JP3746805B2 - 免疫抑制剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な免疫抑制剤に関する。本発明の免疫抑制剤は自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
微生物の代謝産物であるクラミドシンは、従来、抗真菌作用および抗細胞増殖作用〔 Helvetica Chimica Acta, 57, Fasc.3, 533-545 (1974),特公昭50−22117号公報,Tetrahedron, 49, No.36, 7837-7856 (1993) 〕を有することが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
免疫抑制剤としては、副腎皮質ホルモン、代謝拮抗剤、アルキル化剤、アルカロイド、抗生物質、抗リンパ球グロブリン、抗CD3モノクローナル抗体などが知られており、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療薬として用いられている。しかしながら、有効性、持続性、副作用などの点で必ずしも満足されるものではなく、さらに優れた免疫抑制剤の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明により式
【0005】
【化2】
【0006】
で表されるクラミドシンを有効成分とする免疫抑制剤が提供される。
クラミドシンは真菌種デイヘテロスポラ・クラミドスポリア(Diheterospora chlamydosporia)を培地に培養し、培養物中に生成蓄積させ、該培養物中から精製単離することにより得られる(特公昭50−22117号公報)。
次にクラミドシンの免疫抑制作用について試験例で説明する。
【0007】
試験例1.マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖抑制試験
無菌的にAKRマウス [日本エス. エル. シー(株)]より脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマイトマイシンC (MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終濃度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハンクスの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児血清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行ない、1 x 107 cells/mlに調製した。
【0008】
96穴マイクロタイタープレートの各ウエルにB10.BRマウス[日本エス.エル.シー(株)]のリンパ節細胞浮遊液 50 μl (1.5 x 105 cells含有)、AKRマウスの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105 cells含有)および各試験濃度のクラミドシンを含む培養液 100μlを添加し、37℃のCO2インキュベーター内で72時間培養した。尚、培養終了18時間前に[3H]-チミジン1.0μCiを添加した。培養終了後、セルハーベスターで濾紙上に細胞を補集し、乾燥後トルエン系シンチレーターを加え、液体シンチレーションカウンターで細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定した(試験群)。
【0009】
対照群としてクラミドシンを含まない培養液を添加し、以下上記と同様に培養を行い細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定した。
T細胞増殖抑制率は、次式に従って算出した。
【0010】
【数1】
【0011】
(式中、 MMC処理 AKRマウス放射能量は、 MMC処理した AKRマウスの脾臓細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を、またB10.BRマウス放射能量は、B10.BRマウスのリンパ節細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を表す)
試験結果を第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
第1表によれば、クラミドシンはマウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖を抑制し、明らかな免疫抑制作用を示した。
また、クラミドシンの急性毒性(LD50) は、マウス経口投与において 850 mg/kg 以上である〔 Eurp. J. Cancer,10, 801-808 (1974)〕。以上の試験結果より、クラミドシンは優れた免疫抑制作用を有し、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療剤として有用であることが確認された。
【0014】
クラミドシンは、そのままあるいは各種の医薬組成物として経口的または非経口的に投与される。このような医薬組成物の剤形としては、たとえば錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤、点滴剤などがあげられる。
上記剤形の製剤化には、通常知られている方法が適用され、たとえば各種の賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、等張化剤、乳化剤、吸収促進剤などを含有していてもよい。
【0015】
医薬組成物に使用される担体としては、たとえば水、注射用蒸留水、生理食塩水、グルコース、フラクトース、白糖、マンニット、ラクトース、澱粉、コーン・スターチ、ポテト・スターチ、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、タルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、尿素、シリコーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどがあげられ、これらは製剤の種類に応じて適宜選択される。
【0016】
クラミドシンの投与量は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、患者の年齢、体重などにより決められるが、経口もしくは非経口的投与方法(たとえば、注射、点滴、座剤による直腸投与あるいは皮膚貼付など)により、通常成人1日当り0.01〜2 mg/kgである。
次に、実施例をあげて本発明の態様を説明する。
【0017】
【実施例】
実施例1.錠剤
クラミドシン100 g、ラクトース40 g、コーンスターチ18 gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム10 gを混合し、10 %ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて常法により練合する。この練合液を1.0 mmのバスケットを取り付けた押しだし造粒機で造粒し、ステアリン酸マグネシウムを加えて整粒して打錠用顆粒とし、常法により打錠を行って、1製剤(170 mg) 中にクラミドシンを100 mg含む8 mm径の錠剤を得る。
【0018】
実施例2.カプセル剤
クラミドシン50 g、ラクトース 80 g およびポテトスターチ 38 g からなる混合物に、10 %ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて練合し、以下実施例1と同様に造粒し、ステアリン酸マグネシウムを加えてカプセル充填機によりハードカプセルに充填し、常法により1カプセル(170 mg) 中クラミドシンを50 mg含むカプセル剤を得る。
【0019】
実施例3.ソフトカプセル剤
10 gのクラミドシンを100 gの大豆油に溶かし、得られた溶液を常法によりカプセルに注入することにより、1カプセル当り10 mgのクラミドシンを含むソフトカプセル剤を得る。
【0020】
【発明の効果】
本発明により優れた免疫抑制剤が提供される。
【産業上の利用分野】
本発明は新規な免疫抑制剤に関する。本発明の免疫抑制剤は自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
微生物の代謝産物であるクラミドシンは、従来、抗真菌作用および抗細胞増殖作用〔 Helvetica Chimica Acta, 57, Fasc.3, 533-545 (1974),特公昭50−22117号公報,Tetrahedron, 49, No.36, 7837-7856 (1993) 〕を有することが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
免疫抑制剤としては、副腎皮質ホルモン、代謝拮抗剤、アルキル化剤、アルカロイド、抗生物質、抗リンパ球グロブリン、抗CD3モノクローナル抗体などが知られており、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療薬として用いられている。しかしながら、有効性、持続性、副作用などの点で必ずしも満足されるものではなく、さらに優れた免疫抑制剤の開発が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明により式
【0005】
【化2】
【0006】
で表されるクラミドシンを有効成分とする免疫抑制剤が提供される。
クラミドシンは真菌種デイヘテロスポラ・クラミドスポリア(Diheterospora chlamydosporia)を培地に培養し、培養物中に生成蓄積させ、該培養物中から精製単離することにより得られる(特公昭50−22117号公報)。
次にクラミドシンの免疫抑制作用について試験例で説明する。
【0007】
試験例1.マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖抑制試験
無菌的にAKRマウス [日本エス. エル. シー(株)]より脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマイトマイシンC (MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終濃度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハンクスの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児血清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行ない、1 x 107 cells/mlに調製した。
【0008】
96穴マイクロタイタープレートの各ウエルにB10.BRマウス[日本エス.エル.シー(株)]のリンパ節細胞浮遊液 50 μl (1.5 x 105 cells含有)、AKRマウスの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105 cells含有)および各試験濃度のクラミドシンを含む培養液 100μlを添加し、37℃のCO2インキュベーター内で72時間培養した。尚、培養終了18時間前に[3H]-チミジン1.0μCiを添加した。培養終了後、セルハーベスターで濾紙上に細胞を補集し、乾燥後トルエン系シンチレーターを加え、液体シンチレーションカウンターで細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定した(試験群)。
【0009】
対照群としてクラミドシンを含まない培養液を添加し、以下上記と同様に培養を行い細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定した。
T細胞増殖抑制率は、次式に従って算出した。
【0010】
【数1】
【0011】
(式中、 MMC処理 AKRマウス放射能量は、 MMC処理した AKRマウスの脾臓細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を、またB10.BRマウス放射能量は、B10.BRマウスのリンパ節細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を表す)
試験結果を第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
第1表によれば、クラミドシンはマウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖を抑制し、明らかな免疫抑制作用を示した。
また、クラミドシンの急性毒性(LD50) は、マウス経口投与において 850 mg/kg 以上である〔 Eurp. J. Cancer,10, 801-808 (1974)〕。以上の試験結果より、クラミドシンは優れた免疫抑制作用を有し、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、臓器移植などの治療剤として有用であることが確認された。
【0014】
クラミドシンは、そのままあるいは各種の医薬組成物として経口的または非経口的に投与される。このような医薬組成物の剤形としては、たとえば錠剤、丸薬、散剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤、点滴剤などがあげられる。
上記剤形の製剤化には、通常知られている方法が適用され、たとえば各種の賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、懸濁化剤、等張化剤、乳化剤、吸収促進剤などを含有していてもよい。
【0015】
医薬組成物に使用される担体としては、たとえば水、注射用蒸留水、生理食塩水、グルコース、フラクトース、白糖、マンニット、ラクトース、澱粉、コーン・スターチ、ポテト・スターチ、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、タルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、尿素、シリコーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどがあげられ、これらは製剤の種類に応じて適宜選択される。
【0016】
クラミドシンの投与量は、目的とする治療効果、投与方法、治療期間、患者の年齢、体重などにより決められるが、経口もしくは非経口的投与方法(たとえば、注射、点滴、座剤による直腸投与あるいは皮膚貼付など)により、通常成人1日当り0.01〜2 mg/kgである。
次に、実施例をあげて本発明の態様を説明する。
【0017】
【実施例】
実施例1.錠剤
クラミドシン100 g、ラクトース40 g、コーンスターチ18 gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム10 gを混合し、10 %ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて常法により練合する。この練合液を1.0 mmのバスケットを取り付けた押しだし造粒機で造粒し、ステアリン酸マグネシウムを加えて整粒して打錠用顆粒とし、常法により打錠を行って、1製剤(170 mg) 中にクラミドシンを100 mg含む8 mm径の錠剤を得る。
【0018】
実施例2.カプセル剤
クラミドシン50 g、ラクトース 80 g およびポテトスターチ 38 g からなる混合物に、10 %ヒドロキシプロピルセルロース溶液を加えて練合し、以下実施例1と同様に造粒し、ステアリン酸マグネシウムを加えてカプセル充填機によりハードカプセルに充填し、常法により1カプセル(170 mg) 中クラミドシンを50 mg含むカプセル剤を得る。
【0019】
実施例3.ソフトカプセル剤
10 gのクラミドシンを100 gの大豆油に溶かし、得られた溶液を常法によりカプセルに注入することにより、1カプセル当り10 mgのクラミドシンを含むソフトカプセル剤を得る。
【0020】
【発明の効果】
本発明により優れた免疫抑制剤が提供される。
Claims (1)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06280195A JP3746805B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 免疫抑制剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06280195A JP3746805B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 免疫抑制剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08259458A JPH08259458A (ja) | 1996-10-08 |
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Family Applications (1)
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JP06280195A Expired - Fee Related JP3746805B2 (ja) | 1995-03-22 | 1995-03-22 | 免疫抑制剤 |
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JP (1) | JP3746805B2 (ja) |
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1995
- 1995-03-22 JP JP06280195A patent/JP3746805B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08259458A (ja) | 1996-10-08 |
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