JP3749898B2 - 石積みの模擬構築物用プレキャスト部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境と融和する自然石による石垣を模擬した擁壁または石造橋を模擬したコンクリート橋または石張工を模擬した護岸などの構築物を構築するためのプレキャスト部材及び、その石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりプレキャストコンクリート製のブロックやパネルを積み重ねて擁壁や護岸を構築することやプレキャストコンクリート製のL型擁壁を設置して宅地造成盛土することが多く行われている。例えば、コンクリートブロック積み擁壁は、工場製品として製造された数種類の同一形状・同一模様のコンクリートブロックを現場に運搬して人力またはクレーン等の機械を用いて積み重ね、背面に胴込め・裏込めコンクリートおよび/または砕石などの裏込め材を充填して構築される。近年では、景観に配慮して、表面を粗面仕上げしたブロックや表面に石積み模様を模造したブロック、自然石を埋め込んだブロックなども用いられるようになってきた。また、より自然な景観となるようにブロックに設けた凹部を利用して芝草などの植生ができるように考えられたものもある(例えば、特許文献1、2参照)。補強土擁壁の表面パネルやL型擁壁などのにおいても同様に表面に表面を粗面仕上げしたブロックや表面に石積み模様を模造した製品も多数ある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−279693号公報
【特許文献2】
特開2002−332650号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような工場生産されたコンクリート製品を積み重ねるなどして構築した擁壁や護岸は、いずれも表面形状がワンパターンで、コンクリート構造物的景観の域を出ていない。都市の緑化整備や国会での「自然再生法」の審議の進行に伴い、自然環境をできるだけ保護することが重要視されるようになってきていることから、このようなプレキャストコンクリート製品により構築した擁壁や護岸はその景観が画一的で人工的になることが問題視されている。
【0005】
一方、例えば、古城や皇居などの古い建造物に見られる石垣は美しく、しかも、石垣の隙間から蔦などの植物が植生していることで、石垣の荘厳な美しさが一層浮き上がる。このような石垣を美しいと感じるのは石垣の石の大きさ、形状、配置形態などに一つとして同じものがなく、しかも全体としてはバランスが保たれている。つまり、このような不調和の中の調和に安らぎを感じるのは、画一的な大量生産技術の社会で生きる我々が、昔の石工の手作りの技術による自然に近い造詣美に現代の我々が本能的に惹かれるからである。しかし、このような自然石を用いた石垣や石張工などの石工による手作りの技術は現在では特殊技術に位置付けられており、その施工を実現するには莫大な費用と時間がかかる。
【0006】
本発明は、自然景観と融和するとともに自然環境の復元につなげられる自然石による石垣を模擬した擁壁または、石造橋を模擬したコンクリート橋または、石張工を模擬した護岸などの構築物を構築するためのプレキャスト部材を低コストで提供することを目標とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した課題を解決するために、以下に示す石積みの模擬構築物用プレキャスト部材並びにその製造方法を発明した。
【0008】
第1発明は、石垣を模擬した擁壁または石造橋を模擬したコンクリート橋または石張工を模擬した護岸の構築物を構築するための表面に造形を施したプレキャスト部材であって、表面に石垣または石造橋における積み石または石張工における張り石の目地を模擬するための溝状凹部を有し、該溝状凹部の延びる方向、溝幅、溝深さを任意に変えて表面に設ける前記積み石又は前記張り石で構成される石積みの模擬造形パターンを部材毎に自由に設定でき、石垣または石造橋における積み石または石張工における張石の目地部を模擬するための溝状凹部に繊維状物が装着されていて、該繊維状物により前記溝状凹部に流入した土砂や水分を滞留させて小動物や植物が生息するに足る空間を形成することを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材において、前記石積みの模擬造形パターンが各部材毎に独立した完結模様を形成しており、該石積みの模擬造形パターンは、隣接配置する部材との境界において前記積み石または前記張り石の目地部を出現するように設けられていることを特徴とする
【0010】
第3発明は、第2発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材において、前記積み石または前記張り石の目地部を模擬した凹部を境としてその厚み方向後側を基体部とし、該基体部は部材同士を結合する凸凹嵌合部を少なくとも一方向に有していると共に、表面に設ける石積みの模擬造形パターンが前記構築物の表面を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合わせとなっていることにより、目地模様が画一的でない前記構築物の構築を可能とすることを特徴とする。
【0011】
第4発明は、第2発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材において、前記積み石または前記張り石の目地部を模擬した凹部を境としてその厚み方向後側を基体部とし、各部材同士の少なくとも一方向の結合手段は、相対する部材端部の厚み方向の前側と後側を切除して形成した鈎状段部を互いに係合させる構成であり、表面に設ける石積みの模擬造形パターンが前記構築物の表面を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合わせとなっていることにより、目地模様が画一的でない前記構築物の構築を可能とすることを特徴とする。
【0012】
第5発明は、第1〜第4発明のいずれか1つの発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材において、前記繊維状物に各種植物の種子が付着されていることを特徴とする。
【0013】
第6発明は、第1〜第5発明のいずれか1つの発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法において、型枠の内側に積み石または張り石の表面を模擬形成するための石表面模様形成型材を敷設すると共に、積み石または張り石の目地部を模擬形成するための任意断面の紐状又は分岐状の目地部形成型材を配置し、前記型枠に流動性経時固化材を流し込んで製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法。
【0014】
第7発明は、第1〜第5発明のいずれか1つの発明の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法において、型枠の内側に積み石または張り石の表面を模擬形成するための石表面模様形成型材を敷設すると共に、積み石または張り石の目地部を模擬形成するためのパラフィンワックスで成形した任意断面の紐状又は分岐状の目地部形成型材を配置し、前記型枠に流動性経時固化材を流し込んで製造することを特徴とする。
【0015】
【作用】
本発明の構成によれば、任意断面の紐状又は分岐状等の目地部形成型材を構築物を構成する各々の部材毎に任意に組み合わせて配置することで、石垣などにおける積み石または石張工における張り石の目地部を構築物全体として自由に模擬造形できるので、画一的でない目地模様の自然景観に融和した擁壁などの構築物を構築できる。また、石垣などにおける積み石または石張工における張り石の目地部を模擬した溝状凹部の深さを比較的深く(10cm程度まで)できることから、その溝状凹部に草花を植生したり小動物の移動や繁殖を促すことができ、従来のコンクリートブロックによる構築物などに比べて自然景観及び自然環境保護に関しても優れている。
【0016】
また、型枠材として、転用性や造形の簡易性(加熱・冷却による変形加工の容易性、自在性)の優れたパラフィンワックス等からなる新規な目地部形成型材を用いることにより、部材表面に石垣などにおける積み石または石張工における張り石の目地部を現出しているので、石積み等の模擬造形パターンの製作工程における低コスト化を実現できる。しかも、前記石積み等の模擬造形パターンは各部材ごとに完結するように設けることにより、多数の部材を組合わせても、表面の石積み等の模擬造形パターンに違和感がなく、低コストで自然石の石積み等のに極限まで近づけることができる。
【0017】
本発明の石積み等の模擬構築物用プレキャスト部材を積み重ねるなどして構築物を構築する際は、部材同士を凸凹嵌合や段状係合手段より結合するので、結合が確実であると共に、結合部において、各部材毎に石積みや石張等の模様を現出する造形パターンが完結した状態で接合しているので、結合部に不連続な部分や、不自然な隙間が生じず、自然石を忠実に模擬することができ、さらに、目地部に草花を植生したり、小動物の移動や繁殖を促すことで一層自然の石積みや石張等の模擬構築物に近づけることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図により説明する。本発明は、石垣を模擬した擁壁、石造橋を模擬したコンクリート橋、石張工を模擬した護岸などいろいろな石造構築物を模擬した構築物に適用可能なものであるが、図1(a)は、本発明の一実施形態である石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材の斜視図である。図1(b)は同図(a)のA−A断面図である。この実施形態では、一例として擁壁構築用プレキャスト部材1の形状が長方形のブロック型のもので、部材表面の積み石模様の造形6が1枚で完結していないものを示すが、部材の形状は、L型、パネル型など擁壁の構造形式や部材同士の組み合わせ方によって種々の形状としてよく、部材表面の積み石模様の造形6を1枚で完結させてもよい。
【0019】
石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1は、コンクリートなどの流動性経時固化材からなる部材本体2の表面に石垣における積み石の目地部を模擬表現することによって造形6を形成するため、該目地部を模擬する溝状凹部3を有している。この溝状凹部3の延びる方向、溝幅、溝深さ等は不規則に設けられていて部材表面に積み石模様の造形6が形成されている。この造形6は、部材毎に任意に設定でき、多種多様な積み石模様が形成できることが特徴である。
【0020】
図1に示す実施形態では、溝状凹部3の内空に植生ロール(天然ヤシ繊維ロール)等の繊維状物4を装着していて、該繊維状物4により該溝状凹部3に流入した土砂や水分等を滞留させて小動物や植物が生息するに足る空間を形成するようにされている。図示例では、繊維状物4に付着された各種植物の種子により蔦状その他の植物5がパネル表面に垂れて植生しパネル前面の擬石化粧面のスリットより緑化した状態を示す。
【0021】
図2(a)は、図1に示す石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1を製造するための型枠の斜視図である。図2(b)は同図(a)のB−B断面図である。また、図3(a)〜(e)には、図1に示す石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1の製造工程を示す。
【0022】
型枠7は汎用性を持たせた定盤8上に積み石表面成形型材9を敷設し、その上に目地部形成型材10を配置し、さらに、積み石表面成形型材9及び目地部形成型材10を取り囲むように定盤8上に側面型枠11を配置して構成される。定盤8、積み石表面成形型材9、側面型枠11は同一形状の部材を製造する際の汎用型枠材としてその形状のまま繰り返し使用される。これに対して、目地部形成型材10は各部材の製造の度に形成され、脱型時に回収され、再形成されて繰り返し使用される。
【0023】
定盤8は他のプレキャスト部材を製造する際の定盤を使用して良い。積み石表面成形型材9は自然石の表面から型取りして製作したウレタン材などからなり、製造する部材の表面形状に合わせて敷設する。目地部形成型材10は転用性や造形の簡易性(加熱・冷却による変形加工の容易性、自在性)の優れたパラフィンワックスが主流となるが、発泡プラスチックなどを用いても良い。目地部形成型材10の配置は、あらかじめ作製しておいた数種類の任意断面・形状・寸法の紐状又は分岐状のパーツを造形する目地模様に合わせて切断または接合して、さらに流動性経時固化材の打ち込み時に剥がれないように積み石表面成形型材9に接着して配置する。側面型枠11は製造する部材の側面の形状に合わせた形状とし、流動性経時固化材の打ち込み時に壊れないように定盤8上に組み立てる。
【0024】
型枠7の組み立てが完了した後、必要に応じて積み石表面成形型材9の上にスペーサ12を介して構造鉄筋又は補強鉄筋としての鉄筋13を配筋し、コンクリート等の流動性経時固化材2aを充填する。流動性経時固化材2aが固化した後に側面型枠11を脱型し、さらに、定盤8上から部材本体2を外し、積み石表面成形型材9及び目地部形成型材10を部材本体2から脱型する。そして、必要に応じて溝状凹部3の内空に植生ロール(天然ヤシ繊維ロール)等の繊維状物4を装着することにより図1に示す石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1が成形される。
【0025】
図4(a)は、部材本体2から目地部形成型材10を脱型する方法の模式図である。図4(b)は、同図(a)のC−C断面図である。目地部形成型材10を構成するパラフィンなどの中に、例えば、紐状又はネット状などの引き抜き補助材14をあらかじめ埋設しておき、脱型時にこの引き抜き補助材14を引きながら目地部形成型材10を部材本体2から引き剥がすことにより、容易に脱型できる。この他、パラフィンなどを用いた場合には、その特性を活かして熱を加えることにより脱型し易くしてもよい。
【0026】
図5は、石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材による擁壁構築の実施形態の一例を示す。図5(a)に示す石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1は、部材表面に石垣における積み石の目地部を模擬表現する溝状凹部3を有している。この溝状凹部3の延びる方向、溝幅、溝深さ等は不規則に設けられていて、部材毎に異なる積み石模様の造形6が形成されている。また、この積み石模様の造形6は各プレキャスト部材1毎に完結している。
【0027】
また、このプレキャスト部材1は、厚み方向に見て溝状凹部3を境として、該溝状凹部3よりも後側を基体部15とし(図では太幅輪郭線で示す)、該基体部15は、水平方向の両側に部材同士を嵌合結合する凸凹部16、17を有している。さらに、基体部15の前側に形成される石積み模様の造形6は、各部材毎に独立した完結模様で、かつ擁壁を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合わせからなっていることから、各プレキャスト部材1を組合わせることにより、図5(b)に示すように全体として目地模様が画一的でない擁壁の構築を可能とする。
【0028】
図6、図7は、図5に示す実施形態と若干異なる石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材1の結合手段の例を示す。すなわち、図6、図7に示す石垣を模擬した擁壁において、プレキャスト部材1は溝状凹部3を境としてその厚み方向後側を基体部15とし、該基体部15の前側に形成される石積み模様の造形6は、各プレキャスト部材1毎に独立した完結模様の造形を形成していて、この石積み模様の造形は、擁壁を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合せからなっている。そして、各プレキャスト部材1同士の上下左右のうち、少なくとも一方向の結合手段は、図7(a)、(b)に示すように、相対するパネル端部の厚み方向の後側と前側を切除して鈎状段部18、19を互いに係合させる構成とし、鈎状段部18、19を介してプレキャスト部材1を組み合わせることにより、図6に示すように全体として目地模様が画一的でない擁壁の構築を可能とする。
【0029】
また、鈎状段部18、19において、前側に位置するプレキャスト部材1の鈎状段部18の裏面側にナット部材20が埋設されていると共に、後側に位置するプレキャスト部材1の鈎状段部19にボルト孔21が貫通しており、鈎状段部19の背面側からボルト孔21に挿通した接合ボルト22をナット部材20に螺合することで、隣接するプレキャスト部材1同士の結合を確実なものとしている。
【0030】
本発明は、各実施形態に示した構成を適宜変更して実施することは構わない。例えば、型枠7の定盤8を任意曲率のアーチ状なものに変更し、任意曲率の擁壁の構築に対応する部材とすることもできる。また、型枠7の側面型枠11や鉄筋13などの構成をL型擁壁用、護岸張ブロック用、補強土擁壁パネル用などに変更し、それぞれの構造形式に合った部材を製造することもできる。また同様に、型枠7の構成を工夫してプレキャストコンクリート打ち込み型枠部材を製造し、それを現場にて外郭として組み立て、内部に鉄筋を配筋してコンクリートを打設することにより、例えば、石造橋を模擬したコンクリート橋などの構築物を構築することもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、石垣などにおける積み石または石張工における張り石の目地部等を構築物全体として自由に模擬造形できるので、画一的でない目地模様の自然景観に融和した擁壁などの構築物を構築できる。また、目地部を模擬した溝状凹部に草花を植生したり小動物の移動や繁殖を促すことができ、従来のコンクリートブロックによる構築物などに比べて自然景観及び自然環境保護に関しても優れている。
【0032】
また、型枠材として、転用性や造形の簡易性(加熱・冷却による変形加工の容易性、自在性)に優れたパラフィンワックス等からなる新規な目地部形成型材を用いることにより、部材表面に石垣などにおける積み石または石張工における張り石の目地部を現出しているので、石積み等の模擬造形パターンの製作工程における低コスト化を実現できる。しかも、前記石積み等の模擬造形パターンは各部材ごとに完結するように設けることにより、多数の部材を組合わせても、表面の石積み等の模擬造形パターンに違和感がなく、低コストで自然石の石積み等に極限まで近づけることができる。
【0033】
本発明の石積み等の模擬構築物用プレキャスト部材を積み重ねるなどして構築物を構築する際は、部材同士を凸凹嵌合や段状係合手段より結合するので、結合が確実であると共に、結合部において、各部材毎に石積み等の模様を現出する造形パターンが完結した状態で接合しているので、結合部に不連続な部分や、不自然な隙間が生じず、自然石を忠実に模擬することができ、さらに、目地部に草花を植生したり、小動物の移動や繁殖を促すことで一層自然の石積み等に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態を示す斜視図、(b)は図(a)A−A断面図である。
【図2】(a)は、本発明の一実施形態に係る製品を製造するための型枠の斜視図、(b)は図(a)のB−B断面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、本発明の一実施形態に係る製品の製造工程を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る製品の型枠脱型方法を示す模式図、(b)は図(a)のC−C断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る石垣を模擬した擁壁を示す図で、(a)は、擁壁構築用プレキャスト部材を分離して示す正面図、(b)は、擁壁構築用プレキャスト部材を組み立てた態様を示す正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る石垣を模擬した擁壁を示す正面図である。
【図7】(a)は、図6のD−D断面図(b)は図6のE−E断面図である。
【符号の説明】
1 石垣を模擬した擁壁構築用プレキャスト部材
2 部材本体
2a 流動性経時固化材
3 溝状凹部
4 繊維状物
5 植物
6 積み石模様の造形
7 型枠
8 定盤
9 積み石表面形成型材
10 目地部形成型材
11 側面型枠
12 スペーサ
13 鉄筋
14 引き抜き補助材
15 基体部
16 凹部
17 凸部
18 鈎状段部
19 鈎状段部
20 ナット部材
21 ボルト孔
22 ボルト
Claims (7)
- 石垣を模擬した擁壁または石造橋を模擬したコンクリート橋または石張工を模擬した護岸の構築物を構築するための表面に造形を施したプレキャスト部材であって、表面に石垣または石造橋における積み石または石張工における張り石の目地を模擬するための溝状凹部を有し、該溝状凹部の延びる方向、溝幅、溝深さを任意に変えて表面に設ける前記積み石又は前記張り石で構成される石積みの模擬造形パターンを部材毎に自由に設定でき、
石垣または石造橋における積み石または石張工における張石の目地部を模擬するための溝状凹部に繊維状物が装着されていて、該繊維状物により前記溝状凹部に流入した土砂や水分を滞留させて小動物や植物が生息するに足る空間を形成することを特徴とする石積みの模擬構築物用プレキャスト部材。 - 前記石積みの模擬造形パターンが各部材毎に独立した完結模様を形成しており、該石積みの模擬造形パターンは、隣接配置する部材との境界において前記積み石または前記張り石の目地部を出現するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材。
- 前記積み石または前記張り石の目地部を模擬した凹部を境としてその厚み方向後側を基体部とし、該基体部は部材同士を結合する凸凹嵌合部を少なくとも一方向に有していると共に、表面に設ける石積みの模擬造形パターンが前記構築物の表面を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合わせとなっていることにより、目地模様が画一的でない前記構築物の構築を可能とすることを特徴とする請求項2に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材。
- 前記積み石または前記張り石の目地部を模擬した凹部を境としてその厚み方向後側を基体部とし、各部材同士の少なくとも一方向の結合手段は、相対する部材端部の厚み方向の前側と後側を切除して形成した鈎状段部を互いに係合させる構成であり、表面に設ける石積みの模擬造形パターンが前記構築物の表面を構成する全ての部材毎に相異又は複数種類の組合わせとなっていることにより、目地模様が画一的でない前記構築物の構築を可能とすることを特徴とする請求項2に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材。
- 前記繊維状物に各種植物の種子が付着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材。
- 型枠の内側に積み石または張り石の表面を模擬形成するための石表面模様形成型材を敷設すると共に、積み石または張り石の目地部を模擬形成するための任意断面の紐状又は分岐状の目地部形成型材を配置し、前記型枠に流動性経時固化材を流し込んで製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法。
- 型枠の内側に積み石または張り石の表面を模擬形成するための石表面模様形成型材を敷設すると共に、積み石または張り石の目地部を模擬形成するためのパラフィンワックスで成形した任意断面の紐状又は分岐状の目地部形成型材を配置し、前記型枠に流動性経時固化材を流し込んで製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の石積みの模擬構築物用プレキャスト部材の製造方法。
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