JP3745596B2 - 地絡距離リレー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力用送電線の各相の電圧、電流を入力とし、地絡故障を判定する地絡距離リレーに関するもので、特に故障点方向判定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、例えば特公昭55−20452号公報に示された従来の地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
図7において、1は3相(A相、B相、C相)電圧Va、Vb、Vcと3相電流Ia、Ib、Icを入力とし、その大きさと位相関係から故障点方向判定を行う故障点方向判定回路で、簡単のため、ここではA相の故障点方向判定回路を示すが、実際は、A相以外にB相、C相の回路も設けられている。故障点方向判定回路1は、次の2〜5の回路によって構成される。2は3相電圧Va、Vb、Vcを入力とし、零相電圧V0を演算するV0演算回路、3は保護対象相(ここではA相)電圧以外の相を入力とする線間電圧を90度シフトするシフト回路、4はV0演算回路2とシフト回路3の出力を入力として極性電圧VPOLを演算する極性電圧演算回路、5は極性電圧演算回路4の出力と保護対象相(ここではA相)電流Iaの位相関係により故障点方向を判定する方向判定回路である。
【0003】
図8は、従来の地絡距離リレーの方向判定要素のA相地絡故障時の電圧ベクトルを示す図である。
図9は、従来の地絡距離リレーの方向判定要素の前方負荷電流のある系統での外部2φG故障時のベクトルを示す図である。
図10は、図9の地絡距離リレーの方向判定要素における故障中極性電圧と電流の位相関係を示す図である。
【0004】
図7の回路のように、極性電圧VPOLは、保護対象相がA相の場合、下式で構成される。
V0=1/3(Va+Vb+Vc)・・・・V0演算回路2
Vbc・εj=(Vb−Vc)・εj・・・シフト回路3
POL=Va−V0+Vbc・εj・・・極性電圧演算回路4
ここで、εjは、90度位相を進めることを意味する。
通常、A相故障では、3相電圧が図8のようなベクトル関係になるので、電圧Vaの方向と−V0、Vbc・εjは、同じ方向となる。
−V0とVbc・εjを付加する理由は、詳しく従来技術の特許に書かれているが、主な役目は、A相至近端故障時には、Va=0vとなるため、方向演算できないので、極性電圧を零にしないため、V0、Vbc・εjを付加する。また、背後非電源端故障でも方向判別を誤らないためである。
【0005】
次に、動作について説明する。
地絡距離リレーに入力された3相電圧は、V0演算回路2、シフト回路3及び極性電圧演算回路4により極性電圧に変換され、保護対象相電流と共に方向判定される。方向判定として、前方1相地絡故障では、故障時極性電圧が保護対象相電流に対して、0から90度の範囲にあるため、前方判定領域として、0から90度に動作マージンを持たせる必要があり、例えば、−45度から135度に設定するため、図7の方向判定回路5に示す動作領域を採る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地絡距離リレーに用いられていた方向判定要素は、その相に流れる電流と極性電圧によって判定されるので、故障前負荷電流が送り方向(前方方向)でかつ、電流値が大きく、故障電流に対して無視できない場合には、外部2φG故障(BC相2線地絡故障)でも内部故障として誤判定される可能性があった。
図9は、その場合の電圧、電流ベクトル関係を示す。地絡距離リレーに入力する電流は、故障電流Ifb、Ifc(背後故障であるため通常、電圧の約90度進み)と負荷電流Ilb、Ilcの合成電流になるため、図9に示すように、負荷電流Ilb、Ilcの影響を受け、図10の3相の極性電圧との位相関係からB相の地絡故障判定が誤って、後方故障にかかわらず、前方とみなす判定領域に入る可能性があった。つまり、故障電流に比べて負荷電流が無視できなくなる程度まで大きい場合には、背後故障であっても、前方故障と誤判定する可能性があった(A相については、負荷電流により前方とみなすが、これは、正しい判定である)。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、負荷電流が大きい場合でも誤判定のない安定した動作を行うことのできる地絡距離リレーを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる地絡距離リレーにおいては、三相電圧の各々の電圧の低下を検出する電圧低下検出回路と、この電圧低下検出回路によって検出された検出結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備える。上記極性電圧回路は、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算し、該保護対象相以外の相電圧低下が上記電圧低下検出回路により検出されると、上記極性電圧の演算時、該電圧低下した相に応じて上記零相電圧V0、上記電圧差V PP を零として演算するものである。
また、三相電圧及び三相電流から故障相を判定する故障相判定回路と、この故障相判定回路によって判定された判定結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備える。上記極性電圧回路は、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算し、該保護対象相以外の相が上記故障相判定回路により故障と判定されると、上記極性電圧の演算時、該故障相に応じて上記零相電圧V0、上記電圧差V PP を零として演算するものである。
【0009】
さらに、保護対象相の電流が入力され、入力された電流から故障電流を抽出する故障電流抽出回路と、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び故障電流抽出回路によって抽出された故障電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備えたものである。
また、故障電流抽出回路は、入力電流を蓄積する電流メモリを有し、上記電流メモリに蓄積された電流を、新たに入力された電流から差し引いて故障電流を抽出するものである。
【0010】
さらにまた、上記故障電流抽出時に新たな入力電流から差し引く電流は、該新たな入力電流より所定の時間前に入力され、該所定の時間は故障継続時間以上であるものである。
また、故障電流抽出回路は、保護対象相の電流または電圧を用いて故障の発生を検出する故障検出回路を有し、上記故障検出回路により故障の発生を検出すると、入力された保護対象相の電流を電流メモリに蓄積するのを停止するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
図1において、1は3相(A相、B相、C相)電圧Va、Vb、Vcと3相電流Ia、Ib、Icを入力とし、その大きさと位相関係から故障点方向判定を行う故障点方向判定回路で、簡単のため、ここではA相の故障点方向判定回路を示すが、実際は、A相以外にB相、C相の回路も設けられている。故障点方向判定回路1は、次の2〜5の回路によって構成される。2は3相電圧Va、Vb、Vcを入力とし、零相電圧V0を演算するV0演算回路、3は保護対象相(ここではA相)電圧以外の相を入力とする線間電圧を90度シフトするシフト回路、5は極性電圧VPOLと保護対象相(ここではA相)電流Iaの位相関係により故障点方向を判定する方向判定回路である。
7は3相電圧を入力とし、各々の電圧の低下を検出する電圧低下検出回路、8は電圧低下検出回路7の出力に基づき、V0演算回路2とシフト回路3の出力を入力として極性電圧VPOLを演算する極性電圧制御回路であり、V0演算回路2とシフト回路3と極性電圧制御回路8により極性電圧回路を構成する。
図2は、この発明の実施の形態1による地絡距離リレーの方向判定要素の極性電圧制御後の極性電圧VPOLと電流の位相関係を示す図である。
【0012】
次に、動作について説明する。
電圧低下検出回路7は、入力電圧がある設定値(Vkに設定)以下に低下したことを検出して、信号を出力する回路であり、極性電圧制御回路8では、次のように極性電圧の構成を、電圧低下検出回路7の出力に応じて制御している。
A相地絡距離リレーの極性電圧VPOL(A)は、通常下記で計算される。
POL(A)=Va−V0+Vbc・εj
しかし、保護対象相以外の電圧低下検出で、次のような制御を行う。
C相電圧Vcの低下(Vc<Vk)検出で
POL(A)=Va+Vbc・εj
B相電圧Vbの低下(Vb<Vk)検出で
POL(A)=Va−V0
B相かつC相電圧の低下(Vb<Vk、Vc<Vk)検出で
POL(A)=Va
すなわち、B相電圧低下検出で、V0=0、C相電圧低下検出でVbc=0として制御する。
【0013】
上記の制御を実施すると、前述の背後2φG(B相、C相)故障では、B相、C相の電圧が低下し、A、B、C各相の地絡方向判定では、B相、C相の電圧が低下するので、A相では、
POL(A)=Vaとなり、
B相の地絡方向判定では、故障相以外の相として、C相電圧が低下するので、
POL(B)=Vb−V0となり、
C相地絡方向判定では、故障相以外の相として、B相が低下するので、
POL(C)=Vc+Vab・εjとなる。
前方負荷電流の多い場合について、図2に保護対象相電流と制御された極性電圧の位相関係を示すと、B相は、後方領域に、C相は、さらに位相的に後方側へ移動したことが判る。
【0014】
実施の形態によれば、電圧低下に基づいて極性電圧を制御することで、故障点方向が、負荷電流に関わらず、正しく判定出力できる方向判定回路を得ることができる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態1では、電圧低下検出回路7の出力に応じて、極性電圧の構成電圧を制御したが、実施の形態2は、図3に示すように故障相判定回路によって制御する。
図3は、この発明の実施の形態2による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
図3において、1〜3、5、8は図1におけるものと同一のものである。9は3相電流Ia、Ib、Ic及び3相電圧Va、Vb、Vcを入力とする故障相判定回路で、ここでは、例として、インピーダンス(Z)方式を示している。つまり、各相の電圧を電流で割って、ある設定値(Zk)以下で故障相を判定して、極性電圧制御に使う。
すなわち、実施の形態1において、電圧値がある設定値以下でもって制御する電圧の代わりにインピーダンスを使う。インピーダンスは、電圧に比べて、故障判定能力が高い。
【0016】
実施の形態2によれば、インピーダンスは、電圧に比べて、故障判定能力が高いため、たとえば、電源インピーダンスが小さく、故障が発生しても電圧低下が小さい場合でも、故障相を正確に判定できるメリットがある。
【0017】
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、極性電圧の構成を制御する方法で負荷電流に関わらず正しく方向判定ができる方法を示したが、実施の形態3は、図4の回路を用いて方向判定する。
図4は、この発明の実施の形態3による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図であり、図4(a)は、地絡距離リレーの方向判定要素を示す図、図4(b)は、故障電流抽出回路の動作を説明する図である。
図4において、1は3相(A相、B相、C相)電圧Va、Vb、Vcと3相電流Ia、Ib、Icを入力とし、その大きさと位相関係から故障点方向判定を行う故障点方向判定回路で、簡単のため、ここではA相の故障点方向判定回路を示すが、実際は、A相以外にB相、C相の回路も設けられている。故障点方向判定回路1は、次の2〜5の回路によって構成される。2は3相電圧Va、Vb、Vcを入力とし、零相電圧V0を演算するV0演算回路、3は保護対象相(ここではA相)電圧以外の相を入力とする線間電圧を90度シフトするシフト回路、4はV0演算回路2とシフト回路3の出力を入力として極性電圧VPOLを演算する極性電圧演算回路であり、V0演算回路2とシフト回路3と極性電圧演算回路4とで極性電圧回路を構成する。5は極性電圧演算回路4の出力と保護対象相(ここではA相)電流Iaの位相関係により故障点方向を判定する方向判定回路である。10は対象相の故障電流抽出回路で、電流メモリ回路11、故障電流演算回路12から構成されている。図4の回路は、系統からの入力電流から故障電流だけを抽出して、負荷電流の影響を方向判定演算から除去することにより、正しく方向判定する。
図5は、図4における故障電流と極性電圧の位相関係を示す図である。
図5において、Ifa、Ifb、Ifcは故障電流である。
【0018】
次に、動作について説明する。
電流メモリ回路11で、電流データを必要時間分(たとえば、数秒間)蓄積する。デジタルリレーでは、電流データの蓄積は、サンプリング時間毎に必要時間分のメモリのキューバッファ(古いデータを新しいデータに書き換える方式)で簡単に実現できる。故障電流抽出回路10では、現在電流から系統周波数の整数倍で、故障継続時間以上前のメモリ蓄積電流データ(これは、故障前データであるので、負荷電流に相当する)を差し引く処理を行う。
つまり、故障中の電流入力は、図9で説明したように故障電流と負荷電流の合成電流であるので、電流入力から故障前データを差し引くことで、負荷電流の影響を取り除くことができる。ここで、故障電流抽出回路10では、常に現在電流データから数10〜数100サイクル前の電流データを引き算することを実行する。すなわち、蓄積電流メモリ時間を、故障継続時間の最大時間以上に設定しておく必要がある。
【0019】
実施の形態3によれば、このように、方向判定に使う電流データを故障電流に限定することで、図5に示すように負荷電流の影響がない故障電流Ifa、Ifb、Ifcを用いて、正しく方向判定できる。ただし、この場合、健全相の方向判定ができない可能性があるが、これは問題ではない。
【0020】
実施の形態4.
実施の形態3では、故障前電流を得るために故障継続時間以上の電流データ蓄積が必要であるが、実施の形態4は、図6に示すように、電流メモリ蓄積時間を系統周波数の数サイクル(例えば、3サイクル)分の蓄積で実現するようにしている。
図6は、この発明の実施の形態4による地絡距離リレーの方向判定要素の故障電流抽出回路を示す図であり、図6(a)は、故障電流抽出回路の構成を示す図であり、図6(b)は、故障電流抽出回路の動作を説明する図である。
図6において、10〜12は図4におけるものと同一のものである。電流メモリ回路11の蓄積時間は3サイクルである。14は故障検出回路である。
【0021】
故障検出回路14は、電圧あるいは電流の急変を検出して(図6では、電流変化による検出回路を例として示す)、故障発生を検出する。その時点で電流メモリでの蓄積を停止し、その時点から3サイクル前までの電流データを固定する。ここで、蓄積時間は、故障発生から故障検出回路14が検出するまでの時間より、1サイクル以上長く設定する(ここでは、これを例えば3サイクルとした)。すなわち、故障発生で停止させたメモリ電流データの最初の1サイクルを故障発生前の負荷電流を示すものとして、故障電流演算回路12で、現在電流データから系統周波数の整数倍かつ、前述の故障前1サイクルデータ内の電流瞬間値を差し引いて、故障電流を演算する。
【0022】
実施の形態4によれば、実施の形態3に比較して、蓄積データ時間が短くかつ、故障継続時間に関わらず、演算できる利点がある。
【0023】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
三相電圧の各々の電圧の低下を検出する電圧低下検出回路と、この電圧低下検出回路によって検出された検出結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備えたので、負荷電流に拘わらず正しく故障点方向を判定することができる。
また、三相電圧及び三相電流から故障相を判定する故障相判定回路と、この故障相判定回路によって判定された判定結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備えたので、電圧低下が小さい場合でも、故障相を判定して、正確に故障点方向を判定することができる。
【0024】
さらに、保護対象相の電流が入力され、入力された電流から故障電流を抽出する故障電流抽出回路と、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路と、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び故障電流抽出回路によって抽出された故障電流の位相関係により保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備えたので、方向判定に使う電流を故障電流に限定することで、負荷電流の影響がなく、正しく方向判定することができる。
また、故障電流抽出回路は、入力電流を蓄積する電流メモリを有し、電流メモリに蓄積された電流を、新たに入力された電流から差し引いて故障電流を抽出するので、故障発生時の電流から負荷電流を除去することができる。
【0025】
さらにまた、故障電流抽出時に新たな入力電流から差し引く電流は、該新たな入力電流より所定の時間前に入力され、該所定の時間は故障継続時間以上であるので、的確に故障電流を抽出することができる。
また、故障電流抽出回路は、保護対象相の電流または電圧を用いて故障の発生を検出する故障検出回路を有し、上記故障検出回路により故障の発生を検出すると、入力された保護対象相の電流を電流メモリに蓄積するのを停止するので、電流を蓄積する時間を短くして、故障電流を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による地絡距離リレーの方向判定要素の極性電圧制御後のVPOL電圧と電流の位相関係を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
【図5】 図4における故障電流と極性電圧の位相関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による地絡距離リレーの方向判定要素の故障電流抽出回路を示す図である。
【図7】 従来の地絡距離リレーの方向判定要素を示す図である。
【図8】 従来の地絡距離リレーの方向判定要素のA相地絡故障時の電圧ベクトルを示す図である。
【図9】 従来の地絡距離リレーの方向判定要素の前方負荷電流のある系統での外部2φG故障時のベクトルを示す図である。
【図10】 図9の地絡距離リレーの方向判定要素における故障中極性電圧と電流の位相関係を示す図である。
【符号の説明】
1 故障点方向判定回路、2 V0演算回路、3 シフト回路、
4 極性電圧演算回路、5 方向判定回路、7 電圧低下検出回路、
8 極性電圧制御回路、9 故障相判定回路、10 故障電流抽出回路、
11 電流メモリ回路、12 故障電流演算回路、14 故障検出回路。

Claims (6)

  1. 三相電力系統の地絡故障を判定する地絡距離リレーにおいて、三相電圧の各々の電圧の低下を検出する電圧低下検出回路、この電圧低下検出回路によって検出された検出結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路、および、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により上記保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備え
    上記極性電圧回路は、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算し、該保護対象相以外の相電圧低下が上記電圧低下検出回路により検出されると、上記極性電圧の演算時、該電圧低下した相に応じて上記零相電圧V0、上記電圧差V PP を零として演算することを特徴とする地絡距離リレー。
  2. 三相電力系統の地絡故障を判定する地絡距離リレーにおいて、三相電圧及び三相電流から故障相を判定する故障相判定回路、この故障相判定回路によって判定された判定結果に基づき、三相電圧を用いて極性電圧を演算する極性電圧回路、および、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び保護対象相の電流の位相関係により上記保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備え
    上記極性電圧回路は、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算し、該保護対象相以外の相が上記故障相判定回路により故障と判定されると、上記極性電圧の演算時、該故障相に応じて上記零相電圧V0、上記電圧差V PP を零として演算することを特徴とする地絡距離リレー。
  3. 三相電力系統の地絡故障を判定する地絡距離リレーにおいて、保護対象相の電流が入力され、上記入力された電流から故障電流を抽出する故障電流抽出回路、保護対象相電圧と零相電圧V0の差、および他の2相の電圧差V PP による合成電圧を極性電圧として演算する極性電圧回路、および、この極性電圧回路によって演算された極性電圧及び上記故障電流抽出回路によって抽出された故障電流の位相関係により上記保護対象相の故障点方向を判定する方向判定回路を備えたことを特徴とする地絡距離リレー。
  4. 故障電流抽出回路は、入力された保護対象相の電流を蓄積する電流メモリを有し、上記電流メモリに蓄積された電流を、新たに入力された電流から差し引いて故障電流を抽出することを特徴とする請求項3記載の地絡距離リレー。
  5. 上記故障電流抽出時に新たな入力電流から差し引く電流は、該新たな入力電流より所定の時間前に入力され、該所定の時間は故障継続時間以上であることを特徴とする請求項4記載の地絡距離リレー。
  6. 故障電流抽出回路は、保護対象相の電流または電圧を用いて故障の発生を検出する故障検出回路を有し、上記故障検出回路により故障の発生を検出すると、入力された保護対象相の電流を電流メモリに蓄積するのを停止することを特徴とする請求項4記載の地絡距離リレー。
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