JP3746007B2 - 積層セラミックファイバー成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数層からなるセラミックファイバーの成形体に関し、特に内部に機能性材料を担持したセラミックファイバーの成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、水に分散させたセラミックファイバーを凝集させて成形すると同時に、その成形体中に触媒や吸着剤などの機能性材料を担持する湿式成形法が検討されている。
【0003】
即ち、セラミックファイバー、機能性材料の粒子、無機バインダーを水に分散させ、有機バインダーを加えてフロックを形成させ、紙漉の要領で真空吸引により成形した後、乾燥・焼成して、機能性材料を担持したフィルターとするものである。
【0004】
しかし、このような湿式成形法により製造したフィルターは、担持した機能性材料の活性を十分に発揮できないという問題があった。例えば、触媒を担持した場合においては、満足すべき触媒反応を得ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の事情に鑑み、湿式成形法により簡単且つ確実に機能性材料を担持でき、同時にその機能性材料の活性を改善向上させることができ、取り扱い上も安定して形状を維持できる十分な強度を備えた積層セラミックファイバー成形体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供する積層セラミックファイバー成形体は、3層以上のセラミックファイバー層を積層したセラミックファイバー成形体であって、少なくとも両側の最表面層が無機バインダーで相互に結合されたセラミックファイバーからなる形状保持層であり、両側の最表面層に挟まれた中間層のうちの少なくとも1層はセラミックファイバーと共に機能性材料を含み、且つ無機バインダーを含まない機能性材料担持層であることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の積層セラミックファイバー成形体においては、最表面層の又は中間層に含まれる前記形状保持層が更に機能性材料を含むことができる。また、前記中間層として複数の機能性材料担持層が存在し、各機能性材料担持層にそれぞれ異なる機能性材料を担持することができる。更に、前記積層セラミックファイバー成形体が、板状、円筒状又は又は一端が閉鎖された有底円筒状であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明が提供する積層セラミックファイバー成形体の製造方法は、水にセラミックファイバーと無機バインダーを分散させ、有機バインダーを加えて第1のスラリーを準備する工程と、水にセラミックファイバーと機能性材料を分散させ、有機バインダーを加えて第2のスラリーを準備する工程と、無機バインダーを含む第1のスラリーを成形型上に吸引成形する工程と、その上に無機バインダーを含まない第2のスラリーを吸引成形する工程と、更にその上に再び無機バインダーを含む第1のスラリーを吸引成形する工程と、成形型から取外した成形体を乾燥・焼成する工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記本発明の積層セラミックファイバー成形体の製造方法では、前記第1のスラリーを準備する工程で、更に水に機能性材料を分散させることができる。また、前記第1及び第2のスラリーを成形型上に吸引成形する各工程において、板状成形体の場合には上部を開放した箱型の成形型内にスラリーを流し込んで吸引成形し、両端が開放された円筒状又は一端が閉鎖された有底円筒状の成形体の場合には、両端が閉鎖された円筒状又は一端が閉鎖された有底円筒状の成形型をスラリー内に浸漬して吸引成形することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
従来の湿式成形法により製造した機能性材料担持フィルターが機能性材料としての十分な活性を発揮し得ない点について検討を重ねた結果、セラミックファイバーからなるフィルターの形状保持と強度確保のために添加された無機バインダー(例えばシリカゾル粒子は平均粒径10nm)が機能性材料(一般に平均粒径40μm程度の粒子状態)の表面にコーティングされた状態となるため、機能性材料の表面積が減少して接触確率が低下してしまい、機能性材料の活性が阻害されていることが分った。
【0011】
そこで、本発明のセラミックファイバー成形体においては、3層以上のセラミックファイバー層を積層し、少なくとも両側の最表面層はセラミックファイバーを無機バインダーで結合した形状保持層とすると共に、両側の最表面層に挟まれた中間層のうちの少なくとも1層には無機バインダーを添加せず、機能性材料を担持する機能性材料担持層とした。尚、中間層は、単層の場合は機能性材料担持層であるが、複数層の場合には複数の機能性材料担持層で構成したり、機能性材料担持層の間に無機バインダーを含む形状保持層を介在させることもできる。
【0012】
このような構成をとることにより、機能性材料担持層には無機バインダーを添加していないため、機能性材料の表面が無機バインダーで覆われることがなくなり、本来の機能性材料の活性を発揮することができる。同時に、無機バインダーを含まないため強度の低い機能性材料担持層を中間層とし、その両側を無機バインダーで結合した形状保持層で支持することによって、全体として十分な強度を保持し、形状を維持することができる。尚、この機能性材料担持層及び形状保持層は、基本的にセラミックファイバーが相互に絡み合って構成されているので、多くの空隙を有し、フィルターとして十分な通気性を備えている。
【0013】
本発明の積層セラミックファイバー成形体の全体形状は、特に制限されず、機能性材料担持フィルターとしての用途に応じて種々の形状をとることができ、例えば板状であっても、円筒状又は一端が閉鎖された有底円筒状などであってもよい。また、無機バインダーで結合されたセラミックファイバーからなる形状保持層は、両側の最表面層以外に、強度向上や形状保持のために、複数層の中間層の中に挟み込むこともできる。
【0014】
更に、最表面層を構成する形状保持層、及び中間層中に含まれる形状保持層は、成形体の強度を保持し且つ形状を維持するためのものであるから、基本的には機能性材料を含む必要はない。しかしながら、機能性材料の表面が無機バインダーでコーティングされていても、ある程度の活性が期待できるので、形状保持層に機能性材料を含ませることも可能である。また、両側の最表面層の間に設ける中間層は、1層でも又は複数層であってもよいが、その中の少なくとも1層は無機バインダーを含まない機能性材料担持層でなければならない。
【0015】
本発明による積層セラミックファイバー成形体について、図1を参照して具体的に説明する。この具体例の積層セラミックファイバー成形体は円筒形であり、最内層1、中間層2、最外層3の3層から構成されている。中間層2は、右下に拡大して示すように、セラミックファイバー4と機能性材料粒子5とで構成される機能性材料担持層である。一方、最表面層である最内層1と最外層3は、左下に拡大して示すように、無機バインダーでコーティングされたセラミックファイバー4aと、同じく無機バインダーでコーティングされた機能性材料粒子5aとで構成された形状保持層となっている。
【0016】
従って、最内層1と最外層3は、無機バインダーでコーティングされたセラミックファイバー4aが無機バインダーを介して相互に結合されるので高い強度を有しているが、無機バインダーでコーティングされた機能性材料粒子5aの活性は低下する。一方、無機バインダーを含まない中間層2は、機能性材料粒子5が高い活性を維持できるが、セラミックファイバー4は無機バインダーで相互に結合されないため強度的には劣っている。尚、無機バインダーを含まない中間層2での機能性材料粒子5の担持は、セラミックファイバー4との溶融又は焼結や、セラミックファイバー4による物理的な保持によるものと考えられる。
【0017】
本発明の積層セラミックファイバー成形体は、その機能性材料担持層に任意の機能性材料を担持することにより、各種の化学作用を発揮するフィルターとして使用できる。例えば、窒素酸化物の分解機能を有する触媒を担持すれば自動車排ガスの浄化フィルターとして有用である。活性炭などの吸着剤を担持すれば、空気清浄用のフィルターなどとして使用することができる。
【0018】
また、中間層として複数の各機能性材料担持層を配置した場合でも、各各機能性材料担持層の間で各機能性材料が相互に混じり合うことがない。従って、中間層として複数の機能性材料担持層を設け、各機能性材料担持層にそれぞれ異なる機能性材料粒子を担持させることにより、複数の異なる作用を果たす多機能フィルターを構成することが可能である。
【0019】
例えば、発熱反応と吸熱反応、又は酸化反応と還元反応などのように、同時に起こると不具合の生じる反応に対して触媒作用を果たすフィルターや、ある機能性材料と同じ場所に存在すると反応を阻害する物質(例えば触媒毒)を機能性材料と共に保持したフィルター、担持した機能性材料に有害な物質を吸着などにより除去する物質を保持させ、機能性材料の劣化を防止したフィルターなどを構成することができる。
【0020】
使用するセラミックファイバーは、特に限定されず、従来からフィルター等に使用されている材料、例えばアルミナ系、アルミナ−シリカ系、ムライト系などのセラミックファイバーを用いることができる。ガラス繊維やロックウール、炭素繊維などを用いることもできる。また、各層ごとに、異なるセラミックファイバーを使用することも可能である。無機バインダーとしては、シリカゾルやアルミナゾルが好適に使用できる。また、担持する機能性材料は、特に制限されるものではない。
【0021】
尚、シリカゾルなどの無機バインダーの強度が発現する温度まで焼成温度を上げても機能性材料の性能が劣化しない場合は問題ないが、機能性材料の性能が劣化する場合には、最内層及び最外層のセラミックファイバーにガラス粉末又はガラス繊維を混入することが有効である。ガラス粉末やガラス繊維は、ナトリウムが含まれるため、シリカゾルが低温で焼結しやすくなるためである。しかも、ガラス粉末やガラス繊維を含む層は非常に高強度となるため、形状保持層に混入することにより、単層のフィルターと同レベルの強度を有するフィルターを作製することができる。
【0022】
次に、本発明の積層セラミックファイバー成形体の製造方法を、図面を参照して説明する。まず、図2に示すように、第1成形槽11に、水とセラミックファイバー4と共に無機バインダー6を分散させ、有機バインダーを加えて第1のスラリーを準備する。また、図3に示すように、第2成形槽12には、水とセラミックファイバー4と共に機能性材料粒子5を分散させ、有機バインダーを加えて第2のスラリーを準備する。このとき、第1成形槽11には必要に応じて機能性材料を更に分散させてもよいが、第2成形槽12には無機バインダーを添加してはならない。
【0023】
各スラリーの組成は、セラミックファイバーに対す重量%で以下の割合とすることが好ましい。即ち、第1成形槽11の第1のスラリーは、無機バインダーを0.1〜20%、必要に応じて添加する機能性材料は0〜50%、有機バインダーは0.01〜10%とする。尚、無機バインダーが単独で水中に分散することを防ぐため、有機バインダーはやや過剰気味に加えることが望ましい。第2成形槽12の第2のスラリーにおいては、機能性材料を0.01〜95%、有機バインダーを0.01〜10%の範囲とする。
【0024】
有機バインダーは主にセラミックファイバーのフロックを形成させるために添加するものであり、澱粉、カチオン系高分子有機バインダー、アニオン系高分子有機バインダーなどが一般的に広く使用されている。また、使用する機能性材料は、粒子状であってもゾル状態であっても担持可能である。
【0025】
次の成形工程においては、最初に、第1成形槽11に所定形状、例えば図4に示すような一端を閉じた円筒形の成形型10を沈め、吸引成形により最内層の成形を行なう。引き続き、吸引ポンプを作動させたまま成形型10を第1成形槽11から引き上げ、第2成形槽12に浸漬して吸引成形して、中間層を成形する。更に、吸引ポンプを作動させたまま成形型10を第2成形槽12から引き上げ、再び第1成形槽11に浸漬して吸引成形し、最外層を成形する。各成形槽11、12のセラミックファイバー濃度と吸引時間を変化させることによって、成形される各層の厚さを制御することができる。
【0026】
最外層の吸引成形の終了後、吸引ポンプを作動させたまま成形型10を第2成形槽12から引き上げ、成形型10上に形成された成形体を取外し、乾燥・焼成することによって、有底円筒状の3層から構成された積層セラミックファイバー成形体が得られる。尚、成形体の焼成温度としては、十分な成形体強度が得られる温度にする必要があるが、同時に機能性材料の性能が劣化しない温度で且つ機能性材料の性能が最も良くなる温度を、担持機能性材料に応じて適宜選定することが好ましい。
【0027】
この具体例では3層からなる積層セラミックファイバー成形体について説明したが、中間層を2層以上にする場合には、その中間層の組成に応じて別途成形槽を準備し、上記の中間層の成形工程と同様に吸引成形すればよい。また、成形型の形状を変えることによって、有底円筒状のほかに、両端開放の円筒状、平板や波板のような板状など、いろいろな形状の成形体を得ることができる。
【0028】
尚、両端が開放された円筒状の積層セラミックファイバー成形体を製造する場合は、両端が閉鎖された有底円筒状の成形型を用いて、上記したような第1のスラリーと第2のスラリーを交互に吸引成形すれば良い。また、板状の積層セラミックファイバー成形体を製造する場合には、上部を開放した箱型の成形型内に、上記したような第1のスラリーと第2のスラリーを交互に流し込んで吸引成形すれば良い。
【0029】
【実施例】
実施例1
第1成形槽に水5m3を入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー90kgとガラスファイバー10kgを投入し、5分間撹拌機で分散させた。次に、シリカゾル40重量%溶液を15kg加えて1分間撹拌し、撹拌速度を落として、更にカチオン系α化澱粉2重量%溶液を255kg加えることによりフロックを形成させた。
【0030】
第2成形槽には水5m3を入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー30kgと、機能性材料としてチタニア(TiO2)粉70kgとを投入して、5分間撹拌機で分散させた。その後、撹拌速度を落とし、カチオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液を150kg加え、1分間撹拌した後にアニオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液を150kg加えることによりフロックを形成させた。
【0031】
吸引ポンプのスイッチを入れ、吸引しながら雄型の吸引成形型(直径140mm×長さ2000mm、一端開放の試験管状)を第1成形槽に2秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。次に、その吸引成形型を吸引しながら第2成形槽に15秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。更に、その吸引成形型を再び第1成形槽に5秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。
【0032】
吸引成形型ごと乾燥機に入れて12時間乾燥した後、吸引成形型から成形体を脱型し、600℃焼成して3層構造の試験管形状のフィルターを得た。得られた3層構造の試験管形状のフィルターは、最内層がシリカバインダーを含む形状保持層5mm、中間層がシリカバインダーを含まないチタニア担持層10mm、最外層がシリカバインダーを含む形状保持層5mmで構造されていた。
【0033】
この機能性材料担持積層フィルターは、かさ密度が0.40g/cm3、曲げ強度が1MPa、圧力損失が0.5kPa(流速1m/min時)であった。
【0034】
実施例2
第1成形槽に水5m3を入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー45kg、チタニア45kg、ガラスファイバー10kgを投入して、5分間撹拌機で分散させた。次に、シリカゾル40重量%溶液を15kg投入して1分間撹拌した後、撹拌速度を落として更にカチオン系α化澱粉2重量%溶液を255kg加えてフロックを形成させた。
【0035】
第2成形槽には水5m3を入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー30kgと、チタニア70kgを投入し、5分間撹拌機で分散させた。その後、撹拌速度を落とし、カチオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液150kgを加えて1分間撹拌した後、アニオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液150kgを加えてフロックを形成させた。
【0036】
吸引ポンプのスイッチを入れ、吸引しながら雄型の吸引成形型(直径100mm×長さ5000mm、両端閉鎖の円筒状)を第1成形槽に3秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。次に、その吸引成形型を吸引しながら第2成形槽に15秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。更に、その吸引成形型を再び第1成形槽に7秒間沈め、吸引成形して直ちに引き上げた。
【0037】
吸引成形型から成形体を脱型し、乾燥機に入れて12時間乾燥した。その後600℃にて焼成することにより、3層構造でチューブ型の機能性材料担持積層フィルターを得た。得られた3層構造の円筒状のフィルターは、最内層がチタニアとシリカバインダーを含む形状保持層5mm、中間層がシリカバインダーを含まないチタニア担持層10mm、最外層がチタニアとシリカバインダーを含む形状保持層5mmで構造されていた。
【0038】
この機能性材料担持積層フィルターは、かさ密度が0.45g/cm3、曲げ強度が1.2MPa、圧力損失が0.7kPa(流速1m/min時)であった。
【0039】
実施例3
第1成形槽に水20リットルを入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー270kgとガラスファイバー30gを投入し、5分間撹拌機で分散させた。次に、シリカゾル40重量%溶液を45g投入して1分間撹拌した後、撹拌速度を落として、カチオン系α化澱粉2重量%溶液を750g加えてフロックを形成させた。また、第3成形槽として、上記と同様にしてフロックを形成させ、第1成形槽と同じ組成のスラリーを作製した。
【0040】
第2成形槽には水45リットルを入れ、アルミナ−シリカ系セラミックファイバー450gと、乾燥した珪藻土450gを投入して、5分間撹拌機で分散させた。その後、撹拌速度を落とし、カチオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液1350gを加えて1分間撹拌した後、アニオン系高分子有機バインダー0.1重量%溶液1350gを加えてフロックを形成させた。
【0041】
雌型の吸引成形型(長さ600mm×幅300mm×深さ300mmの上面開放の箱状)に、第1成形槽のスラリーを全量流し込み、吸引ポンプにより水が吸引された後、第2成形槽のスラリーを全量流し込んだ。水が吸引された後、更に第3成形槽のスラリーを全量流し込み、吸引して水を除去した。
【0042】
吸引成形型から成形体を脱型し、乾燥機に入れて100℃で乾燥した後、600℃にて焼成することにより、3層構造でボード状の機能性材料担持積層フィルターを得た。得られた3層構造のボード状のフィルターは、長さ600mm×幅300mm×厚さ20mmであり、両側の最外層が共にシリカバインダーを含む形状保持層5mm、中間層がシリカバインダーを含まない珪藻土担持層10mmで構造されていた。
【0043】
この機能性材料担持積層フィルターは、かさ密度が両側の最外層で0.33g/cm3及び中間層で0.5g/cm3であり、曲げ強度が0.7MPa、圧力損失が0.6kPa(流速1m/min時)であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、湿式成形法により、簡単且つ確実に機能性材料を担持でき、同時にその機能性材料の活性を向上させることができ、取り扱い上も安定して形状を維持できる十分な強度を備えた積層セラミックファイバー成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層セラミックファイバー成形体の一具体例を示す断面図と、その一部を模式的に示す拡大図である。
【図2】本発明方法における第1成形槽を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明方法における第2成形槽を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明方法における成形型を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 最内層
2 中間層
3 最外層
4 セラミックファイバー
5 機能性材料粒子
6 無機バインダー
Claims (7)
- 3層以上のセラミックファイバー層を積層したセラミックファイバー成形体であって、少なくとも両側の最表面層が無機バインダーで相互に結合されたセラミックファイバーからなる形状保持層であり、両側の最表面層に挟まれた中間層のうちの少なくとも1層はセラミックファイバーと共に機能性材料を含み、且つ無機バインダーを含まない機能性材料担持層であることを特徴とする積層セラミックファイバー成形体。
- 最表面層の又は中間層に含まれる前記形状保持層が更に機能性材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックファイバー成形体。
- 前記中間層として複数の機能性材料担持層が存在し、各機能性材料担持層にそれぞれ異なる機能性材料が担持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の積層セラミックファイバー成形体。
- 前記積層セラミックファイバー成形体が、板状、円筒状、又は一端が閉鎖された有底円筒状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックファイバー成形体。
- 水にセラミックファイバーと無機バインダーを分散させ、有機バインダーを加えて第1のスラリーを準備する工程と、水にセラミックファイバーと機能性材料を分散させ、有機バインダーを加えて第2のスラリーを準備する工程と、無機バインダーを含む第1のスラリーを成形型上に吸引成形する工程と、その上に無機バインダーを含まない第2のスラリーを吸引成形する工程と、更にその上に再び無機バインダーを含む第1のスラリーを吸引成形する工程と、成形型から取外した成形体を乾燥・焼成する工程とを含むことを特徴とする積層セラミックファイバー成形体の製造方法。
- 前記第1のスラリーを準備する工程で、更に水に機能性材料を分散させることを特徴とする、請求項5に記載の積層セラミックファイバー成形体の製造方法。
- 前記第1及び第2のスラリーを成形型上に吸引成形する各工程において、上部を開放した箱型の成形型内にスラリーを流し込んで吸引成形するか、円筒状又は又は一端が閉鎖された有底円筒状の成形型をスラリー内に浸漬して吸引成形することを特徴とする、請求項5又は6に記載の積層セラミックファイバー成形体の製造方法。
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