JP3747687B2 - 空気調和装置の室内機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の室内機の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置の使用目的は、快適に活動できる室内環境を形成することであり、室内温度は使用者の好みの温度に制御される必要がある。しかし、この室内温度は対流により温度ムラが生じるため、室内の使用者が快適であるとは限らない。特に、使用者が空気調和装置の室内機から吹出される吹出空気を直接受けている場合、使用者はこの吹出空気温度を感じ、この温度によって快適性が大きく左右される。
【0003】
しかし、従来の空気調和装置の室内機は、吸込口から吸い込まれた空気は全て蒸発器を通過し、冷却・除湿されて吹出口より吹出されるものが主であった。このような構成では、室内空気温度は一定に制御することができるものの、吹出口の吹出空気温度は空調負荷との相関関係で一義的に決定されるため、この温度を制御することができなかった。特に睡眠時間帯である夜は、室内外の温度差があまりなく空気調和装置の冷房負荷が小さくなるため、吹出空気温度が使用者にとって低くなりすぎて寝冷え感となり、空気調和装置が使用されないことが多いという課題を有していた。
【0004】
この課題を解決するために、例えば特開昭61ー59143号公報に示されるように、吸込んだ室内空気が蒸発器を通過する主風路と蒸発器をバイパスする側風路とを室内機に設け、これらの風路を通過した空気を室内機内で混合させて吹出空気温度の高温化を可能にした空気調和装置が開発された。
【0005】
図18,19は、従来の空気調和装置の構成図である。30は空気調和装置の室内機本体、31はこの本体内に設置された蒸発器、32は送風機、33は蒸発器31を介して送風機32に至る主風路、34は蒸発器31をバイパスする側風路、35は側風路34を通過する風量を制御する制御装置である。
【0006】
次にこの従来の空気調和装置の動作について説明する。
図18に示す様に、制御装置35は側風路34を塞いでいる場合は、室内機30に吸い込まれる室内空気は、一般の空気調和装置と同様に全て蒸発器31を通過し、この蒸発器31で熱交換され吹出される。吹出された空気温度は、空調負荷との相関関係で一義的に決定されるため、吹出空気温度を快適に制御することはできない。
これに対し、図19に示す様に制御装置35が側風路34を塞いでいない場合は、主風路33を通って蒸発器31で除湿・冷却された空気と側風路を通った室内空気とが混合して吹出される。吹出された空気温度は、空調負荷のみならず側風路の風量によっても決定され、制御装置35の風量制御により吹出空気温度の高温化を実現することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような空気調和装置の構成では、主風路を通過して冷却された空気と側風路を通過する高温・高湿の空気が混合した場合、この高温高湿の空気が主風路を通過した冷却空気で冷やされ飽和曲線を超えてしまい主風路と側風路の混合部で結露が生じ、室内に露が飛散するという課題があった。
【0008】
この現象を以下、具体的に説明する。図20は空気線図で、横軸が乾球温度、縦軸が絶対温度であり、図中に示す曲線は飽和曲線である。また、●は主風路を通過する空気の温湿度、○は室内空気の温湿度で側風路を通過する空気の温湿度である。ここで、主風路を通過する空気と側風路を通過する空気が混合してできる吹出空気の温湿度は、この2つの温湿度を結ぶ線上にある。ここで、室内空気温湿度が高温・高湿の場合には混合された吹出空気の温湿度が飽和曲線を超えて結露する領域にあることから、上述の室内に露が飛散するという課題が生じる。
【0009】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、蒸発器をバイパスした空気と蒸発器を通過して冷却された空気とを混合して室内に吹き出す際に生じる結露を防止する空気調和装置の室内機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。
【0011】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。
【0012】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。
【0013】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。
【0014】
また、本発明は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、室内空気の温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0015】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路を通過する空気を加熱する加熱手段とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。
【0016】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。
【0017】
また、本発明は、室内の空気温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段と、前記送風機の送風量を検出する送風量検出手段と、この送風量と前記加熱手段の加熱量と吹出空気温度から非加熱時の吹出空気温度を推測する非加熱時吹出空気温度推測手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記室内空気温度と主風路空気温度と非加熱時の吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0018】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路に設けられ冷媒流量制御弁を有する熱交換器から構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。
【0019】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。
【0020】
また、本発明は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記側風路を通過する空気の温度を検出する側風路空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図2は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の風量比算出手段の特性図、図3は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の吹出空気湿度推測手段の特性図、図4は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。
【0022】
図1〜4において、1は空気調和装置の壁掛け式の室内機本体で、蒸発器2と送風機3を収納する。4aは本体1の前方位置に設けられ室内空気をこの本体1内に吸い込む第1の吸込口、4bは本体1の上部位置に設けられた第2の吸込口、5aは吸込口4aから蒸発器2を経て送風機3に至る主風路、5bは吸込口4bから蒸発器2をバイパスして主風路と連通する側風路、6は送風機3の下方に位置して空気を室内に吹出す吹出口、7は蒸発器2で除湿したドレンを受けるドレン受けである。
8は空気調和装置1の前面に設けられ側風路5bの空気温度を検出する室内空気温度検出手段、9は空気調和装置1の前面に設けられ室内の絶対湿度を検出する室内絶対湿度検出手段、10は蒸発器2に付設され蒸発器2の温度を直接検出する主風路空気温度検出手段、11は吹出口6に付設され吹出空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段である。これらの検出手段はたとえばサーミスタ等の温度センサ又は湿度センサから構成される。本実施の形態で主風路空気温度検出手段10は、蒸発温度Teが主風路5aを通過する空気温度に等しいと仮定して蒸発器2の温度を測定しているが、これに限らず、蒸発器2の後流側に設けて直接主風路5aを通過する空気温度を測定しても良い。また、側風路5bを通過する空気温度と室内温度Taが等しいと仮定して室内空気温度検出手段8で側風路5bの空気温度を測定しているが、これに限らず、直接側風路5bを通過する空気温度を測定しても良い。尚、本明細書の実施の形態において単に「湿度」と言うときは、「相対湿度」を言うものとする。
【0023】
12は側風路5bを通過する吸込空気の圧損を発生する抵抗体である。この抵抗体の圧損効果により、吸込口4aから吸い込まれる空気量と吸込口4bから吸い込まれる空気量とを調節することができる。この抵抗体としては、空気清浄機能を有するフィルタ等が考えられる。このフィルタとして、例えばHEPAフィルタを用いれば、吸込口4bから吸い込んだ空気の塵埃を捕集することもできる。
【0024】
13は室内機本体1内に配置される制御回路に組み込まれたマイコン、14は主風路5aと側風路5bの通過風量の総和に対する主風路5aの風量の割合を算出する風量比算出手段、15は吹出空気の湿度を推測する吹出空気湿度推測手段、16は推測された吹出空気湿度から結露の可能性を推測する結露推測手段、17は結露推測手段16が推測する情報に基づき送風機3の送風量を制御する送風量制御手段である。この風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、送風量制御手段17はマイコン13の中に含まれている。
【0025】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図4のフローに基づいて説明する。ここで、前述の通り主風路5aを通過する空気温度は蒸発器2を通過するため蒸発温度Teと等しいと仮定でき、側風路5bを通過する空気温度は室内空気温度Taと等しくなる。従って、主風路5aを通過する空気温度である蒸発温度Te、側風路5bを通過する空気温度である室内空気温度Ta、吹出空気温度Tfを検出すると、主風路5aと側風路5bの通過風量の総和に対する主風路5aの風量の割合である風量比rfを算出することができ、具体的には以下の様に行われる。
図2において、横軸は吹出空気温度Tfを、縦軸は風量比rfを示したものである。風量比rf=1(吸込口4aのみしか吸い込みがない場合)の時、吹出空気温度Tfは蒸発器2の温度Teに等しくなり、風量比rf=0の時は、吹出空気温度Tfが室内空気温度Taに等しくなる。風量比rfと吹出空気温度Tfは、この2点を結ぶ直線上を推移するので、風量比rfは蒸発温度Tf、室内空気温度Ta、吹出空気温度Tfから以下の式で求めることができる。
rf=(Ta―Tf)/(Ta−Te)
ここで、
rf:風量比
Ta:室内空気温度
Tf:吹出空気温度
Te:蒸発温度
【0026】
次に、室内絶対湿度検出手段9で検出された室内空気の絶対湿度Xaと風量比算出手段14で算出された風量比rfを入力として、吹出空気湿度推測手段15で吹出空気温度を算出する。
図3は、横軸は風量比rfを、縦軸は吹出空気の絶対湿度Xfを示したものである。風量比rfが1(吸込口4aからのみしか吸い込みがない)の場合、主風路5aを通過する空気は蒸発器2で除湿されるため、吹出空気の絶対湿度Xfは蒸発温度Teにおける飽和空気の絶対湿度Xaと等しくなる。また、風量比rfが0の場合、吹出空気の絶対湿度Xfは室内空気の絶対湿度Xaと等しくなる。吹出空気の絶対湿度Xfと風量比rfは、図3に示す直線上を推移するので、XfはrfとXaから次式で求めることができる。
【0027】
Xf=(Xe―Xa)×rf+Xa
ここで、
Xa:室内空気絶対湿度
Xf:吹出空気絶対湿度
Xe:蒸発温度Teにおける飽和空気の絶対湿度
この関係のデータを予めマイコン13に記憶させておけば、風量比rfと室内空気の絶対湿度Xaから吹出空気の絶対湿度Xfを算出することができる。
【0028】
次に、この吹出空気絶対湿度Xfと吹出空気温度Tfから吹出空気湿度Rfを算出する。これは、予めマイコン13に一般の空気線図で示される温度と絶対湿度と相対湿度の相関関係のデータを記憶させておき、吹出空気温度Tfと吹出空気絶対湿度Xfの入力より、容易に吹出空気湿度Rfを算出することができる。
【0029】
次に、結露推測手段16で吹出空気の結露の可能性を推測する。吹出空気の結露は、側風路5bを流れる高温・高湿度の空気が、蒸発器2で冷却された主風路5aを流れる低温の空気により冷却され、吹出空気温度Tfでの相対湿度が100%以上になった時に発生する。従って、吹出空気湿度推測手段15で推測した吹出空気湿度が100%以上か、または以下かで、結露する・しないを推測することができる。しかし、この吹出空気湿度推測手段15の推測ばらつきを考慮すると、以下の様に結露する・しないを推測するのが最適と考えられる。
【0030】
この結露推測手段16では、予め結露する可能性が高い湿度Rsを設定し、この設定湿度Rsと推測された吹出空気湿度Rfを比較して、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以下であった場合は吹出空気が結露しないものと推測し、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測する。設定湿度Rsは、吹出空気湿度を推測する推測手段15の精度が高ければ限りなく100%近くに設定でき、逆に精度が低ければ95%程度としてばらついた場合でも結露の危険性を回避する必要がある。
【0031】
結露推測手段16にて、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と判定した場合は、送風量制御手段17で送風量を増加させれば、蒸発器2の蒸発能力が下がり蒸発温度Teが上昇するので、吹出空気湿度Rfは低くなり結露を防ぐことができる。
【0032】
これら、一連の制御を空気調和装置の室内機の運転時に繰り返し、又は一定のタイミングで行うことで、蒸発器をバイパスした空気と蒸発器を通過して冷却された空気とを混合して室内に吹き出す際に生じる結露を防止する空気調和装置の室内機を得ることを目的とする。また、吹出口に直接湿度センサを設けるものに比べ、広範囲特に湿度が高い場合でも、正確に吹出空気湿度を推測でき、センサ寿命も永く維持することができる。
【0033】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図6は本発明の実施の形態2に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図5,6において、18は側風路5bの風量を調節するダンパ、19は結露推測手段16が推測する情報に基づきダンパ18の開度を変化させる風路圧損制御手段である。
【0034】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図6のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
【0035】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測し、風路圧損制御手段19はダンパ18の開度を開いて風路圧損を減少させる。側風路5bの風路圧損が減少すると、通過する空気量の割合が多くなり、風量比rfの値が小さくなる。風量比rfが小さくなると、吹出空気温度Tfが上昇するため吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0036】
この時、実施の形態1で説明した風量制御手段17と風路圧損制御手段19の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Tfを設定湿度Ts以下になるように制御しても良い。この場合は、両方の制御手段を用いるので、一方の制御手段を用いる場合に比べ制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0037】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図8は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0038】
図7,8において、20は側風路5bを通過する空気を加熱する電気ヒーター等の加熱手段、21は送風機3の回転数を検出する送風量検出手段、22は電流値等から加熱量を検知する加熱量検知手段、23は非加熱時の吹出空気温度を推測する吹出空気温度推測手段、24は加熱量制御手段である。
【0039】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図8のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
実施の形態1では、主風路5aを通過する空気温度が蒸発温度Teと等しく、側風路5bを通過する空気温度が室内空気温度Taと等しいと仮定し、蒸発温度Te,室内空気温度Ta,吹出空気温度Tfから、主風路5aと側風路5bの風量比を算出した。しかし、本実施形態では、側風路5bに加熱手段20を設けたので、側風路5bを通過する空気温度が室内空気温度Taと異なるため、実施形態1と同様の方法では風量比を算出することができない。
【0040】
そのため、吹出空気温度Tfと送風機3の送風量Nfと加熱手段20の加熱量Hfをマイコン13に入力して非加熱時の吹出空気温度Tf’を推測した後、実施の形態1で説明したのと同様に蒸発温度Te,室内空気温度Ta,非加熱時の吹出空気温度Tf’から風量比rfを算出する。
具体的には、加熱手段20から側風路5bを通過する空気が与えられた熱量は、非加熱時と加熱時の空気温度差に比熱と空気量(送風量)を乗じたものと等しく、熱量保存の法則により、この与えられた熱量が加熱手段20により加えられた加熱量Hfとなるので、以下の式で示すことができる。
Hf=Nf×Cp×(Tf−Tf’)
ここで、
Cp:空気の比熱
Hf:空気加熱量
Nf:送風量
Tf:加熱時の吹出空気温度
Tf’:非加熱時の吹出空気温度
【0041】
ここで、予めマイコン13に空気の比熱Cpを記憶させておけば、吹出空気温度検出手段11、送風量検出手段21、加熱量検出手段22からの情報と上記式から非加熱時の吹出空気温度Tf’を算出することができる。この非加熱時の吹出空気温度Tf’を算出すれば、後は実施の形態1と同様に風量比rfを算出できる。
本実施の形態では新たに温度センサを設けることなく非加熱時の吹出空気温度Tf’から風量比rfを算出しているが、加熱手段20の後流側に温度センサを設ける構成でも良い。そうすれば、直接側風路5bを通過する空気温度を測定することができる。
【0042】
また、風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測し、加熱量制御手段19で加熱量を増加させ、側風路5bを通過する空気の温度を上げる。よって、吹出空気温度Tfが上昇するため吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0043】
この場合、実施の形態1で説明した風量制御手段17と加熱量制御手段24の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合は、両方の制御手段を用いるので、一方の制御手段を用いる場合に比べ制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
また、図9に示すように実施の形態2で説明したダンパ18の開度を調節する風路圧損制御手段19を組み合わせて、この風路圧損制御手段19と加熱量制御手段24の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合も制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0044】
更に、加熱手段20にペルチエ素子を用いても良い。ペルチエ素子は、冷却面と放熱面を有し、全体的には放熱効果を与える素子である。従って、ヒータと同様に加熱手段20として用いることが可能であるとともに、冷却面では結露により湿度を下げる効果も有する。特に、蒸発温度があまり高くなく湿度が高い場合は、このペルチエ素子の除湿能力を有効に活用でき、より快適な空気調和装置の室内機を提供することができる。
【0045】
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図11は本発明の実施の形態4に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図10,11において、25は側風路5bに設けられた熱交換器、26は熱交換器25内の冷媒を制御する冷媒制御手段である。この熱交換器25は入口に冷媒流量制御弁25’を備え、流れる冷媒の状態により蒸発器としても凝縮器としても機能することが可能である。
27は熱交換器25の温度を検出する熱交換器温度検出手段である。なお、熱交換器温度検出手段27に代えて、熱交換器25の後流側に温度センサを設け、熱交換器25を通過した後の空気温度を検出しても良く、この場合にはより正確に側風路5bを通過する空気温度を検出できる。
【0046】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図11のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
本実施形態では、側風路5bに熱交換器25を設けたので、熱交換器25を通過後の空気温度が室内空気温度Taと異なるため、実施形態1と同様の方法では風量比を算出することができない。
【0047】
そこで、熱交換器25の温度が側風路5bを通過する空気温度と仮定し、熱交換器温度検出手段27で熱交換器温度Thを検出する。本実施の形態では、この熱交換器温度Th、蒸発温度Te、吹出空気温度Tfを入力すると風量比算出手段14で風量比rfを算出する。
【0048】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測する。この熱交換器25を凝縮器として用いれば、通過空気は加熱するため側風路5bを通過する空気温度を上げることができる。また、蒸発器として用いても、冷媒の流量を制御することで蒸発温度(熱交換器温度Ta)を変えることができる。従って、いずれの場合も吹出空気温度Tfが上昇させることができ、吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0049】
この場合でも、実施の形態1で説明した風量制御手段17とこの冷媒制御手段25の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合も制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0050】
また図12に示す様に、実施の形態3で説明した加熱手段20が設けられている場合には、場合によっては加熱量制御手段24で吹出空気湿度を制御するようにしても良く、加熱量制御手段24と冷媒制御手段26の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合加熱手段20の後流側に温度センサが必要となるが、より制御範囲が広がり、適切に結露を防止することができる。
【0051】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図、図14は本発明の実施の形態5に係わる空気調和装置の快適吹出空気温度推測手段の特性図である。空気調和装置の構成図は図1を流用する。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0052】
図1,13,14において、28は室内空気温度検出手段8が検出する室内温度と設定温度に基づき快適吹出空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段である。例えば冷房運転の場合、空気調和装置の運転を開始させた直後は、室内空気温度が設定温度より高く使用者も暑く感じているため、一般に使用者は設定温度よりも冷たい吹出空気を快適と感じる。一方、室内空気温度と設定温度がほぼ同等である場合は、設定温度より低い温度の吹出空気はかえって使用者に肌寒さを感じさせるため、設定温度に近い吹出空気温度が快適な吹出空気温度であるものと考えられる。
【0053】
従って、室内空気温度が設定温度より高い場合は、吹出温度は低い方が快適であり、室内空気温度が設定温度に近いほど吹出空気温度は室内空気温度に近い方が快適であるとして、室内空気温度と設定温度との温度差と快適吹出空気温度の間には相関関係がある。この相関の詳細は感覚実験で求めることができ、図14にその1例を示す。図14は快適吹出空気温度推測手段の特性図であり、横軸は室内空気温度、縦軸は快適吹出空気温度である。ここでは、設定温度Tsを25℃に設定した場合について述べる。
【0054】
室内空気温度が設定温度に比べ5deg以上高い場合、使用者は室内温度が暑いと感じているため吹出空気温度は室温に比べ低い方が快適である。一方、一定温度以上低いと不快と感じるので、具体的には快適吹出空気温度は20℃程度の一定で推移する。
また、室内空気温度が25℃のときは快適吹出空気温度も25℃になる。快適吹出温度を示す推移は、室内空気温度に比べ5deg未満の場合では、この2点を結ぶ直線上を中心に移動し、少なくとも図14に示す∠AOA’の範囲内で推移するものと考えられる。
【0055】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図13のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
快適吹出空気温度推測手段25は室内空気温度検出手段8で検出された室内空気温度Taと設定温度Tsから快適吹出空気温度Tgを推測する。この快適吹出空気温度Tgの演算は具体的には、以下の様に行われる。図12に示される室内空気温度Taと設定温度Tsの相関に基づくデータを予めマイコン13に記憶させておき、室内空気温度Taと設定温度Tsがマイコン13に入力されると、この記憶されたデータに基づいて快適吹出空気温度を推測する。
【0056】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、送風量制御手段17で送風量を増加させ蒸発温度Teを上昇させて、これにより吹出空気湿度Rfは設定湿度Rs以下になり結露を防ぐことができるのは、実施の形態1で述べたとおりであるが、この場合の吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小必要風量に制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、送風量制御手段17で送風量を更に増加させることで、蒸発温度Teを上昇させ、これにより吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0057】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、送風量制御手段17で送風量を調整し。吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、送風量制御手段17で送風量を増加させることで、蒸発温度Teを上昇させ、これにより吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0058】
実施の形態6.
図15は本発明の実施の形態6に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図5を流用する。なお、実施の形態2、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0059】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図15のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態1・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、ダンパ18で側風路5bを通過する風量を増加させて吹出空気湿度Rfは設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態2で述べたとおりである。この時、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小開度にダンパ18を開閉制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、ダンパ18の開度を更に開くことで、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0060】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、ダンパ18の開度を狭めて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、ダンパ18の開度を開いて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0061】
実施の形態7.
図16は本発明の実施の形態7に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図7を流用する。なお、実施の形態3、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0062】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図16のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態3・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、加熱量制御手段24は加熱手段20の加熱量を増加させ、これにより吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態3で述べたとおりである。この時、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小の加熱量を加える様に加熱手段20を制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、加熱手段20の加熱量を更に増加させて、、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0063】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、加熱手段20の加熱を抑止して、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、加熱量制御手段24が加熱手段20の加熱量を増加させて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0064】
実施の形態8.
図17は本発明の実施の形態8に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図10を流用する。なお、実施の形態4、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0065】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図17のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態4・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態4で述べたとおりである。この時、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0066】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して、その比較に基づいて、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgに一致させる。
【0067】
【発明の効果】
以上の発明から明らかなように本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0068】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0069】
本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0070】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0071】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、室内空気の温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0072】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路を通過する空気を加熱する加熱手段とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0073】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0074】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内の空気温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段と、前記送風機の送風量を検出する送風量検出手段と、この送風量と前記加熱手段の加熱量と吹出空気温度から非加熱時の吹出空気温度を推測する非加熱時吹出空気温度推測手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記室内空気温度と主風路空気温度と非加熱時の吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0075】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路に設けられ冷媒流量制御弁を有する熱交換器から構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0076】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0077】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記側風路を通過する空気の温度を検出する側風路空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図2】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の風量比算出手段の特性図である。
【図3】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の吹出空気湿度推測手段の特性図である。
【図4】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図5】 この発明の実施形態2の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図6】 この発明の実施形態2の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図7】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図8】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図9】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図10】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図11】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図12】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図13】 この発明の実施形態5の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図14】 この発明の実施形態5の構成を示す空気調和装置の快適吹出空気温度推測手段の特性図である。
【図15】 この発明の実施形態6の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図16】 この発明の実施形態7の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図17】 この発明の実施形態8の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図18】 従来の空気調和装置の制御装置閉時の構成図である。
【図19】 従来の空気調和装置の制御装置開時の構成図である。
【図20】 空気線図である。
【符号の説明】
1 空気調和装置室内機本体、 2 蒸発器、 3 送風機、 4a 第1の吸込口、 4b 第2の吸込口、 5a 主風路、、 5b 側風路、 6 吹出口、 7 ドレン受け、 8 室内空気温度検出手段、 9 室内絶対湿度検出手段、 10 主風路空気温度検出手段、 11 吹出空気温度検出手段、 12 抵抗体、 13 マイコン、 14 風量比算出手段、 15 吹出空気湿度推測手段、 16 結露推測手段、 17 送風量制御手段、 18 ダンパ、、 19 風路圧損制御手段、 20 加熱手段、 21 送風量検出手段、 22 加熱量検出手段、 23 非加熱時吹出空気温度推測手段、 24 加熱量制御手段、 25 熱交換器、 26 冷媒制御手段、 27 熱交換器温度検出手段、 28 快適吹出空気温度推測手段、 30 空気調和装置本体、 31熱交換器、 32 送風機、 33 主風路、 34 側風路、 35
制御装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の室内機の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置の使用目的は、快適に活動できる室内環境を形成することであり、室内温度は使用者の好みの温度に制御される必要がある。しかし、この室内温度は対流により温度ムラが生じるため、室内の使用者が快適であるとは限らない。特に、使用者が空気調和装置の室内機から吹出される吹出空気を直接受けている場合、使用者はこの吹出空気温度を感じ、この温度によって快適性が大きく左右される。
【0003】
しかし、従来の空気調和装置の室内機は、吸込口から吸い込まれた空気は全て蒸発器を通過し、冷却・除湿されて吹出口より吹出されるものが主であった。このような構成では、室内空気温度は一定に制御することができるものの、吹出口の吹出空気温度は空調負荷との相関関係で一義的に決定されるため、この温度を制御することができなかった。特に睡眠時間帯である夜は、室内外の温度差があまりなく空気調和装置の冷房負荷が小さくなるため、吹出空気温度が使用者にとって低くなりすぎて寝冷え感となり、空気調和装置が使用されないことが多いという課題を有していた。
【0004】
この課題を解決するために、例えば特開昭61ー59143号公報に示されるように、吸込んだ室内空気が蒸発器を通過する主風路と蒸発器をバイパスする側風路とを室内機に設け、これらの風路を通過した空気を室内機内で混合させて吹出空気温度の高温化を可能にした空気調和装置が開発された。
【0005】
図18,19は、従来の空気調和装置の構成図である。30は空気調和装置の室内機本体、31はこの本体内に設置された蒸発器、32は送風機、33は蒸発器31を介して送風機32に至る主風路、34は蒸発器31をバイパスする側風路、35は側風路34を通過する風量を制御する制御装置である。
【0006】
次にこの従来の空気調和装置の動作について説明する。
図18に示す様に、制御装置35は側風路34を塞いでいる場合は、室内機30に吸い込まれる室内空気は、一般の空気調和装置と同様に全て蒸発器31を通過し、この蒸発器31で熱交換され吹出される。吹出された空気温度は、空調負荷との相関関係で一義的に決定されるため、吹出空気温度を快適に制御することはできない。
これに対し、図19に示す様に制御装置35が側風路34を塞いでいない場合は、主風路33を通って蒸発器31で除湿・冷却された空気と側風路を通った室内空気とが混合して吹出される。吹出された空気温度は、空調負荷のみならず側風路の風量によっても決定され、制御装置35の風量制御により吹出空気温度の高温化を実現することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような空気調和装置の構成では、主風路を通過して冷却された空気と側風路を通過する高温・高湿の空気が混合した場合、この高温高湿の空気が主風路を通過した冷却空気で冷やされ飽和曲線を超えてしまい主風路と側風路の混合部で結露が生じ、室内に露が飛散するという課題があった。
【0008】
この現象を以下、具体的に説明する。図20は空気線図で、横軸が乾球温度、縦軸が絶対温度であり、図中に示す曲線は飽和曲線である。また、●は主風路を通過する空気の温湿度、○は室内空気の温湿度で側風路を通過する空気の温湿度である。ここで、主風路を通過する空気と側風路を通過する空気が混合してできる吹出空気の温湿度は、この2つの温湿度を結ぶ線上にある。ここで、室内空気温湿度が高温・高湿の場合には混合された吹出空気の温湿度が飽和曲線を超えて結露する領域にあることから、上述の室内に露が飛散するという課題が生じる。
【0009】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、蒸発器をバイパスした空気と蒸発器を通過して冷却された空気とを混合して室内に吹き出す際に生じる結露を防止する空気調和装置の室内機を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。
【0011】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。
【0012】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。
【0013】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。
【0014】
また、本発明は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、室内空気の温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0015】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路を通過する空気を加熱する加熱手段とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。
【0016】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。
【0017】
また、本発明は、室内の空気温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段と、前記送風機の送風量を検出する送風量検出手段と、この送風量と前記加熱手段の加熱量と吹出空気温度から非加熱時の吹出空気温度を推測する非加熱時吹出空気温度推測手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記室内空気温度と主風路空気温度と非加熱時の吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0018】
本発明は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路に設けられ冷媒流量制御弁を有する熱交換器から構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。
【0019】
また、本発明は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。
【0020】
また、本発明は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記側風路を通過する空気の温度を検出する側風路空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図2は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の風量比算出手段の特性図、図3は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の吹出空気湿度推測手段の特性図、図4は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。
【0022】
図1〜4において、1は空気調和装置の壁掛け式の室内機本体で、蒸発器2と送風機3を収納する。4aは本体1の前方位置に設けられ室内空気をこの本体1内に吸い込む第1の吸込口、4bは本体1の上部位置に設けられた第2の吸込口、5aは吸込口4aから蒸発器2を経て送風機3に至る主風路、5bは吸込口4bから蒸発器2をバイパスして主風路と連通する側風路、6は送風機3の下方に位置して空気を室内に吹出す吹出口、7は蒸発器2で除湿したドレンを受けるドレン受けである。
8は空気調和装置1の前面に設けられ側風路5bの空気温度を検出する室内空気温度検出手段、9は空気調和装置1の前面に設けられ室内の絶対湿度を検出する室内絶対湿度検出手段、10は蒸発器2に付設され蒸発器2の温度を直接検出する主風路空気温度検出手段、11は吹出口6に付設され吹出空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段である。これらの検出手段はたとえばサーミスタ等の温度センサ又は湿度センサから構成される。本実施の形態で主風路空気温度検出手段10は、蒸発温度Teが主風路5aを通過する空気温度に等しいと仮定して蒸発器2の温度を測定しているが、これに限らず、蒸発器2の後流側に設けて直接主風路5aを通過する空気温度を測定しても良い。また、側風路5bを通過する空気温度と室内温度Taが等しいと仮定して室内空気温度検出手段8で側風路5bの空気温度を測定しているが、これに限らず、直接側風路5bを通過する空気温度を測定しても良い。尚、本明細書の実施の形態において単に「湿度」と言うときは、「相対湿度」を言うものとする。
【0023】
12は側風路5bを通過する吸込空気の圧損を発生する抵抗体である。この抵抗体の圧損効果により、吸込口4aから吸い込まれる空気量と吸込口4bから吸い込まれる空気量とを調節することができる。この抵抗体としては、空気清浄機能を有するフィルタ等が考えられる。このフィルタとして、例えばHEPAフィルタを用いれば、吸込口4bから吸い込んだ空気の塵埃を捕集することもできる。
【0024】
13は室内機本体1内に配置される制御回路に組み込まれたマイコン、14は主風路5aと側風路5bの通過風量の総和に対する主風路5aの風量の割合を算出する風量比算出手段、15は吹出空気の湿度を推測する吹出空気湿度推測手段、16は推測された吹出空気湿度から結露の可能性を推測する結露推測手段、17は結露推測手段16が推測する情報に基づき送風機3の送風量を制御する送風量制御手段である。この風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、送風量制御手段17はマイコン13の中に含まれている。
【0025】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図4のフローに基づいて説明する。ここで、前述の通り主風路5aを通過する空気温度は蒸発器2を通過するため蒸発温度Teと等しいと仮定でき、側風路5bを通過する空気温度は室内空気温度Taと等しくなる。従って、主風路5aを通過する空気温度である蒸発温度Te、側風路5bを通過する空気温度である室内空気温度Ta、吹出空気温度Tfを検出すると、主風路5aと側風路5bの通過風量の総和に対する主風路5aの風量の割合である風量比rfを算出することができ、具体的には以下の様に行われる。
図2において、横軸は吹出空気温度Tfを、縦軸は風量比rfを示したものである。風量比rf=1(吸込口4aのみしか吸い込みがない場合)の時、吹出空気温度Tfは蒸発器2の温度Teに等しくなり、風量比rf=0の時は、吹出空気温度Tfが室内空気温度Taに等しくなる。風量比rfと吹出空気温度Tfは、この2点を結ぶ直線上を推移するので、風量比rfは蒸発温度Tf、室内空気温度Ta、吹出空気温度Tfから以下の式で求めることができる。
rf=(Ta―Tf)/(Ta−Te)
ここで、
rf:風量比
Ta:室内空気温度
Tf:吹出空気温度
Te:蒸発温度
【0026】
次に、室内絶対湿度検出手段9で検出された室内空気の絶対湿度Xaと風量比算出手段14で算出された風量比rfを入力として、吹出空気湿度推測手段15で吹出空気温度を算出する。
図3は、横軸は風量比rfを、縦軸は吹出空気の絶対湿度Xfを示したものである。風量比rfが1(吸込口4aからのみしか吸い込みがない)の場合、主風路5aを通過する空気は蒸発器2で除湿されるため、吹出空気の絶対湿度Xfは蒸発温度Teにおける飽和空気の絶対湿度Xaと等しくなる。また、風量比rfが0の場合、吹出空気の絶対湿度Xfは室内空気の絶対湿度Xaと等しくなる。吹出空気の絶対湿度Xfと風量比rfは、図3に示す直線上を推移するので、XfはrfとXaから次式で求めることができる。
【0027】
Xf=(Xe―Xa)×rf+Xa
ここで、
Xa:室内空気絶対湿度
Xf:吹出空気絶対湿度
Xe:蒸発温度Teにおける飽和空気の絶対湿度
この関係のデータを予めマイコン13に記憶させておけば、風量比rfと室内空気の絶対湿度Xaから吹出空気の絶対湿度Xfを算出することができる。
【0028】
次に、この吹出空気絶対湿度Xfと吹出空気温度Tfから吹出空気湿度Rfを算出する。これは、予めマイコン13に一般の空気線図で示される温度と絶対湿度と相対湿度の相関関係のデータを記憶させておき、吹出空気温度Tfと吹出空気絶対湿度Xfの入力より、容易に吹出空気湿度Rfを算出することができる。
【0029】
次に、結露推測手段16で吹出空気の結露の可能性を推測する。吹出空気の結露は、側風路5bを流れる高温・高湿度の空気が、蒸発器2で冷却された主風路5aを流れる低温の空気により冷却され、吹出空気温度Tfでの相対湿度が100%以上になった時に発生する。従って、吹出空気湿度推測手段15で推測した吹出空気湿度が100%以上か、または以下かで、結露する・しないを推測することができる。しかし、この吹出空気湿度推測手段15の推測ばらつきを考慮すると、以下の様に結露する・しないを推測するのが最適と考えられる。
【0030】
この結露推測手段16では、予め結露する可能性が高い湿度Rsを設定し、この設定湿度Rsと推測された吹出空気湿度Rfを比較して、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以下であった場合は吹出空気が結露しないものと推測し、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測する。設定湿度Rsは、吹出空気湿度を推測する推測手段15の精度が高ければ限りなく100%近くに設定でき、逆に精度が低ければ95%程度としてばらついた場合でも結露の危険性を回避する必要がある。
【0031】
結露推測手段16にて、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と判定した場合は、送風量制御手段17で送風量を増加させれば、蒸発器2の蒸発能力が下がり蒸発温度Teが上昇するので、吹出空気湿度Rfは低くなり結露を防ぐことができる。
【0032】
これら、一連の制御を空気調和装置の室内機の運転時に繰り返し、又は一定のタイミングで行うことで、蒸発器をバイパスした空気と蒸発器を通過して冷却された空気とを混合して室内に吹き出す際に生じる結露を防止する空気調和装置の室内機を得ることを目的とする。また、吹出口に直接湿度センサを設けるものに比べ、広範囲特に湿度が高い場合でも、正確に吹出空気湿度を推測でき、センサ寿命も永く維持することができる。
【0033】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図6は本発明の実施の形態2に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図5,6において、18は側風路5bの風量を調節するダンパ、19は結露推測手段16が推測する情報に基づきダンパ18の開度を変化させる風路圧損制御手段である。
【0034】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図6のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
【0035】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測し、風路圧損制御手段19はダンパ18の開度を開いて風路圧損を減少させる。側風路5bの風路圧損が減少すると、通過する空気量の割合が多くなり、風量比rfの値が小さくなる。風量比rfが小さくなると、吹出空気温度Tfが上昇するため吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0036】
この時、実施の形態1で説明した風量制御手段17と風路圧損制御手段19の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Tfを設定湿度Ts以下になるように制御しても良い。この場合は、両方の制御手段を用いるので、一方の制御手段を用いる場合に比べ制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0037】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図8は本発明の実施の形態1に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0038】
図7,8において、20は側風路5bを通過する空気を加熱する電気ヒーター等の加熱手段、21は送風機3の回転数を検出する送風量検出手段、22は電流値等から加熱量を検知する加熱量検知手段、23は非加熱時の吹出空気温度を推測する吹出空気温度推測手段、24は加熱量制御手段である。
【0039】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図8のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
実施の形態1では、主風路5aを通過する空気温度が蒸発温度Teと等しく、側風路5bを通過する空気温度が室内空気温度Taと等しいと仮定し、蒸発温度Te,室内空気温度Ta,吹出空気温度Tfから、主風路5aと側風路5bの風量比を算出した。しかし、本実施形態では、側風路5bに加熱手段20を設けたので、側風路5bを通過する空気温度が室内空気温度Taと異なるため、実施形態1と同様の方法では風量比を算出することができない。
【0040】
そのため、吹出空気温度Tfと送風機3の送風量Nfと加熱手段20の加熱量Hfをマイコン13に入力して非加熱時の吹出空気温度Tf’を推測した後、実施の形態1で説明したのと同様に蒸発温度Te,室内空気温度Ta,非加熱時の吹出空気温度Tf’から風量比rfを算出する。
具体的には、加熱手段20から側風路5bを通過する空気が与えられた熱量は、非加熱時と加熱時の空気温度差に比熱と空気量(送風量)を乗じたものと等しく、熱量保存の法則により、この与えられた熱量が加熱手段20により加えられた加熱量Hfとなるので、以下の式で示すことができる。
Hf=Nf×Cp×(Tf−Tf’)
ここで、
Cp:空気の比熱
Hf:空気加熱量
Nf:送風量
Tf:加熱時の吹出空気温度
Tf’:非加熱時の吹出空気温度
【0041】
ここで、予めマイコン13に空気の比熱Cpを記憶させておけば、吹出空気温度検出手段11、送風量検出手段21、加熱量検出手段22からの情報と上記式から非加熱時の吹出空気温度Tf’を算出することができる。この非加熱時の吹出空気温度Tf’を算出すれば、後は実施の形態1と同様に風量比rfを算出できる。
本実施の形態では新たに温度センサを設けることなく非加熱時の吹出空気温度Tf’から風量比rfを算出しているが、加熱手段20の後流側に温度センサを設ける構成でも良い。そうすれば、直接側風路5bを通過する空気温度を測定することができる。
【0042】
また、風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測し、加熱量制御手段19で加熱量を増加させ、側風路5bを通過する空気の温度を上げる。よって、吹出空気温度Tfが上昇するため吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0043】
この場合、実施の形態1で説明した風量制御手段17と加熱量制御手段24の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合は、両方の制御手段を用いるので、一方の制御手段を用いる場合に比べ制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
また、図9に示すように実施の形態2で説明したダンパ18の開度を調節する風路圧損制御手段19を組み合わせて、この風路圧損制御手段19と加熱量制御手段24の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合も制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0044】
更に、加熱手段20にペルチエ素子を用いても良い。ペルチエ素子は、冷却面と放熱面を有し、全体的には放熱効果を与える素子である。従って、ヒータと同様に加熱手段20として用いることが可能であるとともに、冷却面では結露により湿度を下げる効果も有する。特に、蒸発温度があまり高くなく湿度が高い場合は、このペルチエ素子の除湿能力を有効に活用でき、より快適な空気調和装置の室内機を提供することができる。
【0045】
実施の形態4.
図10は本発明の実施の形態4に係わる空気調和装置の室内機の構成図、図11は本発明の実施の形態4に係わる空気調和装置の室内機の制御ブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図10,11において、25は側風路5bに設けられた熱交換器、26は熱交換器25内の冷媒を制御する冷媒制御手段である。この熱交換器25は入口に冷媒流量制御弁25’を備え、流れる冷媒の状態により蒸発器としても凝縮器としても機能することが可能である。
27は熱交換器25の温度を検出する熱交換器温度検出手段である。なお、熱交換器温度検出手段27に代えて、熱交換器25の後流側に温度センサを設け、熱交換器25を通過した後の空気温度を検出しても良く、この場合にはより正確に側風路5bを通過する空気温度を検出できる。
【0046】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図11のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気温度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
本実施形態では、側風路5bに熱交換器25を設けたので、熱交換器25を通過後の空気温度が室内空気温度Taと異なるため、実施形態1と同様の方法では風量比を算出することができない。
【0047】
そこで、熱交換器25の温度が側風路5bを通過する空気温度と仮定し、熱交換器温度検出手段27で熱交換器温度Thを検出する。本実施の形態では、この熱交換器温度Th、蒸発温度Te、吹出空気温度Tfを入力すると風量比算出手段14で風量比rfを算出する。
【0048】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以上であった場合は、吹出空気が結露すると推測する。この熱交換器25を凝縮器として用いれば、通過空気は加熱するため側風路5bを通過する空気温度を上げることができる。また、蒸発器として用いても、冷媒の流量を制御することで蒸発温度(熱交換器温度Ta)を変えることができる。従って、いずれの場合も吹出空気温度Tfが上昇させることができ、吹出空気湿度Rfが減少するので、吹出空気湿度Rfが所定の設定湿度Rs以下に制御され、結露を防ぐことができる。
【0049】
この場合でも、実施の形態1で説明した風量制御手段17とこの冷媒制御手段25の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合も制御範囲が広がり、適切に結露を防止することが可能である。
【0050】
また図12に示す様に、実施の形態3で説明した加熱手段20が設けられている場合には、場合によっては加熱量制御手段24で吹出空気湿度を制御するようにしても良く、加熱量制御手段24と冷媒制御手段26の両方をマイコン13で制御することにより、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下になるように制御しても良い。この場合加熱手段20の後流側に温度センサが必要となるが、より制御範囲が広がり、適切に結露を防止することができる。
【0051】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図、図14は本発明の実施の形態5に係わる空気調和装置の快適吹出空気温度推測手段の特性図である。空気調和装置の構成図は図1を流用する。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0052】
図1,13,14において、28は室内空気温度検出手段8が検出する室内温度と設定温度に基づき快適吹出空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段である。例えば冷房運転の場合、空気調和装置の運転を開始させた直後は、室内空気温度が設定温度より高く使用者も暑く感じているため、一般に使用者は設定温度よりも冷たい吹出空気を快適と感じる。一方、室内空気温度と設定温度がほぼ同等である場合は、設定温度より低い温度の吹出空気はかえって使用者に肌寒さを感じさせるため、設定温度に近い吹出空気温度が快適な吹出空気温度であるものと考えられる。
【0053】
従って、室内空気温度が設定温度より高い場合は、吹出温度は低い方が快適であり、室内空気温度が設定温度に近いほど吹出空気温度は室内空気温度に近い方が快適であるとして、室内空気温度と設定温度との温度差と快適吹出空気温度の間には相関関係がある。この相関の詳細は感覚実験で求めることができ、図14にその1例を示す。図14は快適吹出空気温度推測手段の特性図であり、横軸は室内空気温度、縦軸は快適吹出空気温度である。ここでは、設定温度Tsを25℃に設定した場合について述べる。
【0054】
室内空気温度が設定温度に比べ5deg以上高い場合、使用者は室内温度が暑いと感じているため吹出空気温度は室温に比べ低い方が快適である。一方、一定温度以上低いと不快と感じるので、具体的には快適吹出空気温度は20℃程度の一定で推移する。
また、室内空気温度が25℃のときは快適吹出空気温度も25℃になる。快適吹出温度を示す推移は、室内空気温度に比べ5deg未満の場合では、この2点を結ぶ直線上を中心に移動し、少なくとも図14に示す∠AOA’の範囲内で推移するものと考えられる。
【0055】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図13のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16に関しては実施の形態1と同じである。
快適吹出空気温度推測手段25は室内空気温度検出手段8で検出された室内空気温度Taと設定温度Tsから快適吹出空気温度Tgを推測する。この快適吹出空気温度Tgの演算は具体的には、以下の様に行われる。図12に示される室内空気温度Taと設定温度Tsの相関に基づくデータを予めマイコン13に記憶させておき、室内空気温度Taと設定温度Tsがマイコン13に入力されると、この記憶されたデータに基づいて快適吹出空気温度を推測する。
【0056】
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、送風量制御手段17で送風量を増加させ蒸発温度Teを上昇させて、これにより吹出空気湿度Rfは設定湿度Rs以下になり結露を防ぐことができるのは、実施の形態1で述べたとおりであるが、この場合の吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小必要風量に制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、送風量制御手段17で送風量を更に増加させることで、蒸発温度Teを上昇させ、これにより吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0057】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、送風量制御手段17で送風量を調整し。吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、送風量制御手段17で送風量を増加させることで、蒸発温度Teを上昇させ、これにより吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0058】
実施の形態6.
図15は本発明の実施の形態6に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図5を流用する。なお、実施の形態2、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0059】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図15のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態1・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、ダンパ18で側風路5bを通過する風量を増加させて吹出空気湿度Rfは設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態2で述べたとおりである。この時、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小開度にダンパ18を開閉制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、ダンパ18の開度を更に開くことで、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0060】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、ダンパ18の開度を狭めて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、ダンパ18の開度を開いて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0061】
実施の形態7.
図16は本発明の実施の形態7に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図7を流用する。なお、実施の形態3、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0062】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図16のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態3・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、加熱量制御手段24は加熱手段20の加熱量を増加させ、これにより吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態3で述べたとおりである。この時、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、結露を防ぐことができる最小の加熱量を加える様に加熱手段20を制御する。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、加熱手段20の加熱量を更に増加させて、、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0063】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより低い場合には、加熱手段20の加熱を抑止して、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgと一致させる。また、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、加熱量制御手段24が加熱手段20の加熱量を増加させて、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0064】
実施の形態8.
図17は本発明の実施の形態8に係わる空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。空気調和装置の構成図は図10を流用する。なお、実施の形態4、実施形態5と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0065】
次に、前記のように構成された空気調和装置の室内機の冷房時の動作を図17のフローに基づいて説明する。風量比算出手段14、吹出空気湿度推測手段15、結露推測手段16、快適吹出空気温度推測手段25に関しては実施の形態4・5と同じである。
この結露推測手段16で、吹出空気湿度Rfが設定湿度Rs以上と推定した場合は、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気湿度Rfを設定湿度Rs以下にして結露を防ぐことができるのは、実施の形態4で述べたとおりである。この時、快適吹出空気温度Tgが吹出空気温度Tfより高い場合には、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgまで上昇させる。
【0066】
一方、結露推測手段16にて、吹出空気湿度Tfが設定湿度Rsより低く結露しないと推測した場合は、吹出空気温度Tfと快適吹出空気温度Tgを比較して、その比較に基づいて、冷媒制御手段26で冷媒の状態を変化させ、吹出空気温度Tfを快適吹出空気温度Tgに一致させる。
【0067】
【発明の効果】
以上の発明から明らかなように本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0068】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0069】
本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0070】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0071】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、室内空気の温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0072】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路を通過する空気を加熱する加熱手段とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0073】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0074】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内の空気温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段と、前記送風機の送風量を検出する送風量検出手段と、この送風量と前記加熱手段の加熱量と吹出空気温度から非加熱時の吹出空気温度を推測する非加熱時吹出空気温度推測手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記室内空気温度と主風路空気温度と非加熱時の吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0075】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路に設けられ冷媒流量制御弁を有する熱交換器から構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0076】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有するものである。この結果、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を使用者の快適と感じる温度に制御する空気調和装置の室内機を得ることができる。
【0077】
また、本発明に係わる空気調和装置の室内機は、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記側風路を通過する空気の温度を検出する側風路空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出するものである。この結果、温度センサと湿度センサだけで得られる情報とその情報に基づく推測手段を用いた制御を行うことで、蒸発器を通過して冷却された空気とバイパスした空気とを混合して被空調空間に吹出す際に、室内への結露水の飛散を防止し、吹出空気温度を高くして使用者に与える冷刺激を低減して不快さを軽減できる安価な空気調和装置の室内機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図2】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の風量比算出手段の特性図である。
【図3】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の吹出空気湿度推測手段の特性図である。
【図4】 この発明の実施形態1の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図5】 この発明の実施形態2の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図6】 この発明の実施形態2の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図7】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図8】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図9】 この発明の実施形態3の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図10】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図11】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図12】 この発明の実施形態4の構成を示す空気調和装置の室内機の構成図である。
【図13】 この発明の実施形態5の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図14】 この発明の実施形態5の構成を示す空気調和装置の快適吹出空気温度推測手段の特性図である。
【図15】 この発明の実施形態6の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図16】 この発明の実施形態7の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図17】 この発明の実施形態8の構成を示す空気調和装置の室内機の制御の基本概念を示す制御ブロック図である。
【図18】 従来の空気調和装置の制御装置閉時の構成図である。
【図19】 従来の空気調和装置の制御装置開時の構成図である。
【図20】 空気線図である。
【符号の説明】
1 空気調和装置室内機本体、 2 蒸発器、 3 送風機、 4a 第1の吸込口、 4b 第2の吸込口、 5a 主風路、、 5b 側風路、 6 吹出口、 7 ドレン受け、 8 室内空気温度検出手段、 9 室内絶対湿度検出手段、 10 主風路空気温度検出手段、 11 吹出空気温度検出手段、 12 抵抗体、 13 マイコン、 14 風量比算出手段、 15 吹出空気湿度推測手段、 16 結露推測手段、 17 送風量制御手段、 18 ダンパ、、 19 風路圧損制御手段、 20 加熱手段、 21 送風量検出手段、 22 加熱量検出手段、 23 非加熱時吹出空気温度推測手段、 24 加熱量制御手段、 25 熱交換器、 26 冷媒制御手段、 27 熱交換器温度検出手段、 28 快適吹出空気温度推測手段、 30 空気調和装置本体、 31熱交換器、 32 送風機、 33 主風路、 34 側風路、 35
制御装置。
Claims (11)
- 室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有することを特徴とする空気調和装置の室内機。 - 設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記送風機の送風量を制御する送風量制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の室内機。
- 室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有することを特徴とする空気調和装置の室内機。 - 設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記風路圧損調節体の風路圧損を制御する風路圧損制御手段を有することを特徴とする請求項3記載の空気調和装置の室内機。
- 前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、室内空気の温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出することを特徴とする請求項1〜4記載の空気調和装置の室内機。
- 室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路を通過する空気を加熱する加熱手段とから構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有することを特徴とする空気調和装置の室内機。 - 設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記加熱手段の加熱量を制御する加熱量制御手段を有することを特徴とする請求項6記載の空気調和装置の室内機。
- 室内の空気温度を検出する室内空気温度検出手段と、前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段と、前記送風機の送風量を検出する送風量検出手段と、この送風量と前記加熱手段の加熱量と吹出空気温度から非加熱時の吹出空気温度を推測する非加熱時吹出空気温度推測手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記室内空気温度と主風路空気温度と非加熱時の吹出空気温度から風量比を算出することを特徴とする請求項6、7記載の空気調和装置の室内機。
- 室内空気を吸い込む吸込口と、蒸発器と、送風機と、吹出口と、前記吸込口から前記蒸発器を経て前記吹出口に至る主風路と、前記吸込口から前記蒸発器をバイパスして前記吹出口に至る側風路と、この側風路に設けられ冷媒流量制御弁を有する熱交換器から構成された空気調和装置の室内機であって、
室内の空気湿度を検出する室内空気湿度検出手段と、前記主風路と側風路の通過風量比を算出する風量比算出手段と、前記室内湿度とこの風量比算出手段が算出する風量比から吹出空気湿度を推測する吹出空気湿度推測手段とを備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有することを特徴とする空気調和装置の室内機。 - 設定温度と室内空気温度から快適な吹き出し空気温度を推測する快適吹出空気温度推測手段を備え、前記吹出空気湿度推測手段が推測する湿度情報と快適吹出空気温度推測手段が推測する温度情報に基づき、前記熱交換器に流れる冷媒を制御する冷媒制御手段を有することを特徴とする請求項9記載の空気調和装置の室内機。
- 前記吹出口から吹き出される空気の温度を検出する吹出空気温度検出手段と、前記側風路を通過する空気の温度を検出する側風路空気温度検出手段と、前記蒸発器の後流側の主風路の空気温度を検出する主風路空気温度検出手段とを備え、前記風量比算出手段は、前記側風路空気温度と主風路空気温度と吹出空気温度から風量比を算出することを特徴とする請求項9、10記載の空気調和装置の室内機。
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