JP3757574B2 - フェーズドアレーレーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子的にビーム走査を行うフェーズドアレーアンテナを用いたレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず従来のフェーズドアレーレーダ装置の例について説明する。図25は通常のフェーズドアレーレーダ装置のブロック図である。1は素子アンテナ、2は複数個の素子アンテナ1の配列から成るアンテナ開口面、3は1個1個の素子アンテナ1と直結され、各素子アンテナ1に供給される送信信号あるいは各素子アンテナ1で受信された受信信号の透過位相制御の働きをする移相器、4は送信時に各素子アンテナ1への送信信号の分配供給、受信時に各素子アンテナ1からの受信信号の合成を行う電力合成分配回路であり、以上によりフェーズドアレーアンテナ5が構成される。5aはフェーズドアレーアンテナ5の信号入出力端子である。また6は信号の送受分離を行うサーキュレータで6a,6b,6cはそれぞれその送信端子、共通端子、受信端子、8は上記サーキュレータ6の受信端子6cから給電線7を介して供給されるアレーアンテナ受信信号S3の増幅、ローカル信号S5の供給を受けて中間周波数信号S4への変換を行うフロントエンドで8a,8b,8cはそれぞれそのアレーアンテナ受信信号入力端子、中間周波数に変換されたアレーアンテナ受信信号出力端子、ローカル信号入力端子、9は上記フロントエンド8で中間周波数信号S4を生成するためのローカル信号S5の送出、上記フロントエンド8から送出された中間周波数信号S4の受信処理、ビデオ信号S6の送出、送信信号S2のRF原信号S1の励振等を行う励振受信機、10は該励振受信機9からのRF原信号S1を増幅してサーキュレータ6を経由してフェーズドアレーアンテナ5へ送信信号S2として送出する送信機、11は該励振受信機9からのビデオ信号S6を受けての受信信号処理、アンテナビームマネージメント等の各種レーダ信号処理を行う信号処理器、12は上記信号処理器11からの指令信号S7によりアンテナビーム走査のための演算を行い各移相器3へビーム制御信号S8を送出する制御器である。
【0003】
図26はアンテナ開口面2上の素子アンテナ1の配列を示す図である。この例ではアンテナ開口面2であるXY平面上にX軸方向の素子間隔dx 、Y軸方向の素子間隔dy の矩形配列で素子アンテナ1を並べている。配列はX軸及びY軸に関して対称でX軸方向の列の数、Y軸方向の行の数は共に偶数でそれぞれ2Nx ,2Ny 全素子アンテナ数はNとする。また図27ではθ−φ座標系の角度と座標軸の関係を定義している。図中Pは無限遠方の観測点である。
【0004】
次に動作原理を説明する。図26に示すアンテナ開口面2上のN個の素子アンテナから成る平面アレーアンテナにおいてi番目の素子アンテナ1(i=1,2,・・・,N)の位置座標を(Xi ,Yi )、励振振幅をAi 、励振位相をψi 、放射指向性をfi (θ,φ)とすると、フェーズドアレーアンテナ5の信号入出力端子5aで見たアレーアンテナの放射指向性は指向性の積の原理により数1で表わされる。
【0005】
【数1】
Figure 0003757574
【0006】
数1においてkは波数(k=2π/λ、λは波長)である。ここで簡単のために各素子アンテナ1の励振振幅を等振幅(Ai =1)、放射指向性は全素子アンテナに共通でf(θ,φ)とすると数1は数2のように書き換えられる。
【0007】
【数2】
Figure 0003757574
【0008】
次にフェーズドアレーアンテナ5の信号入出力端子5aで見たアレーアンテナの放射指向性を空間内の任意の角度(θs ,φs )で最大とする、即ち(θs ,φs )方向にアンテナビームを走査するためには数2における各素子アンテナ1の励振位相ψi が数3の値を取るように各素子アンテナ1の1個1個に対応して接続される移相器3の透過位相を設定すればよい。
【0009】
【数3】
Figure 0003757574
【0010】
さらに現象を簡略化した例としてビーム走査方向を図27のXZ平面内、即ちφ=0の面内とするとφs =0となり、数3は数4のように書き換えられる。
【0011】
【数4】
Figure 0003757574
【0012】
このときフェーズドアレーアンテナ5の信号入出力端子5aで観測されるXZ平面内の角度θに関する放射指向性の式はビーム走査角θs をパラメータとして数5となる。
【0013】
【数5】
Figure 0003757574
【0014】
ここで具体的な計算例を示す。図26に示すアンテナ開口面2上の素子アンテナ1の配列は一部間引きを含むdx =dy の正方形配列、配列の行及び列の数は2Nx =2Ny =44、素子数はN=1044である。素子アンテナとしてf(θ,φ)=cos0.425 θで表される回転対称形の振幅指向性と可視領域内で一様な位相指向性を有するものを用いる。ここで波長換算の素子間隔がdx /λ=dy /λ=0.56となるような周波数においてXZ平面内45゜及び55゜の角度方向にビーム走査を行うものとする。このときに得られる放射指向性の計算結果を図28及び図29に示す。
【0015】
波長換算の素子間隔が広くなると、広角ビーム走査時、図29に示すように可視領域内にグレーティングローブが発生することがわかる。グレーティングローブの発生角度θg はビーム走査方向の素子アンテナ配列間隔d、波長λ、ビーム走査各θs の関数として数6で与えられる。
【0016】
【数6】
Figure 0003757574
【0017】
数6においてd/λ=0.56、θs =55゜とするとθg =−75゜となり、図29の角度−75゜に高いレベルの放射が観測されることに対応する。可視領域内へのグレーティングローブの発生を避けるためには数6で表されるsinθg の絶対値が1以上の値となるよう素子間隔d/λを狭くすればよい。しかしながら高い周波数、特にミリ波帯等において上記の条件を守って素子アンテナを配列する場合にはその配列間隔が極めて狭いものとなり、これと同一の間隔で素子アンテナと同数の移相器及びその周辺回路を実装しようとすると、これらに極限的な小型化が要求されることになり実現性が大きな問題となる。またレーダ装置が広帯域なものの場合には素子アンテナそのものにも広帯域性が要求されるためこの小型化が難しい。したがって配列の素子間隔が広くなり周波数帯域の上限周波数付近では波長換算の素子間隔d/λが大きくなり、グレーティングローブの発生が避けられない状況となりやすい。グレーティングローブは主ビームとほぼ同等の放射強度を有しているためグレーティングローブ方向からの入射を通常のサイドローブブランカ等のレーダ信号処理によって判別除去することが難しく、レーダ装置の運用上誤探知、誤追尾等の不具合を招きやすい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来のフェーズドアレーレーダ装置はその使用周波数が高い場合、あるいは使用周波数帯域幅が広い場合に、素子アンテナ、移相器等の実装上の都合により配列の素子間隔を広く取ったことにより発生するグレーティングローブと主ビームの判別がつかず、誤探知、誤追尾等のレーダシステム運用上の悪影響がでやすいという問題点があった。
【0019】
この発明に係わるフェーズドアレーレーダ装置は上記のような問題点を解消するためのもので、可視領域内にグレーティングローブが発生するような条件で設計されたフェーズドアレーアンテナを用いた場合にも、このアンテナによって受信された信号が主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判別し、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避けることで安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにし、さらにアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力を取り出せるようにし、アレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変移相器によってこの両信号の位相差を所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して位相比較し、その結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0021】
また、第2の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにし、さらにアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力を取り出せるようにし、アレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器と可変移相器によってこの両信号の振幅及び位相差を所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して振幅及び位相を比較し、その結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはその他のサイドローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0022】
また、第3の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにした上でこの出力側に電力分配器を設けて上記受信信号を第1の基準信号、第2の基準信号に分割し、更にアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力信号を取り出せるようにし、更にアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器と可変移相器によってこの両信号の振幅比及び位相差を所定の最適値に合わせた後別に設けた電力合成器に投入して両信号を等位相合成した信号を生成し、更にこの合成信号の振幅と第1の基準信号の振幅とを第1の基準信号伝送路経路に設けた可変減衰器により所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して振幅比較し、その大小関係によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0023】
また、第4の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにした上でこの出力側に電力分配器を設けて上記受信信号を第1の基準信号、第2の基準信号に分割し、更にアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力信号を取り出せるようにし、更にアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号がアレーアンテナによる受信信号の分岐出力の方が大振幅となるような所定の振幅比を持つように調整し、更に同じくアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号の位相が等位相あるいは逆位相のいずれかとなるように調整した後別に設けた電力合成器に投入して両信号を合成した信号を生成し、更にこの合成信号の位相と第1の基準信号の位相とを第1の基準信号伝送経路に設けた可変移相器により所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して位相比較し、両者が等位相関係にあるか逆位相関係にあるかによりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0024】
また、第5の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにした上でこの出力側に電力分配器を設けて上記受信信号を第1の基準信号、第2の基準信号に分割し、更にアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力信号を取り出せるようにし、更にアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号がアレーアンテナによる受信信号の分岐出力の方が大振幅となるような所定の振幅比を持つように調整し、更に同じくアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号の位相が等位相あるいは逆位相のいずれかとなるように調整した後別に設けた電力合成器に投入して両信号を合成した信号を生成し、更にこの合成信号の振幅、位相と第1の基準信号の振幅、位相とを第1の基準信号伝送経路に設けた可変減衰器と可変移相器により所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して比較し、両信号の振幅、位相比較結果からフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0025】
また、第6の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにした上でこの出力側に電力分配器を設けて上記受信信号を第1の基準信号、第2の基準信号に分割し、更にアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力信号を取り出せるようにし、更にアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号がアレーアンテナによる受信信号の分岐出力信号の方が大振幅となるような所定の振幅比を持つように調整し、更に同じくアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変移相器によってこの両信号の位相が等位相となるように調整した後別に設けた180゜ハイブリッド回路に投入して両信号を等位相合成した信号及び逆位相合成した信号を生成し、更にこの両合成信号の位相と第1の基準信号の位相とを第1の基準信号伝送経路に設けた可変移相器により所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して比較し、この3つの信号の位相比較結果からフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0026】
また、第7の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、アンテナ開口面中央部に指向性の広い独立した基準アンテナを設けてこれによる受信信号を取り出せるようにした上でこの出力側に電力分配器を設けて上記受信信号を第1の基準信号、第2の基準信号に分割し、更にアレーアンテナでの受信信号出力部には方向性結合器を設けて分岐出力信号を取り出せるようにし、更にアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変減衰器によってこの両信号がアレーアンテナによる受信信号の分岐出力信号の方が大振幅となるような所定の振幅比を持つように調整し、更に同じくアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号伝送経路に設けた可変移相器によってこの両信号の位相が等位相となるように調整した後別に設けた180゜ハイブリッド回路に投入して両信号を等位相合成した信号及び逆位相合成した信号を生成し、更にこの両合成信号の振幅、位相と第1の基準信号の振幅、位相とを第1の基準信号伝送経路に設けた可変減衰器と可変移相器により所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して比較し、この3つの信号の振幅、位相比較結果からフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるような手段を備えたものである。
【0027】
また、第8の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、第1の発明、あるいは第2の発明、あるいは第3の発明、あるいは第4の発明、あるいは第5の発明、あるいは第6の発明、あるいは第7の発明によるフェーズドアレーレーダ装置において、可変減衰器の減衰量とあるいは可変移相器の移相量のいずれか若しくはその両方を動作周波数に応じた最適値となるよう変化させ、信号比較回路において比較すべき2つの信号あるいは3つの信号の振幅比あるいは位相差が動作周波数帯域内の全ての周波数において所定の値となるよう調整できる手段を具備したものである。
【0028】
また、第9の発明によるフェーズドアレーレーダ装置は、第1の発明、あるいは第2の発明、あるいは第3の発明、あるいは第4の発明、あるいは第5の発明、あるいは第6の発明、あるいは第7の発明によるフェーズドアレーレーダ装置に対して、励振受信機内に校正信号送出機能を付加し、更にアレーアンテナでの受信信号伝送経路及び基準アンテナでの受信信号伝送経路のいずれか一方あるいはその両方にRFスイッチを付加し、更に上記校正信号を上記それぞれのRFスイッチに分配する電力分配器を付加し、レーダ運用時に適時上記RFスイッチの接続を切り替えて校正信号を信号比較回路に投入してそれぞれの信号の伝送経路の透過振幅あるいは透過位相あるいはその両方を測定して事前に取得保持されている基準温度における測定結果と比較し、その比較結果から構成要素である可変減衰器の減衰量あるいは可変移相器の移相量を動作温度に応じた最適値に補正設定できるような手段を付加したものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示すフェーズドアレーレーダ装置のブロック図である。図中13はアンテナ開口面2の中央に設けられた基準アンテナであり、その給電端子13aは給電線14を介してフロントエンド8に設けられた第2の入力端子8dと接続される。この経路には基準信号S9が伝送される。15はサーキュレータ6の受信端子6cに接続された方向性結合器であり15aはその入力端子、15bはその出力端子、15cはその結合端子である。上記結合端子15cには可変減衰器16と可変移相器17が接続され、更に給電線18を介してフロントエンド8に設けられた第3の入力端子8eと接続される。この経路にはアレーアンテナ受信信号S3の分岐出力S10が伝送される。また出力端子15bは給電線7を介してフロントエンド8の第1の入力端子であるアレーアンテナ受信信号入力端子8aと接続されている。またフロントエンド8には増幅後中間周波数に変換された基準信号S11の出力される第2の出力端子8fと、同じく増幅後中間周波数に変換されたアレーアンテナ受信信号の分岐出力S12の出力される第3の出力端子8gが備わる。19は信号比較回路であり、フロントエンド8の第2の出力端子8fと給電線20を介して接続される第1の入力端子19aと、フロントエンド8の第3の出力端子8gと給電線21を介して接続される第2の入力端子19bを有している。その他図25と同一符号を付した部分は図25におけるのと同一または相当部分を示す。
【0030】
図2はアンテナ開口面2内の素子アンテナ1の配列を示す図である。XY平面上にX軸方向の素子間隔dx 、Y軸方向の素子間隔dy の矩形配列でX軸及びY軸に関して対称に素子アンテナ1が並び、X軸方向の列数2Nx =44、Y軸方向の行の数2Ny =44である点は従来のフェーズドアレーレーダ装置の例である図26と同様であるが、開口中央部の4つの素子アンテナを削除し、ここに素子アンテナ1と同じ種類のアンテナを1個設けてこれを基準アンテナ13としている。フェーズドアレーアンテナ5の全素子アンテナ数Nは1040である。
【0031】
ここで従来のフェーズドアレーレーダ装置の動作原理説明に用いた一例におけるのと同じくフェーズドアレーアンテナ5は素子アンテナ1としてf(θ,φ)=cos0.425 θの回転対称形状の振幅指向性と可視領域内で一様な位相指向性を有するものを用い、更に全素子アンテナの励振振幅を等振幅とし、波長換算の素子間隔がdx /λ=dy /λ=0.56となるような周波数においてXZ平面内55゜の角度方向にビーム走査を行うものとする。フェーズドアレーアンテナの信号入力端子5aで観測されるアレーアンテナの放射指向性は数7により計算される。
【0032】
【数7】
Figure 0003757574
【0033】
得られる振幅指向性図を図3に示す。従来例に比べ中央の4素子を削除しているため図28の指向性図と比較するとサイドローブレベルが上昇しているがその度合は微小である。また放射位相指向性図を図4に示す。図3、図4を見るとビーム走査角55゜でピーク値を取る主ビームと−75゜でピーク値を取るグレーティングローブとではその放射位相が互いに逆位相となっている。これはアンテナ開口面2上の素子アンテナ1の配列において、その列の数2Nx 、行の数2Ny がいずれも偶数であることによるものである。一方基準アンテナ13には素子アンテナ1と同種のアンテナを用いているから、その給電端子13aで観測される指向性を表す式は数8であり振幅指向性、位相指向性はそれぞれ図5、図6に示すようなものとなる。
【0034】
【数8】
Figure 0003757574
【0035】
次に動作について説明する。フェーズドアレーアンテナ5から空間に放射された送信信号は目標に当たって反射される。この反射信号がアンテナ開口面2上の素子アンテナ1及び基準アンテナ13で受信される。素子アンテナ1で受信されたものはフェーズドアレーアンテナの信号入出力端子5aに現れ、その主たる部分はサーキュレータ6の受信端子6c、方向性結合器15の出力端子15bを経て給電線7を通りフロントエンド8の第1の入力端子8aに入力される。これが第1のアレーアンテナ受信信号S3である。この信号S3はフロントエンド8内で信号増幅、中間周波数帯への周波数変換等が行われた後中間周波数信号S4となって第1の出力端子8bから励振受信機9に向けて送出される。またフェーズドアレーアンテナの信号入出力端子5aに現れたアレーアンテナ受信信号の一部はサーキュレータ6の受信端子6cを経て方向性結合器15内で分岐されその結合端子15cに出力され、更に可変減衰器16、可変移相器17、給電線18を通ってフロントエンド8の第3の入力端子8eに入力される。これが第2のアレーアンテナ受信信号S10である。一方基準アンテナ13で受信された目標からの反射信号はその給電端子13aに現れ、給電線14を通ってフロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される。これが基準信号S9である。基準信号S9と第2のアレーアンテナ受信信号S10もフロントエンド8内で信号増幅、中間周波数帯への周波数変換等が行われた後中間周波数信号S11,S12となって第2の出力端子8f、第3の出力端子8gに出力され、更に給電線20,21を介してそれぞれ信号比較回路19の第1の入力端子19a、第2の入力端子19bに入力される。
【0036】
ここで第2のアレーアンテナ受信信号の伝送経路に設けられた可変移相器15の移相量を制御器12から送出される可変移相器制御信号S13により調整することで、信号比較回路19の第1の入力端子19aに入力される中間周波数に変換された基準信号S11の位相と、第2の入力端子19bに入力される同じく中間周波数に変換された第2のアレーアンテナ受信信号S12の位相とを、図7に示すように放射指向性の主ビーム領域で等位相、グレーティングローブ領域で逆位相の関係となるように合わせ込むことができる。信号比較回路19では上記2つの信号S11、S12の位相を比較し、両者が互いに等位相であるか逆位相であるかの情報を信号処理器11に識別信号S15として送出する。信号処理器11ではこの情報から、アレーアンテナ受信信号S3が、アレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来したものかグレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができる。これが第1の判定である。これがグレーティングローブ方向から到来したものと判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができる。
【0037】
また第2のアレーアンテナ受信信号S10に対しては、方向性結合器15の結合量を適切に設定し、更に制御器12からの可変減衰器制御信号S14によりその伝送経路に設けられた可変減衰器16の減衰量を制御、調整することで、信号比較回路19の第1の入力端子19aに入力される基準信号S11のレベルと第2の入力端子19bに入力される第2のアレーアンテナ受信信号S12のレベルとを、例えば図8に示すような大小関係に合わせ込むことができる。信号比較回路19では上記2つの信号S11、S12のレベルを比較し、結果の情報を識別信号S15として信号処理器11に送出する。信号処理器11では、第2のアレーアンテナ受信信号S12のレベルが基準信号S11のレベルより高い場合にはアレーアンテナ受信信号S12のレベルが基準信号S12のレベルより低い場合にはアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向あるいはグレーティングローブ方向から到来したものと判定し、第2のアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性のサイドローブ領域から到来したものと判定することができる。これが第2の判定である。
【0038】
尚フェーズドアレーアンテナ5の利得、移相器3、電力合成分配回路4等の回路素子の透過特性、基準アンテナ13の利得は周波数特性を持つので、レーダ装置の動作周波数帯域が広い場合、基準信号S9と第2のアレーアンテナ受信信号S3のレベル比、位相差は周波数によって異なる。そこで図7、図8のように両信号の振幅、位相の合わせ込みを行うための可変減衰器16の減衰量、及び可変移相器17の移相量の最適設定値も周波数により異なることとなるが、制御器12からの可変減衰器制御信号S14、可変移相器制御信号S13による減衰量、移相量設定値を周波数によって変えてやれば動作周波数によらず常に最適な合わせ込みを実現できる。
【0039】
以上上記第1の判定と第2の判定とを合わせて実行することで信号処理器11はフェーズドアレーアンテナ5によって受信された空間からの到来波がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはその他のサイドローブ領域から到来したものかを判定することが可能となり、主ビーム以外の方向からの到来波と判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができる。これによりレーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避けることで安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることができる。
【0040】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2を示すフェーズドアレーレーダ装置のブロック図である。図中22は電力分配器、22a,22b,22cはそれぞれの入力端子、第1の出力端子、第2の出力端子である。入力端子22aは基準アンテナ13の給電端子13aと給電線14により接続される。第1の出力端子22bには可変減衰器23と可変移相器24が接続され、更にその出力は給電線25を介してフロントエンド8の第2の入力端子8dと接続される。また26は電力合成器、26a,26b,26cはそれぞれの第1の入力端子、第2の入力端子、出力端子である。第1の入力端子26aは給電線27を介して電力分配器22の第2の出力端子22cと、第2の入力端子26bは給電線18を介して可変移相器17と、出力端子26cは給電線28を介してフロントエンド8の第3の入力端子8eとそれぞれ接続される。その他図1と同一符号を付した部分は図1におけるのと同一または相当部分を示す。
【0041】
実施の形態1と同じく開口面2内の素子アンテナ1の配列は図2の通りであるものとする。また素子アンテナ1としてf(θ,φ)=cos0.425 θの回転対称形状の振幅指向性と可視領域内で一様な位相指向性を有するものを用い、全素子アンテナの励振振幅を等振幅とし、波長換算の素子間隔がdx /λ=dy /λ=0.56となるような周波数においてXZ平面内55゜の角度方向にビーム走査を行うものとする。
【0042】
次に動作について説明する。素子アンテナ1で受信され、フェーズドアレーアンテナの信号入出力端子5aに現れたアレーアンテナ受信信号のうちサーキュレータ6の受信端子6c、方向性結合器15の出力端子15bを経て給電線7を通りフロントエンド8の第1の入力端子8aに入力される第1のアレーアンテナ受信信号S3、及びサーキュレータ6の受信端子6c、方向性結合器15の結合端子15c、可変減衰器16、可変移相器17、更に給電線18を経て電力合成器26の第2の入力端子26bに入力される第2のアレーアンテナ受信信号S10については、実施の形態1におけるのと同じく、その放射指向性を表す式は数7であり、得られる振幅指向性図は図3、位相指向性図は図4に示すとおりである。一方基準アンテナ13の給電端子13aから給電線14を通り、電力分配器22の入力端子22aに入力される第2の基準信号S9については、これも実施の形態1におけるのと同じく、その放射指向性を表す式は数8であり、振幅指向性図は図5に、位相指向性図は図6に示すとおりである。この基準信号S9は電力分配器22で2分配され、うち一方は第1の出力端子22bから可変減衰器23、可変移相器24、給電線25を通ってフロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される。これが第1の基準信号S17である。他方は第2の出力端子22cから給電線27を通って電力合成器26の第1の入力端子26aに入力される。これが第2の基準信号S18である。電力合成器26では第1の入力端子26aに入力される第2の基準信号S18と、第2の入力端子26bに入力される第2のアレーアンテナ受信信号S10が合成され、その出力信号S19が出力端子26cに現れる。この出力信号S19は更に給電線28を経てフロントエンド8の第3の入力端子8eに至るが、上記2つの入力信号S18,S10の振幅、位相を表す係数をそれぞれA1jδ1 、A2jδ2 とすると、第2の基準信号S18の指向性が数8で表されることから、フロントエンド8の第3の入力端子8eで観測される合成信号S19は数9のように書き表せる。
【0043】
【数9】
Figure 0003757574
【0044】
第2のアレーアンテナ受信信号S10はその伝送経路に可変減衰器16、可変移相器17が備えられているので数9における振幅比K及び位相差Δを調整して電力合成器26に投入することができる。一方基準アンテナ13の給電端子13aから給電線14、電力分配器22の第1の出力端子22b、可変減衰器23、可変移相器24、給電線25を経てフロントエンド8の第2の入力端子8dに現れる第1の基準信号S17の指向性は、上記第2の基準信号S18と同じくその放射指向性が数9で表されるものである。ところで、この第1の基準信号S17の伝送経路にも可変減衰器23、可変移相器24が備えられているので、フロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される信号S17の振幅及び位相の調整が可能である。
【0045】
以上のようにフロントエンド8の第2の入力端子8d、第3の入力端子8eにそれぞれ所定の振幅比、所定の位相差をもって入力された第1の基準信号S17及び第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18の合成出力信号S19は、フロントエンド8内で上記振幅比、位相差が保たれたまま信号増幅、中間周波数帯への周波数変換が行われ、中間周波数信号S11,S20となってそれぞれ第2の出力端子8f、第3の出力端子8gに出力され、更に給電線20,21を通って信号比較回路19の第1の入力端子19a、第2の入力端子19bに入力される。
【0046】
ここで第2のアレーアンテナ受信信号S10の振幅が第2の基準信号S18の振幅より小さくなるような振幅比をつけ、両者の位相が等位相となるように位相を合わせ込んで電力合成器26に入力することとする。例として数9における振幅比K及び位相差ΔがK=1/√2、Δ=0となるように可変減衰器16の減衰量、可変移相器17の移相量を調整する例を取り上げて説明する。数9により求められる信号比較回路19の第2の入力端子19bで観測される合成信号S20の振幅指向性は図10に示すとおりである。一方信号比較回路19の第1の入力端子19aで観測される第1の基準信号S11の振幅を可変減衰器23により調整し、第2の入力端子19bに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20に対する相対振幅を図11に示すような大小関係に合わせ込むこととする。図11を見ると、第2の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成信号S20のレベルがアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向では数dB高く、グレーティングローブ方向では10dB程度低くなっている。信号比較回路19では上記2つの信号S11とS20のレベルを比較し、いずれが高いかの情報を識別信号S15として信号処理器11に送出する。信号処理器11では、この情報からアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来したものかグレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができる。これがグレーティングローブ方向から到来したものと判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができるので、実施の形態1と同じくレーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることができる。
【0047】
尚実施の形態1におけるのと同じく、2つの信号の振幅、位相合わせ込みのための可変減衰器、可変移相器の設定を周波数対応で変えてレーダ装置の動作周波数帯域内全ての周波数で最適値に設定することができるのでこの場合は広帯域動作も保証される。
【0048】
実施の形態3.
この実施の形態3は第2のアレーアンテナ受信信号S10の振幅が第2の基準信号S18の振幅より大きくなるような振幅比をつけ、両者の位相が等位相となるように位相を合わせ込んで電力合成器26に入力するものであり、それ以外の回路構成、基本的な動作原理は実施の形態2と同様である。例として数9における振幅比K及び位相差がΔがK=2、Δ=0となるように可変減衰器16の減衰量、可変移相器17の移相量を調整する例を取り上げて説明する。信号比較回路19の第2の入力端子19bで観測される合成信号S20は数9を用いて計算され、結果として得られる振幅指向性、位相指向性はそれぞれ図12、図13に示すものとなる。一方信号比較回路19の第1の入力端子19aで観測される第1の基準信号S11の振幅、位相を可変減衰器23、可変移相器24を用いて調整し、第2の入力端子19bに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20に対する相対振幅、相対位相をそれぞれ図14、図15のような関係に合わせ込むこととする。図14の振幅指向性を見ると、第1の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20のレベルがアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向でのみ数dB高く観測されている。また図15の位相指向性を見ると、第1の基準信号S11の位相に対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20の位相が放射指向性のグレーティングローブ領域でのみ逆位相となり、それ以外の領域では等位相となっている。信号比較回路19では上記2つの信号S11、S20の振幅を比較し、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20のレベルが第1の基準信号S11のレベルに比べてある一定のスレッショルドレベル値以上高いかどうかを判定する。これを第1の判定とする。また信号比較回路19では上記2つの信号S11、S20の位相を比較し、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との合成出力信号S20の位相が第1の基準信号S11の位相と等位相か逆位相かを判定する。これを第2の判定とする。第1の判定結果、第2の判定結果のいずれか一方あるいはその両方の情報を信号処理器11に識別信号S15として送出する。信号処理器11では、第1の判定結果の情報からアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来した場合を特定することができ、また第2の判定結果の情報からはグレーティングローブ方向から到来した場合を特定することができる。
【0049】
アレーアンテナ受信信号S3の到来方向がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向であるかグレーティングローブ方向であるかの識別は、上記第1の判定結果、第2の判定結果のいずれか一方を用いるだけで可能である。第1の判定結果だけを利用するためには実施の形態2と同様信号比較回路19では振幅比較のみを行えばよいので回路構成は簡単でよいという利点があるが、第2の判定だけを利用するためには信号比較回路19では位相比較のみを行えばよい。ここでの位相比較は比較されるべき信号間の位相差の値を知る必要はなく、2つの信号が等位相か逆位相かの2値判定でよいので誤判定の確率は極めて少なく確度の高い判定結果を得ることができる。更に第1の判定結果は、第2の判定結果の両方を利用するようにすればより識別確度の向上が図れる。
【0050】
以上によりアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向以外から到来したものと判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができるので、実施の形態1と同じくレーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることができる。
【0051】
尚実施の形態1、実施の形態2におけるのと同じく、2つの信号の振幅、位相合わせ込みのための可変減衰器、可変移相器の設定を周波数対応で変えてレーダ装置の動作周波数帯域内全ての周波数で最適値に設定することができるのでこの場合は広帯域動作も保証される。
【0052】
実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4を示すフェーズドアレーレーダ装置のブロック図である。実施の形態2、実施の形態3を示す図9と異なる部分は電力合成器26に代わって180゜ハイブリッド29が備わっているところである。29a,29b,29c,29dはそれぞれその第1の入力端子、第2の入力端子、和信号出力端子、差信号出力端子である。またフロントエンド8には新たに第4の入力端子8hと第4の出力端子8iとが備えられ、信号比較回路19には新たに第3の入力端子19cが備えられている。フロントエンド8の第3の入力端子8eは給電線28を介して180゜ハイブリッド29の和信号出力端子29cと、第4の入力端子8hは給電線30を介して180゜ハイブリッド29の差信号出力端子29dと、第4の出力端子8iは給電線31を介して信号比較回路19の第3の入力端子19cと接続される。その他図1、図9と同一符号を付した部分は図1、図9におけるのと同一または相当部分を示す。
【0053】
実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3と同じく開口面2内の素子アンテナ1の配列は図2の通りであるものとする。また素子アンテナ1としてf(θ,φ)=cos0.425 θの回転対称形状の振幅指向性と可視領域内で一様な位相指向性を有するものを用い、全素子アンテナの励振振幅を等振幅とし、波長換算の素子間隔dx /λ=dy /λ=0.56となるような周波数においてXZ平面内55゜の角度方向にビーム走査を行うものとする。
【0054】
次に動作について説明する。素子アンテナ1で受信され、フェーズドアレーアンテナの信号入出力端子5aに現れたアレーアンテナ受信信号のうちサーキュレータ6の受信端子6c、方向性結合器15の出力端子15bを経て給電線7を通りフロントエンド8の第1の入力端子8aに入力される第1のアレーアンテナ受信信号S3、及びサーキュレータ6の受信端子6c、方向性結合器15の結合端子15c、可変減衰器16、可変移相器17、更に給電線18を経て180゜ハイブリッド19の第2の入力端子29bに入力される第2のアレーアンテナ受信信号S10については、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3におけるのと同じくその放射指向性を表す式が数7であり、得られる振幅指向性図は図3、位相指向性図が図4である。一方基準アンテナ13の給電端子13aから給電線14を通り、電力分配器22の入力端子22aに入力される第2の基準信号S9については、これも実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3におけるのと同じくその放射指向性を表す式が数8であり、振幅指向性図は図5に、位相指向性図は図6で表されるものとなる。この基準信号S9は電力分配器22で2分配され、うち一方は第1の出力端子22bから可変減衰器23、可変移相器24、給電線25を通ってフロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される。これが第1の基準信号S17である。他方は第2の出力端子22cから給電線27を通って180゜ハイブリッド29の第1の入力端子29aに入力される。これが第2の基準信号S18である。180゜ハイブリッド29では、その第1の入力端子29aに第2の基準信号S18が、第2の入力端子29bに第2のアレーアンテナ受信信号S10がそれぞれ入力されると、両者が等位相合成された信号S19がその和信号出力端子29cに、両者が逆位相合成された信号S21がその差信号出力端子29dに現れる。これらの出力信号S19、S21は更に給電線28,30を経てフロントエンド8の第3の入力端子8e、第4の入力端子8hに至る。上記2つの入力信号S18、S10の振幅、位相を表す係数をそれぞれA1jδ1 、A2jδ2 とすると、第2の基準信号S18の指向性も数8で表されることから、フロントエンド8の第3の入力端子8eで観測される信号S10とS18の等位相合成出力信号S19は実施の形態2、実施の形態3におけるのと同じく数9で表され、フロントエンド8の第4の入力端子8hで観測される信号S10とS18の逆位相合成出力信号S21は数10で表される。
【0055】
【数10】
Figure 0003757574
【0056】
第2のアレーアンテナ受信信号S10はその伝送経路に可変減衰器16、可変移相器17が備えられているので数9、数10における振幅比K及び位相差Δを調整して180゜ハイブリッド29に投入することができる。180゜ハイブリッド29では上記により相対振幅、相対位相が調整された第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18を等位相合成、逆位相合成してそれぞれ合成信号S19、S21としフロントエンド8の第3の入力端子8e、第4の入力端子8hに送出する。一方基準アンテナ13の給電端子13aから給電線14、電力分配器22の第1の出力端子22b、可変減衰器23、可変移相器24、給電線25を経てフロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される第1の基準信号S17の指向性は、上記第2の基準信号S18と同じくその放射指向性が数8で表されるものである。ところで、この第1の基準信号S18の伝送経路にも可変減衰器23、可変移相器24が備えられているので、フロントエンド8の第2の入力端子8dに入力される信号S17の振幅及び位相の調整が可能である。
【0057】
以上のようにフロントエンド8の第2の入力端子8d、第3の入力端子8e、第4の入力端子8hにそれぞれ所定の振幅比、所定の位相差をもって入力された第1の基準信号S17、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との等位相合成信号S19、及び第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18との逆位相合成信号S21は、フロントエンド8内で上記振幅比、位相差が保たれたまま信号増幅、中間周波数帯への周波数変換が行われ、中間周波数信号S11、S20、S22となってそれぞれその第2の出力端子8f、第3の出力端子8g、第4の出力端子8iに出力され、更に給電線20,21,31を介して信号比較回路19の第1の入力端子19a、第2の入力端子19b、第3の入力端子19cにそれぞれ入力される。
【0058】
ここで第2のアレーアンテナ受信信号S10の振幅が第2の基準信号S18の振幅より小さくなるような振幅比をつけ、両者の位相が等位相になるように位相を合わせて180゜ハイブリッド29に投入することとする。例として数9、数10における振幅比K及び位相差ΔがK=1/√2、Δ=0となるように可変減衰器16の減衰量、可変移相器17の移相量を調整する場合を取り上げて説明する。信号比較回路19の第2の入力端子19bで観測される、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20の指向性は実施の形態2、実施の形態3におけるのと同じく数9を用いて計算され、得られる振幅指向性は図10に示す通りである。次に信号比較回路19の第3の入力端子19bで観測される、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22の指向性は数10を用いて計算される、得られる振幅指向性は図17に示すとおりである。一方信号比較回路19の第1の入力端子19aで観測される第1の基準信号S11の振幅を可変減衰器23を用いて調整し、第2の入力端子19bに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20に対する相対振幅を図11のような大小関係に合わせ込むと同時に、第3の入力端子19cに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22に対する相対振幅を図18のような大小関係に合わせ込むこととする。図11では第1の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20のレベルがアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向では数dB高く、グレーティングローブ方向では10dB程度低くなっているが、図18では第1の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22のレベルがアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向では10dB程度低く、グレーティングローブ方向では数dB高くなっていることがわかる。信号比較回路では上記3つの信号S11、S20、S22のレベルを比較し、結果の情報を識別信号S15として信号処理器11に送出する。信号処理器11では、信号S11と信号S20の大小関係比較結果からアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来したものかグレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができる。更に、信号比較回路19において適切なスレッショルドレベルを設けての判定を実施すればサイドローブでの受信と主ビームでの受信の識別も可能である。以上によりアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性のグレーティングローブ方向あるいはサイドローブ領域から到来したものと判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができるので、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3と同じくレーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることができる。
【0059】
この実施の形態4は第1の基準信号と比較すべき第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の合成出力信号として等位相合成出力信号のみならず、逆位相合成出力信号も利用しているので、判定の冗長度が増し識別の確度向上が期待できる。
【0060】
尚実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3におけるのと同じく、2つの信号の振幅、位相合わせ込みのための可変減衰器、可変移相器の設定を周波数対応で変えてレーダ装置の動作周波数帯域内全ての周波数で最適値に設定することができるので広帯域動作も保証される。
【0061】
実施の形態5.
この実施の形態5は第2のアレーアンテナ受信信号S10の振幅が第2の基準信号S18の振幅より大きくなるような振幅比をつけ、両者の位相が等位相となるように位相を合わせ込んで180゜ハイブリッド29に入力するものであり、それ以外の回路構成、基本的な動作原理は実施の形態4と同様である。例として数9における振幅比K及び位相差ΔがK=2、Δ=0となるように可変減衰器16の減衰量、可変移相器17の移相量を調整する例を取り上げて説明する。信号比較回路19の第2の入力端子19bで観測される、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20の指向性は実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4におけるのと同じく数9を用いて計算され、得られる振幅指向性、位相指向性はそれぞれ図12、図13に示すものである。次に信号比較回路19の第3の入力端子19cで観測される、第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22の指向性は数10を用いて計算され、得られる振幅指向性、位相指向性はそれぞれ図19、図20に示すものである。一方信号比較回路10の第1の入力端子19aで観測される第1の基準信号S11の振幅、位相を可変減衰器23、可変移相器24を用いて調整し、第2の入力端子19bに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20に対する相対振幅、相対位相をそれぞれ図14、図15のような関係に合わせ込むと同時に、第3の入力端子19cに入力される上記第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22に対する相対振幅、相対位相をそれぞれ図21、図22のような関係に合わせ込むこととする。図14の振幅指向性では、第1の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20のレベルがアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向でのみ数dB高く観測されているが、図21の振幅指向性では、第1の基準信号S11のレベルに対する第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22のレベルがアレーアンテナの放射指向性のグレーティングローブ方向でのみ10dB程度高く観測されている。また図15の位相指向性を見ると、第1の基準信号S11の位相と第2のアレーアンテナ受信信号S10の第2の基準信号S18が等位相合成された信号S20の位相とはアレーアンテナの放射指向性のグレーティングローブ領域でのみ逆位相となり、それ以外の領域では等位相となっているが、図22の位相指向性を見ると、第1の基準信号S11の位相と第2のアレーアンテナ受信信号S10と第2の基準信号S18が逆位相合成された信号S22の位相とはアレーアンテナの放射指向性の主ビーム領域でのみ逆位相となり、それ以外の領域では等位相となっている。信号比較回路19では上記3つの信号S11、S20、S22の振幅、位相を比較し、結果の情報を識別信号S15として信号処理器11に送出する。信号処理器11では、この情報からアレーアンテナ受信信号S3がアレーアンテナの放射指向性の主ビーム方向から到来したものかグレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはサイドローブ方向から到来したものかを判定し、これが主ビーム方向から到来したものと判定された場合には励振受信機9にブランキングゲート信号S16を送出して信号除去を行わせることができるので、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4と同じくレーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置を得ることができる。
【0062】
この実施の形態5は実施の形態4と同じく第1の基準信号と比較すべき第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の合成出力信号として等位相合成出力信号のみならず、逆位相合成出力信号も利用しているので、判定の冗長度が増し識別の確度向上が期待できる。
【0063】
尚実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4におけるのと同じく、2つの信号の振幅、位相合わせ込みのための可変減衰器、可変移相器の設定を周波数対応で変えてレーダ装置の動作周波数帯域内全ての周波数で最適値に設定することができるので広帯域動作も保証される。
【0064】
実施の形態6.
図23、図24はこの発明の実施の形態6を示すフェーズドアレーレーダ装置のブロック図であり、実施の形態4、実施の形態5を示す図16とは以下の部分が異なる。励振受信機9は校正信号S24を送出する機能を具備する。32は電力分配器であり32a,32b,32cはそれぞれその入力端子、第1の出力端子、第2の出力端子である。入力端子32aは給電線33により励振受信機9と接続される。34はアレーアンテナ受信信号S10の伝送経路に挿入されたRFスイッチであり、34a,34b,34cはそれぞれその第1の入力端子、第2の入力端子、出力端子である。第1の入力端子34aは方向性結合器15の結合端子15cと、第2の入力端子34bは給電線35を介して電力分配器32の第1の出力端子32bと接続される。36は基準信号S9の伝送経路に挿入されたRFスイッチであり、36a,36b,36cはそれぞれその第1の入力端子、第2の入力端子、出力端子である。第1の入力端子36aは給電線14を介して基準アンテナ13の給電端子13aと、第2の入力端子36bは給電線37を介して電力分配器32の第2の出力端子32cと、出力端子36cは電力分配器22の入力端子22aとそれぞれ接続される。
【0065】
次に動作について説明する。通常のレーダ運用動作時、図23に示すようにRFスイッチ34,36は制御器12からのRFスイッチ制御信号S23によりそれぞれの第1の入力端子34a,36aの側にある接点が接続される。この状態での装置の動作は実施の形態4、実施の形態5と同じである。一方校正動作時には図24に示すように、RFスイッチ34,36は制御器12からのRFスイッチ制御信号S23によりそれぞれの第2の入力端子34b,36bの側に接点が接続される。同時に励振受信機9からは校正用RF信号S24が出力され、これが給電線33、電力分配器32、給電線35,37を介してそれぞれのRFスイッチの第2の入力端子34b,36bに投入される。この校正用RF信号S24は第1の基準信号S17の伝送経路、第2の基準信号S18の伝送経路及び第2のアレーアンテナ受信信号S10の伝送経路を経てフロントエンド8を通り、信号比較回路19の入力端子19a,19b,19cに入力される。
【0066】
フロントエンド8内には低雑音増幅器、ミキサ等の能動回路部品が含まれているため透過特性に温度特性があり、レーダ運用動作時に透過振幅、位相が経時変化しやすい。第1の基準信号S17、第2の基準信号S18と第2のアレーアンテナ受信信号S10との等位相及び逆位相合成信号S19、S21が伝送されるフロントエンド8内の伝送経路毎の透過振幅、位相の変化に差異が生じた場合、可変減衰器16,23、可変移相器17,24により例えば図14、図15、図21、図22のように合わせ込んだ第1の基準信号S13と合成信号S20、S22のレベル差、位相差が保てなくなり、信号比較回路19でのレベル差判定、位相差判定、及び信号処理器11でのアレーアンテナ受信信号S3の到来方向識別の正確さが損なわれる可能性がある。この実施の形態6ではある一定の温度における基準状態でRFスイッチ34,36を図24に示す状態にして信号比較回路19の第1、第2、第3の入力端子19a,19b,19cに入力される信号S11、S20、S22の振幅位相データを取得しこれを第1の基準校正データとする。次にRFスイッチ34,36を図23に示す状態としてこの基準状態における信号比較回路19の第1、第2、第3の入力端子19a,19b,19cに入力される信号S11、S20、S22の振幅位相データを取得し、これを第2の基準校正データとする。第2の基準校正データから上記入力信号S11、S20、S22を図14、図15、図21、図22のように示す関係に合わせ込むための可変減衰器16,23、可変移相器17,24の設定値が求められる。これらを信号処理器11に第3の基準校正データとして記憶させる。通常のレーダ運用動作時はRFスイッチ34,36を図23に示す状態とするが、ここで適時図24に示す校正動作状態に切り替えて励振受信機9から送出される校正用RF信号S24を各信号の伝送経路を通して信号比較回路19の入力端子19a,19b,19cに投入し、信号S11、S20、S22の振幅位相データを取得する。このデータは信号処理器11に送られる。信号処理器11ではこのデータと第1の基準校正データとを比較してその差異分を求め、これを第3の基準校正データに補正値として加算して可変減衰器16,23、可変移相器17,24の新たな設定値とする。ここで再びRFスイッチ34,36を図23に示す状態とし、上記手順で求めた新たな設定値を可変減衰器16,23、可変移相器17,24に設定し通常のレーダ運用動作に移行する。この所作を適時行うことにより、フロントエンド8の透過振幅位相特性の温度特性を補償し、第1の基準信号S11の振幅、位相と第2の基準信号S18と第2のアレーアンテナ受信信号S10との等位相及び逆位相合成信号S20、S22の振幅、位相とをレーダ装置の運用温度によらず常に最適の状態に合わせ込むことができ、アレーアンテナ受信信号の主ビーム受信、グレーティングローブ受信、サイドローブ受信の誤判定のない安定したレーダ運用動作が可能となる。
【0067】
【発明の効果】
この発明は以上に説明したように構成されているので、以下に記載される効果がある。
【0068】
第1の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号と、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号とを、両信号の位相差が所定の最適値となるよう合わせ込んだ後信号比較回路に入力してその位相を比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0069】
また、第2の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号と、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号とを、両信号の振幅比及び位相差が所定の最適値となるよう合わせ込んだ後信号比較回路に入力してその振幅、位相を比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0070】
また、第3の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号を電力分配器によって第1、第2の基準信号に2分割し、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第2の基準信号とをその振幅比及び位相差が所定の最適値となるよう合わせ込んだ後別に設けた電力分配器に投入して両信号を等位相合成した信号を生成し、更にこの合成信号の振幅と第1の基準信号の振幅とを所定の最適値に合わせた後別に設けた信号比較回路に入力して比較し、その大小関係によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0071】
また、第4の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号を電力分配器によって第1、第2の基準信号に2分割し、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第2の基準信号とを、両信号が等位相あるいは逆位相のいずれかの位相関係と所定の振幅比を有するように調整した上で別に設けた電力合成器に投入して合成信号を生成し、更にこの合成信号の位相と第1の基準信号の位相とを所定の最適値に合わせ込んだ後別に設けた信号比較回路に入力して比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、安定動作の可能なフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0072】
また、第5の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号を電力分配器によって第1、第2の基準信号に2分割し、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第2の基準信号とを、両信号が等位相あるいは逆位相のいずれかの位相関係と所定の振幅比を有するように調整した上で別に設けた電力合成器に投入して合成信号を生成し、更にこの合成信号と第1の基準信号の振幅比及び位相差を所定の最適値に合わせ込んだ後別に設けた信号比較回路に入力して振幅、位相を比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、第4の発明に比較しても更に動作の確実性の向上したフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0073】
また、第6の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号を電力分配器によって第1、第2の基準信号に2分割し、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第2の基準信号とを、両信号が等位相でかつ所定の振幅比を有するように調整した上で別に設けた180゜ハイブリッド回路に投入して両信号の等位相合成信号及び逆位相合成信号を生成し、更にこれら合成信号と第1の基準信号の位相差を所定の最適値に合わせ込んだ後別に設けた信号比較回路に入力して位相を比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、第4の発明に比較しても更に動作の確実性の向上したフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0074】
また、第7の発明によれば、フェーズドアレーレーダ装置を構成するアンテナ開口面中央部に設けた基準アンテナによる受信信号を電力分配器によって第1、第2の基準信号に2分割し、方向性結合器を介して得られるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第2の基準信号とを、両信号が等位相でかつ所定の振幅比を有するように調整した上で別に設けた180゜ハイブリッド回路に投入して両信号の等位相合成信号及び逆位相合成信号を生成し、更にこれら合成信号と第1の基準信号の振幅比及び位相差を所定の最適値に合わせ込んだ後別に設けた信号比較回路に入力して振幅及び位相を比較し、その比較結果によりフェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかを判定できるようにしたので、レーダシステム運用上の誤探知、誤追尾等の不具合を避け、第6の発明に比較しても更に動作の確実性の向上したフェーズドアレーレーダ装置が得られるという効果がある。
【0075】
また、第8の発明によれば、第1の発明、あるいは第2の発明、あるいは第3の発明、あるいは第4の発明、あるいは第5の発明、あるいは第6の発明、あるいは第7の発明によるフェーズドアレーレーダ装置において信号比較回路で比較される2種類もしくは3種類の信号の振幅、位相をフェーズドアレーレーダ装置の動作周波数に応じてそれぞれの最適値となるよう変化させるようにしたので、フェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかの判定が広帯域にわたって正確に行えるという効果がある。
【0076】
また、第9の発明によれば、第1の発明、あるいは第2の発明、あるいは第3の発明、あるいは第4の発明、あるいは第5の発明、あるいは第6の発明、あるいは第7の発明によるフェーズドアレーレーダ装置に対して、励振受信機内に校正信号送出機能を付加し、この校正信号をRFスイッチの切替により適時信号比較回路に投入して校正動作を行えるようにしたので、フェーズドアレーレーダ装置の構成回路要素部品の透過特性の温度特性を補償し、フェーズドアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、更にはサイドローブ方向から到来したものかの判定が常に正確に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のフェーズドアレーレーダ装置を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置におけるアンテナ開口面上の素子アンテナ等の配置を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射振幅指向性を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射位相指向性を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置における基準アンテナの放射振幅指向性を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置における基準アンテナの放射位相指向性を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射位相指向性と基準アンテナの放射位相指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射振幅指向性と基準アンテナの放射振幅指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態2、実施の形態3のフェーズドアレーレーダ装置を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態2、実施の形態4のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射振幅指向性を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態2、実施の形態4のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射振幅指向性と第1の基準信号の放射振幅指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態3、実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射振幅指向性を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態3、実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射位相指向性を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態3、実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射振幅指向性と第1の基準信号の放射振幅指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態3、実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との等位相合成信号の放射位相指向性と第1の基準信号の放射位相指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態4、実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置を示すブロック図である。
【図17】 この発明の実施の形態4のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射振幅指向性を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態4のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射振幅指向性と第1の基準信号の放射振幅指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射振幅指向性を示す図である。
【図20】 この発明の実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置における第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射位相指向性を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射振幅指向性と第1の基準信号の放射振幅指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態5のフェーズドアレーレーダ装置において、第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号との逆位相合成信号の放射位相指向性と第1の基準信号の放射位相指向性とが所定の関係に合わせ込まれた状態を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置のレーダ運用動作時のブロック図である。
【図24】 この発明の実施の形態6のフェーズドアレーレーダ装置の校正動作時のブロック図である。
【図25】 従来のフェーズドアレーレーダ装置を示すブロック図である。
【図26】 従来のフェーズドアレーレーダ装置におけるアンテナ開口面上の素子アンテナの配置を示す図である。
【図27】 空間座標系の定義を示す図である。
【図28】 従来のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射振幅指向性の一例を示す図である。
【図29】 従来のフェーズドアレーレーダ装置におけるアレーアンテナの放射振幅指向性の別の例を示す図である。
【符号の説明】
1 素子アンテナ、2 アンテナ開口面、3 移相器、4 電力合成分配回路、5 フェーズドアレーアンテナ、5a 信号入出力端子、6 サーキュレータ、6a 送信端子、6b 共通端子、6c 受信端子、7 給電線、8 フロントエンド、8a 第1の入力端子(アレーアンテナ信号入力端子)、8b 第1の出力端子(アレーアンテナ信号出力端子)、8c ローカル信号入力端子、8d 第2の入力端子、8e 第3の入力端子、8f 第2の出力端子、8g 第3の出力端子、8h 第4の入力端子、8i 第4の出力端子、9 励振受信機、10 送信機、11 信号処理器、12 制御器、13 基準アンテナ、13a 給電端子、14 給電線、15 方向性結合器、15a 入力端子、15b出力端子、15c 結合端子、16 可変減衰器、17 可変移相器、18 給電線、19 信号比較回路、19a 第1の入力端子、19b 第2の入力端子、19c 第3の入力端子、20 給電線、21 給電線、22 電力分配器、22a 入力端子、22b 第1の出力端子、22c 第2の出力端子、23可変減衰器、24 可変移相器、25 給電線、26 電力合成器、26a 第1の入力端子、26b 第2の入力端子、26c 出力端子、27 給電線、28 給電線、29 180゜ハイブリッド、29a 第1の入力端子、29b第2の入力端子、29c 和信号出力端子、29d 差信号出力端子、30 給電線、31 給電線、32 電力分配器、32a 入力端子、32b 第1の出力端子、32c 第2の出力端子、33 給電線、34 RFスイッチ、34a 第1の入力端子、34b 第2の入力端子、34c 出力端子、35 給電線、36 RFスイッチ、36a 第1の入力端子、36b 第2の入力端子、36c 出力端子、37 給電線、S1 送信信号のRF原信号、S2 送信信号、S3 アレーアンテナ受信信号(第1のアレーアンテナ受信信号)、S4 中間周波数信号、S5 ローカル信号、S6 ビデオ信号、S7 指令信号、S8 ビーム制御信号、S9 基準信号、S10 アレーアンテナ受信信号の分岐出力(第2のアレーアンテナ受信信号)、S11 中間周波数に変換された基準信号、S12 中間周波数に変換された第2のアレーアンテナ受信信号、S13可変移相器制御信号、S14 可変減衰器制御信号、S15 識別信号、S16 ブランキングゲート信号、S17 第1の基準信号、S18 第2の基準信号、S19 第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の(等位相)合成出力信号、S20 中間周波数に変換された第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の(等位相)合成出力信号、S21 第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の逆位相合成出力信号、S22 中間周波数に変換された第2の基準信号と第2のアレーアンテナ受信信号の逆位相出力信号、S23 RFスイッチ制御信号、S24 校正用RF信号。

Claims (9)

  1. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナと、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記基準アンテナでの受信信号と上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号とが所定の位相差を持つように調整する可変移相器と、並びに上記基準アンテナでの受信信号とアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号が入力されることにより両者の位相を比較する信号比較回路と、上記信号比較回路での両信号の位相比較結果からアレーアンテナでの受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  2. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナと、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記基準アンテナでの受信信号と上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号とが所定の振幅比、所定の位相差を持つように調整する可変減衰器及び可変移相器、並びに上記基準アンテナでの受信信号とアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号が入力されることにより両信号の振幅、位相を比較する信号比較回路と、上記信号比較回路での両信号の振幅位相比較結果からアレーアンテナでの受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはその他のサイドローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  3. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナ、上記基準アンテナによる受信信号を分配して第1の基準信号、第2の基準信号を生成する電力分配器、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅と第1の基準信号の振幅とが所定の振幅比を持つように調整する第1の可変減衰器、並びに上記2つの信号の位相が等位相あるいは逆位相のいずれかになるよう調整する可変移相器、並びに上記両信号を等位相合成あるいは逆位相合成して新たな合成信号を生成する電力合成器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが所定の振幅比を持つように調整する第2の可変減衰器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号が入力されることにより両者の振幅を比較する信号比較回路、並びに上記信号比較回路での振幅比較結果からアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  4. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナ、上記基準アンテナによる受信信号を分配して第1の基準信号、第2の基準信号を生成する電力分配器、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅と第1の基準信号の振幅とをアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅が第1の基準信号の振幅より大きくなるような所定の振幅比を持つように調整する可変減衰器、並びに上記2つの信号の位相が等位相あるいは逆位相のいずれかになるよう調整する第1の可変移相器、並びに上記両信号を等位相あるいは逆位相で合成して新たな合成信号を生成する電力合成器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが所定の位相差を持つように調整する第2の可変移相器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号が入力されることにより両信号の位相を比較する信号比較回路、並びに上記信号比較回路での上記両信号の位相比較結果からアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  5. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナ、上記基準アンテナによる受信信号を分配して第1の基準信号、第2の基準信号を生成する電力分配器、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅と第1の基準信号の振幅とをアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅が第1の基準信号の振幅より大きくなるような所定の振幅比を持つように調整する第1の可変減衰器、並びに上記2つの信号の位相が等位相あるいは逆位相のいずれかになるよう調整する第1の可変移相器、並びに上記両信号を等位相あるいは逆位相で合成して新たな合成信号を生成する電力合成器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが所定の振幅比を持つように調整する第2の可変減衰器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが所定の位相差を持つように調整する第2の可変移相器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号が入力されることにより両信号の振幅及び位相を比較する信号比較回路、並びに上記信号比較回路での上記両信号の振幅及び位相の比較結果からアレーアンテナによる受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはその他のサイドローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  6. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナ、上記基準アンテナによる受信信号を分配して第1の基準信号、第2の基準信号を生成する電力分配器、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第1の基準信号とをアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅が第1の基準信号の振幅より大きくなるような所定の振幅比を持つように調整する可変減衰器、並びに上記両信号の位相が等位相になるよう調整する第1の可変移相器、並びに上記両信号の等位相合成出力信号及び逆移相合成出力信号を生成する180゜ハイブリッド回路、並びに上記180゜ハイブリッド回路で生成された新たな2種類の合成信号と第2の基準信号と並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが所定の位相差を持つように調整する第2の可変移相器、並びに新たな合成信号と第2の基準信号とが入力されることにより3信号の位相を比較する信号比較回路と、上記信号比較回路での3信号の位相比較結果からアレーアンテナによる合成受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはサイドローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  7. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、アンテナ開口面内に素子アンテナを配列の行数及び列数が偶数となるように並べ、更にアンテナ開口面中央に設けられた単一の基準アンテナ、上記基準アンテナによる受信信号を分配して第1の基準信号、第2の基準信号を生成する電力分配器、フェーズドアレーアンテナ合成信号出力部に設けられた方向性結合器、上記方向性結合器によるアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号と第1の基準信号とをアレーアンテナでの受信信号の分岐出力信号の振幅が第1の基準信号の振幅より大きくなるような所定の振幅比を持つように調整する第1の可変減衰器、並びに上記両信号の位相が等位相になるよう調整する第1の可変移相器、並びに上記両信号の等位相合成出力信号及び逆位相合成出力信号を生成する180゜ハイブリッド回路、並びに上記180゜ハイブリッド回路で生成された新たな2種類の合成信号と第2の基準信号とが所定の振幅比を持つように調整する第2の可変減衰器、並びに上記180゜ハイブリッド回路で生成された新たな2種類の合成信号と第2の基準信号とが所定の位相差を持つように調整する第2の可変移相器、並びに上記新たな合成信号と第2の基準信号とが入力されることにより3信号の振幅と位相を比較する信号比較回路と、上記信号比較回路での3信号の振幅及び位相の比較結果からアレーアンテナによる合成受信信号がアレーアンテナの主ビーム方向から到来したものか、グレーティングローブ方向から到来したものか、あるいはサイドローブ方向から到来したものかを判定することができるような手段とを具備したことを特徴とするフェーズドアレーレーダ装置。
  8. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、その構成要素である可変減衰器の減衰量あるいは可変移相器の移相量のいずれか若しくはその両方が動作周波数に応じたそれぞれの最適値となるように制御する手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のフェーズドアレーレーダ装置。
  9. 各々に移相器が接続された複数個の素子アンテナからなるアンテナ開口面、上記素子アンテナの励振位相を制御する移相器、この移相器を介してアンテナ開口面への送信電力の分配供給及びアンテナ開口面で受信された信号の合成を行う電力合成分配回路を備え、空間への信号放射と空間からの信号受信を行うフェーズドアレーアンテナと、上記フェーズドアレーアンテナに供給される送信信号を発生する送信機と、上記送信機からの送信信号と上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号の分離を行うサーキュレータと、上記フェーズドアレーアンテナでの受信信号を増幅し更に中間周波数信号に変換するフロントエンドと、上記フロントエンドから送出される中間周波数信号の受信処理と上記フロントエンドで周波数変換を行うのに必要なローカル信号の送信及び送信信号のRF原信号の生成と上記送信機への送出を行う励振受信機と、上記励振受信機で受信処理された受信信号を受けてのレーダ信号処理、フェーズドアレーアンテナでのビームマネージメント等を行う信号処理器と、上記信号処理器からの指令を受けてフェーズドアレーアンテナのビーム走査演算を行い移相器に対し制御信号を送出する制御器とから成り、送受信アンテナビームを電子的に走査するフェーズドアレーレーダ装置において、励振受信機内に校正信号送出機能を付加し、更にアレーアンテナでの受信信号伝送経路及び基準アンテナでの受信信号伝送経路のいずれか一方あるいはその両方に設けられたRFスイッチと、上記校正信号を上記それぞれのRFスイッチに分配する電力分配器とを備え、レーダ運用時に適時上記RFスイッチの接続を切り替えて校正信号を信号比較回路に投入してそれぞれの信号の伝送経路の透過振幅あるいは透過位相のいずれか、若しくはその両方を測定して事前に取得保持されている基準温度における測定結果と比較し、その比較結果から構成要素である可変減衰器の減衰量あるいは可変移相器の移相量を動作温度に応じた最適値に補正設定できるような手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のフェーズドアレーレーダ装置。
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