JP3745762B2 - キュービクル基台 - Google Patents
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一方、受電設備は、工場や工事現場等において、全ての電気設備に電力を供給するための基幹を成す設備であるため、スピーディーな設置が要求されている。ところが、上述する工法では、キュービクルを設置するための基台はキュービクル設置現場で作製されるし、コンクリートを流し込むため、工期に時間が掛かりキュービクル設置の工期短縮の障害となっていた。
そのようなことから、例えば特許文献2に開示されているように、キュービクル基台として既製のコンクリート製基礎主体を使用し、予め工場等で基台を作製しておき、キュービクルを設置する際にクレーン等を用いて運搬し設置することで、基台作製時間を短縮し、キュービクル施工期間を短縮する工法が提案された。
また、使用を終了したキュービクルの処分を考えた場合、可能な限りリサイクルできる形態が望ましいが、上記基台はリサイクルが難しく産業廃棄物となっていた。
地面に形成された高圧ケーブルをキュービクルへ引き込むためのケーブル立ち上げ孔の位置は、所定位置に精度良く施工するのが難しくまちまちであるため、基台と地面の双方の孔の位置が合わない場合は、地面のケーブル立ち上げ孔の位置を変更する必要が生ずる。しかし、高圧ケーブルは地中埋設やスラブ立ち上げで施工されているため、立ち上げ位置の変更が難しい。
このようなことから、開口部を小さくして、設置作業も簡易化できる基台を予め作製しておく方法を採用するのは難しかった。
この構成により、床面に設けられたケーブル立ち上げ孔が、ケーブル挿通孔と一致していなくても、基台に形成した隙間を利用してケーブル挿通孔にケーブルを挿入でき、キュービクル内に引き込むことができる。このように、基台のケーブル挿通孔に対するケーブル立ち上げ孔の位置自由度を大きく取ることができ、基台を予め作製しておいても良好に利用できる。また、ケーブル挿通孔の少なくとも上部開口部はケーブルを挿通できればよいので小さくでき、モルタル等を使用して穴埋め作業をする必要が無いし、基台強度も得やすい。そのため、例えば枠状に形成した大口径の開口部を有する基台に比べて高さを抑えることができ、地面を大きく掘り下げなくても設置可能となり、設置作業の簡易化を図ることができる。従って、取り外しも容易であり、再使用が可能となる。
この構成により、床面に沿わせて高圧ケーブルが配設されている場合、或いはケーブル立ち上げ孔がキュービクル設置領域内に無い場合、貫通孔及びケーブル挿通孔を介して高圧ケーブルを基台側方からキュービクル内に引き込むことができ、高圧ケーブルを無理なくキュービクル内に引き込むことができる。そのため、ケーブル立ち上げ孔位置をケーブル挿通孔に合わせて変更する必要がなく、基台を予め作製しておいても良好に利用できる。また、ケーブル挿通孔の少なくとも上部開口部はケーブルを挿通できればよいので小さくでき、モルタル等を使用して穴埋め作業をする必要が無いし、基台強度も得やすい。そのため、例えば枠状に形成した大口径の開口部を有する基台に比べて高さを抑えることができ、地面を大きく掘り下げなくても設置可能となり、設置作業の簡易化を図ることができる。従って、取り外しも容易であり、再使用が可能となる。
この構成により、基台をベルトを用いてクレーンで吊り上げて運搬する際、掛けたベルトがズレ難く安定した状態で運搬できる。
この構成により、キュービクルを解体する際、バール等用いて容易に基台を床から剥がすことができるし、基台を傷付けることなく再利用することが可能となる。
この構成により、高圧ケーブルをキュービクルに引き込む際、曲げ曲率を大きく取ることができ、引き込み作業が容易であるし、ケーブルへの負荷も軽減できる。
この構成により、吊りボルトを容易に取り付けでき、クレーン等で容易に運搬できる。また、ネジ孔をキュービクル固定のためのアンカーボルト取付孔と兼用させれば、アンカーボルトの取付も容易となる。更に、基台上面及び下面には突起部が無いので、容易に積み重ねることができ、保管や運搬に際して広いスペースを必要としない。
この構成により、キュービクルを容易に固定できるし、アンカーボルトを利用して例えば雌ねじを備えた吊り具を取り付ければ、クレーンによる運搬も可能となる。
この構成により、大容量のキュービクルであっても基台を大きくすることなく対応可能となり、基台の種類を削減できる。また、基台が極端に重くなることを防ぐことができ、運搬が容易になる。
また、ネジ孔6は、図7の基台の部分拡大図に示すように、コンクリートによる基台成形時に金属製雌ねじ筒6aを埋め込んで形成され、吊りボルト8や図示しないアンカーボルトを装着可能となっている。尚、5は地面3に設けられたケーブルを引き出すためのケーブル立ち上げ孔を示している。
また、基台は前後方向に開口されているので、ケーブル立ち上げ孔が基台下部に無くても、前後方向に配置されていれば、基台を加工することなく容易に基台下部に引き込みでき、キュービクル内に挿通することができる。従って、基台をキュービクル設置現場で作製せずに、予め作製しておいても良好に使用できる。
更に、吊りボルトを容易に取り付けできるので、クレーンによる運搬が容易であるし、ネジ孔をキュービクル固定のためのアンカーボルト螺入孔と兼用させれば、アンカーボルトの取付も別途工事することなく容易に実施できる。
また、キュービクルが横長の箱体の場合は基台も幅広となるが、この場合、脚部1は左右端部だけでなく、例えば中央部等適宜部位に設けるのが好ましい。
このように形成すれば、前後方向に加えて左右方向の基台外部からも高圧ケーブルを基台下部に引き込むことができ、ケーブル引き込みの自由度が更に増大する。また、ケーブル挿通孔を2つ設けることで、ケーブル立ち上げ位置に応じてケーブル挿通孔を選択できるし、他方をキュービクルから引き出す低圧ケーブル挿通孔として使用することもできる。
床面に設けられたケーブル立ち上げ孔5が、キュービクル設置領域内に無い場合は、下部に隙間を設けず、このように側面に貫通孔7を設けた基台を使用すれば良く、前後左右何れの方向からでも高圧ケーブルを基台内に挿入でき、ケーブル挿通孔4を介してキュービクル内に引き込むことができる。
また、使用を終了したキュービクルを解体する際、バール挿入溝にバール等を挿入して基台を持ち上げ操作をすれば、容易に且つ良好に基台を地面から剥がすことができ、基台を良好な状態で再使用することが可能となる。
このように、貫通孔7は完全に基台内部に形成せず、図1,図2に示すように床面との間に隙間を設ける形態で作製しても良く、基台外部から基台を介してキュービクル内に高圧ケーブルを引き込むことができる。また、基台側方から高圧ケーブルを挿入する形態であっても、基台下部を地中に埋設する施工を実施すれば、高圧ケーブルが地上に露出することがない。また、貫通孔をバール挿入溝として利用すれば、使用を終了した基台を容易に地面から剥がすことができる。
そして、隙間2の上部に形成されたケーブル挿通孔4は、矩形の開口部4aを有し、内部にテーパ面を設けて下方に拡開されて形成されている。また、10は低圧ケーブルをキュービクルから引き出すための低圧ケーブル挿通孔であり、円形の開口部10aを有し、同様に下方に拡開されて円錐形状に形成され、2つの孔が縦方向に穿設されている。また、11はベルト案内溝であり、基台のつり上げをベルトを掛けて行う場合、ベルトを案内するために設けられ、基台底面の前後及び左右方向に十字状に形成されている。
更に、図6に示すように、内部に鉄筋12が前後及び左右方向に交差するように組み入れられている。
また、ベルト案内溝により、基台にベルトを掛けてクレーン等で吊り上げる場合、ベルトを掛けやすいし掛けたベルトが滑って外れたりするようなことがなく、安定した吊り上げができる。特に、このベルト案内溝をバール挿入溝としても使用でき、容易に基台を地面から剥がすことができる。更に、鉄筋を組み入れることで強度が上がるので、基台全体を更に薄くして軽量化できる。
尚、図5に示すベルト案内溝11や鉄筋12は、上記他の実施形態の基台にも好適に適用できる。但し、ベルト案内溝11は、図1,図2の形態では、隙間2を兼用させることができるし、図4では貫通孔7をベルト案内溝に兼用させることができる。
このように、連結可能とすることで、大容量のキュービクルであっても予め作製しておく基台を大きくすることなく対応でき、基台の種類を削減できる。また、基台が極端に重くなることを防ぐことができ、運搬が容易となる。
また、図1、図2、図5において設けられているネジ孔6は、図9の基台の部分拡大図に示すような全く逆の形態のボルトとしても良い。図9は、基台の要部拡大斜視図であり、上記図7に対応する部位を示している。図において、14は載置するキュービクルを固定するためのアンカーボルトであり、基台上面の4隅に上方に突出させて取り付けられている。そして、15はボルト14に螺着可能な雌ねじを備えた吊り具を示し、16はボルト15に対応して下面に凹設されたすり鉢形状の保護凹部であり、ボルトの高さより深く形成されている。
このように形成しても、吊り上げる為のアンカーを容易に取り付けることができるし、当然キュービクルを容易に固定できる。更に保護凹部により、基台を重ねてもボルトが曲がったりボルトにより基台が破損することもない。
Claims (9)
- キュービクルを載置固定するためのコンクリート製基台であって、下面に脚部を設けて基台底部に高圧ケーブルを配設可能な隙間を形成し、該隙間を設けた少なくとも1ヶ所に高圧ケーブルを挿通可能なケーブル挿通孔を上下方向に貫設して成ることを特徴とするキュービクル基台。
- キュービクルを載置固定するためのコンクリート製基台であって、前後方向及び左右方向のうち少なくとも一方に高圧ケーブルを挿入するめの貫通孔を設け、該貫通孔と交差する位置に高圧ケーブルを挿通可能なケーブル挿通孔を上下方向に貫設して成ることを特徴とするキュービクル基台。
- 底面に、吊り上げのためのベルトを案内するベルト案内溝を有する請求項1又は2記載のキュービクル基台。
- 周囲4辺のうち少なくとも1辺の下端部にバールを挿入するための切り欠きを設けた請求項1乃至3記載の何れかに記載のキュービクル基台。
- ケーブル挿通孔は、下方を拡開してホーン形に形成されて成る請求項1乃至4の何れかに記載のキュービクル基台。
- 上面に吊りボルトを装着可能なネジ孔を有する請求項1乃至5の何れかに記載のキュービクル基台。
- 上面にキュービクル固定用のアンカーボルトを突設して成る請求項1乃至5の何れかに記載のキュービクル基台。
- 連続配置されたキュービクル基台同士を連結するための連結部を有し、該連結部に係合する連結手段を用いて連続配置した前記基台同士を連結可能とした請求項1乃至7の何れかに記載のキュービクル基台。
- 内部に鉄筋を配してなる請求項1乃至8の何れかに記載のキュービクル基台。
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