JP3759668B2 - 揺動式洗掘監視装置及びその埋設方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、構造物の水面下の基礎部分周囲の洗掘を検知する装置及びその埋設施工方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
例えば、河川に掛かる橋脚の基礎部分の周囲の河床は、常時流れる水流によって洗掘され、基礎部分が水中に露出する可能性がある。洗掘は特に台風、洪水等の異常事態において生じ廉く、基礎部分の水中への露出の程度が甚だしくなれば、崩壊の危険が生ずる。
【0003】
洗掘検知センサは、このような危険を予知するためのセンサであるが、従来品あるいは従来装置は、長期に渡って確実な洗掘検知を行なうことが難しく、信頼性に乏しいものであった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、簡単な構造であって高い信頼性で長期に渡り洗掘を検知できる洗掘監視装置及びその埋設施工方法を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明の洗掘監視装置は、河床に埋設される固定構造物に沿わせて、河床中に設けるセンサ支持パイプ;このセンサ支持パイプにフレキシブルパイプを介して接続された水密構造のセンサ収納筐体;このセンサ収納筐体内に支持された揺動検知センサ;この揺動検知センサを河床への埋設状態で上記センサ支持体に沿わせて略垂直位置に保持する手段;及びフレキシブルパイプとセンサ支持パイプを通して、上記揺動検知センサと地上の監視装置とを接続する信号線;を備えたことを特徴としている。
センサ支持パイプには、複数のセンサ収納筐体を河床の深さ方向に間隔をおいて設置することが好ましい。
【0006】
この装置によると、洗掘が進んでセンサ収納筐体が水中に露出すると、フレキシブルパイプを介してセンサ支持パイプに接続されているセンサ収納筐体がフリーになり、水流に任せて姿勢を変化させる。センサ収納筐体内には、揺動検知センサが入っているので、この姿勢の変化が、フレキシブルパイプとセンサ支持パイプ内の信号線を介して、地上の監視装置に伝達されるので、洗掘を検知することができる。
センサ収納筐体は、水流に任せて姿勢を変化させることができる軽量のものであればよいが、より好ましくは、水に浮く材質又は(及び)構造とするとよい。
【0007】
本発明の埋設方法は、洗掘が生じる前の埋設方法と、生じた後(つまり河床に穴が生じている状態)の埋設方法とでは異なる。
洗掘が生じる前の埋設方法は、揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;河床にケーシングチューブを埋設するステップ;センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを一緒に上記ケーシングチューブ内に挿入するステップ;及びセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、ケーシングチューブを河床から引き抜くステップ;を有することを特徴としている。
【0008】
また洗掘が生じた後の埋設方法は、揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;このセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを、一緒にアプリケーションパイプ内に挿入するステップ;アプリケーションパイプを河床に形成されている穴内に略垂直にして固定するステップ;穴を埋め戻すステップ;及びセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、アプリケーションパイプを河床から引き抜くステップ;を有することを特徴としている。
【0009】
センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とは、ケーシングチューブ(またはアプリケーションパイプ)内に挿入する前に、土砂様物で包み、該チューブ内径に対応する外径の脆弱柱体としておくことが好ましい。
センサ支持パイプには、複数の上記センサ収納筐体が深さ方向に間隔をおいて設置するのが実際的であり、センサ収納筐体は、水に浮く材質又は(及び)構造とすることが望ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
図1ないし図5は、センサ支持パイプ(電線管)10と、これに接続される一つのセンサ収納筐体20の周辺の構造を示している。センサ支持パイプ10は、河床中に略垂直に埋設固定されるもので、その長さ方向に間隔をおいて、軸線と直交する方向に向けて、センサ支持プレート11が溶接固定されている。また、各センサ支持プレート11の少し下方にそれぞれ穿設した連絡孔12の周囲に、エルボ13の一端部が同様に溶接固定されている。
【0011】
センサ支持プレート11上に支持されるセンサ収納筐体20は、例えば合成樹脂材料のような軽量で腐食しない材料からなるもので、有底本体21と、この有底本体21に固定ねじ22及び必要なパッキン等を介して水密に固定される蓋体23とからなっている。蓋体23には、パイプ接続具24が固定されていて、このパイプ接続具24を介して、センサ収納筐体20の内外が連通している。センサ収納筐体20は、その材質が比重が1より小さい材料からなり、また密閉構造であるので、水に浮く。
【0012】
パイプ接続具24とエルボ13との間は、例えば合成樹脂材料等からなる水密なフレキシブルパイプ25を介して接続されており、センサ収納筐体20の内部は、パイプ接続具24、フレキシブルパイプ25及びエルボ13を介してセンサ支持パイプ10の内部と連通している。フレキシブルパイプ25には、補強用のワイヤ26が沿えられていて、この補強用ワイヤ26の両端部はそれぞれセンサ収納筐体20の蓋体23と、エルボ13(センサ支持パイプ10)に固定されている。
【0013】
センサ収納筐体20内には、蓋体23の裏面に固定した揺動検知センサ(転倒検知スイッチ)30が収納されている。この揺動検知センサ30は、垂直状態から一定角度以上傾くと信号を発するもので、例えば、家庭用のストーブ等に用いられている周知のものを転用することができる。図5はその構造例で、軸線を垂直方向に向けて置くロート状のボール載置台31上にボール32が置かれており、揺動検知センサ30が垂直な状態(ロート状のボール載置台31の軸線が垂直を向く状態)では、このボール32がボール載置台31の底部にあるスイッチピン33を押して、揺動検知スイッチ34を閉じている。スイッチピン33は圧縮ばね35によって上昇方向に付勢されており、揺動検知センサ30が一定角度以上傾いてボール32がスイッチピン33上からこぼれると、スイッチピン33が上昇して揺動検知スイッチ34が開路する。この種のセンサは、各種の構造が知られており、図5は一例である。
【0014】
図6ないし図8は、以上の洗掘監視装置の埋設施工方法の一例を示している。この施工方法は、新規に洗掘監視装置を埋設する場合に好適なものである。予め、揺動検知センサ30を内蔵した複数のセンサ収納筐体20を用意する。複数のセンサ収納筐体20は、センサ支持パイプ10に軸線方向に位置を異ならせて設けた複数のエルボ13に対してそれぞれ、フレキシブルパイプ25を介して接続し、各揺動検知センサ30からの信号線36は、パイプ接続具24、フレキシブルパイプ25、エルボ13を介してセンサ支持パイプ10内に導く。各センサ収納筐体20は、対応するセンサ支持プレート11上に所定の方向を向けて(センサ支持パイプ10が垂直状態になるとき揺動検知センサ30も垂直設置状態になるように)載置し、仮止めする。仮止めには例えば、水に溶けるテープ37(図1)を用いることが好ましい。
【0015】
さらに、このセンサ支持パイプ10とセンサ収納筐体20の外囲及びセンサ収納筐体20の間等をベントナイト等の土砂様物28で包み、脆弱な棒状体(センシング柱体)29を作る。『脆弱』とは、センサ支持パイプ10に対するセンサ収納筐体20の姿勢を保持するには十分であるが、埋設後、周囲が洗掘されたときには、これらを露出させるとの意味である。具体的には、棒状に成形した土砂様物28の外周をクラフト紙28pで包み、さらに紙テープで止めることで、このような脆弱柱体29を作ることができる。
【0016】
一方、河床40には、橋脚の基礎のような埋設構造物41に沿わせて、ロータリパーカッションドリル等により垂直方向のボーリング孔42を穿けると同時に、このボーリング孔42にケーシングチューブ27を残す。このケーシングチューブ27内に、脆弱柱体29を挿入し、挿入が完了したら、棒状体29を残し、ケーシングチューブ27のみを引き抜く。センサ支持パイプ10内の信号線36は、センサ支持パイプ10の上端部から地上の監視装置43(図6)に接続する。以上の埋設状態では、センサ収納筐体20内の揺動検知センサ30は垂直方向を向き、揺動検知スイッチ34は閉じられている。
【0017】
洗掘が生じ、埋設構造物41の周囲の河床40が掘られると、クラフト紙29、土砂様物28、仮止めテープ37も流され、上方のセンサ収納筐体20から順に水流に曝される。センサ収納筐体20は、フレキシブルパイプ25を介してセンサ支持パイプ10に接続されているので、フレキシブルパイプ25の可撓性により水流に任せて姿勢を変化させ、揺動検知センサ30が信号を発する。すなわち、揺動検知センサ30内のボール32は、スイッチピン33上から移動してスイッチピン33が揺動検知スイッチ34を開き、この検知信号が信号線36を介して地上の監視装置43に伝達される。よって洗掘を検知することができる。センサ収納筐体20は、フレキシブルパイプ25だけでなく、補強用ワイヤ26によってもセンサ支持パイプ10に接続されているので、センサ収納筐体20が流失するおそれはない。
【0018】
図9、図10は、別の埋設施工方法を示している。この工法は、洗掘が生じた部分を埋め戻す際に同時に洗掘監視装置を埋設する場合に好ましい施工法である。この施工法は、予め河床にケーシングチューブ27を埋設することなく、その代わりに、洗掘によって生じている穴38内に位置させて、埋設構造物41に沿わせて埋め殺しパイプ52を固定し、この埋め殺しパイプ52に、アプリケーションパイプ39内に挿入した脆弱柱体29を固定する点に特徴がある。センサ支持パイプ10には、該パイプと埋め殺しパイプ52を接続するための固定アーム51が固定されており、アプリケーションパイプ39には、この固定アーム51を通過させるスリット39aが形成されている。このアプリケーションパイプ39は、その周囲を埋め戻した後、引き抜かれる。アプリケーションパイプ39には、強度を高めるため、そのスリット39aの上端部を接続する固定板39bを設けることが好ましい。さらに、施工時にスリット39aが開くのを防止するための適宜の固定具を設けることができる。
埋設終了後の洗掘の検知態様は、全く同様である。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、長期に渡り洗掘を確実に検知することができる装置及び埋設施工方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による揺動式洗掘監視装置のセンサ支持パイプと一つのセンサ収納筐体回りの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV-IV 線に沿う断面図である。
【図5】揺動検知センサの一例を示す断面図である。
【図6】アプリケーションパイプ内に、センサ支持パイプに支持したセンサ収納筐体をを入れ土砂様物を充填した状態を示す断面図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】本発明による埋設方法の工程例を示す図である。
【図9】本発明による埋設方法の別の例を示す図である。
【図10】図9のX矢視図である。
【符号の説明】
10 センサ支持パイプ
11 センサ支持プレート
12 連絡孔
13 エルボ
20 センサ収納筐体
25 フレキシブルパイプ
26 補強用ワイヤ
27 ケーシングチューブ
28 土砂様物
29 脆弱柱体
30 揺動検知センサ
34 揺動検知スイッチ
36 信号線
38 穴
39 アプリケーションパイプ
40 河床
41 埋設構造物
42 ボーリング孔
43 監視装置
【技術分野】
本発明は、構造物の水面下の基礎部分周囲の洗掘を検知する装置及びその埋設施工方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
例えば、河川に掛かる橋脚の基礎部分の周囲の河床は、常時流れる水流によって洗掘され、基礎部分が水中に露出する可能性がある。洗掘は特に台風、洪水等の異常事態において生じ廉く、基礎部分の水中への露出の程度が甚だしくなれば、崩壊の危険が生ずる。
【0003】
洗掘検知センサは、このような危険を予知するためのセンサであるが、従来品あるいは従来装置は、長期に渡って確実な洗掘検知を行なうことが難しく、信頼性に乏しいものであった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、簡単な構造であって高い信頼性で長期に渡り洗掘を検知できる洗掘監視装置及びその埋設施工方法を得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明の洗掘監視装置は、河床に埋設される固定構造物に沿わせて、河床中に設けるセンサ支持パイプ;このセンサ支持パイプにフレキシブルパイプを介して接続された水密構造のセンサ収納筐体;このセンサ収納筐体内に支持された揺動検知センサ;この揺動検知センサを河床への埋設状態で上記センサ支持体に沿わせて略垂直位置に保持する手段;及びフレキシブルパイプとセンサ支持パイプを通して、上記揺動検知センサと地上の監視装置とを接続する信号線;を備えたことを特徴としている。
センサ支持パイプには、複数のセンサ収納筐体を河床の深さ方向に間隔をおいて設置することが好ましい。
【0006】
この装置によると、洗掘が進んでセンサ収納筐体が水中に露出すると、フレキシブルパイプを介してセンサ支持パイプに接続されているセンサ収納筐体がフリーになり、水流に任せて姿勢を変化させる。センサ収納筐体内には、揺動検知センサが入っているので、この姿勢の変化が、フレキシブルパイプとセンサ支持パイプ内の信号線を介して、地上の監視装置に伝達されるので、洗掘を検知することができる。
センサ収納筐体は、水流に任せて姿勢を変化させることができる軽量のものであればよいが、より好ましくは、水に浮く材質又は(及び)構造とするとよい。
【0007】
本発明の埋設方法は、洗掘が生じる前の埋設方法と、生じた後(つまり河床に穴が生じている状態)の埋設方法とでは異なる。
洗掘が生じる前の埋設方法は、揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;河床にケーシングチューブを埋設するステップ;センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを一緒に上記ケーシングチューブ内に挿入するステップ;及びセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、ケーシングチューブを河床から引き抜くステップ;を有することを特徴としている。
【0008】
また洗掘が生じた後の埋設方法は、揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;このセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを、一緒にアプリケーションパイプ内に挿入するステップ;アプリケーションパイプを河床に形成されている穴内に略垂直にして固定するステップ;穴を埋め戻すステップ;及びセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、アプリケーションパイプを河床から引き抜くステップ;を有することを特徴としている。
【0009】
センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とは、ケーシングチューブ(またはアプリケーションパイプ)内に挿入する前に、土砂様物で包み、該チューブ内径に対応する外径の脆弱柱体としておくことが好ましい。
センサ支持パイプには、複数の上記センサ収納筐体が深さ方向に間隔をおいて設置するのが実際的であり、センサ収納筐体は、水に浮く材質又は(及び)構造とすることが望ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
図1ないし図5は、センサ支持パイプ(電線管)10と、これに接続される一つのセンサ収納筐体20の周辺の構造を示している。センサ支持パイプ10は、河床中に略垂直に埋設固定されるもので、その長さ方向に間隔をおいて、軸線と直交する方向に向けて、センサ支持プレート11が溶接固定されている。また、各センサ支持プレート11の少し下方にそれぞれ穿設した連絡孔12の周囲に、エルボ13の一端部が同様に溶接固定されている。
【0011】
センサ支持プレート11上に支持されるセンサ収納筐体20は、例えば合成樹脂材料のような軽量で腐食しない材料からなるもので、有底本体21と、この有底本体21に固定ねじ22及び必要なパッキン等を介して水密に固定される蓋体23とからなっている。蓋体23には、パイプ接続具24が固定されていて、このパイプ接続具24を介して、センサ収納筐体20の内外が連通している。センサ収納筐体20は、その材質が比重が1より小さい材料からなり、また密閉構造であるので、水に浮く。
【0012】
パイプ接続具24とエルボ13との間は、例えば合成樹脂材料等からなる水密なフレキシブルパイプ25を介して接続されており、センサ収納筐体20の内部は、パイプ接続具24、フレキシブルパイプ25及びエルボ13を介してセンサ支持パイプ10の内部と連通している。フレキシブルパイプ25には、補強用のワイヤ26が沿えられていて、この補強用ワイヤ26の両端部はそれぞれセンサ収納筐体20の蓋体23と、エルボ13(センサ支持パイプ10)に固定されている。
【0013】
センサ収納筐体20内には、蓋体23の裏面に固定した揺動検知センサ(転倒検知スイッチ)30が収納されている。この揺動検知センサ30は、垂直状態から一定角度以上傾くと信号を発するもので、例えば、家庭用のストーブ等に用いられている周知のものを転用することができる。図5はその構造例で、軸線を垂直方向に向けて置くロート状のボール載置台31上にボール32が置かれており、揺動検知センサ30が垂直な状態(ロート状のボール載置台31の軸線が垂直を向く状態)では、このボール32がボール載置台31の底部にあるスイッチピン33を押して、揺動検知スイッチ34を閉じている。スイッチピン33は圧縮ばね35によって上昇方向に付勢されており、揺動検知センサ30が一定角度以上傾いてボール32がスイッチピン33上からこぼれると、スイッチピン33が上昇して揺動検知スイッチ34が開路する。この種のセンサは、各種の構造が知られており、図5は一例である。
【0014】
図6ないし図8は、以上の洗掘監視装置の埋設施工方法の一例を示している。この施工方法は、新規に洗掘監視装置を埋設する場合に好適なものである。予め、揺動検知センサ30を内蔵した複数のセンサ収納筐体20を用意する。複数のセンサ収納筐体20は、センサ支持パイプ10に軸線方向に位置を異ならせて設けた複数のエルボ13に対してそれぞれ、フレキシブルパイプ25を介して接続し、各揺動検知センサ30からの信号線36は、パイプ接続具24、フレキシブルパイプ25、エルボ13を介してセンサ支持パイプ10内に導く。各センサ収納筐体20は、対応するセンサ支持プレート11上に所定の方向を向けて(センサ支持パイプ10が垂直状態になるとき揺動検知センサ30も垂直設置状態になるように)載置し、仮止めする。仮止めには例えば、水に溶けるテープ37(図1)を用いることが好ましい。
【0015】
さらに、このセンサ支持パイプ10とセンサ収納筐体20の外囲及びセンサ収納筐体20の間等をベントナイト等の土砂様物28で包み、脆弱な棒状体(センシング柱体)29を作る。『脆弱』とは、センサ支持パイプ10に対するセンサ収納筐体20の姿勢を保持するには十分であるが、埋設後、周囲が洗掘されたときには、これらを露出させるとの意味である。具体的には、棒状に成形した土砂様物28の外周をクラフト紙28pで包み、さらに紙テープで止めることで、このような脆弱柱体29を作ることができる。
【0016】
一方、河床40には、橋脚の基礎のような埋設構造物41に沿わせて、ロータリパーカッションドリル等により垂直方向のボーリング孔42を穿けると同時に、このボーリング孔42にケーシングチューブ27を残す。このケーシングチューブ27内に、脆弱柱体29を挿入し、挿入が完了したら、棒状体29を残し、ケーシングチューブ27のみを引き抜く。センサ支持パイプ10内の信号線36は、センサ支持パイプ10の上端部から地上の監視装置43(図6)に接続する。以上の埋設状態では、センサ収納筐体20内の揺動検知センサ30は垂直方向を向き、揺動検知スイッチ34は閉じられている。
【0017】
洗掘が生じ、埋設構造物41の周囲の河床40が掘られると、クラフト紙29、土砂様物28、仮止めテープ37も流され、上方のセンサ収納筐体20から順に水流に曝される。センサ収納筐体20は、フレキシブルパイプ25を介してセンサ支持パイプ10に接続されているので、フレキシブルパイプ25の可撓性により水流に任せて姿勢を変化させ、揺動検知センサ30が信号を発する。すなわち、揺動検知センサ30内のボール32は、スイッチピン33上から移動してスイッチピン33が揺動検知スイッチ34を開き、この検知信号が信号線36を介して地上の監視装置43に伝達される。よって洗掘を検知することができる。センサ収納筐体20は、フレキシブルパイプ25だけでなく、補強用ワイヤ26によってもセンサ支持パイプ10に接続されているので、センサ収納筐体20が流失するおそれはない。
【0018】
図9、図10は、別の埋設施工方法を示している。この工法は、洗掘が生じた部分を埋め戻す際に同時に洗掘監視装置を埋設する場合に好ましい施工法である。この施工法は、予め河床にケーシングチューブ27を埋設することなく、その代わりに、洗掘によって生じている穴38内に位置させて、埋設構造物41に沿わせて埋め殺しパイプ52を固定し、この埋め殺しパイプ52に、アプリケーションパイプ39内に挿入した脆弱柱体29を固定する点に特徴がある。センサ支持パイプ10には、該パイプと埋め殺しパイプ52を接続するための固定アーム51が固定されており、アプリケーションパイプ39には、この固定アーム51を通過させるスリット39aが形成されている。このアプリケーションパイプ39は、その周囲を埋め戻した後、引き抜かれる。アプリケーションパイプ39には、強度を高めるため、そのスリット39aの上端部を接続する固定板39bを設けることが好ましい。さらに、施工時にスリット39aが開くのを防止するための適宜の固定具を設けることができる。
埋設終了後の洗掘の検知態様は、全く同様である。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、長期に渡り洗掘を確実に検知することができる装置及び埋設施工方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による揺動式洗掘監視装置のセンサ支持パイプと一つのセンサ収納筐体回りの正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV-IV 線に沿う断面図である。
【図5】揺動検知センサの一例を示す断面図である。
【図6】アプリケーションパイプ内に、センサ支持パイプに支持したセンサ収納筐体をを入れ土砂様物を充填した状態を示す断面図である。
【図7】図6の右側面図である。
【図8】本発明による埋設方法の工程例を示す図である。
【図9】本発明による埋設方法の別の例を示す図である。
【図10】図9のX矢視図である。
【符号の説明】
10 センサ支持パイプ
11 センサ支持プレート
12 連絡孔
13 エルボ
20 センサ収納筐体
25 フレキシブルパイプ
26 補強用ワイヤ
27 ケーシングチューブ
28 土砂様物
29 脆弱柱体
30 揺動検知センサ
34 揺動検知スイッチ
36 信号線
38 穴
39 アプリケーションパイプ
40 河床
41 埋設構造物
42 ボーリング孔
43 監視装置
Claims (11)
- 河床に埋設される固定構造物に沿わせて、河床中に設けるセンサ支持パイプ;
このセンサ支持パイプにフレキシブルパイプを介して接続された水密構造のセンサ収納筐体;
このセンサ収納筐体内に支持された揺動検知センサ;
この揺動検知センサを河床への埋設状態で上記センサ支持体に沿わせて略垂直位置に保持する手段;及び
上記フレキシブルパイプとセンサ支持パイプを通して、上記揺動検知センサと地上の監視装置とを接続する信号線;
を備えたことを特徴とする揺動式洗掘監視装置。 - 請求項1記載の揺動式洗掘監視装置において、センサ支持パイプには、複数の上記センサ収納筐体が河床の深さ方向に間隔をおいて設置されている揺動式洗掘監視装置。
- 請求項1または2記載の揺動式洗掘監視装置において、上記センサ収納筐体は、水に浮く材質又は(及び)構造である揺動式洗掘監視装置。
- 揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;
このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;
上記センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;
河床にケーシングチューブを埋設するステップ;
上記センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを一緒に上記ケーシングチューブ内に挿入するステップ;及び
上記センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、ケーシングチューブを河床から引き抜くステップ;
を有することを特徴とする揺動式洗掘監視装置の埋設方法。 - 請求項4記載の埋設方法において、さらに、上記センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを、ケーシングチューブ内に挿入する前に、土砂様物で包み、該チューブ内径に対応する外径の脆弱柱体とするステップを有する揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
- 請求項4または5記載の埋設方法において、センサ支持パイプには、複数の上記センサ収納筐体が深さ方向に間隔をおいて設置される揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
- 請求項4ないし6のいずれか1項記載の埋設方法において、上記センサ収納筐体は、水に浮く材質又は(及び)構造である揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
- 揺動検知センサを水密構造のセンサ収納筐体内に収納するステップ;
このセンサ収納筐体を、フレキシブルパイプを介して、センサ支持パイプに接続するステップ;
上記センサ収納筐体を、センサ支持パイプに対して所定の方向に向けて仮止めするステップ;
このセンサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを、一緒にアプリケーションパイプ内に挿入するステップ;
上記アプリケーションパイプを河床に形成された穴内に略垂直にして固定するステップ;
上記穴を埋め戻すステップ;及び
上記センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体を河床中に残して、アプリケーションパイプを河床から引き抜くステップ;
を有することを特徴とする揺動式洗掘監視装置の埋設方法。 - 請求項4記載の埋設方法において、さらに、上記センサ支持パイプと該支持パイプに仮止めしたセンサ収納筐体とを、アプリケーションパイプ内に挿入する前に、土砂様物で包み、該パイプ内径に対応する外径の脆弱柱体とするステップを有する揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
- 請求項8または9記載の埋設方法において、センサ支持パイプには、複数の上記センサ収納筐体が深さ方向に間隔をおいて設置される揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
- 請求項8ないし10のいずれか1項記載の埋設方法において、上記センサ収納筐体は、水に浮く材質又は(及び)構造である揺動式洗掘監視装置の埋設方法。
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