刻ヘッドサポートに互いにすぐ隣接して位置決めされた第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有しており、第2の熱交換器が、冷却液を以て彫刻ヘッドを冷却するために位置決めされており、両熱交換器間で前記冷却液を循環させるための、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間の少なくとも2本の導管を有しており、第1の熱交換器が空気循環によって冷却されるようになっているようにした。
【0007】
【発明の効果】
このようにして、本発明によれば、ホース接続のための材料コスト及び取付け・保守作業が不要となる。さらに、これまで使用されてきた中央に配置された冷却装置のためのポンプは及びこのために必要となる電力も節約される。それというのも、冷却装置の冷却媒体が、彫刻装置のすぐ近くで、熱力学的な力によって冷却循環路内を運動せしめられるからである。
【0008】
本発明の別の実施態様は、請求項2〜請求項15に記載されている。
【0009】
本発明の改良形では、それぞれの冷却ユニットがヒートパイプを有している。ヒートパイプの内壁には毛管構造体が配置されている。ヒートパイプの一方の端部は彫刻ヘッドの領域に突入している。ヒートパイプは、彫刻システムから冷却装置へ延びており、彫刻システムと冷却装置とは互いに隣接している。ヒートパイプの内壁に設けられた毛管構造体は、ヒートパイプの内室の、媒体により流過される表面積を増大させ、ひいてはヒートパイプを通って流れる冷却媒体による彫刻システムからの熱の吸収率を増大させる。さらに、ヒートパイプの使用に基づき、ホースを彫刻システムと中央の冷却装置とに接続するための手間のかかる接続装置を不要にするができる。なぜならば、ヒートパイプは、冷却装置のケーシング壁と、彫刻システムを備えた彫刻装置内とに、例えば単純な切欠きの形で延びているからである。
【0010】
ヒートパイプが液体媒体により通流されると、冷却装置の別の改善が得られる。それというのは、適当な液体が、彫刻システムから、ヒートパイプの熱伝導性ケーシングを介して液体媒体に熱エネルギを伝達する目的で高い熱伝導値を有しているからである。これにより、一層効果的な冷却が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき以下に詳細に説明する。
【0012】
図1には、本発明による冷却装置の一部である熱交換器10が示されている。図1の下区分には、下方から上方へ延びる3つの矢印によってシンボリックに、冷却装置の熱交換器10への媒体の供給が示されている。この媒体は、この実施例では例えば冷却液であってよく、この冷却液は、冷却装置から熱交換器10に対してポンプにより供給・排出される。熱交換器10に隣接して、第2の熱交換器20が位置しており、この第2の熱交換器20は彫刻装置の彫刻システムの一部である彫刻ヘッド(図示せず)の領域に設けられている。一方の熱交換器10;20の内室から他方の熱交換器20;10の内室へ複数のヒートパイプ30が延びている。これらのヒートパイプ30は、その周囲に対して真空密に閉鎖されている。
【0013】
さらに、図1の実施例の変化形では、両熱交換器10,20が一体的に形成されている。冷却装置はこの場合、彫刻システムによって包含されており、熱交換器10,20の数は1つの熱交換器に減じられるので有利である。この変化実施例についての説明は省略する。
【0014】
冷却装置内で冷却された冷却液は矢印で示した方向で、熱交換器10に供給されて、ヒートパイプ30の周囲を冷却し、ひいては熱伝導によりヒートパイプ30と、これらのヒートパイプ30内に存在する熱輸送媒体をも冷却する。この熱輸送媒体は、個々のヒートパイプ30の一方の側から他方の側へと流れて、その凝集状態を、図1で見て左側の熱交換器10における気体の形から、右側の、彫刻ヘッドの領域に位置する第2の熱交換器20における液体の形へ変化させる。第1の熱交換器10では、ヒートパイプ30内の熱輸送媒体が、供給された冷却液によって冷却され、この熱輸送媒体は第2の冷却媒体となって、彫刻ヘッドの領域に設けられた第2の熱交換器20で熱エネルギを受け取る。これにより、第2の熱交換器20において、ひいては彫刻システムにおいて冷却効果が現れる。熱輸送媒体は、低い温度での通常の状態では、ヒートパイプ30の、冷却媒体により貫流される第1の熱交換器10内に位置する区分において液体であるが、彫刻の際に生じる熱エネルギが供給されることにより、ヒートパイプ30の、彫刻ヘッドの領域にある第2の熱交換器20内に位置する区分では蒸発する。蒸発した熱輸送媒体は、ヒートパイプ30を通って低温の方向へ、すなわち第1の熱交換器10へ流れて、ヒートパイプ30の、第1の熱交換器10内に位置する区分で凝縮する。このようにして、個々のヒートパイプ30内で、冷却循環路が形成される。
【0015】
図2には、本発明の別の実施例が示されており、この場合、冷却装置若しくは彫刻システムの熱交換器10,20の配置は、図1に示した配置と類似している。しかし、図2の実施例では、図1の実施例とは異なり、ヒートパイプ30は使用されておらず、図2にシンボリックに示された螺旋体の形の冷却循環路40が使用されており、この冷却循環路40は、冷却作用を得るために水により貫流される。この水は、第1の実施例と同様に、彫刻ヘッドの領域に設けられた第2の熱交換器20の周辺空気から、熱又は熱エネルギを吸収し、引き続き冷却循環路40内を所定の方向で流れていき、熱交換器10の周辺空気に熱又は熱エネルギを引き渡す。この場合、熱交換器10は空気により貫流され、従って、熱交換器10は空冷されている(図2の方向矢印参照)。
【0016】
図3には、本発明のさらに別の実施例が示されている。基本的には、この場合、図2で用いられたものとほぼ同じ構成部材を使用することができる。但し、図3の冷却装置の熱交換器10,20は互いに隣接し合っていない、つまり、一体的には形成されていない。従って、熱交換器10,20はそれぞれ上下左右の全ての側で壁により取り囲まれている。この図示の実施例では、彫刻装置の彫刻システムのために、局所的に配置された冷却装置が提供される。この場合、熱交換器10,20の冷却循環路40の接続は、急速継手65によって形成されている。この急速継手65は、それぞれ循環路内での熱輸送媒体の輸送のための供給導管50と戻し導管60とを有していて、有利には、それぞれ1つの彫刻ヘッドを支持する彫刻ヘッドサポート(図示せず)に取り付けられている。この実施例を用いれば、熱交換器10,20を、例えば保守作業の際に迅速に分離しかつ接続することができる。さらに、熱交換器10,20は組み合わせを自在に変えて使用可能となる。また、この実施例を拡張した形で、冷却循環路40にポンプ70を配置することもできる。これにより、冷却循環路40に、熱交換器内の熱作用に基づいて作用する力に加えて、さらなるポンプ出力が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却装置の第1実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による冷却装置の第2実施例を示す概略図である。
【図3】本発明による冷却装置の第3実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
10,20 熱交換器、 30 ヒートパイプ、 40 冷却循環路、 50供給導管、 60 戻し導管、 65 急速継手、 70 ポンプ

Claims (16)

  1. 彫刻ヘッドシステムであって、可動の彫刻ヘッドサポートにより支持された少なくとも1つの彫刻ヘッド、並びに前記彫刻ヘッドサポートに設けられた第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有しており、第2の熱交換器が彫刻ヘッドを冷却するために位置決めされており、両熱交換器間で第1の冷却媒体を循環させるための、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間の少なくとも2本の導管を有しており、熱を受け取る熱交換器が第2の冷却媒体によって冷却されることを特徴とする、彫刻ヘッドシステム。
  2. 第1の冷却媒体が冷却液であり、第2の冷却媒体が空気である、請求項1記載のシステム
  3. 第1の冷却媒体が液体である、請求項1記載のシステム
  4. 第1の冷却媒体が、第2の熱交換器から戻った後、第1の熱交換器において気体の状態であり且つそこで凝縮されて、冷却液として第2の熱交換器に供給され、この第2の熱交換器において、彫刻によって生ぜしめられる加熱に基づき前記冷却液が気体の状態になる、請求項1記載のシステム
  5. 複数のヒートパイプが第1の熱交換器と第2の熱交換器との間に設けられている、請求項1記載のシステム
  6. 第1の熱交換器と第2の熱交換器とが互いにすぐ隣接している、請求項1記載のシステム
  7. 第1の熱交換器と第2の熱交換器とが、それぞれコイルの形の冷却回路を有している、請求項1記載のシステム
  8. コイルを水が通流している、請求項7記載のシステム
  9. 冷却媒体が、第2の熱交換器において彫刻ヘッド域の周囲空気から熱を吸収する、請求項1記載のシステム
  10. 第1の熱交換器が空冷される、請求項1記載のシステム
  11. 第1の熱交換器及び第2の熱交換器がそれぞれ冷却コイルを有しており、第1の熱交換器と第2の熱交換器とが互いにすぐ隣接している、請求項1記載のシステム
  12. 第1の熱交換器及び第2の熱交換器がそれぞれ冷却循環コイルを有しており、第1の熱交換器と第2の熱交換器とがすぐ隣接しており、2つの冷却コイルが2本の導管を介して互いに接続されている、請求項1記載のシステム
  13. 第1の熱交換器と第2の熱交換器とが、彫刻ヘッドのための彫刻ヘッドサポートにおいて互いに分離されており且つ急速継手を有しており、これらの急速継手が、第1の熱交換器及び第2の交換器にそれぞれ設けられた各1つの冷却コイルを相互に接続している、請求項1記載のシステム
  14. 第1の熱交換器と第2の熱交換器とに設けられた各1つの冷却コイル間の冷却回路に更にポンプ力を供給するために、第1の熱交換器にポンプが配置されている、請求項1記載のシステム
  15. 複数の彫刻ヘッドがそれぞれ、これらの彫刻ヘッドの各彫刻ヘッドサポートに設けられており且つ独立して運動可能であり、各彫刻ヘッドサポートが、第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有している、請求項1記載のシステム
  16. 彫刻ヘッドシステムであって、可動の彫刻ヘッドサポートにより支持された少なくとも1つの彫刻ヘッド、並びに前記彫刻ヘッドサポートに互いにすぐ隣接して位置決めされた第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有しており、第2の熱交換器が、冷却液を以て彫刻ヘッドを冷却するために位置決めされており、両熱交換器間で前記冷却液を循環させるための、第1の熱交換器と第2の熱交換器との間の少なくとも2本の導管を有しており、第1の熱交換器が空気循環によって冷却されるようになっていることを特徴とする、彫刻ヘッドシステム
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