JP3753850B2 - コンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱穀部の前方に刈取搬送部を設けたコンバインの刈取搬送部防塵カバ−の開閉移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このように脱穀部の前方に設けた刈取搬送部の上方を覆う防塵カバ−を前後に移動して開閉するものとしては、例えば、実公平6−23237号(実開平1−101317号)公報に記載されるようなものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この同公報に記載されるところの防塵カバ−の開閉移動装置なるものは、その前後の移動手段が複雑であってコスト高になり、また、移動させるときにコジレが生じやすく、その上、付着する粉塵が移動手段にわざわいして円滑に移動させることが難しいなどの欠点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の欠点を払拭するために案出されたもので、脱穀部の前方に設けた刈取搬送部の上方を分割した防塵カバ−前と防塵カバ−後とで覆い、その防塵カバ−後を前後に移動して刈取搬送部の上方を開閉するもので、前記防塵カバ−後のフレ−ム枠を形成する左右両側に設けた平行棒のうち、一側がわの平行棒を外筒とこれに挿入する摺動杆とから構成し、その外筒を前記フレ−ム枠の後部に設けたガイド体に挿通するとともに、摺動杆の前端を前記フレ−ム枠の前部に連結させ、他側がわの平行棒を支持体に摺動自在に挿通し、その支持体と前記外筒の前部がわとを刈取搬送部がわに固定する横杆により連結することによって、防塵カバ−後のフレ−ム枠は、その一側がわの平行棒の外筒内を摺動杆が前後に摺動して伸縮すると同時にガイド体が外筒と摺動し、また、他側がわの平行棒が支持体と摺動して両サイドの平行棒により前後に移動するものになり、防塵カバ−後の移動手段は簡単になってコジレが生ずることなく付着する粉塵の影響も受けずに軽快に前後に移動して開閉できるものになる。
【0005】
そして、フレ−ム枠の後部に係脱自在のフック体を装着し、そのフック体の前後移動軌跡相当箇所における前記外筒の側方部位に前固定ピンと後固定ピンを設けたので、平行棒にそって前後に移動するフック体と、そのフック体が係脱する前固定ピンと後固定ピンの相対位置関係が変動せず、フック体の各固定ピンへの係合離脱が確実になる。
【0006】
また、前固定ピンと後固定ピンとを結ぶ直線と外筒の軸線を側方視で合致させるか、または平行にすることにより、フック体が前固定ピンと後固定ピンに係合したときの姿勢が変わらず係合状態が一層確実なものになる。
【0007】
更に、フック体には前固定ピンと後固定ピンにそれぞれ係合する前切欠部と後切欠部を形設し、その前切欠部と後切欠部の間をこの切欠部よりも突出する突起部にして形成したから、防塵カバ−後を前方に移動して開するときは、フック体の突起部が前固定ピンに当接して前切欠部に係合し、後方に移動して閉するときには、突起部が後固定ピンに当接して後切欠部に係合するので、防塵カバ−後が所定位置からオ−バ−ランしないのである。
【0008】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、この発明による防塵カバ−開閉移動装置について実施例図を参照し説明すると、このコンバインは図7のように、走行フレ−ム上に設置する操縦部(C)の前方から左側方にかけて刈取搬送部(B)を設け、その刈取搬送部(B)の後側に脱穀部(A)を配設して刈取穀稈を脱穀処理し、脱穀処理した穀粒を操縦部(C)の後側で脱穀部(A)に隣設する穀粒タンク(14)に貯留するもので、刈取搬送部(B)はその後部を支点にして上下動し刈り高さが調節可能なものである。
【0009】
前記刈取搬送部(B)の上方は操縦部(C)の前方がわを残して大部分を前後に分割した防塵カバ−前(1)と防塵カバ−後(2)とによって覆われ、その防塵カバ−前(1)と防塵カバ−後(2)は何れも透明材で形成されていて、防塵カバ−前(1)は刈取搬送部(B)の前側に固着され、防塵カバ−後(2)は前後に移動して刈取搬送部(B)の上方を開閉するのであって、この防塵カバ−後(2)の閉により刈取搬送部(B)で発生する粉塵の浮遊を防塵カバ−前(1)と共働して防止し、開することによって枕刈り等の手刈りしたものの脱穀部(A)への供給を容易にしている。
【0010】
そこで、前後に移動可能にする防塵カバ−後(2)の移動手段について述べる。(3)は防塵カバ−後(2)のフレ−ム枠、(4)(5)はこのフレ−ム枠(3)を形成する左右両側に設けた平行棒で、その右側(一側がわ)の平行棒(4)は前後方向に長手の外筒(4a)とこれに挿入する摺動杆(4b)とから成り、摺動杆(4b)と左側(他側がわ)の平行棒の前端に取付金(15)(16)をそれぞれ固着し、その各取付金(15)(16)に各平行棒(4)(5)の上方を通る縦杆(17)(18)を連結して、各縦杆(17)(18)の後端に基盤(19)(20)を取付け、右側の基盤(19)には板金(21)を介して筒状のガイド体(3a)を固着し前記外筒(4a)をこのガイド体(3a)に摺動自在に挿通し、左側の平行棒(5)には筒状にして稍々長めの支持体(6)を摺動自在に嵌合させるとともに、その平行棒(5)の後端は板金(22)を介して基盤(20)に連結させている。
【0011】
そして、前記外筒(4a)の前部がわをこの外筒(4a)に嵌着した嵌合体(23)を介して横杆(7)により前記支持体(6)に連結し、左右側の基盤(20)と(19)を連結杆(24)により連結して防塵カバ−後(2)のフレ−ム枠(3)を形成しているのである。尚、(25)は左右の取付金(16)(15)に掛け渡した防塵カバ−後(2)の取付用前止着金、(26)は基盤(20)と(19)に掛け渡した後止着金である。
【0012】
このようにして形成したフレ−ム枠(3)は、前記横杆(7)の右端に溶着する取着金(27)と左端に溶着する取着金(28)とによって刈取搬送部(B)から上向きに突設するル−プ型支承杆(29)の左右側に固着されるとともに、右側の平行棒(4)を構成している外筒(4a)の後部を後方に延出しその延出端部を操縦部(C)の左側部に設置したサイドパネル(30)の後部がわに左右方向の横軸(31)を介して上下動可能に軸着している。
【0013】
また、前記フレ−ム枠(3)後部の右側における基盤(19)の内側にはフック体(8)が軸(32)を支点にして上下に揺動自在に軸支され、そのフック体(8)の後側部に前切欠部(11)と後切欠部(12)を形設し、前切欠部(11)と後切欠部(12)の間にこれらの切欠部(11)(12)より下方に大きく突出する突起部(13)が形成され、フック体(8)の前側部には引張スプリング(33)が連繋して後側部を下方に附勢している。
【0014】
そして、(34)は前記防塵カバ−後(2)の上方において左右方向に架設され軸(35)を支点にして前後に作動する作動レバ−で、この作動レバ−(34)の前方または後方への作動により作動レバ−(34)と一体となって作動する作動板(36)と、この作動板(36)に取着するピン軸(37)および中間板(38)と、この中間板(38)に取着のピン軸(39)等を介して前記の引張スプリング(33)を伸長してフック体(8)の後側部を引き上げるようになっている。
【0015】
また、前記フック体(8)が基盤(19)と共に右側の外筒(4a)にそって移動する前後の移動軌跡相当箇所における外筒(4a)の側方部位に、前記の嵌合体(23)或は取着金(27)がわから突設する前固定ピン(9)と外筒(4a)の後部から内側方に向けて突出する後固定ピン(10)を位置させ、それら各固定ピン(9)と(10)を結ぶ直線(X)と外筒(4a)或は摺動杆(4b)の軸線(Y)とを側方視で合致させるか、または平行にするのである。
【0016】
これにより、防塵カバ−後(2)により刈取搬送部(B)の上方を閉しているとき、作動レバ−(34)を図2に矢印(イ)で示すように、前方に向け押し作動すると、フック体(8)の後側部が矢印(ロ)のように引き上げられて後切欠部(12)は後固定ピン(10)から離脱しガイド体(3a)は外筒(4a)と摺動するとともに、摺動杆(4b)は前方に摺動して右側の平行棒(4)は伸長しながら、左側の平行棒(5)が支持体(6)と摺動し防塵カバ−後(2)はコジレを生じることなく軽快に移動するようになり、その移動においてはフック体(8)の各固定ピン(9)(10)との相対位置関係が変動せずに移動し、フック体(8)の突起部(13)が前固定ピン(9)に当接して停止し前切欠部(11)が係合するようになり、刈取搬送部(B)の上方を開してその開状態を維持するのである。(図6参照)
【0017】
また、図6に示した開状態から矢印(ハ)のように作動レバ−(34)を引き作動すると、フック体(8)の後側部は前記と同様引き上げられて前切欠部(11)は前固定ピン(9)から離脱しガイド体(3a)は外筒(4a)と摺動するとともに、摺動杆(4b)は外筒(4a)内に挿入して右側の平行棒(4)は短縮し、これと同時に左側の平行棒(5)は支持体(6)と摺動して案内されながら防塵カバ−後(2)は後方に向け円滑に移動しフック体(8)の突起部(13)が後固定ピン(10)に当接することにより移動が停止して後切欠部(12)が後固定ピン(10)に係合する。この後固定ピン(10)への係合によるフック体(8)の姿勢は前記の前切欠部(11)が前固定ピン(9)に係合したときと同じ姿勢で係合し閉状態を維持するようになる。(図2参照)
【0018】
そして、刈取作業において刈り高さを調節するために、刈取搬送部(B)をその後部を支点にして上下動させると、右側の平行棒(4)を構成している外筒(4a)の後方への延出端部がサイドパネル(30)の後部がわに軸支されていることにより刈取搬送部(B)の上下動に追従して防塵カバ−後(2)は上下動し刈取搬送部(B)で発生する粉塵の浮遊を防止するようになる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0020】
即ち、脱穀部の前方に設けた刈取搬送部の上方を分割した防塵カバ−前と防塵カバ−後とで覆い、その防塵カバ−後を前後に移動して刈取搬送部の上方を開閉するもので、前記防塵カバ−後のフレ−ム枠を形成する左右両側に設けた平行棒のうち、一側がわの平行棒を外筒とこれに挿入する摺動杆とから構成し、その外筒を前記フレ−ム枠の後部に設けたガイド体に挿通するとともに、摺動杆の前端を前記フレ−ム枠の前部に連結させ、他側がわの平行棒を支持体に摺動自在に挿通し、その支持体と前記外筒の前部がわとを刈取搬送部がわに固定する横杆により連結することによって、防塵カバ−後のフレ−ム枠は、その一側がわの平行棒の外筒内を摺動杆が前後に摺動して伸縮すると同時にガイド体が外筒と摺動し、また、他側がわの平行棒が支持体と摺動して両サイドの平行棒により前後に移動するものになり、防塵カバ−後の移動手段は簡単になってコジレが生ずることなく付着する粉塵の影響も受けずに軽快に前後に移動して開閉できるものを安価に提供できる。
【0021】
そして、フレ−ム枠の後部に係脱自在のフック体を装着し、そのフック体の前後移動軌跡相当箇所における前記外筒の側方部位に前固定ピンと後固定ピンを設けたので、平行棒にそって前後に移動するフック体と、そのフック体が係脱する前固定ピンと後固定ピンの相対位置関係が変動せず、フック体の各固定ピンへの係合離脱が確実なものになる。
【0022】
また、前固定ピンと後固定ピンとを結ぶ直線と外筒の軸線を側方視で合致させるか、または平行にすることにより、フック体が前固定ピンと後固定ピンに係合したときの姿勢が変わらず係合状態が一層確実になる。
【0023】
更に、フック体には前固定ピンと後固定ピンにそれぞれ係合する前切欠部と後切欠部を形設し、その前切欠部と後切欠部の間をこの切欠部よりも突出する突起部にして形成したから、防塵カバ−後を前方に移動して開するときは、フック体の突起部が前固定ピンに当接して前切欠部に係合し、後方に移動して閉するときには、突起部が後固定ピンに当接して後切欠部に係合するので、防塵カバ−後が前後の所定位置に停止しオ−バ−ランしないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】防塵カバ−後の平面図である。
【図2】同カバ−を縦断して示す左側面図である。
【図3】防塵カバ−後のフレ−ム枠の平面図である。
【図4】同フレ−ム枠を縦断して示す左側面図である。
【図5】一側がわの平行棒と各固定ピンとの関係説明図である。
【図6】防塵カバ−後の移動説明図である。
【図7】コンバインを構成する各部の配置図である。
【符号の説明】
A 脱穀部
B 刈取搬送部
1 防塵カバ−前
2 防塵カバ−後
3 フレ−ム枠
3a ガイド体
4 平行棒(一側がわの)
4a 外筒
4b 摺動杆
5 平行棒(他側がわの)
6 支持体
7 横杆
8 フック体
9 前固定ピン
10 後固定ピン
X 直線
Y 軸線
11 前切欠部
12 後切欠部
13 突起部
Claims (4)
- 脱穀部(A)の前方に設けた刈取搬送部(B)の上方を分割した防塵カバ−前(1)と防塵カバ−後(2)とで覆い、その防塵カバ−後(2)を前後に移動して刈取搬送部(B)の上方を開閉するもので、前記防塵カバ−後(2)のフレ−ム枠(3)を形成する左右両側に設けた平行棒(4)(5)のうち、一側がわの平行棒(4)を外筒(4a)とこれに挿入する摺動杆(4b)とから構成し、その外筒(4a)を前記フレ−ム枠(3)の後部に設けたガイド体(3a)に挿通するとともに、摺動杆(4b)の前端を前記フレ−ム枠(3)の前部に連結させ、他側がわの平行棒(5)を支持体(6)に摺動自在に挿通し、その支持体(6)と前記外筒(4a)の前部がわとを刈取搬送部(B)がわに固定する横杆(7)により連結して構成したことを特徴とするコンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置。
- フレ−ム枠(3)の後部に係脱自在のフック体(8)を装着し、そのフック体(8)の前後移動軌跡相当箇所における前記外筒(4a)の側方部位に前固定ピン(9)と後固定ピン(10)を設けたことを特徴とする請求項1.記載のコンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置。
- 前固定ピン(9)と後固定ピン(10)とを結ぶ直線(X)と外筒(4a)の軸線(Y)を側方視で合致させるか、または平行にしてあることを特徴とする請求項2.記載のコンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置。
- フック体(8)には前固定ピン(9)と後固定ピン(10)にそれぞれ係合する前切欠部(11)と後切欠部(12)を形設し、その前切欠部(11)と後切欠部(12)の間をこの切欠部(11)(12)よりも突出する突起部(13)にして形成したことを特徴とする請求項2.記載のコンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置。
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JP30666997A JP3753850B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | コンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置 |
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JP30666997A JP3753850B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | コンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置 |
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JPH11113354A JPH11113354A (ja) | 1999-04-27 |
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JP30666997A Expired - Fee Related JP3753850B2 (ja) | 1997-10-20 | 1997-10-20 | コンバイン刈取搬送部の防塵カバ−開閉移動装置 |
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KR101035424B1 (ko) * | 2009-10-20 | 2011-05-18 | 박미영 | 수수작물 수확장치 |
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1997
- 1997-10-20 JP JP30666997A patent/JP3753850B2/ja not_active Expired - Fee Related
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