JP3755119B2 - 制震架構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、制震架構、特に、X型ブレースの交点を上方又は下方に偏位させた制震架構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の既存建物の耐震補強構造及び制震補強構造には、例えば、次ぎの(1)〜(3)のものがある。
(1)1対の柱と1対の梁とを結合して矩形枠を形成し、前記矩形枠内に対角線状に、すなわち、X字状にブレースを配し、そのX字状に配したブレースの各端部を矩形枠の隅部に結合して、X字状に配したブレースの交点を矩形枠の中心に位置させた耐震フレームを使用した既存建物の耐震補強構造(例えば、特開平9−203217号公報参照)。
(2)既存建物の左右の柱と上下の梁とにより囲まれた開口部に、V字型又は逆V字型に鉄製のブレースを設け、V字型のブレースの下部と下側の梁との間又は逆V字型のブレースの上部と上側の梁との間に、極低降伏点鋼をハニカム型パネルに加工してなるハニカムダンパーを配し、ハニカムダンパーの梁に面する部分を梁に固着し、ハニカムダンパーのブレースに面する部分をブレースに固着した制震補強構造(例えば、特開平9−170353号公報参照)。
(3)既存建物の左右の柱と上下の梁とにより囲まれた開口部に、中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼からなる断面が角形又は円形の管体で構成されている1対の制振ブレースをハ字状(逆V字状)に配し、各ブレースの下部を開口部の下隅部に固着し、各ブレースの上部を開口部の上側の梁の中央の下側に固着した制振フレームを用いた制振補強構造(例えば、特開平8−135250号公報参照)。
また、従来の補剛ブレースには、(4)軸力を負担する鉄製のブレースの外周に略外接する口径の鋼管を座屈補剛材として被せ、前記鋼管を少なくとも1箇所でブレースに止着したもの(例えば、特開平7−324377号公報参照)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)の耐震補強構造は、既存建物の耐震性を高めるためのものであり、それに使う耐震架構は、そのX字状に配されたブレースの各端部を矩形のフレームの隅部に結合して、X字状に配されたブレースの交点と矩形枠の中心とを一致させてあり、耐震性を付与するために、フレームやブレースは降伏点又は耐力の高い鋼材を用いて製作する必要がある。そのため、この耐震補強構造は、制震能(地震力を構成部材の塑性変形についやさせて、地震力を吸収する能力)を有していない。
上記(2)の既存建物の制震補強構造は、既存建物の柱及び梁により囲まれた開口部に、鉄製の対のブレースをV字型又は逆V字型に配し、対のブレースの連結部である下部又は上部とこれに対面する梁との間に、極低降伏点鋼をハニカム型パネルに加工してなるハニカムダンパーを配し、ハニカムダンパーの一方の側を梁に固着し、ハニカムダンパーの他方の側を対のブレースの下部又は上部に固着したものであり、ハニカムダンパーの構造が複雑であり、その製作に多くの手間がかかり、V字型又は逆V字型に配される対のブレースも長大になるから、制震補強のための費用が嵩む欠点がある。
上記(3)の既存建物の制震補強構造は、既存建物の柱と梁により囲まれた開口部に、対のブレースをハ字状に配設し、前記の対のブレースとして、中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼からなる断面が角形又は円形の管体で構成したものを使用したものであるが、極低降伏点鋼からなる管体を用いた目的は、前記管体の内周面に絶縁材を配してから、前記管体内にコンクリートを充填して、このコンクリートの存在により、極低降伏点鋼の管体からなるブレースの部分の座屈を防止するためである。そのため、対のブレースの構造が複雑になり、その製作に多くの手間がかかり、既存建物の制震補強のための費用が嵩む欠点がある。
上記(4)の補剛ブレースは、軸力を負担する鉄骨ブレースの外周に略外接する口径の鋼管を座屈補剛材として被せ、前記鋼管を少なくとも1箇所でブレースに止着したもので、軸力を負担するブレースは降伏点又は耐力の高い鋼材で製作する必要があるものであるから、制震能を有していない。
この発明の解決しようとする課題は、従来技術の上記の欠点を有していない制震架構を提供すること、換言すると、小さい地震変形から地震力の履歴吸収が期待でき、制震効果が大きく、その構造が簡単で、製作も容易な制震架構を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の制震架構は、1対の横部材と1対の縦部材とからなる矩形枠内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部とが一体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる結合部の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その部材の全体が極低降伏点鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっていることを特徴とするものである。
また、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっていてもよい。
【0005】
矩形枠は、好ましい実施形態では、1対の鋼製のH形断面の梁と1対の鋼製のH形断面の柱とを矩形になるように接合して構成するが、鋼製のH形断面以外の断面形状の梁又は柱で構成してもよい。
また、略X字型に結合される2対のブレースは、好ましい実施形態では、鋼製のH形断面の部材で構成するが、H形断面以外の断面形状の部材で構成してもよい。
鋼製の連結体も、好ましい実施形態では、鋼製のウェブ板と鋼製のフランジ板とを結合してなる部材で構成するが、他の構造の部材で構成してもよい。
H形断面の梁、H形断面の柱、H形断面の2対のブレース及びウェブ板とフランジ板とからなる連結体を用いて制震架構を構成する場合には、H形断面の梁のウェブ、H形断面の柱のウェブ、2対のH形断面のブレースのウェブ及び連結体のウェブ板がほぼ同じ平面上に位置させるようにするとよい。
【0006】
制震架構の矩形枠の一方の横部材の下側の面と他方の横部材の下側の面との間の間隔が制震補強すべき既存の建物の階高と一致するようにすると、既存建物の制震補強すべき部分に複数の制震架構を上下方向に連ねて取付ける際に、制震架構の矩形枠の横部材の既存の建物の床や梁への取付が容易になる。
また、好ましい実施形態においては、全体が極低降伏点鋼で構成されているブレースの中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体を被せ、又はその中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されている対のブレースの極低降伏点鋼で構成されている部分の中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体を被せ、前記管体を少なくとも1箇所で前記ブレースに止着して、極低降伏点鋼の部分を補剛してその座屈を防止する。
【0007】
この発明の制震架構においては、2対のブレースの交点となる結合部又は連結体が座屈により面外へ移動するのを防止する面外座屈防止体を設け、地震時におけるブレースの交点の面外への移動を防止する。
この発明の制震架構は、例えば、RC造、SRC造のラーメン構造を備えた既存建物の制震補強に適用できるものである。
【0008】
【実施例】
実施例1を図1〜図4を用いて詳細に説明する。
制震架構10は、矩形枠20と、連結体30を介して結合された2対のブレース36,37等で構成されている。
横部材を構成する鋼製のH形断面の梁21の左右の端よりの部分の上側に、縦部材を構成する鋼製のH形断面の柱23,24を梁21に対して直角に立て、かつ梁21の両端部が柱23,24の下端から左右に少々突出するようにして、柱23,24の下端を梁21の上側のフランジ21a1に突き合わせ溶接する。柱23,24の上端の上側に、横部材を構成する鋼製のH形断面の梁22を柱23,24に対して直角にかつ梁22の両端部が柱23,24の上端から左右に少々突出するようにして、柱23,24の上端を梁22の下側のフランジ22a2に突き合わせ溶接して、矩形枠20が形成される。
柱23,24の各フランジ23a1,23a2,24a2,24a1の下端に対応する梁21の部分のフランジ21a1,21a2間に鋼製のスチフナー21c1,21c2を配し、各スチフナー21c1,21c2を各フランジ21a1,21a2及びウェブ21bに溶接する。同様に、柱23,24の上端の各フランジ23a1,23a2,24a2,24a1に対応する梁22の部分のフランジ22a1,22a2間に鋼製のスチフナー22c1,22c2を配し、各スチフナー22c1,22c2を各フランジ22a1,22a2及びウェブ22bに溶接する。
梁21,22及び柱23,24としては、例えば、フランジ幅及び成が同じH形断面の鋼材からなるものを用いる。
【0009】
連結体30は次のようにして製作される。図2及び図3に示すように、鋼製の5角形のウェブ板31の下側の辺31aが梁21,22及び柱23,24のフランジ幅と同じ幅か又はそれ以下の幅の鋼製の平らなフランジ板32aの中心線上に位置するように、ウェブ板31の下側の辺31aをフランジ板32aに溶接する。ウェブ板31の上側のヘ字形の辺31c、31dがこれに合わせて曲げたフランジ板32aの幅と同じ幅の鋼製のヘ字形のフランジ板32cdの中心線上に位置するように、ウェブ板31のヘ字形の辺31c、31dをヘ字形のフランジ板32cdに溶接する。5角形のウェブ板31の右側の辺31bがフランジ板32aの幅と同じ幅の鋼製の平らなフランジ板32bの中心線上に位置するように、ウェブ板31の右側の辺31bをフランジ板32bに溶接し、同様に、5角形のウェブ板31の左側の辺31eがフランジ板32aの幅と同じ幅の鋼製の平らなフランジ板32eの中心線上に位置するように、ウェブ板31の左側の辺31eをフランジ板32eに溶接する。下側のフランジ板32a及び上側のフランジ板32cdの両端をフランジ板32b,32eの両端から少々外側に突出させておき、フランジ板32b,32eの上端及び下端をフランジ板32a,32cdの両端に溶接し、ウェブ板31の中央の両側に配したスチフナー33をウェブ板31及びフランジ板32a,32cdに溶接して、連結体30が完成する。
【0010】
対のブレース36,36は、図1及び図4に示すように、同じ構成で、斜め方向に延びる鋼製の板状のウェブ36bの上側及び下側に鋼製のフランジ36a1,36a2を溶接して製作されている。
ウェブ36bは、上側の水平に辺36b1と、互いに平行な斜め方向に延びる上側の辺36b2及び下側の辺36b3、梁21の端部よりの上側のフランジ21a1に溶接される前記フランジ21a1の上側面と平行な辺36b4と、柱23,24の下部のフランジ23a2,24a1の外側面に溶接される前記外側面と平行な辺36b5と、矩形枠20の隅部20a,20aに対応する4角形状の部分の左側又は右側の辺36b6と、前記辺36b3の下端と前記辺36b6の上端とを結ぶ曲がった辺36b7と、矩形枠20の隅部20aに対応する4角形状の部分の上側の辺36b8と、前記辺36b2の下端と前記辺36b8の内側端とを結ぶ曲がった辺36b9とを備えている。
上側のフランジ36a1は、前記梁21,22及び柱23,24のフランジ幅よりも少々幅狭で、ウェブ36bの上側の辺36b2,36b9,36b8に沿って曲げられ、ウェブ36bの上側の辺36b2,36b9,36b8がフランジ36a1の中心線上に位置するように、フランジ36a1がウェブ36bに溶接される。下側のフランジ36a2は、前記フランジ板36a1と同じ幅で、ウェブ36bの下側の辺36b3、36b7,36b6に沿って曲げられ、ウェブ36bの下側の辺36b3,36b7,36b6がフランジ36a2の中心線上に位置するように、フランジ36a2がウェブ36bに溶接され、ブレース36が完成する。
ブレース36,36の下部を矩形枠20の隅部20a,20aに溶接し、ブレース36,36の上部を連結体30のフランジ板32aの下側面に溶接する。
【0011】
対のブレース37,37は、図1及び図5に示すように、同じ構成で、極低降伏点鋼で構成され、斜め方向に延びる板状のウェブ37bの上側及び下側にフランジ37a1,37a2を溶接して製作されている。
上記極低降伏点鋼としては、例えば、Cが0.02%以下、Siが0.02%以下、Mnが0.20%以下、Pが0.030%以下、Sが0.015%以下の鋼で、降伏点又は0.2%耐力が70〜120N/mm2、引張強さが200〜280N/mm2及び延びが50%以上の機械的性質を有するもの[例えば、川崎製鉄株式会社製のRIVER FLEX100(RF100)]を用いる。
ウェブ37bは、下端の傾斜した辺37b1と、互いに平行な斜め方向に延びる上側の辺37b2及び下側の辺37b3と、梁22の端部よりの部分の下側のフランジ22a2の外側面に溶接される前記外側面と平行な辺37b4と、柱23,24の上部のフランジ23a2,24a1の外側面に溶接される前記外側面と平行な辺37b5と、矩形枠20の隅部20bに対応する4角形状の部分の柱23,24と略平行な左側又は右側の辺37b6と、前記辺37b2の上端と前記辺37b6の下端とを結ぶ曲がった辺36b7,矩形枠20の隅部20bに対応する4角形状の部分の梁22と略平行な左側又は右側の辺37b8と、前記辺37b3の上端と前記辺37b8の内側端とを結ぶ曲がった辺37b9とを備えている。
上側のフランジ37a1は、前記梁21,22及び柱23,24のフランジ幅よりも少々幅狭で、ウェブ37bの上側の辺37b2,37b6,37b7に沿って曲げられ、ウェブ37bの上側の辺37b2,37b7,37b6がフランジ37a1の中心線上に位置するように、フランジ37a1がウェブ37bに溶接される。下側のフランジ37a2は、前記フランジ37a1と同じ幅で、ウェブ37bの下側の辺37b3,37b9,37b8に沿って曲げられ、ウェブ37bの下側の辺37b3,37b9,37b8がフランジ37a2の中心線上に位置するように、フランジ37a2がウェブ36bに溶接され、ブレース37の主体が完成する

【0012】
軸力を負担するブレース37,37の主体には、図5及び図6に示すように、その外側に小さな隙間cをあけて鋼製の矩形断面の管体38が被せられ、前記管体38を、少なくとも1箇所で、例えば、ブレース37のウェブ37b等を貫通するボルト39にて、前記ブレース37に止着する。前記管体38の両端にはそれぞれつば38aが形成されている。
図1に示すように、ブレース37,37の下部を連結体30のヘ字型のフランジ板32cdの上側の傾斜面に溶接し、ブレース37,37の上部を矩形枠20の上隅部20bに溶接して、制震架構10が完成される。
なお、上記の矩形枠20、連結体30、ブレース36及び管体38の製作には、一般の溶接構造用圧延鋼材(例えば、JIS G 3106)や一般構造用圧延鋼材(SS400)が用いられ、この鋼材は、例えば、降伏点又は耐力が230〜350N/mm2、引張強さが400〜600N/mm2である。
【0013】
極低降伏点鋼製のブレースを用いた制震架構の復元力特性は、ブレースの長さ、ブレースの水平に対する傾斜角によって、極低降伏点鋼製のブレースの塑性変形を始めるポイントが左右される。階高(梁間の間隔)に比べてスパン(柱間の間隔)が小さいほど、水平面に対するブレースの傾斜角度が大きくなり、地震時における極低降伏点鋼のブレースの剛性及び該ブレースに作用する軸力が小さくなる。前記ブレースの剛性及び軸力が小さくなると、ある程度大きい地震時変形を受けてから、極低降伏点鋼のブレースが塑性変形を始めるという復元力特性となるため、履歴吸収を期待できる変形領域が小さくなる。
【0014】
実施例1の制震架構10が図7の(a)に概念的に図示されている。1対の梁21,22と1対の柱23,24からなる矩形の矩形枠20内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレース37,37の下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレース36,36の上部とが一体に結合されて、2対のブレース36,37が略X字型に結合され、前記上側の対のブレース37,37の上部がそれに対応する矩形枠20の上隅部20bに連結され、前記下側の対のブレース36,36の下部がそれに対応する矩形枠20の下隅部20aに連結され、2対のブレース36,37の交点となる結合部の中心30cが矩形枠20の中心20cより上方に偏位しており、上側の1対のブレース37,37が、極低降伏点鋼で構成されていて、下側の1対のブレース36,36よりも短くなっている。
地震時に制震架構10に水平力Fが作用すると、制震架構10の上側の梁22が下側の梁21に対して水平方向に変形(層間変形)する。
1対のブレース36,36は鉄骨造の建物の建造に通常使用する降伏点が高い鋼材で製作されていて、十分な剛性と強度とを備えているから、地震時における下側の1対のブレース36,36に支持された連結体30の中心30c、すなわち、ブレースの交点の水平移動は小さい。これに対して、上側の1対のブレース37,37は低降伏点鋼で製作され、降伏点が低く耐力も小さいから、図7の(b)に示すように変形し易い。
そして、1対のブレース37,37は水平面に対する傾斜角が小さいから、地震時に作用する水平力Fのブレース37の軸線方向の分力が大きくなり、かつ地震時のブレース37の剛性も大きくなる。そのうえ、ブレース37の長さがブレース36に比して短いから、ブレース37の変形量が大きくなり、履歴吸収を期待できる変形範囲が広く、小さな地震時変形からエネルギーの履歴吸収が期待でき、制振効果が大きい。
【0015】
比較例の制震架構10’が図8の(a)に概念的に図示されている。実施例1と同じ矩形枠20内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレース37’,37’の下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレース36’,36’の上部とが一体に結合されて、2対のブレース36’,37’がX字型に結合され、上側の対のブレース37’,37’の上部がそれに対応する矩形枠20の上隅部20bに連結され、下側の対のブレース36’,36’の下部がそれに対応する矩形枠20の下隅部20aに連結され、2対のブレース36’,37’がX字状に配されて、2対のブレース36’,37’の交点を構成する連結体30の中心30cが矩形枠20の中心20cに一致し、上側の1対のブレース37,37が、極低降伏点鋼で構成されていて、ブレース36’とが同じ長さになっている。
地震時に制震架構10’に水平力Fが作用すると、制震架構10’の上側の梁22’が下側の梁21’に対して水平方向に変形する。
1対のブレース36’,36’は鉄骨造の建物の建造に通常使用する降伏点が高い鋼材で製作されていて、十分な剛性と強度とを備えているから、地震時における下側の1対のブレース36’,36’に支持された連結体30の中心30c、すなわち、ブレースの交点の水平移動は小さい。これに対して、1対のブレース37’,37’は低降伏点鋼で製作され、降伏点が低く耐力も小さいから、図8の(b)に示すように変形する。しかし、1対のブレース37’,37’は水平面に対する傾斜角が実施例1のブレース37に比して大きいから、水平力Fのブレース37’の軸線方向の分力、すなわち、軸力が実施例1に比して小さい。そのうえ、ブレース37’の長さが実施例1のブレース37に比して長いから、ブレース37’の変形量が小さく、履歴吸収を期待できる変形範囲が狭く、地震時における有意義なエネルギーの履歴吸収を期待することができない。
【0016】
実施例1の制震架構10は、ブレース36,37の交点が矩形枠20の中心より上方に偏位しているが、ブレース36,37の交点を矩形枠20の中心より下方に偏位させても同様の効果が得られる。
実施例1のようにブレース36,37の交点を矩形枠20の中心より上方に大きく偏位(例えば、矩形枠20の中心20cと梁21,22との間の距離の1/2〜1/3の偏位)させると、制震架構10を既存建物の外周壁の内側に設けて、既存建物の耐震性能を改善する場合等に、ブレースの交点を天井内に納めることができ、既存建物の機能的な有効開口面積を大きく狭めることがなく、改善後の建物のデザイン面に与える影響も少ない。
【0017】
図1に示されている制震架構10のブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレース37,37は、図9に示すブレース37Aに替えてもよい。
図9に示すブレース37Aは、その中央の所定長さの範囲の中間部37A2を極低降伏点鋼で構成し、その他の上部37A1及び下部37A3を普通鋼で構成し、上部部37A1の下端と中間部37A2の上端とを溶接その他の接合手段で接合し、中間部37A2の下端と下部37A3の上端とを溶接その他の接合手段で接合して製作されている。
制震架構10の1対のブレース37,37を1対のブレース37A,37Aに替えると、1対のブレース37A,37Aの極低降伏点鋼で構成されている部分が1対のブレース37,37に比しても短いから、地震時の変形が大きく、小さな地震時変形からエネルギーの履歴吸収が期待できる。
【0018】
実施例2は、図10〜図12に示され、制震架構10の矩形枠20、連結体30及びブレース36,37の構成や結合の仕方は実施例1と同じである。
制震架構10の矩形枠20の上側の梁22の中央の下面に鋼製の取付片25を溶接にて固着し、連結体30の上面の中央に鋼製の取付片35を溶接にて固着し、略垂直に配したH形断面の束材41の上部をボルト・ナットにて取付片25に固定し、束材41の下部をボルト・ナットにて取付片35に固定する。
既存建物1の床4の下側に保持板42を植設ボルト・ナットb・nにて固着し、保持板42の一端を束材41の上部の梁3側に溶接にて固着したガセットG1にボルト・ナットにて固定し、傾斜させて配した鋼製の面外座屈防止体40の下部を束材41の中央部より少々下方の部分の梁3側に溶接にて固着したガセットG2にボルト・ナットにて固定し、面外座屈防止体40の上部を保持板42の梁3側の部分に溶接にて固着したガセットG3にボルト・ナットにて固定する。そうすると、連結体30等が矩形枠20を含む面に対して直角な方向へ変位し難くすることができる。
面外座屈防止体40は、矩形枠20を含む面に対して直角な面内において、矩形枠20を含む面に対して傾斜させて配置されている。そのため、2対のブレース36,37と連結体30とからなる制震部材が、地震時に面外への移動しようとしても、その移動を阻止することができ、極低降伏点鋼で構成されたブレース37にその塑性変形によるエネルギーの履歴吸収を確実に行なわせることができる。
なお、図10及び図11に示すように、各ブレース36,37の大きな応力が作用し易い部分は、必要に応じて、リブRbを設けて補強する。例えば、ブレース36,37のフランジの屈曲した部分のウェブの両側にリブRbを配し、このリブRbをウェブ及びフランジの内側面に溶接する。
【0019】
実施例1及び2の制震架構10は、既存建物1の上下の梁と左右の柱とからなる開口部内に取り付けて使用することができる。
また、制震架構10を使って既存建物1の補強する場合には、例えば、図13及び図14に示すように、既存建物1の補強すべき部分(面)の両端A,Eよりの部分の外壁5、5Aの内側において、その各階の床4に形成した仮設開口4a内に、実施例2の制震架構10を補強すべき部分の階数だけ上下方向に連ねて形成してなる補強縦フレーム50A,50Bを、各制震架構10の各矩形枠20を既存建物1の柱、梁、床、壁等に固定しながら形成し、補強縦フレーム50A,50Bの上端間にハットビーム60を配し、補強縦フレーム50A,50Bの上端をハットビーム60に接合して門型補強フレーム100を形成し、ハットビーム60の既存建物1の上部の部分B,Dに対応する部分に束材61を設け、この束材61を既存建物1に固着する。
【0020】
上記の場合の制震架構10の矩形枠20の既存建物の柱、梁、床、壁等への固定の仕方の幾つかを、図13〜図15を使って説明する。
制震架構10の矩形枠20の上側の梁22の下側のフランジ22a2を既存建物のRC造の床4に固定する場合には、例えば、矩形枠20の下側のフランジの表面に先端に大径部のあるスタッド(頭部付きスタッドという)Sd1を間隔をおいて多数箇溶接にて植設し、各スタッドSd1を矩形枠20が挿入されている床4の仮設開口4a内に位置させ、仮設開口4aの周囲のコンクリート部分に穿った孔内に一端を挿入して接着剤にて固着した複数本の鉄筋を床の開口4a内に前記表面に沿って格子状に配置してから、仮設開口4a内にコンクリートを後打ちして、矩形枠20を既存建物の床4に固定する。
制震架構10の矩形枠20の柱23のフランジ23a1を既存建物1のRC造の外壁5に固定の場合は、矩形枠20の柱23のフランジ23a1の表面に頭部付きスタッドSd2を間隔をおいて多数本溶接にて植設し、各スタッドSd2の植設部に対応する外壁5の表面から突出させて、かつその基端を外壁5のコンクリート部分に穿った孔に挿入して接着剤にて固着して、多数本の頭部付きスタッドSd3を外壁5に植設し、フランジ23a1の表面と外壁5の表面との間の隙間内に縦方向に延びる複数本鉄筋と横方向に延びる複数本の鉄筋とを縦方向及び横方向に間隔をおいて配設してから、前記隙間内にコンクリートを後打ちして、矩形枠20を既存建物の外壁5に固定する。
制震架構10の矩形枠20の下側の梁21を既存建物1のRC造の増設補強梁3Aに固定する場合には、例えば、矩形枠20の梁21のフランジ21a1,21a2と前記増設補強梁3Aとにボルト孔を複数箇穿設し、各ボルト孔にPC鋼棒からなるボルトB1を通し、ボルトB1の両端に形成したねじ部にナットN1をねじ込んで締め付け、矩形枠20を既存建物の増設補強梁3Aに固定する。
制震架構10の矩形枠20の下側の梁21の下側のフランジ21a2を既存建物1の増設補強梁3Aの上のRC造の床4に固定の場合は、前記床4に間隔をおいて多数本のボルトB2を植設し、各ボルトB2を前記フランジ21a2に穿設したボルト孔に通し、各ボルトB2のねじ部にナットN2をねじ込んで、矩形枠20を既存建物の床4に固定する。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成を備えることにより、次の(イ)〜(ト)の効果を奏する。
(イ)請求項1に係る発明の制震架構は、1対の横部材と1対の縦部材とからなる矩形枠内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部とが一体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる結合部の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その部材の全体が極低降伏点鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっているから、極低降伏点鋼で構成されいるブレースは、その水平面に対する傾斜角が小さく、地震時に作用する軸力が大きく、かつ地震時の剛性も大きくなって、履歴吸収を期待できる変形範囲が広くなり、小さな地震時変形からエネルギーの履歴吸収が期待でき、制振効果が大きい。
なお、矩形枠の成を階高と略同じにした制震架構を既存建物の外壁の内側に取り付ける場合に、2対のブレースの交点を構成する結合部の中心を矩形枠の中心より上方に大きく偏位させると、ブレースの交点を天井内に収めることができ、既存建物の有効開口面積を大きく狭めることがなく、改修後の建物のデザイン面に与える影響も少なくなる。
【0022】
(ロ)請求項2に係る発明の制震架構は、1対の横部材と1対の縦部材とからなる矩形枠内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部とが一体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる結合部の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっているから、上記(イ)の作用効果を奏することができるだけでなく、ブレースの極低降伏点鋼で構成されている部分が請求項1記載の発明の極低降伏点鋼で構成されているブレースに比して短くなるから、地震時の変形が大きく、さらに小さな地震時変形からエネルギーの履歴吸収が期待できる。
(ハ)請求項3に記載されているように、矩形枠を1対の鋼製のH形断面の梁と1対の鋼製のH形断面の柱でつくり、2対の鋼製のブレースの断面をH形断面にすると、上記(イ)に記載した効果を奏することができるだけでなく、制震架構の製作が容易になり、かつその既存建物への組み付けが容易になる。
(ニ)請求項4に記載されているように、H形断面の梁のウェブ、H形断面の柱のウェブ、2対のH形断面のブレースのウェブ及び連結体のウェブ板が略同一平面上に位置するように制震架構を構成すると、上記(イ)及び(ハ)に記載した効果を奏することができるだけでなく、所望の制震能を有する制震架構を少ない鋼材で製作することができる。
【0023】
(ホ)請求項5に記載されているように、矩形のフレームに一方の横部材の下側の面と他方の横部材の下側の面との間の間隔が制震補強すべき既存の建物の階高と一致するようにすると、既存建物の制震補強すべき部分に複数の制震架構を上下方向に連ねて取付ける際等に、制震架構のフレームの横部材の既存の建物の床や梁への取付が容易になる。
(ヘ)請求項6記載のように、全体が極低降伏点鋼で構成されているブレースの中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体が被せられ、又はその中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されている対のブレースの極低降伏点鋼で構成されている部分の中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体が被せられ、前記管体が少なくとも1箇所で前記ブレースに止着されていると、極低降伏点鋼で構成されているブレースの座屈を容易に防止することができる。
【0024】
(ト)請求項7に係る発明の制震架構は、2対のブレースの交点となる結合部又は連結体が座屈により面外へ移動するのを防止する面外座屈防止体が設けられているから、地震時におけるブレースの交点となる結合部又は連結体の中心の面外への移動を防止することができ、ブレースの極低降伏点鋼で構成された部分の塑性変形によるエネルギーの履歴吸収を確実に行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の制震架構の正面図
【図2】実施例1の連結体の正面図
【図3】実施例1の連結体の側面図
【図4】実施例1の制震架構内の下側に配するブレースの正面図
【図5】実施例1の制震架構内の上側に配するブレースの正面図
【図6】図5に示すものをそのA−A線にて断面した側面図
【図7】(a)は実施例1の制震架構を概略的に示す正面図、(b)は実施例1の制震架構の機能等を示す線図
【図8】(a)は実施例に含まれない制震架構を概略的に示す正面図、(b)は実施例に含まれない制震架構の機能等を示す線図
【図9】実施例1の制震架構内の上側に配する他のブレースの正面図
【図10】実施例2の制震架構の正面図
【図11】実施例2の制震架構のブレースの補強リブの部分の断面図
【図12】実施例2の制震架構の面外座屈防止体の構成及び既存建物との関係を示す断面図
【図13】実施例2の制震架構を用いて既存建物を補強する具体例を示す正面図
【図14】既存建物の標準階の平面図
【図15】実施例2の制震架構の既存建物への固着の仕方等を示す正面図
【符号の説明】
1 既存建物
2 柱
3A 増設補強梁
4 床
4a 仮設開口
5,5A 外壁
10 制震架構
20 矩形枠
20c 矩形枠の中心
21,22 梁
23,24 柱
30 連結体
30c 連結体の中心(ブレースの交点)
31 ウェブ板
32a〜32e フランジ板
36,37,37A ブレース
38 管体
40 面外座屈防止体
41 束材
50A,50B 補強縦フレーム
60 ハットビーム
61 束材
100 門型補強フレーム

Claims (7)

  1. 1対の横部材と1対の縦部材とからなる矩形枠内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部とが一体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる結合部の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その部材の全体が極低降伏点鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっていることを特徴とする制震架構。
  2. 1対の横部材と1対の縦部材とからなる矩形枠内に、2対のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部と、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部とが一体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる結合部の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっていることを特徴とする制震架構。
  3. 1対の鋼製のH形断面の梁と1対の鋼製のH形断面の柱からなる矩形枠内に、2対の鋼製のH形断面のブレースが配され、上側のV字状に配された1対のブレースの下部が鋼製の連結体に結合され、下側の逆V字状に配された1対のブレースの上部が前記連結体に結合されて、2対のブレースが略X字型に結合され、前記上側の対のブレースの上部がそれに対応する矩形枠の上隅部に連結され、前記下側の対のブレースの下部がそれに対応する矩形枠の下隅部に連結されているブレースを備えた架構において、2対のブレースの交点となる連結体の中心が矩形枠の中心より上方又は下方に偏位しており、ブレースの交点と横部材との間の間隔が狭くなっている側にある1対のブレースは、その部材の全体が極低降伏点鋼で構成されていて、ブレースの交点と横部材との間の間隔が広くなっている側にある1対のブレースよりも短くなっていることを特徴とする制震架構。
  4. H形断面の梁のウェブ、H形断面の柱のウェブ、2対のH形断面のブレースのウェブ及び連結体のウェブ板が略同一な平面上に位置するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の制震架構。
  5. 全体が極低降伏点鋼で構成されているブレースの中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体が被せられ、又はその中央の所定長さの範囲の部分が極低降伏点鋼で構成されその他の部分が普通鋼で構成されている対のブレースの極低降伏点鋼で構成されている部分の中央の所定長さの部分の周囲に小さな隙間をあけて鋼製の管体が被せられ、前記管体が少なくとも1箇所で前記ブレースに止着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つの項記載の制震架構。
  6. 矩形枠の一方の横部材の下側の面と他方の横部材の下側の面との間の間隔が制震補強すべき既存建物の階高と一致するようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つの項記載の制震架構。
  7. 2対のブレースの交点となる結合部又は連結体が座屈により面外へ移動するのを防止する面外座屈防止体が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つの項記載の制震架構。
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