JP3754951B2 - 放射性陶板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定の放射能により、天然ラジウム効果、水の活性化、マイナスイオン発生及び殺菌能を付与することを目的とした放射性陶板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来マイナスイオン発生能を付与した身飾品(ブローチ、ブレスレットなど)又は放射能を有するプレート製造方法が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭50−114415
【0004】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来の身飾品又はプレートなどは、放射層の表面を全釉しているか、あるいは無釉であった。前記全釉の場合には、放射線量が著しく削減(例えば2分の1以下)される問題点があった。
【0005】
また、無釉の場合には、放射層が脆弱のために、使用中に落する問題点があった。
【0006】
更に、陶板の全陶土に放射性粉末を混入すると、強度の向上は認められるが、放射性粉末を多量に必要とする問題点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、陶板と放射性粉末との接着性を向上させるために、泥奬を用いると共に、不完全施釉をすることにより、前記従来の問題点を解決したのである。
【0008】
即ち、陶板の発明は陶板又は陶板素材の表面に30%〜60%(重量)の天然ラジウム微粉末と、接着用泥奬との混合物よりなる放射層を設け、該放射層の表面に被覆率5%〜60%施釉して高温焼成したことを特徴とする放射性陶板である。
【0009】
次に、方法の発明は陶板又は陶板素材の表面に30%〜60%(重量)の天然ラジウム微粉末と、接着用泥奬との混合物を付着させて放射層を設け、該放射層の表面に従来使用している釉原料を用い、被覆率5%〜60%施釉をした後、800℃以上の高温で還元焼成することを特徴とした放射性陶板の製造方法である。
【0010】
また、施釉は斑点状又は網目状のように有釉部と無釉部を混在させることを特徴としたものである。更に、放射線量は100cm当たり、1.00マイクロシーベルト以上とすることを特徴としたものである。
【0011】
前記において、混合物中ラジウム微粉末の量を30%以下にすると、放射能の低下を来たし、60%以上にすると、接着力が低下するので、30%〜60%(重量)とした。
【0012】
また、施釉の被覆割合を5%以下にすると、放射層の表面強度が低下し、60%以上にすると、放射線量の低下が大きくなるので、被覆率を5%〜60%としたが、好ましくは20%〜40%である。この発明において従来使用している釉原料を用いて施釉すると、釉薬に放射線の吸収能があるために、放射線量が激減するためである
【0015】
この発明における天然ラジウムはラジウム鉱石を選別粉粋したもので、例えば台湾台北市の北投地域にある北投石、または鳥取県三朝温泉地域のラジウム鉱石を使用することができる。
【0016】
この発明におけるラジウム放射線は、結核菌、コレラ菌、ブドウ状菌、連鎖状菌などの細菌の発育や繁殖を阻止するばかりでなく、適正な放射処理により殺菌することも知られている。
【0017】
この発明における放射線は、例えば、三朝温泉のような放射能泉水に含まれる放射能物質であって、その主体はラジウム・エマナチオン(以下、ラドンという)である。従って、通常の原子力発電所などの排水に含まれている放射能物質とは異なる。前記ラドンは、物理的半減期は3日〜8日で、生物的半減期(体内に入った時の半減期)は10分〜30分であって、ラドンは生体内では化学的結合物を作らない希ガスであるから、きわめて安全な放射線である。生体に無害であり、却って血管の拡張作用とか、神経の鎮静作用が期待できる。
【0018】
この発明におけるラジウム微粉末は、1μ〜50μであって、混合物(例えば泥奬)の微粒子と粒度の違いの大きくないことが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明は、陶板の表面に1μ〜50μの天然ラジウム微粉末と泥奬との混合物を吹き付けて放射層を形成し、乾燥後、従来使用されている釉薬を斑点状に塗着する。ついで、1200℃〜1300℃で10時間あまり焼成すれば、この発明の放射性陶板ができる。前記釉薬は、放射層の表面を5%〜0%(例えば20%)被覆することを目的とし、斑点状、網目状その他形状に制約はない。
【0020】
前記における陶板は、広く知られている粘土類、珪石類、長石類を適量宛混合して素土を調整し、これを用いて任意形状の成形板とする。ついで、この成形板状に天然ラジウム微粉末と、泥奬との適量(例えば50%×50%)の混合物を吹き付けて、放射層を設け、乾燥後、放射層の表面に釉薬を半掛けする(例えば25%掛け)。ついで乾燥後1200℃で13時間焼成すれば、この発明の放射性陶板ができあがる。この場合の放射線量は100cm当たり2.00マイクロシーベルト以上が好ましいが、この量に制約されるものでなく、使途により適宜定める。
【0021】
【実施例1】
この発明の実施例を図1(a)、(b)について、通常の要領によって成形した陶板1の表面へラジウム微粉末と泥奬の混合物(50%×50%)を400cm当たり100g〜200g吹き付けて、放射層2を層着し、該放射層2の上面へ斑点状の釉薬層3を設け(ほぼ20%被覆)、これを1280℃で13時間焼成して、この発明の放射性陶板5を得た。
【0022】
図中4は無釉部である。
【0023】
前記放射性陶板5について放射能を測定したところ、100cm当たり2.295マイクロシーベルトであった。
【0024】
前記放射性陶板からは1cm当たり6,000のマイナスイオンが測定できた。
【0025】
前記陶板は、例えば風呂水(180リットル)中へ20分間浸漬しておいた所、風呂水の活性化が認められた。
【0026】
【実施例2】
この発明の製造方法を図2に基づいて説明する。粘土と珪石粉末及び長石粉末とを混合して素土を調整し、この素土を用いて陶板素材を成形する。ついで、前記陶板素材の表面に天然ラジウム微粉末と泥奬との同量混合物を吹付けて放射層を層着し、この放射層の表面に半掛施釉(面積の20%施釉)する。前記処理板を1280℃で13時間還元焼成すれば、この発明の放射性陶板が出来る。前記半掛施釉は例えば陶板1cm当たり釉薬0.1g吹き付ければ20%施釉となるので、吹付け量を規制すれば、施釉%を定めることができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明は、陶板又は陶板素材の表面に30%〜60%(重量)の天然ラジウム微粉末と、接着用泥奬との混合物よりなる放射層を設け、該放射層の表面に被覆率5%〜60%施釉して高温焼成したので、放射層の付着力が大きく、強固に固定した放射性陶板となる効果がある。
【0028】
また、被覆率5%〜60%施釉してあるので、釉薬に吸収される放射線を可及的に少なくすると共に、ラジウム微粒子の剥離を未然に防止する効果がある。また、浴場等に敷設する場合は、斑点状に施釉層を設けるとすべりにくくなる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明の実施例の断面図。
(b)同じく一部拡大平面図。
(c)同じく一部拡大断面図。
【図2】同じく方法の実施例のブロック図。
【符号の説明】
1 陶板
2 放射層
3 釉薬層
4 無釉部
5 放射性陶板

Claims (4)

  1. 陶板又は陶板素材の表面に30%〜60%(重量)の天然ラジウム微粉末と、接着用泥奬との混合物よりなる放射層を設け、該放射層の表面に被覆率5%〜60%施釉して高温焼成したことを特徴とする放射性陶板。
  2. 陶板又は陶板素材の表面に30%〜60%(重量)の天然ラジウム微粉末と、接着用泥奬との混合物を付着させて放射層を設け、該放射層の表面に従来使用している釉原料を用い、被覆率5%〜60%施釉をした後、800℃以上の高温で還元焼成することを特徴とした放射性陶板の製造方法。
  3. 施釉は斑点状に有釉部と無釉部を混在させることを特徴とした請求項2記載の放射性陶板の製造方法。
  4. 放射線量は100cm当たり、1.00マイクロシーベルト以上とすることを特徴とした請求項2記載の放射性陶板の製造方法。
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