JP3747345B2 - 直流電源装置及び空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交流電源からの交流を直流に変換する直流電源装置およびこの直流電源装置を用いた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、直流電源装置ではより多くの有効電力を取り出すには、電源力率を改善することが有効であり、このために簡易的に電源力率を改善する方法が提案されている。また、電源力率を改善することにより、近年問題となりつつある電源の高調波電流を低減できる場合が多く、国内外の高調波電流規制にも対応することができる。
【0003】
このような直流電源装置の力率を改善する従来の方法としては、例えば特開平2−299470号に開示されたものがある。これは、交流入力電圧が零点を通過した後の適当な短期間にのみスイッチング素子をオンして、交流電源の両端を、リアクタを介して、短絡することにより、交流電源電流の導通期間を拡大し、電源力率を改善している。
【0004】
また、従来の他の電源力率の改善方法としては、例えば、特開平7−7946号に開示されたものがある。これも同様に交流電圧の零点通過時刻から所定の遅延時間後にスイッチング素子を所定時間オンすることにより、電源力率を改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の力率改善方法はいずれも交流電圧の零点通過時刻から適当な遅延時間後に所定時間、交流電源の両端をリアクタを介して短絡し、これにより電流波形の導通角を拡大して、電源力率を改善するものであるので、リアクタを短絡することにより、リアクタから「ジー」というような不快な騒音が発生するという課題がある。
【0006】
図12は、この種の従来のリアクタ101の一例の概略縦断面図であり、これは箱状のケース102内に、コア103に図示省略した巻線を巻き付けてなるリアクタ本体104を収容することにより、リアクタ本体104の外面をケース102により覆って防音を図っている。
【0007】
しかし、このような従来のリアクタ101ではリアクタ本体104をケース102の内底面にねじ105により直接固定しているために、却ってケース102自体がリアクタ本体104の振動に共鳴したり、リアクタ本体104の異音が複数の通気孔106からケース102の外部に漏れてしまうので、防音効果が必ずしも高くないという課題がある。
【0008】
そこで本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、リアクタの短絡による不快な騒音を簡単な構成により経済的に低減し得る直流電源装置およびこの直流電源装置を用いた空気調和機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の直流電源装置は、交流電源からの交流を直流に整流する整流回路と、この整流回路からの直流を平滑するコンデンサと、上記整流回路の交流入力側に直列に挿入され、防音手段および防振手段の少なくとも一方を備えたリアクタと、スイッチング素子のオンのときに上記交流電源を上記リアクタを介して短絡してこのリアクタに強制的に通電する短絡回路と、上記交流電圧の各ゼロクロスから所定の短期間上記スイッチング素子をオンさせると共に、この第1のオンの後所定の遅延期間後上記短期間よりも短かい期間上記スイッチング素子を再びオンさせる制御手段と、を具備していることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、電源交流のゼロクロスから所定期間は短絡回路のスイッチング素子が制御手段によりオンされるので、この交流電源の出力側両端がリアクタと短絡回路を介して短絡される。このために、リアクタが強制的に通電されるので、入力電圧<キャパシタ電圧の区間においてもリアクタに電気エネルギーを蓄積させることができ、交流電源の電気導通角を拡大させることができる。したがって、リアクタの大型化を招かずに力率改善と高調波低減とを共に図ることができる。
【0014】
また、このスイッチング素子を上記第1のオンの後、再び短期間オンさせるので、リアクタの電流急変により発生する騒音を低減させこるとができる。
【0015】
そして、この再短絡が所定の期間よりずれて行なわれたときにはリアクタから騒音が発生するが、この騒音の音響パワーは低いので、この騒音はリアクタの防振手段と防音手段の少なくとも一方により、十分に低減することができる。
【0026】
請求項2の空気調和機は、交流を直流に変換するコンバータ装置と、このコンバータ装置で変換された直流を可変電圧、可変周波数の交流に変換して圧縮機駆動電動機または送風機駆動電動機に供給するインバータ装置と、を備えた空気調和機において、前記コンバータ装置として請求項1記載の直流電源装置を用いたことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、直流電源装置の力率改善により高力率運転が可能なので空気調和機の消費電力の低減、最大能力の向上が図れる。さらには、空気調和機の騒音、振動の低減が可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を参照して説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0029】
図1は本発明の第1の実施形態に係る直流電源装置1の電子回路図であり、この直流電源装置1は商用電源等の交流電源2の一方の出力端にリアクタ3の一端を直列に接続している。このリアクタ3の他端は、4個のダイオードからなり、導通方向を一方向に揃えている第1のダイオードブリッジ4と、全波整流器の一端を構成している第2のダイオードブリッジ5のそれぞれの一方の入力端に接続されている。第1,第2のダイオードブリッジ4,5のそれぞれの他方の入力端は交流電源2の他方の出力端に接続されている。
【0030】
第1のダイオードブリッジ4の両出力端は例えばバイポーラトランジスタ、IGBT,MOSFETなどからなるスイッチング素子6のコレクタとエミッタ間に接続され、このスイッチング素子6がオンしたときに、第1のダイオードブリッジ4とリアクタ3を介して交流電源2の出力側の両端を短絡する短絡回路になるよう構成している。
【0031】
スイッチング素子6のゲートはマイクロプロセッサ等よりなる制御手段7に接続され、この制御手段7によってスイッチング素子6がオンオフ制御されるようになっている。
【0032】
制御手段7の入力側には例えばフォトカプラ、カレントトランスなどからなるゼロクロス検出手段8が接続され、このゼロクロス検出手段8の入力側は交流電源1の一方の出力端に接続されている。これにより、このゼロクロス検出手段8は交流電源2の交流電圧、すなわち図2で示すような正弦波の交流電源電圧ACが零点、すなわちゼロクロス点OXを通過する時点を検出し、この検出信号を制御手段7に供給するものである。
【0033】
制御手段7は、このゼロクロス点OXから所定のオン期間ton、図2で示す力率改善パルスPaをスイッチング素子6に与えると共に、この力率改善パルスPaよりも所定の遅延期間t1 後、パルス幅が非常に小さな騒音低減パルスPbをスイッチング素子6に与えるものである。
【0034】
力率改善パルスPaは直流電源装置1の力率改善と高調波低減の目的のために、電源電圧波形ACの各ゼロクロス点OXから所定期間ton(例えば数mmsec )出力されるパルスである。騒音低減パルスPbは力率改善パルスPaによりリアクタ3が強制的に通電されて通電電流が急変することにより発生するリアクタ3の騒音を低減するために、各力率改善パルスPaに所定の遅延期間t1 後追加されるパルスであり、各力率改善パルスPaのオン終了点t0 から所定の遅延期間t1 後、所定期間(再オン期間)t2 出力されるものである。この騒音低減パルスPbのオン期間(再オン期間)t2 は力率改善パルスPaのオン期間ton(パルス幅)よりも十分に短かい期間(t2 <<ton)に設定されている。
【0035】
そして、各力率改善パルスPaと騒音低減パルスPbとの遅延期間t1 と、各騒音低減パルスPbの再オン期間t2 の各々の最適値はリアクタ3の固有振動数の波長λのほぼ1/6程度であり、例えば約20μsec 前後の極めて短かい時間である。
【0036】
したがって、これらの力率改善パルスPaおよび騒音低減パルスPbが制御手段7によりスイッチング素子6に与えられると、このスイッチング素子6がオン状態に駆動し、これにより第1のダイオードブリッジ4とリアクタ3を介して交流電源2の出力側両端が短絡する。この結果、第1のダイオードブリッジ4とリアクタ3を介して交流電源2が短絡されることにより、電源力率の改善と高調波低減とを共に図ることができると共に、騒音低減パルスPbによりスイッチング素子6がオンした場合には、電源力率の改善のためにリアクタ3が短絡され、リアクタ3に流れる電流が急変することにより発生する騒音を低減することができる。
【0037】
そして、第2のダイオードブリッジ5の出力端は倍電圧コンデンサ9,10と平滑用電解コンデンサ11を介して負荷12に接続されている。これにより交流電源2からの交流電圧が第2のダイオードブリッジ5と倍電圧,平滑用電解コンデンサ9,10,11により倍電圧整流され、かつ平滑されて直流電圧として負荷12に供給されるようになっている。
【0038】
したがって、交流電源2から交流電圧が出力されると、この交流電圧はリアクタ3を介して第2のダイオードブリッジ5と倍電圧,平滑用電解コンデンサ9,10,11からなる倍電圧整流回路に供給されて直流電圧として負荷12に供給されると共に、この交流電圧がゼロクロス点OXを通過すると、このゼロクロス点OX通過がゼロクロス検出手段8により検出され、この検出信号により制御手段7が駆動される。
【0039】
これにより、制御手段7は、交流電圧のゼロクロス点通過後に図2で示す力率改善パルスPaと騒音低減パルスPbを所定期間発生してスイッチング素子6に与える。
【0040】
スイッチング素子6は力率改善パルスPaと騒音低減パルスPbに対応してオン状態に駆動する。このために、第1のダイオードブリッジ4とリアクタ3を介して交流電源2の両端が短絡する。これにより、力率改善パルスPaに応答してスイッチング素子6がリアクタ3を介して交流電源2が短絡し、入力電圧<キャパシタ電圧の区間においてもリアクタ3が通電され電気エネルギーを蓄積させることができ、交流電源2の電気導通角が拡大される。このために、直流電源装置の電源力率を改善すると共に、高調波を低減することができる。
【0041】
また、騒音低減パルスPbに応答してスイッチング素子6がオン動作した場合には、力率改善パルスPaによってリアクタ3が短絡された後に、リアクタ3の短絡が解放されて短絡電流がオフとなる電流急変による騒音を低減することができる。
【0042】
図3は上記リアクタ3から出力される騒音の時間的変化を示しており、力率改善パルスPaのオフ時点t0 から約10mmsec までの騒音波形を示している。図3中、符号aは上記騒音低減パルスPbを設定期間通り、つまり図2に示すように力率改善パルスPaのオン期間ton終了時t0 から所定の遅延期間t1 を置いて所定期間t2 オンさせるタイミングでスイッチング素子6に与えたときの騒音波形を示しており、この場合の騒音はこれら期間t1 +t2 の後はほぼゼロに低減される。
【0043】
また、符号bは騒音低減パルスPbを使用しない場合、あるいは騒音低減パルスPbの上記所定期間(t1 +t2 )を正確に確保できない場合の騒音波形を示しており、この場合は交流波形ACの半サイクル毎に非常に大きな騒音(約20dB(A)増加)が発生する。例えば、制御手段7に別の処理のために割込が発生した場合、上記遅延、再オン期間t1 ,t2 が極めて短かい時間での制御であるので、これら期間t1 ,t2 を正確に確保できないときは、音質的には例えば「ピー」という音が間欠的に発生することがある。
【0044】
しかし、この騒音波形bはリアクタ3の固有振動数の周期Tで繰り返しているので、騒音低減パルスPbの遅延期間t1 と再オン期間t2 の全体をこの周期Tだけずらす(t1 +t2 +T=α)と、図3中α点以後は騒音がほぼゼロになる。したがって、この場合の騒音放射時間tは力率改善パルスPaのオフ時点t0 からα(t1 +t2 +T)までとなり、図3中、騒音波形eで示される。
【0045】
上述したように、上記遅延期間t1 と再オン期間t2 が極めて短かい時間であるので、制御手段7に別の処理のために割込が発生した場合には、これら期間t1 ,t2 を正確に確保することに失敗する場合がある。この場合は図3中符号bで示す騒音を発生する。このような課題に対応するために、制御手段7は、これら期間t1 ,t2 の設定方法を例えば2種類S1(遅延期間t1 用),S2(再オン期間t2 用)設定し、さらにこれら設定方法S1,S2の組合せを複数組用意し、これらの組合せを割込制御等の状況に応じて適宜選択し得るように構成している。
【0046】
すなわち、制御手段7はS1=t1 +TのときにS2=t2 ,S1=t1 +TのときにS2=t2 +T,S1=t1 のときにS2=t2 +Tにそれぞれ設定している。したがって、例えば制御手段7の割込制御等により遅延期間t1 を選択できないときは、その遅延期間t1 を1周期T分遅らせたt1 +Tとし、これに対応して再オン期間も1周期T遅らせる等の制御を行なう。これにより上記所定期間t1 ,t2 を常に正確に確保することができるので、これら期間t1 ,t2 の正確な確保に失敗した時の騒音の発生を未然に防止することができる。
【0047】
図3中、符号cは騒音低減パルスPbを使用した上で、時たま騒音が発生する場合を示している。但し、この場合の騒音は時たましか発生しないうえに、音響パワーも小さいので、簡単な防音手段で有効に低減することができる。
【0048】
図4はその符号cで示す騒音を低減する場合に好適なリアクタ3の第1の実施形態を示す縦断面図である。このリアクタ3は防振手段を設けた点に特徴があり、箱体のケース13内に、例えば角筒状リアクタ本体14を収容し、このリアクタ本体14の底板14aをケース13内の内底面上に複数の防振材15を介して固定している。
【0049】
ケース13はその例えば側壁の高さ方向ほぼ中間部において複数の通気口16を開口している。リアクタ本体14は例えばEI型等のコア14bに図示しない巻線を巻き付けて構成されており、コア14bにはエアーギャップ14cを設けている。
【0050】
ところで、リアクタ3の騒音のほぼ半分はこのリアクタ本体14のコア14b自体の振動から発生し、その残りのほぼ半分はこのコア14bの振動が伝播されたケース13の振動から発生する。
【0051】
したがって、このリアクタ3によれば、コア14bからケース13に伝播される振動を複数の防振材15により防振するので、ケース13の振動に起因する騒音を低減することができる。
【0052】
図5は本発明の第2実施形態に係るリアクタ3Aの縦断面図である。これはケース13内に収容されたリアクタ本体14の底板14aをケース13内の内底面上に複数のねじ17等により固定するが、ケース13内面とリアクタ本体14との間隙に防音材18を充填した点に特徴がある。
【0053】
防音材18としては遮音材や吸音材、あるいはケース13の内面や外面に接合されて防振する制振材を含む。
【0054】
このリアクタ3Aによれば、コア14b自体の振動と、このコア14bからケース13に伝播される振動に起因する騒音を防音材18により低減することができる。この防音材18は図4で示すリアクタ3のケース13内とリアクタ本体14との間隙に充填してもよい。
【0055】
しかも、これらリアクタ3,3Aを含む直流電源装置1は図2で示す騒音低減パルスPbを使用するので、リアクタ3,3Aから時たま騒音が発生する場合でも、その騒音の音響パワーは小さい。このために、リアクタ3,3Aの騒音も、図3中符号dで示す騒音波形まで低減することができる。また、このようにリアクタ3,3Aの騒音低減の効果も大きく、防音ないし防振手段も簡単な構成で済むので、コア14bの巻線温度の上昇を抑制し得る程度に防音材18の充填密度を低下させても騒音を低減することができる。したがって、リアクタ3,3Aの放熱性も向上させることができる。
【0056】
図6は本発明の第3の実施形態に係るリアクタ3Bの縦断面図を示している。このリアクタ3Bはリアクタ本体14の各外面とケース13の各内面との各間隙gをリアクタ本体14の固有振動数の波長λ(1/T)のほぼ1/4(g=λ/4)に設定した点に特徴がある。なお、図6中、符号19は各ねじ17に外嵌されたスリーブ状のスペーサであり、リアクタ本体14の底板14aの底面とケース13の内底面との間隙を上記gに設定するものである。なお、スペーサ19を所要の防振材ないし防音材により形成することによりリアクタ本体14からケース13に伝播される振動、すなわち騒音を低減することができる。
【0057】
そして、これら各間隙gの往復距離は(λ/4)+(λ/4)=λ/2となるので、リアクタ本体14の外面から放射される騒音波と、この騒音波がケース13の内面に反射して再びリアクタ本体14の外面に戻る反射波とが相互に逆位相(λ/2)となり、これらが互いに打ち消し合うので、騒音を低減することができる。
【0058】
図7は本発明の第4の実施形態に係るリアクタ3Cの模式図である。このリアクタ3Cはリアクタ本体14の軸方向、つまり図7ではY方向に沿う前面14dと後面14eとに正対するケース13の前面13aと後面13bとに、前後一対の通気口19a,19bをそれぞれ穿設し、その一方、例えば前面通気口19aを、他方の後面通気口19bよりも低い位置に穿設した点に特徴がある。
【0059】
すなわち、図8,図9に示すように、リアクタ本体14の振動は主にZ方向とX方向とに発生する膨張と収縮の繰返しに起因し、Y方向、つまり前後(軸)方向では振動が殆ど発生しない。しかも、リアクタ本体14の振動数は約10KHz程度の高周波であるので、極めて指向性の高い騒音となる。このために、リアクタ本体14の前後方向(Y方向)への騒音放射量は極めて少ない。
【0060】
したがって、このリアクタ本体14の騒音放射の少ない面と正対する位置に通気口19をケース13に形成しているので、これら通気口19から外部へ放射される騒音を低減することができる。
【0061】
また、ケース3の前面通気口19aからケース13内に流入した外気は運転中のリアクタ本体14を冷却する一方、そのジュール熱により加熱されて昇流し、前面通気口19aよりも高い位置で開口している後面通気口19bから再び外気へ放出される。すなわち、前,後面通気口19a,19bの一方を他方よりも高い位置に設けているので、ケース3内の空気の自然対流による通風を向上させることができる。これにより、リアクタ本体14の放熱効率を向上させることができる。
【0062】
図10は本発明の第5の実施形態に係るリアクタ3Dの縦断側面図である。このリアクタ3Dは図6で示す第3の実施形態に、図7で示す第4の実施形態を適用した点に特徴がある。
【0063】
すなわち、リアクタ3Dはリアクタ本体14の各面とケース13の各内面との間隙gをリアクタ本体14の固有振動数の波長のほぼ1/4に設定すると共に、ケース13の前面13aの下部に複数の前面通気口19aを穿設し、ケース13の後面13bの上部に複数の後面通気口19bを穿設した点に特徴がある。したがって、上記第3,第4の実施形態と同様の効果をそれぞれ奏することができ、なお一層の騒音の低減を図ることができる。さらに、ケース13自体を制振材により形成し、あるいはケース13の内壁と外壁には必要に応じて制振材を施してもよく、さらにまた、各通気口19a,19bには通気性の防音部材を取り付けてもよい。
【0064】
図11は上述した直流電源装置を適用した空気調和機の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態は交流を直流に変換するコンバータ装置としての直流電源装置と、この直流電源装置から出力された直流を可変電圧、可変周波数の交流に変換して圧縮機駆動電動機に供給するインバータ装置とを備えている。ここに使用した直流電源装置は、図1に例示したものの応用であり、図1中の制御手段7として、ベースドライブ電源43とホトカプラ49とゼロクロス検出器44および室外制御部45を有するものである。また、負荷抵抗12(RL)の代りに、インバータ装置20を介して、圧縮機駆動電動機21が接続されている。そして、リアクタLinには上述した防音手段または防振手段を設けている。
【0065】
この空気調和機は室内機と室外機とでなり、室内機を交流電源に接続する構成になっている。そして、室内機においては交流電源31から、ノイズフィルタ32を介して、室内制御部33に動作電力を供給するようになっている。室内制御部33にはリモコン装置34からの指令を受信する受信部35、室内温度を検出する温度センサ36、図示省略の室内熱交換器を通して風を室内に循環させる室内ファン38、吹出し空気の方向を変えるルーバ39が接続されている。
【0066】
一方、室外機においても、ノイズフィルタ41を介して、交流電源31から室外制御部45および圧縮機駆動電動機21に動作電力を供給するようになっている。この場合、ノイズフィルタ41の負荷側に電流値検出器42が設けられ、その検出信号が室外制御部45に入力される。また、ノイズフィルタ41の負荷側の交流電圧を監視して、ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出器44が設けられ、その検出信号が室外制御部45に入力される。室外制御部45には、さらに、室外熱交換器の温度を検出する温度センサ46、運転モードに応じて冷媒の循環方向を変える四方弁47、図示省略の室外熱交換器に風を送り込む室外ファン48とが接続されている。また、室外制御部45は室内制御部23と送受信してインバータ装置20を制御すると共に、ホトカプラ49にパルス電流を供給してトランジスタQ1をオン操作する構成になっている。
【0067】
上記のように構成された空気調和機の実施形態の概略動作について以下に説明する。まず、リモコン装置34から運転開始、運転モード、室内設定温度、室内ファンの風速、風向等の指令が受信部35を介して室内制御部33に加えられる。これに応じて室内制御部33は運転状態等を表示器37に表示し、室内ファン38およびルーバ39の駆動制御を実行すると共に、設定温度と室内温度との偏差に応じて圧縮機駆動電動機21を駆動する電源周波数(以下圧縮機周波数という)を演算し、運転モード信号と併せて圧縮機周波数信号を室外制御部45に送信する。
【0068】
室外制御部45は運転モード信号に応じて四方弁47を励磁(または非励磁)状態とし、圧縮機周波数に従ってインバータ装置20を制御し、室外ファン48を駆動すると共に、温度センサ46の検出信号等によって四方弁47を制御して除霜運転等を行なう。また、室外制御部45は電流値検出器42による電流検出値が予め設定された制限値を超えないように、圧縮機周波数の補正等も行なう。さらに、室外制御部45は直流電源装置を構成するリアクタLinに対する強制通電制御をも実行する。室外制御部45はこの強制通電制御によって、電源高周波の低減および力率の向上を図るようになっている。
【0069】
このように空気調和機に適用することにより、室外機の騒音を低減でき、さら、圧縮機の電源の力率が改善され消費電力を低減することが可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る直流電源装置は、騒音低減パルスを使用することにより、リアクタの騒音を低減することができるうえに、このリアクタに防振手段と防音手段の少なくとも一方を設けたので、リアクタの騒音をさらに一段と低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る直流電源装置の電子回路図。
【図2】図1で示す交流電源の交流電源電圧波形と、力率改善パルスおよび騒音低減パルスとを示すタイムチャート。
【図3】図1で示す第1実施形態に係る直流電源装置の騒音波形を従来例の騒音波形等と共に示すタイムチャート。
【図4】図1で示す第1の実施形態に係るリアクタの外観の縦断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るリアクタの縦断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るリアクタの縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るリアクタの模式図。
【図8】図7で示すリアクタ本体の斜視図。
【図9】図7で示すリアクタ本体の振動モードを示す斜視図。
【図10】本発明の第5の実施形態に係るリアクタの縦断面図。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る空気調和機の構成図。
【図12】従来のリアクタの縦断面図。
【符号の説明】
1 直流電源装置
3,3A,3B,3C,3D リアクタ
4 第1のダイオードブリッジ
5 第2のダイオードブリッジ
6 スイッチング素子
7 制御手段
11 平滑用電解コンデンサ
13 リアクタのケース(箱体)
14 リアクタ本体
15 防振材
18 防音材
19a,19b 前後一対の通気口
Pa 力率改善パルス
Pb 騒音低減パルス

Claims (2)

  1. 交流電源からの交流を直流に整流する整流回路と、この整流回路からの直流を平滑するコンデンサと、上記整流回路の交流入力側に直列に挿入され、防音手段および防振手段の少なくとも一方を備えたリアクタと、スイッチング素子のオンのときに上記交流電源を上記リアクタを介して短絡してこのリアクタに強制的に通電する短絡回路と、上記交流電圧の各ゼロクロスから所定の短期間上記スイッチング素子をオンさせると共に、この第1のオンの後所定の遅延期間後上記短期間よりも短かい期間上記スイッチング素子を再びオンさせる制御手段と、を具備していることを特徴とする直流電源装置。
  2. 交流を直流に変換するコンバータ装置と、このコンバータ装置で変換された直流を可変電圧、可変周波数の交流に変換して圧縮機駆動電動機または送風機駆動電動機に供給するインバータ装置と、を備えた空気調和機において、前記コンバータ装置として請求項1記載の直流電源装置を用いたことを特徴とする空気調和機。
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