JP3753409B2 - エスカレータの工事用仕切柵 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの設置空間に複数のエスカレータが隣り合わせに配設された既設エスカレータの改修或いは補修等の工事において、隣り合うエレベータを仕切る工事用仕切柵に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の工事用仕切柵を図1及び図9乃至図14に基づいて説明する。
図1は仕切柵の概念を示すエレベータの平面図、図9は従来例を示す図1のA−A断面図、図10は従来例を示す図1のB−B断面図、図11は、従来例を示す図10のイ部詳細図、図12は従来例を示す図10にエスカレータを配して膜との関係を概略的に示した説明図、図13は従来例の横部材に膜を取り付けた状態の一部を示す斜視図、図14は従来例の横部材に金属パネル3を取り付けた状態を示す断面図である。
【0003】
図1において、1は或る階の床であり、この床1に形成された一つのエレベータ設置空間(以下、設置空間という)2に、上昇用と下降用の2台のエスカレータが隣り合わせに配設されている。3はエスカレータの移動手摺、4は移動手摺3の外方に設置されたデッキボードである。
上記の各図は、同一階の床1の設置空間2に、上昇用と下降用の2台のエスカレータを交差させ、互いの側面が隣接するように設置されている。以下、この隣り合うエスカレータの側面間の空間を側面空間5という。
【0004】
図1に示す平面図において、或る階の床1の設置空間2に臨む一方側には、下の階から上昇して来たエスカレータ(α側)から当該階の床1に昇り立ち、直ちにターンして、当該階の床1から上の階へ上昇するエスカレータ(β側)に乗るための昇り用乗場(矢印UP)があり、当該設置空間2に臨む他方側には、上の階から下降して来たエスカレータから当該階の床1に降り立ち、直ちにターンして、当該階の床から下の階へ降下するための降り用乗場(矢印DOWN)がある。
【0005】
このように、同一階において、上昇用と下降用との2台のエレベータが隣り合わせに交差するように配設されたエスカレータ設備での改修或いは補修工事の際には、上昇、下降用の両エスカレータを共に停止して工事を行うことは希であり、少なくとも、何れか一方向のエスカレータを上昇用として運転させながら工事を行うのが一般である。この場合に、両エレベータの側面空間5に、両エレベータを仕切る仕切柵6が必要となる。
【0006】
図1、図9,図10において、各図は両エスカレータの側面空間5に、工事区間の最上段の階の床1から最下段の階の床1に亘って、仕切柵6を構築した状態を示すものである。
仕切柵6は、側面空間5にあって、隣り合う両エスカレータを縦に分断した状態に仕切るよう構築されている。尚、図10では理解を容易にするため両エスカレータは削除されている。
【0007】
この従来の仕切柵6は、上方に向けて構築される当該仕切柵6の基礎として、鉄パイプ等の鋼材で強固に構成された基礎台7が、エスカレータの側面空間2にあって、工事区間の最下段の階の床1の設置空間5を横切るように架け渡されており、この基礎台7の上に、鉄パイプ等の鋼材が工事区間の最上段の階の床1まで逐次組み上げられて仕切柵6の骨格(以下、鋼材骨格という)が作られている。
そして、この鋼材骨格の表面を覆うように、例えば、金属製パネル8が、幾枚も取付けられて、仕切柵が構築されていた。
【0008】
図中の符号9は仕切柵6を構成する縦方向の骨材としての縦部材、例えば鉄パイプであり、基礎台7の上に適宜間隔を開けて適当本数が固定されている。この縦部材9には、縦部材9と同様の鉄パイプが横部材10として、同じく適宜間隔を開けて適当本数組み付けられている。
縦部材9と横部材10との各交差部の全て、或いは要所は、図13に示すように組付け金具11で固定されており、こうして鋼材骨格が形成されている。
尚、上記鋼材骨格の表面を覆うよう幾枚もに取付けられた金属パネル8としては、例えばトタン板を用い、トタン板は、図14に示すように、止め具12及びナット12a等の金具によって鋼材骨格に強固に固定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の仕切柵6は、縦部材9や横部材10に足場用の鉄パイプ等を用いていたため重量が嵩むほか、工事区間の最下段から最上段の階まで鉄パイプを組み上げて行かねば成らず、しかも、こうして組み上げた鋼材骨格の表面に、鋼材骨格に見合うトタン板等の金属パネル8を幾毎も取付けて構築されていたため、これら資材の運搬や組立及び撤去作業における取扱いが極めて不便であった。
又、総重量も大となるため、この全重量を支える基礎台7も十分に強固にしておく必要がある。
これらの事情から、従来の仕切柵6の構築には多大の労力と作業時間とが費やされていた。
本発明は、上記のような課題を解決し、軽量にして構築及び撤去作業が容易且つ迅速に行えるエスカレータの工事用仕切柵の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一つの設置空間に複数のエスカレータが隣り合わせに設置されたエスカレータ設備において、上記エスカレータが隣り合う間の側面空間に、適当間隔をおいて適当数の索条を上下方向に張り渡して索条骨格とし、2組の当該索条骨格を適宜間隔を空けて重なるよう側面空間に張り渡し、上記2組の索条骨格を内側の骨格として上記2組の索条骨格の外周面に膜を取付けて、上記エスカレータ間の仕切柵としたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態1を示す図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1を図1、図2乃至図8、図9に基づいて説明する。
図2は実施の形態1を示す図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は図3のア部詳細図、図5は下梁に索条の端部を取り付けた状態を示す斜視図、図6は縦索条に横索条を取り付けた状態を示す断面図、図7は縦、横索条に膜を取り付けた状態の一部を示す斜視図、図8は横索条に膜及び補修膜を取り付けた状態を示す断面図である。尚、図中の符号1乃至5は従来例で説明したものと同様である。
【0018】
図2において、20は仕切柵21の最下部を構成する下梁である。この下梁20は、隣り合うエスカレータの間の側面空間5にあって、両端が工事区間の最下段の階の床1のエスカレータ設置空間2を横切って、一方の乗場側と他方の乗場側とに架け渡されている。架け渡された下梁20はアンカーボルト等により適宜固設される。
22は同じく仕切柵21の最上部を構成する上梁である。この上梁22も、上記下梁20と同様に、工事区間の最上階の床1のエスカレータ設置空間2を横切って、一方の乗場側と他方の乗場側とに架け渡されて、固定されている。
【0019】
23は上記の上梁22と下梁20との間に弛まない程度に縦に張られた縦索条としての例えばロープである。
この縦索条23の下端側は、図5に示す下梁20側の固定例に示すように、下梁20に穿たれた止め孔24に縦索条23の端部、この場合、下端部を通して折り返し、縦索条23の基部側と折り返された端部側とを緊縛線25により緊縛して、固定されている。縦索条23の上端側も上梁22側に同様に固定されている。このような縦索条23を上下梁22、20の架け渡し方向に、適当な間隔を置いて適当本数配設する。
【0020】
26は上記の縦索条23として垂直に張られた縦索条23としての縦ロープに対して、水平な横方向に張り渡された横索条としての横ロープである。この横索条26も、上梁22と下梁20との問に適当間隔にて適当本数設ける。
各横索条26は、縦索条23との交差部において、適当な固定手段、例えば図6に示すようにな緊縛線27を用いて縦索条23に固定する。
こうして、縦横の索条23,26を用いて網状構造の骨格を作る。以下、この骨格を索条骨格という。尚、この索条骨格を構成する索条はワイヤーロープの場合6Φ程度のものが適当である。
【0021】
図3、図4及び図7、図8において、図示の例では、上記縦索条23及び横索条26により網状構造とされた索条骨格は、隣り合うエスカレータの相対する側面に向けて、側面空間5に2組設けてある。
この場合、上下の梁22,20はそれぞれ1本づつとし、上下各一本の梁の幅方向の間隔をおいて、上下の梁22,20の両縁部に沿うように2組の索条骨格が配設されている。
この場合、2組の索条骨格の網目のサイズを等しくし、網目が同位置に合致するよう位置させると、後述する幕張作業に好適である。尚、図5の例では、上下の梁22,20としてH鋼材を用いている。
【0022】
30は上記の索条骨格に取付けられる膜としてのシートである。
膜30の取付け方は、如何様にしてもよいが、この例では、膜30は帯状のものを横長にして用い、水平に上下方向に並ぶ横索条26の各段、或いは、使用する膜30の幅の広さや横索条26の上下間隔の幅等に応じて、複数段に亘って適宜取付けている。取付けの固定は、膜30の要所要所を索条骨格の縦索条23或いは横索条26に適宜固定する。
この例では、図8に示すように、上段側の膜30の下縁を下段側の膜30の上縁の上に重なるように、順次下段側から上段側へと張って行き、上下の膜30の重なり部分18cの適所に、膜30の外側から緊縛線31を差し込んで、横索条26を膜30の外側から当該膜30で覆うように取り付けている。
尚、膜30はシート状のものに限らず、網目状のものであってもよい。又、シートの場合は防火シートが好適である。
【0023】
図8において、膜30の重なり部分32や膜30の外側に露出する凸部、例えば緊縛線31の結び目等の部分には、これらの部分を覆う補修膜33を張り付ける。補修膜33としては、例えば、ガムテープ等の接着テープが好適である。接着テープであれば、当該部位に張り付けて切リ取るだけで済むので、補修作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0024】
図7に示すように、膜30は、上記2組の索条骨格が膜30の内側に位置し、2つの索条骨格が外側から包み込まれるように取付ける。この結果、取付けられた膜30は、上下方向に延在する断面が細い長方形の筒状を呈する。
このように仕切柵60を構成すると、両エスカレータ側面のデッキボード4とデッキボード4の間、即ち側面空間5に二重の膜30が垂らされた状態となる。
【0025】
実施の形態2.
この実施の形態2は、エスカレータが隣り合う間の側面空間2に、適当間隔をおいて適当数の索条23を上下方向に張り渡し、これを骨格として、膜30を取付けてエスカレータ間の仕切柵(60)としたものである(非図示)。
従って、この実施の形態2は、上記実施の形態1における横索条26としての横ロープが存在しない構成であるから、横索条26に関する説明を除くほかは、上記実施の形態1に説明した構成と同様である。
尚、上記実施の形態1において、横索条26を用いたのは、膜30をより安定した状態で取付けるためでもある。
【0026】
上記実施の形態1,2では、膜30は水平方向にして、下方から上方に向けて一部が重なるように張られているが、勿論、これに限らず、適宜の方法で取付けてもよい。例えば、帯状の膜30を垂直方向に垂らし、水平方向へ一部を重ねながら索条骨格に取付けることもできる(非図示)。
又、上記実施の形態1では、現場において、縦索条23に横索条26を交差させて索条骨格を形成していたが、予め、適当サイズに形成された索条骨格を上下の梁に張り渡してもよい。
又、上記実施の形態1では、索条骨格の網目は垂直方向の縦索条23と水平方向の横索条26とを四角形状に組んだものを示したが、これに限らず網目状であればよい。例えば、網目がひし形状のものでもよい。従って、本明細書でいう索条骨格は既成の網をも含む。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、何れも、軽量にして構築及び撤去作業が容易且つ迅速に行えるエスカレータの工事用仕切柵を提供することができる。
また、2組の索条骨格の外周面に膜を取り付けているので、膜の表面がひらひらしたり、膜の表面に手で触っても容易に押し込まれることがなく安定した仕切柵を提供できる。
【0028】
請求項1の発明によれば、網目状に構成される索条骨格に比べて、横索条を必要としないので、更に一段と、軽量にして構築及び撤去作業が容易且つ迅速に行えるエスカレータの工事用仕切柵を提供することができる。
【0029】
さらに、この発明によれば、何れも、索条の随所に膜を固定することができるので、膜の取付けをより安定させることができる。
又、索条骨格が網目状に形成されているので、網目を小さく形成することによって、膜の表面がひらひらしたり、膜の表面に手で触っても容易に押し込まれることがなく安定した仕切柵を提供できる。
【0030】
工事区間の上方と下方とに架け渡した梁の間に、仕切柵の骨格として索条を張り巡らし、この索条に膜を取付けるだけで仕切柵を構成できるので、幾階にも亙る工事区間であっても、容易に仕切柵を構築することができる。
従って、従来のように支持部材として重い鉄パイプを多数持ち運ぶ必要もなく、巻き収めた所定長さの索条を持ち運へば良く、取扱い及び構築や撤去作業が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 仕切柵の概念を示すエレベータの平面図である。
【図2】 実施の形態1を示す図1のA−A断面図である。
【図3】 図1のB−B断面図である。
【図4】 図3のア部詳細図である。
【図5】 下梁に索条の端部を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】 縦索条に横索条を取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】 縦、横索条に膜を取り付けた状態の一部を示す斜視図である。
【図8】 横索条に膜及び補修膜を取り付けた状態を示す断面図である。
【図9】 従来例を示す図1のA−A断面図である。
【図10】 従来例を示す図1のB−B断面図である。
【図11】 従来例を示す図10のイ部詳細図である。
【図12】 従来例を示す図10にエスカレータを配して膜との関係を概略的に示した説明図である。
【図13】 従来例の横部材に膜3を取り付けた状態の一部を示す斜視図である。
【図14】 従来例の横部材に金属パネル3を取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 床、2 設置空間、5 側面空間、20 下梁、22 上梁、23 縦索条、26 横索条、30 膜、31 接着テープ(補修膜)、60 仕切柵。
Claims (6)
- 一つの設置空間に複数のエスカレータが隣り合わせに設置されたエスカレータ設備において、
上記エスカレータが隣り合う間の側面空間に、適当間隔をおいて適当数の索条を上下方向に張り渡して索条骨格とし、2組の当該索条骨格を適宜間隔を空けて重なるよう側面空間に張り渡し、上記2組の索条骨格を内側の骨格として上記2組の索条骨格の外周面に膜を取付けて、上記エスカレータ間の仕切柵としたことを特徴とするエスカレータの工事用仕切柵。 - 上記索条骨格は、網状に組まれていることを特徴とする請求項1に記載のエスカレータの工事用仕切柵。
- 上記索条骨格は縦と横とに張った索条で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエスカレータの工事用仕切柵。
- 横に張られた上記索条の上下方向の各段若しくは複数段毎に、帯状の膜を横長に取付けたことを特徴とする請求項3に記載のエスカレータの工事用仕切柵。
- 上記索条骨格に取付けられた膜と膜との継ぎ目は接着テープで一体化したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエスカレータの工事用仕切柵。
- 上記索条骨格は、所要工事区間階の最上段の階の床と最下段の階の床のそれぞれのエスカレータ設置空間に架け渡された上下各一本の梁に張り渡されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエスカレータの工事用仕切柵。
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