JP3747390B2 - Cdma通信システム及び移動局及び通信制御方法 - Google Patents

Cdma通信システム及び移動局及び通信制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散配置された基地局の相互間を非同期方式で運用するCDMA通信システム及び移動局及び通信制御方法に関する。
複数の基地局と複数の移動局とを含む移動通信システムの一つとしてのCDMA(Code Division Multiple Access )通信システムは、分散配置された基地局の相互間が同期化されている同期方式と、同期化されていない非同期方式とがある。前者の同期方式は、GPS(Global Positioning System )等による高精度の時刻情報に従って同期化するものであり、後者の非同期方式は、GPS等を備えていないもので、コストダウンを図ることができる。この非同期方式に於ける送信側の拡散コードに対して受信側の逆拡散コードの同定を容易にすることが要望されている。
【0002】
【従来の技術】
移動通信システムは、FDMA方式,TDMA方式,CDMA方式等の各種の方式が知られており、又CDMA方式は、前述の同期方式を適用したシステムが実用化されている。その場合、拡散コードは周期の長い拡散ロングコードを用い、各基地局は、同一の拡散ロングコードの先頭位置のタイミングを、GPS等による正確な時刻情報を基にそれぞれ所定の時間差を有するように設定している。即ち、拡散ロングコードのタイミングによって基地局の識別を可能としている。
【0003】
又ハンドオーバ時は、在圏の移動局に対して、基地局から隣接基地局に於ける拡散ロングコードの先頭位置のタイミング情報を通知することにより、移動局は新たな基地局の拡散ロングコードの先頭位置のタイミングが、現在の基地局の拡散ロングコードの先頭位置のタイミングに対して進みか遅れかを容易に識別できることにより、新たな基地局に対しても簡単に同期確立の状態に引き込んで通信を継続することができる。
【0004】
しかし、同期方式を適用したCDMA通信システムは、総ての基地局にGPS装置等による高精度の時計機能が必要であり、又移動局に於いても基地局の時刻情報に高精度で合わせる時計機能が必要である。又各基地局に於いては、この高精度の時計機能による拡散ロングコードの先頭位置のタイミングを高精度に制御する構成が必要である。又基地局の設置場所がGPSを受信できる必要があるから、例えば、地下等では問題が生じる。従って、CDMA通信システム全体のコストが上昇する問題がある。
【0005】
この同期方式に対して非同期方式は、各基地局にGPS装置等を設ける必要がなく、CDMA通信システムのコストダウンを図ることができる。しかし、非同期方式に於いては、移動局と基地局との間に於ける通信開始毎に拡散ロングコードの同期の引込みが必要となり、拡散ロングコードのみによる場合は、同定(サーチ+同期)に要する時間が長くなる。
【0006】
そこで、拡散ショートコードを用いて同定に要する時間を短縮する手段が知られている。例えば、拡散ショートコードのチップ数(2m −1),(2n −1),・・・(2r −1)(但し、m≠n・・≠r)等を組み合わせた拡散ロングコードが知られており、この場合に、前述の各拡散ショートコードとの相関値を求めることを繰り返す方法を適用することにより、拡散ロングコードの全長にわたって相関値を求める処理に比較して同定に要する時間を短縮することができる。しかし、この方式は、拡散ショートコードの長さが異なる問題がある。
【0007】
又チップ数212の拡散ロングコードと、チップ数26 の拡散ショートコードとによる二重拡散変調を行うと共に、拡散ロングコードの周期内の所定位置毎に、拡散ショートコードのみにより拡散変調した拡散データ(拡散ロングコードをマスク)を送信し、この拡散ショートコードのみにより拡散変調された拡散データについて、拡散ショートコードの同定処理を行い、この拡散ショートコードの同定タイミングを基に、拡散ロングコードの同定処理を行う2段階サーチ法が知られている。
【0008】
図12はセル及びセクタの説明図であり、CDMA通信システムに於ける基地局BS1,BS2,BS3によるセルを、それぞれ6個のセクタに分割し、各セクタ対応に異なる拡散ロングコードSC11〜SC16,SC21〜SC26,SC31〜SC36を割当てた場合を示し、図示の位置の移動局MSは、在圏セクタの拡散ロングコードSC11の同定処理により、基地局からの拡散データを受信して逆拡散復調することになる。
【0009】
その場合に、基地局BS1,BS2,BS3は、例えば、前述のように、拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる二重拡散変調を行うと共に、拡散ロングコードの所定のタイミング毎に、拡散ロングコードをマスクすることにより、拡散ショートコードのみにより拡散変調を行った拡散データを送信するものであり、例えば、図13のBS1,BS2,BS3に於けるSに示すように、ロングコード周期内の所定位置、例えば、ロングコード周期の先頭位置に、拡散ショートコードのみにより拡散変調し、他の期間は、基地局対応の拡散ロングコードL1,L2,L3と、拡散ショートコードとにより拡散変調した拡散データを送信するCDMA通信システムが知られている。
【0010】
CDMA通信システムに於ける拡散コード同定手段として、例えば、マッチドフィルタを用いる手段と、スライディング相関器を用いる手段とが知られている。前者のマッチドフィルタは、高速同定が可能であるが、拡散コードの周期に対応して回路規模が大きくなるものであり、又後者のスライディング相関器は、回路規模が比較的小さいが高速同定が困難である。
【0011】
そこで、拡散ショートコードは、CDMA通信システム内で総て同一のパターンとし、例えば、26 =64ビット構成とするものであるから、マッチドフィルタを適用しても、回路規模が大きくならず、高速同定が可能となる。又212或いは242ビット構成等の拡散ロングコードに対しては、スライディング相関器を適用し、拡散ショートコードにより拡散ロングコードのタイミングを検出できるから、比較的回路規模の小さいスライディング相関器により比較的高速で同定処理を行うことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述の拡散ショートコードの同定処理に於いて、例えば、図13のCR1(基地局BS1に対応する相関器の出力)に於けるように、相関値が閾値THを超えることにより、基地局BS1の拡散ショートコードについて同定できたことを識別でき、このタイミングを基に、拡散ロングコードの同定を行うことになる。
【0013】
しかし、移動局MSは、基地局BS1の近傍のみに位置するものではなく、移動に伴って基地局BS2,BS3からの電波も受信できることになり、例えば、図13のCR2に示すように、基地局BS1の拡散ショートコードSについての相関値が閾値THを超えると共に、基地局BS3の拡散ショートコードSについての相関値が閾値THを超えることがある。
【0014】
その場合、移動局MSは、基地局BS1のセルに在圏していても、先に、基地局BS3の拡散ショートコードSについての相関値が閾値THを超えることにより、基地局BS3の拡散ロングコードについて同定処理を開始することになる。即ち、誤った同定処理を開始する問題がある。
【0015】
又図12に於いて、例えば、基地局BS1のセクタに移動局MSが位置して、拡散ショートコードに同定し、拡散ロングコードSC11,SC12,・・・の順序で同定処理を行う場合、拡散ロングコードSC11による相関値が閾値を超えることになるから、拡散ロングコードSC11に同定できることになる。しかし、拡散ロングコードSC12からの順序で同定処理を行うと、拡散ロングコードSC11による同定処理は最後となる。又その場合に、拡散ロングコードSC12による相関値が閾値を超えると、この拡散ロングコードSC12に同定したと判定することになり、誤同定の状態となる問題がある。
本発明は、拡散ロングコードの誤同定処理を防止し、且つ高速同定を可能とすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のCDMA通信システムは、図1を参照して説明すると、(1)複数の基地局2と複数の移動局1とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於いて、基地局2は、拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行うと共に、この拡散ロングコードの周期内の所定位置に、拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信する構成を有し、又移動局1は、拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、拡散ロングコードの同定処理を行い、この拡散ロングコードの同定により、この拡散ロングコードの同一タイミングの群内について他種の拡散ロングコードによる同定処理を行って受信レベルテーブル10を形成し、この受信レベルテーブル10内の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用する構成を有するものである。従って、例えば、同一セル内の異なるセクタに対する拡散ロングコードは同一タイミングであるから群を形成することになり、この群内の受信レベル(相関値)が最大となるセクタを、移動局1の在圏セクタと判定して、そのセクタ対応の拡散ロングコードによる逆拡散復調を行うことになる。
【0017】
又(2)基地局2は、拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行うと共に、該拡散ロングコードの所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信する構成を有し、移動局1は、拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、拡散ロングコードの同一タイミングの群内を複数に分割し、1分割群について同定処理を行って同定できない時に他の分割群について同定処理を行い、拡散ロングコードの同定により、同一群内についての受信レベルテーブル10を形成し、この受信レベルテーブル10内の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用する構成を有するものである。この場合、例えば、同一セル内の一つおきの奇数番のセクタを1分割群として、偶数番のセクタを他の分割群とすることができる。即ち、一つ或いは二つおきに順次同定処理を行うものである。
【0018】
又本発明のCDMA通信システムに於ける移動局は、(3)拡散ロングコードと拡散ショートコードとにより拡散変調を行い、且つ該拡散ロングコードの周期内の所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを受信して、拡散ショートコードの同定処理を行うショートコード同定部7と、このショートコード同定部7によるショートコードのタイミングを基に、拡散ロングコードの同定処理を行うロングコード同定部8と、このロングコード同定部8によるロングコードの同定処理に於ける受信レベルを格納する受信レベルテーブル10とを備え、この受信レベルテーブル10の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを在圏拡散ロングコードとしてロングコード発生部に設定する構成を有するものである。
【0019】
又(4)移動局に於けるロングコード同定部8は、設定制御部と、ロングコード発生部と、ロングコードテーブルとを有し、設定制御部は、ロングコードテーブルから拡散ロングコードの初期値を読出してロングコード発生部に設定し、このロングコード発生部からの拡散ロングコードと受信波との相関値が閾値を超えた時に、同一タイミングのそれぞれ異なる拡散ロングコードについて順次ロングコード発生部から発生させるように制御し、且つ拡散ロングコード対応の受信レベルを、受信レベルテーブル10に格納し、この受信レベルテーブル10の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用して、ロングコード発生部に設定する構成を有するものである。
【0020】
又(5)移動局に於ける設定制御部は、同一タイミングのそれぞれ異なる拡散ロングコードの群内を複数に分割し、分割群内について順次異なる拡散ロングコードの初期値をロングコード発生部に設定し、このロングコード発生部からの拡散ロングコードによる相関値が閾値を超えた時に、群内の拡散ロングコード対応の受信レベルを受信レベルテーブル10に格納し、この受信レベルテーブル10の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用して、ロングコード発生部に設定する構成を有するものである。
【0021】
又(6)移動局に於ける設定制御部は、過去に同定された単一又は複数の拡散ロングコードを格納し、この拡散ロングコードを優先コードとして拡散ロングコードの同定を開始する優先コードテーブルを有することができる。
【0022】
又(7)移動局の優先コードテーブルは、拡散ロングコードの同定処理に従って格納された優先コードの優先順位を更新する構成を有することができる。
【0023】
又(8)移動局のロングコード同定部8は、複数種類の拡散ロングコードの初期値を同時に設定してそれぞれ異なる拡散ロングコードを同一タイミングで発生する複数のロングコード発生部と、この複数のロングコード発生部からの拡散ロングコードを、拡散ロングコードの周期内に於いて順次切替えて出力する切替スイッチと、この切替スイッチを介して出力された拡散ロングコードを加える相関器とを有することができる。
【0024】
又(9)移動局のロングコード同定部8は、複数種類の拡散ロングコードの先頭タイミングからそれぞれ異なるタイミングに於ける値を格納したコードテーブルと、このコードテーブルに格納されたそれぞれ異なるタイミングに於ける拡散ロングコードの値を切替えてロングコード発生部に設定する切替スイッチとを有することができる。
【0025】
又本発明のCDMAシステムに於ける通信制御方法は、(10)基地局2から拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行い、且つ拡散ロングコードの周期内の所定位置に、拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信し、移動局1は、拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、拡散ロングコードの同定処理を行い、この拡散ロングコードの同定により、この拡散ロングコードの同一タイミングの群内についてそれぞれ異なる拡散ロングコードによる同定処理を行うと共に受信レベルを検出し、この受信レベルを受信レベルテーブル10に格納し、この受信レベルテーブル10内の最大受信レベルに対応する拡散ロングコードを採用して逆拡散復調を行う過程を含むものである。
【0026】
又(11)基地局2から拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行い、且つ拡散ロングコードの周期内の所定位置に拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信し、移動局1は、拡散ロングコードの同一タイミングの群内を複数に分割し、1分割群についてそれぞれ異なる拡散ロングコードにより同定処理を行い、同定できない時に他の分割群についてそれぞれ異なる拡散ロングコードにより同定処理を行い、同定できた時に、群内に於けるそれぞれ異なる拡散ロングコード対応の受信レベルを検出して受信レベルテーブル10に格納し、この受信レベルテーブル10内の最大受信レベルに対応する拡散ロングコードを採用して逆拡散復調を行う過程を含むものである。
【0027】
又(12)通信制御方法に於ける拡散ロングコードによる同定処理過程に於いて、複数の異なる拡散ロングコードの先頭タイミングを同一とし、この拡散ロングコードの周期内の異なるタイミングに於いて異なる拡散ロングコードによる同定を開始する過程を含むことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の原理説明図であり、移動局1と基地局2とを含み、基地局2は分散配置されると共に交換局等の上位局3と接続されたCDMA通信システムを示す。又基地局2は、受信部12と送信部13と制御部14とを含み、移動局1は、受信部4と、送信部5と、制御処理部6とを含むもので、この制御処理部6は、ショートコード同定部7と、ロングコード同定部8と、ロングコードテーブル9と、受信レベルテーブル10と、アンテナ11とを含むものである。
【0029】
基地局2は、制御部14の制御により送信部13から、前述のように、総て同一のパターンの拡散ショートコードと、各基地局2対応或いはセクタ対応に割当てられたそれぞれ異なるパターンの拡散ロングコード(以下「拡散」を省略する)とにより二重拡散変調し、且つロングコードの周期の先頭位置等の所定の位置でロングコードをマスク(反転ロングコードにより拡散変調)し、ショートコードのみにより拡散変調した拡散データとして送信する。
【0030】
又移動局1のショートコード同定部7は、例えば、マッチドフィルタと、ショートコード発生部と、タイミング検出部とを含み、又ロングコード同定部8は、例えば、ロングコード発生部と、スライディング相関器と、閾値判定部とを含むものである。そして、基地局2からの拡散データをアンテナ11を介して受信部4により受信処理し、制御処理部6のショートコード同定部7に於いてショートコードの同定処理を行う。
【0031】
このショートコードの同定の後に、ロングコード同定部8に於いて異なるロングコードを順次発生させてロングコードの同定処理を行う。この場合、受信レベルテーブル10に、ロングコードの同定処理過程に於ける受信レベル(相関値)を格納し、最大受信レベルとなるロングコードを採用して逆拡散復調するものである。それにより、正しいロングコードに同期して逆拡散復調用のロングコードを発生させることができる。
【0032】
又基地局2対応のセルが、図12に示すように、各基地局BS1,BS2,BS3のセルを分割したセクタに於いては、ロングコードがそれぞれ異なるが、ロングコードのタイミングは同期した状態となる。その場合は、例えば、奇数番目のセクタ対応に同定処理を行い、次に偶数番目のセクタ対応に同定処理を行うことにより、隣接セクタの干渉を低減して、正しいロングコードに迅速に引き込むことができる。
【0033】
図2は本発明の実施の形態の基地局の要部説明図であり、21はアンテナ、22は送信部、23〜25は平衡変調器等の変調部、26はショートコード発生部、27は反転ロングコード発生部、28はロングコード発生部、29はタイミング制御部であって、図1の送信部13と制御部14との要部を示し、受信部12の系統は図示を省略している。
【0034】
例えば、制御チャネルの制御データを変調部23に於いてショートコード発生部26からのショートコードにより拡散変調し、変調部24に於いて反転ロングコード発生部27からの反転ロングコードにより拡散変調し、変調部25に於いてロングコード発生部28からのロングコードにより拡散変調する。この時、反転ロングコードを、ロングコードの周期の先頭位置に於いて例えばショートコードの周期分だけ発生させる。それによって、ロングコードによる拡散変調が打ち消されることになり、その期間はショートコードのみにより拡散変調されることになる。そして、送信部22からアンテナ21を介して送信される。
【0035】
従って、図13に示すように、ロングコード周期の例えば先頭位置にショートコードのみによる拡散データSが送信される。又このショートコードのみによる拡散データSは、ロングコード周期内に所定のタイミングで複数箇所とし、移動局に於けるショートコードに対する同定処理を高速化することも可能である。
【0036】
図3は本発明の実施の形態の移動局の要部説明図であり、31はアンテナ、32は受信増幅処理部、33はマッチドフィルタ(MF)、34はタイミング検出部、35はショートコード発生部(SCG)、36は合成部、37はスライディング相関器(SCR)、38は相関値判定部、39はロングコード判定制御部、40は逆拡散処理部である。
【0037】
マッチドフィルタ33とタイミング検出部34とショートコード発生部35とにより、図1に於けるショートコード同定部7が構成され、合成部36とスライディング相関器37と相関値判定部38とロングコード判定制御部39とにより、図1に於けるロングコード同定部8が構成されている。又受信増幅処理部31は、高周波増幅器,復調器,AD変換器等を含み、受信レベルを識別できる複数ビット構成のディジタル信号として出力するものである。なお、スライディング相関器37は、既に知られている他の相関器とすることも可能である。
【0038】
図4は本発明の実施の形態のロングコード判定制御部の説明図であり、41は設定制御部、42はロングコード発生部、43はロングコードテーブル、44は受信レベルテーブルである。ロングコードテーブル43は、例えば、図12に示すように、基地局対応のセル1〜Nのそれぞれを6個のセクタ1〜6に分割した場合に於いて、各セクタ対応に、ロングコードSC11〜SC16,SC21〜SC26,・・・SCn1〜SCn6の初期値を格納したものである。
【0039】
設定制御部41は、ロングコードの同定処理過程に於いては、ロングコードテーブル43から順次ロングコードの初期値を読出してロングコード発生部42に設定するもので、ロングコード発生部42は、その初期値に従ったロングコードを発生して合成部36に加え、ショートコード発生部35(図3参照)からのショートコードと合成してスライディング相関器37に入力し、ショートコードとロングコードとにより二重拡散変調された受信拡散データについてロングコードの同定処理を行い、相関値判定部38に於いて相関値が閾値を超えたか否かを判定し、超えた時の受信レベルを受信レベルテーブル44に格納する。又超えなかった場合に、閾値を超えないことを受信レベルテーブル44に格納することもできる。
【0040】
受信レベルテーブル44は、例えば、相関値が閾値を超えた時のロングコードの初期値の番号と受信レベル(相関値)とを対応して記憶する構成とし、設定制御部41は、受信レベルが最大となる初期値の番号に対応するロングコードを採用して、ロングコード発生部42に設定し、逆拡散復調を行うことになる。この場合の受信レベルは、受信増幅処理部32(図3参照)に於けるAD変換されたディジタル信号が受信レベルに対応した値を示し、そのディジタル信号を用いてスライディング相関器37に於いて相関値を求めるから、ロングコード対応の最大相関値は、受信レベルに対応した値となり、従って、この相関値を受信レベルとして受信レベルテーブル44に格納することができる。
【0041】
図5は本発明の第1の実施の形態のフローチャートであり、例えば、図12に示すように、基地局対応にセルを6セクタに分割した場合を示し、初期設定として、セクタ数sect=6,カウンタ値i=1とし(A1)、マッチドフィルタ33(図3参照)に於いてショートコード発生部35からのショートコードによりショートコード同定を行う。
【0042】
この間がロングコードタイミング検出待ちとなり、ショートコードの同定が行われると、セル番号jとセクタ番号kとについて、j=INT(i/sect)+1、k=((i−1)MODsect)+1)の処理を行う(A2)。この場合、INTは小数点以下を切捨てた整数、MODはモジュロを示す。従って、最初は、i=1であるから、j=INT(1/6)+1=1,k=((1−1)MODsect)+1)=1となる。この場合、順次、セル番号jは1〜N、セクタ番号kは1〜6となる。
【0043】
そして、セル(j),セクタ(k)のコードを設定する。即ち、ロングコードテーブル43からセル番号j=1、セクタ番号k=1のロングコードSC11の初期値を読出してロングコード発生部42に設定する(A3)。
【0044】
次に、スライディング相関器37により相関値を求めて、相関値判定部38に於いて閾値を超えたか否かを判定し(A4)、相関値が閾値を超えない場合は、総てのロングコードをサーチしたか否かを判定し(A5)、総てのロングコードをサーチした場合、例えば、セル番号j=Nのセクタ番号k=6のロングコードSCn6までサーチした場合でも相関値が閾値を超えない場合、該当無しとする(A6)。
【0045】
又総てのロングコードをサーチしていない場合は、i=i+1とし(A7)、ステップ(A2)に移行する。この場合、j=1,i=2となり、ステップ(A3)に於いては、セル番号j=1、セクタ番号k=2のロングコードSC12の初期値をロングコード発生部42に設定することになる。
【0046】
又ステップ(A4)に於いて、相関値が閾値を超えた場合は、受信レベルテーブル44に受信レベル(相関値)を格納し(A8)、総てのセクタをサーチしたか否かを判定し(A9)、総てのセクタをサーチしていない場合は、k=k+1とし(A10)、セル(j),セクタ(k)のコードを設定する(A12)。即ち、セル番号j=1、セクタ番号k=1の時に相関値が閾値を超えた場合、ロングコードテーブル43からセル番号j=1、セクタ番号k=2のロングコードSC12の初期値を読出してロングコード発生部42に設定し、ステップ(A8)に移行して、その時の受信レベル(相関値)を受信レベルテーブル44に格納する。即ち、受信レベル(相関値)が閾値を超えた後の各セクタ対応の受信レベル(相関値)を受信レベルテーブル44に格納する。
【0047】
又総てのセクタをサーチした場合、即ち、セクタ番号k=6までサーチした場合は、最大受信レベルのセクタを採用する(A11)。即ち、同一の基地局の各セクタに対しては、ロングコードのタイミングは同一となり、このようなロングコードのタイミングが同一となるセクタ(或いはセル)を同一群とし、この群内に於いて受信レベル(相関値)が最大となるセクタを在圏セクタと判定し、そのセクタに於けるロングコードを採用して、ロングコード発生部42に設定することになる。従って、ロングコードの同定処理過程に於いて受信レベル(相関値)が閾値を超えた場合でも、同一群内には更に受信レベル(相関値)が大きい場合があるから、同一群内に於ける最大受信レベルのセクタを在圏セクタと判定して、そのセクタに於けるロングコードを採用することになる。それにより、誤同定を防止することができる。
【0048】
図6は本発明の第2の実施の形態のフローチャートであり、ステップ(B1)〜(B5)は、図5に於けるステップ(A1)〜(A5)と同一である。そして、ステップ(B5)に於いて総てのロングコードをサーチしていない場合は、i=i+2とし(B7)、ステップ(B2)に移行する。即ち、図5に於けるステップ(A7)では、i=i+1として順次カウンタを歩進させることにより、セクタ番号順にサーチが行われるが、この実施の形態に於いては、ステップ(B7)に於いて、i=i+2とすることにより、一つおきにセクタのサーチが行われることになる。この場合、初期値が1であるから、奇数番のセクタを順次サーチすることになる。
【0049】
そして、ステップ(B4)に於いて相関値が閾値を超えない場合で、且つステップ(B5)に於いて総てのロングコードをサーチした場合、即ち、j=INT(i/sect)+1=N、k=((i−1)MODsect)+1=6となった場合、セクタの偶数番をサーチしたか否かを判定し(B6)、偶数番をサーチしていない場合は、i=2として(B8)、ステップ(B2)に移行する。即ち、奇数番のセクタのサーチが終了したことになるから、次は偶数番のセクタを順次サーチすることになる。この偶数番のセクタのサーチが終了しても、相関値が閾値を超えない場合は該当無し(B9)とする。
【0050】
又相関値が閾値を超えた場合、受信レベルテーブル44に受信レベル(相関値)を格納し(B10)、k=1とする(B11)。そして、総てのセクタをサーチしたか否かを判定し(B12)、サーチ済みでない場合は、測定済みのセクタか否かを判定し(B13)、測定済みのセクタの場合は、k=k+1として(B16)、ステップ(B12)に移行する。又測定済みのセクタでない場合は、その時点のセル番号jのセクタ番号kのロングコードの初期値をロングコード発生部42に設定し(B14)、その時の受信レベル(相関値)を受信レベルテーブル44に格納し(B15)、k=k+1として(B16)、ステップ(B12)に移行する。
【0051】
又ステップ(B12)に於いて、総てのセクタをサーチしたと判定した場合は、最大受信レベルのセクタを採用する(B17)。即ち、受信レベルテーブル44に格納された受信レベル(相関値)の中の最大値のセクタを在圏セクタと判定し、そのセクタ対応のロングコードを採用して、その初期値をロングコード発生部42に設定する。
【0052】
この実施の形態に於いては、セクタを一つおきにサーチして、受信レベル(相関値)が閾値を超えたか否かを判定し、超えた時に、そのセクタが属するセル内のサーチ未済のセクタについてサーチして、最大受信レベルのセクタを識別し、そのセクタ対応のロングコードに同定するものであり、カウンタ値iを順次+1とする場合に比較して、高速サーチが可能となる。
【0053】
又ステップ(B7)に於いて、i=i+3として、セクタを二つおきにサーチすることも可能である。即ち、カウンタ値iの歩進数は1又は2に限定されないもので、セクタ数に対応して任意に設定することができる。
【0054】
図7は本発明の第3の実施の形態のフローチャートであり、優先コードによる同定処理を行い(C1)、次に、図5に於けるステップ(A1)〜(A12)と同様のステップ(C2)〜(C13)を実行するもので、ステップ(C13)に於いて最大受信レベルのセクタを採用すると共に、そのセクタ対応のロングコードを優先コードとして登録する(C14)。この登録された優先コードを、次回のロングコードの同定処理に利用するものである。
【0055】
又この優先コードによる同定処理(C1)を行った後、図6に於けるステップ(B1)〜(B17)を実行することも可能である。即ち、ステップ(C5)に於いて、相関値が閾値を超えない場合に、同一タイミングのロングコードの群内、例えば、同一基地局の各セクタを順次サーチするか、又は一つおきにサーチすることができる。
【0056】
図8は本発明の第3の実施の形態の優先コードによる同定処理のフローチャートであり、j=優先コードのセル、k=優先コードのセクタとして(C21)、このセル番号j、セクタ番号kのロングコードの初期値をロングコードテーブル43から読出してロングコード発生部42に設定し(C22)、相関値が閾値を超えたか否かを判定する(C23)。
【0057】
そして、相関値が閾値を超えない場合、総ての優先コードをサーチした否かを判定し(C24)、サーチが終了していない場合は、次の優先コードを設定して(C31)、ステップ(C22)に移行する。又総ての優先コードをサーチした場合は、該当無しとして(C30)、図7に於けるステップ(C2)に移行する。又相関値が閾値を超えた場合は、受信レベルテーブル44に受信レベル(相関値)を格納し(C25)、総てのセクタをサーチしたか否かを判定し(C26)、サーチ済みの場合は、最大受信レベルのセクタを採用する(C27)。又サーチ済みでない場合は、k=k+1とし(C28)、セル番号j、セクタ番号kのロングコードの初期値をロングコード発生部42に設定し(C29)、ステップ(C25)に移行する。この場合、ステップ(C24)に於ける閾値を超えた否かの判定を行うことなく、受信レベルテーブル44に受信レベル(相関値)を格納することになる。
【0058】
従って、優先コードによる同定処理を開始して、相関値が閾値を超えると、そのセクタが属するセル内の全セクタ(ロングコードが同一タイミングの群内)についてサーチし、最大受信レベルのセクタを在圏セクタとして、そのセクタ対応のロングコードの初期値をロングコード発生部に設定して、基地局からの拡散データの受信逆拡散復調を行うことになる。
【0059】
図9は本発明の第3の実施の形態の優先コードテーブルの説明図であり、優先コードを複数設定する場合について示し、(A)は、例えば、5個の優先コードを設定するテーブルを備え、(a)に示すようにロングコードに対応する優先コードCode13,Code22,Code15,Code32,Code55が優先コードテーブルに格納されている場合に、(b)に示すように、新たに、優先コードCode11が格納される場合、最も古い優先コードCode55が抹消される。
【0060】
即ち、図7に於けるステップ(C14)に示すように、優先コードとして登録する場合に、先に登録された優先コードを順次シフトし、最古の優先コードをシフトアウトし、優先コードテーブルの先頭に最新の優先コードを格納する。そして、ステップ(C1)の優先コードによる同定処理は、優先コードテーブルの先頭から優先コードを読出して、図8に於けるステップ(C21)〜(C29)を実行する。
【0061】
その場合に、ステップ(C23)に於いて相関値が閾値を超えない場合は、ステップ(C21)に移行して次の優先コードによる同定処理を開始し、優先コードテーブルに格納された優先コードについての同定処理が終了しても、相関値が閾値を超えない場合には、図7に於けるステップ(C2)に移行することができる。
【0062】
又図9の(B)は、優先コードCode13,Code22,Code15,Code32,Code55対応に登録回数を格納し、優先コードによる同定処理を、登録回数の多い順番に行うことができる。この優先コード対応の登録回数を格納する優先コードテーブルの場合、ロングコードの総てに対して登録回数を格納する構成とすることも可能であるが、ロングコードの総数が多くなると、登録回数の順番のサーチ時間が無視できなくなる場合がある。
【0063】
又(C)は、(a)に示す優先コードテーブルに対して(b)に示す補助テーブルを設け、優先コードによる同定処理は、登録回数の多い順番に行うものであるが、更に、優先コードテーブルに登録されていないロングコードを用いた場合、補助テーブルに登録し、その登録回数が優先コードテーブルに格納された優先コードの登録回数を超えた時に、入替えを行うように処理することができる。
【0064】
又この補助テーブルを所定の期間毎にクリアし、新たなロングコードを使用した場合に補助テーブルに格納し、そのロングコードを繰り返し使用した場合に、優先コードテーブルに格納できるようにすることも可能である。又優先コードテーブルの登録回数について、他のロングコードを使用した回数に対応して減算するように構成し、優先順位の入替えを可能とすることができる。
【0065】
図10は本発明の実施の形態のスライディング相関タイミングの説明図であり、(A)は、ショートコードの同定により、ロングコードのタイミングが確定した場合に於いて、ロングコード周期の一部の期間を用いて、それぞれロングコードCD1,CD2,CD3,・・・のように同定処理を行う場合を示す。即ち、ロングコードテーブル43(図4参照)から順次セル番号,セクタ番号の順序に従ってロングコードの初期値を読出してロングコード発生部42に設定し、ロングコード周期の先頭タイミングからロングコードを発生させて、スライディング相関器37により相関値を求め、相関値判定部38に於いて閾値を超えたか否かを判定する同定処理を行うものである。
【0066】
又(B)は、それぞれ異なるロングコードCD1,CD2,CD3,・・・をT0のタイミングでスタートさせ、例えば、ロングコードCD1については期間t1に於いて相関値が閾値を超えたか否かを判定し、ロングコードCD2については期間t2に於いて相関値が閾値を超えたか否かを判定し、ロングコードCD3については期間t3に於いて相関値が閾値を超えたか否かを判定することを繰り返す場合を示す。
【0067】
図11は本発明の実施の形態のロングコード設定の説明図であり、(A)は、前述のロングコードCD1,CD2,・・・対応のロングコード発生部51−1,51−2,・・・51−nを備え、それぞれ異なるロングコードCD1,CD2,・・・CDnの初期値を設定して同時にスタートさせ、切替スイッチ52により、図10の(B)のT0,T1,T2,・・・のタイミング対応に切替えてスライディング相関器53に入力する場合を示し、ロングコードのスタートタイミングでない場合の期間t2以降に於いても、順次ロングコードの同定処理を継続することができる。従って、高速同定が可能となる。
【0068】
図11の(B)は、コードテーブル55−1,55−2,・・・55−nを備え、切替スイッチ56により切替えてロングコード発生部57にロングコードの初期値を設定する場合を示し、コードテーブル55−1には、ロングコードCD1の初期値が格納され、コードテーブル55−2には、ロングコードCD2の期間t1後のT1のタイミングに於ける値が格納され、コードテーブル55−3には、ロングコードCD3の期間t2後のT2のタイミングに於ける値が格納されている。以下同様に、それぞれのタイミングに於けるロングコードの値がコードテーブルに格納されている。
【0069】
従って、T0のタイミングでロングコードCD1の初期値がロングコード発生部57に設定されて、ロングコードCD1が発生され、T1のタイミングでは、ロングコードCD2の期間t1後のロングコードの値がロングコード発生部57に設定され、ロングコード発生部57は、タイミングT0でスタートさせた場合のロングコードCD2を発生することになる。この実施の形態によれば、ロングコードの周期が例えば242の場合、42ビットのロングコードの値をロングコードの種類数格納すれば良いから、僅かな記憶容量のメモリで済むことになり、前述の(A)に示す構成に比較してハードウェアの小型化を図ることができる。
【0070】
本発明は、前述の各実施の形態にのみ限定されるものではなく種々付加変更することができるものであり、例えば、ロングコードの同一タイミングの群としては、基地局に属する複数のセクタのみでなく、同一の上位局に接続された複数の基地局に於けるロングコードが同一タイミングとなる場合にも適用できるものである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ロングコードとショートコードとにより二重拡散変調され、且つロングコードの周期の所定位置毎にショートコードのみにより拡散変調された拡散データを基地局2から送信し、移動局1は、ショートコード同定部7によりショートコードによる同定を行い、そのタイミングを基にロングコード同定部8によりロングコードの同定を行う2段階サーチを行うと共に、ロングコードの同一タイミングの群内について、ロングコードの同定を仮の同定とし、その群内の受信レベル(相関値)を求めて受信レベルテーブル10に格納し、最大受信レベル対応のロングコードを在圏ロングコードとして採用するものであり、同定処理の順序を任意に選定しても、誤同定が生じる虞れを回避できる利点がある。又同定処理の順序を一つおき等とすることにより、順次同定処理を行う場合に比較して同定処理の高速化を図ることも可能である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の基地局の要部説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の移動局の要部説明図である。
【図4】本発明の実施の形態のロングコード判定制御部の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態のフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態のフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態の優先コードによる同定処理のフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態の優先コードテーブルの説明図である。
【図10】本発明の実施の形態のスライディング相関タイミングの説明図である。
【図11】本発明の実施の形態のロングコード設定の説明図である。
【図12】セル及びセクタの説明図である。
【図13】2段階サーチ法の説明図である。
【符号の説明】
1 移動局
2 基地局
3 上位局
4 受信部
5 送信部
6 制御処理部
7 ショートコード同定部
8 ロングコード同定部
9 ロングコードテーブル
10 受信レベルテーブル
12 受信部
13 送信部
14 制御部

Claims (10)

  1. 複数の基地局と複数の移動局とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於いて、
    前記基地局は、拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行うと共に、該拡散ロングコードの周期内の所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信する構成を有し、
    前記移動局は、前記拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、前記拡散ロングコードの同定処理を行い、該拡散ロングコードの同定により該拡散ロングコードの同一タイミングの群内について他種の拡散ロングコードによる同定処理を行って受信レベルテーブルを形成し、該受信レベルテーブル内の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用する構成を有する
    ことを特徴とするCDMA通信システム。
  2. 複数の基地局と複数の移動局とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於いて、
    前記基地局は、拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行うと共に、該拡散ロングコードの所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信する構成を有し、
    前記移動局は、前記拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、前記拡散ロングコードの同一タイミングの群内を複数に分割し、1分割群について同定処理を行って同定できない時に他の分割群について同定処理を行い、前記拡散ロングコードの同定により前記同一群内についての受信レベルテーブルを形成し、該受信レベルテーブル内の最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用する構成を有する
    ことを特徴とするCDMA通信システム。
  3. 複数の基地局と複数の移動局とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於ける前記移動局に於いて、
    拡散ロングコードと拡散ショートコードとにより拡散変調を行い、且つ該拡散ロングコードの周期内の所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを受信して、前記拡散ショートコードの同定処理を行うショートコード同定部と、
    該ショートコード同定部によるショートコードのタイミングを基に前記拡散ロングコードの同定処理を行うロングコード同定部と、
    該ロングコード同定部によるロングコードの同定処理に於ける閾値を超えた相関値に相当する受信レベルを格納する受信レベルテーブルとを備え、
    該受信レベルテーブルの最大受信レベル対応の拡散ロングコードを在圏拡散ロングコードとしてロングコード発生部に設定する構成を有する
    ことを特徴とする移動局。
  4. 前記ロングコード同定部は、設定制御部と、ロングコード発生部と、ロングコードテーブルとを有し、
    前記設定制御部は、前記ロングコードテーブルから拡散ロングコードの初期値を読出して前記ロングコード発生部に設定し、該ロングコード発生部からの拡散ロングコードによる相関値が閾値を超えた時に、同一タイミングのそれぞれ異なる拡散ロングコードについて順次前記ロングコード発生部から発生させるように制御し、且つ該拡散ロングコード対応の閾値を超えた相関値に相当する受信レベルを前記受信レベルテーブルに格納し、該受信レベルテーブルの最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用して前記ロングコード発生部に設定する構成を有することを特徴とする請求項3記載の移動局。
  5. 前記設定制御部は、同一タイミングのそれぞれ異なる拡散ロングコードの群内を複数に分割し、分割群内について順次異なる拡散ロングコードの初期値を前記ロングコード発生部に設定し、該ロングコード発生部からの拡散ロングコードによる相関値が閾値を超えた時に、前記群内の前記拡散ロングコード対応の受信レベルを前記受信レベルテーブルに格納し、該受信レベルテーブルの最大受信レベル対応の拡散ロングコードを採用して前記ロングコード発生部に設定する構成を有することを特徴とする請求項3記載の移動局。
  6. 前記ロングコード同定部は、複数種類の拡散ロングコードの初期値を設定してそれぞれ異なる拡散ロングコードを同一タイミングで発生する複数のロングコード発生部と、該複数のロングコード発生部からの拡散ロングコードを、該拡散ロングコードの周期内に於いて順次切替えて出力する切替スイッチと、該切替スイッチを介して出力された拡散ロングコードを加える相関器とを有することを特徴とする請求項3又は4記載の移動局。
  7. 前記ロングコード同定部は、複数種類の拡散ロングコードの先頭タイミングからそれぞれ異なるタイミングに於ける値を格納したコードテーブルと、該コードテーブルに格納されたそれぞれ異なるタイミングに於ける拡散ロングコードの値を切替えてロングコード発生部に設定する切替スイッチとを有することを特徴とする請求項3又は4記載の移動局。
  8. 複数の基地局と複数の移動局とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於ける通信制御方法に於いて、
    前記基地局から拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行い、且つ該拡散ロングコードの周期内の所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信し、
    前記移動局は、前記拡散ショートコードの同定によるタイミングを基に、前記拡散ロングコードの同定処理を行い、該拡散ロングコードの同定により該拡散ロングコードの同一タイミングの群内についてそれぞれ異なる拡散ロングコードによる同定処理を行うと共に受信レベルを検出し、該受信レベルを受信レベルテーブルに格納し、該受信レベルテーブル内の最大受信レベルに対応する拡散ロングコードを採用して逆拡散復調を行う過程を含む
    ことを特徴とする通信制御方法。
  9. 複数の基地局と複数の移動局とを含む非同期方式のCDMA通信システムに於ける通信制御方法に於いて、
    前記基地局から拡散ロングコードと拡散ショートコードとによる拡散変調を行い、且つ該拡散ロングコードの周期内の所定位置に前記拡散ショートコードのみによる拡散変調を行った拡散データを送信し、
    前記移動局は、前記拡散ロングコードの同一タイミングの群内を複数に分割し、1分割群についてそれぞれ異なる拡散ロングコードにより同定処理を行い、同定できない時に他の分割群についてそれぞれ異なる拡散ロングコードにより同定処理を行い、同定できた時に、前記群内に於けるそれぞれ異なる拡散ロングコード対応の受信レベルを検出して受信レベルテーブルに格納し、該受信レベルテーブル内の最大受信レベルに対応する拡散ロングコードを採用して逆拡散復調を行う過程を含む
    ことを特徴とする通信制御方法。
  10. 前記拡散ロングコードによる同定処理過程に於いて、複数の異なる拡散ロングコードの先頭タイミングを同一とし、該拡散ロングコードの周期内の異なるタイミングに於いて前記異なる拡散ロングコードによる同定を開始する過程を含むことを特徴とする請求項8又は9記載の通信制御方法。
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