JP3754826B2 - 金型及び成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、柾目の木目模様を形成することができる射出成形用の金型及びそれを使用した成形方法に関するものである。
【0002】
【先行技術】
本願発明に関連のある技術としては、いわゆる木プラの製造技術が挙げられる。木プラとは、木質感を呈する樹脂成形品であり、木材などから得られるセルロースの微粉末を顔料とともに樹脂に混合させて成形するものである。
木プラの中でも木質感が最も天然の木に近い、PCT JP94/00351号(国際公開番号;WO94/20280号)に記載された「セルロース系微粉粒、木質様成形品および木質様製品」の技術について簡単に説明する。
【0003】
この技術は、原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成形するものである。天然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方法及び木質様製品を提供することができる。
【0004】
そして、この木質様製品に木目模様を形成する場合、近年では、樹脂及び顔料を適宜選択するとともに固定粒に混合して溶融させ、その溶融したものを押し出して色の異なる複数種類の団塊状原料であるペレットを形成していた。そして、最終成形品を成形する際には、この色の異なる複数のペレットを混合して溶融し、金型内部に射出成形することにより、色柄を有する成形品を形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の技術を射出成形に用いる場合、以下のような問題点があった。
すなわち、色の異なる複数種類のペレットを混合して射出成形する場合、金型に入る前に複数種類のペレットが混ざりすぎると所望する色柄が出にくくなり、混ざり具合があまりに不完全であると色柄がはっきりしすぎてしまうのである。この混合程度を制御、管理するのは難しく、所望する色柄の成型品を得ることは容易ではなかった。特に、木目模様のうち、不規則な模様となる板目状の模様は得られても、縦方向に年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の模様を得ることは容易ではないという第一の問題点があった。
【0006】
また、樹脂を金型に注入して多数の平行な線を有する柾目模様を得ようとすると、金型内部の末端付近では樹脂の流れが不安定に乱れ易く、成形品にきれいな柾目模様を呈することができないという第二の問題点があった。
そこで、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する第一の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形品に柾目状の木目模様を容易に形成することができる金型を提供しようとするものである。
【0007】
これに加え、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を具体的に特定したものであって、成形品に柾目状の木目模様を容易に形成することができるとともに成形品の内部にまで同様の柾目状の木目模様を形成することができる金型を提供しようとするものである。
これに加え、請求項3記載の発明は、上記した従来の技術の有する第二の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、射出成形による成形品の末端近傍においても、きれいな柾目模様を呈することができる金型を提供しようとするものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、上記した従来の技術の有する第一の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、柾目状の模様を容易に得ることができる成形方法を提供しようとするものである。
これに加え、請求項5記載の発明は、素材感が木そのものであり、表面を手で触った際、良好な手触り感が得られるとともに、均一性、耐水性に優れた成形品が得られる成形方法を提供しようとするものである。
【0009】
これに加え、請求項6記載の発明は、木質感を有し、木目模様を有して、外観が良好な上に成形性が優れた成形品を得ることができる成形方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものである。
請求項1記載の発明は、射出成形に使用する金型(10)であって、この金型(10)は、その内部に成形品を形成するための内部空間部(20)と、この内部空間部(20)に樹脂を送り込むための注入口(30)とを備え、前記内部空間部(20)の一方側の内面の注入口(30)側には、その内面から内部空間部(20)の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に沿って複数個、並んだ突部(40)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
なお、ここで、「樹脂」とは、硬質樹脂、軟質樹脂を含み、例えば塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂等である。
また、ここで、「突部(40)」が、「射出方向と直角な断面の周縁に沿って複数個、並んだ」とは、射出方向と直角な一つの断面の周縁に沿って複数個、並んで形成されているものが含まれるが、特に一つの断面に限定されずに、射出方向と直角であって所定の間隔に離れた複数の直角な断面の周縁に沿って形成されているようなものも含むものである。すなわち、直線状に並んだ列状の突部(40)が、射出方向を直角に横切るような位置に複数列、形成されるようなものを含むものである。
【0012】
また、ここで、「突部(40)」は、内部空間部(20)の内面から内部空間部(20)の内側に向かって突出するように形成されてあれば良いものであって、例えば、円錐状、三角錐状、四角錐状、円柱状、円柱状、三角柱状及び四角柱状等のものを含むものである。
本発明は、内部空間部(20)の一方側の内面の注入口(30)側には、その内面から内部空間部(20)の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に複数個、並んだ突部(40)が形成されている。このため、注入口(30)から金型(10)内部の内部空間部(20)に樹脂を送り込むと、突部(40)に至るまでは、送り込まれた樹脂の流れの方向や速度は、内部空間部(20)の射出方向と略直角の断面において略均一の状態で流れる。
【0013】
そして、突部(40)に衝突しない内部空間部(20)の樹脂の流れは、突部(40)により流れの方向及び速度が乱されることなく、内部空間部(20)の末端側に向かって流れる。一方、内部空間部(20)の樹脂の流れが、突部(40)に衝突すると、この突部(40)に衝突した樹脂は、突部(40)の表面に沿ってその左右に回り込み、その後、内部空間部(20)の末端側に向かって流れる。すなわち、均一な樹脂の流れが突部(40)に衝突することにより突部(40)の表面に沿って左右に回り込み、突部(40)の下流側において、樹脂の流れが一時的に剥離する部分が発生する。これにより、突部(40)に影響されずに流れてくる樹脂と、突部(40)に衝突してその影響を受けて一時的に流れが剥離した樹脂とで流れの方向や速度が異なり、冷却速度にも差が発生する。したがって、突部(40)の下流側で一時的に流れが剥離した部分であって冷却速度が周囲と不均一な部分が射出方向に沿って発生し、射出方向に沿って色等の相違による縞模様が形成される。そして、この突部(40)は、射出方向に直角な断面の周縁に複数個、並んで配置されているため、かかる突部(40)の下流側に射出方向に沿った縞模様が、複数個、平行に現れることとなり、年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に形成することができる。
【0014】
また、本発明は、色の異なる複数種類のペレットを混合して溶融し、完全に混ざらないうちに金型(10)内部に注入する場合と比較して、色の異なる顔料等を準備して混合する必要がなく、一種類の樹脂を金型(10)内部に注入するだけで、容易に柾目状の模様を得ることができる。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の特徴点に加え、突部(40)は、内部空間部(20)の略全厚みに渡って内部空間部(20)の内面から直角方向に突出する柱状の突起(41)であることを特徴とする。
【0015】
本発明は、突部(40)が内部空間部(20)の内面から直角方向に突出する柱状の突起(41)である。このため、突部(40)の手前までは、注入口(30)から注入された均一な樹脂の流れが、突起(41)の周囲に回り込んで、突起(41)の下流側において流れが一時的に剥離する部分を形成し、流れの方向及び速度に不均一な部分を発生させることができる。これにより、突起(41)の下流側に冷却速度の不均一な部分が射出方向に沿って発生し、射出方向に沿って縞模様を形成することができ、射出方向に沿って年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に容易に形成することができる。さらに、この突起(41)は、内部空間部(20)の内面から内部空間部(20)の略全厚みに渡って直角方向に突出する柱状に形成されている。このため、金型(10)の内部空間部(20)の略全厚みに渡って樹脂の流れに不均一な部分を形成して縞状の模様を形成することができる。これにより、この金型(10)により得られた成形品の表面のみではなく、その成形品の略全厚みに渡って射出方向に沿った柾目状の木目模様を容易に形成することができる。したがって、成形品が摩耗によりその板厚が減少しても、また、加工により板厚を小さくしても、実際の木製品と同様にその表面と同様の柾目状の木目模様を表面に形成することができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、上記した請求項1または請求項2記載の特徴点に加え、内部空間部(20)は、その注入口(30)側に位置して成形品として採用する部分を形成する本体形成部(21)と、この本体形成部(21)の射出方向の末端側に隣接して成形品としては採用しない部分を形成する不使用部分形成部(22)とを備え、不使用部分形成部(22)の本体形成部(21)に隣接した部分には、本体形成部(21)よりも深さを浅く形成した薄通路(23)を設けたことを特徴とする。
【0017】
ここで「成形品として採用する部分を形成する本体形成部(21)」とは、成形品のうち、射出成形によって得ることを意図する部分に対応する内部空間部(20)をいう。
また「成形品としては採用しない部分を形成する不使用部分形成部(22)」とは、成形品のうち、射出成形によって得ることを意図した部分だけにするために取り除かれる部分に対応する内部空間部(20)をいう。
【0018】
本発明は、内部空間部(20)が本体形成部(21)に加えて、不使用部分形成部(22)を有しているため、内部空間部(20)の不使用部分形成部(22)に樹脂が行きわたらなかったり、樹脂の流れが不安定になることによって、柾目状の木目模様が乱れたり、成形品の形状、寸法、外観、特性状の不良などの成形不良が生じても、成形品として採用しない部分とすることができる。その結果、成形品として採用する本体形成部(21)は、手間をかけずにきれいな柾目状の木目模様や、所望する形状等を満たすことができる。
【0019】
また、不使用部分形成部(22)の本体形成部(21)に隣接した部分には、本体形成部(21)よりも深さを浅く形成した薄通路(23)を設けている。このため、不使用部分形成部(22)により成形された部分を本体形成部(21)により成形された部分から切り離す際に、断面積の小さな薄通路(23)により成形された部分において切断することができる。これにより、薄通路(23)を形成せずに本体形成部(21)の断面積と同一のものを切断する場合と比較して、本発明に係る金型(10)により得られた成形品は、切断作業や切削作業等の分離加工を容易にすることができる。また、不使用部分形成部(22)の一部に薄通路(23)を形成したことにより、薄通路(23)を形成しない場合と比較して成形品として採用しない部分に使用する樹脂の量を減らすことができて、原料の使用量の低減を図ることができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、金型(10)を用いた射出成形により木目模様を呈する成形品の成形方法であって、前記金型(10)は、その内部に成形品を形成するための内部空間部(20)と、この内部空間部(20)に樹脂を送り込むための注入口(30)とを備え、前記金型(10)の注入口(30)から樹脂を射出して、金型(10)内部に樹脂の流れの方向及び速度が均一な均一流(50)を形成する工程と、この均一流(50)を、射出方向と直角な断面の周縁に複数個、並んで金型(10)内面から内部空間部(20)の内側に向かって突出する突部(40)の周囲に回り込ませることにより、内部空間部(20)の樹脂の流れの方向及び速度が突部(40)の下流とそれ以外の部分とで異なる不均一流(51)に変換する工程とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る成形方法を作業手順に沿って説明する。
先ず、最初に、金型(10)の注入口(30)から樹脂を射出する。そして、金型(10)内部に樹脂の流れの方向及び速度が均一な均一流を形成する。
次に、この均一流を、射出方向と直角な断面の周縁に複数個、並んで金型内面から内部空間部(20)の内側に向かって突出する突部(40)の周囲に回り込ませる。これにより、前記均一流は、内部空間部(20)の樹脂の流れの方向及び速度が突部(40)の下流とそれ以外の部分とで異なる不均一流に変換される。
【0022】
すなわち、突部(40)に影響されずに内部空間部(20)を射出方向に沿って流れる樹脂と、突部(40)に衝突してその影響を受けた樹脂とで流れの方向や速度が異なり、冷却速度にも差が発生する。これにより、突部(40)の下流側で冷却速度に不均一な部分が射出方向に沿って発生し、射出方向に沿って色等の相違による縞模様が形成される。そして、この突部(40)は、射出方向と略直角に複数個、並んで配置されているため、かかる突部(40)の下流側の縞模様が、射出方向に沿って、複数個、平行に現れることとなり、射出方向にそって年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に形成することができる。
【0023】
請求項5記載の発明は、上記した請求項4記載の特徴点に加え、成形品は、樹脂と微粒子の木粉とを主材とする組成物よりなることを特徴とする。
なお、ここで、「樹脂」とは、上述した請求項1において説明したものと同様の意味を有するものである。
また、ここで、「微粒子の木粉」とは天然木材のほか、おがくずや建築廃材等を粉砕により、微粉状の粒子に形成しているものを含むものである。
【0024】
本発明は、成形品に木粉が含まれているため、成形品の表面を手で触った感触が、木質感のあるものとなり、樹脂や塩化ビニル等の表面のツルッとした感触がなく、手にしっくりとなじむ木質特有の暖かみのある良好な手触り感を得ることができる。
また、成形品は、上述した材料から形成され、樹脂を有しているため、木質材と比較して、吸水性が小さく、吸湿による収縮も発生しない。これにより、木質材と比較して、反り難く、ねじれ難く、また、腐り難いという材料としての均一性に優れたものにすることができる。
【0025】
請求項6記載の発明は、上記した請求項4または請求項5記載の特徴点に加え、成形品は、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂よりなることを特徴とする。
なお、ここで、「セルロース系材料」とは、天然木材のほか、おがくず、稲藁、バガスなどを含む。
【0026】
また、「微粉末よりも小径でかつ固い微粉末」とは、酸化チタン、フェライト、アルミニウム、ニッケル、銀、セラミック、炭酸カルシウム等の微粉末をいうものである。
本発明は、「セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂」を使用している。このため、セルロース系材料の微粉末をそのままの状態で直接樹脂に混合して成形した場合に、セルロース系材料の微粉末の柔らかさや流動性の悪さに起因する作業性の低下や、押出時の焼き付けの発生や、成形品がもろくなってしまうような悪影響を抑えることができる。これにより、流動性の向上を図れることができ、成形時の作業性を向上させることができる成形品が得られる。
【0027】
さらに、セルロース系材料の微粉末と、樹脂のみでは、両者の特性や機能のみで最終成形品の樹脂の特性あるいは機能が決定されてしまうのに対して、成形品の特性をセルロース系材料の微粉末の表面に担持させた小径でかつ硬い微粉末の材料選択によって変更させることができる。すなわち、かかる微粉末として、電気的特性、化学的特性、外観的特性あるいは耐熱性等の各種特性を有するものを選択使用することによって、その成形品である成形品に対して各種特性を与えることができ、その特性を変化させることができる。
【0028】
また、木質材料では原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等による品質のバラツキが発生するが上述したような材質からなる成形品ではそのようなことがなく、製品のバラツキを抑えることができる。すなわち、上述した材料を用いて成形した成形品は、複雑な断面形状をなしていても木目模様を呈し、製品バラツキが少ないので、室内の他の表面部材に木質材、またはそれに変わる木質感のあるものを使用した場合に、外観デザインを調和させる意味で、使用するのに適している。換言すれば、天然の木材を切削加工したのでは手間がかかるような断面形状の部材であっても、木目模様を呈する成形品として提供することができる。
【0029】
そして、「粉体を混合した樹脂」からなるため、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、仮に水分が付着しても水分を拭き取れば済み、メンテナンスを容易にすることができるものである。すなわち、手垢等の汚れがこの成形品の表面に付着しても濡れ雑巾で掃除することができ、汚れを除去した後、水分をふき取れば良いものである。これにより、外観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては木製品と比較してはるかに水に強い成形品を提供できるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて、更に詳しく説明する。
図1乃至図3は、本発明の第一の実施の形態であって、図1は金型の概略斜視図、図2は金型の縦断面図、図3は金型の概略平面図をそれぞれ示す。
まず、本実施の形態の構成について説明する。
【0031】
本実施の形態に係る金型10は、射出成形に使用するものであって、図2に示すように上下に二分割可能に形成されてあり、目的とする成形品を二分割した反対の雌型の形が形成されているものである。それらの金型10の密着した面の雌型の間に溶融した樹脂を注入して凝固後、金型10を二分割して内部の成形品を得ることができるように形成されているものである。具体的には、この金型10は、その内部に成形品を形成するための略四角箱状の内部空間部20と、射出成形機のノズルから溶融した樹脂が上方から供給される円錐状のスプル33と、このスプル33から側方に延びるランナ34と、このランナ34から前記内部空間部20に樹脂を送り込むための注入口30とを備えている。
【0032】
前記スプル33は、射出成形機のノズルとランナ34とをつなぐ位置にあって、その内部で固化した樹脂が抜けやすいように、ノズル側の径と、ランナ34側の径とを変えて勾配をつけるために円錐状に形成されている。
前記ランナ34は、スプル33から注入口30までの樹脂の流路であり、その流路断面は円形に形成されている。なお、本実施の形態では、一本のランナ34により一個の内部空間部20を形成して一個の成形品を得るように形成されているが、同時に多数個の成形品を得たい場合には、ランナ34を途中で分岐してそのランナ34の長さが同一となるような等長に分岐したランナ34を多数形成して、その先に同一形状の内部空間部20を形成するようにしても良いものである。
【0033】
前記注入口30は、樹脂がランナ34から内部空間部20に入る入り口であって、本実施の形態は、成形品の横に位置するサイドゲート31として形成されている。なお、本実施の形態では一つの成形品に一つのサイドゲート31を形成しているが、一つの成形品に多数のサイドゲート31を設けても良いものである。
前記内部空間部20の下方側の内面の注入口30側には、その内面から内部空間部20の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に沿って7個、直線上に並んだ突部40が形成されている。この突部40は、内部空間部20の略全厚みに渡って内部空間部20の内面から直角方向に突出する円柱状の突起41である。
【0034】
更に、具体的には、前記内部空間部20は、その注入口30側に位置して成形品として採用する部分を形成する本体形成部21と、この本体形成部21の射出方向の末端側に隣接して成形品としては採用しない部分を形成する不使用部分形成部22とを備えている。そして、この不使用部分形成部22の本体形成部21に隣接した部分には、本体形成部21よりも深さを浅く形成した薄通路23を設けている。
【0035】
この金型10により形成される成形品は、樹脂と微粒子の木粉とを主材とする組成物よりなるものである。具体的には、成形品は、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂よりなるものである。
次に、本実施の形態に係る金型10を用いた成形方法について説明する。
【0036】
先ず、最初に、上述した材料を射出成形機の内部で所定の温度及び圧力により溶融し、特に図示しないが、射出成形機のノズル先端からスプル33の上端に注入する。そして、スプル33上端から注入された樹脂は、スプル33下端から延びるランナ34に入り込む。
次に、ランナ34に送給された樹脂は、ランナ34の先端から注入口30であるサイドゲート31に至る。
【0037】
次に、金型10の注入口30であるサイドゲート31から樹脂を内部空間部20内部に注入し、金型10内部に樹脂の流れの方向及び速度が均一な均一流50を形成する。
次に、この均一流50を、射出方向と直角な断面の周縁に7個、並んで金型10内面から内部空間部20の内側に向かって突出する円柱状の突起41の周囲に回り込ませる。これにより、均一流50は、内部空間部20の樹脂の流れの方向及び速度が突起41の下流とそれ以外の部分とで異なる不均一流51に変換される。
【0038】
すなわち、突部40に影響されずに内部空間部20を射出方向に沿って流れる樹脂と、突部40に衝突してその影響を受けた樹脂とで流れの方向や速度が異なり、冷却速度にも差が発生する。これにより、突部40の下流側で冷却速度に不均一な部分が射出方向に沿って発生し、射出方向に沿って色等の相違による縞模様が形成される。そして、この突部40は、射出方向と略直角に複数個、並んで配置されているため、かかる突部40の下流側の縞模様が、射出方向に沿って、複数個、平行に現れることとなり、射出方向にそって年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に形成することができる。
【0039】
次に、かかる不均一流51は、本体形成部21から不使用部分形成部22に流れ込む。その際、不使用部分形成部22の本体形成部21に隣接した部分に形成された薄通路23を通って不使用部分形成部22に注入される。これにより、本体形成部21の射出方向の末端近傍での樹脂の流れを安定したものにすることができ、本体形成部21の末端近傍でも安定した柾目模様を得ることができる。
【0040】
次に、この金型10から本体形成部21及び不使用部分形成部22により形成された成形品を取り出す。
次に、取り出した成形品から不使用部分形成部22により形成された部分を取り除く。具体的には、薄通路23により形成された部分を切断加工するものである。これにより、表面に柾目模様を有する成形品を得ることができる。
【0041】
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。
本実施の形態によれば、内部空間部20の下方側の内面の注入口30側には、その内面から内部空間部20の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に7個、並んだ円柱状の突起41が形成されている。このため、注入口30から金型10内部の内部空間部20に樹脂を送り込むと、突起41に至るまでは、送り込まれた樹脂の流れの方向や速度は、内部空間部20の射出方向と略直角の断面において略均一の状態で流れる。
【0042】
そして、突起41に衝突しない内部空間部20の領域における樹脂の流れは、突起41により流れの方向及び速度が乱されることなく、内部空間部20の末端側に向かって流れる。一方、注入口30から注入された樹脂の流れが、突起41に衝突すると、この突起41に衝突した樹脂は、円柱状の突起41の円柱表面に沿ってその左右に回り込み、突起41の背後側に流れる。その後、かかる樹脂は、内部空間部20の末端側に向かって流れる。すなわち、均一な樹脂の流れが突起41に衝突することにより円柱状の突起41の表面に沿って左右に分離して回り込み、突起41の下流側において、樹脂の流れが一時的に剥離する部分が発生する。これにより、突起41に影響されずに流れてくる樹脂と、突起41に衝突してその影響を受けて一時的に流れが剥離した樹脂とで流れの方向や速度が異なり、冷却速度にも差が発生する。したがって、突起41の下流側で一時的に流れが剥離した部分であって冷却速度が周囲と不均一な部分が射出方向に沿って発生し、かかる冷却速度の差が色の違いとなって成形品に現れ、結果として射出方向に沿って縞模様が形成される。そして、この突起41は、射出方向に直角な断面の周縁に7個、並んで配置されているため、かかる突起41の下流側の射出方向に沿った縞模様が、複数個、平行に現れることとなり、年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に形成することができる。
【0043】
また、本実施の形態は、色の異なる複数種類のペレットを混合して完全に混じり合わないうちに金型10内部に注入して木目模様を形成する場合と比較して、製造管理が容易である上に、色の異なる顔料等を準備して混合する必要がなく、一種類の樹脂を金型10内部に注入するだけで、容易に柾目状の模様を得ることができる。
【0044】
さらに、突起41は、内部空間部20の内面から内部空間部20の略全厚みに渡って直角方向に突出する柱状に形成されている。このため、金型10の内部空間部20の略全厚みに渡って樹脂の流れに不均一な部分を形成して縞状の模様を形成することができる。これにより、この金型10により得られた成形品の表面のみではなく、成形品の略全厚みに渡って射出方向に沿った柾目状の木目模様を容易に形成することができる。したがって、成形品が摩耗によりその板厚が減少しても、また、切削加工や切断加工により板厚を小さくしても、実際の木製品と同様にその表面と同様の柾目状の木目模様を表面に形成することができる。
【0045】
また、本実施の形態は、内部空間部20に不使用部分形成部22を有しているため、内部空間部20の不使用部分形成部22に樹脂が行きわたらなかったり、樹脂の流れが不安定になることによって、柾目状の木目模様が乱れたり、成形品の形状、寸法、外観、特性状の不良などの成形不良が生じても、成形品として採用しない部分とすることができる。その結果、成形品として採用する本体形成部21は、手間をかけずにきれいな柾目状の木目模様や、所望する形状等を満たすことができる。
【0046】
また、不使用部分形成部22の本体形成部21に隣接した部分には、本体形成部21よりも深さを浅く形成した薄通路23を設けている。このため、不使用部分形成部22により成形された部分を本体形成部21により成形された部分から切り離す際に、断面積の小さな薄通路23により成形された部分において切断することができ、薄通路23を形成しない場合と比較して、切断面積や切削面積を小さくすることができて、切断作業や切削作業等の分離加工を容易にすることができる。また、不使用部分形成部22の一部に薄通路23を形成したことにより、薄通路23を形成しない場合と比較して成形品として採用しない部分に使用する樹脂の量を減らすことができて、樹脂原料の使用量の低減を図ることができる。
【0047】
本実施の形態は、成形品に木粉が含まれているため、成形品の表面を手で触った感触が、木質感のあるものとなり、樹脂や塩化ビニル等の表面のツルッとした感触がなく、手にしっくりとなじむ木質特有の暖かみのある良好な手触り感を得ることができる。
さらに、本実施の形態は、「セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂」から形成されている。このため、セルロース系材料の微粉末をそのままの状態で直接樹脂に混合して形成した場合に、セルロース系材料の微粉末の柔らかさや流動性の悪さに起因する作業性の低下や、押出時の焼き付けの発生や、成形品がもろくなってしまうような悪影響を抑えることができる。これにより、流動性の向上を図れることができ、成形時の作業性を向上させることができる成形品が得られる。
【0048】
さらに、セルロース系材料の微粉末と、樹脂のみでは、両者の特性や機能のみで最終成形品の樹脂の特性あるいは機能が決定されてしまうのに対して、成形品の特性をセルロース系材料の微粉末の表面に担持させた小径でかつ硬い微粉末の材料選択によって変更させることができる。すなわち、かかる微粉末として、電気的特性、化学的特性、外観的特性あるいは耐熱性等の各種特性を有するものを選択使用することによって、その成形品である成形品に対して各種特性を与えることができ、その特性を変化させることができる。
【0049】
また、木質材料では原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等による品質のバラツキが発生するが上述したような材質からなる成形品ではそのようなことがなく、製品のバラツキを抑えることができる。すなわち、上述した材料を用いて成形した成形品は、複雑な断面形状をなしていても木目模様を呈するので、室内の他の表面部材に木質材、またはそれに変わる木質感のあるものを使用した場合に、外観デザインを調和させる意味で、使用するのに適している。換言すれば、天然の木材を切削加工したのでは手間がかかるような断面形状の部材であっても、木目模様を呈する成形品として提供することができる。
【0050】
そして、「粉体を混合した樹脂」からなるため、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、仮に水分が付着しても水分を拭き取れば済み、メンテナンスを容易にすることができる。すなわち、手垢等の汚れがこの成形品の表面に付着しても濡れ雑巾で掃除することができ、汚れを除去した後、水分をふき取れば良いものである。これにより、外観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては木製品と比較してはるかに水に強い成形品を提供できる。
【0051】
次に、第二の実施の形態について説明する。
図4及び図5は、本発明の第二の実施の形態であって、図4は金型の縦断面図、図5は金型の概略平面図をそれぞれ示す。
本実施の形態は、ランナ34がスプル33の下端から扇状に薄く広がったファンランナ35から形成されている。そして、注入口30は、前記ファンランナ35から連続した扇状の先端に位置して、ファンランナ35から内部空間部20に樹脂を注入するためにファンランナ35と内部空間部20とを結ぶスリット状のファンゲート32を備えている。
【0052】
また、本実施の形態は、円柱状の突起41が、内部空間部20の略全厚みに渡って内部空間部20の内面底側から射出方向と垂直な断面の周縁に沿って列状に並んでいるが、この突起41は射出方向に沿って所定間隔に離れた位置に二列、形成されている。すなわち、突起41は、注入口30側に近い側から七個、列状に配置された第一の突起42と、この第一の突起42の射出方向の下流側に位置して六個、列状に配置された第二の突起43とを備えている。そして、この第二の突起43は、樹脂の流れを示す射出方向において、第一の突起42の流れの間に位置するように形成されている。その他の構成は、第一の実施の形態と略同様であって、同一の構成には、同一の部品番号を付与して説明を省略する。
【0053】
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。
本実施の形態は、ランナ34が扇状のファンランナ35からなり、注入口30がこのファンランナ35に連続するスリット状のファンゲート32から形成されている。このため、射出成形機のノズルからスプル33内に供給された溶融した樹脂は、扇状のファンランナ35内を扇状に広がりながら流れ、その後、薄く広がったファンゲート32から内部空間部20内部に流れ込む。これにより、内部空間部20内のファンゲート32からの樹脂の流れを乱れのない均一の安定したものにすることができ、年輪が平行な模様を形成する柾目模様に適した安定した樹脂の流れを形成することができる。
【0054】
また、突起41が、第一の突起42及び第二の突起43から二列に形成されており、この第二の突起43は、射出方向において、第一の突起42の流れの間に配置されている。このため、第一の突起42により形成された縞模様の間に第二の突起43により形成される縞模様を形成することができ、突起41の下流側に形成される縞模様をより細かな間隔で多数、形成することができる。これにより、年輪の間が狭い柾目模様に近似した木目模様を得ることができる。
【0055】
なお、上述した第一及び第二の実施の形態において、突起41は、一列または二列のものを示したが、特にこれに限定されることなく、三列以上の突起41を内部空間部20内に形成しても良いものである。これにより、さらに細かな間隔の縞模様からなる柾目模様に近似した木目模様を得ることができる。
次に、第三の実施の形態について説明する。
【0056】
図6乃至図8は、本発明の第三の実施の形態であって、図6は金型の概略斜視図、図7は金型の縦断面図、図8は金型の概略平面図をそれぞれ示す。
本実施の形態において、内部空間部20は、その縦断面形状が略コ字状に形成されている。この内部空間部20は、注入口30側から垂直に立設する始端側垂直部24と、この始端側垂直部24の上端から水平方向に薄板状に延びる水平部25と、この水平部25の先端から下方に向かって垂直に延びる終端側垂直部26とを備えている。そして、始端側垂直部24を形成するために立設する反注入口30側の金型10の内面には、その内面から始端側垂直部24の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に沿って七個、並んだ突部40が形成されている。具体的には、この突部40は、始端側垂直部24の反注入口30側の金型10内面に射出方向に沿って中心軸を有する半円柱状の半円柱状突起44から形成されている。
【0057】
なお、本実施の形態において、内部空間部20は、本体形成部21のみからなり、不使用部分形成部22や薄通路23を形成していない。本実施の形態は、その他の構成は、第一の実施の形態と略同様であって、同一の構成には、同一の部品番号を付与して説明を省略する。
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0058】
注入口30から内部空間部20に注入された均一な樹脂の流れが、始端側垂直部24において、半円柱状の半円柱状突起44に衝突すると、この半円柱状突起44に衝突した樹脂は、半円柱状突起44の半円柱状の円周表面に沿ってその左右に回り込む。そして、始端側垂直部24の上端から水平部25に流れ込む際、半円柱状突起44に沿う流れは、半円柱状突起44の表面に沿って、その左右の半円柱状突起44の間に回り込む。したがって、始端側垂直部24から水平部25に流れ込む樹脂の流れは、半円柱状突起44の間の部分が主となる。これにより、半円柱状突起44の下流側の水平部25において、樹脂の流れが一時的に剥離する部分が発生する。これにより、半円柱状突起44に影響されずに流れてくる樹脂と、半円柱状突起44に衝突してその左右に回り込んで影響を受けて一時的に流れが剥離した樹脂とで流れの方向や速度が異なり、冷却速度にも差が発生する。したがって、半円柱状突起44の下流側で冷却速度に不均一な部分が射出方向に沿って発生し、射出方向に沿って色等の相違による縞模様が形成される。そして、この突部40は、射出方向に垂直な断面形状の周縁に複数個、並んで配置されているため、かかる突部40の下流側に射出方向に沿った縞模様が、複数個、平行に現れることとなり、年輪の線が平行して幾筋も現れる柾目状の木目模様に近似した模様を成形品に形成することができる。また、本実施の形態に係る金型10は、第一及び第二の実施の形態に係る金型10で形成されている円柱状の突起41と比較して、金型10の製造を容易にすることができて、金型10の製造コストを低減することができる。
【0059】
上述した第一乃至第三の実施の形態において、成形品の木目模様を形成するために金型10の内面の突部40を使用しているが、これに加えて、樹脂及び顔料を適宜選択して色の異なる複数種類の団塊状原料であるペレットを形成し、この色が異なる複数のペレットを混合して溶融して、本実施の形態に係る突部40を有する金型10内部に射出成形しても良いものである。これにより、さらに細かな柾目状の木目模様を有する成形品を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、成形品に柾目状の木目模様を容易に形成することができる金型を提供することができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、成形品に柾目状の木目模様を容易に形成することができるとともに成形品の内部にまで同様の柾目状の木目模様を形成することができる金型を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、射出成形による成形品の末端近傍においても、きれいな柾目模様を呈することができる金型を提供することができる。
【0062】
請求項4記載の発明によれば、柾目状の模様を容易に得ることができる成形方法を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、素材感が木そのものであり、表面を手で触った際、良好な手触り感が得られるとともに、均一性、耐水性に優れた成形品が得られる成形方法を提供することができる。
【0063】
請求項6記載の発明によれば、木質感を有し、木目模様を有して、外観が良好な上に成形性が優れた成形品を得ることができる成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、金型を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態であって、金型を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態であって、金型を示す概略平面図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態であって、金型を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態であって、金型を示す概略平面図である。
【図6】本発明の第三の実施の形態であって、金型を示す概略斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態であって、金型を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第三の実施の形態であって、金型を示す概略平面図である。
【符号の説明】
10 金型 20 内部空間部
21 本体形成部 22 不使用部分形成部
23 薄通路 24 始端側垂直部
25 水平部 26 終端側垂直部
30 注入口 31 サイドゲート
32 ファンゲート 33 スプル
34 ランナ 35 ファンランナ
40 突部 41 突起
42 第一の突起 43 第二の突起
44 半円柱状突起 50 均一流
51 不均一流

Claims (6)

  1. 射出成形に使用する金型であって、
    この金型は、その内部に成形品を形成するための内部空間部と、この内部空間部に樹脂を送り込むための注入口とを備え、
    前記内部空間部の一方側の内面の注入口側には、その内面から内部空間部の内側に向かって突出するとともに射出方向と直角な断面の周縁に沿って複数個、並んだ突部が形成されていることを特徴とする金型。
  2. 突部は、内部空間部の略全厚みに渡って内部空間部の内面から直角方向に突出する柱状の突起であることを特徴とする請求項1記載の金型。
  3. 内部空間部は、その注入口側に位置して成形品として採用する部分を形成する本体形成部と、この本体形成部の射出方向の末端側に隣接して成形品としては採用しない部分を形成する不使用部分形成部とを備え、
    不使用部分形成部の本体形成部に隣接した部分には、本体形成部よりも深さを浅く形成した薄通路を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の金型。
  4. 金型を用いた射出成形により木目模様を呈する成形品の成形方法であって、
    前記金型は、その内部に成形品を形成するための内部空間部と、この内部空間部に樹脂を送り込むための注入口とを備え、
    前記金型の注入口から樹脂を射出して、金型内部に樹脂の流れの方向及び速度が均一な均一流を形成する工程と、
    この均一流を、射出方向と直角な断面の周縁に複数個、並んで金型内面から内部空間部の内側に向かって突出する突部の周囲に回り込ませることにより、内部空間部の樹脂の流れの方向及び速度が突部の下流とそれ以外の部分とで異なる不均一流に変換する工程とを備えたことを特徴とする成形方法。
  5. 成形品は、樹脂と微粒子の木粉とを主材とする組成物よりなることを特徴とする請求項4記載の成形方法。
  6. 成形品は、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂よりなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の成形方法。
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