JP3758310B2 - 空気調和機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は空気調和機に関し、より詳しくは、管内を流れる流体と管外を流れる流体との間の伝熱を促進するために、管の内壁に溝を有する伝熱管要素として含む熱交換器を備え、この熱交換器に冷媒を流して、上記伝熱管の管外を流れる空気と管内を流れる冷媒との間で熱交換を行う空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機の熱交換器などに用いられる伝熱管では、管内を流れる冷媒と管外を流れる空気との間の伝熱を促進するために、管の内壁に沿って管軸方向に螺旋状に延びる溝が形成されることが多い。これらの溝の存在により、管の内壁に生じた冷媒の液膜を薄くかつ均一化して、管の伝熱性能を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、伝熱管を流れる冷媒の二相流において液流量が多い場合、管の内壁に生じた液膜を薄くかつ均一化するという効果が低下する。特に、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を冷却して凝縮させる使用態様では、管の内壁に冷媒の液膜による伝熱抵抗が絶えず存在して、管の伝熱性能が低下する。
【0004】
そこで、この発明の目的は、管の内壁に生じた冷媒の液膜による伝熱抵抗を低減して、伝熱性能を高めることができる伝熱管を要素として含む熱交換器を備えて、熱交換効率を高めることができる空気調和機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の空気調和機は、伝熱管を要素として含む熱交換器と、膨張機構と、圧縮機を備える空気調和機であって、
上記伝熱管は、管の内壁に溝を有し、
上記溝に堰が設けられ、
上記堰は、上記溝に沿った方向に関して上記溝の底面からこの底面に対して垂直に立ち上がる垂直面と、上記溝に沿った方向に関して上記溝の底面からこの底面に対して斜めに立ち上がる斜面とを持ち、
上記熱交換器を蒸発器として動作させるときの上流側となる堰の面の傾斜よりも、凝縮器として動作させるときの上流側となる堰の面の傾斜の方が急であることを特徴とする。
【0006】
この発明の空気調和機では、上記伝熱管を要素として含む熱交換器を凝縮器として動作させるとき、上記伝熱管に冷媒を流す向きは、上記堰の上記垂直面が上流側、上記堰の上記斜面が下流側に設定される。この結果、上記堰の上記垂直面によって上記溝内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、伝熱管の内壁に生じた冷媒の液膜が効果的に薄くかつ均一化されて、伝熱管の伝熱性能が高まり、上記熱交換器の熱交換効率が高まる。一方、上記熱交換器を蒸発器として動作させるとき、上記伝熱管に冷媒を流す向きは、上記堰の上記斜面が上流側、上記堰の上記垂直面が下流側となる向きに設定される。この結果、上記堰の上記斜面が上記溝内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせる。したがって、伝熱管の内壁に生じた冷媒の液膜が薄くかつ均一化されて伝熱管の伝熱性能が高まり、上記熱交換器の熱交換効率が高まる。これとともに、上記垂直面によって冷媒の液流を飛散させる場合に比して、上記熱交換器の伝熱管内を流れる冷媒の圧力損失が少なくなる。
【0007】
別の局面では、この発明の空気調和機は、
伝熱管を要素として含む熱交換器と、膨張機構と、圧縮機を備える空気調和機であって、
上記伝熱管は、管の内壁に溝を有し、
上記溝に堰が設けられ、
上記堰は、上記溝に沿った方向に関して上記溝の底面からこの底面に対して斜めに立ち上がる一対の斜面を持ち、
上記堰の上記一対の斜面は、上記溝の底面となす角度が互いに異なる急斜面と緩斜面であり、
上記熱交換器を蒸発器として動作させるときの上流側となる堰の面の傾斜よりも、凝縮器として動作させるときの上流側となる堰の面の傾斜の方が急であることを特徴とする。
【0008】
この発明の空気調和機では、上記伝熱管を要素として含む熱交換器を凝縮器として動作させるとき、上記伝熱管に冷媒を流す向きは、上記堰の上記急斜面が上流側、上記堰の上記緩斜面が下流側となる向きに設定される。この結果、上記堰の上記急斜面によって上記溝内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、伝熱管の内壁に生じた冷媒の液膜が効果的に薄くかつ均一化されて、伝熱管の伝熱性能が高まり、上記熱交換器の熱交換効率が高まる。一方、上記熱交換器を蒸発器として動作させるとき、上記伝熱管に冷媒を流す向きは、上記堰の上記緩斜面が上流側、上記堰の上記急斜面が下流側となる向きに設定される。この結果、上記堰の上記緩斜面が上記溝内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせる。したがって、伝熱管の内壁に生じた冷媒の液膜が薄くかつ均一化されて伝熱管の伝熱性能が高まり、上記熱交換器の熱交換効率が高まる。これとともに、上記急斜面によって冷媒の液流を飛散させる場合に比して、上記熱交換器の伝熱管内を流れる冷媒の圧力損失が少なくなる。
【0009】
なお、この発明の空気調和機は、上記いずれの局面でも、冷房または暖房専用(四路切換弁なし)、冷暖房兼用(四路切換弁あり)のいずれにも適用され得る。
【0010】
一実施形態の空気調和機は上記伝熱管に流す冷媒が非共沸混合冷媒であることを特徴とする。
【0011】
この一実施形態の空気調和機では、上記伝熱管に流す冷媒が非共沸混合冷媒であるから、特に上記伝熱管の作用効果が顕著に現れる。すなわち、上記伝熱管は、単一冷媒(HCFC22など)、擬似共沸混合冷媒(HFC410Aなど)、非共沸混合冷媒(HFC407Cなど)のいずれを流す場合においても効果がある。しかし、非共沸混合冷媒では、沸点の低い冷媒が沸点の高い冷媒よりも先に液化するため、沸点の低い冷媒が管の内壁に厚い液膜として存在すると、沸点の高い冷媒の凝縮が妨げられて、熱交換器全体としての能力が単一冷媒や擬似共沸混合冷媒を流す場合よりも大きく低下する。したがって、上記伝熱管に流す冷媒が非共沸混合冷媒である場合は、溝に設けられた堰によって上記溝内を流れる冷媒の液流を飛散させ又はその溝から溢れさせることにより、上記熱交換器の熱交換効率を顕著に高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は一実施形態の空気調和機に用いられる伝熱管10の一部を切り欠いて示している。この伝熱管10は、管の内壁に生じた冷媒の液膜を導くように、管の内壁13に沿って互いに並行に延びる複数の溝14を有している。局所的に見ると、各溝14は、平坦な底面14bと、この底面14bの両側から立ち上がり管の中心部に対して開いた側面14a,14cとで形成されている。管の外壁11は、管の外径を規定する円筒面をなしている。
【0014】
また、図3(a)は、この伝熱管10を管軸方向Xに沿って割り、XY平面に展開した状態を示している。この図3(a)から分かるように、展開状態では各溝14は管軸方向Xに対して一定の角度αだけ傾斜しており、完成状態では各溝14は管軸方向Xに螺旋状になって延びる。したがって、各溝14が管軸方向Xに直線状に延びる縦溝である場合に比して、管内を流れる冷媒の管軸方向Xの流速を遅くして、管の伝熱性能を高めることができる。
【0015】
各溝14の特定の箇所に、溝14内を流れる冷媒の液流を飛散させ又はその溝14から溢れさせる堰15が設けられている。各溝14の堰15は隣り合って配置されて列をなしている。図3(a)の展開状態では堰15の列は管軸方向Xに対して一定の角度βだけ傾斜し、溝14が延びる方向AA′に対して角度(α+β)をもって交差している。分かるように、完成状態では堰15の列も管軸方向Xに螺旋状になって延びる。このようにした場合、堰15が各溝14にランダムに配置される場合に比して、管の内壁13の形状パターンを単純化でき、伝熱管10を容易に作製することができる。
【0016】
図2(a)に示すように、各堰15は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14に対して垂直に立ち上がる一対の垂直面15a,15cを持っている。図1に示すように、堰15の上面15bは、管の内壁13とともに、管の内径を規定する円筒面の一部をなしている。
【0017】
使用時には、例えばこの伝熱管10の管外に空気が流され、管内に管軸方向X(図3(a)参照)に冷媒が流される。これにより、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を冷却して凝縮させる。このとき、溝14に設けられた堰15が溝14内を流れる冷媒の液流を主に飛散させるので、この堰15が無い場合に比して、管の内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化できる。したがって、管の伝熱性能を高めることができる。
【0018】
図2(b),(c)は上述の堰15に代わる別の堰16,17を示している。堰16は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対してそれぞれ角度θ1,θ2で斜めに立ち上がる一対の斜面16a,16cを持っている。この例ではθ1=θ2=45°である。堰16の上面16bは、管の内径を規定する円筒面の一部をなしている。また、堰17は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対してそれぞれ角度θ1,θ2で斜めに立ち上がる一対の斜面17a,17cを持っている。この例ではθ1=θ2=45°である。堰17は上面を持たず、頂点17bを持っている。
【0019】
このような堰16,17を設けた場合、堰16,17の斜面16a,16c;17a,17cが溝14内を流れる冷媒の液流を主にその溝14から溢れさせて隣の溝14へ移す。したがって、管の内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化できる。したがって、管の伝熱性能を高めることができる。また、堰15を設けた場合の如く垂直面15a,15bによって冷媒の液流を飛散させる場合に比して、管内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0020】
図2(d),(e)はさらに別の堰18,19を示している。堰18は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対して垂直に立ち上がる垂直面18aと、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対して角度θ2で斜めに立ち上がる斜面18cとの対を持っている。この例ではθ2=45°である。堰18の上面18bは、管の内径を規定する円筒面の一部をなしている。なお図3(b)は、この堰18を有する伝熱管10(区別のため、特に「10D」と呼ぶ)を管軸方向Xに沿って割り、XY平面に展開した状態を示している。図2(e)に示す堰19は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対して垂直に立ち上がる垂直面19aと、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対して斜めに立ち上がる斜面19cとの対を持っている。この例ではθ2=45°である。堰19は上面を持たず、頂点19bを持っている。
【0021】
堰18を設けた場合について言うと、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を冷却して凝縮させる使用態様では、堰の垂直面18aが上流側、堰の斜面18cが下流側となる向きに冷媒が流される。このとき、堰の垂直面18aによって溝14内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、管の内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化して、管の伝熱性能を高めることができる。逆に、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を加熱して蒸発させる使用態様では、堰の斜面18cが上流側、堰の垂直面18aが下流側となる向きに冷媒が流される。このとき、堰の斜面18cが溝14内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせるので、管の内壁に生じた冷媒の液膜を薄くかつ均一化して管の伝熱性能を高めるとともに、垂直面によって冷媒の液流を飛散させる場合に比して管内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0022】
また、堰19を設けた場合も、堰18を設けた場合と全く同様の作用効果を奏することができる。
【0023】
図2(d),(e)はさらに別の堰20,21を示している。堰20は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対してそれぞれ角度θ1,θ2で斜めに立ち上がる一対の斜面20a,20cを持っている。この例ではθ1=60°、θ2=30°である。堰20の上面20bは、管の内径を規定する円筒面の一部をなしている。また、堰21は、溝14に沿った方向AA′に関して溝14の底面14bからこの底面14bに対してそれぞれ角度θ1,θ2で斜めに立ち上がる一対の斜面21a,21cを持っている。この例ではθ1=60°、θ2=30°である。堰21は上面を持たず、頂点21bを持っている。
【0024】
堰20を設けた場合について言うと、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を冷却して凝縮させる使用態様では、堰の垂直面20aが上流側、堰の斜面20cが下流側となる向きに冷媒が流される。このとき、堰の垂直面20aによって溝14内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、管の内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化して、管の伝熱性能を高めることができる。逆に、管外を流れる空気によって管内を流れる冷媒を加熱して蒸発させる使用態様では、堰の斜面20cが上流側、堰の垂直面20aが下流側となる向きに冷媒が流される。このとき、堰の斜面20cが溝14内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせるので、管の内壁に生じた冷媒の液膜を薄くかつ均一化して管の伝熱性能を高めるとともに、垂直面によって冷媒の液流を飛散させる場合に比して管内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0025】
また、堰21を設けた場合も、堰20を設けた場合と全く同様の作用効果を奏することができる。
【0026】
なお、溝14は、螺旋状の溝の他、管軸方向Xに直線状に延びる縦溝であっても良い。
【0027】
また、図2(a),(b),(d),(f)の伝熱管15,16,18,20では、上記堰の上面15b,16b,18b,20bは管の内径を規定する円筒面の一部をなすものとしたが、これに限られるものではない。各堰15,16,18,20の上面のレベルが管の内壁13と溝の底面14bとの間に位置していても良い。このようにした場合、各堰の上面のレベルが管の内壁のレベルと一致する場合に比して、液膜の排除性は若干劣るが、管内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0028】
図4は上述の伝熱管10D(堰18を設けたもの)を要素として含む室外熱交換器3,室内熱交換器5を備えた空気調和機の冷媒回路1を示している。
【0029】
この冷媒回路1には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2と、冷媒の流れの向きを切り換える切換手段としての四路切換弁9と、室外熱交換器3と、膨張機構としての膨張弁4と、室内熱交換器5と、冷媒を蓄積するアキュムレータ8が設けられている。
【0030】
室外熱交換器3と室内熱交換器5は、それぞれ蛇行した形状の伝熱管10Dに図示しない多数のフィンを取り付けて構成されている。室外熱交換器3の伝熱管10Dは、図3(b)における管軸方向の(+X)側がポート3a側、管軸方向の(−X)側がポート3b側となる向きに配置されている。また、室内熱交換器5の伝熱管10Dは、図3(b)における管軸方向の(+X)側がポート5a側、管軸方向の(−X)側がポート3b側となる向きに配置されている。室外熱交換器3と室内熱交換器5は、伝熱管10Dの管外を流れる空気と管内を流れる冷媒との間で熱交換を行う。
【0031】
ここで、冷媒回路1に流す冷媒は非共沸混合冷媒(HFC407Cなど)であるものとする。これは、既に述べたように、非共沸混合冷媒では、単一冷媒や擬似共沸混合冷媒を流す場合に比して、溝14内を流れる冷媒の液流を飛散等させて熱交換器の熱交換効率を高める必要性が大きいからである。
【0032】
冷房運転時は、四路切換弁9の切り換えによって、図4中に実線で示す矢印Cの向きに冷媒が流される。これにより、室外熱交換器3が凝縮器、室内熱交換器5が蒸発器として働いて冷凍サイクルが実行される。このとき、凝縮器として動作する室外熱交換器3の伝熱管10には、図3(b)における堰18の垂直面18aが上流側、堰18の斜面18cが下流側となる向きに冷媒が流れる。この結果、堰18の垂直面18aによって溝14内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、伝熱管10Dの内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化して、伝熱管10Dの伝熱性能を高めることができ、室外熱交換器3の熱交換効率を高めることができる。一方、蒸発器として動作する室内熱交換器5には、堰18の斜面18cが上流側、堰18の垂直面18aが下流側となる向きに冷媒が流れる。この結果、堰18の斜面18cが溝14内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせる。したがって、伝熱管10Dの内壁に生じた冷媒の液膜を薄くかつ均一化して、伝熱管10Dの伝熱性能を高めることができ、室内熱交換器5の熱交換効率を高めることができる。これとともに、垂直面18aによって冷媒の液流を飛散させる場合に比して、室内熱交換器5の伝熱管10D内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0033】
一方、暖房運転時は、四路切換弁9の切り換えによって、図4中に破線で示す矢印Wの向きに冷媒が流される。このとき、室内熱交換器5が凝縮器、室外熱交換器3が蒸発器として働いて暖房サイクルが実行される。このとき、凝縮器として動作する室内熱交換器5の伝熱管10には、図3(b)における堰18の垂直面18aが上流側、堰18の斜面18cが下流側となる向きに冷媒が流れる。この結果、堰18の垂直面18aによって溝14内を流れる冷媒の液流が効果的に飛散される。したがって、伝熱管10Dの内壁に生じた冷媒の液膜を効果的に薄くかつ均一化して、伝熱管10Dの伝熱性能を高めることができ、室内熱交換器5の熱交換効率を高めることができる。一方、蒸発器として動作する室外熱交換器3には、堰18の斜面18cが上流側、堰18の垂直面18aが下流側となる向きに冷媒が流れる。この結果、堰18の斜面18cが溝14内を流れる冷媒を主にその溝から溢れさせる。したがって、伝熱管10Dの内壁に生じた冷媒の液膜が薄くかつ均一化して伝熱管10Dの伝熱性能を高めることができ、室外熱交換器3の熱交換効率を高めることができる。これとともに、垂直面18aによって冷媒の液流を飛散させる場合に比して、室外熱交換器3の伝熱管10D内を流れる冷媒の圧力損失を少なくすることができる。
【0034】
なお、伝熱管10D(堰18を設けたもの)に代えて、図2(e),(f)または(g)に示した伝熱管を含む室外熱交換器3,室内熱交換器5に同じ向きに配置した場合も、同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
また、ここでは冷暖房兼用(四路切換弁あり)の空気調和機について説明したが、当然ながら、この発明は冷房または暖房専用(四路切換弁なし)の空気調和機にも適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の空気調和機によれば、熱交換器の要素として含まれる伝熱管の内壁に生じた冷媒の液膜による伝熱抵抗を低減して、伝熱性能を高めることができるので、熱交換効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の空気調和機に用いられる伝熱管の一部を示す斜視図である。
【図2】 上記伝熱管の溝に設けられる各種の堰の、上記溝に沿った方向の断面を示す図である。
【図3】 上記伝熱管を管軸方向に沿って割り、展開した状態を示す図である。
【図4】 この発明の一実施形態の空気調和機の冷媒回路を示す図である。
【符号の説明】
1 冷媒回路
3 室外熱交換器
5 室内熱交換器
10 伝熱管
14 溝
15,16,17,18,19,20,21 堰

Claims (3)

  1. 伝熱管(10)を要素として含む熱交換器(3,5)と、膨張機構(4)と、圧縮機(2)を備える空気調和機であって、
    上記伝熱管(10)は、管の内壁(13)に溝(14)を有し、
    上記溝(14)に堰(18,19)が設けられ、
    上記堰(18,19)は、上記溝に沿った方向(AA′)に関して上記溝の底面(14b)からこの底面(14b)に対して垂直に立ち上がる垂直面(18a,19a)と、上記溝に沿った方向(AA′)に関して上記溝の底面(14b)からこの底面(14b)に対して斜めに立ち上がる斜面(18c,19c)とを持ち、
    上記熱交換器(3,5)を蒸発器として動作させるときの上流側となる堰の面(18c,19cの傾斜よりも、凝縮器として動作させるときの上流側となる堰の面(18a,19aの傾斜の方が急であることを特徴とする空気調和機。
  2. 伝熱管(10)を要素として含む熱交換器(3,5)と、膨張機構(4)と、圧縮機(2)を備える空気調和機であって、
    上記伝熱管(10)は、管の内壁(13)に溝(14)を有し、
    上記溝(14)に堰(20,21)が設けられ、
    上記堰(20,21)は、上記溝に沿った方向(AA′)に関して上記溝(14)の底面(14b)からこの底面(14b)に対して斜めに立ち上がる一対の斜面(20a,20c;21a,21c)を持ち、
    上記堰(20,21)の上記一対の斜面は、上記溝の底面(14b)となす角度が互いに異なる急斜面(20a,21a)と緩斜面(20c,21c)であり、
    上記熱交換器(3,5)を蒸発器として動作させるときの上流側となる堰の面20c,21c)の傾斜よりも、凝縮器として動作させるときの上流側となる堰の面20a,21a)の傾斜の方が急であることを特徴とする空気調和機
  3. 請求項1または2に記載の空気調和機において、
    上記伝熱管(10)に流す冷媒が非共沸混合冷媒であることを特徴とする空気調和機。
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