JP3757507B2 - 空燃比検出装置 - Google Patents
空燃比検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3757507B2 JP3757507B2 JP34377496A JP34377496A JP3757507B2 JP 3757507 B2 JP3757507 B2 JP 3757507B2 JP 34377496 A JP34377496 A JP 34377496A JP 34377496 A JP34377496 A JP 34377496A JP 3757507 B2 JP3757507 B2 JP 3757507B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- fuel ratio
- applied voltage
- sensor
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1438—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
- F02D41/1444—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases
- F02D41/1454—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio
- F02D41/1456—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the characteristics of the combustion gases the characteristics being an oxygen content or concentration or the air-fuel ratio with sensor output signal being linear or quasi-linear with the concentration of oxygen
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1438—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor
- F02D41/1473—Introducing closed-loop corrections using means for determining characteristics of the combustion gases; Sensors therefor characterised by the regulation method
- F02D41/1475—Regulating the air fuel ratio at a value other than stoichiometry
- F02D41/1476—Biasing of the sensor
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧印加に伴い被検出ガス中の空燃比に対応した電流信号を出力する空燃比センサを用いた空燃比検出装置に係り、この空燃比検出装置は、例えば車両用エンジン等、各種内燃機関の空燃比フィードバック制御を実施するために適用される。なお、本明細書にかかる空燃比センサは、被検出ガス中の酸素濃度並びに可燃性ガス濃度を検出するものとして定義される。
【0002】
【従来の技術】
近年の車載用エンジンの空燃比制御においては、例えば制御精度を高めるといった要望やリーンバーン化への要望があり、これらの要望に対応すべく、エンジンに吸入される混合気の空燃比(排気ガス中の酸素濃度)を広域に且つリニアに検出するリニア式空燃比センサ、並びに同センサを用いた空燃比検出装置が適用されている。このような空燃比センサとして例えば限界電流式空燃比センサでは、周知のようにその限界電流の検出域が空燃比(酸素濃度)に応じてシフトする。つまり、図3のV−I特性図に示すように、限界電流検出域はV軸に平行な直線部分からなり、その領域は空燃比がリーン側に移行するほど正電圧側にシフトし、空燃比がリッチ側に移行するほど負電圧側にシフトする。そのため、空燃比の変化時に印加電圧が一定値に固定されていると、空燃比検出範囲の全域において上記限界電流検出域(V軸に平行な直線部分)を用いた正確な空燃比検出を行うことができない。
【0003】
そこで、空燃比(センサ電流)に応じて空燃比センサへの印加電圧を可変に設定する技術が要望されており、この種の従来技術として、特公平7−18837号公報の「空燃比検出装置」では、空燃比センサに印加した電圧を瞬断してその時の起電力及び電流から素子内部抵抗を検出すると共に、その内部抵抗を基に印加電圧を可変に設定するようにしていた。また、特許番号第2509905号公報の「空燃比センサ」では、空燃比がリッチか或いはリーンかに応じて印加電圧をステップ状に変化させる技術が開示されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、リニア式空燃比センサとして一般に使用されるジルコニアセンサは、容量(コンデンサ)特性を有するため、上記従来技術では、以下に示す問題を招く。つまりここで、図27は空燃比センサの等価回路を示しており、この等価回路において、Rgは酸素イオンに対する固体電解質(ジルコニア素子)の粒子抵抗、RhとChはそれぞれ固体電解質の粒子の界面における粒界抵抗と粒界容量、RfとCfはそれぞれ電極界面抵抗と電極界面容量である。この場合、図28に示すように、空燃比センサへの印加電圧を変更する際には、上記Ch,Cfに蓄えられる電荷の影響からセンサ電流が電圧変更直後においてピーク電流を発生し、結果として所定の電流値に収束するまでの時間が長くなる。
【0005】
こうした事態は、高精度な空燃比フィードバック制御を実現する上で特に問題視されることであるが、上記公報の開示技術においてもその問題は解消されなかった。その結果、本来、空燃比が高精度に検出されるべく領域、すなわち、例えばストイキ制御域(空燃比=13〜17程度の領域)において空燃比の検出精度が悪化し、ひいては空燃比の制御精度が低下してエミッション悪化等の不具合を招くおそれもあった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、空燃比を広域に検出しつつ、その空燃比検出精度を向上させることができる空燃比検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では第1の主旨として、請求項1に記載したように、目標空燃比の設定域において空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしている。また、上記目標空燃比の設定域として、特に、請求項2に記載したように、少なくともストイキ近傍領域において、或いは請求項3に記載したように、少なくともリーンバーン制御域において、また請求項18に記載したように、少なくともリッチ制御域において、空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしている。この場合、印加電圧の変化率とは、空燃比センサのV-I特性図における印加電圧特性線の傾きに相当する。
【0008】
併せて、本発明では第2の主旨として、請求項7に記載したように、空燃比センサへの印加電圧を変更する際に、その時の印加電圧の変更速度を逐次可変に設定している。
【0009】
つまり、上記請求項1又は請求項2、3、18の発明によれば、目標空燃比の設定域若しくはストイキ近傍領域、リーンバーン制御域、リッチ制御域において印加電圧の変化率を小さくすることにより、空燃比センサの容量(コンデンサ)特性の影響を受けることなく、当該センサに電圧が印加されることになる。従って、従前の装置のように、コンデンサに蓄えられる電荷の影響からセンサ電流が電圧変更直後においてピーク電流を発生し、それにより所定の電流値に収束するまでの時間が長くなるといった問題を招くことはない。この場合、印加電圧の変化率を小さくする領域は特定域に限定しているため、空燃比の検出範囲を必要以上に狭めることもない。また、極リッチ領域や極リーン領域においても精度良く空燃比が検出できるようになるため、空燃比の検出範囲を広げることができる。その結果、空燃比を広域に検出しつつ、その空燃比検出精度を向上させることができるようになる。
【0010】
また、請求項7に記載の発明においても、上記請求項1,2と同様に、空燃比センサの容量(コンデンサ)特性の影響を受けることなく当該センサに電圧が印加され、電圧変更直後にてピーク電流を発生し、それにより所定の電流値に収束するまでの時間が長くなるといった問題を招くことはない。この場合、必要に応じて印加電圧の変更速度を変化させるようにしているため、空燃比を精度良く検出できる領域を広げることができる。その結果、上記請求項7の構成においても、本発明の目的が達せられることになる。
【0011】
なお因みに、空燃比の検出精度を向上させることだけを考えれば、空燃比検出範囲の全域で印加電圧の変更速度をできる限り遅くするのが望ましいが、このように全域で変更速度を遅くすると空燃比の急変時に対処できなくなるおそれがある。従って、制御仕様や或いはその時々の必要性に応じて印加電圧の変更速度を変化させ、追従性を確保するために変更速度が速い領域を設けることも必要となる。
【0012】
ここで、高精度な空燃比フィードバック制御を実現するには、目標空燃比の設定域で精度良く空燃比(センサ電流値)が検出されることが必須要件であり、そのため、特に請求項1に記載の発明では、目標空燃比の設定域において空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしている。要するに、空燃比をストイキ近傍領域でフィードバック制御する場合、目標空燃比の設定域は例えば空燃比=13〜17となり、また他方で、空燃比をリーンバーン領域でフィードバック制御する場合、目標空燃比の設定域は例えば空燃比=20〜26となる。そして、これら目標空燃比の設定域において印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすれば、精度の高い検出空燃比(センサ電流値)が得られ、その検出結果を空燃比フィードバック制御に反映させることができる。すなわち、高精度な空燃比フィードバック制御が実施でき、エミッションが悪化する等の不具合が解消できる。
【0013】
一方、近年の空燃比制御システムでは、主に空燃比センサの劣化状態を判定することを目的として、例えば燃料カット時等における大気検出状態でその時のセンサ電流値を判別する処理が実施されることがある。この場合、大気検出時のセンサ電流値は既知であるため、請求項4に記載したように、かかる領域にて空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすれば、その検出結果の信頼性が向上することになる。なおこうした大気検出時の検出結果は、センサ特性の個体差の補正にも用いられる。
【0014】
また、請求項1に記載の発明では、請求項5に記載したように、印加電圧の変化率を小さくする領域で空燃比センサへの印加電圧を固定値とするのが、構成を簡素化する上で望ましい。
【0015】
また、請求項6に記載したように、印加電圧の変化率を小さくする領域を空燃比センサの素子内部抵抗に応じて可変に設定するようにすれば、より一層精度の高い空燃比検出が実現できることとなる。
【0016】
さらに、上記請求項7の発明では、請求項8に記載したように、印加電圧の変更速度を変化させる際に、電圧幅又は時間間隔のいずれか一方、若しくは両方を変化させるとよい。これは、印加電圧の変更速度を変化させる一手法であるが、かかる手法によれば、簡易的に印加電圧の変更速度が変えられるようになる。
【0017】
請求項7又は請求項8に記載の発明を具体化する際には、以下の請求項9〜請求項14に示す一条件又は複数条件に従って印加電圧の変更速度を設定するのが望ましい。
【0018】
つまり、請求項9に記載の発明では、空燃比の検出領域毎(すなわち、センサ電流値毎)に印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図24に示すように、例えばストイキ近傍での制御において適用する場合で示せば、空燃比がストイキ(センサ電流値=0)に近づくほど印加電圧の変更速度を遅くすると共に、空燃比がストイキから離れるほど同変更速度を速くするのが望ましい。
【0019】
請求項10に記載の発明では、目標印加電圧と実際の印加電圧との差(電圧変更量)に応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図25に示すように、電圧変更量が小さくなるほど印加電圧の変更速度を遅くすると共に、電圧変更量が正側又は負側に大きくなるほど同変更速度を速くするのが望ましい。
【0020】
請求項11に記載の発明では、空燃比センサの素子内部抵抗に応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図20に示すように、素子内部抵抗が小さくなるほど印加電圧の変更速度を遅くすると共に、素子内部抵抗が大きくなるほど同変更速度を速くするのが望ましい。
【0021】
請求項12に記載の発明では、空燃比センサにより検出された電流値の変化量に応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図21に示すように、電流変更量が小さくなるほど印加電圧の変更速度を遅くすると共に、電流変更量が正側又は負側に大きくなるほど同変更速度を速くするのが望ましい。
【0022】
請求項13に記載の発明では、印加電圧の現在値に応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図22に示すように、印加電圧値がストイキ電圧に近づくほど印加電圧の変更速度を遅くすると共に、印加電圧値がストイキ電圧から離れるほど同変更速度を速くするのが望ましい。
【0023】
請求項14に記載の発明では、空燃比センサの電圧−電流特性上における印加電圧特性線の傾き(印加電圧の変化率)に応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。この場合、図23に示すように、前記印加電圧特性線の傾き(同図の屈曲点の角度R)が小さくなるほど印加電圧の変更速度を速くすると共に、屈曲点の角度Rが大きくなるほど同変更速度を遅くするのが望ましい。
【0024】
これら各構成によれば、印加電圧の変更速度をより一層精密に設定することができ、精度の高い空燃比検出が実現できることとなる。また、空燃比検出時の追従性を向上させることができる。なお、上記各条件のうち、何れの条件に基づいて印加電圧の変更速度を設定するかは、その時々の設計思想によるが、何れの場合にも適切な設定処理が実現できる。また、上記の複数の条件を組み合わせるようにすれば、所望の領域において空燃比の検出精度が一段と向上する。
【0025】
また、請求項15に記載の発明では、空燃比制御の途中において大気検出処理が実施される際には、印加電圧の変更速度をそれまでの変更速度よりも速くするようにしている。つまり、例えば燃料カットに伴い実施される大気検出時には、空燃比が急変する。この場合、通常は空燃比の急変途中において当該空燃比が検出されないため、印加電圧の変更速度を速くし、空燃比検出の追従性を向上させることを優先する。
【0026】
請求項16に記載の発明では、少なくとも1つの特定領域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率(印加電圧特性線の傾き)を他の領域よりも小さくし、且つ前記空燃比センサへの印加電圧を変更する際に、その時の印加電圧の変更速度を逐次可変に設定するようにしている。この構成は、上記請求項1の発明と請求項7の発明とを組み合わせたものであり、この組み合わせの発明によれば、より一層適切な印加電圧制御が実現できる。
【0027】
上記請求項16の発明では、請求項17に記載したように、目標空燃比の設定域において空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすると共に、当該変化率を小さくした領域に隣接する領域では印加電圧の変更速度を他よりも遅くするのが望ましい。つまりかかる場合には、目標空燃比の設定域で印加電圧の変化率を小さくすることにより、既述した通り当該領域で空燃比の検出精度が向上する。また一方で、当該領域に隣接する領域で印加電圧の変更速度を他よりも遅くすれば、目標空燃比の設定域の境界部付近で推移する空燃比の検出精度をも向上させることができるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明の空燃比検出装置を空燃比フィードバック制御装置に具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。なお、本実施の形態における空燃比フィードバック制御装置は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジンに適用されるものであって、空燃比センサによる検出結果に基づいてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御する。以下の記載では、空燃比センサを用いた空燃比(A/F)の検出手順、並びに同センサの検出結果に基づく空燃比フィードバック制御手順を詳細に説明する。
【0029】
図1は、本実施の形態における空燃比フィードバック制御装置の概要を示す構成図である。図1において、空燃比フィードバック制御装置は限界電流式空燃比センサ(以下、A/Fセンサという)30を備え、このA/Fセンサ30は、エンジン10のエンジン本体11から延びる排気管12に取り付けられている。A/Fセンサ30は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20から指令される電圧の印加に伴い、排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアな空燃比検出信号を出力する。マイコン20は、各種演算処理を実行するための周知のCPU,ROM,RAM等により構成され、所定の制御プログラムに従い後述するバイアス制御回路40及びヒータ制御回路25を制御する。
【0030】
また、エンジン本体11の吸気管13の最下流部には電磁駆動式のインジェクタ14が配設されている。インジェクタ14は、エンジン制御用ECU26の駆動指令により開弁動作し、エンジン本体11の各気筒に燃料を噴射供給する。エンジン制御用ECU26にはエンジン運転情報として、エンジン水温Thw、エンジン回転数NE、吸気圧PM、スロットル開度TH等が入力されるようになっている。
【0031】
図2は、A/Fセンサ30の概略を示す断面である。図2において、A/Fセンサ30は前記排気管12の内部に向けて突設されており、同センサ30は大別して、カバー31、センサ本体32及びヒータ33から構成されている。カバー31は断面コ字状をなし、その周壁にはカバー内外を連通する多数の小孔31aが形成されている。センサ本体32は空燃比リーン領域における酸素濃度、若しくは空燃比リッチ領域における未燃ガス(CO,HC,H2 等)濃度に対応する限界電流を発生する。
【0032】
センサ本体32の構成について詳述する。センサ本体32において、断面カップ状に形成された固体電解質層34の外表面には、排気ガス側電極層36が固着され、内表面には大気側電極層37が固着されている。また、排気ガス側電極層36の外側には、プラズマ溶射法等により拡散抵抗層35が形成されている。固体電解質層34は、ZrO2 、HfO2 、ThO2 、Bi2 O3 等にCaO、MgO、Y2 O3 、Yb2 O3 等を安定剤として固溶させた酸素イオン伝導性酸化物焼結体からなり、拡散抵抗層35は、アルミナ、マグネシャ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質からなる。排気ガス側電極層36及び大気側電極層37は共に、白金等の触媒活性の高い貴金属からなりその表面には多孔質の化学メッキ等が施されている。なお、排気ガス側電極層36の面積及び厚さは、10〜100mm^2(平方ミリメートル)及び0.5〜2.0μm程度となっており、一方、大気側電極層37の面積及び厚さは、10mm^2(平方ミリメートル)以上及び0.5〜2.0μm程度となっている。
【0033】
ヒータ33は大気側電極層37内に収容されており、その発熱エネルギによりセンサ本体32(大気側電極層37、固体電極質層34、排気ガス側電極層36及び拡散抵抗層35)を加熱する。ヒータ33は、センサ本体32を活性化するに十分な発熱容量を有している。
【0034】
上記構成のA/Fセンサ30において、センサ本体32は理論空燃比点よりリーン領域では酸素濃度に応じた限界電流を発生する。この場合、酸素濃度に対応する限界電流は、排気ガス側電極層36の面積、拡散抵抗層35の厚さ、気孔率及び平均孔径により決定される。また、センサ本体32は酸素濃度を直線的特性にて検出し得るものであるが、このセンサ本体32を活性化するのに約600℃以上の高温が必要とされると共に、同センサ本体32の活性温度範囲が狭いため、エンジン10の排気ガスのみによる加熱では活性領域を制御できない。そのため、本実施の形態では、ヒータ33の加熱制御によりセンサ本体32を活性化温度域にまで加熱する。なお、理論空燃比よりもリッチ側の領域では、未燃ガスである一酸化炭素(CO)等の濃度が空燃比に対してほぼリニアに変化し、センサ本体32はCO等の濃度に応じた限界電流を発生する。
【0035】
センサ本体32の電圧−電流特性について図3を用いて説明する。図3によれば、A/Fセンサ30の検出空燃比に比例するセンサ本体32の固体電解質層34への流入電流と、同固体電解質層34への印加電圧とがリニアな特性を有することが分かる。かかる場合、電圧軸Vに平行な直線部分がセンサ本体32の限界電流を特定するものであって、この限界電流(センサ電流)の増減は空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチ)に対応している。つまり、空燃比がリーン側になるほど限界電流は増大し、空燃比がリッチ側になるほど限界電流は減少する。
【0036】
また、この電圧−電流特性において電圧軸Vに平行な直線部分よりも小さい電圧域は抵抗支配域となっており、その抵抗支配域における一次直線部分の傾きは、センサ本体32における固体電解質層34の内部抵抗により特定される。この素子内部抵抗は温度変化に伴い変化するため、センサ本体32の温度が低下すると素子内部抵抗の増大により上記傾きが小さくなる。
【0037】
一方、図1において、A/Fセンサ30に電圧を印加するためのバイアス指令信号(デジタル信号)Vrはマイコン20からD/A変換器21に入力され、同D/A変換器21にてアナログ信号Vbに変換された後、空燃比の検出電圧をA/Fセンサ30に印加するためのバイアス制御回路40に入力される。このとき、空燃比の検出時には、一般に前記図3の特性線L0を用いてその時の空燃比(センサ電流値)に対応した印加電圧が設定される。
【0038】
また、バイアス制御回路40は、A/Fセンサ30への電圧の印加に伴い流れる電流値を電流検出回路50にて検出し、当該電流検出回路50にて検出された電流値のアナログ信号はA/D変換器23を介してマイコン20に入力される。バイアス制御回路40の詳細な構成については後述する。A/Fセンサ30に付設されたヒータ33は、ヒータ制御回路25によりその作動が制御される。つまり、ヒータ制御回路25は、A/Fセンサ30の素子温やヒータ温度に応じてバッテリ電源(図示しない)からヒータ33に供給される電力をデューティ制御し、ヒータ33の加熱制御を行う。
【0039】
次に、バイアス制御回路40の構成を図4の電気回路図を用いて説明する。図4において、バイアス制御回路40は大別して、基準電圧回路44と、第1の電圧供給回路45と、第2の電圧供給回路47と、電流検出回路50とを有する。基準電圧回路44は、定電圧Vccを分圧抵抗44a,44bにより分圧して一定の基準電圧Vaを生成する。
【0040】
第1の電圧供給回路45は電圧フォロア回路にて構成され、基準電圧回路44の基準電圧Vaと同じ電圧VaをA/Fセンサ30の一方の端子42に供給する(この端子42は、前記図2の大気側電極層37に接続される端子である)。より具体的には、第1の電圧供給回路45は、正側入力端子が各分圧抵抗44a,44bの分圧点に接続されると共に負側入力端子がA/Fセンサ30の一方の端子42に接続された演算増幅器45aと、演算増幅器45aの出力端子に一端が接続された抵抗45bと、この抵抗45bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ45c及びPNPトランジスタ45dとにより構成されている。NPNトランジスタ45cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは電流検出回路50を構成する電流検出抵抗50aを介してA/Fセンサ30の一方の端子に接続されている。また、PNPトランジスタ45dのエミッタはNPNトランジスタ45cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0041】
第2の電圧供給回路47も同様に電圧フォロア回路にて構成され、前記D/A変換器21の出力電圧Vbと同じ電圧VbをA/Fセンサ30の他方の端子41に供給する(この端子41は、前記図2の排気ガス側電極層36に接続される端子41である)。より具体的には、第2の電圧供給回路47は、正側入力端子が前記D/A変換器21の出力に接続されると共に負側入力端子がA/Fセンサ30の他方の端子41に接続された演算増幅器47aと、演算増幅器47aの出力端子に一端が接続された抵抗47bと、この抵抗47bの他端にそれぞれベースが接続されたNPNトランジスタ47c及びPNPトランジスタ47dとにより構成されている。NPNトランジスタ47cのコレクタは定電圧Vccに接続され、エミッタは抵抗47eを介してA/Fセンサ30の他方の端子に接続されている。また、PNPトランジスタ47dのエミッタはNPNトランジスタ47cのエミッタに接続され、コレクタはアースされている。
【0042】
上記構成により、A/Fセンサ30の一方の端子42には常時、基準電圧Vaが供給される。そして、D/A変換器21を経由してA/Fセンサ30の他方の端子41に供給される電圧Vbが前記基準電圧Vaよりも低ければ(Vb<Va)、当該A/Fセンサ30が正バイアスされる。また、同じくA/Fセンサ30の他方の端子41に供給される電圧Vbが前記基準電圧Vaよりも高ければ(Vb>Va)、当該A/Fセンサ30が負バイアスされることになる。かかる場合、電圧の印加に伴って流れるセンサ電流(限界電流)は、電流検出抵抗50aの両端電位差として検出され、A/D変換器23を介してマイコン20に入力される。
【0043】
また、A/Fセンサ30の一方の端子42と電流検出回路50との間には、出力バッファ51が接続されており、この出力バッファ51によりA/Fセンサ30により検出された空燃比(A/F)が電圧信号として直接取り出されるようになっている。
【0044】
次に、上記の如く構成される空燃比フィードバック制御装置の作用を説明する。
図5は、本実施の形態における空燃比制御ルーチンを示すフローチャートであり、同フローはインジェクタ14による燃料噴射に同期してエンジン制御用ECU(以下、ECUと略す)26により実行される。本実施の形態では、エンジン運転状態に応じて空燃比をオープン制御、ストイキF/B制御及びリーンバーンF/B制御のいずれかに切り替えて実行するようにしており、特に、ストイキF/B制御ではストイキ(A/F=14.7)を目標空燃比としてその時の実空燃比との偏差に応じたF/B制御を実施し、リーンバーンF/B制御ではリーン空燃比(例えば、A/F=23)を目標空燃比としてF/B制御を実施するようにしている。
【0045】
その詳細を説明すると、図5のフローにおいて、ECU26は、先ずステップ100で基本噴射量Tpを算出する。この基本噴射量Tpは例えばROMに予め記憶されている噴射量マップを用い、その時のエンジン回転数NE及び吸気圧PMに応じて算出される。また、ECU26は、続くステップ110で空燃比フィードバックの制御条件(フィードバック条件)が成立しているか否かを判別する。ここで、周知のようにフィードバック条件とは冷却水温Thwが所定値以上で、且つ高回転・高負荷でないときに成立する。
【0046】
フィードバック条件が成立していれば、ECU26はステップ120に進み、車両が加速状態であるか否かを例えばスロットル開度THにより判別する。このとき、ステップ120が肯定判別されれば、ECU26はステップ130に進んでストイキ(理論空燃比)でのフィードバック制御を実施すべく、目標空燃比λTGをストイキ目標値(A/F=14.7)に設定する。一方、ステップ120が否定判別されれば、ECU26はステップ140に進んでリーン領域でのフィードバック制御を実施すべく、目標空燃比λTGをリーン目標値(例えばA/F=23程度)に設定する。なお因みに、ストイキF/B制御を行うか、又はリーンバーンF/B制御を行うかの条件判別は、上記の加速条件の他に、エンジン回転数や吸気圧情報を用いて、より安定走行時にリーンバーン制御を行う旨を判別するようにしてもよい。
【0047】
その後、ECU26は、ステップ150でバイアス制御回路40から空燃比λ(A/F値)を読み込み、続くステップ160で空燃比λを目標空燃比λTGとすべくフィードバック補正係数FAFを設定する。ここで、フィードバック補正係数FAFは次の(1),(2)式を用いて算出される。なお、このフィードバック補正係数FAFの設定については、特開平1−110853号公報に開示されている。
【0048】
【数1】
【0049】
但し、上記(1),(2)式において、kは最初のサンプリング開始からの制御回数を示す変数、K1 〜Kn+1 は最適フィードバックゲイン、ZI(k)は積分項、Ka は積分定数である。
【0050】
また、上記ステップ110でフィードバック条件が不成立であれば、ECU26はステップ170に進み、空燃比オープン制御を実施すべくフィードバック補正係数FAFを「1.0」に設定する。フィードバック補正係数FAFの算出後、ECU26は、ステップ180で次の(3)式を用いて燃料噴射量TAUを算出する。
【0051】
TAU=Tp・FAF・FALL ・・・(3)
つまり、基本噴射量Tp、フィードバック補正係数FAF及びその他の補正係数FALL(エンジン水温,電気負荷等の各種補正係数)から燃料噴射量TAUを設定し、その後、ECU26は本ルーチンを終了する。
【0052】
次に、A/Fセンサ30による空燃比(限界電流値)検出時においてその印加電圧を制御する手順について説明する。ここで、本実施の形態では、
・空燃比(センサ電流値)の複数の検出域毎に、印加電圧の変化率が異なる印加電圧特性線を用いて目標印加電圧値を設定すること、
・空燃比(センサ電流値)の複数の検出域毎に、印加電圧の変更速度を逐次可変に設定すること、
を主な特徴としており、その概要を図8のV−I特性図を用いて説明する。
【0053】
図8のV−I特性図によれば、以下に記す(1)〜(4)の各領域をA/Fセンサ30により空燃比が高精度に検出されるべき領域としている。つまり、本実施の形態では、
(1)ストイキF/B制御により目標空燃比が設定されるストイキ近傍領域であり、その空燃比が例えば13〜17の領域(図8のC領域であり、センサ電流=−6〜5mAの領域)、
(2)リーンバーンF/B制御により目標空燃比が設定されるリーンバーン領域であり、その空燃比が例えば20〜26の領域(図8のE領域であり、センサ電流=10〜16mAの領域)、
(3)例えば燃料カットに伴う大気検出領域(図8のG領域であり、センサ電流>27mAの領域)、
(4)所定のリッチ領域であり、その空燃比が例えば12未満の領域(図8のA領域であり、センサ電流<−11mAの領域)、
といった上記4領域を空燃比の高精度検出域としている。
【0054】
これら各領域では、A/Fセンサ30への印加電圧を設定するための印加電圧特性線L1が略直立しており、これは上記(1)〜(4)の各領域において印加電圧が固定されることを意味する。この場合、上記(1)〜(4)の各領域内にて空燃比が変動したとしても、印加電圧が変更されることはなく、ジルコニア素子のコンデンサ特性(図27の等価回路参照)による電流変化の影響を受けてセンサ電流が不用意に変化することはない。
【0055】
但し、上記(1)〜(4)の各領域とは異なる領域、すなわち図8においてセンサ電流=−11〜−6mA,5〜10mA,16〜27mAの領域(図8のB,D,F領域)は、特に空燃比を高精度に検出する領域としていない。そのため、印加電圧特性線L1は傾きをもって与えられ、その時々の空燃比に応じた印加電圧が可変に設定されるようになっている。
【0056】
因みに、上記(4)の領域については、例えば高負荷運転時や低温始動時に燃料噴射量を増量フィードバック制御する場合において、必要になる領域である。同制御によれば、高負荷或いは低温始動時においてドライバビリティが確保できると共に、エミッションの低減が実現できる。なお、本実施の形態ではその制御内容についての記載を省略する。
【0057】
他方、既述したように、本実施の形態では、空燃比の検出域に応じて印加電圧の変更速度を逐次可変に設定するようにしており、これを図8を用いて説明すれば、
(a)センサ電流=−11mA未満,−6〜5mA,10〜16mA,27mA以上の領域(図8のA,C,E,G領域)では、基準速度となる「5mV/4ms」で印加電圧を変化させるようにし、
(b)センサ電流=−11〜−6mA,5〜10mAの領域(図8のB,D領域)は、基準速度よりも遅い「5mV/8ms」で印加電圧を変化させるようにし、
(c)センサ電流=16〜27mAの領域(図8のF領域)では、基準速度よりも速い「10mV/4ms」で印加電圧を変化させるようにしている。
【0058】
こうして上記(a)領域を基準に印加電圧の変更速度を変更する理由は、次の通りである。つまり、上記(b)領域は、既述したA/Fセンサ30のコンデンサ特性による影響を受けないよう検出精度を確保しつつ空燃比情報を得る領域であり、そのため、印加電圧をゆっくりと変化させるようにしている。また、上記(c)領域は、空燃比の検出が不要であって、空燃比の検出よりも燃料カット時の空燃比の急変に追従させるべく、印加電圧の変更速度を速くすることが優先される。
【0059】
かかる場合、印加電圧の変更速度は、図9に示す3通りの速度が用いられ、図9では、単位時間Δt当たりの電圧変化量ΔVの関係を示す。同図において、5mV/4ms(=10mV/8ms)は基準の変更速度を表し、5mV/8ms(=10mV/16ms)は基準よりも遅い変更速度を表し、5mV/2ms(=10mV/4ms)は基準よりも速い変更速度を表している。
【0060】
以下に、A/Fセンサ30による空燃比(センサ電流値)の検出時においてその印加電圧を制御する手順を、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図6及び図7のフローは、電源の投入に伴いマイコン20により起動されるようになっている。
【0061】
さて、マイコン20は、先ずステップ200で前回のセンサ電流検出から所定時間T1が経過したか否かを判別する。ここで、所定時間T1は、センサ電流値Iの検出周期に相当する時間であって、例えばT1=2〜4ms(ミリ秒)程度に設定されるのが適当である。そして、前回のセンサ電流検出時から所定時間T1が経過していれば、マイコン20はステップ200を肯定判別してステップ201に進む。マイコン20は、ステップ201で電流検出回路50により検出されたセンサ電流値(限界電流値)Iを読み込む。このとき、予めマイコン20のROMに記憶されている特性マップを用いてその時のセンサ電流値Iに対応するエンジンの空燃比を検出することも可能である。
【0062】
その後、マイコン20は、ステップ202でその時のセンサ電流値に基づいてA/Fセンサ30に印加すべき目標印加電圧値VTを決定する。かかる場合には、前記図8のV−I特性図で説明した印加電圧特性線L1を用いる。つまり、上述したように、空燃比の検出精度が必要な領域(ストイキ制御域、リーンバーン制御域、大気検出域及びリッチ制御域)では目標印加電圧値VTが固定値として設定され、これに対し、空燃比の検出精度がさほど必要でない上記以外の領域では目標印加電圧値VTが可変に設定されることになる。
【0063】
また、マイコン20は、ステップ203で前記設定した目標印加電圧値VTから現在A/Fセンサ30に印加している電圧値VRを減算し、その値を印加電圧の変更量ΔVとして算出する(ΔV=VT−VR)。この変更量ΔVは印加電圧の偏差に相当する。
【0064】
その後、マイコン20は、ステップ204でセンサ電流値Iに応じて印加電圧の変更速度の設定条件を判別する。このとき、5mV/4msの変更速度を基準とし、10mV/4msを基準よりも遅い変更速度、5mV/8msを基準よりも速い変更速度としている。従って、センサ電流値Iが、I<−11mA,−6≦I<5mA,10≦I<16mA,I≧27mAのいずれかであれば(前記図8のA,C,E,G領域であれば)、マイコン20は図7のステップ210に進み、ステップ210〜212で基準の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定する。また、センサ電流値Iが16≦I<27mAであれば(前記図8のF領域であれば)、マイコン20は図7のステップ205に進み、ステップ205〜209で基準よりも速い変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定する。さらに、センサ電流値Iが、−11≦I<−6mA,5≦I<10mAであれば(前記図8のB,D領域であれば)、マイコン20は図7のステップ213に進み、ステップ213〜216で基準よりも遅い変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定する。
【0065】
そして、基準の変更速度(5mV/4ms)で印加電圧を変更する場合、マイコン20は、図7のステップ210で前記算出した印加電圧の変更量ΔVが5mVを越えるか否かを判別する。この場合、ΔV>5mVであれば、マイコン20はステップ211に進み、印加電圧の現在値VRに5mVを加算し、ΔV≦5mVであれば、印加電圧の現在値VRをそのままホールドする。印加電圧の設定後、マイコン20はステップ217に進み、上記VR値を印加電圧値として出力し、その後図6のステップ200に戻る。これにより、D/A変換器21及びバイアス制御回路40を介してA/Fセンサ30に所望の電圧が印加されることになる。
【0066】
なおここで、本実施の形態では、分解能が5mV/LSBのD/A変換器21を使用することとしており、印加電圧の変更量ΔVが分解能を下回るものであれば、印加電圧の変更は行われないようになっている。但し、印加電圧の変更量ΔVが5mVに満たない場合において、そのΔV値を四捨五入した結果が5mVになるようであれば、印加電圧を変更するようにしてもよい。
【0067】
また、基準よりも速い変更速度(10mV/4ms)で印加電圧を変更する場合、マイコン20は、図7のステップ205で前記算出した印加電圧の変更量ΔVが10mVを越えるか否かを判別する。この場合、ΔV>10mVであれば、マイコン20はステップ211に進み、印加電圧の現在値VRに10mVを加算する。つまり、印加電圧の偏差が大きいため、一度に(高速で)印加電圧を変更する。一方、前記ステップ205でΔV≦10mVであれば、マイコン20はステップ207に進み、印加電圧の変更量ΔVが5mVを越えるか否かを判別する。そして、ΔV>5mVであれば、マイコン20はステップ208に進み、印加電圧の現在値VRに5mVを加算し、ΔV≦5mVであれば、印加電圧の現在値VRをそのままホールドする。印加電圧の設定後、マイコン20はステップ217に進み、上記VR値を印加電圧値として出力する。
【0068】
さらに、基準よりも遅い変更速度(5mV/8ms)で印加電圧を変更する場合には、本処理が4ms周期で実施されるため、多くとも2回に1回の割合で印加電圧が更新されることになる。そこで、マイコン20は、図7のステップ213で現時点が8ms時であるか、すなわち印加電圧の変更時であるか否かを判別する。そして、ステップ213が肯定判別されると、マイコン20はステップ214に進み、前記算出した印加電圧の変更量ΔVが5mVを越えるか否かを判別する。この場合、ステップ213,214が共に肯定判別されれば、マイコン20はステップ215に進み、印加電圧の現在値VRに5mVを加算する。一方、ステップ213,214のいずれかが否定判別されれば、マイコン20はステップ216に進み、印加電圧の現在値VRをそのままホールドする。印加電圧の設定後、マイコン20はステップ217に進み、上記VR値を印加電圧値として出力する。
【0069】
また、本明細書においては詳細な記載を省略するが、本実施の形態の空燃比制御装置では、燃料カット状態にてA/Fセンサ30により大気の空燃比を検出し、その検出結果からA/Fセンサ30の異常や劣化状態を検出するようにしている。つまり、A/Fセンサ30が正常であれば、燃料カットに伴って空燃比がリーン側に大きく移行した際に、それに応じた大きなセンサ電流が得られることになる。この場合、大気検出時のセンサ電流値は既知であるため、燃料カット時における空燃比(センサ電流)の検出結果によれば、センサ異常が容易に検出できる。また、センサ特性の個体差も知ることができる。
【0070】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(a)本実施の形態では、ストイキ制御域(図8のC領域)、リーンバーン制御域(図8のE領域)、大気検出域(図8のG領域)、及びリッチ制御域(図8のA領域)においてA/Fセンサ30への印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくするようにした。具体的には、印加電圧特性線L1をV軸に対して直立させ、上記各領域内では印加電圧を固定とした。
【0071】
この場合、A/Fセンサ30の容量(コンデンサ)特性の影響を受けない状態で、当該センサ30に電圧が印加されることになる。従って、従前の装置のように、コンデンサに蓄えられる電荷の影響からセンサ電流が電圧変更直後においてピーク電流を発生し、それにより所定の電流値に収束するまでの時間が長くなるといった問題を招くことはない(図28参照)。また、上記のように印加電圧を固定とすることにより、極リッチ領域や極リーン領域においても精度良く空燃比が検出できるため、空燃比の検出範囲を広げることができる。その結果、空燃比を広域に検出しつつ、その空燃比検出精度を向上させることができるようになる。
【0072】
(b)ここで、印加電圧の変化率を小さくする領域では、A/Fセンサ30への印加電圧を固定値としたため、本発明の目的を達成する上で構成の簡素化を図ることができる。
【0073】
(c)上記のように、ストイキ制御域及びリーンバーン制御域において空燃比が精度良く検出できることから、その検出結果を空燃比フィードバック制御により良く反映させることができる。すなわち、ストイキ制御並びにリーンバーン制御の併用に際し、高精度な空燃比フィードバック制御が実施でき、エミッションが悪化する等の不具合が解消できる。
【0074】
(d)また、大気検出域において空燃比(センサ電流値)が精度良く検出できることから、例えば燃料カットに伴う大気検出時に検出されたセンサ電流値と、大気検出時の既知のセンサ電流値とを照合比較すれば、A/Fセンサ30の劣化状態を精度良く判定することができるようになる。さらに、こうした大気検出時におけるセンサ電流値の検出結果は、センサ特性の個体差の補正にも用いることができる。
【0075】
(e)併せて、本実施の形態では、A/Fセンサ30への印加電圧を変更する際に、その時の印加電圧の変更速度を逐次可変に設定するようにした。具体的には、センサ電流値(空燃比)毎に3種類の変更速度を設定した。この構成においても、既述したようにA/Fセンサ30のコンデンサ特性の影響を受けることなく当該センサに電圧が印加されることになり、コンデンサ特性に起因する従前の問題が解消できる。この場合、空燃比の全検出域にて適切な検出処理が実施できるため、空燃比を精度良く検出できる領域が広げられることになる。
【0076】
(f)また特に、本実施の形態では、印加電圧の変更速度を変化させる際において、電圧幅を変化させると共に(図7のステップ205〜209)、時間間隔を変化させるようにした(図7のステップ213〜216)。これは、印加電圧の変更速度を変化させる一手法であるが、かかる手法によれば、簡易的に印加電圧の変更速度が変えられるようになる。
【0077】
(g)また、本実施の形態では、空燃比制御の途中において大気検出処理が実施される際には、印加電圧の変更速度をそれまでの変更速度よりも速くするようにした(前記図8のF領域)。つまり、例えば燃料カットに伴い実施される大気検出時には、空燃比が急変する。この場合、通常は空燃比の急変途中において当該空燃比が検出されないため、印加電圧の変更速度を速くし、空燃比検出の追従性を向上させることを優先している。
【0078】
(h)さらに、目標空燃比の設定域(図8の「C」のストイキ制御域、及び図8の「E」のリーンバーン制御域)においてA/Fセンサ30への印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすると共に、当該変化率を小さくした領域に隣接する領域(図8のB,D領域)では印加電圧の変更速度を基準速度(5mV/4ms)よりも遅くした。かかる場合には、目標空燃比の設定域で印加電圧の変化率を小さくすることにより、既述した通り当該領域で空燃比の検出精度が向上する。また一方で、当該領域に隣接する領域で印加電圧の変更速度を他よりも遅くすれば、目標空燃比の設定域の境界部付近(センサ電流値=−6mA,5mA,10mA付近)で推移する空燃比の検出精度をも向上させることができるようになる。
【0079】
なお、上記実施の形態では、図8のV−I特性図に基づいて目標印加電圧値VTを設定するようにし、特に空燃比の検出精度が必要な領域では印加電圧を固定とした。またそれに加え、印加電圧の変更速度を逐次可変に設定するようにした。しかし、構成を簡素化する意図で上記実施の形態を下記の如く変更しても、本発明の目的が達成できる。
【0080】
すなわち、例えば印加電圧を固定とする領域(前記図8においてV軸に直立する部位)を無くし、図10に示すように、A/Fセンサ30の内部抵抗Riに応じた特性線Laを設定しておく。この場合、何れの領域においても同じ傾きで印加電圧が変化するため、空燃比の検出精度が必要な領域でも印加電圧が変化することになる。しかし、前記図6及び図7のルーチンで説明したように、印加電圧の変更速度をその時々に応じて可変に設定すれば、所望の領域で空燃比の検出精度が向上し、本発明の目的が達成られることになる。またかかる構成では、メモリ内に複雑なマップ(印加電圧特性線)を記憶させておかなくてもよいという利点がある。
【0081】
また、前記図8の印加電圧特性線L1に基づいて目標印加電圧値VTを設定する構成(空燃比の検出精度が必要な領域で印加電圧を固定とする構成)を採用する一方で、印加電圧の変更速度を一定値のまま固定させておいてもよい。具体的には、前記図6及び図7のルーチンにおいて、ステップ203〜216の処理を削除する。この場合、上記実施の形態に比べて僅かに検出精度が低下するものの、所望の領域で空燃比の検出精度が向上し、本発明の目的が達せられることに相違ない。
【0082】
次に、本発明の第2〜第5の実施の形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについてはその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0083】
(第2の実施の形態)
以下に、本発明における第2の実施の形態について、図11及び図12を用いて説明する。本実施の形態では、予め設定しておいた空燃比検出範囲の範囲外(図3参照)において、その際に流れるセンサ電流を所定域内に制限することを目的としており、その概略を図11のV−I特性図を用いて説明する。
【0084】
図11によれば、A/F=11.5〜26(センサ電流=−13〜16mAの範囲)の範囲を「空燃比検出範囲」としており、同範囲内では、上記第1の実施の形態における特性線L1と同様の特性線L10が設定され、この特性線L10を用いて印加電圧が制御されるようになっている。この特性線L10は、印加電圧が固定されるストイキ制御域(A/F=13〜17)、リーンバーン制御域(A/F=20〜26)及びリッチ制御域(A/F=11.5〜12)を有するが、空燃比検出範囲外となる大気検出域は省略されている。なお、この特性線L10は上記の3箇所に印加電圧を固定にする部分を有するものの、全体としては電圧及び電流のうち一方が増加すると他方も増加するといった正特性を有している(正の傾きを有する)。
【0085】
そして、空燃比検出範囲よりもリッチ側(A/F<11.5)では、負の傾き(前記特性線L10とは正負逆の傾き)を有する特性線L11が設定されている。このとき、図中の点aは、前記特性線L10が空燃比検出範囲のリッチ限界となる点であり、点bは、所定のセンサ電流検出範囲(図示略)のリッチ側限界とA/Fセンサ30のリッチ側起電力(0.9V)との交点である。そして、特性線L11は点a,bを結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L11の点bよりもさらにリッチ側は、I軸に平行な直線部となっている(常時、0.9V)。
【0086】
また、空燃比検出範囲よりもリーン側(A/F>26)でも、負の傾き(前記特性線L10とは正負逆の傾き)を有する特性線L12が設定されている。このとき、図中の点cは、前記特性線L10が空燃比検出範囲のリーン限界となる点であり、点dは、所定のセンサ電流検出範囲(図示略)のリーン側限界とA/Fセンサ30のリーン側起電力(0V)との交点である。そして、特性線L12は点c,dを結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L12の点dよりもさらにリーン側は、I軸に平行な直線部となっている(常時、0V)。
【0087】
上記の如く特性線L11,L12を設定することにより、図11に示す状態下において、空燃比検出範囲外となる領域では、その時に流れるセンサ電流が自ずと所定領域内(例えば、回路設計上、予め設定されているセンサ電流検出範囲内)に制限されることとなる。
【0088】
以下に、本実施の形態における印加電圧制御を実施する手順について、図12のフローチャートを用いて説明する。図12のフローは、前記第1の実施の形態における図6のステップ202内で実施される追加処理であり、図6及び図7の印加電圧制御ルーチンの他の処理は既述したものと同様である。この図12の処理では、前記図11の印加電圧特性線L10,L11,L12に基づいてA/Fセンサ30への印加電圧値が決定されるようになっている。
【0089】
詳しくは、マイコン20は、ステップ202aでセンサ電流値Iが空燃比検出範囲のリッチ限界以下であるか否か、すなわちA/F=11.5に相当する電流値以下であるか否かを判別する。センサ電流値Iが空燃比検出範囲のリッチ限界以下であれば、マイコン20は、ステップ202aを肯定判別してステップ202cに進み、センサ電流値Iが空燃比検出範囲のリッチ限界よりも大きければステップ202bに進む。
【0090】
また、マイコン20は、ステップ202bで前記センサ電流値Iが空燃比検出範囲のリーン限界以下であるか否か、すなわちA/F=26に相当する電流値以下であるか否かを判別する。センサ電流値Iが空燃比検出範囲のリーン限界以下であれば、マイコン20は、ステップ202bを肯定判別してステップ202dに進み、センサ電流値Iが空燃比検出範囲のリーン限界よりも大きければステップ202eに進む。
【0091】
ステップ202cに進んだ場合(I≦リッチ限界の場合)、マイコン20は、前記図11の特性線L11を用いて、前処理にて検出したセンサ電流値Iに応じた目標印加電圧値VT(リッチ時電流制限用のセンサ印加電圧)を算出する。また、ステップ202dに進んだ場合(リッチ限界<I≦リーン限界の場合)、マイコン20は、前記図11の特性線L10を用いてセンサ電流値Iに応じた目標印加電圧値VT(通常時の印加電圧)を算出する。さらに、ステップ202eに進んだ場合(I>リーン限界の場合)、マイコン20は、前記図11の特性線L12を用いてセンサ電流値Iに応じた目標印加電圧値VT(リーン時電流制限用のセンサ印加電圧)を算出する。なお、印加電圧の変更速度の設定処理等、上記図12の処理以外は既述した処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0092】
以上本実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様に、本発明の目的が達せられると共に、以下に記す付加的な効果が得られる。
(a)本実施の形態では、空燃比検出範囲外の領域(図11のA/F<11.5,A/F>26の領域)において、センサ電流を所定値に制限するようA/Fセンサ30への印加電圧を制御するようにした。具体的には、空燃比検出範囲内では、V−I座標上で所定の正特性(図11の特性線L10)により印加電圧を制御し、空燃比検出範囲外では、前記正特性とは異なる特性(図11の特性線L11,L12)により印加電圧を制御するようにした。
【0093】
要するに、空燃比検出範囲外の領域においては空燃比に応じた単調な印加電圧制御を実施すると、A/Fセンサ30に大電流が流れる等の問題を招く。これに対して本実施の形態では、センサ電流に制限を与えることにより、過大なセンサ電流が流れるといった問題が回避できる。その結果、空燃比検出範囲外においてセンサ電流を適正に抑制し、正確な電流検出を実施することができる。併せて、A/Fセンサ30に電圧を印加するためのバイアス制御回路40の発熱量(詳細には、回路内のトランジスタの駆動による発熱量)を大幅に低減することができる。
【0094】
(b)特に、図11の特性線L11は、センサ電流が空燃比検出範囲よりもリッチ側にある場合に、A/Fセンサ30の起電力の最大値(0.9ボルト)に近づくよう印加電圧を徐々に制御するものとし、特性線L12は、センサ電流が空燃比検出範囲よりもリーン側にある場合に、A/Fセンサ30の最小値(0ボルト)に近づくよう印加電圧を徐々に制御するものとした。この構成によれば、所定範囲内にてセンサ電流が制限でき、この範囲を超えるようなセンサ電流が流れることはない。因みに、A/Fセンサ30の素子内部抵抗が変化し、抵抗支配領域の傾きが変化するような場合にも、その変化に関係なくセンサ電流を所定範囲内に抑えることができる。
【0095】
(c)また、本実施の形態によれば、空燃比がリーン側或いはリッチ側に大きく変化する場合でも、常にセンサ電流値が所定のセンサ電流検出範囲内にて検出できるため、印加電圧とセンサ電流値とからA/Fセンサ30の素子内部抵抗を検出する必要がある場合には、いつでも当該内部抵抗を検出することが可能となる。
【0096】
以上のようなセンサ電流の制限処理は、上記構成以外に、次のように構成してもよい。例えば、空燃比検出範囲外において、センサ電流値(空燃比)が所定の目標値になるよう印加電圧をフィードバック制御する。かかる場合、センサ電流値が目標値に制御されることにより、当該センサ電流が不用意に上昇したり下降したりすることはない。従って、上記実施の形態と同様に、空燃比検出範囲外においてセンサ電流を適正に検出することができる。また、バイアス制御回路40の発熱量を大幅に抑制することができる。
【0097】
(第3の実施の形態)
次に、本発明における第3の実施の形態を図13〜図16を用いて説明する。上記各実施の形態では、空燃比フィードバック制御装置として、ストイキF/B制御とリーンバーンF/B制御とを併せ実施するシステムを構築しその概要を説明したが、本実施の形態では、ストイキF/B制御のみを実施するシステムについて説明する。また、本実施の形態では、必要に応じてA/Fセンサ30の素子内部抵抗Riを検出することとし、素子内部抵抗Riに応じて印加電圧を設定するための複数の特性線を選択的に使用するようにしている。
【0098】
図13は、本実施の形態における空燃比制御装置の概要を示す構成図である。図13は、上記第1の実施の形態における図1の一部を変更したものであり、同図では、マイコン20からのバイアス指令信号Vrを入力するD/A変換器21の出力側にLPF(ローパスフィルタ)22が設けられている。従って、D/A変換器21から出力されたアナログ信号Vbは、LPF22にて信号Vbの高周波成分が除去されて出力電圧Vcとなり、その電圧Vcが空燃比の検出電圧又は素子内部抵抗の検出電圧の何れかとしてバイアス制御回路40に入力される。このとき、空燃比の検出時には、V−I特性図における印加電圧特性線を用いてその時の空燃比(センサ電流値)に対応した印加電圧が設定されるのに対し、素子内部抵抗の検出時には、所定周波数信号よりなる単発的で且つ所定の時定数を持った電圧が印加されることになる。
【0099】
次に、上記の如く構成される空燃比フィードバック制御装置の作用を説明する。
本実施の形態では、上述したように、空燃比フィードバック制御として、リーンバーンF/B制御を実施せずにストイキF/B制御のみを実施する。そのため、ここではV−I特性図として図16を用い、同図の印加電圧特性線L21(実線で示す)に基づいて印加電圧を設定するようにしている。同図の印加電圧特性線L21では、
(1)ストイキF/B制御により目標空燃比が設定されるストイキ近傍領域であり、その空燃比が例えば13〜17の領域(センサ電流=−6〜5mAの領域)、
(2)例えば燃料カットに伴う大気検出領域(センサ電流>27mAの領域)、(3)所定のリッチ領域であり、その空燃比が例えば12未満の領域(センサ電流<−11mAの領域)、
といった上記3領域を空燃比の高精度検出域としている。つまり、上記3領域では、印加電圧を固定にすべく、印加電圧特性線L21がV軸に対して直立している。
【0100】
なお同図において、実線で示す特性線L21は、内部抵抗Riが30Ωの場合の印加電圧特性線を表し、二点鎖線で示す特性線L22は、内部抵抗Riが60Ωの場合の印加電圧特性線を表している。このように実際上は、例えばA/Fセンサ30の活性化状態のパラメータとなりうる内部抵抗Riに応じて特性線を変更するのが望ましく、このことは上記第1の実施の形態における図8のV−I特性図においても同様である(前記図8においても、ほぼ同様の傾向にてRi毎に印加電圧特性線が設定できる)。
【0101】
図14は、本実施の形態におけるマイコン20のメインルーチンを示すフローチャートである。同図において、マイコン20は、先ずステップ300で前回の空燃比検出時から所定時間T1が経過したか否かを判別する。ここで、所定時間T1は、空燃比の検出周期に相当する時間であって、例えば、T1=2〜4ms程度に設定されるのが適当である。そして、前回の空燃比検出時から所定時間T1が経過していれば、マイコン20はステップ300を肯定判別してステップ310に進む。マイコン20は、ステップ310で電流検出回路50により検出されたセンサ電流値I(限界電流値)を読み込むと共に、その検出結果をエンジン制御用ECU26に出力する。
【0102】
その後、ステップ320では、マイコン20は、後述する手順に従い算出されたA/Fセンサ30の内部抵抗Ri(RAM値)を読み込む。そして、マイコン20は、続くステップ330で図16のV−I特性図上の特性線L21(或いは特性線L22)を参照しつつ、前記読み込んだセンサ電流値I及び内部抵抗Riに応じた目標印加電圧値VTを設定する。
【0103】
また、マイコン20は、ステップ340で前回の内部抵抗検出時から所定時間T2が経過したか否かを判別する。ここで、所定時間T2は、内部抵抗の検出周期に相当する時間であって、例えばエンジン運転状態に応じて選択的に設定される。本実施の形態では、空燃比の変化が比較的小さい通常時(エンジンの定常運転時)にはT2=2s(秒)に、空燃比の急変時(エンジンの過渡運転時)にはT2=128ms(ミリ秒)に、というように設定される。そして、ステップ340が否定判別されれば、マイコン20は、上記の如く所定時間T1の経過毎に空燃比(センサ電流値)を検出し、ステップ340が肯定判別されれば、ステップ350で素子内部抵抗を検出する。素子内部抵抗の検出処理を図15のサブルーチンを用いて説明する。
【0104】
図15において、マイコン20は、先ずステップ351で現時点での空燃比がリッチであるかリーンであるかを判別する。空燃比=リーンであれば、マイコン20は、ステップ352でそれまでの印加電圧Vp(A/F検出電圧)に対して負側→正側の順に電圧を変化させ、空燃比=リッチであれば、ステップ353でそれまでの印加電圧Vpに対して正側→負側の順に電圧を変化させる(バイアス指令信号Vrを操作する)。
【0105】
そして、印加電圧の切り換え後において、マイコン20は、ステップ354で電圧変化量ΔVaと電流検出回路50により検出されたセンサ電流の変化量ΔIaとを読み取る。その後、マイコン20は、続くステップ355でΔVa,ΔIaを用いて内部抵抗Riを算出し(Ri=ΔVa/ΔIa)、その後元のメインルーチンに戻る。また、こうして算出されたRi値は、ヒータ33の電力フィードバック制御に利用され、この制御によりA/Fセンサ30の活性状態を保持されるようになっている。
【0106】
以上本実施の形態では、上記各実施の形態と同様に本発明の目的が達せられると共に、以下に示す付加的な効果が得られる。
(a)本実施の形態では、印加電圧の変化率を小さくする領域をA/Fセンサ30の素子内部抵抗に応じて可変に設定するようにした(図16のV−I特性図参照)。そのため、より一層精度の高い空燃比検出が実現できることとなる。
【0107】
(b)また、本実施の形態では、空燃比を検出するためにA/Fセンサ30に印加した電圧を、所定の時定数を持たせて素子内部抵抗の検出電圧に切り換え、その時の電圧変化と当該電圧変化に伴う電流変化とから素子内部抵抗を検出するようにした。つまり、本構成によれば、素子内部抵抗の検出電圧への切り換え時において、急峻な電流ピークの発生が抑制できる。その結果、正確なセンサ電流値を計測することができ、ひいては、A/Fセンサ30の素子内部抵抗を精度良く検出することが可能となる。こうして素子内部抵抗が正確に検出できれば、空燃比検出の高精度化にも貢献できる。
【0108】
(c)本実施の形態では、LPF22を用いて所定の時定数を有する交流信号をA/Fセンサ30に印加させるようにした。そのため、より簡便な構成にて素子内部抵抗を精度良く検出するといった、有利な効果を得ることができる。この場合、マイコン20は、矩形波状のデジタル信号を生成するのみであるため、その高負荷な演算処理が要求されるものではない。従って、より実現性の高い空燃比検出装置を提供できることとなる。
【0109】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、上記第3の実施の形態の変形例を示すものであって、本実施の形態では、前記図11のV−I特性図で説明したように、予め設定しておいた空燃比検出範囲の範囲外において、その際に流れるセンサ電流を所定域内に制限することを目的としており、その概略を図17のV−I特性図を用いて説明する。
【0110】
つまり、図17によれば、A/F=11.5〜20(センサ電流値=−13〜10mA)の範囲を「空燃比検出範囲」としており、同範囲内では、上記第3の実施の形態における特性線L21,L22と同様の特性線L31,L32が設定され、この特性線L31,L32を用いて印加電圧が制御されるようになっている。なお、特性線L31は内部抵抗Ri=30Ω、特性線L32は内部抵抗Ri=60Ωの特性を表すが、以下には特性線L31を主に詳細を説明する。すなわち、特性線L31は、印加電圧が固定されるストイキ制御域(A/F=13〜17)及びリッチ制御域(A/F=11.5〜12)を有するが、空燃比検出範囲外となる大気検出域は省略されている。また、この特性線L31は上記の2箇所に印加電圧を固定にする部分を有するものの、全体としては電圧及び電流のうち一方が増加すると他方も増加するといった正特性を有している(正の傾きを有する)。
【0111】
そして、空燃比検出範囲よりもリッチ側(A/F<11.5)では、負の傾き(前記特性線L31とは正負逆の傾き)を有する特性線L33が設定されている。このとき、図中の点aは、前記特性線L31が空燃比検出範囲のリッチ限界となる点であり、点bは、所定のセンサ電流検出範囲のリッチ側限界とA/Fセンサ30のリッチ側起電力(0.9V)との交点である。そして、特性線L33は点a,bを結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L33の点bよりもさらにリッチ側は、I軸に平行な直線部となっている(常時、0.9V)。
【0112】
また、空燃比検出範囲よりもリーン側(A/F>20)でも、負の傾き(前記特性線L31とは正負逆の傾き)を有する特性線L34が設定されている。このとき、図中の点cは、前記特性線L31が空燃比検出範囲のリーン限界となる点であり、点dは、所定のセンサ電流検出範囲のリーン側限界とA/Fセンサ30のリーン側起電力(0V)との交点である。そして、特性線L34は点c,dを結ぶ一次直線部を有する。なお、同特性線L34の点dよりもさらにリーン側は、I軸に平行な直線部となっている(常時、0V)。
【0113】
上記の如く特性線L33,L34を設定することにより、図17に示す状態下において、空燃比検出範囲外となる領域では、その時に流れるセンサ電流が自ずと所定領域内(例えば、回路設計上、予め設定されているセンサ電流検出範囲内)に制限されることとなる。
【0114】
以上本実施の形態によれば、前述の各実施の形態と同様に、本発明の目的が達せられると共に、以下に記す付加的な効果が得られる。つまり、本実施の形態では、空燃比検出範囲外の領域(図11のA/F<11.5,A/F>20の領域)において、センサ電流を所定値に制限するようA/Fセンサ30への印加電圧を制御するようにした。そのため、過大なセンサ電流が流れるといった問題が回避でき、適正な電流検出を実施することができる。併せて、A/Fセンサ30に電圧を印加するためのバイアス制御回路40の発熱量を大幅に低減することができる。
【0115】
(第5の実施の形態)
次に、本発明における第5の実施の形態について図18を用いて説明する。本実施の形態は、印加電圧の変更速度の設定手順について上記以外の手法を開示するものであり、具体的には目標印加電圧値VTとその時々の実際の印加電圧値VRとの差である変更量ΔVに応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしている。
【0116】
図18は、本実施の形態における印加電圧制御ルーチンを示すフローチャートであり、同フローはマイコン20への電源投入に従い起動されるようになっている。以下、図18のフローを順を追って説明する。
【0117】
さて、図18のフローがスタートすると、マイコン20は、先ずステップ400で前回のセンサ電流検出から所定時間T1(例えば、2〜4ms程度)が経過したか否かを判別する。そして、前回のセンサ電流検出時から所定時間T1が経過していれば、マイコン20はステップ400を肯定判別してステップ401に進む。マイコン20は、ステップ401で電流検出回路50により検出されたセンサ電流値(限界電流値)Iを読み込む。なおこのとき、予めマイコン20のROMに記憶されている特性マップを用いてその時のセンサ電流値Iに対応するエンジンの空燃比を検出することも可能である。
【0118】
その後、マイコン20は、ステップ402でその時のセンサ電流値に基づいてA/Fセンサ30に印加すべき目標印加電圧値VTを決定する。かかる場合には、前記図8のV−I特性図で説明した印加電圧特性線L1を用いる。つまり、上述したように、空燃比の検出精度が必要な領域(ストイキ制御域、リーンバーン制御域、大気検出域及びリッチ制御域)では目標印加電圧値VTが固定値として設定され、これに対し、空燃比の検出精度がさほど必要でない領域では目標印加電圧値VTが可変に設定されることになる。
【0119】
因みに、この目標印加電圧値VTの設定に際しては、例えば前記図16のように、リーンバーン制御域を持たない特性図を用いることも勿論可能である。この場合、空燃比の検出精度が必要な領域としてのストイキ制御域、大気検出域及びリッチ制御域では目標印加電圧値VTが固定値として設定され、空燃比の検出精度がさほど必要でない上記以外の領域では目標印加電圧値VTが可変に設定されることになる。また、空燃比検出範囲外において、その際に流れるセンサ電流を所定域内に制限する場合には、前記図11や前記図17のV−I特性図を用いて目標印加電圧値VTが設定される。さらに、前記図10に示すように、一次直線からなる特性線La(電圧固定部のない特性線)を用いて目標印加電圧値VTを設定することも可能である。
【0120】
また、マイコン20は、ステップ403で前記設定した目標印加電圧値VTから現在A/Fセンサ30に印加している電圧値VRを減算し、その値を印加電圧の変更量ΔVとして算出する(ΔV=VT−VR)。この変更量ΔVは印加電圧の偏差に相当する。
【0121】
その後、マイコン20は、ステップ404で前記電圧変更量ΔVの絶対値に応じて印加電圧の変更速度の設定条件を判別する。このとき、5mV/4msの変更速度を基準として、20mV/4ms,10mV/4msを基準よりも速い変更速度、5mV/8ms,5mV/12msを基準よりも遅い変更速度としており、マイコン20は、電圧変更量ΔVが大きいほど印加電圧の変更速度を大きい値に設定し、逆に、電圧変更量ΔVが小さいほど印加電圧の変更速度を小さい値に設定するようにしている。具体的には、
・|ΔV|≧0.5Vであれば、ステップ405で「20mV/4ms」の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定し、
・0.3V≦|ΔV|<0.5Vであれば、ステップ406で「10mV/4ms」の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定し、
・0.1V≦|ΔV|<0.3Vであれば、ステップ407で「5mV/4ms」の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定し、
・0.05V≦|ΔV|<0.1Vであれば、ステップ408で「5mV/8ms」の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定し、さらに、
・|ΔV|<0.05Vであれば、ステップ409で「5mV/12ms」の変更速度にて印加電圧が変化するよう当該速度を設定する。
【0122】
そして、上記の如く印加電圧の変更速度が決定されると、マイコン20は、ステップ410で前記決定された目標値VTになるよう上記変更速度に則って印加電圧VRを出力する(電圧値を変化させる)。その後、マイコン20は、ステップ400に戻り、以降同様の処理を繰り返し実行する。
【0123】
なお因みに、かかる印加電圧の変更処理(ステップ405〜409)において、D/A変換器21の分解能が5mV/LSBであるとすれば、基本的には電圧変更量ΔVが5mV未満であれば電圧値の変更はできないようになっている(但し、四捨五入により5mVになる場合に、電圧変更を可能としてもよい)。一方、変更速度が基準速度(5mV/4ms)よりも速い場合には、D/A変換器21の分解能に対応させつつ、一度に必要量の電圧幅を変更するようにしている。この処理は前記図7のステップ205〜209の処理に準ずるものである。また、変更速度が基準速度(5mV/4ms)よりも遅い場合には、複数回に1回の頻度で印加電圧を変更するようにしている。この処理は前記図7のステップ213〜216の処理に準ずるものである。
【0124】
以上本実施の形態によれば、前述の各実施の形態と同様に、本発明の目的が達せられる。また特に、本実施の形態では、印加電圧の変更量ΔVに応じて印加電圧の変更速度を設定するようにしたため、ΔV値をパラメータとした適正な処理が実施できる。
【0125】
なお、本発明の実施の形態は、上記に限定されず以下に示す形態にて具体化できる。
(1)A/Fセンサ30のV−I特性図において、図19に示すように、ステップ状に変化する特性線Lbを設定するようにしてもよい。図19では、例えばリッチ制御域、ストイキ制御域、リーンバーン制御域及び大気検出域において、印加電圧を固定とする部位を有しており、上記図8のように各領域を所定の傾きで接続する部位を省略している。この場合にも、本発明の目的が達せられる。なお、かかる場合には、例えば印加電圧の固定部に相当する複数の電圧電源を用意しておき、その時々の空燃比(センサ電流値)に応じて各電圧電源をスイッチング手段により切り換えて使用するようにしてもよい。こうした構成によれば、マイコン20による複雑な演算処理が削除でき、演算負荷が軽減できると共に、コスト低減も図ることが可能になる。
【0126】
(2)上記各実施の形態では、印加電圧を所定の変更速度にて変化させる際において、D/A変換器21の分解能(5mV/LSB)に基づいてその変更動作を行わせていた。そのため、D/A変換器21の分解能を下回る電圧変更量ΔVについては、電圧値をそのままホールドさせるようにしていた(図6及び図7のフロー参照)。これに対して、高分解能でリニアに電圧値を変更できる構成を用いれば、微少量の電圧変更にも対処でき、常に目標印加電圧値VTに一致するよう印加電圧を調整することができるようになる。この場合、前記図7のステップ209,212,216の処理は、「VR=VR+ΔV(但し、ΔVは電圧変更の不足分に相当する)」のように変更される。
【0127】
(3)印加電圧の変更速度を可変に設定する条件として、上述したセンサ電流値Iや電圧変更量ΔV以外に、以下に示す図20〜図23の形態を用いるようにしてもよい。
・図20に示すように、A/Fセンサ30の内部抵抗Riに応じて印加電圧の変更速度を可変に設定する。この場合、内部抵抗Riが大きくなるほど変更速度を速くし、逆に、内部抵抗Riが小さくなるほど変更速度を遅くする。図中の実線はD/A変換器の分解能に応じて変更速度をステップ状に変化させる事例を示し、破線は変更速度をリニアに変化させる事例を示す。
・図21に示すように、センサ電流値の変化量ΔIに応じて印加電圧の変更速度を可変に設定する。この場合、変化量ΔIが小さくなるほど変更速度を遅くし、逆に、変化量ΔIが正側又は負側に大きくなるほど変更速度を速くする。図中の実線はD/A変換器の分解能に応じて変更速度をステップ状に変化させる事例を示し、破線は変更速度をリニアに変化させる事例を示す。
・図22に示すように、ストイキでの印加電圧を基準にして、現在の印加電圧値VRに応じて印加電圧の変更速度を可変に設定する。この場合、印加電圧値VRがストイキ電圧に近づくほど変更速度を遅くし、逆に、印加電圧値VRがストイキ電圧から離れるほど変更速度を速くする。図中の実線はD/A変換器の分解能に応じて変更速度をステップ状に変化させる事例を示し、破線は変更速度をリニアに変化させる事例を示す。
・図23(a),(b)に示すように、印加電圧特性線の傾き(屈曲点の角度R)に応じて印加電圧の変更速度を可変に設定する。この場合、印加電圧特性線のRが大きくなるほど変更速度を遅くし、逆に、印加電圧特性線のRが小さくなるほど変更速度を速くする。図中の実線はD/A変換器の分解能に応じて変更速度をステップ状に変化させる事例を示し、破線は変更速度をリニアに変化させる事例を示す。
【0128】
因みに、センサ電流値Iや電圧変更量ΔVと印加電圧の変更速度との関係についてもグラフ化すれば、図24及び図25に示すようになる。ここでも、図中の実線はD/A変換器の分解能に応じて変更速度をステップ状に変化させる事例を示し、破線は変更速度をリニアに変化させる事例を示す。
【0129】
これら各構成によれば、印加電圧の変更速度をより一層精密に設定することができ、精度の高い空燃比検出が実現できることとなる。また、空燃比検出時の追従性を向上させることができる。なお、上記各条件のうち、何れの条件に基づいて印加電圧の変更速度を設定するかは、その時々の設計思想によるが、何れの場合にも適切な設定処理が実現できる。また、上記の複数の条件を組み合わせるようにすれば、所望の領域において空燃比の検出精度が一段と向上することになる。
【0130】
(4)上記各実施の形態では、ストイキ制御域、リーンバーン制御域、大気検出域及びリッチ制御域の各領域について、A/Fセンサ30への印加電圧の変化率を小さくするように構成していたが、こうして印加電圧の変化率を小さくする領域は例えばストイキ制御域だけとしてもよい。要は、少なくとも1つの特定領域においてA/Fセンサ30への印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすれば、本発明の主旨が達せられる。また、上記各領域は空燃比の検出精度が必要な領域であることから、例えば図8に示すように印加電圧特性線をV軸に直立させていたが、これら各領域においては必ずしも特性線を直立させて印加電圧を固定させる必要はなく、僅かな傾きを持たせてもよい。要は、空燃比の検出精度が要求される上記各領域においては、他の領域よりも印加電圧の変化率を小さくするようにすればよい。
【0131】
(5)図26に示すように、リッチ域か或いはリーン域かに応じてスイッチ的に印加電圧値を変化させる印加電圧特性線Lbを設定する。この場合、図示の特性線Lbによれば、一見、ストイキ近傍で印加電圧が急変するように思われるが、印加電圧の変更速度を遅くすれば、同図の破線のように印加電圧が変化し、印加電圧の急変に起因して空燃比の検出精度が悪化するといった不具合が抑制される。
【0132】
(6)A/Fセンサ30の素子内部抵抗と素子温度とは密接な関係に有り、具体的には、素子温度が高くなるほど素子内部抵抗は減少し、素子温度が低くなるほど素子内部抵抗は急激に上昇する。そこで、上記各実施の形態において、素子内部抵抗の代わりに素子温度を用いる構成としてもよい。ここで、素子温度は、熱電対や放射温度計等を用いて検出すればよい。
【0133】
(7)上記各実施の形態では、コップ型A/Fセンサ(限界電流式空燃比センサ)を用いて本発明を具体化していたが、積層型A/Fセンサにて本発明を具体化してもよい。かかる場合にも、既述した通りの作用及び効果が得られる。
【0134】
(8)上記各実施の形態では、車載用ガソリンエンジンの排気ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出するためのA/Fセンサとして本発明を適用したが、例えばディーゼルエンジンやCNG(天然ガス)エンジン等、その他の内燃機関に適用してもよい。また、本発明の適用範囲は自動車用A/Fセンサに限定されるものではなく、これ以外にも適用範囲を拡大することも可能である。例えばコージェネ等の定置型内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサとして具体化することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における空燃比フィードバック制御装置の概要を示す構成図。
【図2】A/Fセンサの詳細な構成を示す断面図。
【図3】A/FセンサのV−I特性図。
【図4】バイアス制御回路の構成を示す電気回路図。
【図5】空燃比制御ルーチンを示すフローチャート。
【図6】第1の実施の形態における印加電圧制御ルーチンを示すフローチャート。
【図7】図6に続いて、印加電圧制御ルーチンを示すフローチャート。
【図8】第1の実施の形態における印加電圧特性線を詳細に説明するためのV−I特性図。
【図9】印加電圧の変更速度を説明するためのグラフ。
【図10】印加電圧特性線を一次直線にした場合について示すV−I特性図。
【図11】第2の実施の形態において、電流値を所定範囲に制限するための印加電圧特性線を示すV−I特性図。
【図12】第2の実施の形態において、印加電圧制御ルーチンの一部を示すフローチャート。
【図13】第3の実施の形態における空燃比フィードバック制御装置の概要を示す構成図。
【図14】第3の実施の形態におけるマイコン20のメインルーチンを示すフローチャート。
【図15】素子内部抵抗検出サブルーチンを示すフローチャート。
【図16】第3の実施の形態における印加電圧特性線を示すV−I特性図。
【図17】第4の実施の形態における印加電圧特性線を示すV−I特性図。
【図18】第5の実施の形態における印加電圧制御ルーチンを示すフローチャート。
【図19】他の実施の形態における印加電圧特性線を示すV−I特性図。
【図20】内部抵抗に応じて印加電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ。
【図21】電流変化量に応じて印加電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ。
【図22】ストイキ電圧を基準とする印加電圧値に応じて当該電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ。
【図23】(a)は、印加電圧特性線の屈曲点の角度Rに応じて印加電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ、(b)は印加電圧特性線の屈曲点の角度Rを示すV−I特性図。
【図24】センサ電流値に応じて印加電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ。
【図25】電圧変更量に応じて印加電圧の変更速度を設定する際の両パラメータの関係を示すグラフ。
【図26】他の実施の形態における印加電圧特性線を示すV−I特性図。
【図27】A/Fセンサの等価電気回路図。
【図28】従来技術の課題を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、20…マイコン(マイクロコンピュータ)、26…エンジン制御用ECU、30…空燃比センサとしての限界電流式A/Fセンサ(コップ型A/Fセンサ)、40…バイアス制御回路。
Claims (18)
- 電圧印加に伴い被検出ガス中の空燃比に対応した電流信号を出力する空燃比センサを用いて、検出空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃比制御システムに適用される空燃比検出装置であって、
前記目標空燃比の設定域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしたことを特徴とする空燃比検出装置。 - 前記目標空燃比の設定域として、少なくともストイキ制御域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の空燃比検出装置。
- 前記目標空燃比の設定域として、少なくともリーンバーン制御域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の空燃比検出装置。
- 既知の電流値を出力する空燃比検出域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の空燃比検出装置。
- 請求項1に記載の空燃比検出装置において、
前記印加電圧の変化率を小さくする領域では前記空燃比センサへの印加電圧を固定値とすることを特徴とする空燃比検出装置。 - 前記印加電圧の変化率を小さくする領域を前記空燃比センサの素子内部抵抗に応じて可変に設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の空燃比検出装置。
- 電圧印加に伴い被検出ガス中の空燃比に対応した電流信号を出力する空燃比センサを用いた空燃比検出装置であって、
前記空燃比センサへの印加電圧を変更する際に、その時の印加電圧の変更速度を逐次可変に設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7に記載の空燃比検出装置において、
印加電圧の変更速度を変化させる際に、電圧幅又は時間間隔のいずれか一方、若しくは両方を変化させることを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
空燃比の検出領域毎に又は検出電流値に応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
目標印加電圧と実際の印加電圧との差に応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
前記空燃比センサの素子内部抵抗に応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
前記空燃比センサにより検出された電流値の変化量に応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
印加電圧の現在値に応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置において、
前記空燃比センサの電圧−電流特性上における印加電圧特性線の傾きに応じて印加電圧の変更速度を設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 前記空燃比センサにより検出した空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃比制御システムに適用されるものであって、
前記空燃比制御の途中において大気検出処理が実施される際には、印加電圧の変更速度をそれまでの変更速度よりも速くすることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の空燃比検出装置。 - 電圧印加に伴い被検出ガス中の空燃比に対応した電流信号を出力する空燃比センサを用いた空燃比検出装置であって、
少なくとも1つの特定領域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくし、且つ前記空燃比センサへの印加電圧を変更する際に、その時の印加電圧の変更速度を逐次可変に設定することを特徴とする空燃比検出装置。 - 前記空燃比センサにより検出した空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃比制御システムに適用されるものであって、
前記目標空燃比の設定域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくすると共に、当該変化率を小さくした領域に隣接する領域では印加電圧の変更速度を他よりも遅くするようにしたことを特徴とする請求項16に記載の空燃比検出装置。 - 前記目標空燃比の設定域として、少なくともリッチ制御域において前記空燃比センサへの印加電圧の変化率を他の領域よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の空燃比検出装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34377496A JP3757507B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 空燃比検出装置 |
US08/996,885 US5993641A (en) | 1996-12-24 | 1997-12-23 | Air fuel ratio detection using current-limited sensor with different timing and/or magnitude of incremental changes in applied sensor voltage |
EP97122780A EP0851108B1 (en) | 1996-12-24 | 1997-12-23 | Air-fuel detection system using a limit current sensor |
DE69729270T DE69729270T2 (de) | 1996-12-24 | 1997-12-23 | Luft-Kraftstoff-Verhältnis-Erfassungssystem mittels einem Grenzstromsensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34377496A JP3757507B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 空燃比検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10185861A JPH10185861A (ja) | 1998-07-14 |
JP3757507B2 true JP3757507B2 (ja) | 2006-03-22 |
Family
ID=18364142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34377496A Expired - Lifetime JP3757507B2 (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | 空燃比検出装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5993641A (ja) |
EP (1) | EP0851108B1 (ja) |
JP (1) | JP3757507B2 (ja) |
DE (1) | DE69729270T2 (ja) |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000046791A (ja) * | 1998-05-29 | 2000-02-18 | Denso Corp | ガス濃度検出装置 |
JP3846058B2 (ja) | 1998-09-04 | 2006-11-15 | 株式会社デンソー | ガス濃度検出装置 |
JP3983422B2 (ja) | 1998-09-29 | 2007-09-26 | 株式会社デンソー | ガス濃度検出装置 |
DE19851949C5 (de) * | 1998-11-11 | 2009-01-22 | Robert Bosch Gmbh | Sensor für die Untersuchung von Abgasen und Untersuchungsverfahren |
US6304813B1 (en) * | 1999-03-29 | 2001-10-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Oxygen concentration detector and method of using same |
US6712054B2 (en) * | 2000-05-17 | 2004-03-30 | Unisia Jecs Corporation | Device and method for measuring element temperature of air-fuel ratio sensor, and device and method for controlling heater of air-fuel ratio sensor |
DE10027897A1 (de) * | 2000-06-06 | 2001-12-13 | Delphi Tech Inc | Verfahren und Anordnung zur Regelung des Luft-Kraftstoff-Verhältnisses eines einem Verbrennungsprozeß zuzuführenden Gemisches |
JP4682465B2 (ja) * | 2000-10-31 | 2011-05-11 | 株式会社デンソー | ガス濃度検出装置 |
JP4124119B2 (ja) | 2003-01-30 | 2008-07-23 | 株式会社デンソー | ガス濃度検出装置 |
US20050161325A1 (en) * | 2004-01-27 | 2005-07-28 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Gas detecting system |
JP2008115808A (ja) * | 2006-11-07 | 2008-05-22 | Denso Corp | 内燃機関の制御装置 |
DE102011077353B4 (de) * | 2011-06-10 | 2013-06-27 | Continental Automotive Gmbh | Kompensation einer Strom-Spannungs-Kennlinie einer Einzellen-Lambdasonde basierend auf einem gemessenen Gleichstromwiderstand |
JP5907345B2 (ja) * | 2012-02-03 | 2016-04-26 | 株式会社デンソー | ガスセンサ制御装置及び内燃機関の制御装置 |
JP5360312B1 (ja) * | 2013-01-29 | 2013-12-04 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
KR20150063555A (ko) * | 2013-01-29 | 2015-06-09 | 도요타지도샤가부시키가이샤 | 내연 기관의 제어 장치 |
JP5915779B2 (ja) * | 2013-01-29 | 2016-05-11 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP6048442B2 (ja) * | 2014-04-11 | 2016-12-21 | 株式会社デンソー | 酸素濃度センサの素子インピーダンス検出装置 |
JP2017207397A (ja) * | 2016-05-19 | 2017-11-24 | 日本特殊陶業株式会社 | ガス濃度検出装置 |
WO2023181582A1 (ja) * | 2022-03-25 | 2023-09-28 | ローム株式会社 | センサシステム |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2946440A1 (de) * | 1979-11-17 | 1981-05-27 | Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart | Verfahren zur gewinnung einer steuergroesse fuer die regelung des kraftstoff-luftverhaeltnisses von brennkraftmaschinen |
DE3310336A1 (de) * | 1982-03-23 | 1983-10-06 | Toyota Motor Co Ltd | Verfahren zum messen einer sauerstoffkonzentration und verfahren zum regeln eines luft/brennstoff-verhaeltnisses aufgrund der gemessenen sauerstoffkonzentration |
JPS59142449A (ja) * | 1983-02-04 | 1984-08-15 | Hitachi Ltd | 空燃比検出装置 |
US4566419A (en) * | 1983-08-20 | 1986-01-28 | Nippondenso Co., Ltd. | Apparatus and method for controlling air-to-fuel ratio for an internal combustion engine |
US4658790A (en) * | 1984-05-01 | 1987-04-21 | Nissan Motor Co., Ltd. | Air/fuel ratio detecting device and control system using same |
JPS61180427A (ja) * | 1985-02-06 | 1986-08-13 | Canon Inc | 集積回路基板 |
JP2509905B2 (ja) * | 1985-02-06 | 1996-06-26 | 株式会社日立製作所 | 空燃比センサ |
JPH065217B2 (ja) * | 1985-03-07 | 1994-01-19 | 日産自動車株式会社 | 空燃比制御装置 |
JPH0743340B2 (ja) * | 1985-04-15 | 1995-05-15 | 三洋電機株式会社 | 酸素濃度検出装置 |
JPS61280560A (ja) * | 1985-06-06 | 1986-12-11 | Fujikura Ltd | 酸素濃度測定方法 |
JPH0627724B2 (ja) * | 1985-06-24 | 1994-04-13 | 日産自動車株式会社 | 空燃比検出装置 |
JPH0616025B2 (ja) * | 1985-08-02 | 1994-03-02 | 株式会社日立製作所 | 空燃比検出装置 |
JPH0227255A (ja) * | 1988-07-18 | 1990-01-30 | Fuji Electric Co Ltd | 酸素センサ |
JP2655885B2 (ja) * | 1988-08-05 | 1997-09-24 | 株式会社フジクラ | 限界電流式ガス濃度センサの駆動方法 |
JP2791052B2 (ja) * | 1988-10-06 | 1998-08-27 | 株式会社フジクラ | ガス濃度センサの駆動方法 |
JP3467808B2 (ja) * | 1992-12-02 | 2003-11-17 | 株式会社デンソー | 酸素濃度判定装置 |
-
1996
- 1996-12-24 JP JP34377496A patent/JP3757507B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1997
- 1997-12-23 DE DE69729270T patent/DE69729270T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-23 EP EP97122780A patent/EP0851108B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-12-23 US US08/996,885 patent/US5993641A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0851108B1 (en) | 2004-05-26 |
US5993641A (en) | 1999-11-30 |
DE69729270T2 (de) | 2005-06-02 |
EP0851108A3 (en) | 2000-07-12 |
JPH10185861A (ja) | 1998-07-14 |
EP0851108A2 (en) | 1998-07-01 |
DE69729270D1 (de) | 2004-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3757507B2 (ja) | 空燃比検出装置 | |
JP3711582B2 (ja) | 酸素濃度検出装置 | |
US6084418A (en) | Method for accurately detecting sensor element resistance | |
US6453724B1 (en) | Gas concentration sensing apparatus | |
US6341599B1 (en) | Power supply control system for heater used in gas concentration sensor | |
JP3692640B2 (ja) | 酸素濃度センサの素子抵抗検出方法 | |
US7776194B2 (en) | Gas concentration measuring apparatus designed to compensate for output error | |
US6226861B1 (en) | Method and apparatus for gas concentration detection and manufacturing method of the apparatus | |
US6055972A (en) | Air fuel ratio control apparatus having air-fuel ratio control point switching function | |
US4580539A (en) | Air-fuel ratio control apparatus | |
JP3680445B2 (ja) | 酸素濃度検出装置 | |
EP0974835B1 (en) | Gas concentration measuring apparatus producing current signal as a function of gas concentration | |
JPH11344466A (ja) | ガス濃度センサのヒータ制御装置 | |
JP3420932B2 (ja) | ガス濃度センサの素子抵抗検出方法 | |
JP3500775B2 (ja) | 酸素センサの劣化判定装置 | |
US4792387A (en) | Air-fuel ratio detecting device | |
JP3845998B2 (ja) | ガス成分濃度測定装置 | |
JP4123580B2 (ja) | 酸素濃度センサの素子抵抗検出方法 | |
JPH11271264A (ja) | ガス濃度センサの温度制御装置 | |
JP3704880B2 (ja) | 酸素センサのヒータ制御装置 | |
JP4069887B2 (ja) | 酸素濃度検出装置 | |
JP4051742B2 (ja) | ガス成分濃度測定装置 | |
JP4033228B2 (ja) | 酸素濃度検出装置 | |
JPH0720088A (ja) | 空燃比検出装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040831 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040914 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051206 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100113 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110113 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130113 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140113 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |