JP3749926B2 - 中空アクリレートポリマー微小球を製造する方法 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、中空アクリレートポリマー微小球を製造する方法に関する。より詳細に述べると、本発明は、中空アクリレートポリマー微小球の水性懸濁液を製造するための一段階乳化法に関する。一段階乳化法は、ラジカル重合されない少なくとも一種の酸の存在下で実施される。驚くべきことに、斯かる酸を使用すると、一段階乳化法において、以前は使用していた極性の共重合性モノマーを使用する必要がなくなる。本発明の方法によって製造される微小球は、粘着性か、若しくは不粘着性である。粘着性の微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに特に有用であり、一方、不粘着性の微小球は、シーラー、塗料、接着剤等の製品の充填剤として特に有用である。
発明の背景
中空アクリレートポリマー微小球は、当業界において多くの用途が知られている。これらは、粘着性或いは不粘着性である。粘着性の中空アクリレートポリマー微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに特に有用である。用語「再位置決め可能」とは、実質的に接着力を損なうことなく、反復して基材に接着し且つ基材から剥離することができる能力のことである。一方、不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球は、シーラー、塗料及び接着剤等の製品の充填剤として特に有用である。また、これらは、乾燥滑剤、制振材料、及びレオロジー調整剤としても使用できる。
本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,053,436号(Delgado)は、再位置決め可能な感圧接着剤として有用な粘着性中空微小球を記載している。該微小球は、少なくとも一つのアルキルアクリレート或いはメタクリレートエステルを少なくとも約85重量部及び少なくとも一つの極性モノマーを15重量部まで含んでいる。粘着性の中空微小球の水性懸濁液を製造する二つの方法が記載されている。第1の方法は、(1)乳化剤を使用して、油相モノマー中に、(水と少なくとも一つの極性モノマーを含む)水相の油中水型エマルションを製造する工程;及び(2)その油中水型エマルションを乳化剤を含む水性相に分散させて水中油中水型エマルションを製造する工程を含む「二段階」乳化法を採用している。モノマー液滴の水性懸濁液が形成され、重合すると直ぐに微小球になる。大多数の微小球は、少なくとも一つの内部空洞を有していて、乾燥すると内部気孔になる。
中空の粘着性微小球を製造するための記載の第2の方法は、油相モノマーと、中程度にイオン化された極性の共重合性モノマーと、乳化剤とを混合し液滴を製造する工程を含む「一段階」乳化法を採用している。この第2の方法でも、モノマー液滴の水性懸濁液が形成され、重合すると直ぐに微小球になる。
同じく、本発明の譲受人に譲渡されたWO93/12147(Delgado)は、充填剤として有用な不粘着性の中空アクリレート微小球を記載している。この参考文献も、微小球の水性懸濁液を製造する「二段階」及び「一段階」乳化法を記載している。この参考文献の「二段階」乳化法は、(1)乳化剤を使用して、(油相モノマーと、少なくとも一つの多官能性架橋剤と、少なくとも一つの油溶性の遊離基開始剤とを含む)油相中に、(水、と任意成分として少なくとも一つの極性モノマーとを含む)水相の油中水型エマルションを製造する工程;及び(2)その油中水型エマルションを乳化剤を含む水性相に分散させて水中油中水型エマルションを製造する工程を含んでいる。
WO93/12147の「一段階」乳化法は、油相モノマーと、少なくとも一つの極性の共重合性モノマーと、少なくとも一つの多官能性架橋剤と、少なくとも一つの乳化剤と、少なくとも一つの油溶性の遊離基開始剤と、水性相とを混合して液滴を製造する工程を含んでいる。
粘着性及び不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球を製造する上記二つの記載された方法の内、「一段階」乳化法が好ましい。その理由は、エマルションを製造する工程が少ない一段階の方が、二段階に比べて、効率が良く且つ原価効率が良いからである。然しながら、「一段階」乳化法は、極性の共重合性モノマーを使用しなければならない。従って、極性の共重合性モノマーを用いなくても粘着性或いは不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球を供給するのに使用することができる「一段階」乳化法を提供することが望まれている。
発明の概要
本発明は、中空のアクリレートポリマー微小球を製造する方法を提供する。本発明の方法は、極性の共重合性モノマーを必要としない一段階乳化法を採用する。驚くべきことに、本発明は、少なくとも一つのラジカル重合されない酸を使用することによって達成される。
好ましくは、本発明の方法は、一段階乳化法を使用してエマルションを製造し、次いで重合する工程を含んでいる。より詳細に述べると、本発明の方法は、
(1)(i)非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマーと、
(ii)ラジカル重合しない少なくとも一つの酸と、
(iii)少なくとも一つの乳化剤と、
(iv)水と、
を含む混合物を混合して水性相中にモノマー液滴のエマルションを製造する工程、及び
(2)該モノマー液滴の重合を開始する工程、を含んでいる。
更に、前記混合物は、少なくとも一つの開始剤及び少なくとも一つの多官能性架橋剤を含んでいても構わない。好ましくは、前記エマルションは、例えば、機械的手段或いは超音波手段を使用して前記混合物を攪拌することによって製造される。この方法によって、モノマー液滴の水性エマルションが製造され、このモノマー液滴の水性エマルションは重合すると直ぐに微小球になり、その微小球の大多数は少なくとも一つの内部空洞を有しており、この内部空洞は乾燥すると直ぐに気孔になる。
粘着性の微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに使用することができ、一方、不粘着性の微小球は、シーラー、塗料、及び接着剤等の製品用の充填剤として使用することができる。また、それらは、乾燥滑剤、制振材料、及びレオロジー調整剤としても使用することができる。
下記の用語の本明細書における意味は以下のとおりである。
1.用語「液滴」は、重合が完了するまでの微小球の液体段階を意味する。
2.用語「空洞」は、乾燥する前に懸濁用媒質或いは分散用媒質の中にまだ存在している時の、従って、使用した媒質を含んでいる液滴或いは微小球の壁の完全に内部にある空隙を意味する。
3.用語「気孔」は、重合された微小球の壁の完全に内部にある空間を意味する。
4.用語「中空」は、少なくと一つの気孔或いは空洞を含んでいることを意味する。
5.用語「不粘着性」は、材料を、D.Satas著、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,2nd ed.,Von Nostrand Reinhold(New York,1989),39頁に記載されている「親指テスト(thumb test)」に委ねた時に、知覚できる粘着性を示さないということを意味する。
6.所定の化合物に関する用語「当量パーセント」は、組成物中の全重合価数で割った当該化合物の重合価数を意味しており、但し、重合価数は、当量で割った全グラム数である。当量は、化合物の中の重合性基の数で割った分子量を意味しており、従って、重合性基が一つだけの化合物の場合は、当量は分子量に等しい。
発明の詳細な説明
好ましくは、本発明の方法は、一段階乳化法を使用してエマルションを製造し、次いで重合する工程を含んでいる。より詳細に述べると、本発明の方法は、
(1)(i)非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマーと、
(ii)ラジカル重合しない少なくとも一つの酸と、
(iii)少なくとも一つの乳化剤と、
(iv)水と、
を含む混合物を混合して水性相中にモノマー液滴のエマルションを製造する工程、及び
(2)該モノマー液滴の重合を開始する工程、を含んでいる。
更に、工程(1)の混合物は、少なくとも一つの開始剤及び少なくとも一つの多官能性架橋剤を含んでいても構わない。他の添加剤、例えば、顔料、充填剤、安定剤、粘着付与剤、可塑剤等を含有させてもよい。エマルションは、好ましくは、混合物を、例えば、機械的手段或いは超音波手段を使用して攪拌することによって製造される。この方法によって、水性相で、モノマー液滴のエマルションが製造される。モノマー液滴自体は、油中水型エマルション(即ち、水性相中の油相モノマーのエマルション)を含んでいる。従って、本発明の一段階乳化法から製造されるエマルションは、「水中油中水型」エマルションと記載することもできる。
モノマー液滴の重合法は、水性懸濁重合として当業界に知られている。この工程の間で、液滴は微小球になり、その大多数は、乾燥すると直ぐに気孔になる内部空洞を少なくとも一つ有している。モノマーの重合を開始するために熱或いは放射線を使用することができる。エマルションには、任意に、開始剤を添加してもよく、開始剤の例としては、アクリレートモノマーのラジカル重合に通常適しているものが包含される。好適な開始剤には、油溶性のものがある。斯かる開始剤としては、アゾ化合物、ヒドロペルオキシド、過酸化物等の熱活性開始剤、及びベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのような光開始剤が例示される。一般に、開始剤は、重合成組成物の全重量の約0.01乃至約10重量%の範囲の量で存在する。
水性懸濁重合中に製造される微小球の大部分は、エマルション媒質を含む内部空洞を少なくとも一個有している。乾燥すると直ぐに、この内部空洞が気孔になる。乾燥は、主として、エマルション媒質を追い出すのに十分な温度で、且つ微小球の分解温度より低い温度に微小球を曝すことによって達成される。代表的な乾燥温度は約60℃乃至約100℃の範囲で、曝露時間は約1乃至10分間である。
前述した通り、エマルションは、非第三級アルコールのアルキルアクリレート或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマー、ラジカル重合しない少なくとも一つの酸、少なくとも一つの乳化剤、及び水を含んでいる。好ましくは、酸は、生成されるエマルションをpHメータで測定してpH6未満にするのに十分な量で供給される。ラジカル重合しない多数の酸が当業界で知られている。代表的なラジカル重合しない酸は炭素間二重結合を含んでいない。それらは、有機酸でも無機酸でもよく、例示すると、酢酸、ヘキサン酸、フェニルウンデカン酸、ステアリン酸、塩酸等がある。
乳化剤は、好ましくは、その臨界ミセル濃度を超える濃度で使用される。臨界ミセル濃度は、ミセルを形成するのに必要な乳化剤の最低濃度、即ち、乳化剤分子の超顕微鏡的集合体として規定される。臨界ミセル濃度は、乳化剤によって僅かに異なっているが、概ね約1.0×10-4乃至3モル/リットルの範囲である。本発明の方法にとって好適な乳化剤は、約15以上の親水性疎水性バランス(HLB)値を有している。この値のHLBを有する乳化剤は、pHを6未満にする酸素の存在下で重合させる間、安定な空洞含有液滴を形成する。このような乳化剤としては、ナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェート、例えば、ロームアンドハース(Rohm and Haas)から入手できるTritonTMW/30のようなアルキルアリールエーテルスルフェート類;アルキルアリールポリ(エチレンオキシド)スルフェートのようなアルキルアリールポリエーテルスルフェート類;ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、及びナトリウムヘキサデシルスルフェートのようなアルキルスルフェート類;アンモニウムラウリルエーテルスルフェートのようなアルキルエーテルスルフェート類;並びにアルキルポリ(エチレンオキシド)スルフェート類のようなアルキルポリエーテルスルフェート類が例示される。アルキルスルフェート類、アルキルエーテルスルフェート類、アルキルアリールエーテルスルフェート類は、最低量の界面活性剤で、微小球に対し最大の気孔体積を付与するので、好ましい。
本発明の中空微小球を製造するのに有用なアルキルアクリレート或いはメタクリレートモノマー類は、アルキル基が、好ましくは、約4乃至約14個の炭素原子を有している非第三級級アルキルアルコール類の一官能性不飽和アクリレート或いはメタクリレートエステル類である。斯かるアクリレート類は、主として、親油性、水乳化性で、限られた水溶解度を有していて、ホモポリマーとして、通常、約−20℃未満のガラス転移温度を有している。この種のモノマー類に包含されるものとしては、例えば、イソオクチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、インデシルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート等の単独或いは混合物がある。
好適なアクリレート類は、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソデシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、及びこれらの混合物である。生成されるポリマーのガラス転移温度が約−20℃未満になる限りにおいて、ホモポリマーとして、約−20℃を超えるガラス転移温度を有しているアクリレート若しくはメタクリレート又は他のビニルモノマー、例えば、tert-ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ブチルメタクリレート、ビニルアセテート等を、一種以上のアクリレート或いはメタクリレートモノマー類と一緒に使用することができる。
アクリレートは、モノマー対水の重量比が、約1:9乃至1.5:1.0、より好ましくは、1.0:3.0乃至1.0:1.0になるのに十分な量で供給される。
エマルションはまた、多官能性架橋剤を含んでいてもよい。本明細書で使用する用語「多官能性」とは、ラジカル重合性エチレン系不飽和基を2個以上有している架橋剤を意味する。有用な多官能性架橋剤としては、ジオール類(ブタンジオール等)、トリオール類(グリセロール等)、及びテトラオール類(ペンタエリトリトール等)のアクリル酸或いはメタクリル酸エステル類が包含される。他の架橋剤としては、(置換及び非置換ジビニルベンゼンのような)ポリビニル系架橋剤;及び二官能性のウレタンアクリレートがある。
多官能性架橋剤は、通常、不粘着性微小球を製造するのに必要である。不粘着性微小球を希望する場合は、多官能性架橋剤は、架橋剤の約0.3乃至10当量%を付与するのに十分な量で存在することが好ましい。粘着性微小球を希望する場合は、多官能性架橋剤の使用は任意である。然しながら、使用する場合は、多官能性架橋剤は、架橋剤の0.3当量%未満を付与する量で存在することが好ましい。
中小微小球の性質は、粘着付与性樹脂及び/又は可塑剤をエマルションに添加することによって変えられる。好適な粘着付与剤としては、ハーキュレス社(Hercules Inc.)からForalTM及びPentalynTMなる商標名で市販されている水素化ロジンエステルがある。個別の粘着付与剤は、ForalTM65、ForalTM85,ForalTM105である。他の有用な粘着付与剤には、t−ブチルスチレンをベースにしたものがある。有用な可塑剤には、ジオクチルフタレート、2−エチルヘキシルホスフェート、トリクレジルホスフェート等がある。
重合に引き続いて、室温条件下で安定で凝集或いは凝固しない中空微小球の水性懸濁液が得られる。本発明の中空微小球は、概ねゴム弾性がある。用語「ゴム弾性」とは、例えば、「元の長さの少なくとも2倍に伸ばすことができ、そして力を開放したら直ちに、迅速且つ強力に実質的に元の寸法に収縮する非晶質或いは非結晶質物質に適用する云々」と既に文献記載されている[S.L.Rosen,Fundamental Principles of Polymeric Materials,Wiley(New York,1982)第314頁]。また、本発明の中空微小球は、概ね、溶剤膨潤性である。即ち、本発明の中空微小球は、溶剤中で膨潤して微小球の寸法が大きくなる。また、当該微小球は溶剤分散性でもある、即ち、溶剤中に実質的に個々の粒子から成る分散液を形成することができる。当該微小球は小さく、概ね、直径が、少なく1マイクロメートル、好ましくは、約1乃至約250マイクロメートルの範囲にある。空洞のサイズは、概ね、約100マイクロメートルまで、或いはそれ以上の範囲にある。本発明の方法によって製造される中空微小球の大多数は、少なくとも一個の空洞を有しており、その空洞直径は、微小球の少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約20%、一層好ましくは約30%である。当該微小球懸濁液は、非揮発性の固形分を約10乃至約50重量%含んでいてよい。長期間放置すると、当該懸濁液は、二相に分離する。一方の相は、水性で且つ実質的にポリマーを含まない相で、他方の相は、乾燥すると直ちに気孔になる空洞を少なくとも一個有している微小球の水性懸濁液である。いずれの相にも、少量の小さいラテックス粒子が含まれていてもよい。微小球に富んだ相をデカンテーションすると、濃厚な水性懸濁液が得られ、この濃厚な水性懸濁液は、水と一緒に振ると容易に再分散する。希望するならば、この中空微小球の水性懸濁液は、重合後直ちに利用することができる。また、この懸濁液は、ナイフ塗布若しくはマイヤー(Meyer)バー塗布又は押出ダイを使用する等従来の塗布法で、適当な可撓性或いは非可撓性のバッキング材に塗布することができる。
別法として、この水性懸濁液を、メタノール等極性有機溶剤で、重合工程で使用した乳化剤とは反対の電荷を持つイオン乳化剤で、或いは飽和塩溶液等で凝固させ、次いで水洗、乾燥させることができる。乾燥中空微小球は、十分攪拌すれば、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、ヘプタン、2−ブタノン、ベンゼン、シクロヘキサン、及びエステル等普通の有機液体中に容易に分散する。中空微小球の溶剤分散液も、水性懸濁液に関して上述した従来の塗付法で、適当なバッキング材に塗布することができる。
水系塗布或いは溶剤系塗布に適したバッキング材には、紙、プラスチックフィルム、酢酸セルロース、エチルセルロース、合成或いは天然素材で製造した織布或いは不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、セラミックシート材等がある。プライマー或いはバインダーを使用してもよいが、必ずしも必要ではない。
液体媒質、例えば、水或いは上述したような有機液体中の中空微小球の懸濁液又は分散液は、通常の方法でコブウエビングを起こさずに散布することができ、或いはアルカン類、アルケン類、又はクロロフルオロカーボン類、例えば、FreonsTMのような適当な噴射剤と一緒にエアーゾル容器の中で緩和させることができる。有用なエアーゾル配合物は、概ね、約5%乃至約20%、好ましくは、約10%乃至約16%の固形分を含有している。
本発明の粘着性中空微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤、即ち、剥離、再位置決め、再結合を可能にする接着度を有している感圧接着剤を供給するのに特に有用である。不粘着性の中空微小球は、シーラー、塗料、および接着剤の充填剤として特に有用である。また、それらは乾燥滑剤、制振材、及びレオロジー調整剤としても使用することができる。
以下の実施例により本発明のこれらの及びその他の態様について説明するが、これにより範囲が限定されるものとみなすべきではない。
実施例
略号及び商標名
StandapolTMA HenKel,GA.から入手できるアンモニウムラウリルスルフェート
LucidolTM70 Atochem North America Inc.から入手できる過酸化ベンゾイル
IOA イソオクチルアクリレート
HCl 塩酸
SiponateTMDS-10 Rhone-Poulenec S.A.から市販されているナトリウムドデシルベンゼンスルホネート
IgepalTMCO-970 Rhone-Poulenec S.A.から市販されているノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール
TweenTM80 Specialty Chemicalsから市販されているソルビタンモノオレエート
実施例1
機械攪拌機を取付けてある1リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水を450グラ及びStandapolTMAを6グラム装入した。水溶液を350rpmで攪拌し、70℃に加熱した。別の容器内で、IOA141グラム、酢酸9グラム、及びLucidolTM700.71グラムを混合した。混合物を、350rpmで攪拌しながら界面活性剤の熱水溶液に添加した。測定したところpHは2.6であった。反応器の温度を、重合温度65℃に降下させ、次いで反応器を窒素で脱ガスした。65℃で10時間経過後、反応器を25℃にまで冷却した。反応器の内容物を空け、微小球の懸濁液を濾過した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と、微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)は0.46であった。微小球を室温で風乾させて、触れると粘着性であることが分かった。
実施例2〜5
水とStandapolTMAの水溶液を65℃に加熱したこと、重合温度を65℃にしたこと、及び酢酸の量を、表1に示したpHにする量に変えたことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。pH値をpHプローブで測定するか、或いは使用した酸の濃度に基づいて算出した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表1に示した。実施例1のように乾燥した直後に触れると粘着性を示した。
実施例6〜10
重合温度60℃を実施例8及び9で使用したこと、表2に示したように、酢酸に代えて種々の酸を使用したことを除いて、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表2に示した。実施例1のように乾燥した直後に触れると粘着性を示した。
これらの実施例は、中空微小球を提供する本発明のエマルション工程において、ラジカル重合されない種々の酸を使用することができることを示している。これらの実施例は、エマルションのpH値が0.43乃至5.7の範囲にある時に、中空微小球が製造されるということも示している。
実施例11〜12並びに比較例C−1及びC−2
表3に示したように、StandapolAの代わりに種々の界面活性剤を使用したことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。各界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)値も表3に示した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した。実施例11及び12の微小球は中空であることが分かった、一方、比較例C−1及びC−2の微小球は中実であることが分かった。中空微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表3に示した。
これらの実施例は、I0A、酢酸、及びLucidolTM70を含む中空微小球を製造するのに好適な界面活性剤が、15を超えるHLBを与える界面活性剤を含んでいることを示している。値が15以下で、中実の微小球を得ることができる。
実施例13
実施例13は、粘着性で中空の微小球を製造するのに、別のアルキルアクリレートエステル(2−エチルヘキシルアクリレート)と共重合性の酸(アクリル酸)とを非共重合性の酸(酢酸)と一緒に使用することを説明している。
水とStandapolTMAの水溶液を68℃に加熱し、450rpmで攪拌したこと、モノマー混合物が、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)を141グラム、酢酸を6グラム、及びアクリル酸を3グラム含んでいるいること、及び450rpmで混合しながら反応を22時間行ったことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造し、分析した。pHを測定したところ2.6であった。生成された中空微小球のDc/Dmは0.73であった。そして、生成された微小球を乾燥し、触れると粘着性を示した。
実施例14
実施例14は、本発明の方法を使用した不粘着性で中空の微小球の製造を説明する。下記の手順に従って微小球を製造した。マグネチックスターラーを取付けてある1リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水を450グラム及びStandapolTMAを6グラム装入した。水溶液を375rpmで攪拌し、68℃に加熱した。別の容器内で、2−エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)144グラム、酢酸6グラム、1,4−ブタンジオールジアクリレート(BDDA)1.5グラム、及びLucidolTM700.74グラムを混合した。混合物を、350rpmで攪拌しながら界面活性剤の熱水溶液に添加した。測定したところpHは2.9であった。反応器の温度を、65℃の重合温度にまで降下させ、次いで反応器を窒素で脱ガスした。65℃で22時間経過後、反応器を25℃にまで冷却した。反応器の内容物を空け、微小球の懸濁液を濾過した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。微小球の直径に対する空洞の直径の平均(Dc/Dm)は0.66であった。微小球を風乾させた直後、触れると不粘着性であることが分かった。(平均直径=48μm)
本発明は、中空アクリレートポリマー微小球を製造する方法に関する。より詳細に述べると、本発明は、中空アクリレートポリマー微小球の水性懸濁液を製造するための一段階乳化法に関する。一段階乳化法は、ラジカル重合されない少なくとも一種の酸の存在下で実施される。驚くべきことに、斯かる酸を使用すると、一段階乳化法において、以前は使用していた極性の共重合性モノマーを使用する必要がなくなる。本発明の方法によって製造される微小球は、粘着性か、若しくは不粘着性である。粘着性の微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに特に有用であり、一方、不粘着性の微小球は、シーラー、塗料、接着剤等の製品の充填剤として特に有用である。
発明の背景
中空アクリレートポリマー微小球は、当業界において多くの用途が知られている。これらは、粘着性或いは不粘着性である。粘着性の中空アクリレートポリマー微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに特に有用である。用語「再位置決め可能」とは、実質的に接着力を損なうことなく、反復して基材に接着し且つ基材から剥離することができる能力のことである。一方、不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球は、シーラー、塗料及び接着剤等の製品の充填剤として特に有用である。また、これらは、乾燥滑剤、制振材料、及びレオロジー調整剤としても使用できる。
本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,053,436号(Delgado)は、再位置決め可能な感圧接着剤として有用な粘着性中空微小球を記載している。該微小球は、少なくとも一つのアルキルアクリレート或いはメタクリレートエステルを少なくとも約85重量部及び少なくとも一つの極性モノマーを15重量部まで含んでいる。粘着性の中空微小球の水性懸濁液を製造する二つの方法が記載されている。第1の方法は、(1)乳化剤を使用して、油相モノマー中に、(水と少なくとも一つの極性モノマーを含む)水相の油中水型エマルションを製造する工程;及び(2)その油中水型エマルションを乳化剤を含む水性相に分散させて水中油中水型エマルションを製造する工程を含む「二段階」乳化法を採用している。モノマー液滴の水性懸濁液が形成され、重合すると直ぐに微小球になる。大多数の微小球は、少なくとも一つの内部空洞を有していて、乾燥すると内部気孔になる。
中空の粘着性微小球を製造するための記載の第2の方法は、油相モノマーと、中程度にイオン化された極性の共重合性モノマーと、乳化剤とを混合し液滴を製造する工程を含む「一段階」乳化法を採用している。この第2の方法でも、モノマー液滴の水性懸濁液が形成され、重合すると直ぐに微小球になる。
同じく、本発明の譲受人に譲渡されたWO93/12147(Delgado)は、充填剤として有用な不粘着性の中空アクリレート微小球を記載している。この参考文献も、微小球の水性懸濁液を製造する「二段階」及び「一段階」乳化法を記載している。この参考文献の「二段階」乳化法は、(1)乳化剤を使用して、(油相モノマーと、少なくとも一つの多官能性架橋剤と、少なくとも一つの油溶性の遊離基開始剤とを含む)油相中に、(水、と任意成分として少なくとも一つの極性モノマーとを含む)水相の油中水型エマルションを製造する工程;及び(2)その油中水型エマルションを乳化剤を含む水性相に分散させて水中油中水型エマルションを製造する工程を含んでいる。
WO93/12147の「一段階」乳化法は、油相モノマーと、少なくとも一つの極性の共重合性モノマーと、少なくとも一つの多官能性架橋剤と、少なくとも一つの乳化剤と、少なくとも一つの油溶性の遊離基開始剤と、水性相とを混合して液滴を製造する工程を含んでいる。
粘着性及び不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球を製造する上記二つの記載された方法の内、「一段階」乳化法が好ましい。その理由は、エマルションを製造する工程が少ない一段階の方が、二段階に比べて、効率が良く且つ原価効率が良いからである。然しながら、「一段階」乳化法は、極性の共重合性モノマーを使用しなければならない。従って、極性の共重合性モノマーを用いなくても粘着性或いは不粘着性の中空アクリレートポリマー微小球を供給するのに使用することができる「一段階」乳化法を提供することが望まれている。
発明の概要
本発明は、中空のアクリレートポリマー微小球を製造する方法を提供する。本発明の方法は、極性の共重合性モノマーを必要としない一段階乳化法を採用する。驚くべきことに、本発明は、少なくとも一つのラジカル重合されない酸を使用することによって達成される。
好ましくは、本発明の方法は、一段階乳化法を使用してエマルションを製造し、次いで重合する工程を含んでいる。より詳細に述べると、本発明の方法は、
(1)(i)非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマーと、
(ii)ラジカル重合しない少なくとも一つの酸と、
(iii)少なくとも一つの乳化剤と、
(iv)水と、
を含む混合物を混合して水性相中にモノマー液滴のエマルションを製造する工程、及び
(2)該モノマー液滴の重合を開始する工程、を含んでいる。
更に、前記混合物は、少なくとも一つの開始剤及び少なくとも一つの多官能性架橋剤を含んでいても構わない。好ましくは、前記エマルションは、例えば、機械的手段或いは超音波手段を使用して前記混合物を攪拌することによって製造される。この方法によって、モノマー液滴の水性エマルションが製造され、このモノマー液滴の水性エマルションは重合すると直ぐに微小球になり、その微小球の大多数は少なくとも一つの内部空洞を有しており、この内部空洞は乾燥すると直ぐに気孔になる。
粘着性の微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤を供給するのに使用することができ、一方、不粘着性の微小球は、シーラー、塗料、及び接着剤等の製品用の充填剤として使用することができる。また、それらは、乾燥滑剤、制振材料、及びレオロジー調整剤としても使用することができる。
下記の用語の本明細書における意味は以下のとおりである。
1.用語「液滴」は、重合が完了するまでの微小球の液体段階を意味する。
2.用語「空洞」は、乾燥する前に懸濁用媒質或いは分散用媒質の中にまだ存在している時の、従って、使用した媒質を含んでいる液滴或いは微小球の壁の完全に内部にある空隙を意味する。
3.用語「気孔」は、重合された微小球の壁の完全に内部にある空間を意味する。
4.用語「中空」は、少なくと一つの気孔或いは空洞を含んでいることを意味する。
5.用語「不粘着性」は、材料を、D.Satas著、Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,2nd ed.,Von Nostrand Reinhold(New York,1989),39頁に記載されている「親指テスト(thumb test)」に委ねた時に、知覚できる粘着性を示さないということを意味する。
6.所定の化合物に関する用語「当量パーセント」は、組成物中の全重合価数で割った当該化合物の重合価数を意味しており、但し、重合価数は、当量で割った全グラム数である。当量は、化合物の中の重合性基の数で割った分子量を意味しており、従って、重合性基が一つだけの化合物の場合は、当量は分子量に等しい。
発明の詳細な説明
好ましくは、本発明の方法は、一段階乳化法を使用してエマルションを製造し、次いで重合する工程を含んでいる。より詳細に述べると、本発明の方法は、
(1)(i)非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマーと、
(ii)ラジカル重合しない少なくとも一つの酸と、
(iii)少なくとも一つの乳化剤と、
(iv)水と、
を含む混合物を混合して水性相中にモノマー液滴のエマルションを製造する工程、及び
(2)該モノマー液滴の重合を開始する工程、を含んでいる。
更に、工程(1)の混合物は、少なくとも一つの開始剤及び少なくとも一つの多官能性架橋剤を含んでいても構わない。他の添加剤、例えば、顔料、充填剤、安定剤、粘着付与剤、可塑剤等を含有させてもよい。エマルションは、好ましくは、混合物を、例えば、機械的手段或いは超音波手段を使用して攪拌することによって製造される。この方法によって、水性相で、モノマー液滴のエマルションが製造される。モノマー液滴自体は、油中水型エマルション(即ち、水性相中の油相モノマーのエマルション)を含んでいる。従って、本発明の一段階乳化法から製造されるエマルションは、「水中油中水型」エマルションと記載することもできる。
モノマー液滴の重合法は、水性懸濁重合として当業界に知られている。この工程の間で、液滴は微小球になり、その大多数は、乾燥すると直ぐに気孔になる内部空洞を少なくとも一つ有している。モノマーの重合を開始するために熱或いは放射線を使用することができる。エマルションには、任意に、開始剤を添加してもよく、開始剤の例としては、アクリレートモノマーのラジカル重合に通常適しているものが包含される。好適な開始剤には、油溶性のものがある。斯かる開始剤としては、アゾ化合物、ヒドロペルオキシド、過酸化物等の熱活性開始剤、及びベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのような光開始剤が例示される。一般に、開始剤は、重合成組成物の全重量の約0.01乃至約10重量%の範囲の量で存在する。
水性懸濁重合中に製造される微小球の大部分は、エマルション媒質を含む内部空洞を少なくとも一個有している。乾燥すると直ぐに、この内部空洞が気孔になる。乾燥は、主として、エマルション媒質を追い出すのに十分な温度で、且つ微小球の分解温度より低い温度に微小球を曝すことによって達成される。代表的な乾燥温度は約60℃乃至約100℃の範囲で、曝露時間は約1乃至10分間である。
前述した通り、エマルションは、非第三級アルコールのアルキルアクリレート或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマー、ラジカル重合しない少なくとも一つの酸、少なくとも一つの乳化剤、及び水を含んでいる。好ましくは、酸は、生成されるエマルションをpHメータで測定してpH6未満にするのに十分な量で供給される。ラジカル重合しない多数の酸が当業界で知られている。代表的なラジカル重合しない酸は炭素間二重結合を含んでいない。それらは、有機酸でも無機酸でもよく、例示すると、酢酸、ヘキサン酸、フェニルウンデカン酸、ステアリン酸、塩酸等がある。
乳化剤は、好ましくは、その臨界ミセル濃度を超える濃度で使用される。臨界ミセル濃度は、ミセルを形成するのに必要な乳化剤の最低濃度、即ち、乳化剤分子の超顕微鏡的集合体として規定される。臨界ミセル濃度は、乳化剤によって僅かに異なっているが、概ね約1.0×10-4乃至3モル/リットルの範囲である。本発明の方法にとって好適な乳化剤は、約15以上の親水性疎水性バランス(HLB)値を有している。この値のHLBを有する乳化剤は、pHを6未満にする酸素の存在下で重合させる間、安定な空洞含有液滴を形成する。このような乳化剤としては、ナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェート、例えば、ロームアンドハース(Rohm and Haas)から入手できるTritonTMW/30のようなアルキルアリールエーテルスルフェート類;アルキルアリールポリ(エチレンオキシド)スルフェートのようなアルキルアリールポリエーテルスルフェート類;ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、及びナトリウムヘキサデシルスルフェートのようなアルキルスルフェート類;アンモニウムラウリルエーテルスルフェートのようなアルキルエーテルスルフェート類;並びにアルキルポリ(エチレンオキシド)スルフェート類のようなアルキルポリエーテルスルフェート類が例示される。アルキルスルフェート類、アルキルエーテルスルフェート類、アルキルアリールエーテルスルフェート類は、最低量の界面活性剤で、微小球に対し最大の気孔体積を付与するので、好ましい。
本発明の中空微小球を製造するのに有用なアルキルアクリレート或いはメタクリレートモノマー類は、アルキル基が、好ましくは、約4乃至約14個の炭素原子を有している非第三級級アルキルアルコール類の一官能性不飽和アクリレート或いはメタクリレートエステル類である。斯かるアクリレート類は、主として、親油性、水乳化性で、限られた水溶解度を有していて、ホモポリマーとして、通常、約−20℃未満のガラス転移温度を有している。この種のモノマー類に包含されるものとしては、例えば、イソオクチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、インデシルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート等の単独或いは混合物がある。
好適なアクリレート類は、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソデシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、及びこれらの混合物である。生成されるポリマーのガラス転移温度が約−20℃未満になる限りにおいて、ホモポリマーとして、約−20℃を超えるガラス転移温度を有しているアクリレート若しくはメタクリレート又は他のビニルモノマー、例えば、tert-ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ブチルメタクリレート、ビニルアセテート等を、一種以上のアクリレート或いはメタクリレートモノマー類と一緒に使用することができる。
アクリレートは、モノマー対水の重量比が、約1:9乃至1.5:1.0、より好ましくは、1.0:3.0乃至1.0:1.0になるのに十分な量で供給される。
エマルションはまた、多官能性架橋剤を含んでいてもよい。本明細書で使用する用語「多官能性」とは、ラジカル重合性エチレン系不飽和基を2個以上有している架橋剤を意味する。有用な多官能性架橋剤としては、ジオール類(ブタンジオール等)、トリオール類(グリセロール等)、及びテトラオール類(ペンタエリトリトール等)のアクリル酸或いはメタクリル酸エステル類が包含される。他の架橋剤としては、(置換及び非置換ジビニルベンゼンのような)ポリビニル系架橋剤;及び二官能性のウレタンアクリレートがある。
多官能性架橋剤は、通常、不粘着性微小球を製造するのに必要である。不粘着性微小球を希望する場合は、多官能性架橋剤は、架橋剤の約0.3乃至10当量%を付与するのに十分な量で存在することが好ましい。粘着性微小球を希望する場合は、多官能性架橋剤の使用は任意である。然しながら、使用する場合は、多官能性架橋剤は、架橋剤の0.3当量%未満を付与する量で存在することが好ましい。
中小微小球の性質は、粘着付与性樹脂及び/又は可塑剤をエマルションに添加することによって変えられる。好適な粘着付与剤としては、ハーキュレス社(Hercules Inc.)からForalTM及びPentalynTMなる商標名で市販されている水素化ロジンエステルがある。個別の粘着付与剤は、ForalTM65、ForalTM85,ForalTM105である。他の有用な粘着付与剤には、t−ブチルスチレンをベースにしたものがある。有用な可塑剤には、ジオクチルフタレート、2−エチルヘキシルホスフェート、トリクレジルホスフェート等がある。
重合に引き続いて、室温条件下で安定で凝集或いは凝固しない中空微小球の水性懸濁液が得られる。本発明の中空微小球は、概ねゴム弾性がある。用語「ゴム弾性」とは、例えば、「元の長さの少なくとも2倍に伸ばすことができ、そして力を開放したら直ちに、迅速且つ強力に実質的に元の寸法に収縮する非晶質或いは非結晶質物質に適用する云々」と既に文献記載されている[S.L.Rosen,Fundamental Principles of Polymeric Materials,Wiley(New York,1982)第314頁]。また、本発明の中空微小球は、概ね、溶剤膨潤性である。即ち、本発明の中空微小球は、溶剤中で膨潤して微小球の寸法が大きくなる。また、当該微小球は溶剤分散性でもある、即ち、溶剤中に実質的に個々の粒子から成る分散液を形成することができる。当該微小球は小さく、概ね、直径が、少なく1マイクロメートル、好ましくは、約1乃至約250マイクロメートルの範囲にある。空洞のサイズは、概ね、約100マイクロメートルまで、或いはそれ以上の範囲にある。本発明の方法によって製造される中空微小球の大多数は、少なくとも一個の空洞を有しており、その空洞直径は、微小球の少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約20%、一層好ましくは約30%である。当該微小球懸濁液は、非揮発性の固形分を約10乃至約50重量%含んでいてよい。長期間放置すると、当該懸濁液は、二相に分離する。一方の相は、水性で且つ実質的にポリマーを含まない相で、他方の相は、乾燥すると直ちに気孔になる空洞を少なくとも一個有している微小球の水性懸濁液である。いずれの相にも、少量の小さいラテックス粒子が含まれていてもよい。微小球に富んだ相をデカンテーションすると、濃厚な水性懸濁液が得られ、この濃厚な水性懸濁液は、水と一緒に振ると容易に再分散する。希望するならば、この中空微小球の水性懸濁液は、重合後直ちに利用することができる。また、この懸濁液は、ナイフ塗布若しくはマイヤー(Meyer)バー塗布又は押出ダイを使用する等従来の塗布法で、適当な可撓性或いは非可撓性のバッキング材に塗布することができる。
別法として、この水性懸濁液を、メタノール等極性有機溶剤で、重合工程で使用した乳化剤とは反対の電荷を持つイオン乳化剤で、或いは飽和塩溶液等で凝固させ、次いで水洗、乾燥させることができる。乾燥中空微小球は、十分攪拌すれば、エチルアセテート、テトラヒドロフラン、ヘプタン、2−ブタノン、ベンゼン、シクロヘキサン、及びエステル等普通の有機液体中に容易に分散する。中空微小球の溶剤分散液も、水性懸濁液に関して上述した従来の塗付法で、適当なバッキング材に塗布することができる。
水系塗布或いは溶剤系塗布に適したバッキング材には、紙、プラスチックフィルム、酢酸セルロース、エチルセルロース、合成或いは天然素材で製造した織布或いは不織布、金属、金属化ポリマーフィルム、セラミックシート材等がある。プライマー或いはバインダーを使用してもよいが、必ずしも必要ではない。
液体媒質、例えば、水或いは上述したような有機液体中の中空微小球の懸濁液又は分散液は、通常の方法でコブウエビングを起こさずに散布することができ、或いはアルカン類、アルケン類、又はクロロフルオロカーボン類、例えば、FreonsTMのような適当な噴射剤と一緒にエアーゾル容器の中で緩和させることができる。有用なエアーゾル配合物は、概ね、約5%乃至約20%、好ましくは、約10%乃至約16%の固形分を含有している。
本発明の粘着性中空微小球は、再位置決め可能な感圧接着剤、即ち、剥離、再位置決め、再結合を可能にする接着度を有している感圧接着剤を供給するのに特に有用である。不粘着性の中空微小球は、シーラー、塗料、および接着剤の充填剤として特に有用である。また、それらは乾燥滑剤、制振材、及びレオロジー調整剤としても使用することができる。
以下の実施例により本発明のこれらの及びその他の態様について説明するが、これにより範囲が限定されるものとみなすべきではない。
実施例
略号及び商標名
StandapolTMA HenKel,GA.から入手できるアンモニウムラウリルスルフェート
LucidolTM70 Atochem North America Inc.から入手できる過酸化ベンゾイル
IOA イソオクチルアクリレート
HCl 塩酸
SiponateTMDS-10 Rhone-Poulenec S.A.から市販されているナトリウムドデシルベンゼンスルホネート
IgepalTMCO-970 Rhone-Poulenec S.A.から市販されているノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール
TweenTM80 Specialty Chemicalsから市販されているソルビタンモノオレエート
実施例1
機械攪拌機を取付けてある1リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水を450グラ及びStandapolTMAを6グラム装入した。水溶液を350rpmで攪拌し、70℃に加熱した。別の容器内で、IOA141グラム、酢酸9グラム、及びLucidolTM700.71グラムを混合した。混合物を、350rpmで攪拌しながら界面活性剤の熱水溶液に添加した。測定したところpHは2.6であった。反応器の温度を、重合温度65℃に降下させ、次いで反応器を窒素で脱ガスした。65℃で10時間経過後、反応器を25℃にまで冷却した。反応器の内容物を空け、微小球の懸濁液を濾過した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と、微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)は0.46であった。微小球を室温で風乾させて、触れると粘着性であることが分かった。
実施例2〜5
水とStandapolTMAの水溶液を65℃に加熱したこと、重合温度を65℃にしたこと、及び酢酸の量を、表1に示したpHにする量に変えたことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。pH値をpHプローブで測定するか、或いは使用した酸の濃度に基づいて算出した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表1に示した。実施例1のように乾燥した直後に触れると粘着性を示した。
実施例6〜10
重合温度60℃を実施例8及び9で使用したこと、表2に示したように、酢酸に代えて種々の酸を使用したことを除いて、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。この微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表2に示した。実施例1のように乾燥した直後に触れると粘着性を示した。
これらの実施例は、中空微小球を提供する本発明のエマルション工程において、ラジカル重合されない種々の酸を使用することができることを示している。これらの実施例は、エマルションのpH値が0.43乃至5.7の範囲にある時に、中空微小球が製造されるということも示している。
実施例11〜12並びに比較例C−1及びC−2
表3に示したように、StandapolAの代わりに種々の界面活性剤を使用したことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造した。各界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)値も表3に示した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した。実施例11及び12の微小球は中空であることが分かった、一方、比較例C−1及びC−2の微小球は中実であることが分かった。中空微小球の直径と微小球の中の空洞の直径を光学顕微鏡で測定した。微小球の直径に対する空洞の直径の平均比率(Dc/Dm)を決定し、表3に示した。
これらの実施例は、I0A、酢酸、及びLucidolTM70を含む中空微小球を製造するのに好適な界面活性剤が、15を超えるHLBを与える界面活性剤を含んでいることを示している。値が15以下で、中実の微小球を得ることができる。
実施例13
実施例13は、粘着性で中空の微小球を製造するのに、別のアルキルアクリレートエステル(2−エチルヘキシルアクリレート)と共重合性の酸(アクリル酸)とを非共重合性の酸(酢酸)と一緒に使用することを説明している。
水とStandapolTMAの水溶液を68℃に加熱し、450rpmで攪拌したこと、モノマー混合物が、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)を141グラム、酢酸を6グラム、及びアクリル酸を3グラム含んでいるいること、及び450rpmで混合しながら反応を22時間行ったことを除いては、実施例1に記載した手順に従って微小球を製造し、分析した。pHを測定したところ2.6であった。生成された中空微小球のDc/Dmは0.73であった。そして、生成された微小球を乾燥し、触れると粘着性を示した。
実施例14
実施例14は、本発明の方法を使用した不粘着性で中空の微小球の製造を説明する。下記の手順に従って微小球を製造した。マグネチックスターラーを取付けてある1リットルの樹脂製反応器に、脱イオン水を450グラム及びStandapolTMAを6グラム装入した。水溶液を375rpmで攪拌し、68℃に加熱した。別の容器内で、2−エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)144グラム、酢酸6グラム、1,4−ブタンジオールジアクリレート(BDDA)1.5グラム、及びLucidolTM700.74グラムを混合した。混合物を、350rpmで攪拌しながら界面活性剤の熱水溶液に添加した。測定したところpHは2.9であった。反応器の温度を、65℃の重合温度にまで降下させ、次いで反応器を窒素で脱ガスした。65℃で22時間経過後、反応器を25℃にまで冷却した。反応器の内容物を空け、微小球の懸濁液を濾過した。光学顕微鏡を用いて微小球を観察した結果、中空の微小球であることが分かった。微小球の直径に対する空洞の直径の平均(Dc/Dm)は0.66であった。微小球を風乾させた直後、触れると不粘着性であることが分かった。(平均直径=48μm)
Claims (8)
- 中空のアクリレートポリマー微小球の水性懸濁液を製造する方法であって、しかも、
(1)(i)非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステルの少なくとも一つのモノマーと、
(ii)ラジカル重合されない少なくとも一つの酸と、
(iii)少なくとも一つの乳化剤と、
(iv)水と、
を含む混合物を混合して水性相中にモノマーの液滴のエマルションを製造する工程、および
(2)該モノマー液滴の重合を開始する工程、
を含む前記方法。 - 前記重合工程後、前記微小球の直径の3パーセントの直径を有する少なくとも1個の気孔を有する微小球を製造する乾燥工程を更に含む請求項1記載の方法。
- 前記少なくとも一つの酸が、酢酸、ヘキサン酸、フェニルウンデカン酸、ステアリン酸、及び塩酸から成る群より選択される請求項1記載の方法。
- 前記乳化剤が、その臨界ミセル濃度を超える濃度で使用される請求項1記載の方法。
- 前記混合物が、更に、少なくとも一つの多官能性架橋剤を含む請求項1記載の方法。
- 前記少なくとも一つのモノマーが、非第三級アルコールのアルキルアクリレートエステル或いはアルキルメタクリレートエステル、ここにそのアルキル基は約4乃至約14個の炭酸原子を有している、から成る群より選択される請求項1記載の方法。
- 前記少なくとも一つのモノマー対前記水の重量比が、約1.0:9.0乃至約1.5:1.0の範囲にある請求項1記載の方法。
- 前記中空のアクリレートポリマー微小球が、約1乃至約250マイクロメートルの範囲の直径を有する請求項1記載の方法。
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