JP3757397B2 - 光コネクタプラグ、光接続機構、光接続方法および光コネクタプラグ整列盤ならびに光コード巻上方法 - Google Patents

光コネクタプラグ、光接続機構、光接続方法および光コネクタプラグ整列盤ならびに光コード巻上方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ネットワーク等において、ロボットハンド等により光コネクタプラグを介して光ファイバの自動的な接続および接続解除をすることで接続切替作業を行なう際に使用される光コネクタプラグ、光接続機構、光接続方法および光コネクタプラグ整列盤ならびに光コード巻上方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、光ファイバ接続切替装置の光接続機構は、複数本の一次側、二次側光ファイバ群に対して、任意の二次側光ファイバと任意の一次側光ファイバとを接続または接続解除する機能を有するものである。例えば、ロボットハンドを用いて接続切替作業を自動化した光ファイバ自動接続切替装置が、特許文献1として提案されている。この光ファイバ自動接続切替装置は、水平面において一直線方向であるX方向と、このX方向に直交するY方向と、垂直方向であるZ方向に移動自在とする移動手段を介してロボットハンドが自在に移動し光ファイバコードの接続・接続解除作業を行なうものである。
【0003】
図10に、従来の光ファイバ自動接続切替装置の構成概要を示す。図10(a)、(b)は、従来の光ファイバ自動接続切替装置を模式的に示す平面図および側面図である。図10(a)、(b)に示すように、光ファイバ自動接続切替装置100は、出力側の光ファイバコード101が接続される光コネクタプラグ110および、入力側の光ファイバコード102が接続される光コネクタプラグ109を接続する光アダプタ111を複数設けた接続盤103と、入力側の光ファイバコード102の光コネクタプラグ109を整列、保持する整列孔を複数並べて設け、接続盤103と対面して配置される整列盤104と、光コネクタプラグ109を把持して光ファイバコード102を引き出し、その光コネクタプラグ109を光アダプタ111に対して接続、接続解除を行なうハンド機構105と、光アダプタ111から光コネクタプラグ109を抜き去った光ファイバコード102を巻き取る巻き取り機構106と、巻き取った光ファイバコード102を収納する余長処理部107と、ハンド機構105を接続盤103および整列盤104の所望の位置に移動させる移動機構108とから構成されている。
【0004】
そして、従来の光ファイバ自動接続切替装置100は、つぎに示す動作により光ファイバコードの接続切替作業を行っている。
はじめに、ハンド機構105により接続盤103の光アダプタ111から光コネクタプラグ109を接続解除された光ファイバコード102は、巻き取り機構106に設けられたローラ106aにより整列盤104の背面から余長処理部107側に引き出され、余長処理部107に、その光ファイバコード102が収納される。それとともに、光コネクタプラグ109が整列盤104の整列孔に収納される。
【0005】
次に、ハンド機構105によって、再度光ファイバコード102の光コネクタプラグ109を整列盤104から引き出し、再度接続盤103上の任意の例えば、光アダプタ111に接続することで、光ファイバコード102の接続切替作業を行なうものである。
【0006】
【特許文献1】
平成7年特許公開第318820号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光ファイバ自動接続切替装置では、以下に示すような更なる改良する余地があった。
すなわち、光ネットワーク等において、光モジュールを挿入したことによる反射戻り光による影響を抑えたい場合に、フェルールの先端をある角度をもって斜めに研磨したAngledPhysicalContact(APC)研磨光コネクタプラグが用いられる。そのため、従来の光ファイバ接続切替装置にこのAPC研磨光コネクタプラグを使用する場合には、相手側コネクタプラグの斜め研磨面と接するように光コネクタプラグを締結しなければならないため、光コネクタプラグの接続盤への挿入時にプラグの姿勢位置が一意に決まらないことが問題となり、従来の構造をそのまま用いるだけではAPC研磨光コネクタプラグに適用することは困難であった。
【0008】
また、光コネクタプラグが光接続を可能とする接続姿勢から回転した姿勢で光アダプタに係合された場合、および、光アダプタに係合された状態で回転力が加わった場合には、所望の挿入損失などの本来予定していた光学特性が得られなくなる問題があった。
【0009】
また、従来の光ファイバ自動接続切替装置において、ロボットハンドが接続盤の光アダプタに係合している光コネクタプラグを引き抜き、送出機構により光ファイバコードを余長収納部に収納するように送り出す場合、光コネクタプラグのフランジが他の光ファイバコードに絡んで引っかかり、送出機構の送り出し動作が十分に行えずエラーが発生する事例があることが問題となっていた。
【0010】
本発明は前記した問題点に鑑みて創案されたもので、APC研磨光コネクタプラグなど特定位置での光接続を行なうものに対する適用を可能とし、また、光ファイバ接続切替の高信頼性を確保し、さらに、巻上げ時における絡みを無くし、かつ、低コスト化を可能とする光コネクタプラグ、光接続機構、光接続方法および光コネクタプラグ整列盤ならびに光コード巻上方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光コネクタプラグは前記の目的を達成するために、つぎのように構成した。すなわち、光ファイバコードの光接続を行なう光アダプタの光コネクタプラグ締結用係止フックに着脱自在に係合する光コネクタプラグであって、前記光アダプタに対して先端側となり円筒形状に形成されたフェルール部と、このフェルール部を突出させて保持する胴体部と、この胴体部の前記フェルール部が突出する側でその胴体部より大きな外径となるように設けられたフランジ部と、このフランジ部の外径から胴体部に向かってテーパ面が形成され前記光コネクタプラグ締結用係止フックに係合されたときに、その光コネクタプラグ締結用係止フックに隣接する位置に設けられた突起部を備える構成とした。
【0012】
このように構成されることにより、光コネクタプラグは、光アダプタの光コネクタプラグ締結用係止フックに係合されると、突起部がその光コネクタ締結用係止フックに隣接することで、フェルール部の軸線方向に対してその周円回転方向についての移動を抑制する。また、光コネクタプラグは、複数の光ファイバコードの中をかい潜って移動する際に、その突起部のテーパ面が、コネクタ後端部からフランジ部までの段差をスムーズに緩和して他の光ファイバコードに引っかかることはない。
【0013】
また、本発明に係る光接続機構は前記の目的を達成するために、つぎのように構成した。すなわち、一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとをロボットハンドを介して対面させるとともに、着脱自在に係合して前記両光ファイバコードを光接続させる光アダプタを保持する接続盤と、この接続盤に対面する位置に配置され前記二次側光コネクタプラグを整列させる光コネクタプラグ整列盤と、を備える光ファイバ接続切替装置に用いられる光接続機構において、前記二次側光コネクタプラグは、前記光アダプタに係合されるときに先端側となり円筒形状に形成されたフェルール部と、このフェルール部を突出させて保持する胴体部と、この胴体部の前記フェルール部が突出する側でその胴体部より大きな外径となるように設けられたフランジ部と、このフランジ部の外径から胴体部に向かってテーパ面を有する一定幅の突起部を少なくとも1つ以上備え、前記光アダプタは、前記突起部に隣接して前記フランジ部に着脱自在に係合する光コネクタプラグ締結用係止フックを備える光接続機構とした。
【0014】
このように構成されることにより、光接続機構は、両光ファイバコードにおいて光接続するように光アダプタに両光コネクタプラグが係合している場合には、二次側光コネクタプラグの突起部に隣接して光コネクタプラグ締結用係止フックがフランジ部に係合するため、二次側光コネクタプラグは、常に光接続される接続姿勢を維持することができる。また、光接続機構において、光アダプタから離脱させた二次側光ファイバコードを、接続盤に対面する光コネクタプラグ整列盤側に引っ張り移動させる場合に、フランジ部の外径から胴体部に向かうテーパ面により、そのプラグ後端部からフランジ部に沿って当接する二次側光ファイバコードに対してスムーズに潜り抜けて移動させることができる。
【0015】
また、前記光接続機構において、前記二次側光ファイバコードは、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備え、前記光コネクタプラグ整列盤は、前記二次側光ファイバコードの断面形状に沿って形成されたガイド部を備える構成とした。
【0016】
このように構成されることにより、光接続機構では、二次側光ファイバコードを光コネクタプラグ整列盤に整列させるように、その二次側光ファイバコードのガイド部に案内させることで、二次側光ファイバコードの二次側光コネクタプラグが整列されるときの姿勢が一意に決まる。
【0017】
さらに、前記光接続機構において、前記二次側光コネクタプラグは、その胴体部の後端側の円周外径部分に凹部または凸部を形成し、前記ロボットハンドで把持したときに前記光アダプタの光コネクタプラグ締結用係止フックに係合して光接続する接続姿勢となる位置決め把持部を備える構成とした。
【0018】
このように構成されることにより、光接続機構では、光コネクタプラグ整列盤に整列される二次側光コネクタプラグをロボットハンドにより把持する場合に、ロボットハンドが位置決め把持部に当接することで接続姿勢が確保される。
【0019】
そして、前記光接続機構において、前記位置決め把持部は、その胴体部の後端側の円周外径部分に前記凹部として形成された一方と他方の垂直面を互いに平行とした。
【0020】
このように構成されることにより、光接続機構では、二次側光コネクタプラグの胴体部の後端側に形成した平行な垂直面を、ロボットハンドの対応部分が当接して把持することで、常に二次側光コネクタプラグの姿勢が光接続を行なう接続姿勢として維持できる。
【0021】
また、本発明に係る光接続方法では、前記の目的を達成するために、つぎのようにした。すなわち、一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグを係合する光アダプタを保持する接続盤と、この接続盤に対面して配置され二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグを整列させる光コネクタプラグ整列盤との間において、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いて行う光接続方法であって、前記光コネクタプラグ整列盤の前記二次側光コネクタプラグを、ロボットハンドを介して前記光アダプタに着脱自在に係合して前記両光ファイバコードを光接続させる光接続方法において、前記光コネクタプラグ整列盤に整列している前記二次側光コネクタプラグの胴体部の後端側で互いに平行となるように形成された垂直面を、前記ロボットハンドの対応する部位で把持するステップと、前記二次側光コネクタプラグを把持したロボットハンドを所定の光アダプタの対面する位置まで移動させるステップと、所定位置の前記光アダプタに対面する前記ロボットハンドの前進移動により、あらかじめ光接続角度が決められている前記一次側光ファイバコードに対応する接続姿勢で、前記二次側光コネクタプラグが前記光アダプタに着脱自在に係合して両光ファイバコードを光接続させるステップと、を含むものとした。
【0022】
このようにすることにより、光接続方法では、光コネクタプラグ整列盤に接続姿勢を一意に決められた状態で整列している二次側光コネクタプラグを、ロボットハンドで把持することで、二次側光コネクタプラグの胴体部に形成された垂直面を基準として、光接続できる接続姿勢で二次側光コネクタプラグを移動させることができ、その二次側光コネクタプラグの接続姿勢をロボットハンドが維持した状態で光アダプタに着脱自在に係合させることができる。
【0023】
また、本発明に係る光コネクタプラグ整列盤では、前記の目的を達成するために、つぎのように構成した。すなわち、一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備える二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとを、ロボットハンドにより光アダプタを介して光接続させる接続盤に対面する位置に配置され、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いる光コネクタプラグ整列盤であって、前記二次側光ファイバコードの断面形状における長軸方向を垂直方向として案内するように形成されたガイド部を備える第1整列部と、この第1整列部から前記二次側光ファイバコードが送り出される側に配置され、前記二次側光ファイバコードの断面形状において短軸方向を垂直方向として案内するように形成されたガイド部を備える第2整列部とを備える光コネクタプラグ整列盤とした。
【0024】
このように構成されることにより、光コネクタプラグ整列盤では、二次側光コネクタプラグを接続盤の光アダプタから離脱させて、例えば、光コネクタプラグ整列盤の後方に配置される送出機構を介して、その光コネクタプラグ整列盤側に整列されるように二次側光ファイバコードが送られると、はじめに、第1整列部により二次側光ファイバコードの長軸方向が垂直方向となるように案内され、また、その第1整列部の後部側では、第2整列部により二次側光ファイバコードが90度、長手方向の周りに回転して短軸方向が垂直方向となるように案内される。
【0025】
また、本発明に係る光コード巻上方法では、前記の目的を達成するために、つぎのようにした。すなわち、一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備える二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとを、ロボットハンドにより光アダプタを介して光接続させる接続盤と、この接続盤に対面する位置に配置される光コネクタプラグ整列盤と、この光コネクタプラグ整列盤の後方に前記二次側光ファイバコードを送出すための送出機構と、この送出機構により送り出される二次側光ファイバコードを収納するための余長収納部と、を備える光ファイバ接続切替装置の光コネクタプラグ整列盤における二次側光ファイバコードの光コード巻上方法において、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いて行う光コード巻上方法であって、
前記二次側光ファイバコードを、前記送出機構を介して前記光コネクタプラグ整列盤の後方へ送り出す時に、その光ファイバコードの長軸方向を垂直方向として案内して通過させた後に、前記二次側光ファイバコードの短軸方向を垂直方向として案内して通過させ前記余長収納部に収納するようにした。
【0026】
このようにされることにより、光コード巻上方法では、光アダプタから離脱された二次側光コネクタプラグについて、送出機構により光コネクタプラグ整列盤側に送られ、その後方側に二次側光ファイバコードが送り出されると、はじめに二次側光ファイバコードの長軸方向が垂直方向となり、順次、その二次側光ファイバコードの短軸方向が垂直方向となるように余長収納部側に送り出されて収納し易い状態で収納される。なお、二次側光コネクタプラグが、光コネクタプラグ整列盤に整列されると、二次側光ファイバコードの向きが拘束された状態で巻き戻されることから、光接続できる接続姿勢を維持することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)、(c)は光コネクタプラグの構成を示す側面図、b−b線断面図、c−c線断面図、図2(a)、(b)は光コネクタプラグの全体を示す前方からの斜視図および後方からの斜視図、図3(a)、(b)、(c)は光コネクタプラグが光コネクタプラグ締結用係止フックに係合されている状態を示す側面図、b1−b1線断面図、および、他の形態における光コネクタプラグ締結用係止フックのb1−b1線断面図、図4(a)、(b)は光コネクタプラグを把持するロボットハンドの開状態および閉状態を示す斜視図、図5は、光ファイバ接続切替装置の全体を模式的に示し、(a)は二次側光コネクタプラグを接続盤側から接続解除した状態の側面図、(b)はロボットハンドから二次側光コネクタプラグを開放した状態の側面図、(c)は光コネクタプラグ整列盤に二次側光コネクタプラグを整列させた状態の側面図である。
【0028】
なお、ここでは、はじめに、光コネクタプラグの構成を説明し、後に、光ファイバ接続切替装置において、光コネクタプラグ、光接続機構、光コネクタプラグ整列盤について説明する。
【0029】
図1および図2に示すように、光コネクタプラグ1は、光接続するための先端側に配置されるフェルール2と、このフェルール2を挿入して保持する胴体部5と、この胴体部5の先端側であるフェルール2の突出側に設けたフランジ部3と、胴体部5の後端側に設けた位置決め把持部6と、フランジ部3の外径から胴体部5の外径に向かって形成される突起部4とを備えている。なお、この光コネクタプラグ1は、フェルール2の先端を、対面するフェルール(図示せず)に当接することで光接続できるように光ファイバコードF2が挿通されている。
【0030】
フェルール2は、フェルール先端をある角度をもって斜めに研磨した(AngledPhysicalContact(APC)研磨光コネクタプラグ)ものが、ここでは使用されている。なお、このフェルール2は、光接続できる形状および素材であれば特に限定されるものではない。
【0031】
光コネクタプラグ1の胴体部5は、円筒形に形成され先端側にフェルール2を挿入するための開口を備える先端部9と、この先端部9の後方側でその先端部9の直径より小さな直径で円筒形に形成されたプラグ筒部8とを備えている。この胴体部5は、フェルール2および光ファイバコードF2を挿通し保持して光接続できる構成であれば、一定の直径で形成されても構わない。
【0032】
図1ないし図3に示すように、光コネクタプラグ1のフランジ部3は、胴体部5の先端部9の直径より大きな直径となるように突出して一定幅の円環状に形成されており、周縁部分に角を落とすように形成された曲面部3aを有し、かつ、先端部9側に向かう側面を爪当接面3bとしている。このフランジ部3は、光アダプタ11(図5参照)の光コネクタプラグ締結用係止フック12により係合されるためのものである。なお、フランジ部3の正面形状は、図面では、円形に形成されているが、正方形、長方形あるいは多角形であっても構わない。
【0033】
図1および図2に示すように、光コネクタプラグ1の突起部4は、フランジ部3の外径部分から胴体部5のプラグ筒部8に向かって一定幅のテーパ面4aを有するように形成されている。この突起部4は、ここでは、胴体部5の円周上に45度の角度ごとに4つが形成されており、フランジ部3側の端部が、そのフランジ部3の側面に沿って当接した状態で形成され、また、プラグ筒部8側の端部がそのテーパ面4aに連続する傾斜面を備え、環状に形成された連続テーパ面部4bに延設されている。
【0034】
この突起部4は、胴体部5と同じ素材で一体に設けられる構成であることや、また、胴体部5とは別の素材でその胴体部5に接着あるいは嵌合することで設けられる構成としても構わない。さらに、この突起部4の胴体部5の軸線方向における長さは、ここでは、フランジ部3の爪当接面3bからプラグ筒部8の一端部分までとして設定されているが、後記するロボットハンド30の把持動作を邪魔することが無ければ、さらに、プラグ筒部8の中央側まで延ばすように設定してもよい。
【0035】
さらに、図1および図3に示すように、突起部4は、フランジ部3の外径と同じ高さの平坦面4cを介してテーパ面4aが形成されており、ここでは、突起部4の側面と、光コネクタプラグ締結用係止フック12の係止爪13とが、互いに接触する接触面積を大きくするように構成している。この突起部4の平坦面4cは、係止爪13の隣接により十分、フェルール2の軸線の周方向である回転方向に対して、光コネクタプラグ1の回転を抑制できる接触面積を確保することができれば、特に設ける必要はない。
【0036】
また、図2および図3に示すように、この突起部4の円周方向の設置間隔は、光アダプタ11(図5参照)の光コネクタプラグ締結用係止フック12が隣接して、フェルール2の軸線の周方向である回転方向に対して、光コネクタプラグ1の回転を抑制できる状態であればよい。なお、ここでは、図3(b)に示すように、突起部4は、十字方向に形成され、上下に配置された突起部4が、光コネクタプラグ締結用係止フック12の係止爪13,13の間に形成された切欠部13aに嵌合するように構成されているが、回転方向に対して抑制できる構成であれば、その数、幅、形状は特に限定されるものではない。したがって、図3(c)に示すように、光コネクタプラグ締結用係止フック12の係止爪13Aに切欠部13aが無い状態であっても、その係止爪13Aに隣接するように突起部14を設ける構成とすることで、回転方向の周り止めを行なうと共に、常に、光接続できる接続姿勢を維持することができるものとなる。
【0037】
図1および図2に示すように、光コネクタプラグ1の胴体部5の後端側に設けた位置決め把持部6は、ここでは、そのプラグ筒部8の直径より大径に設けた円筒部分において、その円周外径部分に対して凸部または凹部となり、(ここでは凹部)垂直方向に互いに平行になるように形成した垂直面6a,6aを備えている。この位置決め把持部6は、光コネクタプラグ1を把持して移動させるロボットハンド30の対応する部位となる当接基準部16に沿って把持されることで、光接続することのできる接続姿勢が確保できるように構成されている。
【0038】
この位置決め把持部6は、円周外径部分に対して凸部または凹部となるように形成され、あらかじめ設定された光接続することのできる接続姿勢が確保できるものであれば、その形状や形成位置(側面あるいは上面、下面など)は限定されるものではなく、例えば、図9(b)〜(g)に示すような構成が一例として挙げられる。
【0039】
この位置決め把持部6の他の形態として、図9(b)に示すように、位置決め把持部6Bとしてプラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分に凸部となるように形成された垂直面6b、6bを備える構成としている。また、図9(c)に示すように、位置決め把持部6Cとして、プラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分に凸部となるように形成された半円状突部6c,6cとしても良い。さらに、図9(d)に示すように、位置決め把持部6Dとして、プラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分に凹部となるように形成された凹溝部6d,6dとしても良い。
【0040】
また、図9(e)に示すように、位置決め把持部6Eとして、プラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分に凹部となるように形成された複数の三角凹凸溝部6e,6eとしても良い。さらに、図9(f)に示すように、位置決め把持部6Fとして、プラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分の上部に対して凸部となるように形成された矩形突部6fとしても良い。そして、図9(g)に示すように、位置決め把持部6Gとして、プラグ筒部8の後端側に設けた円筒部分に対して上面および下面において凹部となるように形成された溝部6gとしても良い。
【0041】
なお、図9(a)〜(g)に示す各構成では、それぞれの位置決め把持部6〜6Gの形状に対して、ロボットハンド30(図4参照)の当接基準部16(図9(a)に対応する形状)の形状と対応する必要があることは勿論である。
【0042】
また、図1および図5に示すように、光コネクタプラグ1の位置決め把持部6の後部には、光コネクタプラグ整列盤21に整列されるときに、その光コネクタプラグ整列盤21の整列保持穴25に当接して支持される当接支持部7を備えている。この当接支持部7は、円周方向に傾斜面が形成されており、光コネクタプラグ整列盤21に光コネクタプラグ1が整列したときに、ロボットハンド30が垂直面6a,6aおよびプラグ筒部8を把持できる状態に支持されるように形成されている。
【0043】
光コネクタプラグ1に接続される光ファイバコードF2は、円筒形であることや、また、図2に示すように、2心ファイバテープのような楕円形に形成されるものであっても対応して使用することができる。なお、ここでは、後記する光コネクタプラグ整列盤21に必ず一定の姿勢でその光コネクタプラグ1を整列させるために、光ファイバコードF2の断面形状を円形以外の形状としている。
【0044】
すなわち、図8(a)〜(e)に示すように、光ファイバコードF2〜F2dの断面形状は、断面重心位置を通過して直交する長軸と短軸を囲む輪郭線から構成されており、小判型、矩形、瓢箪型、楕円形、あるいは、側辺に凹凸溝を有する矩形など、後記する光コネクタプラグ整列盤21に光コネクタプラグ1を整列させるときの姿勢を特定の姿勢となるように拘束できるものであれば、その断面形状は特に限定されるものではない。
【0045】
つぎに、図5を中心に参照して、光ファイバ接続切替装置Aの構成において、すでに説明した光コネクタプラグ1を二次側光コネクタプラグとして用いて、光接続機構、光コネクタプラグ整列盤について説明する。
【0046】
光ファイバ接続切替装置Aは、一次側光コネクタプラグ1Bおよび二次側光コネクタプラグ1を着脱自在に係合して光接続する光アダプタ11を複数備える接続盤10と、この接続盤10の各光アダプタ11の位置に自在に光コネクタプラグ1を移動させるための移動機構(図示せず)を備えるロボットハンド30と、接続盤10の対面する位置に設置され、二次側光コネクタプラグ1の接続切替を行なう場合の収納整列機構20とを備えている。そして、収納整列機構20は、二次側光コネクタプラグ1を整列させる光コネクタプラグ整列盤21と、この光コネクタプラグ整列盤21の後方に設けられた送出機構22と、この送出機構22の後方に設けられた余長収納部23とを備えている。
【0047】
接続盤10は、複数の光アダプタ11を複数段複数列として整列して保持しており、必要に応じてロボットハンド30の移動位置を正確にするための位置きめセンサ(図示せず)を、ロボットハンド30に対面する位置に配置する構成としても構わない。
【0048】
光アダプタ11は、長手方向において前後となる位置に両光コネクタプラグ1,1Bを挿入して係合することで光接続させるためのものである。なお、ここでは、光アダプタ11は、一次側光コネクタプラグ1Bの光接続機構と二次側光コネクタプラグ1の光接続機構との構成を異にしている。この光アダプタ11に係合される一次側光コネクタプラグ1Bは、汎用品であり、例えば、SC型、MU型プラグと同等で内部にコイルスプリング(図示せず)を有し、光アダプタ11に係合したときに、二次側光コネクタプラグ1のフェルール2を常に押圧する状態とすることができる構成を備えているものである。
【0049】
図5および図3に示すように、この光アダプタ11では、割りスリーブ(図示せず)が形成され両フェルールを挿入すると共に光接続させるための円筒部分(図示せず)を備えており、二次側光コネクタプラグ1を係合する側に光コネクタプラグ締結用係止フック12を水平方向に突出して備えている。
【0050】
図3に示すように、光コネクタプラグ締結用係止フック12は、フランジ部3の外径よりやや大きな間隔となる上下の位置に設けられ、そのコネクタプラグ締結用係止フック12に形成された係止爪13,13が切欠部13aを介して左右に配置されている。そして、係止爪13,13は、その切欠部13aが、突起部4に沿って隣接できる間隔で形成されている。
【0051】
この光コネクタプラグ締結用係止フック12は、後記するロボットハンド30の押動動作により上下方向に弾性力に抗して開口すると共に、そのロボットハンド30の押動動作の解除によりあらかじめ設定された位置に復帰することができる素材で形成されている。なお、図面では、二次側光コネクタプラグ1の上下となる位置に配置されているが、左右となる位置に配置されることや、また、二次側光コネクタプラグ1に形成された突起部4の位置に対応してその突起部4に隣接する位置に配置されても構わない。
【0052】
図3ないし図5に示すように、ロボットハンド30は、二次側光コネクタプラグ1を把持するための一方と他方のフィンガ31,31を備え、接続盤10および光コネクタプラグ整列盤21の間をXYZ方向(垂直、水平直線方向、水平直交方向)に自在に移動することができる移動機構(図示せず)により移動するものである。このロボットハンド30は、二次側光コネクタプラグ1の形状に対応して形成されており、かつ、左右のフィンガ31,31が左右対称として形成されている。
【0053】
そして、フィンガ31,31は、L字形状に形成されており、上下の係止爪13,13,13,13に当接して開口させるための当接押動部32,32,32,32と、突起部4の位置に対応して形成された溝部33,33,33,33と、二次側光コネクタプラグ1の胴体部5を保持するために当接する本体支持部34,34と、二次側光コネクタプラグ1の位置決め把持部6に当接してその二次側光コネクタプラグ1の姿勢を常に一定にするための当接基準部16、16とを備えている。
【0054】
なお、ロボットハンド30の構成は、光コネクタプラグ締結用係止フック12に対して二次側光コネクタプラグを着脱自在に係合させることができ、かつ、当接基準部16を備えるものであれば、特にその形状は限定されるものではない。
【0055】
つぎに、収納整列機構20の構成を説明する。
図5に示すように、光コネクタプラグ整列盤21は、二次側光コネクタプラグ1を所定高さ位置で水平方向に突出した状態で整列させて支持するためのものであり、二次側光コネクタプラグ1の二次側光ファイバコードF2の形状に対応して案内するガイド部21aと、このガイド部21aの一端側に形成された整列保持穴25とを備えている。
【0056】
この光コネクタプラグ整列盤21のガイド部21aは、ここでは、小判型の断面形状に形成された二次側光ファイバコードF2に対応して貫通穴として形成されている。そして、光コネクタプラグ整列盤21の整列保持穴25は、ガイド部21aの開口端位置に、二次側光コネクタプラグ1の当接支持部7が当接するように傾斜面(図7参照)を有するように形成されている。
【0057】
図5(図7参照)に示すように、送出機構22は、二次側光ファイバコードF2を載置する載置ローラおよび対面する摩擦ローラと図示しない駆動機構を備えており、摩擦ローラが載置ローラの軸線方向に移動して所定の二次側光ファイバコードF2を巻き戻すように構成されている。
【0058】
図5に示すように、余長収納部23は、送出機構22から巻き戻される二次側光ファイバコードF2を絡むことなく整列した状態を維持して収納するために各二次側光ファイバコードF2の間に配置される仕切板23aおよびその仕切板23aの上部に設けた覆板23bを備えている。この余長収納部23の仕切板23aは、垂直方向に支持されることや、また、所定角度に傾斜した状態で設ける構成であってもよく、隣に位置する二次側光ファイバコードF2が絡まない幅寸法及び高さ寸法を備えている。
【0059】
つぎに、光ファイバ接続切替装置Aの接続切替動作について図3ないし図5を主に説明する。
図5(a)および図4に示すように、ロボットハンド30が所定の光コネクタプラグ整列盤21に整列されている二次側光コネクタプラグ1を把持する。このとき二次側光コネクタプラグ1は、両フィンガ31,31により、位置決め把持部6の垂直面6a,6aが、両フィンガ31,31の当接基準部16,16に当接し、かつ、胴体部5側が、本体支持部34,34により当接することで把持される。
【0060】
このロボットハンド30により光コネクタプラグ整列盤21に整列されている二次側光コネクタプラグ1が把持されることで、二次側光コネクタプラグ1が、光アダプタ11に係合されて光接続できる姿勢と同様の接続姿勢を常に維持することができる。
【0061】
接続姿勢で把持された二次側光コネクタプラグ1は、ロボットハンド30の移動により所定の光アダプタ11の正面に搬送される。そして、ロボットハンド30が、二次側光コネクタプラグ1を保持したまま前進移動すると、フランジ部3が光コネクタプラグ締結用係止フック12,12の各係止爪13を弾性力に抗して押し広げることで光アダプタ11にフェルール2を挿入する。それと共に、そのフランジ部3が各係止爪13を通過すると、その光コネクタプラグ締結用係止フック12,12が備える弾性力により、もとの位置に復帰することで、そのフランジ部3に係止爪13,13が係止して、光アダプタ11に光接続が可能となる状態で係合される。
【0062】
このとき、二次側光コネクタプラグ1の突起部4が、係止爪13の切欠部13aに隣接した状態で係合されているため、二次側光コネクタプラグ1の回転方向に対して拘束されることで、対面する一次側光コネクタプラグ1Bのフェルール(図示せず)と光接続状態が常に適正な状態に維持される。
【0063】
つぎに、光アダプタ11から二次側光コネクタプラグ1の接続解除を行なう場合、図5(b)および図3(a)に示すように、フィンガ31の当接押動部32が、係止爪13,13の傾斜部分に当接して押動させることで、光コネクタプラグ締結用係止フック12,12の間隔を拡大する方向に押し広げる。そうすることにより、二次側光コネクタプラグ1は、そのフランジ部3が、その係止爪13の係合状態から開放される。
【0064】
それと共に、二次側光コネクタプラグ1は、一次側光コネクタプラグ1Bが備えるコイルスプリングの付勢力により、一次側光コネクタプラグ1Bのフェルールにより、フェルール2が押し出され、光アダプタ11から抜け出す方向に移動する。
そのため、光アダプタ11から押し出された二次側光コネクタプラグ1は、その突起部4がロボットハンド30の溝部33に嵌合した状態で、光接続を可能とする接続姿勢を維持されたまま、そのロボットハンド30に把持されて接続盤10から後方に移動することができる。
【0065】
つぎに、光アダプタ11から二次側光コネクタプラグ1を離脱させたロボットハンド30は、フィンガ31,31を開放することで二次側光コネクタプラグ1を下方に落下させる。それと共に、送出機構22を作動させて光コネクタプラグ整列盤21側に二次側光コネクタプラグ1を引き寄せる。
【0066】
このとき、図6(a)、(b)に示すように、他の二次側光ファイバコードF2が、移動の妨げになるが、突起部4のテーパ面4aが胴体部5とフランジ部3の段差を緩和するため、二次側光ファイバコードF2の間を潜り抜けてスムーズに移動させることができる。そして、送出機構22により余長収納部23に二次側光ファイバコードF2を収納すると共に、その二次側光ファイバコードF2が光コネクタプラグ整列盤21のガイド部21aを案内されて通過することで、二次側光コネクタプラグ1の当接支持部7が、光コネクタプラグ整列盤21の整列保持穴25に当接して支持される。そのため、光コネクタプラグ整列盤21に支持されたときの二次側光コネクタプラグ1の姿勢は、常に、光接続が可能な接続姿勢を維持した状態となる。
【0067】
なお、光コネクタプラグ整列盤21の構成は、図7に示す構成としても構わない。すなわち、図7に示すように、光コネクタプラグ整列盤21は、第1整列部21Aおよび第2整列部21Bを備える構成とする。そして、第1整列部21Aは、すでに図5で説明したものと同等な構成とし、その第1整列部21Aの後方に設置した第2整列部21Bは、二次側光ファイバコードF2の断面における短軸方向を垂直方向として案内するガイド部21bを貫通穴として備えている。そのため、第2整列部21Bを通過した二次側光ファイバコードF2は、余長収納部23に、必ず断面形状の短軸方向を上下方向の折り返しでの収納状態となり、光ファイバコードのねじれ状態が発生することがない。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光コネクタプラグ、光接続機構、光接続方法および光コネクタプラグ整列盤ならびに光コード巻上方法では、以下に示すように優れた効果を奏するものである。
光コネクタプラグは、突起部がフェルール部の軸線方向に対してその周円回転方向についての移動を抑制するため、正規の光接続を可能とする接続姿勢を、光アダプタの係合時に維持でき、所望の光学特性を得ることが可能となる。また、光コネクタプラグは、突起部のテーパ面により、複数の光ファイバコードの中を掻い潜って移動することができ、接続切替作業中にフランジ部が他の光ファイバコードに引っかかって停滞することがない。なお、光コネクタプラグ締結用係止フックは、一般的な構成であっても光コネクタプラグの突起部が、フェルール部の軸線方向に対してその周円回転方向についての移動を抑制して、正規の光接続を可能とする接続姿勢を維持できる。そのため、結果として光ファイバ接続切替動作の高信頼性を可能とする。
【0069】
光接続機構は、光コネクタプラグが光アダプタに係合するときに、光コネクタプラグ締結用係止フックに隣接して光コネクタプラグの突起が係合するため、正規の光接続を可能とする接続姿勢を、光アダプタの係合時に維持でき、所望の光学特性を得ることが可能となる。また、光コネクタプラグは、突起部のテーパ面により、複数の光ファイバコードの中を掻い潜って移動することができ、接続切替作業中にフランジ部が他の光ファイバコードに引っかかって停滞することがない。
【0070】
光接続機構では、二次側光ファイバコードの断面形状を特定し、その二次側光ファイバコードの断面形状に沿ったガイド部を光コネクタプラグ整列盤に備えることにより、二次側光ファイバコードの二次側光コネクタプラグが整列されるときの姿勢が一意に決まるため、光コネクタプラグ整列盤の位置においても、正規の光接続を可能とする接続姿勢を維持することができる。
【0071】
光接続機構では、光コネクタプラグ整列盤に整列される二次側光コネクタプラグをロボットハンドにより把持する場合に、ロボットハンドが位置決め把持部に当接することで接続姿勢が確保されるため、ロボットハンドにより二次側光コネクタプラグを移動させる場合においても、正規の光接続を可能とする接続姿勢を維持することができる。
【0072】
光接続機構では、位置決め把持部を、その胴体部の後端側の円周外径部分に前記凹部として形成された一方と他方の垂直面とすることで、簡易な構成で確実に正規の光接続を可能とする接続姿勢を維持することができる。
【0073】
光接続方法では、二次側光コネクタプラグの胴体部に形成された垂直面を基準として、光接続できる接続姿勢で二次側光コネクタプラグを移動させることができ、その二次側光コネクタプラグの接続姿勢をロボットハンドが維持した状態で光アダプタに着脱自在に係合させることができる。
【0074】
光コネクタプラグ整列盤では、第1整列部により二次側光ファイバコードの長軸方向が垂直方向となるように案内され、また、第2整列部により二次側光ファイバコードが90度、長手方向の周りに回転して短軸方向が垂直方向となるように案内されるため、必ず断面形状の短軸方向が上下方向の折り返しでの収納状態となり、光ファイバコードのねじれ状態が発生することがない。
【0075】
光コード巻上方法では、送出機構により光コネクタプラグ整列盤側に二次側光コネクタプラグが送られ、はじめに二次側光ファイバコードの長軸方向が垂直方向となり、順次、その二次側光ファイバコードの短軸方向が垂直方向となるように余長収納部側に送り出されて収納し易い状態で収納される。そして、二次側光コネクタプラグが、光コネクタプラグ整列盤に整列されると、二次側光ファイバコードの向きが拘束された状態で巻き戻されることから、光接続できる接続姿勢を一意に光コネクタ整列盤において確保することが可能となる。結果として光ファイバ接続替えの高信頼性化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)は、本発明に係る光コネクタプラグの構成を示す側面図、b−b線断面図、c−c線断面図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明に係る光コネクタプラグの構成を示す前方からの斜視図および後方からの斜視図である。
【図3】(a)は、本発明に係る光コネクタプラグが光コネクタプラグ締結用係止フックに係合されている状態を示す側面図、(b)は、b1−b1線断面図、および、(c)は、他の形態における光コネクタプラグ締結用係止フックのb1−b1線断面図である。
【図4】(a)、(b)は、本発明に係る光コネクタプラグを把持するロボットハンドの開状態および閉状態を示すそれぞれの斜視図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ接続切替装置の全体を模式的に示し、(a)は二次側光コネクタプラグを接続盤側から接続解除した状態の側面図、(b)はロボットハンドから二次側光コネクタプラグを開放した状態の側面図、(c)は光コネクタプラグ整列盤に二次側光コネクタプラグを整列させた状態の側面図である。
【図6】(a)、(b)は本発明に係る光コネクタプラグが光ファイバコードを潜り抜ける状態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る光コネクタプラグ整列盤を模式的に示す斜視図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明に係る光ファイバコードの断面形状を示す模式図である。
【図9】(a)〜(g)は、本発明に係る位置決め把持部の断面形状を示す模式図である。
【図10】(a)、(b)は、光ファイバ接続切替装置の全体を模式的に示す平面図および側面図である。
【符号の説明】
A 光ファイバ接続切替装置
F1 光ファイバコード(一次側光ファイバコード)
F2 光ファイバコード(二次側光ファイバコード)
1 光コネクタプラグ(二次側光コネクタプラグ)
1B 光コネクタプラグ(一次側光コネクタプラグ)
2 フェルール
3 フランジ部
3a 曲面部
3b 爪当接面
4 突起部
4a テーパ面
4b 連続テーパ面部
4c 平坦面
5 胴体部
6 位置決め把持部
6a 垂直面(凹部)
7 当接支持面
8 プラグ筒部
9 先端部
10 接続盤
11 光アダプタ
12 光コネクタプラグ締結用係止フック
13 係止爪
13a 切欠部
16 当接基準部
20 収納整列機構
21 光コネクタプラグ整列盤
21a ガイド部
22 送出機構
23 余長収納部
25 整列保持穴
30 ロボットハンド
31 フィンガ
32 当接押動部
33 溝部
34 本体支持部

Claims (8)

  1. 光ファイバコードの光接続を行なう光アダプタの光コネクタプラグ締結用係止フックに着脱自在に係合する光コネクタプラグであって、
    前記光アダプタに対して先端側となり円筒形状に形成されたフェルール部と、このフェルール部を突出させて保持する胴体部と、この胴体部の前記フェルール部が突出する側でその胴体部より大きな外径となるように設けられたフランジ部と、このフランジ部の外径から胴体部に向かってテーパ面が形成され前記光コネクタプラグ締結用係止フックに係合されたときに、その光コネクタプラグ締結用係止フックに隣接する位置に設けられた突起部を備えることを特徴とする光コネクタプラグ。
  2. 一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとをロボットハンドを介して対面させるとともに、着脱自在に係合して前記両光ファイバコードを光接続させる光アダプタを保持する接続盤と、この接続盤に対面する位置に配置され前記二次側光コネクタプラグを整列させる光コネクタプラグ整列盤と、を備える光ファイバ接続切替装置に用いられる光接続機構において、
    前記二次側光コネクタプラグは、前記光アダプタに係合されるときに先端側となり円筒形状に形成されたフェルール部と、このフェルール部を突出させて保持する胴体部と、この胴体部の前記フェルール部が突出する側でその胴体部より大きな外径となるように設けられたフランジ部と、このフランジ部の外径から胴体部に向かってテーパ面を有する一定幅の突起部を少なくとも1つ以上備え、
    前記光アダプタは、前記突起部に隣接して前記フランジ部に着脱自在に係合する光コネクタプラグ締結用係止フックを備えることを特徴とする光接続機構。
  3. 前記二次側光ファイバコードは、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備え、
    前記光コネクタプラグ整列盤は、前記二次側光ファイバコードの断面形状に沿って形成されたガイド部を備えることを特徴とする請求項2に記載の光接続機構。
  4. 前記二次側光コネクタプラグは、その胴体部の後端側の円周外径部分に凹部または凸部を形成し、前記ロボットハンドで把持したときに前記光アダプタの光コネクタプラグ締結用係止フックに係合して光接続する接続姿勢となる位置決め把持部を備えることを特徴とする請求項3記載の光接続機構。
  5. 前記位置決め把持部は、その胴体部の後端側の円周外径部分に前記凹部として形成された一方と他方の垂直面を互いに平行としたことを特徴とする請求項4に記載の光接続機構。
  6. 一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグを係合する光アダプタを保持する接続盤と、この接続盤に対面して配置され二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグを整列させる光コネクタプラグ整列盤との間において、前記光コネクタプラグ整列盤の前記二次側光コネクタプラグを、ロボットハンドを介して前記光アダプタに着脱自在に係合して前記両光ファイバコードを光接続させる光接続方法において、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いて行う光接続方法であって、
    前記光コネクタプラグ整列盤に整列している前記二次側光コネクタプラグの胴体部の後端側で互いに平行となるように形成された垂直面を、前記ロボットハンドの対応する部位で把持するステップと、
    前記二次側光コネクタプラグを把持したロボットハンドを所定の光アダプタの対面する位置まで移動させるステップと、
    所定位置の前記光アダプタに対面する前記ロボットハンドの前進移動により、あらかじめ光接続角度が決められている前記一次側光ファイバコードに対応する接続姿勢で、前記二次側光コネクタプラグが前記光アダプタに着脱自在に係合して両光ファイバコードを光接続させるステップと、を含むことを特徴とする光接続方法。
  7. 一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備える二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとを、ロボットハンドにより光アダプタを介して光接続させる接続盤に対面する位置に配置され、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いる光コネクタプラグ整列盤であって、
    前記二次側光ファイバコードの断面形状における長軸方向を垂直方向として案内するように形成されたガイド部を備える第1整列部と、この第1整列部から前記二次側光ファイバコードが送り出される側に配置され、前記二次側光ファイバコードの断面形状において短軸方向を垂直方向として案内するように形成されたガイド部を備える第2整列部とを備えることを特徴とする光コネクタプラグ整列盤。
  8. 一次側光ファイバコードの先端に取り付けた一次側光コネクタプラグと、横断面でその断面の中心点において交差する長軸と短軸を有する断面形状を備える二次側光ファイバコードの先端に取り付けた二次側光コネクタプラグとを、ロボットハンドにより光アダプタを介して光接続させる接続盤と、この接続盤に対面する位置に配置される光コネクタプラグ整列盤と、この光コネクタプラグ整列盤の後方に前記二次側光ファイバコードを送出すための送出機構と、この送出機構により送り出される二次側光ファイバコードを収納するための余長収納部と、を備える光ファイバ接続切替装置の光コネクタプラグ整列盤における二次側光ファイバコードの光コード巻上方法において、請求項1に記載の光コネクタプラグを二次側光コネクタプラグとして用いて行う光コード巻上方法であって、
    前記二次側光ファイバコードを、前記送出機構を介して前記光コネクタプラグ整列盤の後方へ送り出す時に、その光ファイバコードの長軸方向を垂直方向として案内して通過させた後に、前記二次側光ファイバコードの短軸方向を垂直方向として案内して通過させ前記余長収納部に収納することを特徴とする光コード巻上方法。
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