JP3748702B2 - ヘッドランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドランプに関し、光を集光して投光できるだけでなく、光を広範囲に拡散させてランタンとして使用することもできるヘッドランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
懐中電灯の類では、豆球の光を反射鏡及びレンズ、あるいは両者のいずれかにより集光して所定範囲を照光するように構成されている。通常は限られた範囲を照光するだけでもよいが、照光範囲を目的に応じて変化させることができると、懐中電灯の使用の便はより向上する。この要求に応えるものとして、図9に示すように、豆球40に対する反射鏡41の位置を投光軸方向に移動させることによって、照光範囲を変化できるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
キャンプや登山などの屋外レジャーにおいて、懐中電灯やヘッドランプにより広範囲を照明できるようにして使用したい場合がある。例えば、テントの中の照明としてランタンのようにテント内全体を照明したい場合がそれである。しかし、図9に示したような照光範囲が変化できる機能をもつものでも、照光範囲の拡大に限度があるため、ランタンのような使い方の要求には応えられない。従って、ランタンのような照明が欲しい場合には、懐中電灯の他にランタンを携帯することになり、登山などのように少しでも荷物を減らしたい場合に負担が増加する問題があった。
【0004】
本発明の目的とするところは、投光半径を変化させ得ると同時に照光範囲を拡大させてランタンとしても使用できるヘッドランプを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、ランプ本体の開口部に、放物面を有する反射鏡と、この反射鏡の中心軸線上に配置された光源と、反射鏡及び光源の投光面側を覆う透明部材からなるカバーとが配設され、電池により点灯した光源の光を前記反射鏡により投光するヘッドランプにおいて、前記反射鏡をランプ本体内の所定位置に固定し、光源を保持するホルダとカバーとを一体的に連結してランプ本体にて反射鏡の中心軸軸方向に移動可能に支持し、ランプ本体の開口部の外周位置に回転リングを設け、前記回転リングとカバーの間に回転リングの回転操作と連動してカバーを移動させる進退機構を設け、進退機構は、少なくとも前記光源の発光部分を反射鏡の中心軸軸方向にランプ本体より外に突出する位置まで移動させることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、回転リングを回転操作することにより、ランプ本体内に固定された反射鏡に対し、その中心軸方向に光源を移動させることができ、反射鏡に対する光源の位置が変化するので反射鏡による集光角度が変化して投光半径が変化し、照光範囲を自在に調節することができる。反射鏡を移動させても同様の効果は得られるが、光源の方を移動させると光源が本体ケースの外部に突出する位置まで移動させることができ、照光範囲が一気に拡大してランタンのような使い方ができるようになる。従って、小さなスポット径の投光半径の状態から180度の照光ができる光の拡散状態まで変化させることが可能となる。また、回転リングの回転によりカバー及び光源とそのホルダを進退移動させることができ、円滑な進退移動を行うことができる。
【0007】
また、光源を本体ースの外部にまで突出させたときにもカバーにより光源を保護することができる。また、光源を本体ケース内に後退させたときにはカバーの本体ケースからの突出がなくなり、収納時のランプの体積を小さくすることができる。
【0008】
【0009】
また、ランプ本体に連結角度可変に連結されたヘッド受けに頭部への結束ベルトを接続すると、投光半径が調節できるヘッドランプが実現できるだけでなく、吊り下げてランタンのように使用できる利用範囲の広いヘッドランプとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るヘッドランプを示している。図示するようにランプ本体1には、蝶番部9で角度調節可能に装着されたヘッド受け4が装備されており、これに頭部への装着用の結束ベルト26を接続することによりヘッドランプとして使用できるようにしたものである。
【0012】
ランプ本体1は、本体ケース7の前面にカバー2、豆球3を備えた投光部が設けられ、本体ケース7内に収容した電池により豆球3を点灯させ、その光を反射鏡で反射集光させてカバー2を通して投光する。本構成の特徴は、投光部の外周位置に設けられた回転リング5を回転させることにより、図示するようにカバー2及び豆球3が投光軸方向に移動して投光半径が変化し、更に、限度位置までカバー2及び豆球3を前進させてランプ本体1から突出させると、豆球3からの光が拡散しランタンとして使用できるように構成されていることにある。このカバー2及び豆球3を投光軸方向に移動させるための構成について以下に説明する。
【0013】
図2は、ランプ本体1の前面となる面の平面図(a)、その右側面図(b)、下面となる面の側面図(c)を示しており、ランプ本体1は、前面及びその後面に開口部を設けて樹脂成型により形成された本体ケース7の前面中央に回転リング5とカバー2とが配設され、本体ケース7の後面の開口部はゴム系の軟質材料で形成された裏蓋8で閉じられている。本体ケース7の側面には蝶番部9が設けられており、これにヘッド受け4が回動自在に連結されている。
【0014】
図3は図2(a)に示すA−A線矢視断面、図4は図2(a)に示すB−B線矢視断面を拡大図示するもので、カバー2及び豆球3を前進させた状態と、後退させた状態とで左右に2分割して示している。
【0015】
図4に示すように、本体ケース7内には電池ホルダ11が固定されており、これに電池12を装填する。また、この電池ホルダ11には反射鏡6の中心開口部の対向位置に設けられた一対の支持脚6a、6bが固定されている。従って、反射鏡6は本体ケース7内の所定位置に固定されることになる。この反射鏡6の中心軸線上に配置された豆球3は、その口金部分で豆球ホルダ13に保持され、この豆球ホルダ13は、図3に示すように、前記反射鏡6の支持脚6a、6bを避けた位置で進退リング14に連結されている。この進退リング14の内周部には雌ネジ部14aが形成され、これにカバー2の外周部に形成された雄ネジ部2aを螺合させることにより、進退リング14とカバー2とが連結される。前記進退リング14の外周部には螺旋状に形成された凸部14bが設けられており、本体ケース7の前面開口部に回転自在に保持されている回転筒10の内周面に形成された螺旋溝10aに前記凸部14bが摺動自在に嵌入される。前記回転筒10は、その外周面にゴム系材質により形成された回転リング5が嵌め込まれることにより、本体ケース7の前面開口部に保持され、回転リング5が回転されることにより共に回転する。この回転筒10が回転すると、内周面に形成された螺旋溝10aに嵌入された凸部14bが螺旋溝10aに沿って移動するので、進退リング14はこれに連結されたカバー2及び豆球ホルダ13を図3及び図4に示すように進退移動させる。
【0016】
前記回転リング5を回転させることにより豆球3を後退位置に移動させたとき、豆球3からの光は反射鏡6の放物面で反射集光されて小さい投光半径で投光される。逆に、回転リング5の回転により豆球3を前進させていくと、投光半径は大きくなり、より広い範囲を照光することができる。更に、前進方向の限度位置(ランタン使用位置)まで豆球3を前進させると、図示するように、回転リング5より外部に出て光を180度方向に拡散させることができる。豆球3とカバー2とは一体的に進退移動するので、このように豆球3が外部に突出した状態になってもカバー2でカバーされているので、豆球3は常に保護されていることになる。
【0017】
上記構成において、電池12と豆球3との電気的接続は、電池ホルダ11に装填された2本の単三型の電池12を電池ホルダ11内で直列接続した電池ホルダ11のプラス、マイナスの各端子と、豆球ホルダ13内に配設した豆球3との接点15、16との間を可撓性リードで接続することによってなされている。また、豆球3の点灯のON/OFFは、回転リング5を回転させることにより、進退リング14が後退方向の限度位置まで後退したとき、図3に示すように進退リング14に設けられたスイッチ用突起14cがスイッチを構成する可動接点15を押圧して固定接点20(図5参照)との当接状態を解いて点灯OFFにする。逆に回転リング5を前進方向に回転させると、進退リング14は前進するのでバネ部材で形成されている前記可動接点15はバネ部材の復元力で固定接点との接触状態になって豆球3を点灯させる。
【0018】
図5に前記可動接点15と固定接点20との接触関係を平面図として示している。可動接点15はその一端を電池ホルダ11に形成された保持部21に圧入して固定されたバネ部材で形成されており、一方、固定接点20は電池12の電極に接する電極端子23を形成するワイヤの延長端を電池ホルダ11に形成された一対の支持柱22、22の孔に嵌入して固定されている。進退リング14のスイッチ用突起14cで押圧されない状態では、可動接点15はそのバネ性により固定接点20に当接して豆球3の点灯をONとしているが、スイッチ用突起14cにより押圧されると、可動接点15が押し下げられて固定接点20から離れて豆球3の点灯をOFFにする。従って、回転リング5を豆球3の後退方向に限度位置まで移動させたときには前記スイッチ用突起14cにより可動接点15が押圧されて豆球3の点灯はOFFとなるが、回転リング5を豆球3を前進させる方向に回転させると、スイッチ用突起14cによる可動接点15の押圧は解かれるので豆球3の点灯をONにする。
【0019】
図6は、本体ケース7の背面に嵌着された裏蓋8を取り外した状態を示している。図4に断面で示した電池ホルダ11が4か所でネジ止めして本体ケース7に固定されており、2か所の電池収容部19、19に単三型電池を装填する。また、中央部分に前記反射鏡6の支持脚6a、6bの端部を貫通させて固定している。また、丸穴18は、図3に示すように反射鏡6の下部に形成された予備球ホルダ17に通じる穴で、ここから予備豆球3aを着脱する。使用中の豆球3が断線等により使用不可となったときには、この予備豆球3aに交換することができる。豆球3の交換は、回転リング5を前進方向に限度位置まで回転させ、カバー2及び豆球3をランタン位置に移動させたとき、カバー2が回転リング5より突出するので手で回すことができるようになり、カバー2を進退リング14との螺合から螺脱させる方向に回転させると、図7に示すようにカバー2を取り外すことができる。このとき豆球3も前進位置にあるので、豆球ホルダ13から抜き出し、前記予備豆球3aと交換する。
【0020】
図8は、ヘッド受け4の平面図を示し、3か所にベルト通し24が形成されているので、図1または図7に示すように、3点式の結束ベルト26を装着することができる。また、各ベルト通し24にはそれぞれ外部への切り欠きが設けられているので結束ベルト26の取り外しが簡単で、結束ベルト26を取り外したときには懐中電灯のように使用することもでき、また、ヘッド受け4を着衣のベルト等に差し込んで携帯するような使い方もできる。このとき、ヘッド受け4に対面する裏蓋8はゴム系材質により形成されているのでベルト等に対する摩擦性が高く、装着位置のずれが生じ難くなる。更に、図2(c)または図3に示すように、ヘッド受け4の頭部との当接部位は頭部の曲面に相当するアール面に形成されているので、頭部へのフィット感が良好で位置ずれも生じ難い。更に、ヘッド受け4の中央部分には、2か所の開口部25、25が形成されおり、この開口部25を利用してフック等にランプ本体1を吊り下げることもでき、ランタンとしての使用時に利用できる。
【0021】
以上説明したように構成されたヘッドランプは、通常のヘッドランプと同様の使い方ができると同時に、投光半径の自在調節ができ、カバー2及び豆球3を限度位置まで前進させたときには投光半径は最大となってランタンのように使用することができる。従って、頭部に装着して自在な投光半径調節のできるヘッドランプとして使用する他、台上に上向きに置き、あるいは頭上から吊り下げて屋外やテント内でランタンとして使用することもでき、多彩な用途に適合してレジャーや災害等の緊急時にも役立てることができる。また、回転リング5はゴム系の弾性材料で形成されてカバー2の進退移動にかかわらず常にその側表面に当接し、本体ケース7の背面はゴム系材質により形成された裏蓋8が密着嵌合して閉じられるので、防水性に優れており、雨中での使用も可能であり、水がかかるような状態での使用も可能である。
【0022】
【0023】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、反射鏡を所定位置に固定し、回転リングの回転操作によりカバー及び光源を進退駆動させるので、投光半径の調節ができるばかりでなく、限度位置までカバー及び光源を前進させたときには本体ケース内から光源が突出するので照光範囲が大きく拡大しランタンのように使用することができる。従って、1つのヘッドランプで通常の使用ができるだけでなくランタンのような広範囲の照明が可能なヘッドランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るヘッドランプの全体構成を示す斜視図。
【図2】 ランプ本体の(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は下部側面図。
【図3】 図2(a)のA−A線矢視断面図。
【図4】 図2(a)のB−B線矢視断面図。
【図5】 豆球点灯のスイッチ構造を示す部分平面図。
【図6】 本体ケースの背面側の構成を示す背面図。
【図7】 カバー及び豆球の着脱方法を説明する斜視図。
【図8】 ヘッド受けの構成を示す平面図。
【図9】 従来技術に係る投光半径の調整構造を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 ランプ本体
2 カバー
3 豆球
4 ヘッド受け
5 回転リング
6 反射鏡
7 本体ケース
10 回転筒
11 電池ホルダ
12 電池
14 進退リング

Claims (2)

  1. ランプ本体の開口部に、放物面を有する反射鏡と、この反射鏡の中心軸線上に配置された光源と、反射鏡及び光源の投光面側を覆う透明部材からなるカバーとが配設され、電池により点灯した光源の光を前記反射鏡により投光するヘッドランプにおいて、
    前記反射鏡をランプ本体内の所定位置に固定し、光源を保持するホルダとカバーとを一体的に連結してランプ本体にて反射鏡の中心軸軸方向に移動可能に支持し、ランプ本体の開口部の外周位置に回転リングを設け、前記回転リングとカバーの間に回転リングの回転操作と連動してカバーを移動させる進退機構を設け、進退機構は、少なくとも前記光源の発光部分を反射鏡の中心軸軸方向にランプ本体より外に突出する位置まで移動させることを特徴とするヘッドランプ。
  2. ランプ本体に連結角度可変に連結されたヘッド受けに頭部への結束ベルトを接続したことを特徴とする請求項記載のヘッドランプ。
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