JP3750118B2 - 温水式スノーワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に付属しているワイパーの改良に関わるものであり、特には寒冷地に於ける自動車走行時の吹雪などに拠る走行不安を解消し、安全な走行を保つための温水式スノーワイパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冬季に自動車を走行中、ウインドに氷雪が付着すると、従来では、エンジンヒーターからの温風をウインドに送り、ワイパーの作動によって氷雪を除去することが行われているが、この場合には、ワイパーの作動範囲のみ視界を確保することができるが、寒冷地に於ける吹雪或いは大雪等の時に、氷や雪などがワイパー自体に付着し、ワイパーが団子状になって本来の作用を発揮し得なく、ウインドの氷雪を完全に除去できず、視界を明確に確保出来ないのが現状である。
亦、例えば、実用新案出願公開(昭61−165254)に示されている、ワイパーのブレードにヒーターに拠り加温された湯水を噴出する管路を形成し、フロントガラス面に温水を吹き付けて氷雪を溶かす装置が提案されているが、この場合のヒーターはエンジン部の熱を利用しするものでは無く、圧送用ポンプから送られる水をヒーターで温めて温水を作り出すものであり、噴出口がブレード内部に設ける管路に設けられているために、前記従来の物と同様に、ワイパーの作動範囲に限られて融雪を可能にするものである。
亦、ブレードにバッテリーを電源とする電気ヒーターを装備するもの、実用新案出願公開(並−122357)も提案されているが、これも前記同様のワイパーの作動範囲に融雪が限られているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記現状に鑑み、本発明は、エンジン作動時の廃熱を利用して温水を作り、その温水を用いて、ワイパーの作動範囲に限らないウインド或いはワイパーに付着する氷雪を容易に除去し、自動車走行時の広い視界を確保する温水を用いるスノーワイパーを提供する事を課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
基本的には、本発明は、エンジンの廃熱を利用し或いはエンジンの冷却水を利用して、熱交換に拠り温水を作り、その温水を、ワイパー内に設ける噴湯管にポンプで圧送し、噴湯管、ワイパーを通じて噴出させてウインドに付着する氷雪を溶かすことで課題を解決するものである。
【0005】
具体的には、エンジン室内に水タンクと湯沸タンクを、自然落下で水タンクから湯沸タンクに水が供給されるように前記水タンクを上位に連結して配置し、前記湯沸タンク内に、エンジンの冷却用循環水を通して、或いは廃熱を利用して熱を取り出すし、熱交換を行うパイプを導入し、前記湯沸タンク近傍に設ける圧送用ポンプを介して、この湯沸タンクから延長し、ボンネットの外側に設置されているワイパーアーム取り付け部から外部に突出させ、コの字状に形成されているワイパーの枠体に設ける噴湯管と、ワイパーアームに並設して接続し、前記噴湯管とワイパーの枠体とを、前記枠体の外側二つの側面から、ワイパーの長さに合わせた適当な間隔をもって、複数個の孔開ビスで固定し、必要時には、前記孔開ビスの孔から湯水が、ワイパーの側面全体から噴出して、ウインドに付着する氷雪を溶かして除去する温水式のスノーワイパーとするものである。
【0006】
また、上記ワイパーの枠体内に設ける噴湯管の上下に、電熱ヒーターを取り付けて、ワイパーに付着して団子状になる氷雪を溶かして除去し、課題を解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の実施の形態を詳述する。
図1は本発明の一実施例を示す構成図であり、自動車のエンジン室内に水タンク8と湯沸タンク9を、水タンク8が上位に位置するように接続し、湯沸タンク9内にエンジン部11から熱を取り出し、冷却用循環水が循環する熱交換部10を設け、そこで造られる温水を圧送用もポンプ12から、湯沸タンク9に接続し、延長して車外のワイパーアーム1の取り付け部に突出しワイパーアーム1に並設する、噴湯管5に接続する湯水パイプ3を通して圧送するように構成されている。
噴湯管5はワイパー2の、通常コの字状に形成されているワイパー枠体7内に配備され、ワイパー2の長さに合わせ適当な間隔で、複数の孔開ビス4に依り外側から固定されるものである。
【0008】
図2は、本実施例に於けるワイパー部の外観斜視図であり、ワイパー2の略中央に位置する、ワイパーアーム1の支点部近傍に噴湯管5の接続口を設け、ワイパーアーム1に並設する湯水パイプ3が接続しており、孔開ビス4で噴湯管5が外側から固定されている状態を示すものである。
図3は、図2に示したワイパー部の内部構成図である。ワイパー2内には、ワイパー枠体7(図省略)に孔開ビス4により固定される噴湯管5が設けられ、噴霧管5の上下に電熱ヒーター6が設けられている。
【0009】
図4は、図3に於けるXX断面を示す断面図であり、ワイパー2を構成する通常はコの字状のワイパー枠体7内に噴湯管5が収容され、外側から孔開ビス4により固定されている状態を示すものである。噴湯管5の上下には電熱ヒーター6が設けられている。
【0010】
以上に、本発明の構成について、図の実施例に従って説明したが、エンジン部11で発生する熱を利用して得る湯水を、湯水パイプ3を通してワーパー2に設けられている噴湯管5に導入し、ワイパー2の両側面から噴湯管5を固定している複数の孔開ビス4の孔から、必要時に、湯水をウインドに吹き付けて、ワイパー2の作動範囲外の着氷雪をも溶かして視界を確保することができることとなる。
図示の実施例にあっては、噴湯管5を円筒状パイプの使用例を示したが、角パイプ、その他、断面形状の異なるパイプの使用も勿論可能であり、固定或いは湯水の漏洩上の点からは、角パイプの使用が望ましい。
ワイパー2自体に固着する氷雪の融解には、電熱ヒーター6で対処するものである。
【0011】
【発明の効果】
寒冷地の冬期間における自動車走行時の、ウインドに着氷、着雪する氷雪を、以来には無いワイパーの作動範囲外にも拡張して除去し、広い視界を確保出来るとともに、多種ある車両にも適用が可能となり、エンジンの廃熱を利用することによる別途の熱源を必要としないで湯水を得ることでの経済性等、特有の効果を有し、課題を十分に解決するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】ワイパー部を示す外観斜視図である。
【図3】ワイパー部の内部構成図である。
【図4】図3におけるXX断面図である。
【符号の説明】
1 ワイパーアーム
2 ワイパー
3 湯水パイプ
4 孔開ビス
5 噴湯管
6 電熱ヒーター
7 ワイパー枠体
8 水タンク
9 湯沸タンク
10 熱交換部
11 エンジン部
12 ポンプ
Claims (2)
- 自動車のエンジン室内に水タンク及び湯沸タンクを、前記水タンクを上方に位置するように連結して設け、前記湯沸タンク内にエンジン部の冷却用循環水或いを通すパイプ或いは排気熱を取り出すパイプを導入した熱交換部を備え、前記湯沸タンクの近傍に設けるポンプを介して、前記湯沸タンクから延長する湯水パイプを、車外のワイパーアーム取り付け部から車外に突出させると共に、通常はコの字状に形成されているワイパー枠体内に設ける噴湯管と、ワイパーアームに並設して接続し、前記噴湯管をワイパー枠体の両側面外方から適当な間隔で複数個の孔開ビスで固定し、ワイパーの側面全体から前記孔開ビスの孔を通して湯水が噴出して成る温水式スノーワイパー。
- 前記噴湯管の上下に電熱ヒーターを取り付けて成る請求項1記載の温水式スノーワイパー。
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